2010年8月26日(木)
【広域的に捉えるべき南区の課題】

 異常気象とも言える猛暑が続きますが、気になるのは、特に南区では防災面の不安。

 南区は、いわゆる干拓地が多く、川に例えれば、最下流部になりますから、平成16年の台風の被害を持ち出すまでもなく、水をいかに制御するかは、極めて大きな課題です。
 これは、地域の農業を支える農業かんがい排水事業とも、表裏一体のものです。

 今までに、足守川、笹ヶ瀬川、倉敷川、丙川、妹尾川、西尾川、足守川パイプライン、藤田パイプラインや灘崎の用水などについて、地域の御要望を伺ってまいりました。
 さらに、海岸部でも、岡南工業地域、小串・甲浦の高潮対策なども、当局と協議を続けてまいりました。政令指定都市になって、県から市に、権限・財源が多く移譲されたものの、南区には、極めて多く、県の事業があります。

 また、住宅街の中を農業用水が走るのは、南区のごくありふれた風景ですが、宅地化が進む地域では、保水力が落ちており、用水が吹き上げる可能性があったり、阿部池の水位と締切り堤防と旭川ダムの放流の関係など、かなり体系的に考えないといけない課題もあります。

 政治の要諦は、治山治水ですが、全ての水は結局、北区や県北から流れてきますから、体系的に、課題を捉えていかなくては、対処療法的な解決策はありません。


 さらに、南区内においては、およそ自家用車がなければ、移動が困難であるほど、広域公共交通網に課題(南区の中心市街地をどう描くか?拠点区域をどう結ぶか?)がありますし、御高齢者の一人暮らしの方々も多く、また、不法投棄の問題など、国、県、市が一体となって取り組むべき課題があります。


 なにより、花回廊が出来上がっていく児島湖には、流域が全て関係する環境問題もあります。
 空の駅として、あるいは、岡山県の防災拠点としての岡南空港もありますし、灘崎地域の核として、なんとか市に受けて頂けたファーマーズマーケット・サウスビレッジもありますし、基幹型地域生活支援センター「ゆう」も、あります。
 これらは、県の施策としても重要な課題です。


 水の循環もそうですが、区域に関係なく広域的に政治課題を捉えるという意味では、県議会議員として、非常にやりがいを感じています。


 なお、今年度は、農林水産委員会がらみの動きが多いですが、平成20年12月定例会で提言させて頂いた「パーキングパーミット(身障者用駐車場利用証)制度」も、やっとこの12月に導入される運びになりました。

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