2000年11月1日(水)【小学校統合に向けて】
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 その経緯はさることながら、中心市街地の小学校の統合に向けて、PTAを中心に新設校の校名や、通学路の検討が、始まっています。

 現深柢小学校にできる新設統合校の問題は、現行では統合してもクラス替えが起きない生徒数であるとのことですが、実は、教職員の数が、どの程度確保されるのかも、問題です。
 クラスが増えなければ、原則として教職員も増えません。

 特に、難聴の子ども達、知的障害を持つ子ども達をしっかりと支えないといけませんが、現状の学力保障をするなら、1学年に41人いなくても、クラス分けをする特例も認めらるべきではないか、と思います。
 このままでは、担任の負担増は深刻な問題になりそうです。
 加配への働き掛けが、地元議員としてできることだと思います。


 千田副議長のご尽力で、県議会議員全員に、職員の方並みに、パソコンが、支給(貸与?)される方向が、示されました。
 IT議会に、変貌するでしょうか?選挙は、IT戦に、なるかもしれません。自ずと情報公開も進むでしょう。
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2000年11月2日(木)【保護司になりました】
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 平成12年11月1日付けで、法務大臣より保護司を委嘱されました。おそらく岡山県下(定数1070人)で、一番若い保護司だと思います。
 日本の刑事政策で、世界に誇れるものが3つ。検察官の起訴猶予制度、交番制度、そして、保護司制度と言われています。
 今日は、新任保護司辞令伝達式と実務研修があり、半日レクチャーを受けました。
 ちなみに、岡山県の保護観察所は、南方の高等裁判所の横、法務局合同庁舎の中にあります。

 保護司は、民間のボランティアで、地域の事情や習慣をよく理解している地域住民の代表として、専門官である保護観察官と一緒に、保護観察を行う他、犯罪や非行防止のため、地域社会の浄化のために、活動します。
 その身分は、非常勤の国家公務員ですが、無報酬で、奉仕活動に従事します。(公務員でも、非常勤なので政治活動は、可能。)
 対象の人達の立ち直りを助け、刑務所や少年院に収容された人達が、社会に復帰するとき、その環境を整えて、更生を助ける働きをします。
 犯罪や非行に走った者を、通常の社会の中で、健全な社会人として更生するように指導し、援助する「更生保護」の担い手のひとつが、保護司なのです。
 ちなみに、「更正」でなく、「更生」と書くのは、「更」と「生」を合わせて「甦
らせる」という意味です。

 どえらく分厚い法規集や、資料を頂戴しておりますが、法律用語も多く、おって、議員活動に加えて、保護司の活動も、制度や仕組みについては、具体的に紹介させて頂きます。

 個人的には、議員になった時より、様々な意味で、恐怖感、不安感を持っています。明らかに目の前にいる具体的な一人の人間の人生に関わっていく責任は、議員とはまた違った形で、肩にのしかかってくる重圧です。
 奇麗事や、絵空事では決して済まされない、どうしようもない現実が、目の前に叩き付けられると想像します。


 そして、守秘義務。死んでも話してはいけないことも、出てくるでしょう。何より保護司自身が、身を正さなければ、例えば罰金刑を受けたら、罷免です。保護司である私自身の行動が、自ずと制約されてくると思います。
 ゆえに、通常は、住職や、町内会長、ひととしとられた人格者が、奉仕でする役職です。様々な理由で、お受けはしたけれど、議員がまともにできないのに、保護司ができるんか?と、自分でも思います。

 しかし、おそらく保護司の活動を通じて、かなり人間的にも成長できるのではないか、と期待しています。そもそも対象者同様に、私自身がまだ可塑性に富んでいると思います。
 そして、人生の奥行きが、少し深まりそうな予感がします。あるいは、人間が、少しわかるかもしれません。
 ともあれ、今は、36歳の若造である私にとって素晴らしいチャンスを頂けたことを心から感謝です。
 50歳の時には、ちぃーたぁー成果も出るでしょう。


 このメールで書いてきた落書きや暴走する彼らに、違った形で出会う時、私の人間が、試されます。自分と全く違う生き様をしてきた人間、180度違う価値観で生きてきた人間がいるとしたら、どう対処すれば良いのでしょう。

 人間力を高めること、「指導する」だとか、己の価値観に組み込むとか、他人のことが分かったような口を決して叩かないこと、あくまで、相手がどうあれ、見下さない、見くびらない、突き放さない、決めつけない、あきらめない、受け入れる、とことん話を聞く、むしろ教えを請う。感謝する・・・・・。
 そんな気持ちをいったいどこまで実践できるのか。とんでもない宿題が、出された気がします。向う40年の大事業です。

 「こころ」では、決して個別具体的なケースに、触れることはないと思いますが、大きな不安を持って昨日からなった保護司としては、あるいは悪戦苦闘している日が、あるかもしれません。


 話がすっかり変わるのですが、こしんじ君(仮称)誕生まで、予定ではあと丁度3週間ですが、「立ち会い出産」は、やっぱし気の弱い私は、卒倒しますか?どうか教えて下さい。
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2000年11月3日(祝・金)
            【GO!RAKUEN!後楽園に行こう!!】
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 灘崎町のサウスビレッジで、大々的にファームフェスタが、また、岡山映画祭2000も、各会場で始まっていますが、個人的には、とても好きな趣向のイベントが、後楽園で今日から1ヶ月の予定で動き出しました。

 題して「おかやま後楽園300年祭 空間アート ガーデン   現代美術をとおしてみる後楽園」です。
 おそらく奇才の部類に入る豊かな才能を持つ某公務員や芸術家が中心で仕掛けたこの催しは、「よくもあのお堅い岡山県が許したなぁ」という、新しい後楽園の使い方を示してくれています。
 9月議会では、ポスト築庭300年について一般質問させて頂きましたが、これまた是非来年以降も続けて頂きたいイベントです。

 多くは、申しません。とりあえず後楽園に行って、見て、体験してください!きっとパブリックスペースとしての後楽園が、もっと好きになること請け合いです!わたしゃ感動しました。


 話変わりまして、特に3歳児保育(教育)について、公立幼稚園にも、3歳児の受け入れを認める試行がされています。岡山市内では、5園で、行われていますが、特に中心部では、3歳児を既に預かっている私立幼稚園との兼ね合いも問題になってくるでしょう。

 この点、共稼ぎの親の立場からすれば、教育的配慮が充分に為され、遅くまで自由な時間で預かってくれ、しかも安い、そんな公立保育園が、職場にほど近い所にある、のが一番便利ではあります。すなわち、公立が幼保一元(併設)化するのが、経済的にも、一番助かります。
 一方、私立は、少子化時代に本当に涙ぐましい経営努力をされている現状もあります。もはや生き残りをかけた競争と言えるでしょう。

 子育て世代の代弁者として、公立幼稚園、私立幼稚園、公立保育園、私立保育園(無認可含む)のうちから、皆様がなぜそこを選ばれたのか、どんな問題点があるのか等、把握させて頂きたいので、よろしければ、どうかご教示下さい。
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2000年11月4日(土)【要約筆記】
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 12月議会は、12月4日開会ですが、誰がなんと言っても7回目の一般質問をさせて頂く気であるため、1ヶ月前ですが少しずつ情報集めを開始しています。

 先輩県議からは、いずれは知事を相手に、真正面から県政の大きな方向そのものを議論するようになれ、と言われてはおりますが、それは、当面、党の代表質問に譲ります。

 いわば、本会議は、株主総会です。知事は、代表取締役。執行部は、取締役会。県民の皆さんが、株主。議員は、株主代表訴訟の代表者。一般質問は、事業報告を受けて、個別具体的な事業について、株主を代表して質問していきます。
 そのためにも、今は、株主の皆さんの声を聞いて回らないといけません。逆に株主の皆さんも、適度な節度をお持ち頂いてうまく議員を利用すべきだと思います。

 さて、12月議会のテーマのひとつが、要約筆記です。

 岡山県下には、8500人の手帳を持つ聴覚障害者の方が、いると言われています。昨今「手話ブーム」が、起きているようですが、実は、手話が使える方は、むしろ限られています。というのは、かなり多くの途中失聴者、難聴者が、おられるからです。いや、正確には、年をとれば誰もが、私も皆さんも、聴覚が衰えるのです。
 潜在的には、聴覚に障害を持つ方で手話が使えない方は、かなりの数に及ぶと思います。

 例えば、公共機関、病院、郵便局、例えば、介護保険で訪問調査や在宅介護を受けるとき、失聴者の方は、どうすれば良いのでしょうか?
 そこで、県下の要約筆記サークル、要約筆記奉仕員の方の役割が、重要になるのです。
 もっとも、簡単な要約筆記は、文字が書ければ、誰でもできることです。
 その割に、この要約筆記、あまり知られていません。

 今日は、要約筆記クラブの会長のお話を伺ったり、11月16日の福祉大会に登場するコンピュータを使った最新の要約機器の実験(練習)などを拝見しましたが、今後、視聴覚障害者センターや、内山下小学校などなどを調査して回るつもりにしております。

 12月に向けて、どうか皆様のご意見、お知恵をお寄せください。
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2000年11月5日(日)【学童保育について】
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 本日、参加させて頂いた会のうち、「学童保育ふれあいフェスタ2000」と「岡山市の公民館を考える会総会」の問題の本質が似通っているように思いますので、2部に分けて紹介させて頂きます。


 学童保育とは、共稼ぎなどで留守家庭になる小学校低学年(原則3年生まで。)の子ども達に、安全で楽しい放課後を提供するための活動です。
 先日の保育園同様、女性の社会進出、昨今の不況もあり、共稼ぎ夫婦にとっては、放課後あるいは学校が休みの期間に、就学した子ども達を預かってくれる場が必要ですが、それに応えたものです。
 もちろん、子ども達にとっても学童保育の仲間は、とても重要です。

 子育て世代、俗に言う「鍵っ子」の強い味方なのですが、全小学校にあるわけではなく、一般的にはあまり知られていないかもしれません。また、名称も、「放課後児童クラブ」はじめ、様々な言い方があります。

 実際は、校庭にプレハブを建て、時には、バイトのような形で、多くは、保険など保護者の方が、配慮されつつ、指導員(法律上の要件はないが、基本的に保母さんと幼稚園教諭免許取得者)の方が、お世話してくださいます。

 例えば、51人以上の児童がいれば、400万円以上の運営の補助が出ますが、多くは人件費に消え、実際は、月5000円から6500円ぐらいの保護者の負担で、成り立っています。
 社会的な要請の強さに比して、財政的には、かなりきついと言うのが、現状です。

 本日のイベントは、学童保育に対する認識を深めるために行われたもので、案外お父さんの姿が、目に付きました。
 大切なのは、子育てに対する情熱を決して指導員任せにしないこと、また地域の子供として、地域社会も温かい目を学童保育に注ぐことだと思います。

 私自身が、子育て世代です。
 基本的には、各市町村の民生労働部門が対応し、岡山市では、市家庭児童課の担当になりますが、児童数が要件を満たさない小さな児童クラブの人数調整といった場合が、県の出番です。
 しかしながら、ほとんど同世代の方共通の課題です。できる限りの支援を学童保育の取り組みに対して、させて頂ければと存じます。
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【今後の公民館のあり方について】
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 公民館も、端的には岡山「市」の領分ではありますが、5年前に「おかやま未来フォーラム」という会合を中央公民館で細々としていた時期があり、ミニコミ紙「WHAT‘S NEW」を公民館に配りまくっていた経験から、公民館の潜在的可能性に、私は注目しております。

 やや旧聞になりますが、「今後の公民館のあり方とその充実施策について(公民館検討委員会答申)」が、発表されました。この答申は、内容もさることながら、委員会の傍聴、議事録のWebでの公開など、情報公開面で、かなり積極的なものだったようです。

 今日、岡山市内の30の公民館は、地域における生涯学習センターの役割的機能と人々の集いや交流を通じた地域作りの拠点の役割を果たしています。
 将来的には、その機能を拡充し、地域福祉やボランティア活動の拠点、情報提供、コーディネーター的機能、地域における行政サービスのサポートなど新たな住民の要望に対応していく必要があります。

 この答申は、その状況を受けて、地域に根差した運営、市民参加の仕組みとそのための組織作り、専門的力量と意欲を持った正規職員の配置を含めた職員体制の強化、中学校区に拘らない、市民の声を反映させた地区館の整備と拡大、施設・設備の充実等の方策の必要性を説いています。
 本日の「岡山市の公民館を考える会」の総会は、養護老人ホームと隣接する東公民館で、行われたために、公民館の可能性というのをよりリアルに感じました。
 公民館の潜在的可能性は、まだまだあると思います。

 もっとも、一般利用者の方には、あまり知られていませんが、公民館活動の事務方の担い手たる職員は、館長を除くと嘱託職員です。
 個人的には、地域住民の方が、自主的に公民館を運営される、地域に委嘱するのが、「民主主義を学ぶ」公民館の本旨だとは、思います。
 ただ、サポートされる職員の方の身分が安定しないというのは、問題がある気もします。彼女たちは、毎年更新で、いつ「切られる」か、わからないと言われています。

 実は、前述の児童クラブの指導員の方にも、似通った問題があるかもしれません。

 ここから先の話は、極めて政治的になります。個人的には思うところがありますが、これ以上は書けません。お察し頂けないかもしれませんが、お許しください。またまた、マッチポンプで、すみません。
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2000年11月6日(月)【突然ですが、諫早湾に】
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 これより、広域交通・物流対策特別委員会県外調査のため、JR岡山駅に向かいます。確か、この前ソウルで、その前は、富山で、その前は・・・。
 議員の県外調査(視察)が、如何ほどのものかというご意見もあられると思いますが、私も、議員にさせて頂いて、かくも地方議員が、動き回るものなのかとビックリしています。また、どこか体力勝負の気もします。
 あちこち行けて楽しいかい?と聞かれると、かなり疑問です。

 今回は、北九州のアジア太平洋インポートマート、福岡ドーム、博多港香椎パークポート、諫早湾干潟干拓地、ナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想事業などなど、港や海ばかり見て回ります。
 帰岡後、なにをどう「こころ」に、書けるのかわかりませんが、個人的には、こしんじ君が、飛び出さないか心配です。よく言い聞かせてきましたが、理解しているかどうか・・・・。

 そんなわけで、明日の「こころ」のみ、お休みさせて頂きます。
 ムツゴロウと人生を語ってまいります。
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11月7日無し

2000年11月8日(水)【帰岡しました】
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 広域交通物流対策委員会の県外調査より、先ほど帰ってまいりました。ついさっきまで長崎にいた気もするのですが、伊丹空港(騒音は、かなり問題ですが、大阪の街を横切って降りる限りでは、一見の価値ありです。)経由で戻ってきて、実に早いものです。

 今回の視察は、極めて有意義かつショッキングなものでした。特に、県内調査で、興奮して書いたFAZ構想ですが、大きな疑問を持って帰ってきました。「井の中の蛙大海を知らず」という言葉もありますが、客観的・相対的に岡山県を見る上でも、議員視察は必ずしも悪くないぞ、ということをおって報告させて頂きます。
 むしろ、後に続くであろう議員の誇りのために、お伝えしたく思います。

 報告書は、かなりの時間と労力を要するため、今日はようしません。どうかお許しください。

 また、多くのメールを頂戴して本当にありがとうございます。毎度のことで恐縮ですが、返信が、少し遅れますことをお許しください。

 内容が、全くありませんでした。誠に申し訳ありません。
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【アジア太平洋インポートマート】

 いわゆる小倉、北九州市の話です。
 鉄冷え後の都市の再生計画として、北九州市では、昭和63年から3次にわたる「北九州市ルネッサンス構想」を実施してきました。

 目指す5つの都市像のうちの一つが、「海にひろがるにぎわいの交流都市」で、日本海と瀬戸内海を臨み、関門海峡を挟んで本州と接するという地理的条件や港湾、周防灘海上に建設中の新北九州空港(平成17年度完成、2500m級)などを生かして、国内各地はもちろん、アジア諸国をはじめとする世界各地との人やモノ、情報などの交流が盛んな都市作り、を目標にしています。

 こういった交通・物流拠点の利用促進として、輸入ビジネスの支援や新たなFAZ(輸入促進地域)事業化プロジェクトを行うために、平成10年に整備されたのが、アジア太平洋インポートマート(AIM)です。

 実は、北九州市は、対等合併で幾つかの街が、昭和38年に合併してできた100万都市ですが、都心部というものが、はっきりしていませんでした。
 そのため、AIMは、FAZ機能を持たせつつも、小倉都心部の整備の中核施設とも言えます。
 ご案内の通り、JR小倉駅は、モノレール延伸、駅乗り入れやAIM、国際会議場等の建設もあり、南口、北口地区一体となって、大変貌しています。

 しかし、第三セクター、株式会社北九州輸入促進センターが設立した、このAIMですが、残念ながら活性化の起爆剤になっているようには、私には見えませんでした。致命的なのは、当初キーテナントとして予定していたヤオハンが、つぶれたことです。
 平成12年6月には、AIM内に、北九州テレワークセンターが設置されましたが、いわば国策であるFAZ指定が、実際のところ、こういった市街地活性化に資するかは、やや疑問に思えました。

 例えば、松山港や境港で、輸入を促進することの地域活性化への意味合いというのは、どうなのか注目したいところです。
 岡山に置き換えると、おそらくコンベックス岡山界隈だと思いますが、FAZ指定が、充分に生かされているでしょうか?

 ちなみに、北九州市では、響灘大水深港(ー15m。03年完了予定)も、FAZ指定されています。

【博多港香椎パークポート】

 今回の視察で、岡山県の「物流拠点性」という言葉が、とても寂しく感じたのが、いわゆる博多、すなわち福岡市です。
 九州は人口1500万人、福岡県が約500万人、政令指定都市福岡市が、132万人で都市圏人口が、220万人です。(個人的には、岡山県の2時間県域が、1600万人というデータより、現実味がある気が、します。)

 JR博多駅から、2800mの滑走路1本の福岡国際空港(騒音問題あり)まで、20分。また、JRコンテナ駅、そしてこの香椎ポートパークまでが、やはり20分。

 香椎ポートパークは、24時間入出港・荷役が可能で、22.3haの広大な敷地のコンテナターミナルです。
 いわゆる博多港は、全て公共の7埠頭、79バースがあり、最大6万5千トン級の大型船が、入ります。
 博多港は、主に、北部九州の生活物資の受け入れ港であり(北九州港とは性格が異なる)、内貿も外貿も、7:3で、圧倒的に、入りの方が、多いのです。したがって、FAZの話は出てきません。合計で、43万TEU(コンテナ43万個)は、水島港の10倍です。

 航路は現在月25航路、128便。神戸以西では唯一、北米西岸や欧州の定期航路が入ります。加えて、釜山まで約3時間、年間27万人を運ぶ航路もあります。

 おまけに、対岸には、450haの港湾物流用地、「アイランドシティ」の建設が進んでいます。

 どでかいガントリークレーンを眺めながら、こんなに極端に違うもんやこ見なんだら良かった、とため息でした。

 水島港は、そうはいっても、全国6位の取り扱い貨物量(TEUだと、16位)がありながら、港湾法上の特定重要港湾にもなれぬまま、神戸港と広島港の間で、もがいています。

 内海の難しい場所にあり、おそらくハード面では、絶対に勝てないでしょうが、それでも、小回りで生き残っていく、そういう道を模索していくしかないのかもしれません。

【ハウステンボス】

 博多港のウォーターフロントということで、いわゆる「ももち地区」の視察の中に、福岡ドームやシーホークも行ったこと、また夜には、ひとりでキャナルシティーに行ったのは、ご愛敬としか言いようがないかもしれません。

 しかし、昼食を含めて3時間、ハウステンボスを駆け回るのは、私は、仕事以外の何物でもないと思います。私は、疲れしか残りませんでした。

 ホウステンボスは、そもそも82年設立の長崎オランダ村株式会社と88年設立のハウステンボス株式会社が91年に合併して、92年にできたものです。 実は、152万uの敷地は、工業団地として造成されたものが、長期間放置され、草木も生えない不毛の地になっていたものを土壌改良して建設したものです。
 人気がなかったのは、水の手当てができなかったからですが、1日1000トンの淡水化装置、下水道施設、発電所など整備し、運河や共同溝など環境にも配慮して建設された人口都市です。
 説明くださった松本取締役が、おっしゃられるに、ハウステンボスは、決してディズニーランドのようなテーマパークや、リゾート地ではなく、あくまで人が住む町、未来都市である、とのことです。(環境重視型の観光都市)

 総投資額は2500億円、採算ラインは、420〜430万人とのことですが、昨年は、390万人、今年はさらに落ち込むようです。
 近年は、特に台湾の観光客が、増加しているようです。

 今年は、日蘭(オランダ)国交400年。長崎で、オランダ・ホーランドを意識してハウステンボスを作ったのは理解できますが、問題は我らがチボリ公園。

 修学旅行生に、おっさん連中がまぎれながら、チボリ公園を思いました。


【諫早湾干拓予定地】

 潮受堤防の鉄板が、次々とギロチンのように落ちていったのは、平成9年4月14日のことです。あの堤防は、既に平成11年3月に完成しています。

 長崎県は、県土の45%を離島が占め、地形的にも平坦な農地が乏しいなど、その起伏に富む地形が、かえって農業の支障となっています。その中で、そもそも諫早湾は、600年以上前から干拓が行われており、今では長崎県最大の穀倉地帯になっています。

 一方、この地形は集中豪雨も起き易く、台風も常襲地帯でもあり、「昭和32年」の大水害に代表される高潮、洪水、排水不良による被害が、たびたび発生しています。

 そこで、諫早湾の湾奥部を締め切り(7050mの潮受堤防)、干拓により生産性の高い農地(1840ha、ハウステンボスの10倍以上)を造成して、地域の活性化を図るとともに、高潮、洪水から地域を守る(洪水調整容量約7200立方m)ために、諫早湾干拓事業(総事業費約2500億円)は行われているのです。

 実際、昨年の大雨の際の「冠水」も確かに早く引いたと地元の評価は高いようです。そもそも6ha単位で、1反あたり75万円(周辺100万円)の土地を誰が耕すのかは別にして、防災面からの地元の要望が強かった事業です。

 ムツゴロウ壊滅(有明海全体の沿岸部の「僅か3%に過ぎない」範囲の干拓で他所にはいます。)、シギ、チドリは消え、カモ大量飛来(但し、鳥獣保護が言えないので、禁猟区にはならず、ハンター増加。)、なぜか潮位が上がる(理由不明)等々ありますが、周辺が農村か山なので、児島湖までは汚れないと思われます。

 遠い将来、潮受堤防の外が、ガタにならないとも限りません。普賢岳が見える場所で、沈む夕日を見ながら、せめて豊かに作物が、実ることを願いました。

【ナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想】

 記憶にない幼少の頃と中学時代の修学旅行と大学時代と計4回目の長崎の街ですが、もうひとつ強い印象がなかったのですが、それでもJR長崎駅が変わった(遠い未来の新幹線を意識しているのか?)のは、わかりました。

 特に、今年は日蘭国交400周年で、それにあわせて「出島」が、復元されたり15ヶ月のロングランのイベントが、続いています。とりわけ、大きな動きがあるのが、長崎駅もさることながら、長崎港周辺です。
 「みなとまち長崎」という新しい顔が、見えてきました。

 そもそも、長崎は、観光の街であり、三菱(造船)の企業城下町です。ちなみに、ここで10万トン級タンカー2隻の受注があり、しばらく良いようです。
 戦時中、戦艦武蔵が造られたのも長崎で、実は港には軍事工場が視界に入らないように、倉庫が建ち並んでいました。
 そんな経緯もあり、最近まで空き倉庫が建ち並び、港は一般市民には近くて遠い場所でした。
 そこで、港を中心に、総事業費260億円で、112haを再開発するのが、ナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想というわけです。

 個人的には、玉野をイメージしました。もっとも、ホテル、コンベンション施設について見直し、事業凍結、国際観光船用の埠頭建設というのも似ているのですが。

 加えて、よそ事ながら気になるのは、イズミを中核にしてオープンした再開発商業ビルや、今年オープンの出島ワーフ(フィッシャーマンズワーフ)が、人の流れを変えてしまったことです。

 長崎は、100円で乗り放題のチンチン電車が走っていますが、旧来の繁華街は、JR長崎駅からやや離れた大丸や地場の百貨店を中心とする浜町商店街、観光通り商店街でした。
 駅から徒歩10分のところにできた駐車場がある、港の再開発は、人の流れを二極化してしまったそうです。

 2つの繁華街をどう結ぶのか、郊外のお客をどう商店街に引き戻すのか、これは岡山市の問題とも似ています。
 おそらく、高松もいずれは似たような問題が発生すると思います。

 人間世界のことですから、たいして変わりもないでしょうが、同じような問題を抱えているということは、抜本的な解決にならずとも、励みにはなります。負けたくは、ないですよね。
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2000年11月9日(木)【子育て支援センター】
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 本日は、ある地域の子育て支援センターの開所式に出席しました。岡山市内に11個所できるセンターの一つですが、国策である少子化対策として国、県、市からかなりの補助の出た事業です。
 育児の相談はもちろん、子育てを通した地域コミュニティーの拠点になります。子育て世代の強い味方です。

 本日の施設は、私立保育園を運営する社会福祉法人の建設によるものでしたが、個人的には、むしろ保母さんの仕事っぷりには、頭が下がりました。延長保育、休日保育、特別な教育が、あたりまえの現在、働きに出られるお母さんもさることながら、社会で働く女性としての保母さんのご労苦は、いかばかりでしょう。

 昼からは、国際ソロプチミスト30周年記念講演会に。ここでも、女性のパワーに、圧倒されました。なお、同会では、記念事業として20〜25のボランティア団体に最大20万円の支援を行うそうです。
 推薦人等必要ですが、申請を希望される団体がありましたら、ご一報下さい。もちろん審査がありますが、なるべく、今までに陽があたっていない地道な活動をされてきた団体にとのことです。
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2000年11月10日(金)【行幸啓】
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 15日に、天皇皇后両陛下行幸啓を控え、緊張が高まってきました。約3億円をかけたこのイベント、岡山県総務部長を本部事務局長とし、我々県議も、野党(共産党)を含め幹部クラスは、岡山空港で、それ以外は、県庁あるいは地元で、特別奉迎します。

 県議の県外調査とは異なりますが、両陛下が、地方視察にお出ましになる行事は、3つ。「国民体育大会」「植樹際」「全国豊かな海づくり大会」です。
 今回のように、なんでもない時というのは、実は珍しいのです。

 私は、昭和天皇の結果として最後のお誕生日や、昨秋のご即位10周年記念に、皇居に提灯を振りにいかせて頂きました。

 各町内会には、日本会議主催の提灯行列(正確には、ご宿泊のホテルが、見下ろす我が母校、附属中学のグランドに提灯を持って集う)の案内が回っていますが、県としては、ともかく行幸啓を盛り上げなくてはいけません。

 もはや、ここは理屈ではありません。日本国民として、どこかのタイミングで、奉迎されることをお勧め致します。その後、是非ご感想をお聞かせください。

 ここに行かれれば、天皇皇后両陛下をお迎えできます!!

15日(水) 午前11時    岡山空港
       午後0時20分  岡山県庁前(佐藤もいます。)
       午後2時50分  後楽園

16日(木) 午前11時50分 備前市市民センター
       午後2時30分  老人保険施設エスペラントわけ

17日(金) 午前10時    倉敷チボリ公園
       午後0時     井原市市民会館
       午後2時20分  中川小学校(矢掛)

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2000年11月11日(土)【変な雲行き】
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 さて、ご案内の通り、加藤紘一元幹事長の動きから、一挙に政局が、流動化し始めました。ニュースステーションで、積み木を見せられて、その気になってしまわれたのか、野党の森総理の内閣不信任案に同調の動きを示されたのは、ご存知の通りです。
 数合わせからすると、なるほど加藤元幹事長にとっては、勝負の時期だな、とは思いますし、超低支持率が示すように国民の感情とそう解離していないのかもしれませんが、リスキーな反乱ではあります。
 たとえ、思わずこぼした言葉でも、走り出してしまいました。

 個人的には、この不景気に、半年もたずに解散総選挙というのは、最悪の事態だと思います。政策論争でなく、国民不在の権力闘争ならば、自民党のためでなく、日本のために、自重して頂きたいのですが。

 永田町の論理からして、もはや次の選挙で、加藤元幹事長は、自民党にいられないのではないかとすら思えます。おかしな話ですが、明日のTVが、既定路線や世論を作ってしまうかもしれません。特に、「自民党の明日を創る会」の動きなど注目です。

 省庁再編がらみの人事があるとはいえ、自民党のご都合で、事は動かないかもしれません。今の野党もポストは、欲しいでしょうから。
 前回の政界再編が、旧田中派の分裂から起きたように、今回は、旧宮沢派が、震源地でも不思議はありません。
 一挙に政界再編?もはや世紀末の政局、全く先が読めません。

 いずれにせよ、岡山県下の加藤派は、1区の逢沢代議士と5区の村田代議士ですが、会期末を迎え、どのように動かれるのか、岡山県議会議員佐藤真治としては、逢沢代議士に追随する以外に道はないと考えています。

 永田町の話は、私にとっては、全くの他人事ではありません。
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2000年11月11日(土)【岡山市政に関する懇話会より@】
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 本日、岡山市選出国会議員と自民党県議と岡山市のクローズの懇話会が行われました。出席者等詳細は、省きますが、今年で2回目です。
 日頃岡山市政に直接関わる場面も多いのですが、改めてたいへん勉強になりましたので、主観を交えず、箇条書き風に、まとめさせて頂きます。
 長くなりますが、極めて有用だと思います。是非ご覧ください。

【岡山市政に関する懇話会より@】

【組織編成】
 来年度の国の省庁再編に合わせて、組織編成再検討中。ただ、環境省に対応するものを除いて、大きくは変わらない。

【岡山市財政状況】
 従来通りの財政出動が続いていたら、平成13年は倒産状況だった。財政局は、一般財源ベースで、70〜80億円の節減が、必要と考えている。首長は、30〜40億円。

【ゴミ収集過大支給問題】
 市民の幸福、生活、福祉を最優先に考えたい。ゴミ収集の過大支給については、市民の福利厚生より、職員の福利厚生を重視した結果。

【若者対策】
 岡山市人口は、65歳を境に移入が多い。逆に、0〜4歳の移出すなわち、30歳代の親が、市外に出ている。30歳代は、税金的にプラスの世代。働く若い世代の福祉、子ども達の福祉、教育・住宅政策など考えていきたい。

【NPO・ボランティア】
 来年4月より、協働のまちづくり条例施行。パートナーとして、荷をかけるが、その分、公共施設の部屋の使用料免除など優遇。

【PFI】
 当新田温水プールに、日本最初のPFIの手法を導入。30数社の問い合わせあり。西大寺産業ゾーン内にも適用していく?

【三丁目劇場】
 吉本興業ほぼ黒字に。劇場そのものも大きくは、赤字にならず。美作、勝山、倉敷、早島等の町おこしに、芸人が呼ばれるようになった。

【情報水道構想】
 通産相、郵政省、建設省、自治省と補正予算が、組まれている。他に、県を通して文部省にお願い。実験事業会社は、市内の会社プラス全国大手の連合体。

【操車場跡地】
 広域都市機能として今の公園用地で、起債の関係で、市が儲かる水準26億円で何がいいかという判断。市民の意見は、単純施設ではダメ。福祉、商業、コンベンション・・・・。これから伸びる世界的スポーツを。平成17年までに。
 ドームには国体で、ボクシング?エキビションゲームなどに使われるかも。また、キラリンピック、障害者スポーツにも。

【JR岡山駅西口】
 フォーラムシティの横。一本の高いビルを平成17年国体までに。NHKは、まずその(入居)方向?PFIの一手法(特権者)を使う?
 JR,県と協力して、国体を迎えられる西口再整備を。

【西大寺地区】
 カネボウ跡地の市街地再開発。市として初めて、2つの中心市街地が、認められた。国の中心市街地再開発制度を利用していく。
 観音院前の商店街、街並み保存地区として残せないか?

【家電リサイクル法】
 13年4月より、粗大ゴミの有料化。前提として数ヶ月無料で置き場決めて。ソフトランディングを。

【西岡山駅】
 平成17年国体までに、操車場西に、新駅を。外環状が、横を通る良い場所。

【古都南方方面の駅】
 城東高校前に新駅を。調整区域なので区画整理と合わせながら、乗降数を確保できないか。

【外環状道路】
 昨年計画区間から調査区間に。また、地域高規格道路に、本年度さらに、事業区間にならないか。

【市民病院】
 新事業管理者を迎え、半年で黒字になった。ただ、賞与の関係で、年度通すと赤字になる。100億円の事業規模だが、過年度の半分以下の赤字で済む。4億円近い収支改善。
 廃止しそうになった吉備病院が、医者の総入れ替えで、大きな改善で、一番の黒字。


以下明日に続く。ちょっとお楽しみに!!
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2000年11月12日(日)【岡山市政に関する懇話会よりA】
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 昨日の続きでございます。私の主観は、入っておりません。

【路面電車延伸の社会実験】
 実は、今秋予定されていたが、やんごとなき方のご来岡で延期。来年2月に。地域住民、関係事業所にDMを出す。思っていることを全部出して欲しい。
 ちなみに、市議会のスタンスは、「市民合意」を大前提に、初期投資として交通問題として合理的に解決できても、運営で市が赤字を負うことになるのは反対、というムード。

【小学校統廃合】
 ともかく良い教育を。数合わせの統合ではなく、モデルになるような、情報発信できるような学校に。どの場所にするかは、教育委員会、地元の話し合いで。(市長)

 基本計画として、平成13年4月に、2校を1校に。平成17年に小中連携した形で、4校(2校)を1校に。
 この夏休みに意見を聞く会。9月に4回、教育行政審議会。10月13日中間答申。答申の内容は、13年に2校を1校。17年4月に2校(4校)を1校に。
 加えて、小中併設について。審議会では、意義があるという異意だったが、中央中の位置では手狭と地元。中学校を中央中に。小学校は、現在の弘西小学校に。10月26日、小中「連携」してと方針変えて、記者発表。
 他に、4校の統合は、内山下で。あるいは、2校統合のままで良い、という地元意見もあり。

 問題は、モデルになるような教育の創造の部分が、見えてこないこと。学区の弾力化だけなら、ただの数合わせ。学習指導要領が、変わる中で、新しい教育を創造したい。

 出石小学校については、14年4月までには、方向決める。

 弘西小学校については、新しい教育に見合う施設を。内山下、出石小跡地も何か良いものをという地元意見あり。

 なお、平成17年に4校統合なれば、510人の適正規模の学校になる。

(市教委)

【宇野線高架区画整理】
 区画整理については、今年方向性を決めたい。青江ー津島線は、中心市街地への迂回路として、南北交通のかなめ。平成17年国体までに、と言いたいが・・・?2割以上の地元の強弱ある反対あり。事業進捗は、なかなかできない状況。

【事業所系の企業誘致】
 非工業系の事業の誘致のてこになる施策の必要性。オフィス、商業の誘致へ補助制度の創設。通産省の補助制度を組み合わせて。
 営業所の従業員が、市民になる(住民税、市民税を払う)実績を見て。

【外環状・岡南線】
 岡山県環境保全審議会をパス。岡南パブリックとの事前協議を進めている。3月末には、移転補償して、なんとか平成17年国体に、間に合わないか。

【中環状・米倉ー津島線】
 野田の地下道を出て、三門まで。JR吉備線高架の費用負担の問題につき、県も積極的に、市も進める。平成17年国体までには、暫定的にできないか?

【岡山市議会】
 平成13年4月より、ケーブルTVで録画放送する。
 今夏40人以上の日台(台湾)議員連盟ができた。12月には、市長来る。日本ー台北の空路開設をしてほしい。

                以下夜に、Bに続く。


【岡山市政に関する懇話会よりB】

 津島小学校創立30周年記念事業「秋の津島まつり」は、地域と学校が一体となった希に見る素晴らしい文化祭でした。まさに感動モノでした。
 トム・ソーヤの冒険をイメージした遊び場は、実に楽しそう!必見です!!

 それでは、昨日からの引き続きのBです。私の主観は、全く抜きです。

【正儀地区事業】

 与党三党から中止勧告を受けた「岡山港正儀地区しゅんせつ土処理護岸事業」を岡山県事業評価監視委員会を休止とする判断を下した。この14日に、石井知事に報告される。

 この事業については、「事業を休止し、平成17年度の港湾計画改訂までに事業の適否を含め検討する」としているが、岡山港の需要動向から、「復活」する可能性は、低いとされている。

 実は、この正儀地区、いわば玉島ハーバーアイランドのようなイメージで、とらまえられ、大規模事業で不要という判断なのだが、残念ながらこの事業の別の面、岡山港(福島、高島、小串地区)の航路浚渫の浚渫土を捨てる人工島である、という側面が、看過されてしまっている。

 平成13年度の岡山市から岡山県への重点要望事項の中に、重要港湾岡山港の整備促進が、入っている。近年の貨物量の増加と船舶の大型化に的確に対応するとともに、モーダルシフトの進展やコンテナ輸送の増大など輸送革新に対しても、対処できる施設整備が必要とのことである。
 例えば、岡山市の日清製粉岡山工場の問題は、水島港からの陸送費である。また、三井製糖や世界に冠たるナカシマプロペラにとっては、長期的な立地特性として、水島港ではなく、近くに港湾設備が、欲しいところである。重要港湾岡山港は、岡山市にとって極めて重要なのである。

 かような点で、この岡山港と正儀地区が、密接な関係があることを今一度知らしめる必要がある。

【鳥取県西部地震の影響】

 鳥取県の単県の施策として、被災家屋1戸に、300万円支給したが、今後岡山県として、同様の施策で、県2分の1、該当市町村2分の1ということになるのは、抵抗がある。水害、火事、高齢者対策等の線引きは難しい。
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2000年11月13日(月)【視聴覚障害者福祉センター】
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 本日は、個人的に、西古松の岡山県視聴覚障害者福祉センターを訪ねました。前身は、昭和39年設立の岡山県立点字図書館(原尾島)で、昭和60年に、視聴覚障害者福祉機能を併せ持った施設として、現住所に移転開館したものです。現在、社会福祉法人岡山県視覚障害者協会に、運営委託されています。

 業務としては、視覚障害者関係業務と聴覚障害者関係業務に、大別されますが、設立の経緯からも、点字図書館機能、すなわち、点字図書、最近では、録音図書、さらには、デジタル図書のライブラリーとしての機能に重点があるように思いました。

 実際、3階建ての建物に、無料の郵便物としてやりとりされる書庫(書籍、テープ、CD)、著作権の関係を免除された録音施設、会議室、調理室等々とこれはこれで手狭で、さらに聴覚障害者の方のためのスペース(字幕付きビデオテープ書庫)というと、限られていました。

 全国的に、視覚障害者施設と聴覚障害者施設は、分離していく方向にあります。視聴覚ライブラリーとの連関を含め、聴覚障害に対する施策として聴覚障害者情報提供センターが、必要ではないかと予断を持つに至りました。今後引き続き、聴覚障害に関して調べてまいります。

 ただ、本当は、障害のある方が、普通に図書館に来られたら、普通に点字本や字幕付きビデオがあるのが理想であると私は、思います。


 センターには、職員の方の盲導犬が、おりました。県下では、14頭。全国では、800〜900頭で、3000人の方の要望があるそうです。
 ちなみに、養成するには、400万円かかりますが、寄付に頼る部分も大です。


 さて、市民主催の映画祭の上映作品を巡って、過度な自由主義史観の方の動きがあります。おりしも天皇皇后両陛下の行幸啓を控えて、あくまで紳士的な議論を望みたいところでありますが・・・。
 残念ですが、このままだと週末に向けてちょっと荒れるかもしれません。
 どちらの方も存じ上げているのが、非常に辛いです。
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2000年11月14日(火)【さっき父親になりました!!】
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 突然こしんじ君が、誕生してしまいました!父親になってしまいました!

 警戒していたところ昨夜午後10時前に妻が破水。私が、オロオロする中で、少しも慌てず騒がずの腹が据わった妻を中央病院に運びました。

 陣痛の度に、腰をさすってやりながら(実は、妻の痛みをよそに大イビもかいて)一夜を明かし、敢えて帝王切開をすることなく、自然分娩で、午前10時14分、3068グラムの元気な男児が、誕生しました。
 通称こしんじ君、名前はまだありません。奴が、ついに誕生しました!!

 あーそれにしても、立ち会い出産は、実に感動的でした。頭が、一部露出しては、ひっこみ、ふんばって出てきて引っ込みの繰り返しで、イカのような頭が、出てきたときには、涙もう涙。多少頭は、伸びちゃいましたが、なんだか不思議な生き物が、オギャーと泣き出した瞬間は、きっと生涯忘れられないでしょう。私は、鼻水じゅるじゅるでした。

 しかし、それにしても、自分の妻ながら、実にそれはもう見事な出産でありました。さすがに、武士の妻じゃ(?)。のろけるわけではありますが、私は今日ほど妻が、美しく偉大に思えたことはありません。厳かでした。そして、ますます頭が上がらなくなりました。
 女性には、妻には、やっぱり男性は、私は、生涯かないません。

 一方、父親が、私とは・・・案外こしんじめ、どじな奴だな。と思いつつ、命を与えた重さについて考えていました。
 あるいは、20歳代前半の私がそうであったように、いつかくる「死」の恐怖・孤独への苦しみを否応なく、彼に与えたこと。終わりのある人生の意味を、どう自分なりに解釈していくのか、父親として何をすべきか・・・・胎児のこしんじの心拍音を聞いているうちは、かなり理屈っぽく考えていました。

 しかし、いざ生まれてだっこすると、もう理屈じゃなく、ただただかわいい。これには困ったもんです、はい。もひとつ、頭がでかいけど。なんかよくわからない顔してますけど。毛深いし。でも、キューキュー言います。

 ここに、馬鹿なでれでれの父親が生まれてしまいました。許してください。
 今後、議員としても、かなり変わってくるかもしれません。
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2000年11月15日(水)【難聴学級・B組】
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 来年度から予定されている中心市街地の小学校の統廃合について、学校サイドの不安として、特に問題になるのは、統合後に型通りの教員配置をしただけで、従来通りの教育環境を維持できるのか、という問題です。

 とりわけ、問題になるのが、40年の歴史を持つ内山下小学校のいわゆる難聴学級が、現在の水準を保ったまま、移転できるかです。そこで、本日は、難聴学級の授業参観をさせて頂きました。

 岡山市唯一の難聴特殊学級(B組と言われる)として、現在15人の子ども達が、内山下小学校で、学んでいます。特徴としては、交流学級(普通学級)に、学ぶ以外の国語や算数については、決して複式学級にしていないということです。そのためには、時間割等たいへんなご苦労が、あります。

 どうしても、普通学級の中で学ばせたいというご父兄の強いご希望、あるいは補聴器の発達という側面もあるかもしれませんが、ろう学校との兼ね合いを含めて、徐々にB組の姿は、変わっています。
 しかしながら、その役割は、前にも増して重要になっています。

 来年度は、さらに入級者が減るようですが、少なくとも現状の1・2年、3・4年、5・6年の3クラス制は維持する必要があると考えます。
 また、統合して一挙に受け持ちが倍になり、しかも学年によっては、知的な障害に加えて、難聴の児童にも、教員が目配りすることが、必要になりますので、結果的に新設校には、単純比例ではない教職員の配置(大増員)が、必要だと思います。

 もっとも、加配についての要請は、なにも中心部だけではないでしょうが。

 実は、教員の加配は、岡山県教育委任会が、決めます。その分、私の責任は、重大です。


【祝!天皇皇后両陛下ご行幸】

 県庁前の奉迎として 1,5mの距離に、両陛下を見て、不謹慎を百も承知で書けば、なんとなく小津安二郎の世界だなぁ、と思いました。日本の良心や良識そのもののような味わい深さを陛下は、体現されておられます。
 緊張感の後、うるっときました。

 選挙と県外調査が、混じったようなスケジュール、さぞかしお疲れのことと思います。この後、素晴らしい岡山の旅になることを心からお祈りします。


【こころより御礼申し上げます】

70人近い方々から、お祝いのメッセージを頂戴致しました。本当にありがとうございます。病院にいる妻の励みになっております。

 結婚後1年で妊娠出産となにやら調子が良すぎて、むしろ様々な方に対して申し訳ないような気がしております。

 こしんじ君は、屁をこき、くしゃみをし、うんちもし、時々目を開き、後は泣くぐらいしか芸がありませんが、生まれて2日目では仕方ありません。 今日は乳首の吸い方を特訓しています。
 わりとすっきりした二の線だと思いますが、親の欲目でしょう。所詮、おとついまで胎児だった乳児です。まだ、人生の苦労というものを知りません。
 すみません、2〜3日は、うれしくて書きそうです。じきに慣れると思います。実際お見苦しいと思います。本当に馬鹿で、すみません。
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2000年11月16日(木)【NPOの自己評価】
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 12月議会まで3週間を切り、否応なく毎回継続で、これで7回目になる一般質問の項目を意識しなくてはいけない時期になりました。

 毎回お伝えしておりますように、一般質問は、3党の総花的な代表質問と所属委員会の付託事件、私の場合は、教育問題全般、広域交通・物流対策(道路、空港、港)を除いて、しかも重複質問を避けながら、行わなくてはいけません。

 まず、大概の質問は、「できない」か、誰かがするか、電話で尋ねれば足りるか、顰蹙を買うか、敵を作る、と考えて良いでしょう。
 一期生議員で、毎回質問を継続しているのは、もはや私だけになった状況で、今回もまた、悪戦苦闘中です。
 個人的には、50分間、大上段から振りかざして、重複質問おかまいなしで、各部の主要政策に対して行う代表質問の方が、むしろ簡単だと思います。それらしい、質問ができます。

 今回の一般質問は、『行政評価』『NPOの自己評価』『要約筆記から聴覚障害全般』『チャイルドシート』『交通バリアフリー法』『岡山国体ボランティア休暇』『男女共同参画「家庭」』『NGO基地としての国際交流センター』などなど、考えていますが、極めて流動的です。
 是非、上記項目につき、どうか御知恵をお貸し下さい。


 関連して、堅実な活動を続ける「岡山NPOサポートネットワーク」の本日の例会では、「アメリカのNPO事情」についての報告がありました。理事の役割や理事会の機能、事務局長の役割が、大きく日本のNPOと異なる中で、特に気になったのは、行政との関係です。

 実は、大詰めを迎えたNPOの税制優遇措置の問題ですが、今後重要になってくるのは、国民の義務を免除するだけのNPOの信用性の担保だと思います。
 特に、例の遺跡の事件の裏側には、補助金を貰うNPOの苦悩があったわけですが、NPOがNPOを自己評価し、それを社会や行政が、認知する方策が、次の段階でどうしても必要だと思うのです。
 それは、行政がNPOを対等なパートナーと認め、おそらく将来的に、委託事業を巡り、NPO間で、競争が生じる中でも、絶対に必要なものです。

 行政評価に絡めて、知事に直接お伺いしたく思います。
 ご意見等お知らせ下さい。


 本日、第27回中四国身体障害者福祉大会が、三笠宮寛仁殿下をお招きして岡山県体育館で、大々的に開かれました。
 来賓で呼ばれたわけでも何でもないのですが、コンピュータ入力を使った要約筆記の新技術の見学に行きました。

 むしろ、現段階では、手書きでするOHPより時間がかかり、機械の性能としても改良すべき点があるのは事実ですが、要約筆記クラブの皆さんの2ヶ月の練習の成果を遺憾無く発揮されました。
 手話と並んだ要約筆記、今後益々その重要性が、理解されてくると思います。

【今日のこしんじ君】

 天皇皇后両陛下ご一行が、病院の前を宿舎に戻られる中、ひたすら寝てました。今夜は3時間おきに、授乳です。妻が、たいへん!!
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2000年11月17日(金)【障害児教育 普通学級へ】
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 ある土地収用の問題に始まり、要約筆記クラブの活動の見学、岡山県立岡山聾学校の個人的な調査、例の映画祭等々あって、結局午後10時前から、さっきまで病院で、こしんじ君と遊んでいました。来週からは、こしんじ君は、妻の実家に引き取られ、私は通い婚。私は、妻子無しでは、もはや生きていけません。
 こんな中で、解散総選挙になったらどうしようか、と思ってます。
 ご質問を頂きますが、すみません。この政局、私もわかっていません。


 さて、去る11月6日、心身に障害を持つ子供に対する教育の在り方を検討していた文部省の研究会が、障害児が、どの学校で学ぶかを決定する基準を緩和し、盲・聾・養護学校に進まずに、地域の小学校の普通学級に進学する道を広げるように求める中間報告を出しました。

 これを受けて、文部省は、障害の程度に応じて、厳格に子供の就学先を振り分ける現行の「就学指導基準」を38年ぶりに、緩和します。
 もっとも、都市部などでは既に、市町村の教育委員会が、希望に応じ普通学級への進学を認めており、文部省が、現状を追認した形と言えるでしょう。

 こういった状況の背景には、障害を持つ子ども達を普通学級に通わせたいという切実な保護者の願いがあります。また、メガネや補聴器など補助具の改善が、進んだことも大きいでしょう。
 障害児にとっては、同世代からの刺激を受け、社会性が身につきますし、他の子ども達にも、思いやりや助け合いの心が、育ちます。
 その242の内山下小学校の難聴児学級は、まさに先駆事例と言えるでしょうが、それをさらに、進めていくわけです。

 ただ、問題は、それを推進するだけの施設設備や人材が、確保できるかです。まさに、自治体や、学校の力量が、試されることになるわけです。
 加えて、障害児の保護者の努力とそれを周囲が支えていく体制づくりが、絶対条件になります。

 今回は、要約筆記の話を調査するうちに、難聴児教育の話に進んできております。あるいは、難聴児の「情報保障」のために、要約筆記ボランティアが、活用できるのではないかというご提案を頂戴致しております。

 障害児を受け入れた小学校の普通学級の現状や課題等、引き続き調査を続けてまいります。
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【岡山県立岡山聾学校】
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 50年前に、寄宿舎が全焼し、16人の聾(当時は、聾唖という)児が、逃げ遅れて焼死するという痛ましい事件もありましたが、岡山県立聾学校は、90年以上の歴史を持っています。

 最大時には、幼稚部、小学部、中学部、高等部あわせて400人いた生徒も、ここ10年でさらに、3割減で、現在69人。学校教育法施行令第22条の3に規程する、両耳の聴力レベルが100デシベル以上(ガードレール下の列車の音)の児童、生徒などを対象にしています。

 生徒減の理由としては、まさに、「その244」の裏返しということになります。ただ逆に、知的障害との重複障害を持つ児童、生徒が増加する傾向があります。ちなみに、中学3年生は、欠員です。

 もっとも、高等部は、評価が高く、産業工芸課、被服科、理容課の本科と理容課の専攻課を持ち、とりわけ卒業生が、120店舗も出しており、全国1位の実績を持っています。

 加えて、昔は、手話が、禁止されたこともあったようですが、まず日本語を学ぶ(口語教育)ことを前提に、手話や発音サインを交えてのコミュニケーションが、なされています。
 聾者は、話せないわけではないことをまず、ご理解下さい。否、それどころかいわゆる読唇で、「健常者」と手話も要約筆記もなしで、「話ができる」のが、理想であり夢なのです。


 本日、特に取り上げたいのは、幼稚部です。

 原因は様々ですが、いわゆる聴覚障害児は、500人に2人の確率で生まれます。単純に、今後も県下で、毎年20人の聴覚障害児が、誕生する可能性があります。

 厚生省は、2005年から、新生児に対して聴覚検査(ABR)をすることを成文化しました。発見次第すぐに補聴器をつけ、また3歳になると、人口内耳の手術を受ければ、かなり聴力が、上がるそうです。
 言語訓練は、早ければ早いほど良いわけですが、問題は、幼稚部以前の専門的指導の確保です。市内には、幼児の民間の言語訓練期間がり、聾学校ではなく、普通学級への進学を目指します。 しかし、0歳から3歳児は、文部省の管轄ではないため、聾学校の幼児部が、言語訓練するこができません。

 まさに、文部省と厚生省の間の問題ですが、ABRの導入で、たちまち0歳からのニーズが、分かってきます。実は、教育相談という形での対応も考えられているようですが、正式に制度として、認められたいところです。

 全国的に、児童、生徒の減少が続く聾学校で、生涯学習機能、情報センター機能の強化充実などに加え、やはり、乳幼児教育の充実も喫緊の課題だと思います。
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2000年11月18日(土)【大岡山の中心(こころ)】
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 本日激動の政局について、県議レベルでも動きがなかったわけではないのですが、ともかく20日(月)の午後6時以降に注目して下さい、としか今は言いようがありません。残念ながら本当に何も申し上げられません。
 たいへんな事態であることは、間違いありません。


 来年度から内山下小学校と統合して、中央南小学校に変わる深柢小学校の最後の学習発表会に招かれました。入学式、卒業式で、無垢な子ども達を見ていると、もともと目頭が熱くなっていましたが、いよいよ泣けてきました。最後ということもあり、余計にです。
 夢とか未来とかいう歌詞が出て、大きな口を開けて歌われると、もうダメといった感じです。うるうるです。

 「大岡山の中心(こころ)をしめて 街のどよみの波打つところ・・」深柢小学校の校歌の2番の歌詞です。中心市街地の子ども達が、誇りを持って学校に通える、周辺整備に地元議員として務めたく思います。

 それにしても、子供を通して、人生が2度できる気がします。
 どの子も皆、かわいく思えてくるから不思議です。また、親の気持ちを考えるようになりました。
 お子達を見ながら、世界中のこしんじのために頑張りたいと素朴に思う、おそらくこれが、政治の原点なんだろうなぁ、としみじみと思いました。
 なんだかんだで、人間社会は、未来の子ども達への愛情が、一番のエネルギーで動いてるんだぞ、と思うと、世の中そう悪くないですね。
 お祝いのメッセージの中にも、そんなお話がたくさんありました。

 明日の子ども達のために。世界中の子ども達のために。

 私は、まるでたいへんな善人になったようですよ、はい。


 これから、倉敷の市議会議員の先生に、倉敷まで、ご相談に伺いましたあとは、この事務所に戻らず病院に泊まります。
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2000年11月19日(日)【制度と例外】
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 やや愚痴っぽくなりますが、議員の本音です。

 昨日ある議員にお願いに伺ったとき、これは、「制度」の話だから良いですよねえ、と言われ、ハッとしました。

 我々議員に対するご依頼を大別すると2種類あります。ひとつは、制度すなわち、政治の仕組みや政策全般に関わるものと、もうひとつは、例外(特別扱い)を認めて欲しい、というものです。

 還元すれば、絶対多数の絶対幸福を求めるものか、絶対少数の相対的幸福を求めるものか、のどちらかです。
 概して、前者は一般質問に結びつき、後者は職員の方々にたいへんなご迷惑をおかけし、あげく議員としての行政側の評価を著しく下げます。
 また、前者は、理想。後者は、現実と言えるかもしれません。
 政治の表と裏。やりがいと苦痛。言い方は、様々でしょう。

 「清濁併せ呑む」という言葉がありますが、言うまでもなく前者が清なら、後者は濁で、概してこの言葉は、濁を求める側から、「それが政治じゃ」という意味合いで発せられ、多少とも無理が利く議員が、「力がある」と評価されるのです。
 逆に、無理を通せないと「あの議員は、使い物にならん」という、評価になります。
 概して、この声は議員にとって非常に「大きな」声だったりします。

 ですから、一般質問を何回したかではなく、どれだけ無理を聞いたかが、議員に力があるかどうかの評価になるのです。

 私は、全く「無理」をしないつもりはありません。なぜか?生活があるからです。「選挙が恐い」から、進むこともあるかもしれません。
 求める人がいる限り、誰かが無理をするのでしょう、そんな依頼は、決してなくならない。半ば諦めの気持ちもあります。

 何気ない依頼だと思うことの中に、案外議員をスポイルしてきたことがある、それが、ひいては政治の不公平を生み出し、結果として政治不信を生んでいる、その本当の原因は、どこにあるのか、逆に、議員の側から、市民、県民の皆様に問いかけたく思います。

 例外を求めたとき、間違いなく議員は、腐ります。腐っても、腐るほど、議員は、きっとできますが。青雲の志を持つ議員が、勝手に腐りはしません。「政策で勝負やこできるもんか。」「今は、若いけぇ、力もねぇけど、3期もすれば、ちーたぁー悪ぃことも覚えて、あんたも議員らしゅうなるんじゃろうなぁ。」「清濁合わせのまにゃぁ、ほんまの政治家には、なれんで。」「無理をするんが政治じゃ。」何度言われたか、わかりません。

 どんな議員を求めておられますか?
 やはり田中角栄が、日本の政治家の理想でしょうか。
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2000年11月20日(月)【大激変】
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      多くは、語りません。いよいよこれからです。
  予測不能です。
  逢沢代議士の国政報告を添付しました。
     是非、ご覧ください。
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【名誉ある撤退?】
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 ご案内の通り、森総理の内閣不信任決議案の採決のための本会議に加藤派他は、欠席との判断をした模様です。与党側反対多数で、否決の方向です。

 私は、何も申し上げられません。個人的には、ちょっと、加藤元幹事長にトホホかも?勝利の確定が確信できないから「名誉ある撤退」と氏は言われますが・・・・・。ん〜、なんと言って良いやら、私には、もうわかりません。
 実は、人生の転機になるかと正直思っていました。

 再び、逢沢代議士の国政報告を添付します。
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2000年11月20日(月)【上海に行きたいのですが】
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 松浪議員とは、昔、渋谷を選挙活動(通称桃太郎)で、歩いたことがありますが、議場で水を撒いてはいけません。なんか、もうええわぁ〜、という気になります。皆さんどうお感じなのでしょうか???
 気を取り直して・・・。

 本日、県他主催の「岡山空港輸入関連事業者セミナー」が、開かれました。時々、行政主体のセミナーは、意図がわからないことがありますが、ともあれ、平成10年開設の国際定期航空路のある上海の経済は、非常に良いというのは、実によくわかりました。
 ちなみに、平成9年11月から水島上海航路もできています。

 実は、中国側の事情で、明確に打ち出せませんが、上海には、平成9年より、岡山経済交流部という事実上の岡山県の上海事務所があります。
 岡山県からは、被服・繊維製品や機械器具の製造業を中心に、海外進出企業の4分の1が、上海とその周辺(江蘇省・浙江省)に、集中しているのです。

 ご案内の通り、長江の河口部に位置する上海市は、1834年のアヘン戦争後に締結された南京条約により、対外貿易港として開港。イギリスが、租界を設定するなど、列強の中国進出の拠点としての役割を担う反面、東アジアの金融・貿易センターとしての地位を確立し、中国最大の商工業都市となりました。
 現在は、国家重点プロジェクトである浦東新区開発が進められ、金融、貿易機能の集積や浦東新空港の開発などにより、中国経済の中心となっています。

 人口1300万人は、中国全土の1%ですが、GDPは、5%。ちなみに、2000年度第3四半期まで、GDPは、対前年比10.2%増(全中国8.2%)、特に、IT関連の投資は、前年同期比32%増。マイクロソフト社も進出しています。
 また、日本企業の投資相談も爆発的に増えているそうです。

 ちなみに、虹橋空港に加えて、僅か3年で4000m級の浦東空港が、開港。現在発着数は、少ないようですが、将来的には、4000mの滑走路が4本の空港になるそうです。潜在的な可能性は、無限の気すらします。

 貨物専用便の増加で、岡山空港の貨物取扱高が増えているのは、「その219」で、お伝えした通りですが、最終的には、中国東方航空の「定期」貨物専用便航空路の開設を目指さないといけません。
 ソウル、上海、マレーシア。やはり洒落や酔狂で、国際航路を開設していくわけではありません。県をあげての戦略です。

 実は、お恥ずかしい話ですが、私はまだ、この上海に行ったことがありません。せっかく定期航空路があるのですから、とても行ってみたいのですが、どなたか、行かれますか?現地現場主義の佐藤君としては、既にうずうずしているのです。
 行かれる方についていきたいような、いっそのこと募りたいような、一人で行こうかな、とも思ったり。乳飲み子は、いるけれど。


 さて、話はがらりと変わって、この度「先進物流拠点・岡山」という岡山県のPRビデオを入手しました。玉島ハーバーアイランドはじめ、「こころ」で、ご紹介してきた話が、わかりやすくご覧頂けます。
 ご希望の方に、お貸し出しいたしますので、お気軽にお申しつけ下さい。
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2000年11月21日(火)【捲土重来を!!】
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 それにしても、昨日は、たいへんでした。が、ここから第2幕のスタートだと思います。このまま平穏無事に済むとは思えません。

 戦いを挑んだことは、いずれ評価されるときが来ると思います。小泉さんだって、わざわざ負ける総裁選に挑んで、男を上げたのですから。
 今回の有権者の皆さんの反応を見て、正しいことを堂々と主張しきることができれば、逆に決して見捨てない、そんな時代が来ていることを実感しました。貫き通すことができれば、負けても良かったのだと思います。
 最後は、陣営をかばい、大将が討ち死にする、まさに負け戦そのものでしたが、捲土重来を切望します。

 目先の勝負に負けても、楔を打ち込んだことは間違いはないと思います。たとえコップの中の争いとか、権力闘争と揶揄されようとも、自民党内部から自民党を変えようとしたことは、充分に評価されるべきだと私は、思います。

 その勇気に、心から敬意を表させて頂きます。
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2000年11月21日(火)
   【ITSSP(ITソリューション・スクエア・プロジェクト)】
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 本日は本来、自民党の青年部の中国地区大会で、司会をさせて頂く予定が、昨日までの件で急遽延期になりました。

 そこで、通商産業省、情報処理振興事業協会、経営情報化推進協議会を母体にして、中堅・中小企業経営者のための戦略的情報化投資に関するあらゆる情報提供を提供する公的プロジェクトとして、昨年度から実施されているITSSP(ITソリューション・スクエア・プロジェクト)の基幹事業としてのセミナーに参加させて頂きました。

 「経営者のための戦略的情報セミナー」と題されたこの企画は、300人を越す大盛況で、ITへの関心の高さを伺わせました。 このプロジェクトのねらいは、中堅・中小企業の社長自身をCSO(Chief Strategic Officer)と捉え、経営戦略の立案を支援するものです。
 なお、ttp://www.itssp.gr.jpから、どなたでも無料で会員になることができます。

 さらに、戦略的情報化をサポートするプロとして、ITコーディネーター制度が、資格として、来年度から認定されます。これについては、是非ttp://www.ipa.go.jp/で、逐次情報提供されています。

 本日は、IT活用の具体例として社員間の情報共有という側面でサントリーが、具体的なe−businessとして、本日株式公開されたアスクルが、紹介されました。

 個人的には、ITで、物流のあり方に大変革をもたらしたアスクルのような例が、岡山情報ハイウエーを持ち、交通の要衝である岡山で展開できないか、非常に関心を持ちました。
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2000年11月22日(水)【その後の影響】
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 12月定例会には、景気の自律的回復を目指した国の経済対策に呼応した形で、補正予算の請求があり、今日の常任委員会、あさっての特別委員会で、事前に審査されます。そうもめません。

 一方、本日の議員総会では、先日来の自民党内のゴタゴタにつき、手厳しい意見が出ました。 
 特に、あっせん利得処罰法案、公共事業の見直し、定住外国人の地方参政権への参与のあり方について、地方議員を軽視したやり方との批判が、そもそも論で出ました。
 もっとも、個人的には、「直結」という意識が強いため、他の諸先生方とかなり温度差があります。


 いずれにせよ、来年夏の参議院選挙は、このままでは、自民党に大逆風である、とても戦えないという認識は、共通のものです。

 さて、本日はまた、12月定例議会の党の代表質問の項目案が、示されました。民主県民クラブ、公明党の代表質問もあり、それらと重複を避けなくてはいけません。

1.石井県政2期目のスタートにあたって
2.行財政問題について @補正予算 A凍結中の大規模事業の扱い
3.市町村合併について
4.岡山情報ハイウエーの利用活用について
5.東京線の増便、ナイトステイに伴う支援措置について
6.地震防災対策について
7.男女共同参画社会の推進について
8.介護保険制度のついて @保険料の収納状況
                 A介護支援専門員に対する支援策
9.児童虐待の防止について

 以下、商工労働、農林水産、土木、教育、警察など合計18問を50分間質問します。ほとんど県政の重要課題は、出つくします。
 おそらく、毎定例会ごとに各党の代表質問があるのは、全国的にも珍しいこれをぬって、さらに突っ込んでいくのが、一般質問というわけです。私に議事録の特異性も、毎回苦しむのも、理由があるのです。
 どうか、皆様のお知恵をお貸し下さいませ。
         
 物流交流化シュミレーションシートというCDが、ご入用の方、貸し出しさせて頂きます。お気軽にお申し付け下さいませ。
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2000年11月23日(祝・木)【アートする岡山】
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 本日は、新嘗祭、いや、私事ですが結婚1周年記念日です。翌日が、特別委員会というのも同じで、妻の実家で、こしんじ(なかなか名前が決まりません。)に構ってもらいながら、ここ2年で起きたことのあまりの多さに改めて驚き、多くの方に、ただただ感謝致しました。本当にありがとうございます。
 出馬表明は、12月5日。何も持たずに、ハンドマイクひとつで、駅前の街頭演説に立ってから2年。おそらく、まだまだいろんなことが、起こることでしょう。そうです、しみじみと振り返っている暇は、ありません。親子3人、頑張らなくっちゃ。
 改めてどうかご指導・ご鞭撻賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
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 幾つかのスポーツイベントの後、岡山呉服専門店会主催のきもの園遊会が開催される後楽園に出かけました。まさに、最高の後楽(行楽)日和でした。
 つい3週間前と比べて、曲水や、池など驚異的な透明度で、芝生も見事に刈られ、また先日ご紹介した現代アートに、お茶席が立ち、艶やかな着物姿の皆様が歩いておられる、まさに、築庭300年の後楽園の魅力全開といったところでした。

 一方、本日トヨタの企業メセナの一環として、アートを通じた街づくりの事例が発表される会にもお邪魔しました。実は、NPO法人として、音楽、芸術を通じた街づくりをするグループが、極めて積極的な活動を展開されています。
 おそらく、遠くない将来、少なからずの人材が、輩出される土壌が出来つつあると思います。


 個人的には、様々なジャンルで、30歳台で、素晴らしい才能を持った方が、どんどん台頭されているのを実感しています。私自身も、政治の世界で牽引したいという気持ちは、もちろんあります。
 21世紀は、既に始まっています。

 ただ、後楽園で、伝統と現在・未来が衝突したときにこそ、今までにないような文化が弾けたように、世代間競争が、必要です。
 もっとも、競争をしつつも、そこには、礼節、尊敬の念、謙譲の心が、お互いにどこまでも必要だとも思います。
 
 個性とは、基本の出来た人間が使う言葉で、街づくりにせよ何にせよ、伝統に裏打ちされないと本物とは言えんなぁ、個性は出んだろうな、と思います。
 異質なものが、衝突し、かつ連携することで、街全体がアートする、街全体をアートする、そんな未来の岡山を願います。
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2000年11月24日(金)【広域交通物流対策特別委員会より】
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 本日の特別委員会では、玉島6号ふ頭のガントリークレーン他についての報告がありました。

 玉島ハーバーアイランドでは、平成13年度末の本格的なコンテナターミナルの供用開始い向けて、水深10m岸壁や航路、コンテナヤードの整備を行うなど、国際物流拠点づくりが、進んでいます。
 その中でも、コンテナ貨物の荷役作業の中心的役割を果たすガントリークレーン派、港湾の機能強化や効率性向上の面から欠かせない施設で、4号ふ頭に加えて、さらに2基整備されます。
 問題は、外貿が増加する中で、管理運営をどうするかですが、第三セクターに委託の調整中です。

 また、平成9年度の行政改革大綱により、17項目の凍結等の事業があり、これに対して、事業評価委員会が方針を検討しているのは、ご存知だと思います。
 中には、事業計画を見直すこととし凍結している後楽園周辺整備のように、結局、市の行う中心市街地活性化事業と県の事業の役割分担面で、整理がつかずに止まってしまっているようなものもありますが、本質は、地元の反対があるために凍結している事業もあったり、と理由は様々です。
 もちろん、財政が苦しいから問題になっているのですが。

 とりわけ、岡南飛行場整備については、U期分はT期分の利用状況を見極めることとし、当面凍結とされています。
 施設整備の必要性としては、空港本体機能の拡張整備に関連し、地域活性化関連施設整備を実施するため、とされていますが、多目的ホール、航空ふれあい施設、航空教育施設など、用地が買収できても、その先がやや苦しいかなという感が、あります。
 ともあれ、やはり、来年度には供用開始されるT期工事の状況を見ていくしかないようです。

 さらに、今年度ここまで81.5%の大好調の搭乗率を誇る岡山ーソウル航空便ですが、利用者の6割が県外者で、うち15%は、ソウルでトランジットしているそうです。
 国際ハブ空港としてソウルに一人勝ちさせるより、例えば、成田、関空、名古屋にしかないアメリカ航空路を岡山空港発で開設できないか、まずチャーター便を飛ばし、可能性を模索することが、望まれます。
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2000年11月24日(金)【明日の自由民主党】
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 今回の一連の騒動について、様々なご意見を頂戴致しました。敢えて申せば、見通しが甘いとか、根回し不足ではないか、という声が多かったのですが、個人的には、いわゆる「無謀」ゆえに、戦いを挑めたわけで、腰砕けになっても、自民党の中から自民党を変えようとされたことをあくまで評価したいのです。


 今日、岡山県政を牛耳っているとも言われる大先輩議員にお声掛け頂き、自民党や選挙のあり方について、お話をさしで伺う機会がありました。
 失礼を承知で書けば、毀誉褒貶あられる超大物議員、地方議会においては、最高に行くところまで行ってしまわれた方・・・ただ、私は、「畏れ」以上に、「すごい」方と思い、その懐の大きさに、むしろ「親しみ」すら感じているのです。おそらく自民党の若手議員の多くがそう感じているでしょう。

 大袈裟でなく、同じ時代に議員として薫陶を受けられることを心から感謝致しております。(こういった思いが、永田町の派閥のメンタリティーです。)
 野球に例えるなら、私はやっと代打で使われ始めた2軍選手。あちらは、大ベテランの400勝投手。打てるわけがありません。ただ、教わるのみ。
 本当に生意気な言い方ですが、素直にお話が、腑に落ちます。

 それにしても驚いたのは、その状況分析です。


 30年以上の議員生活の中で、今が一番分からない時期である。選挙のスタイルを変えていかなくてはいけない。旧来型の自民党の選挙は、もはや通用しなくなるだろう。首都圏や長野のような現象は、必ず岡山にも起きる。組織に頼った選挙、トップを抑えたら票が出る、そんな時代ではない。むしろ反発を買うのがオチだろう。曖昧な固まりで良いのではないか。

 例えば、運動会で挨拶した、会長から紹介された、若いものは、「なんでこんな所にいるのか」「あんな人と知りあいか」と思うだけで、かえって票が減る。権威だとか権力に対する反感や不信が、渦巻いている。
 ならば、無党派にどう働きかけるのか。案外高校生や大学生は政治を真剣に考えている。彼らに働きかける、こちらから出向いていく、それが、有効ではないか。

 そして、はっきりと示すこと、結果失敗しても良い。これをやるんだ、というものを示せ。そのためにも、得意分野を持て。これだけは、譲れないというものを持て。
 自民党は、有権者より先を行かないといけない。自民党が変わらないといけない。これは、国政も地方政治も同じこと。
 このままでは、自民党は終わってしまう・・・・。


 ざっとこんなお話を頂きました。自民党の重鎮の言葉です。民主党ではありません。
 危機感、緊張感を自民党は、自民党議員は、明らかに持っているのです。
 おそらく某総理を除いて、議員は皆、時代の変化を本当は肌身で感じているはずです。地方議員にいたるまで。


 議員は、あくまで選挙で、選ばれて出てきます。選ぶのは、有権者の皆さんです。選ばれるために、候補者は、「時代」に合わせます。求められるものに合わせます。明らかに、市民・県民・国民は変わっています。遅れても必ず政治は、変わります。
 少なくとも、自民党は化け続けてきた、これから大化けしないといけません。そのためにも、もっともっと厳しい声を自民党に届けるべきです。
 がっくりしている場合ではありません。

 佐藤真治よりもっともっと激しい奴が、地方にもどんどん出てくるでしょう。声の受け手が必ず現れる、それを心から期待します。

 そして、やはり加藤元幹事長の「捲土重来」を心から期待します。
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2000年11月25日(土)【ウィングを広げて】
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 本日自民党第一選挙区支部の役員会が開催され、支部長の逢沢代議士より今回の一連の事柄について詳しいご説明がありました。
 かなりのマスコミが入っていたので、内容は明日の朝刊に委ねます。
 自民党が大切なのか、国民全体の幸福が大切なのか、争点はそれだけです。

 また、本日は日本国憲法の「男女平等」の草案者、ベテア・シロタ・ゴードン女史の講演会がありました。実は、県教委から後援を頂く仲介をしたこともあり、聴講に出かけましたが、驚くほどの大盛況でした。
 旧知の方も多く、この講演会が、むしろ護憲論者の主催であることは、自明です。そのことと、政治、後援依頼は、全く別なことであると判断しました。

 前文の崇高な理念に涙し、「個人の尊厳を中核とした人権保障の体系たる」憲法を嘘でも僅かでも、かじった者として、非常に関心のあるテーマでした。
 しかし、どうあれ、「8月革命説」でしか説明できないような成立過程、時代の推移に関わらず50年以上も改正「できない」異常さ、議院内閣制、二院制、地方分権制度そのものへの疑問、新しい人権等々を考えると、9条に触れずとも、改憲論者である自分を再確認しました。

 憲法は、国家の基本法ですが、より人権保障に資するなら不磨の大典ではありえないと思います。硬性憲法がいけないのなら、それ自体を軟性に変えれば良いのです。
 繰り返しますが、目的は人権保障です。あくまで憲法は、そのための手段です。憲法を「守る」ことそれ自体に意味はありません。

 「行政の恣意的発動による人権侵害」を防ぐために、それぞれの国で憲法が制定されてきた歴史を少しでも教科書で読んでいれば、憲法は絶対変えてはいけないんだ、などという結論には、なりようもないと思うのですが。
 明文でなく、憲法「解釈」で判断する方が、人権保障に資するとでも言うのでしょうか。ずっと「変容」「変遷」させて行くというのでしょうか。


 ちなみに、自民党の党是は、自主憲法制定です。国家観を異にする護憲論者と改憲論者が入り交じる民主党は、そもそも政党の体をなしていないと断言します。はっきり断言してすみません。私は、そう思っています。
 自然環境と憲法を同一線上で考えて、あくまで憲法(の何かは知りませんが)を守る護憲なら、護憲で良いのです。それはそれで良いと思います。

 こういった憲法観、国家観の違いで、政党を組み直す必要があるのではないでしょうか。各党は各々の憲法観、国家観を示す必要があります。

 そもそも政党が、政策でなく選挙で結びついているから、混乱するのです。民主党の中には、選挙区では、自民党で出られないから民主党で出た、本当は政策面では、自民党と違わない「隠れ自民党」がかなりいると思います。
 それは、「ダマシ」だと言うのです。自民党よりも、有権者を馬鹿にしていると思います。


 ともあれ、今日の講演会のように、協力者に民主党系国会議員が名を連ねたり、共産党系の議員が出入りする中でも、保守系だろうがなんだろうが、行けば良いのだと思います。賛同するかどうかは、別にして。
 実は、革新系の団体の方は、自らの催しに、保守系は来ないと決めてかかっている節が、あります。また、請願・陳情にしても、本気で進めたいならこんな組み立てはないだろう、というものも持ってこられます。


 実は、旧態依然なのは、自民党だけではないのです。野党は、自民党は、こうだと決めてかかって攻撃しています。彼らにとって、自民党は、悪の権化でないといけないのです。自民党に対峙することで、相対的に野党は自己確認していますから、自民党が悪だから、野党は正義なのです。それが、野党のスタイルであり、正当性の根拠です。

 自民党のどこをどう変えるのか、何が違うのか、私にはわかりません。

 敵失を批評こそすれ、野党は、野党で、対立軸を示していません。自由党以外の党の国家観のイメージが、伝わってきません。自民党が、国民を苦しめれば、苦しめるほど反比例して良くなるんでしょうか。
 野党の役なら、私は今すぐ上手にできると思います。

 自民党が、環境問題、リサイクル、福祉、NPO、女性の人権、DV、差別、子供の人権、平和・・・・等々に関心がない、という事実は、一切ありません。こんな良いことに、自民党は関心を持たないものだ、そうあって欲しいのでしょうか。
 私は、向こう側の「壁」を何度も感じました。
 私は、この「壁」を破ります。

 人権保障の手段としての憲法であり、ひいては人権保障のための政党です。より人権保障に資するのなら幾らでも、憲法も政党も変化すれば良いのです。自民党の中から自民党が変われば良いのです。
 ウィングを思い切り広げて。


 さて、問題の男女同権ですが、「女性の敵は女性」という言葉があります。いくら、ある女性が声高に叫ぼうとも、一方で男性に媚びることで(時には身を売ってまで)生活している、あるいは安定している女性を、女性自身がひとつの生き方と認める限り、いつまでも抜本的な解決はない、と私は思います。
 個人的には、我々の世代以降の男性は、男女同権についての意識そのものは、そう低くないと思います。

 立ち会い出産の日以来、妻には逆らわない従順な僕でーす。
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2000年11月26日(日)【革新系への愛がある罵詈雑言】
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                略

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2000年11月27日(月)【合い言葉は友紀(ゆうき)!!】
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 ほとほとすっかり字画に凝ってしまった妻任せの名前選びでしたが、胎児名こしんじ君を改名し、 佐藤 友紀(ゆうき) 君に、なってもらうことにしました。

 世紀を架けるという意味合いですが、胎児の時、両親が毎週欠かさず観ていたTV「合い言葉は勇気」からとった、といういい加減な説もあります。
 力強さより、しなやかさ、優雅さを追及し、背番号は7。攻・走・守、三拍った選手に成長して欲しいと願っております。
 世界をまたにかけるピアニストのような芸術家になってほしい、間違っても父のようなヤクザな世界に入ってはいけません、と教育しようと思います。

 さて、ヤクザな父親の方は、これより1泊2日で、自由民主党中国ブロック県議会議員研修会出席のため、松江に出張です。明日昼に帰岡します。
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2000年11月28日(火)【自民党中国ブロック県議会議員研修会】
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 再開なった伯備線に揺られて、松江まで行く時間の長さが、まさに岡山と島根の様々な面の「距離」だと思います。フリーゲージトレインで、僅かに縮まるかもしれませんが。

 初めての自民党中国ブロック県議会議員研修会が、昨日今日とその島根県で行われ、中国5県から、約60人の県議会議員が集まりました。
 広島県議会議員の1期の方々とは既に交流があるのですが、島根・鳥取の県議とお会いするのは、今回が初めてでした。

 おそらく、施策の面では、各行政の職員の方々が、交流・勉強される方が、正味だと思いますが、大胆な発想というのは、案外議員同士の話の方が、出てくる気もします。


 こうして、他県の議員と話すと、都市型議員の典型とも言える私は、たいへんな勉強になります。お恥ずかしい話が、岡山市第一選挙区には、県境はなく、岡山県北部選出の議員に比して、他県と接しているという意識が、極めて低かったことを痛感しました。

 実は、市町村合併すら、果たして県の枠で行われるべきモノなのか、(そもそも自治省の合併への誘導政策が、本当に円滑に地域社会に受け入れられるものなのか)疑問に思いました。
 道路網ひとつとっても、各県の連携が必要であり、情報網にしても、本来ひとり岡山県だけで考えて良い性質のものでないと思います。
 目の前に、県境が見えるとき、ひとり岡山が、という発想には、おそらくならないと思います。
 むしろ、他議員の交流話に、耳をダンボにしている私でした。


 例えば、先の鳥取県西部地震は、2次災害とも言える深刻な風評被害を島根にも及ぼしています。山陰の観光全体が、不景気も相俟って深刻なダメージを受けており、昨日は、運輸相を招き、観光復興フォーラムが、米子で開催されたようです。
 加えて、片山鳥取県知事(岡山出身)の災害対策における、悪く言えば「スタンドプレー」が、隣接する島根や岡山の施策に、大きな影響を及ぼしていることもまた、事実です。

 鳥取は、ご案内の通り、鳥取、倉吉、米子地域は、県民感情が、バラバラで、島根は、東西二百数十キロを越える横に長い県で、その中で、米子空港と出雲空港は、近接。ソウル定期航空便開設の競争をしています。ただ、国際便をチャーターしてもCIQが不備なため、結局、他空港に降りる必要があります。
 島根原発の電気は岡山にも来ます。
 出雲の気分は時には、福岡に向いていたり、鳥取は兵庫、島根は広島へ繋がり、岡山が交通の結節点とは言うものの、例えば尾道ー松江の高速道路開通も計画されています。
 しかし、ご案内の通り、JR山陰線のアクセスは、本線と名のつく中では、劣悪の部類です。
 また、新広島空港は、市街地から1時間。新空港を越えて、駐車場無料の岡山空港の利用者も増えています。

 どの県も、その県だけで事業を進める時代は、終わったのかもしれません。都市間競争と都市間連携をしながら、共存共栄する、そんな中国地方、西日本、日本、アジア・・・を目指さないといけません。
 個人的には、隣接する他県の基本政策ぐらいは、当然知っておかないと話にならんような気もしてきました。財政難のおり、共同実施すべき施策も本来は、かなりあると思います。

 正直、今回は、議員相互の親睦交流がメインで、準備不足は否めませんでした。しかし、この交流は始まったばかり、来年は、山口での開催が予定されております。
 ただ、場の勢いで、中国地方の自民党県議会議員1期の会合を近々に岡山でやろう、などと私が、言ってしまったため、仕事がまた、増えそうです。お調子こいてしまいました。

 ともかく、いろんな角度、尺度で岡山を量る力、外から見る力は、地方議員にも必須です。

 なお、今回の会合は低迷する自民党に喝を入れるという趣旨ではありませんでした。あくまで、議員の研修会です。

広島県には、13期の議員がおられます。13期ですよ、13期!50年!! 

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2000年11月29日(水)【市民に追いつかない議員】
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 本年4月1日施行の地方分権一括法で、自治体の課税自主権が、認められたことを受け、岡山県庁内の若手で結成する「地方税を考える研究会」が、NPOの優遇税制の創設などを提案する「中間報告」をまとめました。
 このうち、石井知事は、NPO優遇税制の提案の早期導入を指示し、全国に先駆けて、早ければ来年度から実現する見通しになったのは、既に報道されている通りです(28日)。

 早稲田の先輩である橘(元)議員のご活躍、NPOサポートネットワークなどの地道な活動も奏効したのでしょうが、毎議会事の私のひつこい保守系からの一般質問も、少しは効いたかな、と自負しています。
 ただ、私の関心は、次の段階、NPOの自己評価に進んでいます。12月議会でも、NPOについては、緩めません。
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 本日、『「人にやさしい柳川筋再発見」ワークショップ報告と意見交換会』に、平和町北部町内会副会長と称して、出席しました。
 いわばお馴染みの方々の集まりですが、内容もさる事ながらボトムアップして、行政と対等に渡り合っていこうとする市民活動の手法にいつもながら感嘆します。
 同時に、全くのボランティアとして、私財を擲って、時間と情熱を投下される方々を見ていると、議員の役割について改めて考えさせられます。
 いったい議員が、何をしていると言うのでしょう。

 実は、今日のように市・県職員の方々が、いらしゃれば、発言に気を遣うのは、私たちも同じで、かえって議員になったことで、自由にモノが言えなくなった気すらします。
 思い切ってそのことを特に、ではなく、まんべんなく事を荒立たせずに、と一見熱気を失ったようになってしまいます。こんなはずではないのですが。

 まず市民が走り、行政が追っかけ、ずっと遅れて議員が追認する。そんな図式になっている気がします。とりわけ保守系議員は顕著です。
 ともに汗をかく姿勢を失ったわけではないのですが、ある側で、同時に、動くことが困難なケースも出てきます。ご労苦を労って回るほど、偉くなったわけではないのですが。
 いつの間にやら、待ちの姿勢になって行く自分をおそれます。

 もっとも、インターネットは、時には県より早く国の情報に接することができ、また時間と情報を一般の方々と常に共有することを可能にしています。
 個人的には、議席は、「道具」であり、議員の活動は、むしろ仲間とのチームで展開して行く時代に入ったと思いますし、その中で、政策を共有するものが、政党であリまた党員であることが、当たり前になってくると思います。
 市民(民間)サイドにも、それだけの圧倒的な情報が、入ってくる時代です。知らさずに依らしめることなど、もはや不可能です。
 議員も、行政に聞いていないから知りませんでした、では済まなくなるでしょう。

 市民と行政の間で、どっちつかずのあやふやなものではなく、市民とともに、否、市民の一人として行政と対峙する、これからの議員は、そんな当たり前の形に少しずつ向かっていると信じます。

21世紀の地方議員の「最低」レベルを私にしないといけません。
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2000年11月30日(木)【みんな違ってみんないい】
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 「その244」を受ける形で、障害を持つ子供達が、いわゆる地域の公立学校の普通学級に就学した場合の現状を見に、本日、市内のある小学校にお邪魔しました。難聴のお子さんがいる1年生のクラスの国語の授業を参観させて頂きました。

 詳しくは書きませんが、先生の目配りが、確かにたいへんだということ、それ以上に、クラスメートの幼いながらの配慮を感じました。個人的には、やはり現状の教員配置の体制のままで、あるいは設備のままで、どんどん普通学級に障害のある子供達を、というのはいささか無理があるように思いました。特に、複数の子供が、しかも異なる障害を持つ場合は、なおさらです。
 様々な面での限界というものがあり、 おそらく、現状のままでは、誰かに(それが保護者か、教員か、本人か、・・・・)、かなり負担がかかってしまうのは否めない事実だと思います。
 しっかりした体制作りが、急務でしょう。


 しかし、そういう側面を勘案しても、それ以上の効果が、あると思います。
 実は、大学をかかえる地域柄、このクラスには、充分に日本語を理解しない子供を含めて、他国籍の子供が2人いました。
 社会に出て役立つことを教えるのが、何らかの形で社会に貢献できる人づくりをするのが教育であるならば、まさに、教室は社会の縮図であるし、縮図であるべきだと思います。
 外国の人も、ハンデがある人もいる、それが社会です。当然です。

 おそらくたまたま障害のある子供達は、立ち向かう強さ、自立できる力を身につけないといけませんし、たまたま障害の無い子供達は、思いやりや、いたわりの心を持たないといけません。
 お互いの立場や、習慣、考えの違いを超えて、コミュニティーを作る術を学ばないといけません。


 ただ、障害って何だろうとも思います。運動会のリレーで、クラスをビリに導く私は、ある場面では確実に障害を持っていました。いや、それ以前に、誰が完璧なのでしょう?

 おそらく、人生で何の問題もありませんでしたという人間がいたら、それ自体が、問題です。家族だの性格だの容姿だの、なんもかも良いです、と言い切ることのできる人間は、皆無でしょう。(いたら、それはそれでつまらん人でしょう。)
 一般的に障害者と言われる方といわゆる健常者は、たまたま障害や問題が、顕在化して他人から分かり易いかどうかだけの違いです。
 誰もが、ある面、障害者です。それゆえ結局はお互い様なのでしょう。持ちつ持たれつです。

 もちろん、正直全てが個性です、と言い切ったり、許されるほど、世の中は甘くないと思いますが、障害という個性があるのだと思いたいものです。
 「みんな違ってみんないい」のです。

 いずれにせよ、文教委員会の所管事項を一般質問で聞くのは「禁止」が、暗黙の了解ですが、代表質問で重複しなければ、今回の件につき、教育長に方向性をお尋ねするつもりです。
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【物流とメディアポート】
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 いつもお伝えしております水島港・玉島ハーバーアイランドに関するシンポジウムが、本日サンピア倉敷で行われました。
 おそらく詳細は、新聞紙面に掲載されると思いますが、基調講演の中に、水島港に限らずもっともだなぁ、という内容のものがありましたので、お伝えします。その他は、新聞をご覧ください。

 「その252」で、書きましたように、物流拠点基地構想とIT(岡山情報ハイウエー構想)をいかに連携させるかが重要であるという話です。
 ご案内の通り、インターネットのエクスチェンジは、東京は大手町に集中していますが、安全管理の面でも、これを地域に分散せよと、既に北海道や三重が、構想を練っています。いうまでもなく、エクチェンジの周辺には、ネットビジネスや、ベンチャー企業が集積します。

 講師は
 岡山県は、交通の結節点でありますが、同時に情報ネットの結節点足りうると言われるのです。港や空港もさることながら、メディアポートが、必要なのだと力説されました。
 実は、ある方から、いっそのこと太い光ファイバーを高速道路と走らせ、境港から韓国と結ぶべきだというご提言を頂きましたが、まさにそんな話でした。
 先に地震もありましたが、基本的には岡山の地盤は固く、国家機密の情報基地を地下深くに作ってはどうかという話もあるんだよ、という話をある方から、聞いたこともありますが、ま、これは本当かどうか?

 ともあれ、ネット取り引きが盛んになっても、結局は物流の最後は、人の手によります。情報化すればするほど、それだけ物流も増加するといきたいものです。
 岡山県の2大政策とも言える、先進物流拠点基地構想と岡山情報ハイウエー構想。アジア全体に目を向けつつ、どう結び付けていくか、21世紀の岡山の最重要課題です。
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