2011年6月14日(火) 【児島湖界隈の課題として】

 本日は、朝一で、千両街道で街宣。

 その後、一般質問の調査および、御要望場所の確認などで、締切堤防を渡り、さらに、児島湾中央管理事務所の児島湾干拓資料室も訪ねました。岡南飛行場を含めて、幾つか思うところがありました。

 まず、地域の方の御要望を伺ううち、児島湖内部を見渡す中で、なぜ、締切堤防西側の郡地区だけ、堤防が無いように見えるのか、たいへん気になりました。
 岡南地区側は、阿部池を含めて、いろいろ動いている部分もあるのですが、いわば、岡山県が造成、分譲している新興住宅地だけに、我々にも重い責任があります。


 そもそも、平成11年に海岸法が改正され、国の海岸保全基本方針に基づき、県が、「海岸保全基本計画」を定めることとなり、さらに、平成15年に、『岡山沿岸海岸保全基本計画』を策定し、計画に位置づけられた箇所について事業を進めてきました。

 ところで、平成16年の台風16号により、県下の多くの沿岸地域で既往最高潮位を超える高潮や波浪による浸水被害が発生したことから、防護水準や海岸保全施設を整備しようとする区域等について、基本計画の見直しを行う必要が生じ、平成20年3月に、改正された『岡山沿岸海岸保全基本計画』ができて、今に至っています。

 特に、児島湾締切堤防は、「郡福島海岸」という「農地海岸」(干拓地や農業施設のある海岸を知事が指定、農林水産省農村振興局所管)になりますが、農地海岸については、主に海岸保全施設整備事業として、津波や高潮、波浪、浸食等の被害から農地を守るために堤防や護岸の整備を行います。
 締切堤防は、国の直轄海岸保全施設整備事業ということになります。


 ところで、『岡山沿岸海岸保全基本計画』を読むと、妙なことに気がつきます。


 約537kmある海岸線を12のゾーンに分けて、「児島湾ゾーン」と「児島湖ゾーン」も分かれていて、奥部は意識されているのですが、締切堤防西側の郡地区が、含まれていないように読めてしまいます。
 もとより、「児島湾ゾーン」になる締切堤防東側の郡(港)は、市の所管になるのですが、「児島湖ゾーン」の中に、郡という言葉が出て来ないのです。松尾、六区、七区はあるのですが・・・。

 昭和44年に、郡地内に開設された岡山県運転免許試験場は、平成5年に、御津に運転免許センターが新設されたことに伴い廃止され、その跡地は、分譲団地「グリーンテラス郡」となり、その一角には、岡山市によって、1haのグランドを有する郡公園が、整備されています。
 その公園の前に、堤防がないというのは・・・。

 そもそも、防護の対象となる地域に応じて、河川課、港湾課、耕地課及び水産課が、海岸保全区域の管理事務を分担しています。
 「土木海岸」ならば、土木部港湾課や河川課ですが、こと児島湖ということになると、農林水産関係になって、「農林海岸」であり、これは、耕地課所管、しかし、防護の対象となる背後地が、農地でなく、住宅である。これは、いったいどうなるのかな?という疑問が、ふつふつと沸いてきます。

 個人的には、地域防災はもちろん、子ども達の安全のためにも、堤防があった方が良いように思います。


 一方で、国の方ですが、児島湖に関する大きな動きを最近は聞きません。

 御案内の通り、県下有数の穀倉地帯である児島湖周辺の農地は、主に、昭和37年農林水産省の事業により完成した児島湖及び足守川等を水源とし、揚水機、井堰及び樋門により、農業用水を取水していますが、児島湖流域における近年の都市化、混住化の影響で児島湖の水質が悪化しています。

 そこで、「児島湖沿岸農地防災事業」として、平成4年度〜平成18年度までに、児島湖の湖底に堆積した汚泥を浚渫することにより、農業用水の水質を改善し、農作物への被害を未然に防止することで、農業生産の維持及び農業経営の安定化を図る、という事業がありました。
 底泥しゅんせつ工 、ミオ筋浚渫・埋戻工、脱水処理工、覆砂工と続く過程は、ちょっと分かり難かった印象があります。

 また、児島湖締切堤防は、暑さ15〜20mに達する軟弱な海性粘土層に築造されているため、堤体は波浪による盛土の吸出しが起こり、また樋門、閘門は老朽化が著しいことから、洪水時や、高潮時には危険な状態となっていたため、「岡山海岸保全事業」として、締切堤防一連の施設が改修されています。

 ・・・・児島湾締切堤防の安全性の確認、強化・・これで国の事業が、終わって良いのか・・・・・・。


本田美奈子=『つばさ』 http://www.youtube.com/watch?v=r4N_PUGCDE8&feature=related

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