2001年6月27日(水) 【科学捜査】

 講釈師、見てきたような嘘を言い、その2。

 富田町に「鑑識科学センター」があり、商工労働警察委員会は、権内調査で行ったそうです。私は、刑事ドラマとXーファイルの見過ぎで、ここは是非行きたかったのですが、公務が重なりました。残念です。
 ここには、いわゆる「鑑識課」と「科学捜査研究所」があります。


 犯罪は、益々悪質・巧妙化、さらに、都市化・国際化の進展、道路交通網の発展等の社会的な要因も重なり、事件捜査面でも、聞き込み等の伝統的な捜査手法だけでは犯人検挙が困難になるなど、治安情勢が厳しさを増しています。

 そんな中、「遺留品、指掌紋、微物、臭気等」の『物』からの捜査によって科学的に犯人を特定し、その犯罪を立証していくという科学捜査の重要性が高まっています。


 岡山県警本部刑事部「鑑識課」は、「科学捜査研究所」との密接な連係のもと、綿密な現場鑑識活動によって採取した各種の現場資料を基に、科学的な捜査手法を駆使して、地味ではありますが、着実に犯人を追いつめ事件捜査に目覚しい成果を上げています。

 また、近年の科学技術の進歩によって、指掌紋の照合業務が飛躍的に効率化できるようになったほか、現場資料を採取するための資器材・技術の面でも、進歩が著しく、従来は困難であった資料の採取が可能になるなど、今後の捜査活動への貢献に大きな期待が寄せられています。


 ちなみに、「万人不同」「終生不変」の「指紋」自動識別システムは、本年1月から運用を開始。本年度内には、新たに掌紋識別システムの端末機器が導入予定です。
 昨年中は、7000件の照合作業があり、年々増加傾向です。(現場指紋係)
 オンラインで結ばれ、県は、79000人、国は、749万人と照合されます。

 主に重要・凶悪事件と重要窃盗事件につき、警察署の鑑識活動を支援しているのが、機動鑑識班(「機鑑」)。
 最新の鑑識資器材を効果的に活用し、その高い技術水準によって、困難な現場鑑識活動でも指紋採取、微物採取等に大きな威力を発揮しています。

 「臭いの捜査官」が、警察犬。鑑識課の直轄警察犬が4頭。民間ボランティアに委託している警察嘱託犬が、25頭います。(警察犬係)
 人間の臭覚の約3000倍。犯罪現場では遺留品からの犯人選別、被害者の発見、犯人の逃走経路の特定等に抜群の効果をあげています。
 特に最近は、徘徊老人の行方不明事案での出動要請が多いそうです。

 他にも、足こん跡係、指紋資料係、写真係などがあります。


 一方、科学捜査のエキスパートが、16名体制の「科学捜査研究所」。
 法医、化学、工学、文書、心理の各セクションが置かれ、科学捜査に関する研究を行うとともに、これらを応用した鑑定・検査を行っています。
 現在、多くの研究員が、法科学のエキスパートとして活躍し、またライフワークのテーマを持って研究に励み、学位を取得している方も数多くいます。
 ちなみに、昨年の鑑定検査は、全県で12873件。


 月並みな表現で恐縮ですが、いわゆる職人というか、プロフェショナルの方が、我々の知らないところで、活躍されておられるのですね。
 限りない敬意を込めて紹介させて頂きました。

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