2000年12月1日(金)【NPO優遇税制について】
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 昨日、自民党税制調査会が、一定の条件を満たすNPO法人に寄付をしたもの個人や法人を対象に、寄付金を所得額から控除することを認めるNPO優遇税制を2001年度から導入する方針を固めました。

 自民党税調が、12月中旬にまとめる税制改正大綱に盛り込まれます。特に、公益性の高い団体の資金確保を税制面から支援するのがねらいです。
 見直し期限前の駆け込み乗車です。

 一昨日の県の導入方針の優遇税制は、不動産・自動車取得税と県民税均等割免除、すなわち、地方税に関する話です。昨日の自民党税調のものは、所得税控除ですから、国税の話です。
 次元の違う税金の優遇の話です。混乱なきよう、お願いいたします。

 お伝えしましたように、今年4月の地方分権一括法のうち、地方分権整備法が、法定外目的税の弾力運用を認めたことから動いている岡山県の地方税の優遇措置の話は、全国でもかなり先駆的であると評価できます。

 ただ、自民党税調の要望事項の中には、同時に、適格性についての認定基準、認定機関について触れられています。つまり、選ぶのです。
 設立は、認証で、さらに、第2ハードルの認定があるならば、本来のNPOの趣旨からどうなんだろう?と、瞬間疑問に思いました。(不適切と思いながら、添付ファイルにさせて頂きました。)

 その261の「NPOの自己評価」は、そんな疑問から出ています。
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2000年12月2日(土)【LD(学習障害)児について】
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 言葉のやりとりがとても幼かったり、教科の学習にアンバランスが大きかったり、落ち着きが無く集中が困難、手先が不器用で運動が苦手、集団行動が取れない、といった特徴が見られるこどもたちを現在は、文部省も、LD児(学習障害児)と認めています。
 本日、その理解講座がありましたが、個人的には、具体的な児童を見ていないこともあり、充分な理解が、まだできていません。

 本人の心がけや、家庭のしつけが悪いといった誤解から、いじめや不登校につながっているケースもあるそうです。
 岡山県にどのくらいいて、どんな現状で、どんな対策がなされているのかは、全てこれからの調査課題です。
 ご存知のことがございましたら、どうかお知らせ下さい。
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 さて、これから本格的に子育ての苦労を味わって行く私たちですが、講師のお話が、たいそう参考になりました。先輩方は、当然だと言われるかもしれませんが。

 いわく、自己肯定感を育てることの重要性です。すなわち、人間関係を形成する力は、人を信じる力であり、そのためには、自分を信じる力が、必要です。自分を信じる力は、「それでいい」と自分を信じてくれる人に出会うこと、それで、自分を信じ、自分を信じてくれた人を信じ、その他不特定多数の人を信じ、人間関係を作って行く、そんな話です。

 そして、受容、許容、承認、「ありのままでよい」という、母性的機能の後に、それを大前提に、規則、役割、責任、義務、罪や罰の父性的機能がある、逆に、母性的機能が働いていない子供に、父性的機能を働かせることは困難だ、というのです。

 援助交際、不登校、いじめ等々の原因が、もとはと言えば家庭における母性的機能、父性的機能の欠如による、しかも、実は両親自体が、両機能が欠如して育っている、という「らせん」なのかもしれません。

 論者は、ゆえにLD児に対しては・・・ということでしたが、これは一般論でもあります。自己肯定感を育てることが、重要です。と。
 ちなみに、私は、自己肯定感の薄いタイプだと思います。残念ながら。

 子育ては、たいへんだっちゃ!!まだまだ、よく分かってませんけど。


 本日、逢沢代議士の附中同窓後援会忘年会の中で、すっきりとされた表情の代議士が、今回の騒動に触れられ、「結果として視界が広がった気がします。」と言われたことに、妙に感動致しました。
 生意気を申しますが、信じられる道をどこまでも突き進んで頂きたいと心の底から願います。
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2000年12月3日(日)【補追】
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 昨日のメールにつき、父性、母性につき、言葉が足りておりませんでした。

「的」というように、この両者は本来どの個人の中にも存在し、一人親でも両性の機能を兼ね備えて、健全な家庭や家族を維持させることは、言うまでもありません。
 同様な意味で、両親が揃っているからといって、育児を含めた家族機能が健全に維持されているかというと、必ずしもそうはいかないことがしばしばある、と講師は論じられています。

 佐藤真治には、母性的なものもと父性的なものがある、という趣旨ですが、差別的、偏見的な要素を含んでいるつもりは一切ございませんので、ご理解下さいませ。
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【明日から本会議】
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 明日から、私にとっては7回目になる楽しい本会議(12月定例会)です。議会には活気が出ますが、職員の皆様にとっては、人によっては地獄かもしれません。

 明日は知事が、補正予算案件などの提案理由を長々と述べられます。説明は、県政全般にわたりますが、この時おやっという新施策が、述べられたりします。ちなみに、石井知事の説明は、長いと評判です。

 そして、議案調査等のため、いきなり火・水と2日間休会です。一般質問する議員は、月曜日を含めた3日間が、受験勉強の追い込みを彷彿させる悲惨な状況になります。
 個人的には、一般質問されない議員が何をされているのか、やや疑問です。私は、毎回かなり難渋する時期です。

 木曜日には、知事の提案説明を受ける形での、自民党、民主党の党の代表質問です。自民党は、3期以上、民主党は、議員数が少ないため、一期で順番が回ってきます(羨ましいような・・・)。基本的には、党あげての質問であり、本来は議員の個性が出るものではありません。
 自民党の場合は、執行部と調整され、県の新施策が、初日の知事の提案説明ではなく、自民党の代表質問に答える形で出てくることは、珍しくありません。
 個人的には、総花的で重複が連発することを厭わない代表質問の方が、一般質問よりも、調整も楽ではないかと感じています。

 金曜日は、公明党の代表質問です。ここまで来るとかなり重複質問になり、同じ答弁書が、読まれる事態も発生します。

 実は、この木・金曜日が、一般質問する議員のその議会での実質的勝負です。3日間でああでもない、こうでもないと思案し、木曜日に提出された一般質問草稿につき、財政課を通じて、かなり、綿密なやりとりが、行われます。いわば、かけひきです。
 今回のように、本会議前から質問につき調整していないケースでは、私はキューキューになることが予想されます。ある面、密室の出来事です。
 時には、本会議中に呼び出しを受けることもあります。
 職員の方から見れば、私はこの時期たいへんに迷惑な議員でしょう。

 ただ、共産党は、調整なしの一発勝負、再質問、再々質問連発で、執行部を苦しめます。緊張感と、実質的に少しでも進めることの、どちらに重きを置くかでしょうか。
 個人的には、広範な県政全般にわたり、いきなり質問されて答えられる職員は皆無であり、システムとして仕方ない面もあるとは思います。

 かくして、11日(月)には「定稿」して、早ければ12日(火)には、一般質問本番になります。そこから3日間の十数人の議員が立つ「論戦」ということになります。

 15日(金)には特別委員会、18日(月)には常任委員会で、議会に提出された請願・陳情の審査を行い、20日(水)には、採決して閉会です。

 こういった議会の流れを把握されて、新聞や「こころ」をご覧頂くと、なかなかおもしろいのではないかと思います。
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2000年12月4日(月)【知事提案説明速報】
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 知事選挙後、初の議会ですので、いわば岡山県政の向こう4年間の所信が表明されたということで、極めて重要な知事提案だと思います。
 多少長くなるかもしれませんが、大枠(骨組み)の要点のみ列挙させて頂きます。新規事業の一部についてのみ、特筆します。

 今後の石井知事の発言の殆どが、この所信を基本とするモノと言っても過言でないでしょう。議員も、知っていないと話にならない部分です。
 県政を論じる共通の言葉と言えるでしょう。

【知事提案説明速報@】

 <県政の基本目標>

 「快適生活県おかやま」の実現
   :県民一人ひとりが、豊かな人間性のつながりの中で、快適にいき
    いきと生活できる地域社会の形成

 <2期目の重点>

 1.チャレンジ県政
   :変革に立ち向かう勇気を持ち、明確なビジョンとこれを推進する
    確固たる戦略を掲げながら、県民の先頭に立ち、様々な課題に取
    り組む

 2.やさしさの県政
 3.県民本位の開かれた県政

 <基本戦略> 人と地域が輝き、明るく活力あふれる岡山県づくりに向け

 1.心豊かで生きがいに満ちた「いきいき社会おかやま」づくり

   :平成17年晴れの国おかやま国体及び全国障害者スポーツ大会の
    開催については、官民一体となって標識類や公共交通機関、会場
    などさまざまな施設の整備にユニバーサルデザインの考え方を導
    入

   :男女共同参画社会の実現に向け、本年度中に「おかやまウィズプ
    ラン」を策定、条例についても、できる限り早い時期に制定

 2.広域交通と情報ハイウエーを生かした「中四国ハブおかやま」づくり

   :瀬戸大橋の管理用光ファイバーを活用した「中四国情報ネットワ
    ーク」の形成

 3.最先端の技術を活用した「フロンティア産業県おかやま」

 4.人と自然の共生を図る「環境先進県おかやま」

   :「おかやま森づくり県民基金」の造成により、「おかやま共生の
    森」を県内各地に設置

 5.豊富な観光物産資源・イベントを生かした世界的な「観光回廊おかや
     ま」づくり

 6.吉備文化と教育県としての伝統を生かした「文化・人づくり立県」

   :地域の核となる文化おこしや由緒ある街並みの維持など「吉備文
    化ルネッサンス運動」をはじめ、「岡山県文化振興ビジョン」に
    基づき、新しい地域文化の創造・発展に取り組む

 7.新しい時代を切り拓く「ソフトパワー先進県おかやま」づくり
       (NPO、NGO、ボランティア)

 以上、極めて抽象的ですが、以後向こう4年間の議会の知事提案説明は、まずこれに沿う形で行われます。すなわち、予算措置があります。

 党の代表質問も、これに沿う形で行われます。一般質問が、県政の方針という大木を意識しつつ、さらに幹の、さらにどの枝を論じているのか、また、知事と真っ向対立するには、枝葉末節でなく、木や幹そのものについて、真正面から論じる、そんな心構えが必要だと思います。

【知事提案説明速報A】

 倉敷と玉野の補選の関係で、席替えがあり、7番から9番(議場の右方向)に、引っ越しました。3桁体重の蓮岡議員とは隣同士で、壁ができて「寝られる」と後ろの議席には好評です。

 企業誘致プロジェクトマネージャーの配置同様、新聞報道と重複するかもしれませんが(委員会に報告された時点で新聞報道があったので)、一応トピックスを。

<IT関連>

 双方向通信が、可能な新世代ケーブルテレビの整備を促進。利用可能エリアの一層の拡大。国の交付金を活用し、来年度にかけて市町村と協力しながら、全県下でIT講習会を展開。

 岡山シンフォニービル9階にITインキュベートセンター「e−プラザ岡山(仮称)」を開設。岡山情報ハイウェイの基幹回線網が来年3月に完成することを踏まえ、ITを活用して新事業を開拓しようとする創業予定者や創業間も無い企業に対して、情報ハイウェイに直結し高速インターネットの利用環境を整えた貸しオフィスを提供し、創業を支援する。
 約4200余万円の予算計上です。

<補正予算>

 一般会計約221億円、特別会計約10億円。補正後の一般会計予算額は、8475億6500余万円。
 ちなみに、一般会計補正予算の歳入予算は、国庫支出金71億7800余万円、県債120億2100万円、地方交付税10億余円です。

 一般会計歳出予算の主な内容は、一般公共事業費132億9000余万円、単県公共事業費20億円、地方振興事業調整費5億円、新世代地域ケーブルテレビ施設整備費2億円、IT講習会開催経費13億3800余万円、企業誘致対策費300余万円、介護サービス適性実施指導事業費1500余万円等々です。


 本会議は、あくまで年商8475億円、社員2万人以上の大企業の株主総会なのだと、株主の県民の皆さん自身に、ご理解頂きたいものです。私は、情報発信しているつもりですが、皆様のことです。全てが全て議員個人のことではありません。
 ちなみに、この会社の負債は、1兆円越えています。
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2000年12月5日(火)【ただいま休会中】
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 今回初の試みでアウトソーシングでもないのですが、一般質問の一部をある友人に任させて頂きました。すなわち、「行政評価」に関する一項目です。かなり専門的に勉強されて書かれた質問原稿だったので、こりゃ当局も困るだろう、とその部分だけ早めに提出していたところ、案の定、呼び出しを受けました。実は、最先端を私もよくわかってない!!

 行革推進室長も本を読み直されたとかで、ある種学問的な部分と実務の違いを含めて、なかなか面白いやり取りではありました。全て知事答弁ということで、こういう議員の使い方もあるなぁ、と実感しました。

 今後も腕に自信がある方の「冒険」を歓迎いたします。私からブレーンという言葉を使うのは生意気だと思いますが、佐藤を使って思いを政策に結びつけたいという方は、ご連絡下さい。一票投じるだけが応援ではありません。ちょっとは佐藤君も、おりこうさんに見えるかも?うひょひょ。
 私の取材はもちろん従来どおりですが、一般質問の4分の1は、開放させて頂こうかしら?いかがでしょうか。(難しいのがわかって頂けるでしょう。)

 さて、私も一挙に草稿を書きます。あさってには、真っ赤に添削されて帰ってきます。今回は、実は密かな計画がありますのですが。
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2000年12月6日(水)【請・陳(せいちん)】
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 憲法16条は、「何人も損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止または改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人もかかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と定めています。
 このように、請願は国民の基本的権利のひとつで国民が国または、地方公共団体の機関に対して希望を述べることです。
 地方議会に対するものは地方自治法に定められています。

 ちなみに、陳情は、法的定めはないのですが、岡山県議会では陳情書等で内容が請願に適合するものは、請願書の例により処理しています。

 請願と陳情の基本的な違いは、請願には、請願の趣旨に賛同する1人以上の紹介(紹介議員)が、必要なことです。実際上、この紹介議員が誰であるか(何党であるか)は、極めて重要な意味を持ってきます。

 県議会において受理した請願・陳情は、本会議において議長が関係の委員会に付託します。付託を受けた委員会は、紹介議員の説明を求めたり、執行機関の意見を聴き、意見があれば意見もつけて採択、不採択に区分し本会議に報告します。
 採択したものは知事や執行機関に送付したり、処理の経過や結果の報告を請求することも出来ます。


 実は、ここまでの説明は、実務とかなりかけ離れた制度論です。


 実際の請願・陳情は、委員会の前段階、委員会に呼応した形で存在する自民党の部会で、まず議論されます。圧倒的多数を占める自民党の部会の決定が、すなわち委員会の決定になり、委員会では、場合によっては強行採決もありえます。委員会の決定は、すなわち本会議の決定につながり、まずは部会なのです。


               略

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2000年12月7日(木)【代表質問の陰で】
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 本日議会が再開。自民党と民主党の代表質問が、行われました。数十年ぶりの女性の代表質問ということが新鮮でしたが、自民党議員、執行部に、様々な声も。
 いずれにせよ、全体として低調に質問戦が、始まりました。

 その裏で、財政課と一般質問原稿のやりとりを進めました。予想通り添削で真っ赤です。この段階で、岡山県民の日をつくり祝日に、という提案はカット。特に、NPOがらみでは綿密な話し合いが、必要でした。完全に差し替えの項目もありました。
 個人的には、本庁でも極めて優秀な財政課の方とのやり取りは、たいへんに勉強になります

 要約筆記、障害児教育については、思いの半分も書けません。1行に、一言に、数日が集約されてしまいます。その言葉の重さは、自分の目で見て、話を聞いて、感じてみないとわからないことがあります。


 夜は、私の企画立案で、一期の若手4人で、「看護婦」についての勉強会。講師に元県議の阿部先生をお招きし、基礎的なことを伺いました。後日、おそらく年内に、某病院を訪ね、看護の現場を調査する予定です(夜勤に同行を含めて)。
 実は、来年の2月議会に向けた動きです。
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【一般質問日程が決まりました】
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 12月12日(火)の三番手です。おそらく、午前11時30分頃だと思います。まず、今回は午後にならないと予測します。

 今回は、下記のように、知事と教育長にしか答弁は、求めません。私にしては、極めて珍しいことです。6月議会で、知事、部長以下9人の方に答弁して頂くという、おそらく県議会記録を作ったわけですが、今回は、真正面からトップの方にのみ伺います。
 突っ込んだために、かなり厳しい答弁になると予測されます。

 お時間がございましたら、是非傍聴にお越し下さい。

 なお、今回は妻がお迎えできませんので、あしからずご了解下さいませ。


   一般質問     自由民主党      佐藤議員

1.NPO法人について                [知 事]
 (1)税制の優遇措置            (総務)
 (2)支援策                (生環)
 (3)事業委託等              (生環)

2.国体へのボランティアの活用について    (国体)[知 事]

3.障害児教育について
 (1)国の「調査研究協力者会議」の中間報告 (教育)[教育長]
 (2)難聴児への支援メニュー        (保福)[知 事]

4.聴覚障害者への情報提供について      (保福)[知 事]
 (1)要約筆記
 (2)聴覚障害者情報提供施設

5.行政評価制度について               [知 事]
 (1)「行政革命」の感想          (総務)
 (2)県政の方向              (総務)
 (3)「一般行政施策評価制度」の名称    (総務)
 (4)評価手法と結果の反映         (総務)
 (5)総合的な行政評価制度の構築      (総務)
 (6)県単独公共事業の事前評価       (土木)

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2000年12月8日(金)【配信方法変更について】
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 さて、本日は代表質問2日目。いつものことながら公明党の質問は、本当に市民の声を聞き、勉強されているのが伝わり関心いたします。人格、見識で選ばれた方だと思います。

 その陰で、私の一般質問の調整は、結局1項目どうしても、知事答弁にならない(前向きな答弁でない)ことが、わかったまま、「定稿」。12日(火)を待ちます。


 「障害のある子どもを育む親の交流会」を少しだけ覗きました。あくまで仮定としてしか捉えられないのかもしれませんが、子どもができて、特に身につまされる話があります。
 今問題に直面している方は、たいがい私たちと同世代です。

 ただ議員は、携わる全ての事柄の当事者にはなれないこと、おそらく運動の組み立てが現状のまま(ある意味で革新が囲むなら)なら、保守系議員は、どこかの段階で身動きが取れなくなる現実があることを本当に申し訳なく思います。
 何もわかっていないし、何もあるいはできないのかもしれません。

 ほとんど赤字補填と選挙資金に消えますが、賞与(期末手当)を手にして、そこに残るのは、なんとも言えない後ろめたさです。
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2000年12月9日(土)【岡山県内IT講習会について】
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 昨日の本会議の中での公明党の代表質問の中に、IT講習会の話があり、さっそく問い合わせを頂戴いたしました。

 IT政策を進める国からは、9億5600万円の情報通信技術講習推進特例交付金が、配分されたため、来年度末までに、県はこれを消化しないと「いけません」。

 岡山情報ハイウエイのハードは整備しても、ソフトは、どうするのか、というのはかねてより言われていたことですが、9万人の受講者を目標に必要な講師は、延べ15000人。少なくとも数百人の講師は必要と、その確保からして大慌てです。
 本体、周辺機器、補修のことも考えるとまさにIT特需が、発生するかもしれません。逆に、講習を行う民業の圧迫も避けられない施策と言えるかもしれません。

 各市町村の社会教育施設を主会場に、20人単位で3人の講師。基礎技能を12時間程度無料で指導します。
 12月末までに、県内全市町村が各々計画書を県に提出しますが、これは、かなりたいへんな作業でしょう。地域差がかなり出ると思います。

 やる時はやってしまう日本人の習性からして、例えば婦人会や老人会の皆様が、ネットでやりとりするのは、そう先の話ではないように思います。
 少なくとも、岡山情報ハイウエイの先進性をいう岡山県ですから、ネット人口比率日本一を目指すのは、当然でしょう。知事も、この点は決して緩めない施策だと思います。
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12月10日無し

2000年12月11日(月)【明日、一般質問】
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 明日当選以来7回連続の一般質問に立ちます。従来と比べると、かなり知事の意見を求める質問で、特にNPOに関してなど、岡山の独自性を示して頂きたいところです。

 既に、質問原稿が存在しており、結局、明日は、これを間違えないように読むことが、仕事になります。本来であれば、再質問、再々質問が、許されているのですが、自民党議員は、まず慣例的にそれをしません。
 実は、ある項目については、既に後ろ向きな答弁が出るのは、わかっています。その部分を再質問で、突っ込むのは、「信義則」違反と言えるでしょう。

 いわば出来レースなわけですが、個人的には、現段階では、やむをえない部分もあろうかと思います。要は、一歩でも進めることです。

 明日3番手、おそらく午前11時30分頃からだと思います。お時間の都合がよろしければ、是非傍聴にお越しください。
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2000年12月12日(火)【一般質問終わる】
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 明日の新聞にどの部分が出るか不明ですが、7回目の一般質問が終わりました。これで、少し気分が楽になりましたが、ご依頼や忘年会が、たまっています。いな、議会は、20日までですが。やや、気が抜けています。

 私の質問に対して、新生児聴覚検査事業、聴覚障害者情報提供施設に前向きな答弁がありました。単独公共事業の事前評価もかなり積極的な答弁でした。新聞には、ごく一部しか出ませんが。

 本日、昼休みに自民党の文教部会がありました(その271参照)。いわゆる請願・陳情の事前の審査です。文教委員会には、11の請・陳が、付託され、うち7つが、障害児教育にからんだことです。
 申し上げた通りの状況で、どんなに内容に賛同できても、一部は、組み立てが自民党には辛いものがあるのです。なぜ、こんな形で・・・・・。

 先輩議員から、「君らの代で変えていかなくてはいけない」「今は、過渡期ぞ」と言われましたが、皆辛いのです。
 明日の昼食時は、政務調査会です。ここもまた、議論の場です。
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2000年12月13日(水)【打破】
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 それにしても、本日の山陽新聞は、不思議でした。私の一般質問に対して、積極的な知事答弁であったと昨日お伝えした「聴覚障害者情報提供施設」と「単独公共事業の事前評価」が、質問項目として出、とりわけ後者は、議員が欲しがる2回目になる待望の「大見出し」になったわけですが、実は、この2つについては、私と共産党議員の重複質問の形になっています。

 また、読売を除く全国紙の地方面に、いずれかの記事が載り、NHKにも取り上げられたようです。
 7回目にして、一番効果的な一般質問になったかもしれません。あるいは、「こころ」の成果も少しは出たかしらん?

 昼休みには、政務調査会。請願・陳情の各部会の審議結果の調整ですが、やはり難航。「自民党から打破せんと、自民党が細るばぁじゃ。」という大幹部の声、同時に、「この要望の出る所の面倒は、そもそも誰が見とんなら?なんで革新に要望を持って行かすんなら?」という声もありました。

 おそらく本当に市民・県民の皆さんの声を保守系議員が聞きに行ったら、必ず革新に当たります。革新の真摯さと保守の怠慢が、痛感できると思います。また、ファッションやイメージだけで、政治をやろうという輩も見えてきます。どれだけ本気か、もはや勝負はそれだけです。

 内閣の低支持率、どうしようもないほどの政治不信の中に、なぜでしょうか、私には、遥か彼方から、そよそよと吹いてくる春の風が、感じられます。
 意外にも、変人の私は、それでもこの自民党を本気で好きになってきたようです。なんでかなぁ。
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2000年12月14日(木)【もう一人いれば】
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 一般質問の3日目が終わり、事実上、今回の議会の大きなヤマは、越えました。

 おそらく私の報告を通して、他の議員は何をされていたのか疑問に思われた方は、多いでしょう。実は、昨年から、岡山市選出の自民党県議会議員で、一般質問に立ったのは、私だけです。ただ、うちお一人は、代表質問に立たれました。

 この点、実はそう悪くも言えないのは、重鎮の方々が一般質問に立たれないので、我々1・2期が、毎回一般質問に立てるのです。これだけ質問ができるのは、一般質問は若手に譲るという、暗黙の了解があるからです。
 また、実際にいわゆる幹部の仕事は、高度な政治判断や経験を要することがあります。我々より数段高い位置におられるのだと思います。

 ただ自民党から県都岡山市について、一般質問するのが、佐藤一人で本当にいいのかしら?という気がします。個人的には、質問したい放題ですが、倉敷と比べると問題です。

 倉敷選出の議員は、全て30代から50代前半の議員で、倉敷市長を狙える人材ばかりです。今議会でも、自民党同士で、質問戦を通した静かなる戦いがありました。倉敷には、良い事です。

 少なくとも岡山市と県を結ぶパイプは、太ければ太いほど良いのですから、岡山市選出の自民党議員が複数一般質問に立って当然でしょう。どんどん民意を吸い上げる道具が、必要です。

 個人的には、選挙は厳しくなりますが、来期、若い自民党県議が岡山市から立つことが、岡山市全体のためだと思います。
 願わくば、旧来の自民党の枠から大きく外れた、つまり私と同タイプなら、かなりおもしろくなるでしょう。しのぎを削れば良いのです。議員をするからには、必ず同レベルのライバルが必要です。その競争が、市民・県民の皆さんに還元できるなら、それはそれで良いのではないでしょうか。
 その「戦い」に勝ってこそ、私は私で本物の議員になれるはずです。

 群雄割拠して、切磋琢磨する、少なくとも複数いないと事は動き出しません。てぐすねを引きつつ、愛すべき好敵手の登場を切望します。
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2000年12月15日(金)【一身上の都合と適齢期】
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 本日は特別委員会の後、山陽新聞朝刊にありますように、議長人事にからんだ自民党県議団総会がありました。新聞には、公的には存在しない派閥のリストまで、掲載されていますので、是非ご参照ください。

 慣例に従い、議長が「一身上の都合」で、辞意を示され、それを受けて「適齢期」の議員の中から、我が政策集団の井手先生が、自民党の統一候補に選ばれ、20日の本会議で選挙により新議長に正式決定します。

 申し合わせで任期1年となっていますが、年功序列でも約20年かかる話であり、5回の選挙を越えた後にある、いわば勲章で、しかも超激務ですから、軽々に論じられるものではありません。そもそも選挙を5回越えるのが難しいのですから。


 ただ、本日も決定まで、昼から先ほどまで約6時間を費やし、我々1期は、ただ決定に従うのみで、上の方の報告を待つのみですから、しんどいのはしんどいのです。
 もっとも、幹部は全て議長経験者ですから、委員長ポストを含めて、派閥全体のために汗をかくという、人のための議論をするわけです。要するに「順送り」、つまりはそれが伝統です。上に行くほど個人の政治活動に加えて、党務や閥務が、出てきます。つまり政党という船団なのです。
 実は、当選回数では歳費に違いはないのですが。


 個人的には、議長が1年交替であることは、長く権力の椅子に居座られるよりは、健全だとも思います。世間で言われるほどの問題意識が薄いのは、若手議員にとって本会議休憩中に、自派閥から出た議長室あるいは副議長室にコーヒーを飲みに行くのが慣例化しており、ポストは、「みんなのもん」となんとなく感じているからかもしれません。

 20年後に、56歳の佐藤議長が1年だけ登場するようなことがあるのか。そんな先のことは、特に目標にはしていません。重なる忘年会で、胃腸が崩れており、今日この後どう生きるかが、今日の一大テーマです。
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2000年12月16日(土)【海に戻る?児島湖】
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 本日、「児島湖再生に向けて」という恐ろしいシンポジウムに参加しました。私は、こんなに激しい意見がフロアから出るシンポジウムは、生まれて初めて見ました。漁業関係者のご意見など、それは厳しいものがありました。

 革新系の団体の催しと言えると思いますが、21世紀の児島湖のイメージというのが、やはり明確にならず、どうしても意見の対立があります。

 1985年に、湖沼水質保全特別措置法に指定されて以来、県は水質保全計画を立て、今年度で第三次5カ年計画が終わります。ご案内の通り、農林水産省の浚渫は、平成4年から15年までに、330億円。このうち、県が10分の3、周辺3市1町が、30分の1負担ですが、実際のところ、この浚渫で、児島湖が浄化されたということには、なっていません。
 はっきり言って、ほんまにどねんすんなら?です。


 不適切極まりない言い方をすれば、個人的に描くことができる児島湖の将来は、4つです。

 ひとつは、このままずるずると浄化作戦を講じ、飛躍的に美しくなることもないままに、それでもレ・マン湖やベニスのように、何か別の価値で持ちこたえる。毎年ユスリカは、大発生するが、当然である。浚渫は安定的な公共事業で良い事だ。家庭雑排水も、啓蒙の効果で、気を使って流すだろうから、少しずつ良くなる。

 あるいは、素晴らしい科学技術、さもなくば集中投資で、ある日突然きれいになってしまう。一挙に問題解決。よかった、よかった。

 あるいは、農業政策を転換し、農業用水確保のための児島湖を海に戻す。すなわち、堤防を撤去する。もともと海じゃん!山の砂やヘドロが、海に流れるのは当然で、湖で止めるのがおかしい。水田は、何かに転用する。
 でも、一挙にヘドロが海に行くのは、どうか。

 あるいは、ヘドロでなくても、自然に河川の土を運ぶのだから、浚渫もせずに放っておく。どうせ汚れるんだから。放っておこう、きりがないから。


 おそらく、今世紀の岡山県が、来世紀に送る最低最悪のプレゼントが、この児島湖の問題です。今は、国の事業ですから、大騒ぎになっていませんが、単県で考えれば、かなり無茶な事態が発生しているのです。
 国だろうと県だろうと我々の税金であることに、なんら変わりがないのですが。
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2000年12月18日(月)【常任委員会より 請願・陳情採択】
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 請願・陳情の処理は、自民党の部会、政務調査会を経て、本日の常任委員会にかかり、20日の本会議で、おなじみの起立他で、採決されます。いわば、20日最終日は、確認の場であり、本会議で審議を付託された今日の常任委員会で済んでいます。
 ただ、今議会は、最終日に議長選挙が、行われます。

 委員会の前に、各党は事前に請願・陳情の態度(採択、不採択、継続審査)は明確に党議決定しており、いわゆる「党議拘束」がかかった状態になります。
 まず、委員会の場で、各党の態度が他党の意見で変わることはなく、紛糾すれば強行採決ということもありえます。

 今回は、県立西養護学校の改良整備の請願につき、紹介議員が他党であるにかかわらず、しごくもっともな要望であるため、全会一致で採択されました。極めて珍しいケースです。
 ただ、所属委員会に関わる請願の紹介議員になることの(道義的な)是非が問題になりました。

 今回の私の一般質問のテーマが、障害児教育であったにもかかわらず、個人的には、毎度の事ながら、党議拘束による矛盾した態度を強いられました。
 しかし、それ以上に、請願・陳情の提出者の方も、端から固定観念で、自民党は無理と決めつけて他党をからめるのではなく、最初に多数党に相談に来て下されば・・・という、思いもあります。

 請願・陳情は、憲法上の権利です。我々議員は、アドヴァイスをさせて頂いても、出されるのを止める資格はありません。
 ただ、本当にうまく使って頂ければと思います。手順を誤ると、かえって逆効果になりかねません。
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2000年12月19日(火)【高校生会議より 17歳だった】
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 本日、県教育委員会指導課のしきりで、「高校生会議」シンポジウムー高校生と共に考えるーに、一市民として出席しました。マスコミがかなり入っていたのでおそらく、多くの報道がされるとは思います。

 県下の高校生や教師が、約200人、「17歳」の背景や、いじめについて議論が行われました。マスコミの評価は概ね好意的だとは思います。

 私の17歳と言えば、家業が倒れて親戚がモメて、おまけに新しい生業は、夜間保育で、夜のご商売の方が出入りされ(今もですが)、家がたいそうおもしろくなく、夜な夜な自転車で長船の方まで徘徊し、成績は430人中350番から400番あたりをさ迷っていた頃です。
 当時同級生だった今の家内には相手にされず、どちらかと言えば本来は、「切れる」グループに近い精神状態だったと思います。

 そう考えると、この種の会議に先生に引率されてくる彼らは、いったい何物か?「17歳」の当事者かしら?という気分がしないでもありません。ガンダムに溺れる当時の私だったら、死んでも来ない類の会かもしれません。


 もちろん、今日の高校生は本当に真摯で、大丈夫に思える、明日に希望の持てる生徒達でした。彼らに問題があるわけではありません。
 ただ、大人が、これにて一件落着としては、いけないのです。

 いじめを無くすことには、誰も反対しません。良い会議でした。しかし、この会議中に、別の17歳は、この岡山のどこかでもがいて、荒れて、苦しんでいるのです。明日に具体的に、どう繋がったろうか?少し疑問です。

 会の中で、2つの発言が気になりました。それは、教育に対しての「地域」の責任と「父親」の責任です。実は、どちらも教育委員会の範疇を飛び出します。しかし、それは確実に問題解決のキーワードだと思います。
 また、知事の大好きな、いわゆる「青少年問題を考える100人委員会」との連関がないのも気になりました。

 この会議の成果をあとは生徒と教師で各学校で活かして下さい、では、なんの解決のもならんのではないか、と思います。
 集まって話す過程が重要、とはまさしくそのとおりだと思います。ただ、なにか割り切れないものが残る、そんな会議でした。

 今の高校生は、あの阪神タイガースが優勝したバブル絶頂期に生まれた子ども達です。同時に、彼らの親は、バブル崩壊の直撃を受けています。
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2000年12月20日(水)【採決 世紀末議会終わる】
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 今世紀最後の県議会が、閉会しました。議会最終日は、委員会報告と採決等が、行われます。
 朝の議員総会で採決の態度と議長選挙について確認した後の本会議は、お馴染みの儀式です。

 採決の方法は、反対がある場合は、起立で、反対のない場合は、簡易(「ご異議ありませんか?」「異議無ーし!!」)で行う2通りです。多くは、一括起立か、一括簡易で決せられるのですが、今日は、9回立ったり座ったりでした。TVや新聞によく映るシーンです。

 一括での採決は、端から党の態度が、明確だからなせる技で、野党にも、党議拘束がかかっている証左です。もし党議拘束を離れたい場合は、自ら「退場」するという手がありますが、自民党議員は、まず自ら退場しません。

 その議に利害関係がある議員は「除斥」と称して、いわば議長から退場が命じられることもあります。時には、議長が除斥されるケースもあり、その場合は、副議長が議長席につきます。


 個人的には、党議拘束をかけて行う採決は、ナンセンスだと思います。昨夏訪ねたアメリカの州議会では、各議案に対して各議員がどういう投票行動を行ったか、議場正面に、ランプで個々に表示される仕掛けでした。
 有権者は、まさに議員の投票行動を基準に、議員の評価ができるわけです。個々の予算案、条例、請願・陳情などに対する議員の態度が、一目瞭然なので、有権者が議員を監視できます。
 私は、日本の地方議会も、こうすべきだと思います。


 今は、自身が紹介議員になって請願が出された場合を想定したり、また、一般質問で、実を取ればいいと考えて、党議拘束に従っていますが、来世紀の議会は、こういう所から変えていかないといけません。

 ちなみに、本日の議長選挙では、自民党候補39:民主党候補16でした。この自民党票の中には、民主党系で出馬したにもかかわらず、会派を離れ、自民党入りを画策する議員の票が含まれ、民主党票は、公明・民主・共産の合計です。


 ご案内の通り、本日は平成13年度国の予算の大蔵原案の第一次内示がありました。ここからが、いわゆる復活折衝すなわち再チャレンジのスタートです。漏れた予算をゲットするサバイバルゲームの開始です。まさに、ここから先は、政治力がモノを言う世界です。
 知事以下皆上京。年末は、永田町と霞ヶ関が熱く燃えます。3人の大臣を輩出した岡山県に、どれだけ恩恵があるでしょうか。

 箇所付け等は、明朝の新聞等をご覧ください。
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2000年12月21日(木)【親子豚(おやこぶた) 角界への道】
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 「関取りにするんですか!?」肥大し、変わり果てた友紀を見て、先生が一言。どう欲目に見ても、最近の友紀は、乳を欲しがる野獣です。
 男親として「これは本当に良い贈り物ができたものだ」と、ほくそえんでいた立派なタマタマも、「赤ん坊は、こんなに大きくありません!」と、水がたまっているだけと判明。なーんだ、なーんだ、ちえっ!!
 人生ママならんですねぇ。


 さて、問題の環状道路ですが、この度の大蔵原案内示で、国道180号線西バイパスが、調査区間から整備区間に指定されたのは、ご案内のことと思います。国道2号線バイパス(古新田)から北上、平田、田中、西長瀬、日吉町、矢坂を経て、国道180号に抜けるバイパスです。たちまち、現在の矢坂大橋付近の交差部分をどうするのか問題になるはずです。

 これは、岡南大橋以来やっと見えて来た、いわゆる外環状線のごく一部で、国道になり、建設省の事業です。環状線と一口に言いますが、区間によっては、市道、県道、国道と様々で、実にわかりにくいものがあります。

 ちなみに、外環状は、矢坂から一宮山崎へ北上、そこから東へ富原、津高、宿、と来て、旭川を新しい橋で渡り、祇園、賞田、高島新屋敷、雄町、長岡と来て南下、長利、中川町、益野町、政津、沖嶋、そこから西へ桑野、岡南大橋を渡り、築港、浦安南町、そこより、北上して、東畦、大福、そして古新田から、西バイパスへ、という大環状道路です。
 都市計画はあっても、我々が生きているうちに完成するかどうか。

 加えて、中環状線は、岡北大橋の開通で、だいぶイメージが、わいてきましたが、JR備前三門駅を通るJR吉備線を高架にする話は、大元駅界隈の問題を彷彿させますし、四角の底辺部分で、桜橋と旭川大橋の間に、もうひとつ橋を架ける話が、進んでいるようには聞いていません。また、北東部では、やや問題も起きているようです。

 内環状は、JRの線路が、循環を妨げる形になっています。

 年末を迎え、死ぬほど道路が混雑していますが、環状道路の不備がその一因であるのは、間違いありません。

 平成17年国体までには、せめて環状線のうち、この区間をという話は、多いのですが、先立つものが、国も地方もありません。
 実に、根気のいる話です。
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2000年12月22日(金)【西バイパス】
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 そういえば、友紀は、妻の実家では、「友紀山」というシコ名が、ついています。

 昨日の岡山西バイパスについてですが、詳細にお報せします。

 そもそも、2号バイパスと国道180号を結ぶ、この道路は、片道3車線の計6車線の平面道路で都市計画されましたが、平成6年からの地域高規格道路(準高速道路のイメージ)にしようということで、本線高架部片道2車線、即道2車線、計8車線の道路に計画変更されます。
 ただ財政的にも、当面は側道部を整備しようということで、高架部は、交通量を見てということで、ずっとずーっと先の話になります。

 具体的には、整備区間に指定されて、来年度事業着手できるということですが、そこから普通10年かかるとのことです。
 ちなみに、西バイパス(正確には、側道部ですが)は、南の2号バイパスから旧2号までが、国体の平成17年を目途に暫定供用を開始。次に、北に上がり、180号から西警察署方向へ南下。一部供用開始。最後に、難関な工事になる真ん中の新幹線、山陽本線部分に、入ります。
 そこまでが、ざっと10年です。ただ、蛇行した笹が瀬川を南北で2箇所越える必要もあり、橋梁の工事にてこずるかもしれません。

 お伝えしたように、外環状は市、県、国の道が、繋がっており、未だ都市計画されていない部分(30号から2号バイパスは、おそらく国)の役割分担は、未定です。
 特に、四角の上辺部分、53号から西にどう旭川を越えるかは、超難問です。

 執行部答弁ではありませんが、腰を据えてお願いしていくしか道はありません。


【看護の現場】

 本日は、私が和尚をして、若手の高橋、久徳議員と済世会病院を訪問しました。看護の現場を拝見しようということで、看護部長さんに院内をご案内頂きました。

 明治天皇の済世勅語と御手元金(御下賜金)に由来する恩賜財団済世会の歴史は古いですが、近代的な設備には、大変驚きました。しかも、そこに血の通った医療、看護を行いたいという精神が溢れており、感心させられることしきりでした。
 また、オンラインで院内の関連部門と情報を共有するオーダリングシステムは、文字どおりの患者本位の「チーム医療」を可能にするもので、たいへんに心強く思いました。
 それにしても看護婦(士)さんの仕事は、本当に多岐にわたります。精神的にもかなりキツイと思います。

 准看護婦の養成に関して、医師会と看護側に、大きな意見の相違があるのはご存知だと思いますが、一番の要請は、法的に患者に対する看護の方の人数の割合を高めることです。
 なかなか、県議会レベルでは、お役に立てないのですが。

 終末ケアの病棟では、看護の方の心遣いが、あるいは患者さんが身内でない他人から受ける最後の優しさかもしれないと思うと、その仕事の偉大さが、少しだけわかった気が、しました。
 同時に、議会があけると、雲を掴むような議員の仕事が、また少しわからなくなりました。
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2000年12月23日(土)【庭園のこころ新世紀へ】
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 凍結中の17の大規模事業のうち、教員の研修をする吉備高原の総合教育研究機関は、計画を縮小して実施、渋川の青年の家については延期、の方向が、事業評価委員会から示される方向のようです。
 また、岡山空港の整備については、国費2億2500万円が、概算通り認められる方向です。これにより、滑走路3000m化及びエプロンの拡張が、着実に進められるものと思います。

 さて、明日はクリスマスイブ。後楽園では、おかやま後楽園300年祭のファイナルイベントが開かれます。午後4時から鶴見橋は、歩行者天国になり、園内ではキャンドルが灯されます。樹木の苗木のプレゼント(昼ごろ)や、ぜんざいのサービスもあります。午後7時30分からは、クロージングセレモニーが行われます。
 ちなみに、岡山城天守閣も、午後8時まで開城しています。

 9月議会でも質問させて頂きましたが、来年以降も良い催しは、残して欲しいものです。

 結局今年も後楽園に行かなかった、という方には、いよいよラストチャンス。また、クリスマスイブに一人の方、佐藤君と一緒に楽しいクリスマスを過ごしましょう!!独りでノコノコ行くのは、ちょいとつまりません。
 早く、友紀が大きくならないかなぁ。
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2000年12月24日(日)【「ために」でなく「ともに」】
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\( ^_^)_q□ ☆ □p\(^_^ )_ メリー、さんの、ひつじー!!
(なんのこっちゃ!?)メリークリスマス!!

 早朝より、山陽LCの清掃活動に参加させて頂き、桃太郎大通りのゴミ拾いをさせて頂きました。前日に鉄道少年隊が清掃していたそうで、いつもの比でないほどきれいとのことでしたが、猫の死骸、空缶、カバン(盗難品?)、なによりタバコの吸い殻など捨てられ、岡山の玄関口にしては、辛いものがありました。
 特に、愛煙家の方、タバコの投げ捨てはやめませう。

 「ボランティアサークルよっしゃ」のクリスマスパーティーにお招き頂きまして久しぶりに小噺を披露させて頂きました。「小鳥が落ちたよ!」「コトリ!」この類ですが、時々調子に乗った時にやってしまう、幻の芸です。

 浦安荘を退所され地域で暮らす方々を支えるボランティアで、特に、中心のYさんのご奮闘ぶりには、いつも頭が下がる思いです。
 Yさんとは、5−6年前に、あるフリーペーパーのインタビューをなぜか私がすることになり、取材に伺ってから懇意にさせて頂いていますが、おそらく当時、浦安荘に務められていたYさんとKさんは、岡山の福祉の世界で、今や伝説化しているのではないか、と思います。その情熱は、半端ではありません。

 「どうしてそんなに人のためにできるんですか?」という私の問いに対して、「ために」ではなく「ともに」やっているんです、と答えられたのが強く印象に残っています。
 やってあげるのではなく、自分自身の問題として「ともに」解決にあたる。「ここまでやってあげたんだから、もういいでしょ。」というのは、「ともに」では、ありえません。どこまでも、一緒にやり続けるしかない。他人の問題を自分の問題として取り込むのが「ともに」です。
 人の「ために」という言葉が、出た時、いつも私は反応します。本当は、誰のためなの?結構、欺瞞があるのが、この人の「ために」です。
 ちなみに、昨年の選挙で、私が「WITH」を言ったのは、実はYさんが、由来です。市民の皆さんの「ために」と「ともに」は、全く違う政治スタンスです。

 他の誰よりも優しいから、心に少し傷をおってしまった。他人を責められず、自分ばかり責めてしまう、そんな人達を支える方々もまた、心優しく、素晴らしい方々です。
 皆で和気藹々となんとも楽しい、うれしいクリスマス会でした。

 私も議員の立場から、少し心が疲れやすい方々、またその方々を支える方々をご支援できればと思います。

 どうか皆様、楽しいクリスマスをお過ごし下さい。
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2000年12月25日(月)【バトル・ロワイアル】
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 もし、どうしても愛する人と殺し合わないといけなくなったら、あなたはどうしますか?無茶な命題です。

 個人的には、心に残る映画といえば、「七人の侍」「我が谷は緑なりき」、この1年なら「シュリ」を挙げますが、今日観た「バトル・ロワイアル」は、良くも悪くも強烈でした。
 国会議員の間でも話題の映画で、昨今の「17才」の問題と相俟ってR指定のぶち切れた映画というイメージです。表現の自由云々という憲法問題にまで発展しています。
 話題作というより、超問題作です。

 「今日はみなさんに、ちょっと殺し合いをしてもらいます。」
 BR法(新世紀教育改革法)の下、健全なる大人を育成するための犠牲として中学生42人が、武器と食料を渡され、首には爆弾の詰まった首輪が付けられて、最後の一人になるまで殺し合いをします。制限時間は3日間。

 登場人物のほとんどが死亡。ルール無用の壮絶な15才同士の殺し合いが、繰り広げられます。荒唐無稽な設定の中、前半は、狂っているとしか言いようのない展開です。ただ、後半は、一大ヒューマンドラマと言えなくもありません。

 結論的には、いろいろ理屈はつきますが、中学生はもちろん、本来は、「曲解」する恐れのある高校生にも見せるべきではないと思います。なにもこんな陰惨な形で伝えなくてはいけないメッセージとは私には、思えません。そのまんまの伝え方で、一言で全く品がありません。少なくとも、この映画に芸術性は皆無です。それを求めてもいないでしょうが。
 内容そのものは、私は、決して推奨できません。

 ただ、登場人物をひとつの記号(極端な象徴)として捉え、実社会に具体化して、当てはめて考えられる能力のある「大人」には、良い映画かもしれません。間違いなく「楽しめ」るでしょう。映画としては、「おもしろい」かも。
 また、こういう極端なモノが出てくるのが、いわゆる「世相」なのだと思います。

 また、複数で行けばいやがうえにも、映画の後の会話は盛り上がると思います。特に親子でいけば、相当話ができるはずです。もっとも、「17才の問題」と直接関係するとも思えないので、青少年の教育問題というより、いわば倫理観の話かもしれませんが。

 いずれにせよ、しかし、こういう超問題作は、御自身で観てから論じましょう。

 駅前メルパ3で、冬休み期間は、午前9時30分から上映中です(約2時間)。
 是非、皆様のご感想をお聞かせ下さい。



【速報 凍結中大規模事業方針について】

 本日、事業評価委員会からの意見を受け、17事業の整理方針が示されました。先行所得済み用地の処理、今後の地域振興など関係市町村との協議が、必要になります。
 項目のみ、羅列します。

白紙(10件)

 ・文書館
 ・グリーンヒルズ津山
 ・アクア・マリン玉野
 ・アクア・スポーツサロン美作
 ・アクア・メディカルリゾート湯原

 ・岡南飛行場整備
  2期計画については、計画の熟度も低く、事業費も未定となって
 おり、航空ふれあい施設、航空教育施設、多目的ホールなどは整備
 の緊急性が、認められないことから、これらの整備は行わず、当面
 は運動公園・緑地とし、地元の利用に供することを検討すべきと考
 える。

 ・健康の森

 ・後楽園周辺整備
   後楽園周辺におけるまちづくり事業を推進することについては、
  一定の意義は認められる。しかし、当該整備事業は計画の熟度が
  低い点などから、緊急性が高いとは言えない。さらに、役割分担
  を考えると、県の関与は再考を要する。したがって、県が主体と
  なる事業の実施は白紙とし、先行取得済みの用地については、当
  該地域の特性を最大限活かした用途に利用できるよう民間活用を
  含めた新たな利用策を検討すべきと考える。

 ・北部健康増進中核拠点施設
 ・吉備歴史文化公園


抜本見直し

 ・吉備ハイランドオアシス
 ・西部アグリスポーツ公園


縮小

 ・総合教育研修機関
 ・動物愛護センター


延期

 ・渋川青年の家
 ・岡山地方振興局


その他

 ・新総合ボランティア会館
   施設の機能・内容を充分吟味し、費用対効果に留意しながら、
  事業計画の策定を推進し、事業化を図る。
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2000年12月26日(火)【IT施策について】
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 本日は、国家的なプロジェクトとしてのIT革命に対応するための県の新しい施策を紹介させて頂きます。いずれも、詳細はこれからで、かつ一般参加の可能なものです。

 <ITインキュベートセンター> incubate;卵を抱く、孵化するの意

 創業しようとする個人や創業間もない企業に対して、事業スペースの提供を行い、かつ経営面や技術面、助成制度等に関する助言を行うことにより、企業の成長を支援する施設で、この12月議会で、4200万円強の補正予算が、認められました。
 仮称は、「e−プラザ岡山」です。

 具体的には、岡山シンフォニービル9階に8室。平成13年度から5年間。使用期間は1年(最大2年)。使用料は、年額18000/u(1室20u:月額3万円)、電気料等は、実費。
 対象者は、以下の要件に該当する必要があります。
  @法人の場合は、申請時に法人設立1年以内であること。創業予
   定者は、使用開始後1年以内に法人化する予定であること。
  A岡山情報ハイウエイ等の優れた情報通信基盤を活用した事業を
   行うものであること。

 今日の段階では、実際の募集は、2月頃からのようです。


〈IT講習〉

 自治省(来年1月6日より総務省)が、550億円かけてやる事業で、人口割で岡山県には、約9億5600万円降りてきています。来年度中に9万人の受講を目指しています。(その275参照)
 実際は、成人以上の定員20人、12時間の受講料無料の講習会に、1講習につき171000円から285000の事業費助成がある、といったイメージで、各市町村、各種団体が、岡山県から、分任あるいは委託されて行う事業です。

 講師の手配、パソコンの準備、会場費など実際は、受託団体がやらなくてはいけませんが、やり用だと思います。かなり自由がききます。

 基本的には、全くパソコンに触ったことが無い方を対象にしており、エクセルまでにはいかず、メールでやり取りできる基礎技能の修得を目指すものです。
 イメージとしては、特に中高年以上の方々を対象にしたものでしょうか。

 実は、本日各種団体の窓口になる県の各部局に、担当課から依頼が回っている段階で、動きは全くこれからです。

 岡山市の独自の動きも見なくてはいけませんが、手元に基礎技能講習委託事業実施要領(案)がありますので、団体等でご検討されるようでしたら、ご一報下さい。
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2000年12月27日(火)【県・市のはざ間で】
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 忘年会や夜警に行くと、その289の事業評価委員会の意見を受けた県の方針の話の中で、特に後楽園周辺整備の白紙撤回に疑問の声が上がっています。
 岡山の顔、せっかく築庭300年で関心が向いたのに、他のバブル期に計画された公共事業と性質が全く違うのではないか、と。なんで、県はやめてしまうというのか、と。


 そもそも民間の数名の代表から構成される事業評価委員会の意見が、県の施策として決定したかのような表現になる法的根拠(すなわち、どこに民主的コントロールが、かかっているのか。)が、私には皆目不明です。

 いわば、行政側(検察側)の論告求刑のようなもので、議論はここからです。無罪かもしれないし、執行猶予もつくかもしれないし、何も決まっていません。
 少なくとも、県民の代表たる議員に対して、全く説明がありません。報告だけです。執行部が、民意を聞いたとして、こういうスタイルをとって執行するなら、まさに独裁政治の手法です。まるで、決まったかのような報道ぶりです。

 なぜ、議員がいつも、こんな形で執行部の方針を聞かされるのでしょうか。市町村の意見は、いったいどういう形で反映されたのでしょうか?
 議員や市町村の議論させると、収拾がつかないから?議員は、なんなら?

 財政再建は、県の重要課題です。答はこれでいいとして、手法がまずいというのです。どこに正当な手続きで選ばれた民意の代表者による民意を反映した民主的な議論があったと言えるのでしょうか。
 民主主義の下、選挙無くして代表権はありません。
 もちろん、委員の方、個々の悪口を書いているわけではありません。行政手法を問題にしているのです。

 これは、そもそも論です。


 個人的には、後楽園周辺整備について、それをたとえ、中心市街地活性化のための岡山市の施策だから、県は撤回するのだ、と説明されても納得できません。後楽園は、県管理ではないですか。
 岡山市となぜうまく組んでやらないのか、私は、一般質問で、過去に問題にしたことです。

 実は、今回、岡山市内のある商店街をイメージして取り組もうとした新規事業予算が、ゼロ査定で返ってきました。理解に苦しみます。要するに市がやれということでしょうか。

 県都岡山市と岡山県の関係は、本当に良好なのでしょうか?うまく連携できているでしょうか。

 倉敷市の中核市化で、195万県民の半数以上の保険福祉行政は、いわば県の手を離れます。岡山市民、倉敷市民にとって、ますます県は遠いものになります。多くの方に、県はピンとこないと思います。

 その中で、岡山市と岡山県をいかにジョイントさせるか、様々な形での仲介役としての岡山市選出の県議会議員の役目が、極めて重要です。
 新世紀の大きな課題として、岡山市から見た、岡山県について考えていきたく思います。そういった観点からのご意見を是非お知らせ下さい。
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2000年12月28日(水)
       【長文 20世紀の終わりに 民主的コントロール】
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 昨日は、多少とも加熱しておりましたが、今日議員仲間と話していると、結局いわゆる審議会行政の原因は、議会の機能不全ではないか、という結論におよびました。特に、特別委員会です。

 議員2年目ですから、そういうものかと漠然と思っていましたが、特別委員会の編成が、はたしてこれでいいのかと今は、考えています。
 議員は、常任委員会(私は、文教委員会)と特別委員会(同広域交通・物流対策委員会)に、所属しますが、常任委員会の編成は、まずこんなものだと思います。
 すなわち、総務、生活環境保険福祉、商工労働警察、農林水産、土木、文教の6委員会です。これは、いうまでもなく各部局に対応しています。

 一方、特別委員会は、議会運営、決算、都市問題・国体等、広域交通・物流対策、地域整備、公社事業の6委員会です。結局、テーマ毎に常任委員会を編成し直しただけで、屋上屋の議論をしている気がしないでもありません。実は、付託事件(その35参照)にしばられて、全く議論が広がりません。

 時代に即応し、かつマトリックス的に対応しなくてはいけない課題、例えばIT関連、少子・高齢化、青少年問題、事業評価・見直し、観光政策、男女共同参画社会、市町村合併等々こそ、特別委員会で論じるべき課題だと思います。
 例えば、外部から当事者や講師を招き、話を聞くのもいいでしょう。議会が、議員が、行政よりも機敏に、機動的に動かなくては、なにしとんならです。

 実は、議会が執行部に、いいように手足をもがれて、お釈迦様の手のひらで、躍らされているのではないか。一言で言えば、議員は「なめられている」のではないかと思いますす。
 それもしごく当然です。まず議会が、生まれ変わらないといけません。

 こういった結果が、議会軽視の審議会行政を生みます。事業評価は、公開した議員の委員会で、堂々と論じれば良いのです。それを受けて、執行部が方針を決めるのが、筋でしょう。
 多分、今まではそれができなかったのです。


 昨秋発行の後援会報「Our Revolution」の創刊号に書いた一文を引用します。昨夏、日米青年政治指導者交流プログラムに参加したのを受けた文章です。
 私は、地方政治こそ、民主主義(民主的コントロール)の基本の実践の場だと思います。

『 ところで、アメリカの見聞の全てが、まともに日本と比較できるわけではない。
 所詮は、異文化の国である。しかしながら、少なくとも地方政治レベルにおいては、その違いはかなり示唆に富んでいる。
 特に、日米ともに地方では首長制(大統領制)を採用しており、本質的に議院内閣制とは別の政治形態である。にもかかわらず、日米の地方議会の権能に圧倒的な差があることは、充分驚愕に値する。
 思うに、日本の地方政治においては、中央政府の議院内閣制(内閣は国民ではなく、国会に責任を負う)の影響をまともに受け、首長制における議会の役割、あるいは民主的コントロールのかけ方を曲解しているフシが、ある。
 さもないと本来対峙すべき行政長・執行部に対して、民意を代表している議員が‘質問させて頂く‘形式になろうはずがない。そもそも法治国家において、行政を執行するにあたり法的根拠を与える機関はどこなのか。
 地方議会は、行政の執行のチェック機関にすぎないのか、疑問が残る。
 これは、民主主義の日本的変容として看過できるほどかわいらしい問題ではない。(1999年8月記)』

 是非、皆さん民主主義の基本に立ち返っていただきたいと思います。執行部は、執行機関ですが、あくまで、公務員試験を受かられたことで、我々県民・市民が、権限を与えたわけではありません。すなわち、彼らを我々は選んでいないのです。簡単に言えば、「偉そうにされるおぼえはない」のです。
 民主的コントロール(具体的には選挙)の及ばないところに、権限はありません。我々が、自分で「選択」するのです。権限のありかも。
 ゆえに、アメリカは、とことん選挙。郵便局長でも、警察署長でも、なんでもかんでも選挙で選ぶのです。

 日本人は、良くも悪くも江戸時代の「お上意識」から、抜け出せません。困ったらお上が助けてくれる、そう思っているうちは、自己責任に基づいた自立した人間による成熟した民主主義社会は、いつまでも生まれません。
 すなわち、いつまでも、不正や不公正が、はびこります。

 ともかく、まずは、議会が、まずは、特別委員会が変わらなければ。新世紀の地方政治が、真の民主主義に基づいたものにするために。
 議会と執行部は正々堂々と対峙する、それが大統領制下における真の政治、政策形成の姿です。
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2000年12月29日(金)
         【長文20世紀の終わりに  第三者って誰?】
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 勢いで綴るここ数日の「こころ」ですが、かねてより疑問に思っていることを吐露します。すなわち、行政が良く使う「第三者機関」という言葉についてです。
 私は、この「第三者」という概念が、はっきり大嫌い、かつ、大問題だと思っています。民主主義無視も甚だしいモノだと思います。

 端から行政の方向性が決まっているのに、市民・県民の声を聞いたとして、学識者だの有識者だのと称する方々が、やれ審議会だ、協議会だ、調査会だ、委員会だという名目で、会合を重ねて、答申を出し、それを錦の御旗に、半ば決定事項のように報道され(わざわざ首長が、答申を受ける写真など報道して)、もう行政は、そうするもんだという雰囲気の中で、平気で議会に事後承諾をはかってきます。

 二言目には、公正・中立な機関で審議した、などと言いますが、さぞかし議会は不公正で、偏っているのでしょう。
 しかし、審議会など、その実態は、あくまで、行政にとって都合の良い方を行政自らが、選任し、お手盛りのように議論して頂くものです。
 下手に発言するとなぜか、行政からクレームがきます。
 この結果が、行政の執行にあたり、議会を遥かに越えた影響力を持つことは、議員として情けなく、市民・県民としては、恐怖です。


 なぜ、法治国家なのか、なぜ、法の支配を行政に及ぼすのかという基本中の基本は、行政権(権力)の恣意的発動に対して人権を保障するためです。
 あくまで、行政は暴走するもの、人権を侵害するもの、という認識の下に、例えば議会を通じて、あるいは首長の直接選挙で、民主的コントロールを及ぼすのです。
 法治国家の根底にあるのは、あくまで行政への絶対的不信です。血で血を洗いながら、行政をしばる、そういった人権保障のシステムは、作られたのです。

 日本人のメンタリティーの中に、お上は自分達を守ってくれるものだという、幼稚な勘違いがあり、なんのために、議員(立法)を選ぶのか、根本的なことすら、わかっていない方がおられます。
 立法は、行政に対して、法の支配を及ぼそう、すなわち、人権保障に資するために存在するのです。
 法治国家の「いろはのい」が、なぜか日本では、理解されていません。

 知事は、漠然と良い方、議員は政治家で汚いモノと考えられる方がおられたら、江戸時代に行って下さい、と申し上げます。それでは、300年前の人権思想から、全く進歩していません。
 誰が、人権保障の味方で、誰が敵なのか区別がついていません。逆です。

 本来、行政の不透明な政策形成過程こそ、白日の下に晒さなければいけません。まさに、こういった審議会行政こそ、行政権の恣意的発動、ゆえに独裁だと申し上げているのです。
 個々の議員を挙げ連ねてもしょうがないのです。相手は、行政です。

 例えば、審議会のどこに、民意が反映されているのですか。どうやってメンバーに我々が、民主的コントロールを及ぼすのですか。彼らは、どう責任を負うのですか。それを申し上げたいのです。


 こんな例があります。
 ある施設に関する委員会で、座長が一言。「私は、この施設ができる時からこの委員会に関わっていますから、よく経緯は知っていますが、あれから30年たって、時代に対応して、そろそろこの施設の建て替えも検討しないといけませんな。」
 「まず、あなたが、辞めたらええが。」と、私は言いたかったです。

 「児童」に関する審議会で、私が発言。「メンバーの中で、子育て世代は、佐藤委員だけなので、たいへんに参考になりますねぇ。」
 誰のために、誰が議論しとるん?多分、メンバーの平均年齢65才でした。これから生むんかい!!

 また、複数の審議会のメンバーを兼ねられる方(先生、先生はどこでもおられますが!!)、また、首長の後援会の後援会長が、答申する側になるケースを多々見てきました。

 こういった場合、どこにいわゆる公正・中立な第三者が、おられるのでしょうか。それでも、行政は、「第三者」に凄い権威を持たせるのです。
 そんなに、第三者は、偉いんでしょうか???

 この部分は、次世紀に、どうしても変えないといけない部分です。

 公正・中立な第三者に過度に期待すればするほど、公正・中立でなくなる危険を内包します。
 むしろ、なんでも晒せるだけ、徹底的に晒してしまうほうが、良いと思います。

 ちなみに、今回のアメリカの大統領選挙で、裁判官や選挙管理者が、公正・中立な第三者でないことがよく分かりました。しかし、彼らは、少なくとも中立の者はいないという前提で、動いています。それなら、それでいいのです。なぜなら、なんでも選挙するのですから。


 20世紀の終わりに、21世紀の地方において、地方議会の復権無くしては、真の民主的な社会は実現しないと断言します。
 そのためにも、まず、我々市民が、あくまで自己責任に基づいた民主主義のルールの中で生き抜くんだ、正当な手続きで決まったことには、市民の責任として従うんだ、そういう基本を認識する必要があると思います。
 第三者ではなく、自らの手で、公正な社会を作り上げる気概が必要です。

 また、行政に頼るのではない、市民自らの手で、自由で民主的な社会を作り上げる道具として、「議員」を使って下さい。
 私も、そのために「議員」を使います。
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2000年12月30日(土)
       【長文20世紀の終わりに 行政への提言書の扱い】
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 議員の年末は、深夜に地域の消防分団の夜警にご挨拶に行くという恒例行事があります。逢沢代議士の秘書時代を含めて、年末・年始に、ああゆっくりしたなぁ、とここ数年思ったことすらありません。

 私自身深柢消防分団員として、28日(木)は当番で、翌朝午前3時まで夜警。昨日は、午後8時過ぎから午前1時過ぎまで、7個所を表敬訪問。本日も、ほぼ同じぐらいでしょう。
 自分で運転して行き、新規は、飛び込みですから、「おめぇ、でーなら?」という所からスタートで、疲れないといえば嘘になります。他の議員の地元は、避けながらの気力の戦いです。

 明日大晦日は、お火焚きから、表町でのカウントダウン、元旦は午前5時からの朝起き会・元朝式。そして、ある新年ご挨拶では、必ず酔いつぶれないといけない、という12月の忘年会からのロングランです。
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 話はがらりと変わって、NPO法人を標榜するある団体から、知事に提出した提言書につき、なしのつぶてである。問い合わせた佐藤に経過説明せよ、と書留め郵便が送られてきて、なぜか私が、年明け早々呼び出しを受けることになりました。
 あまりに失礼な書かれ方だったので、かえって喜んで、出席することにしました。

 一応、27日(水)に担当課から、レクを受けたものの、この団体が過去十年にわたり、提言書や陳情・請願を様々な議員を通して、当局に提出していることが、判明致しました。

 実は、当局が一番困るのは、この提言書です。昨日書いた「審議会」は、「諮問」に対して「答申」するので、その提言を行政は、恭しく扱いますが、行政が頼んだ覚えもない団体からの突然の提言書は、本当に扱いに困るのです。

 基本的には、市民・県民が直訴するそういう形式は、できていません。例えば、青空知事室で、実際に政策に結びついたものがあったようですが、もし、任意の一部の方の提言書に対して、まともに、行政が答えるなら、それはそれで、民主的コントロールが及んでいないのです。

 これは、提言書でなくてもありえます。首長が、ある団体の長と会って偶さか聞いた話(提言)をまともに受けて、政策にし、いきなり発表する。実は、その団体のメンバーすらよく知らなかった。結果その団体まで混乱する。
 そこあるのは、首長の行政権の乱用であり、民主主義の原理にもとっています。ある方には、極めて都合の良い首長でも、ある方には、鬼になります。

 あるいは、もしも、そこに選挙でお世話になったから、という特殊事情が介在するようなことがあれば、少数者の人権は、行政に平気で踏みにじられるでしょう。少数者の意見は、圧殺されるでしょう。
 真の民主主義は、徹底的な議論を経た(少数者の人権に配慮した)多数決によってのみ実現されます。

 ゆえに、公開された議会が重要なのです。そこで、徹底的に議論されるべきなのです。議会の採決を持って、行政に執行させる、それが本来の姿です。
 提言書は、行政でなく、議会にどんどん出して下さい。議論させて下さい。

 請願権は、憲法上の権利です。要望等は、どんどん議長に向けて提出して下さい。議会や委員会や部会が、混乱するぐらい大量に毎議会提出されるべきものです。
 そして、議員を説いて下さい。議員を説ける形で、提出して下さい。とことん議員を使えば良いのです。
 行政に媚びることも、すがることもありません。市民・県民自らの手で、議員を議会を行政を動かすのです。


 そのためにも、動く議員を選ばなくてはいけません。議員は、自由で民主的な社会を作る道具にすぎないのです。そのために、動かない議員は、動けない議員は、反目に動く議員は、不要です。それを選挙で選ぶのです。それこそが、21世紀の選挙です。
 また、それの応えられない議会なら、なくなってしまえと思います。全部お上に任せれば良いのです。


 いつも申し上げることですが、定例議会は例えれば、株主総会です。年4回の株主総会の株主は、我々市民・県民です。
 岡山県株式会社の代表取締役社長は、知事。副知事は、専務や常務。各部長は取締役。県警本部、教育庁は100%出資の子会社。社長は、県警本部長に教育長です。

 会社の状況や方針について、株主代表訴訟のように、代表権を持った議員が、株主たる市民・県民の代表として、質問という形で問いただします。
 それが、本会議です。
 ゆえに、議員は、株主の声を運ぶ道具です。だからこそ、うまく議員を使うのです。逆に言えば、議員が質問しなければ、機能していないのです。

 議員は、道具です。私自身市民・県民の道具ですが、私は、私にとっても、道具です。自由で民主的な社会の構築のための道具になる、良い道具をうまく使う、それだけです。

 市民・県民・議員・議会全てが、変わらないといけません。
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2000年12月31日20世紀最期の日(日)
              【1年のご愛顧を心より御礼申し上げます】
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今年1年間本当にお世話になりありがとうございました。

今年の4月19日から始めて(その9から「佐藤真治のこころ」と称して)8ヶ月半、「こころ」も今日で295回になりました。それにしても、ひつこい!

 途中に3回の議会と一般質問、2回の大型選挙、2週間の北欧視察を含む多くの視察、友紀の誕生等々いろいろありました。
 岡山県で起きた大概の事件は、触れたように思います。

 幾多の批判も馬耳東風、途中3度にわたる大きな配信の調整をさせて頂きましたが、大切なパソコンに、毎日毎日これでもかと送られてくる無茶なメール。さぞかしご迷惑だったと思います。
 295回分合わせて、心からお詫び申し上げます。


 ただ、正直に申し上げて、メールをご覧頂ける方、毎回質問をご存知の方は、ごく僅かで、幾ら頑張ろうが、ただの自己満足ではないかと思うこともありました。逆に批判を受けることが何度もあり、落ち込むことも多々ありました。

 もちろん、県政の一部を有権者の皆さんにお伝えするのが、主目的でした。議員自らが行えるこれ以上の情報公開はないと自負しています。
 しかし、おそらく父親として何も残せないだろうということから、馬鹿な親父の戦いぶりを「こしんじ」に伝えたかったこと、それ以上に、これから出てくる政治を志す若者に、一地方議員の生き様を伝えたい、「こころ」を伝えたい、そんな思いでもまた書いていました。
 もし、選挙の宣伝活動なら、ここまでしません。人によっては、かえって逆効果でしょう。

 たかだか、人間は3万日しか生きられません。しかし「こころ」は、死なない。受け継がれていくものです。
 私の任期は、あと2年と3ヶ月ですが、その間にあと9回、計16回一般質問に立てたら、「こころ」が、1000回を越えていたら、自分としては満足です。もういらない、という評価を受けるなら、それもよし。
 それでも、きっと、誰かにどこかに、「こころ」が、伝わっているでしょう。
 というか、この瞬間に死んでも、個人的にはそれもよし。少しは、残るでしょう。議事録の中にも。
 子供が産めない男は、「こころ」を残せ。そう思います。


 あと、12時間で21世紀。何が突然変わるわけではないですが、おそらくもちろん、来世紀も「こころ」は、変わりません。
 配信をさせて頂いていない方にも、佐藤は元気にやっています、とお伝え致しながら、今世紀最後のご挨拶をさせて頂きます。

 本当にお世話になり誠にありがとうございました。どうか、素晴らしい新世紀をお迎え下さいますよう心よりお祈り申し上げます。
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