平成23年6月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 防災対策の強化等について
 (1)プロジェクトチーム等
   ア 庁内での数等           (総務)[総合政策局長]
   イ 県内の経済対策等         (総務)[ 知  事 ]
 (2)地域防災計画
   ア 編成               (総務)[ 危機管理監 ]
   イ 津波               (総務)[ 知  事 ]
   ウ 平常時の備え           (総務)[ 知  事 ]
 (3)中央構造線             (総務)[ 知  事 ]
 (4)児島湾締切堤防
   ア 安全性の確認等          (農水)[ 知  事 ]
   イ 地域の安全確保      土木協力(農水)[ 知  事 ]
   ウ 笹ヶ瀬川の整備方針    農水協力(土木)[ 知  事 ]
 (5)30年後の県庁舎等         (総務)[ 知  事 ]

2メガソーラーの誘致について    産労協力(保福)[ 知  事 ]

3 文化行政について
 (1)哲学                (環文)[ 知  事 ]
 (2)林原
   ア 美術館への支援          (環文)[ 知  事 ]
   イ 駅前の広大な土地への対応     (土木)[ 知  事 ]
 (3)カルチャーゾーン      教育協力(環文)[ 知  事 ]
   ア 施設の連動
   イ 共通入場チケット
   ウ 周りを含めた活かし方
(4)桃太郎少年合唱団       環文協力(保福)[ 知  事 ]

4 岡南飛行場等について
 (1)役割の認識等            (県生)[ 知  事 ]
 (2)スポットライトを当てる催し     (県生)[ 知  事 ]
 (3)愛称等によるアピール        (県生)[県民生活部長]

5 NPOと新しい公共について
 (1)法改正の評価等           (県生)[ 知  事 ]
 (2)既存の組織の応援          (県生)[ 知  事 ]
 (3)新しい公共の担い手育成支援事業   (県生)[県民生活部長]
 (4)新しい公共の場づくりのためのモデル事業
                      (県生)[県民生活部長]
 (5)行政サービスの変化         (県生)[ 知  事 ]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。
 改選後,最初の議会でトリを務めさせていただきますことを,心から感謝申し上げます。
 いつか今を振り返ったときに,奇跡の戦後復興に匹敵する震災後復興をなし遂げたと言ってもらえるよう,私も全力で質問及び提言をさせていただきます。
 さて,恐らく台風2号が通過したときに,多くの岡山県民の皆様が,「やっぱり岡山県は安全だなあ」と思われたに違いないと思います。私は,確かに災害は少ないですが,一たび災害があれば,むしろ岡山県は非常にもろいというふうに感じております。ところで,知事は,東日本大震災を受け,2つのプロジェクトチーム(PT)をつくられました。防災強化検討プロジェクトチームと震災影響検討プロジェクトチームがそれでございますが,こうしたプロジェクトチームは,各部の主管課,担当課課長が集まられる連絡調整会議のようにしか見えないときがございますが,庁内に一体幾つあるんでしょうか。そして,今まで,PTの中間報告なり,最終報告というのも余り見たことがないんですが,今回はいかようにされますか,あわせて総合政策局長にお伺いいたします。
 そして,県では,民間の活動を多く含めて,「東日本大震災への対応状況について」という文書をまとめています。各課ごとにどんな対応をしたかが書かれておりますが,多くは現地派遣で,被災地向けの対応と東日本大震災の影響を受ける県内中小企業者のための県制度の融資や相談窓口の設置が同列に掲げられております。私は,県内の経済対策と防災対策,特に危険地域のチェック,あるいは国所管施設についての要望など,県内に対して各部・課が何をやったのか,何をやるのかが,復興支援と同様の問題であると思いますが,そういう取りまとめはなされないのか,お伺いいたします。
 ところで,3月に災害対策基本法に基づき県の附属機関として設置されている岡山県防災会議が,岡山県地域防災計画をまとめられました。これは,震災対策編,風水害等対策編,原子力災害等対策編の3部に分けられておりますが,国民保護法に基づく岡山県国民保護計画と並んで,いわゆる電話帳のような冊子が4部ございます。正直なところ,各編はかなり内容がもちろん似通っておるわけでございますが,今回の東日本大震災では,災害が複合的に発生しており,各編に分けていても使えなかったという部分があると思います。今後,こうした編成についてどのようにお考えになられますか,危機管理監にお伺いをいたします。
 また,風水害等対策編は,暴風等による災害,大雨等による災害,高潮による災害や異常気象による災害を想定しておりますが,高潮・洪水という言葉はあっても,津波という言葉がありませんし,震災対策編でも,津波災害予防計画の項目は1ページだけでございます。そして,ここで岡山県地震・津波対策専門委員会が設置されましたが,端的に津波については,今までどのように考えられ,さらにことし,地域防災計画の津波の項目の修正を行われるか,お伺いいたします。
 それにしても,震災対策編の問題の指摘には,本当にぞっとするものがございます。「阪神・淡路大震災において,平常時の備えの不十分さが指摘されたが,岡山県においても,災害の少ない地域という認識が阪神地方に増して強く,家庭,事業所等における地震に対する生活必需品の備蓄は十分ではない」あるいは「避難路については,現在指定されておらず,また,避難地についても表示等が十分とは言えない」また,「阪神・淡路大震災でも明らかになったように,複数の被害が同時多発的に発生する地震被害に対しては,備蓄資財の内容及び数量等の一層の充実が必要である」こうした指摘が防災計画の中で既になされても,その対策を具体的に行わないと,これは意味がありません。このことについての今後の対応をお知らせください。
 また,東南海・南海地震防災対策特別措置法に基づいて,第4章で,東南海・南海地震防災対策推進計画で章を割いておりますが,これが特別措置法の影響なのか。国の中央防災会議の影響なのか。同規模の地震が想定される大原断層や中央構造線の一部が震源地になる地震については,章を立てておりません。中央構造線は,関東から九州へ西南日本を縦断する大断層系,いわゆるフォッサマグナてございますが,一部は活断層でございます。岡山県の近隣では,徳島市から佐田岬半島北側の沖合を通って豊予海峡に入っており,部分的に活断層が見られます。確かに,歴史時代以降の活動歴は少ないんですけれども,逆にエネルギーが蓄積されていると考えられ,要注意断層でございます。30年の間にマグニチュード7から8クラスの地震が発生する可能性が,我が国の活断層の中ではやや高いグループに属しております。そして,想像される震源地が非常に近いため,津波や液状化現象についても,東南海・南海地震とは異なるシミュレーションが必要だと思います。特に,中央構造線の一部を震源地とする地震について,東南海・南海地震とは別に考える必要性についていかようにお考えか,お伺いいたします。
 次に,具体的に地域を絞ってお伺いさせていただきます。
 まずは,1959年に,国営児島湾沿岸農業水利事業として完成した児島湾締め切り堤防についてでありますが,長さは1,558メートル,国から委託を受けて岡山県が維持管理しております。岡山海岸保全事業として締め切り堤防一連の施設が改修はされましたが,そもそも厚さ15メートルから20メートルに達する軟弱な海性粘土層に築造されているため,構造物としては必ずしも強固なものであるとは言えません。そして,児島湾締め切り堤防上の道路は,御案内のとおり,路線バスを除く大型車両の通行はいまだに禁止され,これにかわる道路として,児島湾大橋が1983年に完成しております。私は,地震により液状化して崩壊した児島湾締め切り堤防を津波が破壊して,笹ケ瀬川,倉敷川を海水が逆流するというのが想定できる最悪の事態だというふうに思いますが,端的に国の施設である児島湾締め切り堤防は大丈夫なのか。国に対して安全性の確認,強化を強く求めるべきだと思いますが,お考えをお聞かせください。
 関連して,児島湾締め切り堤防で遮られた児島湖内部で,なぜか締め切り堤防西南側の地区だけ堤防がございません。言うまでもなく,背後地は県が分譲する住宅街でありますが,児島湾にいわば排水ができない事態が想定される場合の児島湖の水位の調整も含めて,地域の安全の確保についてお伺いをいたします。
 加えて,児島湖に流れ込む倉敷川や笹ケ瀬川について,河川行政からいえば,本来は堤防等の整備というのは,河口部からというのが一般的でございますが,笹ケ瀬川については,足守川との合流点以南について,老朽化した脆弱な堤防になっております。今後の整備方針についてお知らせください。
 この項最後に,県庁舎の耐震化についてお伺いいたします。
 厳しい財政状況ではあるが,耐震化については災害時の応急活動や復旧活動,避難・救助活動の拠点となる施設を優先する。このことを基本と考えると,本部機能を担う県庁舎は,早期の耐震化が必要だという理屈になります。ただ,知事は,平成20年2月定例会での,道州制が導入されたら具体的にどうなるのかという,私の一般質問に対して,「例えばこの県庁の建物が,議事堂がどうなっていくんだとか,あるいは抱えております負債がどうなるのかと,こういったようなことの具体的なイメージは,残念ながらまだ描ける段階ではございません」と,このように答弁されております。道州制を目指す中で,今後どのように使われるのか,御自身でもわからない建物について,また,図書館という代替があるにもかかわらず,耐震化の検討をなされるということでございますが,この際,これはあくまで例でありますが,県庁舎については,耐震化構造にするぐらいならば,マンションを伴う産業観光オフィスビルとして有効活用が可能な,この内山下の土地を備前県民局の土地と一緒に売却する。そして,県警本部と一緒に,例えば中四国州の核を目指す中で,県庁舎から州施設にかわるというのならば,中四国の交通の結節点,高速道路も空港も近く,地盤も強い,吉備高原都市への移転・新築まで含めて,こういうことも検討するというように,もう少し柔軟に考えるべきではないでしょうか。さらに,この理屈からいくと,築58年の老朽化知事公舎の耐震化構造を進めるということになりますけれども,耐震化の前提として,そもそも県庁舎が内山下にあるべき合理的な理由も含めて,30年後の県庁舎と知事公舎が何に使われているとお考えか,あわせてお知らせをください。30年耐震化するということは,そういう意味ですから。
 次に,メガソーラーの誘致を目指して20カ所の候補地を発表され,10件の誘致を掲げ,事業計画の提案を前提とした事前登録に23業者から応募があったことは,歓迎すべきことだと思います。ただ,その候補地の中に,内尾グラウンドが入っていることについて,知事のお考えをお伺いしたく思います。
 12ヘクタールもの広大な平地であるこのグラウンドについては,もともとは公害防止センター用地として確保されたものであり,現在は目的がないままに,保健福祉部が持っているために,地域の子供会が一部草刈りなどを行って管理しながら,行政財産の目的外使用として,厚意でスポーツ大会などに無償で貸し出されているのが現状でございます。このグラウンドの利用頻度は,極めて高く,子供会のソフトボール大会や老人クラブのグラウンドゴルフ,消防団の訓練など,環境保健センターが貸し出し窓口になって,土日などはかなりにぎわっております。ただ,使用条例がないために,目的外使用を公認することはできず,一方で,最も利用者の要望が強いトイレの整備は,ずっと断ってきた,そうした経緯がございます。目的外使用であったことに負い目があるので,利用者には一方的な通告で事足りるという判断があったのかもしれませんし,既得権益が発生しているとは,もちろん言えませんけれども,候補地として発表される4月28日,学年がわりのこの時期は,PTAはもちろん,子供会の保護者の執行部体制すら整っていない時期であります。どれだけ関係者の御理解が得られたのか,私には大変疑問でございます。保健福祉部とすれば,目的外使用をさせてやっている。産業労働部は,メガソーラーの企業立地誘致をする。どちらもスポーツ振興や子供たちの健全育成については,あるいは責任を直接負わない部なのかもしれません。しかし,県民の皆様の土地について,どうあれ現に利用活用されている県民がおられるにもかかわらず,何よりも子供たちがいるにもかかわらず,県が一方的に処分の方向を決めることが正しいんでしょうか。どうして候補地を急いで発表されたのか。また,内尾グラウンドなのか,知事のお考えをお聞かせください。
 次に,知事は,昨年度開催した国民文化祭の成果を継承・発展し,新たな文化の創造と文化を核にした地域づくりに向けた取り組みを進めていくことが重要だとおっしゃられました。しかし,第9回おかやま県民文化祭のメーンフェスティバル,県民局ごとの地域フェスティバル,岡山芸術回廊などの事業の開催が中心で,イベント重視の感は否めないと思います。まずは,既存の文化の尊重や継承・発展に対して,新たな文化の創造ということでありますが,そもそも文化とは何なのか。創造というのは,どういう意味なのか。昨年の国文祭の成果を含めて,知事の文化行政における哲学を教えていただければと思います。
 ところで,文化ということでは,石井知事が財団法人の理事長を務めておられる林原美術館の問題がございます。
 林原の件は,岡山県経済においても極めて残念なことでありましたが,一方で,同社はメセナ事業にも極めて熱心で,林原共済会を通じて福祉文化活動を行い,林原美術館,林原自然科学博物館なども運営しております。当時の三木行治知事も深くかかわって,財団法人を設立し,1964年に開館した林原美術館については,役員会では更生手続によって同財団の約1万件の所有品とは別に,同社や前社長からの指定文化財を含む寄託品の散逸,これを懸念する声が浮上して,岡山ゆかりの資料も多いし,文化財保全の観点から,従来どおりの一括保存を求める考えでまとまったというふうにされておりますが,その後どうなったのか。また,岡山県としてもえにしの深い林原美術館に対して,いかような支援を行われるのか,お知らせください。
 これに関連して,林原グループは,岡山駅至近の一等地に大変広大な土地を持っており,長らく本社や林原モータープールなどに利用され,「ザ ハヤシバラシティ」構想もございましたが,県都岡山市の玄関口の広大な土地であるだけに,私は行政としても推移を見守るだけのような対応はすべきではないというふうに思いますが,御所見をお聞かせください。
 さらに,カルチャーゾーンについてでありますが,岡山県立博物館内に岡山カルチャーゾーン連絡協議会がありますが,御案内のとおり,後楽園,県立博物館,県立美術館,天神山文化プラザ,県立図書館,ルネスホールは県の施設,そして岡山城,シンフォニーホール,オリエント美術館,岡山市民会館は市の施設,夢二郷土美術館,林原美術館は民間の施設でございます。これに加えて,すばらしい画廊もたくさんある。これらの施設それぞれに青少年の体験学習や若手育成など,文化活動の登竜門のような事業が継続的に行われていて,私はしかるべきだと思いますし,いわゆるアワードもあってもよいはずだと思いますが,単発のイベントをするのではなくて,カルチャーゾーン内の施設が連動する動きが求められますが,現状をお知らせください。
 また,平成18年2月定例会でも指摘させていただきましたが,国民文化祭を経て,なお県と市と民間の施設の共通入場チケットすら,いまだに存在しておりません。まさに失礼な言い方になりますが,これが縦割り行政の象徴的な姿であるというふうに思います。カルチャーゾーンの周遊ループバスであったり,水上交通があって,普通の町,文化の創造以前の問題ではないかというふうに思いますが,御所見をお聞かせください。
 何より,県都岡山市において,県立児童会館改め未来科学棟,生涯学習センター,池田動物園,京山ソーラーグリーンパーク,岡山光量子科学研究所,岡山国際交流センター,きらめきプラザ,総合グラウンドと,このカルチャーゾーンも含めて大回遊したら,岡山の文化に触れて,子供たちの可能性が無限に広がるゾーンになりますが,このゾーンの生かし方についてもお考えをお知らせください。
 さらに,文化の継承・発展ということでは,桃太郎少年合唱団がございます。1962年の岡山国体開催を記念して,ウィーン少年合唱団の倉敷青陵高校体育館での演奏に強く感動された,当時の県知事三木行治元知事の提案で,青少年の健全育成と地域音楽文化向上を目的に創設されたのが桃太郎少年合唱団であります。いよいよ来年,創立50周年を迎えますが,今も岡山県の誇る少年合唱団であり続けることに,心から感謝と敬意を表させていただきます。ただ,少年少女合唱団は全国約1,000団体と推計されるんですけれども,40団体以上あった少年合唱団は,約10団体と減少しております。減少の理由は,著しい少子化,学習塾の隆盛,少年のスポーツ志向,経済的問題に加えて,規律と気品を重んじ,協力的態度を持つ少年を育てる社会教育事業の一つとして設立されたものの,行政を含めたバックアップ体制が弱まっているということも,私はあると思います。桃太郎少年合唱団については,本来であれば,「晴れの国おかやま国体」でも,国文祭でも,もっともっとスポットライトが当たるべきであったように思います。桃太郎少年合唱団への支援についてお考えをお知らせください。
 次に,私は航空産業学習,航空産業拠点としての岡南飛行場の可能性を信じている者ですが,意外にこの岡南飛行場の潜在能力が認識されていないように思います。特に,小型機専用飛行場にシフトしていくと思われた近隣の広島西飛行場も,この5月に広島県知事と広島市長が会談し,県が提案するヘリポート化を市が受け入れて,廃港が決定。今後は,2012年10月を目途に,県と市が共同でヘリポート運営を行うとされております。ある意味,中国地方における岡南飛行場の役割がどんどん大きくなっていると思いますが,知事の御認識をお知らせください。また,バブル経済の崩壊の中で,岡南飛行場が残された背景には,岡山県航空協会さん初めスカイパーク構想を掲げた大きな運動がございました。当時の第4次岡山県総合福祉計画では,「今後の小型航空機の需要の増大に対処するため,小型機専用飛行場として,駐機場,格納庫などの整備を図るとともに,広く県民が飛行機に親しめるよう施設整備を進める。また,操縦士,整備士の養成基地として充実を図る」と,計画されております。改めて岡南飛行場が残された理由が,今どのように生かされているのか,今後生かしていくのか,あわせてお伺いいたします。
 ところで,2009年度は,管理運営に係る収支で1億8,600万円もの赤字を計上した岡南飛行場について,平成23年2月定例県議会で,知事は,「今後とも,効率的な管理運営に努めて,格納庫用地等への立地促進に積極的に取り組むとともに,小型機専用飛行場ならではの特色を生かしたにぎわいを創出して,岡南飛行場の活性化を図る」と答弁されました。この小型機専用飛行場ならではの特色を生かしたにぎわいの創出についてでありますが,開港から満20周年を迎えた岡山空港開港20周年記念祭が開催されたときも,同じ20周年の岡南飛行場は黙殺されました。地域や関係者が一体となって,そろそろ岡南飛行場にスポットライトを当てる催しを開催すべきだと思いますが,知事のお考えをお知らせください。
 ところで,1785年,岡山城下の京橋から滑空し,まさに日本で初めて空を飛んだとされる浮田幸吉,その名も「鳥人幸吉」は,岡南飛行場対岸の備前国児島郡八浜の出身でございます。言ってみれば,世界で初めて飛行機で空を飛んだというのが,岡山県人ということでございますが,1997年には,所払いされていましたが,旧岡山藩主池田家当主池田隆政様より岡山所払いは許されております。今の岡山の子供たちに,郷土の偉人「鳥人幸吉」の魂を施策として生かすことができないか。また,岡南飛行場あるいは岡山空港の愛称を「鳥人幸吉飛行場」,あるいは「鳥人幸吉空港」として,航空産業の成果物の展示や幸吉の資料などを展示・顕彰し,空に向かう岡山県の勢いをアピールしてはどうかと考えますが,あわせて県民生活部長の御所見をお伺いします。
 最後に,NPOと新しい公共について伺います。
 6月15日に,超党派のNPO議員連盟による議員立法の特定非営利活動促進法(NPO法)改正案が衆参本会議,両方で全会一致で可決されました。これは,1998年3月にNPO法が成立して以来の抜本的な改正でございます。これは,私も非常に高く評価できるものだと思いますが,同時に国からの流れで,県レベルでも責任がかなり生じてくるということでございますが,まずは,今回のNPO法改正の評価と決意についてお知らせください。
 ところで,この春,国からの新しい公共支援事業交付金を活用して,岡山県新しい公共支援事業を立ち上げようとしておりますが,ただ新しい公共,NPOという言葉は使わなくても,地域には町内会初めさまざまな既存の組織がある。こうした組織は,もっと応援すべきように思いますが,知事の御認識をお知らせください。
 ところで,今回の事業は,岡山県新しい公共の担い手育成支援事業と岡山県新しい公共の場づくりのためのモデル事業に分けられておりますが,前者は3,400万円規模の大事業で,委託対象となる中間支援組織も限られている。なぜ協働でなくて委託なのか,県民生活部長にお伺いします。
 後者については,募集の期間が余りに短く,そしておおむね5団体以上で,行政と必ず連携することが要件として求められていますが,これでは新しいNPOが新しい公共空間をつくろうにも,とてもモデルとしては加わることができない。これがNPO支援になっているのか,県民生活部長の御所見をお聞かせください。
 私は,行政とNPOとの人事交流が行えるぐらいになって初めて協働は成立するのではないか。端的には,NPOの人材を行政の担当課のトップに据えるぐらいの,そうした覚悟があって,時代の流れに沿った行政サービスに変化するように思います。ただ,こうして減税措置という,いわゆる選択的納税の対象として,専門性や機動性があるNPOや新しい公共が成長してくるに伴って,いずれ行政はむしろルーチンワークを行うか,ただの行政サービスの発注機関にしかならなくなるんじゃないか,そんな気すらしております。ある意味,このNPO,新しい公共支援というのは,行政の覚悟が必要でございますが,お考えをお知らせください。
 以上,まずは質問,とりあえず終わらさせていただきます。まことにありがとうございます。


(知事)  自民党の佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 数多くの御質問をいただきました。私は,佐藤議員のように早口でしゃべれませんので,できるだけゆっくりとわかりやすく御答弁申し上げたいと思います。
 まず最初に,防災対策の強化等についての御質問であります。プロジェクトチーム等であります。
 最初に,県内の経済対策等についてでありますが,このたびの震災に対応するための県内の産業面での対応につきましては,御質問にもございましたが,これまで県内中小企業者のための県融資制度,県制度融資,あるいは相談窓口の設置などを行ってまいりましたが,震災影響検討プロジェクトチームにおいて,引き続きさまざまな対策を検討しております。また,防災対策につきましては,現在,防災強化検討プロジェクトチームを中心にいたしまして,ソフト・ハード両面から具体的な対策を検討しております。両プロジェクトチームが行う中間報告や,来年早々に取りまとめ公表する最終的な検討結果によりまして,御指摘をいただきました県内への対策につきましても,まとめてお示しできるものと考えております。
 次に,津波についてでありますが,これまで東南海・南海地震に伴う津波が本県に大きな影響を及ぼすものであることから,地域防災計画の震災対策編において,津波に係る被害想定や予防計画等を定めますとともに,市町村に対しまして,津波ハザードマップや津波避難誘導計画の作成等を助言してきたところであります。このたびの震災では,津波が甚大な被害をもたらしたことから,いつ起こるかわからない津波等から人命を守る避難対策等を速やかに検討するため,県地震・津波対策専門委員会の御意見をお伺いしながら,本年度中に行う地域防災計画の見直しの中で,津波対策についてもより具体的に検討してまいりたいと存じます。
 次に,平常時の備えについてでありますが,御指摘のとおり,生活必需品等の備蓄や避難地の表示等に関しまして,平時から備えておくということは重要であると存じます。県の防災強化検討プロジェクトチームでは,避難を中心といたしまして,各市町村の防災対策について,その現状や課題を洗い出したところでありまして,また,現在の食料や生活必需品につきましても,備蓄計画の妥当性を再検討する必要があると考えているところであります。今後,これらの課題に対しまして,県地震・津波対策専門委員会の御意見もお伺いをしながら,具体策を検討いたしまして,市町村と連携して,できるだけ速やかに実行いたしたいと考えております。
 次に,中央構造線についてでありますが,本県の地震防災対策上重要と考えられる地震の一つといたしまして,中央構造線の一部を震源とする地震を,地域防災計画の中で位置づけております。中央構造線の一部を震源とする地震は,活断層による地震でありまして,海溝型地震であります東南海・南海地震とは発生メカニズムが異なることから,お話のとおり,被害想定に当たっては,異なる手法で行うことが必要であると考えております。
 次に,児島湾締め切り堤防についてであります。
 まず,安全性の確認等についてでありますが,国に確認をいたしましたところ,堤防は改修時の耐震設計基準に基づいて建設されておりまして,一定の耐震性は確保されているとのことでありました。しかしながら,このたびの東日本大震災によります被害の状況から,地震・津波への対策を検討する必要があると認識いたしておりまして,万が一堤防が決壊した場合には,周辺の広大な農地や公共施設,さらには地域住民の生命,財産に大きな被害が予想されることから,引き続き耐震性に関する詳細な情報の提供を求めますとともに,今後発生することが予想される地震・津波の対策に万全を期するよう,施設の設置者であります国に対し強く求めてまいりたいと存じます。
 これに関し,地域の安全確保についてでありますが,児島湖は,干拓農地の水源としての役割を有しておりますため,湖内を一定の水位に保つ必要がありますが,洪水が予測される場合におきましては,あらかじめ干潮時に締め切り堤防の樋門操作によって,児島湖の水位を下げるなど,適切な排水管理に努めているところであります。
 また,干拓地の浸水対策として,岡山沿岸海岸保全基本計画に基づきました堤防の整備や排水機場の設置を進めているところでありますが,お話の場所は,岡山市が管理する郡漁港区域内に位置し,同計画に基づいて岡山市において海岸保全施設を整備することとされていることから,岡山市に対して整備の促進を申し入れてまいりたいと存じます。
 笹ケ瀬川の整備方針についてでありますが,20年に河川整備計画を策定し,現在最も流下能力が低い足守川合流点から上流の白石橋までの約2キロメートル区間の整備を重点的に行っているところでありまして,お話の足守川合流点から下流の笹ケ瀬橋までの堤防整備につきましては,現在実施中の区間の進捗状況を踏まえまして検討してまいりたいと存じます。
 次に,県庁舎の耐震化等についてでありますが,東日本大震災を受けて,防災対策拠点の早期強化が求められている中,これまでの東棟増築や西棟耐震改修の状況,また,厳しい財政状況などを考えますと,巨額の費用を要する移転・新築よりも,現県庁舎の耐震化のほうが現実的であると考えております。また,30年後の県庁舎につきましては,道州制が実現しているといたしましても,物理的な限界である築100年が迫っておりまして,知事公舎も含めまして,実際にそのときに何に使われているかは,確たることは現時点で申し上げることはできないところでございます。御理解をいただきたいと思います。
 次に,メガソーラーの誘致についてでありますが,お尋ねの内尾県有地は,公害防止センター基本構想を実現するために,昭和50年前後にかけて取得したものでありますが,当面の利用計画がなかった部分について,地方自治法上の目的外使用といたしまして,地元の方々の御要望にこたえ,使用いただいているところであります。先般,市町村等の協力も得,未利用地等の情報収集を行い,20カ所のメガソーラー誘致の候補地を取りまとめたところでありますが,内尾県有地の地元関係者に対しましては,県の新たな事業により使用できなくなる可能性がある旨の説明を行い,御理解いただいたものと考えております。
 なお,公表の時期につきましては,メガソーラー誘致の方針を発表いたしまして以来,候補地公表の要望が多く寄せられたということを受けまして,早期に取りまとめをして公表したものでありまして,御理解賜りたいと存じます。
 次に,文化行政についてであります。
 まず,哲学についてでありますが,文化は人々の共感する心をはぐくみ,地域を元気づけてくれるかけがえのないものでありまして,地域の特色ある文化は,個性豊かな地域をつくり,人々の誇りと愛着を育てるものであります。国文祭では,郷土の歴史や文化に対する県民の意識が高まり,主体的な文化活動が盛んになりますとともに,分野や地域,世代の枠を超えた連携と交流によりまして,新たな文化の創造にもつながるなど,大きな成果があったと感じているところであります。こうした国文祭の成果を継承・発展させ,文化の持つ力により,県民一人一人が生き生きと輝き,心豊かに生きることができる岡山県をつくってまいりたいと存じます。
 林原美術館への支援についてでありますが,3月に財団法人林原美術館の理事等の連名で,株式会社林原の更生管財人及び所管の裁判所あてに,収蔵品が分散しない更生計画案の作成に配慮を求める嘆願書を提出いたしましたが,その後,県内76の博物館,文化施設等が加盟する岡山県博物館協議会からも,更生管財人等に同様の嘆願書が提出されたところであります。池田家ゆかりの品々を含む林原美術館の収蔵品は,岡山の地で一体的に保存されることで価値がさらに高まるものであると考えておりまして,そういった方向でスポンサー企業の選定が進むことを強く期待し,動向を注視してまいりたいと存じます。
 駅前の広大な土地への対応についてでありますが,この土地は岡山市のまちづくりはもとより,岡山県の将来の核ともなる極めて貴重な空間でありまして,市及び県の発展につながる土地利用が行われることを期待し,また,強い関心を持っているところであります。今後とも,会社更生手続の動向を注視いたしますとともに,まちづくりの主体となる市から相談がありますれば,適切に対応してまいりたいと存じます。
 カルチャーゾーンについてのうち,施設の連動についてでありますが,地域内の12施設で構成する岡山カルチャーゾーン連絡協議会を中心に,相互の連携を図り,周遊マップの作成・配布や各施設の催し物等が一目でわかる共通ホームページでの情報提供に取り組んでまいりましたほか,特に昨年は,国文祭を記念いたしましたスタンプラリーの実施,地元のプロやアマチュアの合同による鳥人幸吉をモデルとしたオペラを上演するなど,だれもが参加でき,楽しみ,感動できる機会の充実に努めているところであります。さらに,ことしから実施する岡山芸術回廊においては,さまざまなワークショップや子供たちがカルチャーゾーンを探検する催しを開催するなど,岡山の文化を担う人材の育成にも引き続き努めてまいりたいと存じます。
 これに関しまして,共通入場チケットについてでありますが,これまでも岡山カルチャーゾーン連絡協議会の場で検討されてきたところでありますが,1つ問題がありまして,と申しますのも,入館料が通常と異なる特別展,これは複数の企業や団体等との実行委員会形式で運営されている場合が多いといったようなことでありまして,こういったことなどから,現時点で実現に至っていないというものでございます。しかしながら,現在,各施設の割引券がついた周遊マップを作成・配布いたしておりますほか,エリア内5施設が相互に割引制度を設けるなど,回遊性を高めるよう努めておりまして,今後とも,これまでの割引制度の有効性を検証しながら,カルチャーゾーンをより多くの人々に楽しんでいただけるように工夫してまいりたいと思います。
 なお,歴史・文化施設が集中し,景観にも恵まれましたこのカルチャーゾーンは,歩いて楽しいまちづくりということを目指しておりまして,周遊バス等につきましては,今のところ考えていないところであります。
 周りを含めた生かし方でありますが,お話のゾーンで申し上げれば,例えば半日は京山周辺で科学や動物に触れ,あるいは総合グラウンドでスポーツを楽しみ,残る半日はカルチャーゾーンで歴史・文化・芸術に親しむなど,子供にとって有意義な行程が組めると考えられます。カルチャーゾーンを中核として,岡山市内の各文化・スポーツ施設が連携を図ることによって,新しい岡山の魅力づくりにもつながる可能性があることから,今後,岡山市と連携しながら取り組んでまいりたいと存じます。
 次に,桃太郎少年合唱団についてのお尋ねでございます。
 財団法人桃太郎少年合唱団の理事である佐藤議員から御質問がありましたので,名誉会長である私のほうからお答えをいたしたいと思います。
 約50年にわたる合唱団の活動は,次代を担う青少年の健全育成や文化振興への貢献につながるものでありまして,また,国文祭では定期演奏会を国文祭応援事業として開催いたしますとともに,県少年少女合唱連盟の一員として,岡山市主催の合唱の祭典でも活躍されたところであります。これまで県では,生涯学習センターでの練習拠点の提供,桃太郎少年合唱団も加盟している少年少女合唱連盟事業への助成など,支援を行ってきたところでありますが,今後,これまでの活動がさらに発展できるよう,県民文化祭参加事業でのPR支援,適切な情報提供など,市町村と連携をしながら応援してまいりたいと思います。
 次に,岡南飛行場等についての御質問であります。
 まず,役割の認識等についてでありますが,広島西飛行場の廃港によりまして,中四国地方で唯一の小型機専用飛行場となることから,その拠点性はさらに高まるものと期待をいたしております。第4次県総合福祉計画に掲げられていた施設整備の方針は,その後,行財政改革によりまして,一部を見直した上で,駐機場やターミナルビル等を整備したところでありまして,現在,公用ヘリコプターや航空事業者など,10団体が立地をし,防災,訓練,撮影,遊覧など,幅広く利用されているところであります。今後,小型機専用飛行場としての活性化を図っていくため,引き続き利用促進に努めますとともに,格納庫用地等への立地促進に取り組んでまいりたいと存じます。
 スポットライトを当てる催しについてでありますが,岡南飛行場の特色を生かしたにぎわいを創出するためには,駐機している多彩な小型航空機等を身近に感じることのできる催しなどによりまして,多くの県民に飛行場を訪れていただくということが大切であると考えております。このため,今年度,子供からお年寄りまでが気軽に参加し,航空機と触れ合えるイベントを立地事業者や地元町内会等と連携して開催することとしておりまして,今後もこうした取り組み等によりまして,飛行場の活性化に努めてまいりたいと存じます。
 最後に,NPOと新しい公共についての御質問であります。
 まず,法改正の評価等についてでありますが,今回の改正では,NPO法人の活動分野の拡大や寄附受け入れに関し,税制上の優遇措置を受けられるNPO法人の認定基準の緩和などが行われておりまして,これはNPO法人の活動の活性化と基盤強化に大きく寄与するものと考えられるところであります。県といたしましては,今後,来年4月の改正法の施行に向けまして,必要な条例改正等を行いますとともに,改正法の内容等の普及に努め,NPO法人の活動の活性化を促進してまいりたいと存じます。
 既存の組織の応援でありますが,町内会や婦人会などの団体は,従来から地域住民の安全やコミュニティーの維持・活性化など,行政と住民との間をつなぐ活動を行っていただいておりまして,県といたしましても,さまざまな支援を行ってきているところであります。新しい公共は,NPOに限らず,こういった町内会などの既存組織も含めた担い手が行政との密接な連携のもとで,複雑多様化する地域の課題を効果的に解決しようとするものでありまして,今後とも,新しい公共支援事業の活用も促しながら,既存組織の活動を支援してまいりたいと存じます。
 行政サービスの変化でありますが,このたびの減税措置によりまして,専門性,機動性のあるNPO等の財政基盤が確立するとともに,将来的に新しい公共が担う分野が増加することも期待でき,県といたしましては,新しい公共の担い手との協働のもと,県民サービスの向上につなげていきたいと考えております。一方,新しい公共の分野が拡大する中においても,行政には行政サービスを必要な人に行き届かせたり,適切なサービスを提供するなど,果たすべき責務が残っているものと,このように考えているところであります。
 以上でございます。


(危機管理監)  お答えいたします。
 地域防災計画の編成についてでありますが,かつては地域防災計画として一冊であったわけでありますけれども,阪神・淡路大震災を契機といたしまして震災対策編が,また,東海村JCO臨界事故後に原子力対策編が,それぞれの災害への対応を明確にするために別冊となったものでございます。また,岡山県国民保護計画につきましては,有事法制の一環として別途編冊をされております。したがって,当面,現在の編成を見直す予定はございませんけれども,法令の改正やより効果的な取り扱いが考えられる場合には,国の助言や他県の取り扱いも参考にしながら検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(総合政策局長)  お答えいたします。
 プロジェクトチームの庁内での数等についてでありますが,県では,昨年度から,部局横断的な緊急課題に対しまして,随時,専門プロジェクトチーム(PT)を設置しておりまして,昨年度は電気自動車の普及,県立児童会館閉館後の活用,総合特区制度への提案及び新エネルギービジョンの策定,この4つの課題につきまして,PTを設置したところでございます。それらの検討結果につきましては,政策推進会議で報告いたしますとともに,県のホームページ等で公表したところでございまして,既に事業化されたものも多いところでございます。現在,活動中のものといたしましては,お話のあった防災強化検討PTと震災影響検討PTの2つでございますが,両PTの検討結果につきましては,適宜,東日本大震災総合対策本部会議へ報告し,公表いたしますとともに,各種施策に反映させてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(県民生活部長)  お答えいたします。
 まず,岡南飛行場等に関しまして,鳥人幸吉の活用についてでありますけども,空を飛ぶことに生涯をかけた郷土の偉人である幸吉の精神は,子供たちのチャレンジ精神をはぐくむことにつながることから,これまでも国民文化祭を機に,幸吉など岡山ゆかりの先人100人を紹介した冊子を作成し,すべての小・中学校に配布するなど,その偉業を紹介しているところであります。幸吉の名を空港の愛称にとの御提案につきましては,岡南飛行場と岡山空港の名称は,昭和63年に新しく岡山空港が開港して以来利用者に定着し,地域になじんでいることから,引き続きこの名称を使用してまいりたいと存じます。また,展示・顕彰等につきましては,空港をアピールする有効な一つの方法と考えられることから,空の日のイベント等の機会をとらえ,広く紹介してまいりたいと存じます。
 次に,NPOと新しい公共に関して,新しい公共の担い手育成支援事業についてでありますが,この事業は新しい公共の担い手となるNPO等の人的・財政的な活動基盤の強化を支援するもので,内閣府のガイドラインでは,「NPO等を支援する民間団体の経験とノウハウを有効活用するため,積極的に中間支援組織等へ委託すること」とされています。県としましては,本ガイドラインを踏まえ,新しい公共の担い手であるNPO等の活動基盤の強化については,県が主体的に取り組むこととし,実施に当たっては,民間のノウハウを有効活用する観点から,委託としたものであります。
 最後に,新しい公共の場づくりのためのモデル事業についてでありますが,NPO等への周知を図るため,国の予算要求の段階からボランティア・NPO活動支援センターを通じて情報提供を行いますとともに,国のガイドラインの策定を受け,ことし3月には説明会を開催し,その中でガイドラインに示された行政等との協働が要件であることについて,NPOや市町村等に対して説明してきたところであります。来年度の募集に向けましては,行政との協議など準備が十分でき,この事業に参入しやすくなるように,早い段階から県内各所でNPOや市町村等を対象とした説明会を開催するなど,多数のNPO等から応募が得られるよう周知に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  だんだん4期目になりますと,登壇回数も限られてくるということがありまして,登壇したら早口でべらべら質問してしまいますことを,まずもっておわび申し上げたいと思います。
 その中で,2つの再質問と2つの要望をさせていただきたいと思いますが,1つは,これは要望でございますが,児島湖のほうの,これは国に対して言っていただけるということでありますが,樋門の管理については,これは県の管理ということでございますが,先ほど知事おっしゃられたように,干潮時には下げるんだと,これは当たり前のことなんですが,それだけではなくて,例えば集中豪雨が発生するぞということも,今わかる。そしてまた,県北のほうで大きな雨が降れば,これは例えば旭川ダム放流したら数時間後に児島湖のほうはいっぱいになるわけでありますから,そこら辺のメカニズムというのをきっちりと全部連携しながら,干潮時に流しゃあえんじゃというもんじゃなくて,干潮時でなくても流さなくてはいけない,児島湖のほうから児島湾に水を出さなくてはいけない場面もあるんだというふうに,ぜひこれは臨機応変に対応していただければと思います。
 それからもう一つ,内尾のことでございますが,内尾グラウンドについては,理解をもらったということでございますが,問題はこれから発生するということでございまして,まだ県民の皆様もこの内尾グラウンドがメガソーラーの誘致の場所になっているということを,実はまだ十分に御存じない。こうした状況の中で,これから子供会連合会等のソフトボール大会が始まってくる中で,何とここにメガソーラーを誘致するのかという話が,これから出てくるということでございますから,それをやられるのであれば,よほど理解いただくために御努力いただかなくてはいけないということで,その点はよろしくお願いいたします。
 お伺いしたいことは,2つでございますが,1つは,ちょっと答弁漏れというわけではないんですが,私が申し上げたかったのは,1つには,避難路が決められていない。要は,避難ルートが決まっていないということで,例えば東南海・南海沖地震が起きた,そして2時間から2時間半後に,2メートルから3メートルの津波が岡山を襲いましたといったときに,じゃあ県南の人間が県北に逃げようでとなったときに,どの道を通って逃げるんですかということすら,実は決まっていない。交通渋滞の中で,津波から逃げられない可能性すらあるということで,私たちは避難ルート,避難路の確保すらを認識していないということでございますが,このことはぜひやっていただきたいと思いますが,その中で知事がおっしゃられた中央構造線については,メカニズムが違うので,これはシミュレーションは別ですとおっしゃられましたが,要はシミュレーションされるのかされないのか,このことについてお伺いしたいのが1つ。
 そして,県庁の耐震化構造と,私は実は林原さんの土地の問題というのは絡んでいるというふうに思っておるんですが,先ほどおっしゃられたように,30年たったこと,後のことはようわからんなということではあるんですが,私まだ子供が10歳でございまして,子育て世代とすれば,30年後ぐらいなら当然責任は負わにゃあいけんと,わかってやらにゃあいけんということでありまして,その中で,例えば引き合いとしては吉備中央町の吉備高原都市を県庁移転先に出しましたが,しかし考えによれば,例えば林原の跡地,このところを例えば県庁をここに移転する,あるいは市役所がどうなるかわかりませんけれども,いわゆる道州制ということで,本当に我々が州都を目指すんだと,そうした思いがあるのならば,林原のあの場所に州政府を誘致するんだと,そのぐらいのやはり夢を描いていただきたいし,また,国会議員の先生方にも,ぜひこれは政府の機関であったり,あるいは国際機関,こうしたものが林原のあの場所に来るんだと,そのためにこの林原を使っていこうというふうなことで,長い目で考えていただきたいということで,目先,今はとりあえずここは耐震化構造せにゃあいけんぞということは,30年間はここに県庁があり続けるということでありますが,そうではなくて,岡山県のグランドデザインや岡山市のグランドデザインを描く中で,何をやりたいのか。場合によっては,この岡山県庁がここにあることによって岡山市の未来を阻害する可能性すらあるということでありますから,そうした意味では,まさに耐震化構造が必要なのはもちろん当たり前のことなんですけども,ただここを何のために今後使っていくかという大前提,グランドデザインの中で描いていただきたい。先ほどは,吉備高原都市ということを申し上げましたが,林原も私は一つの移転先の候補地であるということだとすれば,市のほうから何か言われるまで,県とすれば待っておりますというのではなくて,やはり政治的な御判断でどんどんこういう場面では,国も県も市も一体となって動いていただきたい,そのことについての御認識をお伺いしたいと思います。
 以上,よろしくお願いします。


(知事)  再質問にお答えいたします。
 中央構造線にかかわる被害想定につきまして,県といたしましても必要なシミュレーション,これを行ってまいりたいというふうに思っております。
 県庁舎の耐震化に関しまして,林原さんの持っておられますモータープール等を例示に挙げられまして,将来の大きなグランドデザインをというお話がございましたが,道州制について,あるいはその州都について,区割りについて,まだまだ私自身の願いは強く持っておりますけれども,具体的な方向性が出ておりません。そういう極めて不確定な状況の中で,州都をどうするこうするといったことを念頭に置いて土地を取得するというようなことは,現在の県行政の置かれている厳しい状況の中ではなかなか難しいんではないかというふうに思っております。当面,県庁舎が順次耐震化をしてきておりますので,残ったところ,特にこの議会棟も危ないわけなんですけれども,こういったところをほっといていいのかということがありますので,やはり順次,自民党さんの代表質問でもお話が出ましたから,そういうことを受けて前向きに検討を進めていきたいというふうに,当面の耐震化は必要であるということを御理解いただきたいと,このように思っております。
 林原さんの持っておられますモータープール,これはやはりまちづくりの核となる土地でございますから,これはやはりまちづくりは市町村が中心となってプランを立てられるのが基本でございます。そういう意味におきまして,岡山市の取り組み方向が出ましたら,それについて必要な協力は,私どもとしてもやっていきたいと,このように思っております。
 以上でございます。

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