平成24年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治


1 16年間の総括等について
(1)県民へのメッセージ         (総務)[ 知   事 ]
(2)子どもたちへのメッセージ      (総務)[ 知   事 ]
(3)職員等への思い           (総務)[ 知   事 ]
(4)副知事の気構え           (総務)[ 副 知 事 ]
(5)危機管理監の気構え         (総務)[ 危機管理監 ]

2 学習指導要領等について        (教育)[ 教 育 長 ]
(1)ゆとり教育の総括等
(2)授業時間の確保
(3)扇風機等の設置状況等
(4)生涯学習センターの役割

3 全国学力・学習状況調査等について
(1)全国学力テストの意義等       (教育)[ 教 育 長 ]
(2)現状認識等             (教育)[ 教 育 長 ]
(3)所得による格差           (教育)[ 教 育 長 ]
(4)地域間格差             (教育)[ 教 育 長 ]
(5)学校間格差             (教育)[ 教 育 長 ]
(6)県立中学校             (教育)[ 教 育 長 ]
(7)就学前の格差是正等  総務・教育協力(保福)[ 保健福祉部長 ]

4 いじめ問題等について         (教育)[ 教 育 長 ]
(1)おかやまの子どもの生活信条等
(2)道徳教育の現状等
(3)親から子へのメッセージ

5 教育委員会について
(1)市町村教育委員会との関係等     (教育)[ 教 育 長 ]
(2)民意の反映等         (教育)[教育委員長職務代理者]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。
 この一問一答式も5人目になりますと大変皆さんお疲れが出ておられると思いますが,ぜひ気を確かに持ちましておつき合いお願いいたします。
 通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まずもって,4期16年間,岡山県政のトップリーダーとして頑張ってくださった石井知事にとりまして最後となる9月定例県議会において,改めて石井知事におきましては心から感謝と敬意を表させていただきます。
 思えば,知事の1期目の任期の私も途中からでございますが,これは自慢になるのかちょっとわかりませんが,私にとってはこれが47回目の一般質問ということで,石井県政において最も本会議場で質問をさせていただいた議員としては,惜別の情は禁じ得ないものがございます。一方で,何か転校生を送るような気持ちもあって,残る者としてはどこか置いていかれるような気持ち,取り残された気持ちもございまして,しかし最後はお疲れさまでしたと心の底から笑顔でお見送りをしたいと,そうした気持ちでございます。
 この16年間の総括というときに,やはり選挙でも,あるいは行財政構造改革でも支えてくださった県民の皆様がいてくださった,ある意味,厳しい行革の中で耐えて頑張ってくださった県民の皆様がおられる,国体の天皇杯,皇后杯の胴上げのことも言われますけれども,切り詰めた予算の中でも実際に頑張ってくださった選手団,役員,おもてなしをしてくださった県民の皆さんがおられました。国民文化祭も同じであります。特に印象深いのは,落書き一斉消去活動ですが,行政も警察もなすすべが全くない状況で,予算すらありませんでした。その中で一斉に立ち上がったのは県民の皆様です。今でこそ市町村で落書き消去資材は現物支給という画期的な仕組みになってはおりますが,そこまで自腹を切りながら進めてこられた。NPO,NGOしかりであります。全て県民の皆様のお力があったというように思います。あるいは,厳しい行革の中でどれだけ事業費や補助金を削減されようが,行政から手を離されても,話を聞いていただけなくても,まずは自力で立ち向かっていこうとされる県民の皆様が本当に強くなられたというふうに思うんですが,16年間を支えてこられたこうした県民の皆様に対する知事からのメッセージをお願いいたします。
 また,私の子供もそうなんですけれども,これは倉敷チボリ公園という大切な思い出,これはどうあれ壊れてしまったのは,これは事実であります。少なからず借金も担わせてしまうことになりますが,特に岡山の次世代を担う子供たちへのメッセージをお願いいたします。
 何よりも石井県政をつくってきたのは優秀な県庁職員さんたちでございます。今議会ではこれはあえて具体的な問題としては言及しませんがと言いつつ言及しておりますが,内尾県有地のメガソーラーをめぐる問題でも私も思い切りぼろぼろになりましたけれども,現場の最前線の職員さんたちも本当に忍びない状況になっておられます。一事が万事でありますが,会議室ではなく,実際に施策を遂行する現場は非常に厳しいわけであります。それがどういう御指示であれ,指揮官の指揮のもと,突っ込んでいくことになる。しかし,行革の中で給与等が削られても,決して職員の方々は岡山県に対する熱い思いは知事には負けていない,私はそう信じておりますし,そうあるべきだとも思います。そして,いわば女房役とも言える歴代の多くの副知事が知事を支えておられました。改めて,石井県政16年を支えてこられ,退職された方もおられますが,県庁職員の方々,さらには副知事の方々への思いをお伺いいたします。
 さらに,副知事にお伺いいたします。
 どうあれ,10月28日が知事選挙投票日でございます。11月12日からは新しい知事のもと,岡山県政は動き出すことになります。どんなに優秀な方が知事になられようとも,年末に向けてたちまちの予算編成等,課題はめじろ押しでございます。現知事から新知事へ,実質上は副知事のお働きが岡山県政のキーになるというふうに思います。粛々と,あるいはひょうひょうとやっていかれるものと期待も信頼もさせていただいておるんですが,いわば言葉は適切かどうかわかりませんが,政権交代の橋渡し役ともなる副知事の気構えをお知らせください。
 加えて,危機管理監にお伺いいたします。
 あえて言えば,新知事の任期が始まる11月12日の午前0時0分に大災害が発生しないという保証はどこにもありません。たちまち自衛隊への災害派遣要請という場面も出てくるかもしれません。まさにそれが危機管理でありますが,危機管理体制のスムーズな引き継ぎも含めて,これもまた政権交代時の危機管理監の気構えをお伺いいたします。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 まず,県民の皆様へのメッセージについてのお尋ねでございます。
 私は知事就任以来,県民の幸せと豊かな生活の実現を目指しまして県政を推進してきたところでありますが,長年にわたります行財政改革の取り組みによりまして,県民の皆様方には多大な御負担をおかけいたしまして心苦しく思いますとともに,その御協力に対しましては心より感謝を申し上げているところでございます。また,国体や国民文化祭,お話をいただきました落書き一斉消去活動などにおきましては,県民の方々がまさに主役として活躍をしていただいたところであります。まさに,協働による県政の広がりというものを感じているところでございます。県民の皆様方にはこれからもふるさと岡山を愛する心とみずからの地域はみずからでつくるという意思を持ち続けていただきまして,協働の輪を広げつつ,本県の発展のためのお力添えを賜りたいと存じます。
 次に,子供たちへのメッセージについてであります。
 我が岡山県は,豊かな自然,あるいは温暖な気候風土の中で人々の暮らしや多様な農産物,文化,芸術などが育まれてまいりました。子供たちにはこのすばらしいふるさと岡山をいつまでも愛し,未来に引き継いでいただきたいと思います。また,子供たちには学ぶことに興味,関心を持っていただき,友人と切磋琢磨をしながらスポーツあるいは文化にも親しみ,知・徳・体を備えた大人になっていただきたいと思います。さまざまな困難もあろうかと思いますが,これらに立ち向かい,新しい時代を切り開いていただきたいと,このように切に願っております。
 最後に,職員等への思いについてのお尋ねでございます。
 職員の皆さん方には,行財政改革を初めとする困難な県政の課題,あるいは住民の方々に接する日々の業務などにつきまして,昼夜を分かたず尽力をいただきました。心より感謝を申し上げる次第でございます。とともに,長年の給与カットによりまして,これは教育関係の皆様,そして警察関係の皆様も同じでございますけども,大きな負担をお願いしたところでございます。大変心苦しく思っているところであります。岡山県職員はすぐれた資質,能力に恵まれております。と同時に,高い志を持ち,どんな困難にも立ち向かうことができる気概あふれるすばらしい方々ばかりでございます。そうした職員とともに県政に取り組むことができたことをありがたく思っております。
 副知事についてでありますけれども,いわば私の右腕といたしまして私の立場に立って物事を考え,そして私の手の届かないところを適切にサポートしていただいたところであります。県政推進にとりまして,なくてはならないパートナーとして御尽力をいただきました。本当に感謝しているところでございます。
 以上でございます。


(副知事)  お答えいたします。
 副知事の気構えについてということでございますけれども,私は副知事の役割は知事の進める政策,そして施策の実現を全力でサポートすることであると考えておりまして,石井知事の任期満了まで補佐役としての務めを最善を尽くしてまいりたいと存じます。また,新知事をお迎えするという準備を遺漏なくとり行うという職務もありまして,現時点で新知事就任以降のことにつきましては考えが至っていないところでございます。
 以上でございます。


(危機管理監)  お答えいたします。
 危機管理監の気構えについてでございますけれども,お話のございましたように,災害や事故はいつ起こるかわからないということから,大規模な自然災害や重大な事故などに対しまして迅速かつ的確に対応することができますよう,常に緊張感を持って職務に当たることが重要であると考えているところでございます。また,危機管理にいささかの間断も生じさせることがあってはならないと考えておりまして,知事の交代時におきましても危機管理体制が十分機能し,県民の皆様の安全・安心が守れますよう全力で職責を果たしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  石井知事におかれましては,改めて本当に16年間お世話になりまして,ありがとうございました。本当にこの状況というのを目と心に焼きつけておきたいなというふうに思います。本当にありがとうございました。
 それでは,県政の緊急性の高い最重要課題は教育問題であると思います。以後,教育問題に特化してお伺いをいたします。
 まずは,ゆとり教育から転換した学習指導要領について,以下,教育長にお伺いをいたします。
 ゆとり教育は,知識重視の詰め込み教育がいわゆる落ちこぼれを生んだという批判に対して,具体的にはみずから考えみずから学ぶという自己教育力という考え方を理念にして,教育内容の3割削減,学校に授業の中身を委ねる総合的な学習の時間の創設,学校完全週5日制の実施,薄い教科書の配布という流れでございました。改めて,このゆとり教育の総括,特に学習意欲の低下,塾に通う子とそうでない子の学力格差,理数離れ,現場の緩みを生んでしまったというような評価もありますが,御所見をお聞かせください。
 加えて,現在,脱ゆとりというこの流れについてどのように認識をされているかもあわせてお伺いをいたします。
 さらに,文部科学省では専門家会議を設けて,小学4年生以下にも外国語活動の必修を検討するとのことでございますが,新しい教科等がふえて3連休がふえ,学校の行事も大変に多い中で,例えばきのうまで幼稚園児,保育園児であった小学1年生でも今は5時間目の授業がある,そんな状況で,むしろ学期中に単元が終了できないほど授業時間が極めてタイトになっている。そうした状況をどのように認識されておられるでしょうか,土曜日の活用の仕方も含めてお知らせをください。
 一方で,こうなると夏休みについても考え直す必要があると思います。夏休みは温帯に属する国々を中心に広く実施されておりますが,基本的には夏季の暑熱の回避や,やぶ入りやお盆という夏季の伝統的な慣習によるものであります。日本の教育機関の場合,正式名称は夏季休業といい,校舎などに冷房設備がない場合が多く,太平洋高気圧支配下での授業が暑熱によって困難なので,その間を休業とするためとされています。そして,その期間に期待される教育効果の主たるものは,ふだん学校では体験することのできないことへの児童生徒の挑戦とされています。しかし,現実問題,校舎の冷房設置も進んでいるところは進んできたことや学校週5日制施行により授業時間が減ったことによる学力維持対策で夏休みを約1週間短くしたり,進学校を中心に授業時間の確保を目的に,夏休みを短縮して8月中に始業式を行う学校が増加をしております。もちろん,教職員の方々にとっては通常どおり勤務され,部活動の各種大会や合宿などの行事,教員の校務分掌に関連した会議や研修など,かえってお忙しくされておると認識をさせていただいております。しかし,ことしのように40日以上も夏休みが続く場合,共稼ぎ世帯が圧倒的に多くなってる現状で,子供が一日中クーラーががんがんきいた部屋で親がおらんときに過ごしたり,あるいは子供を塾や各種体験スクールにやれる家庭ばかりではなく,一挙にこの夏休みで生活習慣が乱れてしまう,そうした場合があるように思います。
 あくまで任意でございますが,夏休みの間,仮にこれは午前中だけでもいいんですけれども,学校に行って自主勉強する,要はチャイムがある規則正しい生活を子供たちが送ってくれれば,どれだけ子供も保護者も助かるか。仮に,冷房設備がないからそれができんのだというのであれば,その出費をあるいは保護者は惜しむものでもないかもしれません。また,公費による教育実習の場,あるいは塾との連携で子供たちも1学期の基礎からやり直すことができるかもしれません。特に教室においては,29度を超えると扇風機が,31度を超えるとクーラーが必要だというデータもあって,扇風機,クーラー,あるいはグリーンカーテン等の設置状況についてお伺いをしたいと思います。
 加えて,こうした空調等が整備された上での夏休み中の教室の活用についてお伺いいたします。
 加えて,個人が学びの主体になって一生をかけて学習を続けていく生涯学習というのは,これは実はゆとり教育とは非なるものでありまして,老若男女が相集う公民館で行われる社会教育が象徴的であります。それは,芸術,文化,環境,防災,国際交流など多種多様で,考えようによれば首長部局を含めた教育委員会の所管を外れるような概念だというふうにも思います。そうであるならば,むしろ岡山県生涯学習センターは地域の公民館などの社会教育センター機能を果たすべきものだというふうに思うんですけれども,今,未来科学棟の仕様書等を拝見させていただくにつけても,いつの間にやらこれは何か理数系についての学校教育の補完のような,そんな理念が見え隠れしてるように感じております。改めて,生涯学習センターの役割,特に地域の公民館活動に対する認識をお伺いいたします。


(教育長)  お答えいたします。
 まず,学習指導要領等についてのうち,ゆとり教育の総括等についてでありますが,ゆとり教育はゆとりある教育活動の中で生きる力を育むことを狙いとしたものでありまして,この理念は大切なものと考えておりますが,教科書の内容や授業時数が削減される中で,国際的な学力調査結果から学習意欲の低下や理数離れなどの学力低下を示す状況があらわれたこと,また学習指導要領の理念が十分に実現しなかったことはまことに残念に思っているところであります。こうした状況を踏まえ,新学習指導要領では,生きる力を育むという理念を踏襲しながら,学力向上に向けて教育内容や授業時数の増加等が図られておりまして,理念の実現に向けてしっかり取り組んでいきたいと考えているところであります。
 次に,授業時間の確保についてでありますが,このたびの学習指導要領では学習内容の増加に伴い授業時間も増加し,小学校1年生は毎日5時間,4年生以上はほぼ毎日6時間の授業を行っており,さらに授業時間をふやす余裕はほとんどない状況であります。そのため,各学校や市町村教育委員会では,学校行事の精選,長期休業日の削減,2学期制の実施等を行っておりますが,土曜日の活用も授業時間確保に有効と考えておりまして,県といたしまして規定の整備を図るなど,その取り組みを支援してまいりたいと存じます。
 次に,扇風機等の設置状況についてでありますが,扇風機の普通教室への設置は県立高校で3.6%,市町村立小中学校で92.6%,クーラーの普通教室への設置がそれぞれ94.5%と3.5%,校舎のどこかにグリーンカーテンを設置しているのがそれぞれ40.0%と32.8%であります。夏休み中の教室の活用につきましては,子供たちの登下校時の安全の確保に留意する必要はありますが,学習に取り組みやすい環境を整えることになり,さらに空調等が整備されれば学習の能率が上がることが期待できるところであります。現在,希望者への補充的な学習として実施している小中学校もあり,また県教育委員会といたしましても学力向上の面からも推進しており,一層各校で工夫して取り組むよう働きかけてまいりたいと存じます。
 最後に,生涯学習センターの役割についてでありますが,お話の未来科学棟は幅広い世代の科学の学習機能を強化する施設であり,これらも含め,センターは県民の生涯学習の振興のため,社会教育担当者や地域の方々を対象とした指導者養成やさまざまな学習情報の提供等を行う施設であります。公民館につきましては,地域のきずなの必要性が指摘されている中,人づくりや地域づくりの拠点として重要な役割を担うものとして認識しておりまして,今後も生涯学習センターの機能を高めながら公民館の振興に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  ありがとうございます。
 特にこれ一つは要望で,生涯学習センターにつきましては,やはりこれは平日の利用というのはもちろんあるんですが,土日にどれだけ科学実験ができて,老若男女が集まって実験ができるかというのが一つの視点だと思いますが,逆に平日,この例えば遠足で来た子供たちに朝から晩まで生涯学習センターおって科学の勉強せえよというのを,これをずっとやるのはちょっと難しいぞというふうなことは指摘をさせていただきたいなあと思います。
 質問でありますが,これは教育長さんの御認識をお伺いしたいんですけれども,特に高校生の教室のほうには今,大変クーラーが設置されている。これは大昔,いわゆる高校生会議というのがありまして,10年以上前でありますが,最後には高校生が表町商店街で署名活動までする,そうした事態にまでなってしまいましたが,高校の教室はクーラーがあるんですが,小学校の教室はなかなかこれはクーラーを設置するのは難しいとは思うんですけれども,現実問題,教育環境としてクーラーがええか扇風機がええかと考えたときに,私ちょっともう扇風機に限界が来とるような気がしておりまして,子供は風の子という言い方はあるんですが,何ぼにも教室が暑いということで,一度小学校の教室に行っていただいたり体育館に行っていただければ,扇風機が回っとったら余計熱い風をかき回してむしろ暑いんじゃという状況があるんですけども,教室の扇風機とクーラーについての御認識をどのようにお持ちかしらとお伺いしたいと思います。


(教育長)  お答えいたします。
 私,個人的には,若いときにはしっかり体を鍛えていく,心も鍛えていくということで,少々の暑さには負けないと,心でそこは乗り切っていくというのが基本的な考え方でありますけれども,昨今のこの教室の中の暑さというのは異常でありまして,熱中症といったような問題もありますので,そういったようなことには配慮していかなければいけないので,室温に応じてはやはり扇風機でなくてクーラーにしていく必要があるのかなというふうには思っております。そういった面もあって日本では夏休みという期間を設定してるわけですけれども,諸般のいろんな状況からそういうエアコンの必要性も出てきているんかなというふうには思っております。
 以上でございます。


(佐藤)  済みません,教育長ずっといていただくことになりますけど,済みません。
 先ほど教育長,御答弁ありがとうございました。
 実は,教室にクーラーを設置して夏休みや長期休暇のときに,あ,いや,質問ではありません。圧縮しますけれども,ごちゃごちゃして済みません。そういう中で,やはりクーラーの設置は必要になってくるというのがつながってきます。
 それでは次に,脱ゆとりの象徴とも言われる平成24年度の全国及び岡山県学力・学習状況調査結果について,以下,教育長にお伺いをいたします。
 これは小学6年生と中学3年生の国語,算数,数学,理科の全般的な学習習熟度と応用力を見るテストでございますが,確かに岡山の順位は低い。これは低過ぎます。一方で,何で秋田県や福井県や富山県はいつも学力が上位になるのか。しかし,学校質問紙調査からすると,教科の指導内容や指導方法について,岡山県では近隣の小中学校の連携割合は実は全国平均よりもはるかに高い。何よりも,児童生徒質問紙調査からすると,例年,岡山県の児童生徒の自尊感情,いわば自己肯定感というのは実は全国よりも高いというデータがあります。一方で,秋田県は,大学進学率となると実は全国35位でありまして,自殺率は全国1位という大変に厳しいデータもあります。つまりは,いわゆる全国学力テストというのが一体何を見ているのか,あるいはどうやればこのテスト成績が上がるのか,これは冷静に見ておく必要があるんじゃないかと思います。そもそも,全国学力テストとは何なのか,特に下位と上位の違い,岡山県と秋田県の結果の違いは何から生じているのか,教育施策なのか教育予算なのか,特に岡山県の教育支出の割合が全国何位程度に位置するものかを含めて教育長の御認識をお伺いします。
 次に,こういった全国学力テストが必ずしも岡山県の子供たちの学力の実態を的確に把握できていないとすれば,学習指導要領をベースにしつつ,入試合格を目標にした塾の模試や学力テストにおける成績上位者の出現率,さらに塾に通う通塾率,中学受験率,大学進学率が具体的に岡山県が全国何位にあるのか,その推移を含めて現状認識をお伺いいたします。
 そして,その数値と今回の全国学力テストの関係が意味するものは,結局のところ子供の学力が上位,中位,下位の三極化が進んでしまっておるんじゃないか,認識をあわせてお伺いをいたします。
 加えて,教育格差ということが言われて久しいんですが,あえて伺いますが,現在,実態として所得の少ない家庭では易しい内容の教育しか受けられず,所得の多い家庭ではいわゆる難度の高い教育を受けられて,さらに高いレベルの高等教育も受けられるんじゃないか。すなわち,学力の三極化が進んでいると思われる中,実は所得の格差によって子供の学力に影響が出てしまっているんじゃないかという印象は,我々子育て世代が誰しも持っているものでありますが,どのような認識をお持ちでしょうか,またこれに対してはどう対応すべきとお考えでしょうか。
 特に,小中学校の義務教育というのは,これはあくまで保護者にとって教育を受けさせる義務であるわけですが,この教育費の負担というものが子育ての経済的な負担の重きを占めるならば,何よりも結果の平等ではなくて,機会の平等がそもそも確保できてないんじゃないかということであれば,自由に競争できる社会の前提すら欠くことになるんじゃないか,そのように私は思います。さらに,大都市や周辺部に居住して小学校の早期から受験塾に通学することが可能な経済力と文化的環境がある者が有利になる地域間格差も生じてしまっていないか,またそれに対してどんな対応すべきか,認識をお伺いします。
 加えて,全国学力テスト,これは実は学校ごとの数値はもちろん公表されておりませんから顕著になっておりませんが,学校間の学力格差というものが存在するのか,その原因や対応についてもお知らせください。
 そして,これは残念ながら,岡山県が進めてきた中高一貫教育,これは一つの評価でありますけれども,積極的に特別支援学級を設置するならばまだしも,いわゆる小学生のお受験の前倒しを生んで,先ほど申し上げた経済格差を背景にした学力格差を助長し,なおかつ地域コミュニティーにおいて極めて重要な公立小中学校の運営にも影響を与えてきてしまってるんじゃないか,そうした評価もあります。改めて,県教委が県立中学校をつくる意義について,特にこれは市教育委員会との関係も含めて認識をお知らせください。
 また,あえて公教育と少子化対策との関係について保健福祉部長にお伺いをいたします。
 特に,幼稚園就園奨励費の充実や研修,給与を含めた補助,就学前の私立,公立幼稚園,保育園の格差是正,さらには国が目指す幼・保の総合施設の認識について,これは就学前の教育,少子化対策としてお伺いをいたします。


(教育長)  お答えいたします。
 まず,全国学力テストの意義等についてでありますが,本調査は国語,算数,数学の学力と学習状況の両面から把握できた結果に基づいてこれまでの教育施策の成果と課題を検証し,その改善を図るものであります。質問紙調査等で本県と比べて秋田県がすぐれていると思われるところは,授業改善や授業中の子供たちの学習態度,家庭での学習時間などであり,こうした背景には学校と保護者,地域住民との緊密な協力関係やこれまでの取り組みの歴史や徹底度等に違いがあるのではないかと考えているところであります。
 なお,教育支出の割合につきましては,平成22年度分の地方教育費調査によりますと,小中学校に係る人件費や活動費等では本県は34位であり,学力上位県におきましても同様のところもございます。こうしたことを踏まえ,これまでの学力向上施策について第三者の視点も取り入れ早期に分析し,実効性のある取り組みへと改善してまいりたいと存じます。
 次に,現状認識等についてでありますが,塾の模試等の成績上位者の出現率,中学受験率につきましては把握していないところでありますが,24年度の通塾率は,小学校19位,中学校21位,大学進学率は22位で,ここ数年,横ばいで推移しておりまして,全国的にも平均的な位置にあります。県の学力調査結果からは,通塾の有無による学力に大きな差は見られず,また正答数の分布からは全国に比べ中,下位層がやや多い状況がありますものの,お話の三極化は認められないところであります。
 次に,所得による格差についてでありますが,国の委託で行われました全国学力調査の結果分析によりますと,保護者の子供への接し方や教育に対する意識,保護者のふだんの行動などが子供の学力に影響を与えているとの指摘もございますが,お話のように所得の格差によって学力に差が生じている状況も見られるところであります。こうしたことを踏まえ,市町村教育委員会に対し放課後の学習サポートや土曜日,長期休業中等における学習の場の提供等について強く働きかけているところでございます。
 次に,地域間格差についてでありますが,これまでの学力調査結果からも地域間に学力面での差が見られるところであります。こうした地域の状況にかかわらず子供たちが学力を確実に身につけられるよう,県教育委員会では土曜日等に地域の協力を得て行うホリデーわくわく学習支援事業等によりまして市町村や中学校区単位での補充学習等を支援しておりますが,各市町村においても独自に地域の教育力を高める取り組みが進むよう働きかけてまいりたいと存じます。
 次に,学校間格差についてでありますが,学校により学力や学習状況に差があることは認識しておりまして,その原因としては落ちついた学習環境や教員の指導力,家庭での生活や学習習慣の違いなどがあると考えているところであります。しかしながら,厳しい状況の中でも授業改善や放課後の学習支援等,教員による熱意ある取り組みにより成果を上げている学校もございます。県教育委員会といたしましては,こうした効果的な取り組みを県下に積極的に広め,また課題のある学校に対しましては授業改善に向けた指導主事の派遣や放課後等の補充学習の働きかけを行いますとともに,重点的な教員の配置に努めるなど,子供たちの確かな学力の向上に取り組んでまいりたいと存じます。
 最後に,県立中学校についてでありますが,中高一貫教育は学校の選択幅の拡大を図り,6年間を見通した教育指導等により生徒の個性や才能の伸長を図る上で意義あるものと考えているところであります。また,市教育委員会とも十分協議しながら,県立と公立中学校間の人事交流や地元中学校への授業公開を積極的に行うことによりまして,各校の授業改善や教員の指導力の向上を目指してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 就学前の格差是正等についてでございますが,教育機関である幼稚園と児童福祉施設である保育所はそれぞれ別の法令で制度化されておりますが,保育所は児童福祉法に規定された保育指針等に基づき保育の内容等が定められているため,保育所間でサービスの格差は生じていないと考えております。近年の保育,教育ニーズの多様化を踏まえ,保育所,幼稚園それぞれのよさをあわせ持つ施設について国において議論されてきましたが,お話の幼・保の総合施設である幼・保連携型認定こども園は,幼児期の学校教育,保育の総合的な提供が可能となるとともに,家庭,地域の子育て支援に資することが期待されていると承知しております。
 以上でございます。


(佐藤)  先ほど大学進学率とか通塾率が全国大体20位平均前後と,にもかかわらず全国学力テストが低位になるというのは,これはよっぽど問題の根がむしろ私は深いなというように思いました。
 その中で1つまずお伺いするのが,特に秋田県との比較において,秋田がやってること,例えば県レベルの学力テストであったり授業法の改善研修であったり,特に家庭教育については家庭教育学びの十か条というふうなことで大変力が入っておるわけでありますが,それ以外にも学習状況調査なども独自にやられてるということで,言ってみればトップの県のこの教育のあり方について,岡山県がたちまちこれは入れるべきだなあというふうな検討をされているのかどうか,どれならやれるぞということをお考えか,1つお伺いしたいと思います。
 それから,2つ目のこの全国学力テスト,実はうちの子供も小学6年生でございましてことし受けとるということで,レベル下げとるかもしれませんが,このときにうちの子供にちょっと聞いてみましたら,「テストあった」と言うたら「あったよ」と言うて,「何のテストじゃったかようわからなんだ」と。ほんで,「先生最後までやれえ言うたか」と言うたら,「いや,全然そんなこと言わなんだ」と言うてということで,それはある意味きっちりやられたんだと思いますが,恐らく秋田県がやるときには本気で気合いを入れて,全国学力テスト予備テストとか,あるいは何があっても白紙で出すなというふうなことはやってたように思うんですけども,あくまでテストごとですから点を上げようと思やあ上げれるんじゃないかと思うんですが,その全国学力テストの点の上げ方について何かお考えではないですかということをまずお伺いしたいと思います。
 それから3つ目に,先ほどの中高一貫校でありますが,私は中高一貫校の県立高校の理念そのものを否定するわけでもなければ,今行ってる学校や生徒さんを否定するわけではもちろんありません。ただ,この学校があることによって,今の公立や小学校や中学校にどのような,ある意味デメリット,弊害の部分が出ているかどうか,特に地域コミュニティーでいいますと中学生や保護者の方もおられなくわけでありますから,それについての御認識を改めてお伺いしたいと思います。


(教育長)  3点ということで,まず秋田県の取り組みでありますけれども,平成19年度にこの全国学力テストが実施されまして,秋田県が上位であったと,トップであったということでありまして,早速,我々のほうも職員を秋田県に派遣いたしまして,どういった取り組みがあるのか確認をしてまいりました。現在,我々のほうでやっております単元別の到達度確認テスト,こういったようなものはそれを取り入れていったということでありますし,子供たちが自主的に学習できるような教材も開発して配布をしたと。これは期間限定ということで現在は行っておりませんけれども,そういう意味で秋田県のいいところ,例えば指導主事が学校を回って授業改善を指導していくとか,そういうふうなものはどんどん取り入れていっております。学びの十か条というのもありましたけれども,我々のほうも学びのすすめ10カ条といったようなものをつくって学校のほうへ伝えておるわけでありますけれども,要は徹底度がなかなか秋田県のような割と小ぢんまりとした地域,県とその辺がちょっと違っているのかなあというふうに思っております。
 それから,2番目の子供への働きかけということで,本気でテストに取り組んでいくという,こういう姿勢は私は当然それは必要だろうというふうに思いますし,学校であしたはテストがあるからしっかり今までの復習をしてきなさいよという働きかけやら,途中でやめて寝てるような子供がおったら起こして,頑張ってみいということは当然やってほしいなというふうに思っております。テストに当たる点の上げ方というよりもテストに対する姿勢というのは,やはりこの学力テストというのはどれだけの力がついてるかということですので,各学校におきまして年度末には,基本的には単元別が一番いいわけですけれども,そういう過程を経ながら,年度末にはどこまで到達しているのかということをこういう学力テストも活用しながら確認していただいて,不十分なところは春休みに宿題を出してそれをチェックしていくといったような,そういう地道な取り組みが必要だろうというふうに思っております。
 3点目ですけれども,中高一貫の地元に与える弊害がということでありますけれども,弊害という言葉ではどうかなというふうに思いますけれども,やはり一般的に我々が聞いておりますのは,地域の中でリーダー性のある子供が集まってきているんだという状況がありまして,なかなか地元の公立の中学校がリーダーが育たないというようなお話も聞いております。そういった面で,我々はやっぱり県立中がきちっと授業のいい授業モデルをつくって中学校の先生に示していく,そういう面での授業公開をしていくとか,それから生徒間の交流といったようなものもやっぱり積極的に進めていって,その地元の中学校をひっくるめてそういう交流をしていくことが必要ではないかなというふうに思ってるところであります。
 以上でございます。


(佐藤)  済みません,教育長祭りの状態になっとりまして,申しわけありません。
 それでは次に,いじめや不登校の問題について,以下,教育長にお伺いをします。
 いじめ,不登校の問題は,子供たちの学力をめぐる問題と私は根っこは同じだというふうに思います。誰かの責任追及をするんではなくて,平成18年の9月定例会で申し上げた提言について,改めてお伺いをさせていただきます。
 当時は黙殺をされましたけれども,提言その1の岡山っこ宣言につきましては,告知は十分とは言えませんが,先ほど教育長おっしゃられたこの7月に発表されたおかやまの子どもの生活信条,子どもの健全育成に向けた大人の生活心得に反映されたものだと思います。問題は,こうした標語を毎日唱和させたり掲示したり,いかに子供たちの心にしみ込むほど浸透させるかでありますが,教育現場における具体的な活用方法についてお伺いをいたします。
 関連して,特に新学習指導要領に対応した道徳は,副読本はあるものの教科書そのものはなく,極めて指導が難しい学習,特に高校においてはそうだと思いますが,道徳教育の現状と課題についてお伺いいたします。
 そして,提言のその2は「早寝早起き朝御飯,家族で一緒に晩御飯」でありましたけれども,これ私自身がますますできなくなったので,これはもうやめておきますが,提言その3は,14歳のあなたへという親から子へのメッセージでありました。岡山市内の当時はやや荒れていた中学校で親の気持ち,思いを子供たちに伝えれば,きっと子供たちは理解して成長してくれると担任の先生が考えられて,2年生の保護者全員に14歳のあなたへという我が子へのメッセージを書くことが冬休みの保護者への宿題として出されました。恐らく5歳のあなたへならきっと我々も簡単に伝えることができると思いますけれども,思春期の真っただ中,14歳のあなたへ親が伝え,そしてまた子供たちがそれを受けとめることがいつの間にやらいかに難しくなっているか。もちろんいろんな保護者がおられ,内容もさまざまでありますけれども,親の気持ち,思いが一冊の本にまとめられて,子供が生まれたときのこと,少しずつ親から離れていくうれしさと寂しさ,気持ちが通わなくなっていく寂しさ,それでもしかし表現方法はさまざまですが,いかに子供たちを親が愛しているか。正直に申し上げて,私はこの14歳のあなたへという文集を涙なしに読むことはできませんでした。恐らく,子供たちはなおさらだったと思います。この学校は,毎年14歳の子供を持つ保護者に子供にメッセージを書く宿題が親に出されて,3学期の参観日の授業の題材にそれをまとめた文集を使って子供たちの感想を聞く中で,親と子のお互いの思いがしっかりと伝わってか,それ以来,学校が落ちついてきたということで,この14歳のあなたへはこの学校の今,誇りになっております。
 どこの親が自分の子供がいじめられることやいじめることや暴力を振るうことや,ましてや自殺することを望んでいるでしょうか。自分の子供が苦しむのを喜ぶ親はいません。本当はどこまでも子供と本気で向き合うのは,私は学校の先生でも行政でも専門家でもなく,親でないといけないというふうに思います。5歳のあなたへ,あるいは10歳のあなたへ,あるいは14歳のあなたへという親から子へのメッセージを親の宿題にすることについて,教育長の御所見をお聞かせください。


(教育長)  お答えいたします。
 まず,いじめ問題等についてのうち,おかやまの子どもの生活信条等についてでありますが,本年2月の県民フォーラムでの提案を受けまして,県民の御意見などをもとに作成し,全ての学校・園や家庭等に配布したところであります。学校・園に対しましては,教室や廊下等さまざまな場所への掲示,幼稚園や保育所での毎朝の唱和,道徳の授業での活用のほか,児童会や生徒会による学校全体の生活目標としての取り組みなど,積極的に活用するよう働きかけているところであります。また,幼いころから遊びの中で身につけられるよう,かるた等の作成についても検討してまいりたいと存じます。
 次に,道徳教育の現状等についてでありますが,豊かな人間性を育み社会の中で活躍する人材を育てる上で,道徳教育の果たす役割は非常に重要でありますが,教材や指導方法等の工夫が十分でなく,子供たちに道徳性が身についていない状況も見られるところであります。現在,郷土の先人や文化遺産等に学ぶことや自然体験,社会体験等の活動を工夫していることに加え,新たにこのたび作成した子どもの生活信条を活用することも考えておりますが,何よりも指導に携わる全ての教員の指導力の向上や子供たちの心に響く教材の開発が課題であると考えているところであります。
 最後に,親から子へのメッセージについてでありますが,お話の14歳のあなたへといった親の思いや願いを子供に伝える取り組みは,10歳での2分の1成人式や14歳での立志式等の場を活用して取り組んでいる学校もありまして,親がきちんと子供に向き合い,子供も親のぬくもりを感じたり,自分を振り返り,将来を見詰めることにつながっていると聞いているところであります。子へのメッセージを親の宿題とすることにつきましては,複雑な家庭環境にある子供たちにも配慮する必要がありますが,親の意識を高める方法と考えておりまして,こうした取り組みを学校やPTAに紹介してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  最後に,教育委員会そのものについてお伺いいたします。
 今議会の答弁でも教育長から市町村教育委員会に指導,助言という言葉が頻繁に使われておりますが,この上下関係というのが私は理解しかねるのですが,市町村教育委員会の独自性という観点からしても,そもそも小中学校と高校が市町村と県の別々の教育委員会に委ねられている意味は何なのでしょうか。特に,小中学校の教育現場との忌憚のない意見交換をどのように行われているのか,教育長にお伺いをいたします。
 また,教育委員会も独立の行政委員会ではありますが,民主的なコントロールを及ぼすという意味では,あくまで民間から議会の同意を得て任命された教育委員の方の役割は極めて大きいものがございます。教育委員が民意をいかに教育行政に反映させているのか,またそのためにどの程度,教育現場を回られたり公聴会等の開催をされているのかお伺いをいたします。
 また,知事と教育委員の定期的な意見交換がどの程度行われているのか,教育委員長職務代理者にお伺いをいたします。


(教育長)  お答えいたします。
 教育委員会についてのうち,市町村教育委員会との関係等についてでありますが,小中学校は児童生徒の通学距離や通学時間等の観点から身近な市町村に設置が義務づけられ,市町村教育委員会が義務教育の実施主体として責任を負うこととなっており,県は市町村教育委員会の自主性を尊重しつつ,必要に応じて指導,助言を行い,県下の義務教育の水準確保の責務を担っているところであります。高等学校は,多様な学科の設置や学校規模の適正化など全県的な教育の機会均等を図るため,主に県が実施主体となっているところであります。
 また,意見交換につきましては,これまでも本庁や教育事務所等の職員が日常的に学校を訪問し,行ってきたところでありますが,今回の学力や問題行動調査の結果を受けまして,先般から教育庁幹部職員が県内の小中学校を訪問し,直接,管理職や教職員から忌憚のない意見を聞き,共通理解を図り,一丸となって教育課題の解決に取り組むよう働きかけているところであります。
 以上でございます。


(教育委員会委員長職務代理者)  お答えいたします。
 民意の反映等についてでありますが,教育委員は年齢,性別等に偏りが生じないようにするとともに,必ず保護者を含む構成としており,それぞれの知識と経験をもとに教育委員会会議で議論し,教育行政に関する重要事項や基本方針を決定しております。また,教育委員が学校や市町村教育委員会はもとより,地域の方々や公安委員など幅広い分野の関係者と年10回程度,意見交換を行ってるほか,外部有識者の知見を活用した自己評価も実施するなど,教育行政に関するさまざまな意見の把握に努め,教育施策に反映させております。さらに,年に1回,定期的に知事との意見交換会を実施しており,昨年度末にはグローバル人材の育成や落ちついた学習環境づくりなどについて議論したところであります。また,教育委員の一人でもあります教育長は,日ごろから十分に知事と協議を行いながら,本県教育の諸課題に対応しております。
 以上でございます。


(佐藤)  今回は本当に教育長に質問を絞らさせていただきましたが,それだけ今,事態が深刻だということで,特に私の子供も6年生ということがありますが,本当に今,子供たち,いじめ,不登校,これがあるから例えば地元の中学校に行かせるのが怖いから県立の中高一貫校に行かせたい,そういう保護者も実はいるんです。それだけ今,学校が荒れてる状況になっている,もう事態はかなり深刻と言わざるを得ない。そして,今,多くのこの答弁の中でこれだけ皆さん頑張っているのに,にもかかわらずこの全国の統一のテストでやると岡山が下位になる。これは大変な事態だと言わざるを得ません。
 原因がわかっているけどわからない,この状態の中でも今やるべきことは,石井知事がこの任期,特に今,ことしラストイヤーになりますが,財政危機宣言を発令されて4年間で行財政構造改革を行われたように,これは全国で本当に恥ずかしいことでありますけれども,私は今,岡山県は教育危機宣言を発令して,本当に岡山県挙げてみんなでやろうと,これを解決しようと。そうしたこれは特に教育の日が11月1日にありますけれども,誰のせいではない,自分が悪いんだと,自分が頑張れば子供たちようなるよということで力を合わせるようなそうした宣言,全国に初めてのとても恥ずかしい宣言でありますが,ただ3年,5年たったら,あの教育危機宣言をした岡山県が何と秋田県を抜いて全国1番になっとるぞと,そうしたら夢をやっぱり描いていきたいと思いますが,ぜひ教育危機宣言を,恥ずかしい宣言をしていただけないでしょうか,教育長にお伺いいたします。


(教育長)  教育危機宣言の発布をということでございますが,実は私も今回,学力向上アクションプラン5年目のその総決算の結果,四十五,六位という順位だけではなくて,平均正答率が全国からまた離れてしまったと。そういう状況に加え,不登校,それから暴力につきましては,これは600件ほど件数は減っておるわけですけれども,全国的にまた厳しいということで,実は同様の思いを持っているわけでありますけれども,一方で確かにどうなのかなというそういう部分もありまして,現在どうするかということ,やるんなら市町村の教育委員会あるいはPTAともどもやっていく必要があるんだろうなということで,今後もそういう思いは持ちながら調整をして,そしてみんなが心を一つに岡山県の教育を立て直していくんだというそういうことになるんなら,思い切って頑張っていくのも手かなというふうには考えているところでございます。
 以上でございます。


(佐藤)  今回の議会で石井知事が退陣されますけれども,本当に行革を頑張ってくださった,そして成果も出ているということで,まさにこの石井知事の思いも教育行政の中で引き継いでいって,全国でとても恥ずかしいことかもしれませんが,しかしそれを乗り切る岡山県ということで,ぜひこれは要望でありますが,恥ずかしいけれども,全国初の教育危機宣言を発令して,岡山の子供たちを全国一にするために頑張っていただきたいというか,私も頑張りますので,ぜひよろしく御検討をお願いいたします。ありがとうございました。

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