2005年5月29日(日) 【津波浸水予測図】

=======================================
 6月が近づき、気になるのは入梅、さらには、台風と続く中での防災対策です。また、地震による津波の被害はいつ起きてもおかしくありません。
 笹が瀬川を含めて、岡山県水防計画が大改定される一方で、中央防災会議が、東南海・南海地震の発生とそれに伴う津波を想定した浸水予測をもとに、地形データ等による修正を加えてシュミレーションを行い、浸水範囲を予測し図面化したものが、県のホームページに公表されます。
 岡山市・倉敷市など沿岸6市2町で浸水が発生し、干拓地では、最大4〜5mの浸水深となります。
=======================================
  ↓ 詳しくは

 岡山県水坊計画は、水防協議会が、毎年改定を行いますが、今年度は、昨年の未曾有の台風災害を踏まえて、大幅な改定が予定されています。

 今までは、指定は、三蟠九蟠海岸のみでしたが、沿岸の7市町において、17ヶ所を「水防警報区域」として追加(6月7日より)。

 また、平成3年から国管理の6河川でのみ行われていた洪水予報を県管理では初めて笹が瀬川と足守川を「洪水予報河川」に指定して、洪水予報の発表を行います(同上)。

 さらに、水防上注意を要する重要水防箇所を284ヶ所新たに追加。例えば、笹が瀬川では、新たに54件が追加指定されます。逆に言うと、それだけ河川改修の必要があることを認識していることの証左です。



 一方で、3月に完成した津波浸水予測図が、岡山県ホームページに発表されることになると思います。これは、非常に恐ろしい背筋が凍るような地図です。

 明日、東南海・南海地震防災対策推進地域連絡協議会が、開催されますが、国の東南海・南海地震等専門調査会が作成したモデルを準用し、 想定地震 東南海・南海地震が同時発生した場合(マグニチュード8.6)の津波浸水予測図が、各地でできていますが、岡山でも、やっとそれが発表されるわけです。

 この予測図を、浸水の恐れのある市や町に提供し、避難所や避難経路等を記入した津波ハザードマップをできるだけ早期に作成するよう県が働きかけるわけですが、幾分、こうした行程が、遅れているように思います。

 津波による被害を軽減するためには、まず避難することであり、ハザードマップと津波避難計画の策定が必要です。

 県内の市町村が津波避難誘導計画を策定することを支援するため、「岡山県津波避難誘導計画策定指針」が作成されてはいますが、詳細なハザードマップがなければ、意味を成しません。
 この津波浸水予測図は、その基になります。


 ちなみに、岡山市でいえば、想定される規模の東南海・南海地震が起き、津波が来れば、いわゆる干拓地はもちろん、南の3分の1は、水に浸かると考えておいた方が良さそうです。
 発表後に、是非ご覧ください。



 ところで、これは、地震に関しての避難と言えるかもしれませんが、市内中心部は、小学校の統合で、「指定避難所」が激減し、さらに、そこが危険になった場合に広大な場所としての「広域避難場所」は、烏城公園一帯であり、私は、それで安全が確保できるとは全く思いません。

 また、身近にある「土砂災害による被害の恐れのある箇所」も、本年1月より「土砂災害危険箇所図」として掲載されています。気になる方は、是非ご覧になった方がよろしいかと思います。



 地震か、洪水か、津波か、土砂崩れか、自然災害は、いかなる場所でも起こり得ます。それに伴う火災やライフラインの切断で、事態は悪化します。

 少なくとも、どういう場所に居住されているのか、いざという時にどこに避難するのか、また、被害を最小にするために、できることは何なのかということは、常に考えておかなくてはいけないことだと思います。


 また、なんでも、小学校も、郵便局も、消防団の数も、全国で、皆およそ2万4000なのだそうです。

 市町村合併があっても、こういった数の大きな地域のコミュニティーがあるということで、その規模で、おそらく、消防団を核として、「防災防犯ステーション」を整備していくべきだという消防庁長官のお話には、首肯できます。

Copyright (c) 2005 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp