平成26年6月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治


1 政治家としての考えについて       (総務)[ 知  事 ]

2 児島湾締切堤防等について
 (1)耐震性の協議            (農水)[ 知  事 ]
 (2)排水ポンプ             (農水)[ 知  事 ]
 (3)地域の保水力の向上等
   ア 50戸連たん制度の見直し     (土木)[ 知  事 ]
   イ 都市農地             (農水)[ 知  事 ]

3 カワウ被害について       農水協力(環文)[ 知  事 ]

4 藤田パイプラインについて        (農水)[ 知  事 ]

5 産業振興等について
 (1)岡山国際交流センター    産労協力(県生)[ 知  事 ]
 (2)県立施設のコンソーシアム      (総務)[ 知  事 ]

6 教育再生について
 (1)根本的な問題            (教育)[ 知  事 ]
 (2)子ども達に対する支援等   保福協力(教育)[ 知  事 ]
 (3)社会教育団体との連携等       (教育)[ 知  事 ]
 (4)公民館の機能強化          (教育)[ 教 育 長 ]
 (5)発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクト
                  教育協力(保福)[保健福祉部長]




(佐藤)  おはようございます。
 自由民主党の佐藤真治でございます。
 ワールドカップサッカーですが,日本も首の皮一枚残っております。明朝午前5時にキックオフのコロンビア戦に頑張れ日本と熱いエールを送るためにも,一般質問最終日のトップバッターで元気を出してまいります。
 ところで,通常国会も閉会いたしました。集団的自衛権,TPP交渉,原発再稼働問題,新成長戦略等々,内外の問題が山積している中で,思えばこの1年半,まさに安倍政権は怒濤のごとく突き進んできた感もあり,自民党の地方議員としては本当に頼もしいなあという誇りに加えて,やや戸惑いも覚えてるのも事実でございます。集団的自衛権行使容認議論以前にも特定秘密保護法,教育への自治体の長の関与を強める改正地方教育行政法,官僚の政治任用を強める内閣人事局創設,内閣法制局長官などの人事,ここに来て財源がまだ決まっておりませんが,法人税減税,あるいは農協改革の方針等々,これだけの大仕事をこれだけ矢継ぎ早にこなしてきた政権はちょっと過去に例がないのではないかというふうに思うぐらいであります。もちろん,いささか性急じゃないかという批判もあれば,国家存亡の危機に安倍政権でなくてはできないことばかりで,誰がこれだけのことができるんだという評価もあると思います。ただ,特に私たち子育て世代の思いとして,一つには我々の子供たちの時代にこれ以上ツケを回してはいけない,少なくとも借金をふやしちゃいけんなという思いがあります。それに加えて,映画も小説も「永遠の0」がヒットいたしましたが,我々の子供たちの時代に絶対に戦争が起きないように,これはもう誰かに殺されても誰かを殺してもいけない,しかし誇り高き我が祖国日本の国民として国際社会で名誉ある地位が占められるよう,そんな願いがございます。一方で,我々の親の世代,私たちの先輩方には,この国に,この岡山に生まれてきて本当によかった,頑張ってきてよかったと安心してもらいたい,そんな思いもございます。
 そんな思いで世の中の流れを見ると,何か漠然とした不安を感じてしまうのもまた事実でございます。ただ,はっきりしていることは,間違いなく我々は激動する時代の変わり目に立っているということであり,政治にかかわる者は私心を排し,あるべき理想を高々と掲げる中で,しかし今ある厳しい現実をしっかりと見据えて一歩でも前に進む決断と実行を確実に行うことが,まさに責任ある使命だということでございます。我々に逡巡する時間はございません。まずもって,知事には,一人の政治家として今の時代をどのように見据え,今の安倍政権をどのように評価し,御自身が政治家としてこの時代に何をなすべきかとお考えかお伺いいたします。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 政治家としての考えについての御質問でありますが,我が国は少子化による人口減少や急速な高齢化の進展,莫大な公的債務など,これまでにない困難な課題に直面しており,国を挙げてこれらの課題を克服していく必要があると認識しております。こうした中,安倍政権においては強いリーダーシップのもと,持続的経済成長と財政再建の両立という政策課題に真正面から取り組むとともに,さらなる成長を目指した改革を推し進められており,実行力のある政権であると考えております。私としては,社会の大きな変化の中にあってしっかりと将来を見据え,岡山県の明るい未来のために今なすべきことを勇気を持って果断に実行し,現在の県民はもとより,将来にわたって全ての県民が明るい笑顔に包まれ幸せに暮らすことができる岡山県を築いていくことこそが私の使命であると考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  ありがとうございます。
 知事におかれましては,言ってみれば伊原木政権,安倍政権よりも長くなっておりますので,そうした意味では具体的な成果をやはりこれから多く期待したいということでございますので,期待しておりますので,よろしくお願いいたします。
 教育再生と産業振興ということを知事は強く言われますが,たちまちきょうの命にかかわることが防災対策でございます。もちろん,地震も気になりますが,いよいよ出水期に入って台風の被害がいつ出てもおかしくない,そんな時期に突入しております。多くの都道府県に海岸や河川がありますが,災害が少ないと言われる我々晴れの国おかやまには,これは何ぼでもしつこく申し上げますが,防災上ある意味でネックになる児島湾締め切り堤防がございます。2月定例県議会で,児島湖流域の浸水対策につきましては国,県,関係市町との連携協力のもと,それぞれの役割に応じて総合的な対策を進めることが重要であると認識いたしております。その中で,県もしっかり県の役割を果たしてまいりたいと存じますと御答弁をいただきましたが,特に児島湾締め切り堤防の施設設置者の国が今年度から詳細な耐震性の検証や対策工法等の検討を開始したわけでございますが,具体的にここまでどういう協議が行われてきたのでしょうか。
 一方で,100年ぶりの豪雨を超える排水量を持つポンプを設置しようとすれば,日本最大級の直径4.2メートルのポンプなら28台,県内に既存の最大ポンプである直径1.8メートルなら約150台以上を締め切り堤防の上に乗せにゃあいけんという計算になるわけでございますが,費用面からも技術的にもこれはもう現実的ではないという農林水産省の報告が昨年の秋,出たわけでありますが,ただ我々の記憶に残る台風といえば,吉井川を,後に名前がついたわけでありますが,牛の元気君が流れた平成10年の台風,高潮の甚大な被害が出た平成16年の台風,そして3年前の台風と,間が10年もあかずに大きな被害が出ております。現実問題,100年に一度ではなく10年に一度の台風を想定して,やはり排水ポンプの設置等を求めることは考えられると思いますが,御所見をお聞かせください。
 次に,地域の保水力の向上についてでありますが,県としても市街化調整区域における無秩序な市街化の抑制を図るということでございますが,岡山市のほうでは市街化調整区域において,いわゆる50戸連たん制度の見直しをする条例案を6月議会に提出されておられます。もちろん,これは市街地の拡大を抑えてコンパクトなまちづくりを進めるのが狙いでございますが,保水力の維持にもかなり大きな効果があると思います。こうした動きに対する評価と他の市町村への働きかけをしてはどうでしょうか,所見をお聞かせください。
 また,都市近郊におけるいわゆる都市農地について,農業体験,交流活動の場の提供というものに加えて,災害時の防災空間の確保という観点から今後どのように考えていくべきか,御所見をお聞かせください。


(知事)  お答えいたします。
 児島湾締め切り堤防等についての御質問であります。
 まず,耐震性の協議についてでありますが,昨年度,国からそれまでの概略検討に引き続き詳細調査に着手したい旨の提案があり,県もその実施について了承したところであります。県では,国が詳細調査を行うに当たり,効果的な工法等を十分精査するよう申し入れるなど,引き続き協議を進めているところであります。
 次に,排水ポンプについてでありますが,県では昨年9月に国の報告を受けた後,10年に一度の確率で発生する洪水が児島湖水位に与える影響についても国に解析を追加依頼した結果,児島湖の水位はAP2.48メートルまで上昇するものの,計画高水位であるAP2.89メートルまでは達しないとの説明を受けております。このため,10年に一度の洪水を想定したポンプ設置の必要性は極めて低いものと考えております。
 次に,地域の保水力の向上等のうち,50戸連たん制度の見直しについてでありますが,岡山市における制度の見直しは,市街地の拡大を抑えてコンパクトなまちづくりを進める上で望ましいものであると評価しており,保水力の維持等にもつながるものと考えております。今後とも,保水力の維持や浸水しやすい地区の市街化を防止する観点から,都市計画等に係る制度の活用について,まちづくりの主体である市町に助言してまいりたいと存じます。
 次に,都市農地についてでありますが,農地には保水力に加え,雨水を一時貯留する機能も有しており,地域の洪水調節の観点からは一定の役割を果たしていると考えております。また,災害時の防災空間の確保等,都市機能を高める役割も有していることから,今後とも,市町と連携して都市農地の有効な活用が進むよう努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  どうもありがとうございます。
 これは3年前のことでありますから,知事に就任される前の平成23年の台風でございましたけれども,そこから今まで何が変わっておるのか,防災面で何が変化があったかというと,残念ながら児島湾締め切り堤防についてはむしろ不安がありますよということで,国がもう一度調査を行いますという話になっている,しかも排水ポンプ等は設置される予定も恐らく今後はないだろう,また10年に一度の雨を想定してそのポンプをつける必要は全くありませんという答弁でございまして,これは何が変わったかというと,何も変わっていないわけでありまして,今やれていることは,大きな雨が降る,台風が来る前までにはできるだけ児島湖や農業用水の水位を下げる,これはできていることでありますけども,それ以外のことはできていない。それをやろうとすれば,やはり県が音頭をとらにゃあいけんということでありますが,申しわけないですけど,ここでもし大きな災害があれば,私はもう人災のそしりは免れないというふうに思っております。これはどれだけ県が本気でこの状況が危険な状況だと感じておられるかという,それは感覚の問題なんですが,伊原木知事におかれましては3年前の台風,あのときは知事であられませんでしたが,あのときの経験を踏まえた上で現状の児島湾締め切り堤防が大丈夫だとお考えでしょうか。


(知事)  児島湾締め切り堤防が大丈夫かという御質問に対してお答えをいたします。
 これはちょっと専門的なことになりまして,私自身の理解も十分ではございませんけれども,これまで災害の被害想定は正規分布で行われておりました。概略的には正規分布で非常にいい近似が出るわけでありますけれども,実は正規分布に非常に近いけれども,実際の分布はそうではなくて,べき分布であるらしいという学説が最近非常に有力になっております。べき分布と正規分布,非常に形は似ておりますけれども,最後の裾野の部分の分厚さがわずかに違います。このわずかな違いが対策の立て方を根本から変えてしまうわけでございます。正規分布の場合は,合理的に妥当な水準の計算が数学的にできるわけでありますけれども,べき分布の場合はその最後の計算が発散をしてしまうということでありますので,要するに原理的に言えば,どこまで行っても全く安心がないというのがべき分布の原理的な示唆になります。そういう点で,我々,地球上のどこにいても原理的な安心はございません。翻って,児島湾堤防に関しましても心配があるということですので,今,国の詳細調査を進めていただいているところでございます。我々は,完全な安心が望めない中でいかに現実的に県民の生命,安全を確保していくか,そういう課題に直面しているわけでございまして,できるだけベストを尽くしていきたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  どういう学説があろうが原理的にどうであろうが,そうしたことは一般論としてはあるんでしょうが,今,例えば岡山市南区で各連合町内会ごとに岡山市さんが音頭をとられて,いわゆるこの災害に対する説明会を開かれています。ほとんどの地域が残念ながら浸水被害に遭う,あるいは液状化が発生する,そして何よりもひどいのは児島湾締め切り堤防を海水が突破した想定になっておるということでありまして,原理的なというよりも,我々が政治に携わる者としてやらなくてはいけないことは,市民,県民の皆様に心理的な安心もお与えせにゃあいけんということでありまして,具体的にやはり行政がしっかり動いとるぞと,市と連携して県が動いてるぞということを示すだけでも市民の皆さんの安心になるということで,その部分はどうでしょうか。今は原理的にそれは難しいんで,学説的に言うともう全くそれは不可能だというふうな,それに近いような発言だったと思うんですが,市民,県民の皆様に心理的な安心を与えるために県が具体的に動くというその姿を見せること,そのことについてはどのようにお考えでしょう。


(知事)  心理的な安心を与えるということについてお答えをいたします。
 これは2つあると思います。一つは,例えば東日本大震災でも非常に高い堤防があって,ここだけは安心だというふうに住民が思っていたところが,その堤防を越えてしまって,逆に被害が大きく出たということがございます。ですから,100%の安心でないのに,あたかも100%の安心があるようなことをお伝えするというのは,かえって安全を損なうと私は考えております。ただ,この安全のためにこういうことをやっている,こういうところは100%にはならないけれども,こういうことに関してはかなりこの手当てができていると,そういう正確な情報をお伝えする,この弱いところについて今どういう手当てをしているのかきちんとお伝えをする,対策を立てる,そういうところは非常に大切だと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  どうもありがとうございました。
 これは,心理的な安心というのは数字を見せて安心してくださいということを言ってるのではなくて,県が音頭をとって市町村,児島湖流域の方々としっかりとスクラムを組んで対策を組もうとしているよ,国に対してしっかり物を言ようるよと,その姿勢をリーダーとして示してもらいたいという意味でございますから,そこに伊原木知事のリーダーシップを期待しての発言でございまして,行政的な説明で安心してくれということを求めてるのではありませんから,知事の後ろ姿を見てみんな安心できる状態にしてくださいという,そうした意味合いでございます。
 次に参ります。
 5月半ば,あるNPOの御提案が県の協働事業に採択されたことを受けて,その基礎調査として旭川の漂着ごみを調査いたしました。そこで,気になったのは,何といってもカワウでございます。後楽園の近く,新鶴見橋の下の河原あたりで羽を広げてのんきそうにひなたぼっこする姿は,我々が子供のころにはそう見なかった風景でございます。カワウは,カツオドリ目ウ科の大型の魚食性の水鳥で,全国の内湾,河川,湖沼などに生息しており,繁殖期,県内では2月から8月と推定されておりますが,木の上に集団で営巣します。カワウによる被害は年々深刻なものとなっており,営巣地では巣づくりによる枝折りや多量のリン酸を含むカワウのふんによって樹木が枯れて,森林被害や景観被害や水質悪化が発生しております。旭川では,特に神武天皇東征の伝えのある児島湾内の高島や中原のあたりの中州はカワウの営巣地と思われ,主要な餌はアユ,また県の絶滅危惧種に指定されずとも,本当に貴重なアオと言われる児島湾の超高級ウナギまで旺盛な食欲で捕食してる姿が目撃されております。
 ところで,このカワウの一大供給源は琵琶湖という説があり,関西広域連合が滋賀県を中心としたカワウの広域的な対策に乗り出した結果,もう一つ危機意識の低い岡山にカワウ軍団がやってきたとも言われております。カワウは何もしなければ,ふえこそすれ,絶対に減ることはありません。そもそも,このカワウを有害鳥獣ときっちりと認識されているか。具体的な生息数調査の結果,被害額,駆除計画を含めた対応策,さらに広域の連携による対応についてお知らせください。
 また,幾ら半分が民地とはいえ,日本創世の神武天皇ゆかりの高島がふん害でぼろぼろになるということはあってはならぬことだというふうに思いますが,対応策をお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 カワウの被害についての御質問であります。
 まず,認識等についてでありますが,県内のカワウはことし1月に他の野鳥調査とあわせて実施した簡易調査で3,500羽以上を確認しており,年間5,000万円程度の水産業被害が報告されているほか,お話のとおりふんによる樹木への被害なども発生していることから,有害駆除の対象となっていると認識しております。県では,被害実態の調査や防除技術に係る情報提供を行い,市町村の被害防止計画の策定や内水面漁協などの駆除対策を支援してきたところです。カワウは県境を越えて移動,分布し,広域的な取り組みが必要であることから,本県などからの提案の結果,来月,国と中四国各県が参加するカワウ対策の広域協議会が設立される予定となっております。今後,県においても市町村,漁協,猟友会等の関係者によるカワウ対策協議会を設立し,中四国の協議会で策定する広域的な管理指針に基づき,効果的な対策を講じてまいりたいと存じます。
 次に,高島についてでありますが,カワウなどによる野生鳥獣の被害に対し,市町村は鳥獣被害防止特別措置法に基づきみずから有害鳥獣を駆除できることとなっており,カワウの駆除や営巣地の除去などにより高島の環境保全が図られることから,地元岡山市において適切に対応されるものと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  続きまして,藤田のパイプラインについてお伺いいたします。
 昨年の9月定例会で,岡山県有数の穀倉地帯である岡山市南区藤田地区のかんがい排水事業,いわゆる藤田パイプラインについてお伺いいたしました。約30年の歳月をかけて一応完成した国営かんがい排水事業に続いて,支線となる県営かんがい排水事業を整備しているのは,地域に独自性がある三湛四落という言葉に象徴されるように,大区画の水田地帯においてかんがい排水施設の再編整備を行って用排水分離を行って営農の労力の節減を図るとともに,いわゆるこの水田の汎用化によって農業経営の安定化を目指しているからでございます。言ってみれば,水道の蛇口をひねるように自由に農業用水を使うことで水田の汎用化,転作を図るというのがポイントになりますが,TPP交渉もある中で,日本の,あるいは岡山の農業の未来を担う私は極めて重要な地域であると思いますし,また極めて重要な施策であると考えますと申し上げてまいりました。そして,昨年,試験通水のときに問題が生じたことから,市,県,国の協議会をたびたび開催していただき,これは本当に土地改良区の方々にもお世話になって,取水口のネットスクリーンや大曲の用排水機場といった国の施設についても真摯な対応をしていただきました。
 そのことについては心から感謝申し上げるんですが,しかしことしの代かき期,田植え前,田植え期,また一部の箇所で水の出が悪いという事態が発生をいたしました。藤田地区のかんがい排水につきましては,全体で1,400ヘクタール弱の受益面積を持っており,全て供用開始になるのが平成31年を予定しておりますが,既に18年から始まっている藤田都六区,今年度から始まった藤田都大曲,それに加えてこれから29年度から藤田錦六区,31年度からの藤田錦と展開する中で,この段階でこれだけトラブルが生じるということは,そもそも論として国の用水計画,運用方法が本当に大丈夫なんだろうかというふうに思わざるを得ません。最初の計画からもう数十年の月日が流れており,大規模農業と変わってきている状況もありますし,何より当初予定されていた減反政策から飼料米にと国の農業政策も大きく変わってきております。端的に言えば,もはやポンプが足りない状況なのではないでしょうか。国の大曲のポンプに今,害獣であるヌートリアが地域のアイドルのように描かれている姿に私はちょっとむかついておるんですが,改めてこの平成31年全面展開を目指して国の用水計画,運用方法の現状認識,変更の必要性,さらにポンプの増設を強く求めるべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。


(知事)  お答えいたします。
 藤田パイプラインについての御質問であります。
 ことしの代かき時の給水は,用水ポンプや配水槽の水位は適正に運用できたものの,一部の圃場で計画どおりには水が出なかったため,国と連携し,水利用の実態調査等その原因究明を行うこととしており,その後,国は用水計画を検討する予定と聞いております。こうした調査結果を踏まえ,国,県,岡山市,改良区がそれぞれの役割分担に応じて対策を講じるとともに,県は市等と連携し,国に対し用水の安定供給対策を図るよう強く要望してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  どうもありがとうございます。
 その中で,どうしてもこれはもうポンプそのものが足りとらんというふうに感じるわけでございますが,ポンプの増設を国に要望されるかどうかについて端的にお伺いいたします。


(知事)  今回,水の出が悪かったということについては,現在,詳細な調査をしてくれているところでありまして,その調査結果を確認してから検討したいと考えております。いろいろな原因,パイプが詰まっていたのか,それとも高低差,水圧が足りなかったのか,おっしゃられるようにポンプが足りなかったのか,現在その原因についてはよくわかっておりません。まず,その原因をきちんと把握してからそれぞれの役割分担に沿って対応をしていきたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  ありがとうございました。
 藤田のパイプラインにつきましては,それぞれの役割分担というよりは連携が重要だということでございまして,突きとめれば国の数十年前の計画そのものが現状にもう合ってきていないんじゃないかということで,ここで根本的に対応しなくては,県のやってる工法自体も今,問題になっておりまして,サイホン方式のやり方が本当にいいのかということも含めてこれは連携して考えていかなくてはいけないということなので,先ほど児島湾締め切り堤防のときにも申し上げましたが,やはり国に対して県と市の中で県がしっかりとリーダーシップを持って国と交渉していただきたいということを強くお願いしたいと思います。
 それでは次に,産業振興について伺います。
 やはり岡山市においてはイオンの進出が黒船に例えられることがありますが,年間2,000万人もの来客があるならば,それをいかに面的にも時間的にも展開するかが課題になってまいります。LRTのような都市交通については以前,申し上げてきましたので,これを産業振興と絡めた場合,観光文化施設もありますし,都市の装置はそろってきたとポジティブに考えることができます。
 そこで,これを起爆剤として,交通の結節点においていわゆるコンベンション機能をさらに高めていくコンベンションシティー構想の推進は重要なテーマになると思います。そもそも,従来も交通の結節点ということで,学会や大会の開催の招致などについて間違いなく岡山は地の利があるわけでありますが,願わくば3,000人規模の大会場があって20程度の分科会まで開催できれば,相当な規模のコンベンションが呼び込めるはずです。ただ,現状でいうと,駅周辺の会場ではグランヴィアホテルが最大で,ママカリフォーラムがそこそこに大きく,実は国際交流センターがそれを補完しているという形になっています。今後,イオンや新医師会館のホールがこれに加わるとしても,例えば飲食ができない岡山シンフォニーホールは分科会場としても距離がちょっと気になりますし,岡山市民会館についても願わくばこうした観点の中に組み込んで考える必要があるとは思いますが,いずれにせよ現状において国際交流センターがかなりコンベンション開催時には便利な施設であるということは言えると思います。私はかねがね,国際交流センターのミッションということを申し上げてまいりましたが,基本的にはもはやこれは実態に即して,月曜から金曜日まではコンベンション施設やビジネス目的の使用も含めてかなり柔軟な対応ができる機動性の高い,駅に近い,ある意味,格安の貸し館としてさらなる増収を図って,そして逆に平日の夜や土日についてはその収益を必ずしも採算は合わないかもしれない本来業務である国際交流や国際貢献に向けるというのも,これもありじゃないかなと思うに至りました。あえて言えば,今までの岡山県国際交流センターから産業国際交流センターとミッションを昇華すべきだと思いますが,御認識をお知らせください。
 また,関連して,これを機に国際交流センター,生涯学習センター,総合グラウンド,きらめきプラザ,記録資料館,天神山文化プラザ,県立美術館,博物館,県立図書館,ルネスホールなど縦割り行政の所管を超えて,所長,館長,指定管理者レベルの協議会をつくり,ネットワークでそれぞれのミッションを相互乗り入れで強化,補完し合い,動くべきではないかと思うにも至りました。先日,実は山田方谷に関する講演会を全く同時刻に県立施設で行うということが起きましたが,例えば子供たちがスタンプラリーのような形で社会教育施設で体験学習をしたり協働で事業を行うことはできないか,少なくとも連関するどの施設でも情報等は簡単に入手できる,かような県立施設のコンソーシアムの構築について御所見をお聞かせください。


(知事)  お答えいたします。
 産業振興等についての御質問であります。
 まず,岡山国際交流センターについてでありますが,同センターは県民と外国人との相互理解を深め,交流を推進し,地域の国際化を図ることを目的に設置したものであり,国際化に関する情報提供や事業を行う中核的施設として活用されていますが,会議室は学会や企業説明会などでも広く利用されております。また,管理運営の収支差額は,指定管理者がセンターで行う国際交流事業の充実にも活用されているところであり,今後とも,岡山駅に近いという立地条件を生かし,利用促進に努めてまいります。
 次に,県立施設のコンソーシアムについてでありますが,関連する施設が連携してサービスを提供することは有意義であるため,例えば岡山カルチャーゾーン内の県立施設については既に協議会を設け,一体となった魅力発信や情報共有に努めております。お話の新たなコンソーシアムの構築までは考えておりませんが,今後とも,関連する施設間での情報提供を一層緊密にするなど,連携の充実を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  ありがとうございました。
 先ほどの国際交流センターにつきましては,コンベンション機能ということになりますと,学会等が1年以上前から動き始める,大きなものになれば2年,3年前から会場の設営,段取りをせにゃあいけんということで,残念ながら今の交流センターではなかなかそれに対応できておりませんので,ある意味,ビジネス目的で収入を上げるためにということであれば,よりそこら辺を機動的に運用できるようにお願いをしたいと思います。
 最後に,教育再生についてお伺いします。
 私は昨年度,文教委員会に所属しておりましたが,残念ながら悲しいぐらい議論がかみ合っておりませんでした。全てが対症療法的な感じがして,これで本当に岡山の教育再生ができるのかと,何か根本に切り込めていない気がいたしておりました。個人的にはむしろ,頑張る学校応援事業のような県と市町村,首長と教育委員会,県教委と市町村教委という縦割り行政の弊害を突破するというよりも,やや功を急ぐ感もある事業は,話題づくり以上の大きな課題を残したようにも思います。そもそも,もとはといえば,頻繁に使われる学校力という言葉の定義すら不十分なままに,何をもって,誰をもって,何の比較において頑張っていると評価するかも難しいものがあります。何より,何か効果が出た,成績が上がったとしても,前年度と今年度は全く別の子供たちです。大切なことは,たちまち目の前の状況にどう対応するかでございます。
 そもそも,何が問題なのか。特に,全国学力テストの結果からわかる一番大きな問題は,岡山県の子供たちの成績が悪いということもさることながら,基礎学力が十分に身についていない子供が大変にふえているということで,その背景には子育て支援の強化が必要なほど家庭環境に課題があるのではないか。ゆえにまず,必要なのは,子育て支援,家庭教育への支援ではないのか。義務教育で同じスタートラインに立てていない家庭や子供たちをどう支援するのかということ。また,2年連続の全国ワーストワンの少年非行数に象徴されるように,いじめ,不登校,ニート,ひきこもり,自殺など,子供たちの生活状況に学力以前に大きな課題があり,その遠因ともなりかねない就学前から就労に至るまでの発達障害の支援体制の強化が緒についたばかりであるということ。これらについては,教育委員会や学校の先生方のお尻をたたいて成績が上がればそれで教育再生ができたんだと言えるような単純な問題ではなく,経済,医療・保健・福祉,労政,雇用,警察を含めたオール岡山で当たらなければ,真の教育再生はあり得ないということを意味すると思います。少なくとも,結果の平等を求めるべくもありませんが,義務教育の段階で機会の平等を保障されていない子供たちがいるのならば,まずそれを是正せねばなりません。そして,今の子供たちがまさに10年先,20年先の岡山の社会の姿そのものでありますから,これでよいのかということ。だからこそ,今,教育に根本的に手を入れていかなくてはいけないと思います。
 一方で,家庭教育を支援するためには社会教育が重要であるのに,社会教育関係団体への補助が削減されたり,ESDの会議を含めてでありますが,県の社会教育のセンター機能を果たすべき県生涯学習センターの機能強化が十分に図れていないんじゃないか。特に,家庭教育が痛んでいる,学校教育も今やいっぱいいっぱいだ。だからこそ,社会教育の力が必要なんだ。しかし,それを補完できる社会教育関係団体への補助を切るという方向は,私にはさっぱり理解不能でございます。さらに,基礎学力を身につける小中の義務教育については,頑張る学校応援事業のように評価をするのに,地域社会に生徒を輩出する高校について,進学率もさることながら,就職率について十分な評価が行えていないこと,何よりも県立高校の入試の採点ミスやたび重なる県立学校での不祥事。まず,県教委のすべき足元をきっちり固める必要があります。改めて,教育再生を言う大前提として,根本的に何が問題とお考えなのか,何をもって教育再生というのかをお伺いいたします。
 具体的に,まずは基礎学力を身につける機会を奪われている子供たちの支援は最重要課題だと思います。経済格差,家庭環境が義務教育の段階で子供たちの学力格差に結びつくこと,それが連鎖することは何としても避けねばなりません。先生方はもはや手いっぱいであるという大前提で,しかし学校は好きだが,基礎学力が身についていないために教室の中に入れない子供たちも多くいます。しかし,例えば中学生でも九九ができない,小数点や分数でつまずいた,あるいは漢字が書けない,学校の勉強についていけない,塾にも行けない,そうした子供たちが基礎学力を身につける機会を義務教育の義務の主体である保護者ももはや確保できないかもしれません。子供たちは,いわば権利を奪われたままであります。そうした子供たちに対して,家庭に対してどう支援を行うのか,お考えをお知らせください。
 次に,子育て世代への支援,社会教育の支援の強化がどうしても必要でございます。例えば,土日や長い休みの期間に地域や大学,ボランティアの方々の協力をいただいて,アフタースクールという形で基礎学力を身につけることも社会教育の範疇かもしれません。また,岡山市内のある公民館も,福田公民館さんでありますが,地域のカルチャースクールということに加えて,地域の小中学校,さらにはPTAと連携して,地域の企業や警察,消防などにも御協力をいただいて,小学生の職業体験,大学や文化施設などと連携して子供向けの大学講座を開講し,さらには公民館のそうした活動についてポイントのつく形で中学生のボランティア活動まで行われています。学校教育でも家庭教育でも行えない部分を社会教育の最前線の施設としての公民館が担い,具体的には学校,地域,公共機関,企業やNPOの連携をコーディネートする機能を公民館が持つというのは,まさに私は全国に誇り得るこれはすばらしい取り組みだというふうに思います。改めて,社会教育関係団体との連携及び支援についてのお考えをお知らせください。
 さらには,公民館の機能強化について教育長の御所見をお聞かせください。
 最後に,今年度動き始めた発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトについて。
 2月定例会でも申し上げたように,キーパーソン,共通支援シートがいかようなものであるかについては,まだまだこれは協議が必要だとは思いますが,願わくば就労まで結びつくような一貫した支援であることを強く期待するところでございます。ただ,やはり問題は,早期発見,早期対応と,これは簡単には言うものの,それがどうしたら可能なのか。特に,保護者をフォローできる,たちまち相談ができる場所,人材の確保,学校の先生が発達障害のある子供たちのそれぞれの特性を理解するための研修,医療から検査を受けられる場所への連携,成育医療において情緒安定の投薬医療を受けることができるような医療体制の充実,さらには試験的にいろいろな投薬を行うことができるような医療費免除など,考えられる課題や対策は本当に多くございます。こうした中で,発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトについて,今後の方向性を保健福祉部長にお伺いいたします。


(知事)  お答えいたします。
 教育再生についての御質問であります。
 まず,根本的な問題についてでありますが,お話のように家庭環境に課題のある子供もふえており,本来,家庭や地域で育まれるべき規範意識や社会性の欠如,また基礎学力が十分身についていないといったことなどがあると考えております。教育再生については,教育熱心な県民の気風を生かし,家庭や地域の協力のもと,落ちついた学習環境の中で子供たちが将来の夢や目標を持ち,勉学や部活動などに意欲的に取り組んでいる学校,またさまざまな場所で子供たちが生き生きと活躍できる取り組みがなされている地域にしていくことであると考えております。
 次に,子供たちに対する支援等についてでありますが,経済格差等が子供たちの学力格差に結びつかないようにすることは重要なことであり,生き活きプランにおいて,落ちついた学習環境の中で基礎学力の確実な定着を図る指導の充実とともに,地域の協力も得ながら放課後や土曜日,長期休業中などの補充学習を推進することとしております。課題を抱える家庭に対しては,県教委はスクールソーシャルワーカーを派遣するなど福祉等の関係機関と連携して支援するとともに,さらに1歳半健診等の機会を活用し,乳幼児期から保護者が自信を持って子育てできるよう,参加体験型の学習プログラム等も進めていると聞いており,こうした取り組みが着実に行われるよう支援してまいりたいと存じます。
 次に,社会教育関係団体との連携等についてでありますが,各団体では学校外での子供たちの体験活動や子育て相談等の家庭支援などに取り組むなど,地域の教育力の向上やきずなづくりのために尽力されており,これまでも県として連携を図ってきたところであります。今後とも,私が掲げる教育再生に向けて連携を図っていくことが重要と考えております。支援については,現在,県教委において各団体から聴取したテーマや事業規模等に関する意見をもとに,来年度以降の事業計画を検討していると聞いており,本県の抱える教育課題の解決に向け,各団体の専門性を生かした活動が充実するよう支援してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(教育長)  お答えいたします。
 公民館の機能強化についてでありますが,公民館は地域住民にとって身近な学習拠点であり,子供にとっては通学合宿や昔遊びなど,学校や家庭では得がたい体験学習や世代を超えた交流等の場でもあります。お話の公民館は,大学や企業,関係諸団体との緊密な連携による小学生の職場体験等,学校教育や家庭教育を補完するすぐれた取り組みを行っており,こうしたコーディネート機能を生かした公民館活動を広めていく必要があると考えております。そのためには,公民館職員の資質向上が不可欠であり,県生涯学習センターにおいてコーディネート機能の充実を視野に入れた職員の養成やすぐれた実践事例の普及に努めるなど,公民館活動の活性化に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトについての御質問でありますが,豊富な経験や専門的知識を有する方をキーパーソンとして登録し,各ライフステージに応じた相談支援などを担う幅広い人材群を創出することとしております。また,共通支援シートを活用することにより,就学前の早期からの支援情報を就学後に円滑に引き継ぐことで,就学前後での切れ目ない一貫した支援に努めることとしております。このプロジェクトに加え,乳幼児健診に携わる医師の研修などほかの事業にも取り組むことにより,早期発見,早期対応に努めるとともに,就学前から就労までの一貫した支援体制の構築を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  どうもありがとうございました。
 教育長の公民館の支援をぜひ人材育成までよろしくお願いしたいと思います。
 今,教育再生の話の中で,実は私の子供も中学2年生でございまして,全国学力テストの成績がうちの子供が小学校6年生のとき,すこぶるこの学年が悪かった。中3と小6が42位,45位,昨年が32位と38位でしたですか。今年度,仮に結果が出て,ほんで少し去年よりようなったぞというのが出たとして,出ることをもちろん期待しておるんですが,そのことをもって岡山の教育再生ができたというふうなことは,私は間違っても言ってほしくないというふうに思います。もちろん,全国学力テストの成績が上がることは重要なことではありますが,少なくともあと2問解ければ岡山の子供たちは一遍にトップクラスに躍り出る,あるいは47都道府県,基本的にはこれだんご状態でありまして,その中で1点,2点ということはもちろん重要なんですけれども,その順位,知事も一喜一憂されないというふうに言われておられますが,その順位の中に隠れてしまうもの。特に,きょうずっと申し上げたかったことは,教育再生を言うためには,どうしても学校教育に加えて家庭教育と社会教育,これが三位一体で動かなければ,とても教育再生できないんじゃないですかということを申し上げたかったわけであります。学校教育,本当に先生方は私は現場で一生懸命頑張ってくださっていると思います。ただ,今,現状,手いっぱい,いっぱいいっぱいの状況の中で,本当に家庭教育,しかもそれは家庭教育の前の段階かもしれません。本当に生活が苦しいぞ,子供に学費を出すことも厳しいぞ,そういった状況の中の家庭をどのように支援ができるか。そして,社会教育については,ある種,遊軍的に学校教育と家庭教育を結べる大変に重要なところだと思います。そうした意味では申し上げたいことは,家庭教育,学校教育,社会教育が三位一体でないといけない。今後,全国学力テストの成績が出たとしても,それに対してそれぞれ特に成績の悪いお子さんが多く出るとすれば,そこで何をすべきかということは,改めて学校教育だけではなくて社会教育,家庭教育に対しても何をすべきかということも真剣に見ていただきたいというようなことを思うわけではございますが,特に社会教育と家庭教育についての思いをお知らせください。


(知事)  学校教育だけでなく家庭教育,社会教育についてもどう思ってるかという質問に対してお答えをいたします。
 議員がおっしゃられることは本当にそのとおりでございまして,社会の現状があり,その社会の現状を踏まえて大きく影響を受けてそれぞれの家庭があり,それぞれの家庭で就学前の教育を受けた子供たちが小学校に入学し,学校教育を受けていくと。その学校教育の結果が我々,学力テストでわかるということでありますので,議員おっしゃられるとおり,学力テストの点がよくなったからといって,自動的にその下にある,土台にあるものがよくなっているというふうに考えるのは勘違いをする可能性が非常に高いと考えております。今起きている問題は1年,2年で起きたことではなく,10年,20年,もしくはそれ以上かかって起きた問題でありますので,それぞれの段階において我々は努力をしなければいけない,もしくはいろいろな方に協力をしていただかなければいけないと考えております。当然,この一番下のところから始めて,それが学力テストまで到達することを黙って見ているということは余りにも時間をかけ過ぎるわけですから,それぞれの段階においてできることをしていくわけでございます。ぜひ私自身も学力だけではなくって,体力,それから体育,それから徳育もしっかりやって全人格的な教育をしていく,子供たちが単に勉強ができるだけではなくて,意欲を持っていろいろなものに取り組む,また困難にぶち当たることがあっても,それを周りの協力も得ながら自分で乗り越えていく,そういう子供たちを育てたいと思っておりまして,ぜひ議員がおっしゃられるような方向でしっかりみんなで頑張っていきたいと存じます。
 以上でございます。

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