平成20年12月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 全国知事会議の役割等について          (総務)[ 知  事 ]
2 マインドについて                (総務)[ 知  事 ]
 (1)県民性の変化等
 (2)職員への伝達
 3 ファジアーノ岡山について
 (1)支援策                   (生環)[ 知  事 ]
 (2)総合グラウンドの在り方       教育協力(土木)[ 知  事 ]
4 県の役割について
 (1)県施設のセンター機能の見直し    企振協力(総務)[ 知  事 ]
 (2)岡山市との更なる連携            (企振)[ 知  事 ]
 (3)関西圏との連携               (総務)[ 知  事 ]
5 景気対策について
 (1)優先順位等             産労協力(総務)[ 知  事 ]
 (2)中小零細企業の状況等            (産労)[ 知  事 ]
 (3)責任共有制度の状況等            (産労)[ 知  事 ]
 (4)雇用状況等                 (産労)[ 知  事 ]
6 マスカットの生産振興等について
 (1)生産者の支援                (農水)[ 知  事 ]
 (2)農林水産プランの達成状況等         (農水)[農林水産部長]
7 岡山市内警察署の所管の在り方等について     (警察)[ 県警本部長 ]
8 交通警察協助員とのコミュニケーションについて  (警察)[ 県警本部長 ]
9 パーキングパーミット制度について        (保福)[ 知  事 ]




(佐藤)  おはようございます。
 自由民主党の佐藤真治でございます。
 通告に従いまして,トップバッターで一般質問をさせていただきます。
 まずもって,石井知事の4選再選をお祝い申し上げます。
 さて,知事が所属される全国知事会の総務常任委員会では,昨年,条例により知事の在任期間の制限を求める声が上がりましたが,現在全国で5期目の知事はおられず,4期目の知事も石井知事を含めて7人しかおられません。このうち,来年,再来年で選挙を迎えられる知事も多く,いわばベテラン知事として,石井知事におかれましては願わくば長野知事以来の全国知事会長をねらっていただきたい。全国レベルでのさらなる活躍が期待されます。特に,昨今,政局がらみの国会の議論で時として地方財政が振り回されている,あたかも地方の生殺与奪の権限が国にあるようで,正直なところ,私は日々いら立っております。地方分権改革推進委員会の議論もどこまで地方に対して本気なのかわかりません。道州制特別委員会の委員長としても,ぜひとも知事には闘う知事会のトップに立っていただきたいと思います。真の地方分権の実現が叫ばれる時代にあって,全国知事会の役割,さらにその中での石井知事の役割,そして知事会長への思いをお知らせください。
 さて,おめでたい話でございますが,この議場でも何度も申し上げておりましたが,ついにファジアーノ岡山がJリーグ入りいたしました。先週,県庁と市役所にファジアーノ岡山のJリーグ入りをたたえる懸垂幕がかかり,先日は社長,監督,選手が報告にお越しになりました。
 私は,岡山に初めてのプロサッカーチームが生まれたということもさることながら,ここまでの過程で岡山にもっともっと大きなものが生まれたことを喜びたいと思います。何か岡山の文化が変わった象徴のように思うのです。それは,岡山を強く愛する気持ち,岡山を強く誇る気持ちであり,熱さと表現できるものです。もちろん選手たちやスタッフの皆さんが一番強くこの熱さを持っていたからこそ,JFLを最短の時間で突破する快挙がなし得ました。サポーター中心の方の熱さが,ホーム最終戦には1万人以上の熱さになりました。その中でも,特に先輩方の御指導をいただきながら中心となった30歳代,40歳代の世代が熱さでそれを引っ張っていったことが,私はこれからの岡山県の物すごい宝であるというふうに思います。もちろん「うらじゃ」を通じて醸成されていた岡山市の場合は岡山市民の熱さがかなりあったと思いますが,確かにこの町の熱さが高まってきていることを私は感じております。
 熱さという言葉は以前からございましたが,ここ数年来,岡山の町なかで頻繁に聞かれるようになりました。「あの人は熱い人じゃ」という言葉が飛び交う中で,変な話ですが,最高の褒め言葉として熱いと言われることを男同士で競っていた節があります。ただ,この熱いという言葉の意味は,短期ですぐ怒るということではないというのは当然ですが,非常に定義しづらいものがあって,どこか向こう見ずな危なかしいところがある一方で,損得勘定抜きで何かのためにだれかのためにおのれをなげうってひたむきに突き進んでいく純粋さ,そうしたものも含んでいるように思います。そして,かつて幕末の志士たちは何かにつけてそうだったというのですが,ともかく熱く生きて感動して泣きたいと思っているわけでございます。バブルの絶頂,バブルの崩壊の拝金主義の中で日本じゅうがあたふたするさまを見ながら,物や金ではかることができない別の価値尺度を持つ世代は,時には理屈を超えた熱さで動くことがあります。いや,むしろ,頼む,泣かせてくれと,熱いものを求めております。
 確かに一つのスポーツ文化が育ったわけでありますが,岡山県に最も足りなかったもの,他県から実は失笑を買っていた「燃えろ岡山県民運動」まで行わなくてはいけなかった岡山県民,そうした県民性ではもはや我々はない,熱い岡山県民なのだという認識が必要だと思います。そして,考えようによっては,この熱さはさまざまな方向,さまざまな分野に向かえる可能性があることの理解も必要でございます。時には強い怒りにも転化し得るものであります。逆に言えば,保身に走る,言いわけをする,あれこれ理屈をこね回す,都合のよいほうにすぐ乗りかえる,自分だけ得をしようとする,仲間内でなれ合いをする,こうした熱くないものを評価しない,もっと言えば,何かをするならば,たとえ一人きりであっても体を張った本気さ,熱さを伝えなくてはいけないということでございます。熱いものが感じられなければ,幾らきれいごとを並べられても物事は進みません。むしろ伝わらんなあと逆効果ということすらございます。もっと言えば,今いかなる世界においても,リーダーたらんとする者は熱さを発信できないといけない時代であるということでございます。恐らく幕末の吉田松陰や高杉晋作の狂──狂うという字でございますが──狂に近いものが求められている。裏を返せば,それだけ時代が今荒れているということであるとも思えます。さらに言えば,時代が乱れれば乱れるほど,人はただただ真っすぐな純粋な熱さにひかれるのだと思います。今,時代が求めているのは熱さであると思います。この熱さを換言すれば,気概,気迫,気合い,意気ということになると思いますが,正確なわけではないと思いますけれども,日本で使われる英語のマインドという言葉にもそれに近いものを感じます。今岡山県は確かに危機的な状況にございます。しかし,だからこそ,今政治にかかわる者のマインドが試される。大綱だ,プランだ,ビジョンだという美しい言葉の羅列の中で,しかし一番重要なのはどれだけ岡山県を,岡山県民を熱く思っているか,そしてそれを伝えられるか,そのマインドでございます。私が2月定例会,6月定例会で抽象的な質問をさせていただく中で知事に求めていたのは,この熱さ,マインドを伝えていただきたいということでありました。さまざまな事柄は,まさにマインドが伝わらないことで悪化したように思えてなりません。
 今回もあえて抽象的に伺いますが,知事は一人の政治家として,「燃えろ岡山県民運動」の時代から岡山県民が,平たく言えば県民性がどのように変わってきたという時代認識をお持ちでしょうか。
 そして,その中で熱さやマインドを御自身が示すことの意味をどのようにお考えかお知らせください。
 一方で,職員団体の「給与カットがある中にあっても,県民サービスの維持や子供たちの豊かな育ちを第一に考え,誠心誠意職務を遂行していくことが職員としての誇りである」との言葉に,「その意気に心を打たれた」と知事はおっしゃられました。その職員の方々の「その意気」の意気こそがまさにマインドであり,この言葉は県庁職員の方々の誇りとともに県民の皆様にも伝わったと思います。こうした職員の方々にぜひ知事のマインドをお伝えいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。
 さらに,この岡山の熱さの象徴であるファジアーノ岡山FCですが,J2昇格で運営費やスポンサー確保等,課題が山積しております。Jリーグの大海原で洋々たる未来にこぎ出していくためにも地域全体での支援が必要になってきますが,ホームタウンを岡山市,倉敷市,津山市を中心とする全県としており,またホームスタジアムを桃太郎スタジアムとしているため,県からのさらなる支援が引き続き必要でございます。市町村への働きかけを含めて,県行政としてなし得る支援についてお知らせください。
 加えて,特にこの場で何度も何度も申し上げておりますけれども,岡山県総合グラウンドについて,たちまちこれ以上の駐車場の確保が難しいとしても,将来的には独立リーグに所属するプロ野球チームの本拠地になることも想定される1万3,200人の収容人数を誇る岡山県営球場のさらなる活用を含めて,また弥生時代の集落等の復元の活用も含めて,いま一度岡山駅からの公共交通アクセスのあり方を加味した上で,岡山県総合グラウンドのあり方を,そして周辺の大学や生涯学習センターなどの周辺施設も加えて総合的に考える時期が来ているように思います。知事の御所見をお聞かせください。
 次に,岡山市の政令指定都市への移行や道州制に伴う県の役割についてお伺いいたします。
 岡山市が来春政令指定都市になって,今後岡山県の各種施設の中心的機能,いわゆるセンター機能をどこに置くべきかという議論が出てくると思いますが,特に指定管理者制度導入の中で,コストばかりを重視して,本来なぜその箱物が必要であるのか,そうした理念にさかのぼって考えられるべき施設のセンター機能に対して,県行政がいささか軽視されているのではないか,私はそのように感じております。
 例えば,岡山県国際交流センターは,確かに民間施設よりも利用料が安いということで,一般企業の研修等で頻繁に部屋の貸し出しを行われておりますけれども,本来の国際交流や国際貢献のセンター機能の観点からすれば,どれだけ地域やNGOと一体となって県内在住の外国人や留学生の方々に参加してもらって,例えば地球市民フェスタのようなイベントが行われるか,あるいは市町村のそういった活動のための研修会が開催されたかを問題にすべきであると思います。今後,岡山市が頑張れば頑張るほど,岡山市のそれが単独施策になってしまって,県内のほかの市町村や県行政と乖離してしまわないように,岡山市内にある県の施設の見直しに当たっては,まず岡山市と岡山県が一体になって県のセンター機能を考え直す必要があるのではないでしょうか。
 また,関連して,権限や財源を移譲すれば終わりというわけではなくて,政令市移行後も県と市の首長同士が緊密に連携をとりながら,いわばホットラインを保ちながら,さまざまな分野で密に連絡調整を行うことや連携することが必要だと思いますが,御所見をお聞かせください。
 また,道州制で中四国州の議論を今後展開していくというのは私は理解できるんですが,例えば50万都市の姫路市から岡山県への連絡というのを感じることが極めて難しくなっております。新幹線で25分の岡山と姫路の間にJRは多分今後も新快速を走らせてくれないんじゃないかなというふうに思うんですが,知事が中四国州をうたわれるばかりに,行政レベルでは県境でやはり関西圏と岡山は切れてしまって,限界を何かつくっているのが現実ではないでしょうか。
 ちなみに,ドクターヘリ導入の議論が兵庫県でもあるようですが,これは京都などと共同運航しようということでございますが,あるいはこうしたもの広域観光を含めて,岡山と兵庫の間に道州の境を置いて考えるのは現実的ではないと思います。多様な連携というのは考えられてしかるべきですが,このままでは関西広域連合と中四国州あるいは中国州のはざまで岡山が埋没するおそれがあるんじゃないか。その中で,兵庫県を含めた関西圏と岡山県の連携など,中四国州以外の枠組みでの連携をいかように考えておられるのでしょうか。知事にお伺いいたします。
 さて,個別具体的に政策や施策のマインドについて伺ってまいります。
 何といっても今一番の問題は,現下の金融経済情勢の中,地方経済の安定化,地域活性化,要は景気対策のためにいかように効果的な経済対策を打っていくかということだと思います。
 国の現在の緊急経済対策の議論を見るにつけても,問題は当面の行財政構造改革を推進していくか,あるいは場合によっては赤字国債を発行してでも積極的な経済対策に打って出るべきかがまさに今争点であるというふうに思いますが,知事の率直な感想として,今国は国民に,場合によっては将来ある程度の負担を回したにしても,地方の経済活性化のためには財政出動をしてでも積極施策に打って出るべきであるとお考えかどうか。
 また,国がかじを切ろうとする今,県は少なからず影響を受けると思われますが,行財政構造改革のいわば例えれば全治4年間の岡山県において,景気対策か,財政再建か,改革による経済成長なのか,この3つに知事はどういう優先順位をつけられるのか,あわせてお知らせください。
 そうした状況の中,国や日銀は次々と具体的な経済施策を示していますが,それをもってしても,地方の中小,さらには零細企業にとっては必ずしも効果的な支援にならないのではないか,あるいは中小企業の業績悪化はこれから本番を迎えるという声があります。我々のもとにも,年末を果たして乗り越えることができるだろうかという切実な声が聞こえてまいります。それゆえに,我が党も中小零細企業金融対策本部を立ち上げたところでございます。しかし,個人的には,残念ながらおくれて納入される消防防災ヘリコプターが災害に出動するのであれば,金融災害とでも称すべき現在の状況は緊急救援活動を行うべきスクランブルの状態であるというふうに思います。現在の県内の中小零細企業がどういう状況にあるか,また国や日銀の施策が功を奏すとお考えか,知事の率直な所見をお聞かせください。
 加えて,市井の銀行にいわゆる貸し渋りや貸しはがしがないものと信じますが,一方で信用保証協会の機動的な保証には大きな期待が寄せられます。昨年10月から金融機関と信用保証協会とが責任を共有する責任共有制度が導入されましたけれども,そのことによって融資額や融資利率の設定を含めて金融機関の融資に大きな変化や格差がなかったか,そして今ある緊急保証制度の恩恵が十分に末端にまで行き届いているか,加えて今回の県の行財政構造改革に伴う融資支援制度のあり方が中小零細企業に対していかような影響があると考えるか,その御認識と県が独自になし得る対応について知事にお伺いいたします。
 また,今全国的に,非正規労働者のうち,いわゆる期間工の雇いどめや派遣社員の派遣切りの問題が深刻な状況になっており,輸出不振による減産などを背景にした製造業の現場から,さらに事務系にも波及拡大することが懸念されています。加えて,新卒者の内定取り消しなど,こうした雇用不安はまさに社会不安そのものになっておりますが,政府としてもさまざまな緊急対応策を示しておりますが,事態は深刻度を増していくように思われます。企業の側に善処を求めるだけでは解決できる問題ではなく,いわゆるネットカフェ難民と言われる方々も増加するかもしれず,問題は本当に多岐にわたって広がってまいります。こうした雇用悪化の県内の状況,さらにその対応についてお知らせください。
 次に,知事のマニフェストの中で「農林水産業の生産性を高めるとともに,最高品質のくだもの王国おかやまの確立やブランド品目の生産振興と販路拡大を目指す」とされていますが,そのうちあえてマスカットについてお伺いいたします。
 御案内のとおり,マスカット・オブ・アレキサンドリアは,1886年のガラス室での栽培から,120年以上栽培技術の研究・向上に努めて,今も全国の生産量,栽培面積の9割以上を岡山県が占めております。ピオーネなどの参入しやすい品種が伸びるのも本当にありがたいですが,全国で最も名が通っているそのマスカットの栽培面積が落ち込んで13年連続で販売額が前年度を下回っているのが現状でございます。ピオーネの生産面積を目標1,000ヘクタールと掲げる一方で,マスカットは2006年現在で139ヘクタールになっており,特にことしのマスカット栽培は,燃料の高騰に加えて,7月20日以降の加温物の価格が崩れてダメージもあったようでございます。確かに,微妙な温度調整や頻繁な摘粒等,完全にマニュアル化ができず,高度な技術と経験が物を言って,ハウス建設費用がかさむという難しさもございますが,マスカットには種があるからこそ,香りも味も上品でおいしくなる,そこに生産者の誇り,マインドがあります。今こそ生産者,農協,行政が一体となって,さらに単価の高い高糖度マスカットの比率を上げるさらなる取り組みを含めて,くだもの王国おかやまの代表品種マスカットの生産者をバックアップする体制,マインドを示すことが必要だと思います。いかようにお考えでしょうか,知事にお伺いいたします。
 これに関連して,今年度は,平成16年4月に策定された「21おかやま農林水産プラン」の目標年度でございますが,基本方針や生産目標数値がどの程度達成されたのか,さらに次期プランの策定に向けて,例えば農協,漁協,森林組合の生産関連団体と商工組合の協力体制の構築を含めた農業と商店街等商業との連携,さらに工業を加えた農商工連携ということが時代のキーワードになっておりますが,今後の農林水産業の振興にいかように反映されていくのか,農林水産部長にお伺いいたします。
 最後に,このたび現東警察署が中央警察署になるという発表がなされました。私はかねてから,岡山市内を流れる西川の東西で現西警察署と現東警察署の所管が分かれて,桃太郎大通りを通す事業でも警察の所管をまたぐ,そんな不都合があったり,暴走族対策など問題があるんじゃないかということで,中央警察署をつくるべきだと申し上げておりました。
 しかも,岡山市が政令市の区割りをするに際して,区名制定に際しては,他の区に比べて中央──セントラルという言葉は使わないということで方角で決したわけでございますが,現東警察署が新中区の所管だけにおさまらず旭川の西側の新北区を含んで,これは中警察署と名乗られないことから,今回の名称をやむなく提案されております。その結果,現在のRSKメディアコムに中区役所ができて,向かいに中央警察署ができることになるわけでございますが,中央という名称でない後楽園警察署のような名称が使えなかったのか。さらに,この機に西川で所管を分けるのではなくて,岡山駅東口で所管を分けて,中心市街地をすべて所管にすれば,現東警察署が中央警察署を名乗れる,これも理解できると思いますが,こうした今後の警察の所管のあり方について,警察本部長の見解をお知らせください。
 次に,幾つか交通関係行政について伺います。
 先般,岡山県交通警察協助員発足40周年記念大会が開催されましたが,交通警察協助員は,1962年に前身となる交通モニターが県内各署単位で発足し,より地域に密着した活動を進めようと68年から現制度となって,現在は登下校の見守りや個別訪問といった交通安全活動に約800人がボランティアで従事されています。交通安全活動に特に関心を持って,人格及び識見が卓越していて,その地域職域の住民から尊敬と信頼がある方々が毎朝街頭に立って子供たちを見守ってくださっており,本当に頭が下がる思いでございます。しかし,警察官の行う交通安全活動の一番の協力者であるにもかかわらず,研修会や警察との連絡協議会,さらにはパトカー通過時に一声かけるなどの警察側からのコミュニケーションの働きかけが不足で,十分に感謝が表現できていないと思います。安全・安心のまちづくりということで,今多くの地域住民がみずから街頭に立たれることが多くなっていますが,警察サイドからもそれを当たり前のこととせず,地域を守る仲間として,あるいはその仲間の代表として警察がある,そういうマインドが常に必要だと思います。警察本部長の御所見をお聞かせください。
 これが本当に最後でございますが,関連して,岡山県福祉のまちづくり条例に基づいて多くの障害者用駐車場が設置されているはずですが,身体障害者用駐車場の不正利用を防ぐため,機械管理を導入した駐車場が倉敷の大型ショッピングセンターにできました。これまで身体障害者用駐車場は,一般駐車場に隣接して枠内に国際シンボルマークであるいわゆる車いすマークを記しただけで,障害の有無の確認などはなかったのですが,身体障害者でない人の利用が相次いで,障害者から専用駐車場になかなかとめられないという苦情が寄せられていたとのことで,駐車券はインフォメーションで発行され,身体障害者手帳を提示することで入手でき,有効期限はないということで,新しい制度でございます。
 私も,公共施設やサービスエリアで何度かこうしたトラブルを目撃したことがございますが,この点,佐賀県ではパーキングパーミット制度を導入しております。この制度は,県の施設やショッピングセンターやホテルなど,県と協定を結んだ身体障害者用駐車場の利用証を交付することで,駐車場を利用できる方を明らかにし,そして駐車スペースを確保する制度のことです。この制度は,駐車場を利用できる方を歩行困難の方とし,高齢者や妊産婦の方なども利用できるというもので,つい先日島根県でも同様な取り組みを始めたとの新聞報道もなされたところでございます。ぜひこの制度の本県への導入をお願いしたいと思いますが,知事の御所見をお聞かせください。
 以上,質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 まず,全国知事会の役割等についてのお尋ねをいただきましたが,全国知事会は,全47都道府県が一致団結をいたしまして地方の発展とそして地方分権の実現に向けまして行動をしております団体でありまして,いわゆる地方六団体のまとめ役といたしましても重要な役割を担っておりまして,今般の地方分権の第二期改革に際しましても,権限移譲とか,あるいは国の出先機関の見直し等に関しまして国に対し具体的に提言を行うなど,活発な活動を行ってきております。私自身も,この中で総務常任委員会と道州制特別委員会の,この両方の委員長といたしまして地方税財源の充実強化あるいは道州制問題など,地方にかかわる重大な課題につきまして,微力ではありますけれども,先頭に立ちまして尽力をしてきているところであります。ただいま全国知事会会長とのお話をいただきました。光栄に思うところではありますけれども,私といたしましては,知事会内で今私に与えられております職責を全ういたしますとともに,地方分権改革の推進など,現下の諸課題の解決に向けまして引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えているところであります。
 次に,熱さについての御質問でございます。
 まず,県民性の変化等でありますけれども,先ほどはまさに熱い県民の第一人者であられます佐藤県議より大変に熱い御質問をいただいたところでありますが,私といたしましても,そもそも岡山県民は,お話いただきましたように,熱い県民であると,このように私は受けとめております。このことにつきましては,御承知のとおり,「晴れの国おかやま国体」,そして「輝いて!おかやま大会」,あのとき195万県民の本当に熱いスクラムによりまして大成功にこれらが導かれたということもございますし,県内外におきまして多くの県民,県の出身者の方々がさまざまな分野におきましてまさに情熱を持って活躍しておられる姿,このことからも明らかであると私は考えております。私自身,御案内のとおり,これまでも情熱県政という旗を掲げまして,常に私がみずから先頭に立ちまして県政を推進してきたところでありますけれども,県民やあるいは県の将来を思うこの熱い気持ちというものはだれにも負けないものを持っていると,このように私は自負しておりますし,もちろん知事であるからにはだれにもこれは負けてはならないと,このように常日ごろ思っているところであります。今後とも,こうした気概,そして姿勢を持ちまして,活力と安心の岡山の実現に向けまして全力で邁進をしてまいる所存であります。
 職員に対する思いということでのお尋ねでございますけれども,職員の皆さんにおかれましては,それぞれ大切な家族や生活がある中にありまして,県民の幸せを第一に考え,そして非常に厳しい給与の削減措置を受け入れていただいたということに関しまして,まずもって心から感謝をしているところであります。
 私といたしましては,職員の皆さんの県勢発展にかけるその思い,子供たちの教育にかけるこの熱い情熱,さらには県民の安全・安心を守っていくというその使命感,これらをしっかりと受けとめまして,県政のかじ取り役といたしまして職員の皆さんとしっかりと手を携え,思いを一つにいたしまして,明るい未来を県民の皆様に確信してもらえる取り組みを推進していくと,このことを改めて約束させていただく次第であります。
 次に,ファジアーノ岡山についてであります。
 まず,支援策でありますけれども,これまで桃太郎スタジアムにおける仮設広告物料金の免除等を行ってまいりましたが,Jリーグ昇格後はプロ料金が適用をされまして,使用料等が大幅に増加することから,引き続き仮設広告物料金を免除いたしますとともに,施設使用料をプロ料金の5分の1に減免するなど,試算では総額5,000万円以上に相当する規模の支援を行いたいと考えております。
 また,地域で支えるという機運が全県的に広がっていくよう,例えば,ホームゲームの折に市町村ごとの日というものを設けまして特色あるイベントを行ってもらうなど,新たな取り組みにつきまして検討を進めてまいりたいと思います。ファジアーノ岡山のJリーグでの活躍は,子供たちに夢を,また県民に熱い感動あるいは連帯感,さらには勇気を与えてくれますとともに,全国への大きな情報発信につながると,このように考えておりまして,県といたしましてもできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
 総合グラウンドのあり方でありますが,総合グラウンドは,桃太郎スタジアムを初め,県内屈指の施設を有する総合運動公園といたしまして,多くの県民の皆様に御利用いただいているところでありますが,駐車場の確保や県営球場を初め,一部の施設の老朽化などが課題となっているところであります。今後,お話の既存施設のさらなる活用や周辺施設との連携等につきましては,これらの課題を踏まえつつ総合的に検討を進めてまいりたいと存じます。
 次に,県の役割についてであります。
 まず,県施設のセンター機能でありますが,県の施設は,その目的,規模,機能,利便性,コストなど,さまざまな要因を総合的に勘案した上で,より効率的,効果的に施策を実施して,県全体で中心的な機能が果たせるように設置をしているところであります。
 岡山市の政令指定都市移行後におきまして,岡山市内にあります県施設を見直す場合におきましては,その施設の果たす機能につきまして改めて検証をいたしますとともに,岡山市の施策の動向も十分勘案をいたしまして,市の意見もお聞きをしながら進めてまいりたいと存じます。
 岡山市との連携でありますが,来年4月の政令市移行を契機といたしまして,市において県都にふさわしい都市機能の充実に向けた積極的な取り組みが行われることによりまして,県のイメージや知名度の向上,さらにはビジネスチャンスの拡大等も期待されるところであります。
 岡山市が政令市に移行いたしましても,都道府県と市町村という二層制の地方自治体の構造の中で県が広域的,総合調整的な役割を担うということに変わりはないところでありまして,県といたしましては,こうした効果を最大限生かしまして,県全体の発展につなげていくため,今後とも,岡山市と緊密な連携を図りながら諸施策に取り組んでまいりたいと考えております。
 関西圏との連携でありますが,本県と関西圏は従来から人的交流や経済,産業など,多くの分野で深い結びつきがありまして,これまでも広域観光等に連携して取り組みますとともに,現在策定が進められております近畿圏広域地方計画の協議会にも加わりまして,連携強化を推進しております。特に,隣県の兵庫県との間におきましては,災害時の相互応援協定の締結を初め,県境を接する県民局同士の連絡会議の開催とか,あるいは交通基盤の整備促進,漁場整備の調査など,幅広く連携を図ってきているところであります。県境を越えた広域的課題や共通の課題に適切に対応をしていくため,中四国はもとより,それ以外でも,特に兵庫県を初め,関西圏との連携につきましては引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,景気対策についてであります。
 まず,優先順位等でありますが,現下の景気後退は米国の金融危機に端を発した世界的な現象であるということから,これに対する対策は国が中心となって全国的に対応していく必要があると考えております。こうしたことから,国におきまして現在検討が進められております追加経済対策の実施に当たりましては,地方経済の安定化対策,地域活性化対策を強力かつ迅速に実施されるよう,先日国に対しまして提案をしたところであります。なお,地方負担を伴う経済対策を実施する場合におきましては,現下の地方財政の危機的な状況や国と地方との財政制度上の相違も踏まえ,必要な地方の財源につきましては国の責任において確保すべきものと考えております。
 本県における優先順位についてでありますけれども,お話の景気対策と財政再建はいずれも県政の推進に当たりましての重要課題であると認識をしておりまして,財政再建に留意しながら当面の景気対策には全力で対応していかなければならないと考えております。したがって,今後も,経済対策に関する国の動向を注視しつつ,本県も国と協調をしながら,県内の経済活動や県民の皆さんの生活などにできるだけ影響が生じないよう,改革を進める中にありましても全力で対応してまいる所存であります。
 また,本県の一層の発展に向けまして,競争力のある物づくり産業の育成や企業誘致などにも積極的に取り組んでまいる所存であります。
 中小零細企業の状況等についてでありますが,県産業振興財団の調査によりますと,原材料価格の高騰に加え,最近の急激な景気後退によりまして売り上げや利益の悪化など,約9割の企業が今年度の収益に影響があると回答しておられまして,厳しい状況にあるものと認識をいたしております。また,日銀による金融機関への資金供給の拡大や国の緊急保証制度の創設等は中小企業の資金繰りに一定の効果がありますものの,現在検討されております追加経済対策等の迅速かつ着実な実施が必要であると考えております。
 責任共有制度の状況等でありますが,制度が導入されました昨年10月以降の信用保証協会の承諾額は,導入前の駆け込み需要の反動で低調となっておりましたが,今年度に入りましてからは平年並みの実績となっておりまして,1件当たりの保証額や融資利率にも大きな変動はないことから,各金融機関の融資姿勢に特段の変化はなかったものと考えております。
 また,本年10月に創設されました国の緊急保証制度につきましては,先週末現在で約180億円の実績となっておりまして,中小零細企業に徐々に浸透しているものと考えております。県といたしましては,財政構造改革において見直しを検討しておりました中小企業支援団体や融資制度の補助につきまして,現在の厳しい経済情勢や中小企業への影響を考慮いたしまして一部緩和や実施時期の見直しを行ったところでありまして,今後とも,産業振興財団や商工団体と連携をいたしまして,中小企業の資金繰りの円滑化や経営の安定に向けまして適切に対応してまいる所存であります。
 雇用状況等でありますが,岡山労働局の調査によりますと,岡山県内の新規学卒者の内定取り消しは11月末現在で6件発生しております。また,今年10月から来年3月までの派遣社員や期間工などの非正規労働者の離職者数の見込みは,県内で7社,592人でありまして,今後さらにふえることが懸念されているところであります。県では,先月,労働局等と連携をいたしまして,県内の経済団体に対しまして来年卒業予定の新規学卒者の採用内定の取り消し回避等を緊急要請いたしますとともに,来春卒業予定の就職未内定者を対象に就職面接会を開催いたしまして,雇用の確保に努めたところであります。
 さらに,先般労働局が設置いたしました雇用対策本部と緊密な連携を図りながら,地域経済・雇用動向に関する情報収集に努めますとともに,若者就職支援センターでの就職面談などを通じまして離職者などの再就職支援等に積極的に取り組むことといたしております。
 次に,マスカット生産者への支援でありますが,マスカットは,先人のたゆまぬ努力と長年培われてまいりました高度な技術によりまして,本県を代表する特産果物といたしまして名声を博してまいりましたものの,近年は,他の大粒ブドウなど競合品目の増加等によりまして厳しい状況にあるものと認識をいたしております。このため,県では,先進的な生産者で組織をいたします果樹研究会の糖度を高める土づくりなど,栽培技術の向上に向けた研究や,非破壊糖度計の導入によります糖度表示の取り組み等を支援いたしまして,最高品質のマスカットづくりと販売単価のアップに努めてきたところであります。今度とも,生産者が誇りと希望を持って栽培に取り組めるよう,農業団体等と連携をいたしまして,マスカットが将来にわたってくだもの王国おかやまを牽引し,世界に通じるブランドとなりますように発展させてまいりたいと考えております。
 最後に,パーキングパーミット制度についてでありますが,本県におきましては,福祉のまちづくり条例等に基づきまして,スーパーやレストラン等の生活関連施設に車いす使用者用の駐車施設の整備を推進してきたところであります。不正利用の防止につきましては,マナーを守るよう一人一人の良識に訴えるということがまず重要でありまして,今月3日から始まりました障害者週間の街頭キャンペーンにおきましても適正利用を呼びかけているところであります。
 御提案いただきましたこの制度は,駐車施設の適正利用の促進や思いやりの心を大切にする社会の啓発にもなるものと考えております。この制度につきましては,今後,障害者の方々や駐車場管理者等の関係者を初め,広く県民の御意見をお伺いいたしますとともに,他県の実施状況なども踏まえまして検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(農林水産部長)  お答えいたします。
 農林水産業の振興に関し,農林水産プランの達成状況等についてでございます。
 このプランでは,高品質で安全・安心な農林水産物の生産振興や地産地消の展開等を基本方針に定め,各種施策を推進してきたところでありますが,農家数の減少や高齢化,農産物価格の低迷,燃料や飼料等の原材料の高騰,またノリやカキでは海水温上昇の影響などにより,多くの品目で生産目標の達成は厳しい状況にあります。このため,今年度改訂予定の農林水産プランには,お話の農商工連携など,多様な産業との連携といった新たな切り口も盛り込む必要があると考えております。具体的には,商店街での県産農林水産物を利用した6次化商品の販売や地産地消運動の展開,さらには生産者団体や産業支援機関,食品企業等で組織するおかやま食料産業クラスター協議会による市場性の高い食品の開発等を一層推進し,本県農林水産業の振興を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(警察本部長)  佐藤議員の御質問にお答えいたします。
 岡山市内警察署の所管のあり方等についてであります。
 まず,警察署の名称変更についてでありますが,警察署の名称は,警察法施行令により,県の名前の下に管轄区域内の主要な市区町村名を冠することと定められております。政令市への移行に伴いまして,岡山市の警察署の名称をできる限り新たな区名と平仄をとるとの方針のもとに検討をいたしました。その結果,現在の岡山東警察署は,中区のほか,北区内の市内中心部も合わせて受け持つこと,また全国的に見ましても,同様のケースでは中央という用語を使用した警察署の名が用いられていることなどから岡山中央警察署とする方針としたところであります。
 次に,警察署の管轄区域の見直しについてでありますが,現在の岡山東,西両署は,大正10年3月に誕生し,その際岡山市内の西川を署境と定め,今日に至っております。しかしながら,現在の状況を見ますと,岡山市中心部の桃太郎大通りを二分していることなどに加え,業務負担の面からも両署の管轄区域の見直しは一つの課題であると認識しております。ただ,実際の管轄区域見直し作業は,関係機関・団体との調整等にかなりの時間を要することなどから,今回の政令市移行に当たっては警察署名の変更にとどめたところでございます。
 このようなことから,県警察といたしましては,まず来年4月1日の岡山市の政令市移行に伴う警察署の名称変更の円滑な実施に向けて,県議会の皆様の御理解もいただきながら,条例改正案の提出や広報啓発活動を初めとする諸準備を進めてまいります。そして,その後において,岡山市内の警察署管轄区域の見直しについて必要な検討をしてまいりたいと考えております。
 次に,交通警察協助員とのコミュニケーションについてであります。
 交通警察協助員は,街頭活動など,警察官の行う交通安全活動への協力や良好な道路環境づくりへの推進等の任務を担うボランティアの方として全国に先駆けて発足し,本年で40周年を迎えております。この間,交通警察協助員の方々は,制服を着用されて,通学時間帯における学童等の保護誘導活動を初め,地域の交通安全活動のリーダーとして熱心に活動していただいており,深く感謝をしております。しかしながら,残念なことに,一部の地域ではありますが,警察官の中にボランティアの方に対する認識の不足から,交通警察協助員の方との連携や交流が十分でない状況も見受けられているところであります。このため,県警察といたしましては,交通警察協助員等ボランティアの方々との意見交換等の機会をより一層設けるなどして,きめ細かい意思疎通や連携を図りたいと考えております。県警察の抱えている交通安全や地域安全の課題を解決するためには,ひとり警察のみの活動ではなし得ず,ボランティアの皆様方の御協力が不可欠であります。私といたしましても,警察関係団体等のボランティア活動に対する感謝と敬意の念を再認識いたしまして,今後とも,交通警察協助員等ボランティア団体の方々と連携を強化し,交通事故抑止対策も含め,安全・安心のまちづくりのため,警察活動を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

Copyright (c) 2008 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp