2012年3月16日(金) 【祈りながらやるべきこと】

 すっかり春めいた朝、本日は朝一で、築港で街宣。

 本日は、興除公民館の防災講座で、岡山理科大学教授 西村敬一先生と同大4年生の新谷美沙紀さんによる『次の南海地震に備えるために〜興除地区震災体験者の証言から学ぶ〜』という講演がありました。

 地域の関心も、極めて高く、多くの方々のご来場でした。新谷さんは、かわいらしい女子大生ですが、緻密なデーターに基づく仮説と検証の積み上げによる講演で、正直なところ、改めて震撼するものがありました。

 昭和21年(1946年)の昭和南海地震を体験された興除と藤田地域の聞き取り調査を行ったもので、1854年の嘉永南海地震の被害との類似性からも、今後の地震による被害の予想もできる内容でした。

 なによりも、南区に自分が来た意味というのを改めて、思い知らされた気がします。神仏の意図があるから、自分がいるのでしょう。・・・本当に考えさせられました。


 まず、震源とが岡山に近づいている状況から、実は、東日本大震災と比べても、岡山の方が、震源域から近いのですが、仮に想定震源域(東海、東南海、南海、津波の4連動)が起きた場合・・・。

  @ 非常に激しい揺れ  震度6弱から6強

  A 揺れの継続時間が非常に長い
      興除・藤田のような軟弱な堆積層では、地震波が増幅し、多重反射し
     て、10分間揺れが続く可能性もある。揺れの強さよりも、長さの被害
     は、浦安市で、顕著であった。

  B 広範囲で地盤沈下が生じる可能性がある。
      今まで岡山で論じられて来なかった。

  C 高い津波の襲来の可能性
      津波の高さ自体は、紀伊水道や淡路島、佐多岬で、太平洋岸の5分の
     1程度になる?


 そして、釜石の奇跡から、避難3原則
  @ 想定にとらわれるな  A 最善を尽くせ  B 率先避難者たれ

 特に、B。今、大切な人を頭に浮かべた時に、しかし、「津浪てんでんこ」ができるかどうか。少なくとも、子どもには、「親は放っておいて、とにかく逃げろ」と、親は言えるけれど、逆は・・・。
 平素から、お互いの覚悟というものをきっちりと伝えておく必要があると思います。



 政治家は、己がピンチになると思えば、逃げるのが得意ですが、いずれにせよ、率先避難者に、私は、なれません。ただしかし、率先避難者が、避難者を率先するのです。


 一方で、もちろん、防災訓練などは当然として、今、やらなくてはいけないことがあります。

 ひとつは、ボーリング調査。実は、あまりにも、基礎データが少ないという事があります。特に、過去に岡山に大きな津波が来ていないと言い切るだけの調査は、行えていません。

 加えて、私自身、鵜呑みにしているわけではないですが、農政局が言うように、本当に児島湾締切堤防の耐震構造は、大丈夫なのか?やはり、詳細なデータと根拠をやはり求めていく必要があると感じました。
 実は、昔を知る多くの方から、不安の声を頂いています。

 さらには、県市の防災基本計画が見直されたら、地元にそれをきっちりと説明していく必要がある、ということ。狼少年ではないですが、可能性というのものは、冷静に踏まえておく必要があります。


 私が、被災地で聞いた一番、厳しい言葉。それは、敢えて今まで書きませんでしたが、「海は海を覚えている」・・・・。津がつく地名が、港です。・・・・・岡山平野の多くが、海であったこと・・・。

 つくづく思いますが、 私達は、地震や津波や台風や火山噴火がある、そういう国に住んでいるのです。だからこそ、大自然の中で生かされると感じ、畏敬の念を持ち、だからこそ、支えあい、謙虚に、潔く、慎ましやかに生きてきた・・・・それが、日本人なのだと思います。

 だからこそ、感謝を持って祈ってきた、それが日本人です。政治が祈りを忘れたことが、大問題だと思います。
 ただ、祈る以外にも、あるいは、祈りながらできること、それをやっていくのが、政治の仕事です。



 午後には、岡山NPOセンターと県県民生活部県民生活交通課による平成24年度岡山県NPO関連予算説明会。

 いわば、協働という名で、次年度発注予定のメニューということにはなりますが・・・。こういう場に集わない、あるいは、集わなくて良いNPOもあるという意味では、思うところもあるのですが、どうあれ、プロポーザル等で打って出て、少しずつでも、実績を作らなければ・・・・なんか、公共事業みたいだな・・・。

 ともあれ、現場の最前線の若手の担当県庁職員さんがずらっと並ばれる風景は、平均年齢が50歳は確実に越えている委員会室とは、明らかに雰囲気が違いました。
 今までの行政の常識を超えて、現状を打破する若い感性に期待したいです。


 ところで、今日で、100系と300系には、さようなら・・・。あまり乗っていないのが、悲しいです。大学の4年間、新幹線に乗ったのは、入学の時のみ。あとは、東京往復は、全て青春18切符でした。

 実は、新しい時刻表をつぶさに見たわけではありませんが、益々青春18切符が使いにくくなっていると話を聞くだけで、さびしいなぁ・・・。

 馬場俊英=『君がくれた未来』 http://www.youtube.com/watch?v=9x6uWYl-ZTg

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