平成18年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

一般質問     自 民  党      佐藤議員
1 岡山市の政令指定都市移行について
(1)一連の動き等に対する感想          (企振)[ 知  事 ]
(2)合併の意義                 (企振)[ 知  事 ]
(3)人口の意味                 (企振)[ 知  事 ]
(4)中四国州を目指す中での意味         (企振)[ 知  事 ]
(5)県のメリット・デメリット          (企振)[ 知  事 ]
(6)道路事業                  (土木)[ 知  事 ]
(7)県から市町村への人的支援          (総務)[ 知  事 ]
(8)窓口等の設置                (企振)[ 知  事 ]
(9)医療制度等                 (保福)[ 知  事 ]
(10)トップスポーツチームの支援         (生環)[ 知  事 ]
2 子育て支援について
(1)認定こども園                (保福)[ 知  事 ]
(2)子ども課の設置               (保福)[ 知  事 ]
(3)放課後こどもプラン         保福協力(教育)[ 知  事 ]
(4)「岡山っこ宣言」の制定           (生環)[ 知  事 ]
(5)家族観等                  (保福)[ 知  事 ]
(6)14歳のあなたへ              (教育)[ 教育長 ]




(佐藤)  51歳の新総裁のもと,日本の未来のために躍進を続ける自由民主党の佐藤真治でございます。
 まずもって,このたびの秋篠宮妃紀子様の御出産に対し,お喜びを申し上げますとともに,今後の悠仁親王殿下の健やかな御成長を心からお祈り申し上げます。
 通告に従いまして,ちょうどきょうが30回目になります。30回目の質問,提言をさせていただきます。
 まず最初に,岡山市の政令市移行に関連して,幾つかお尋ねをいたします。
 知事は,提案説明に当たり,「県都である岡山市の政令市を目指した合併は,地方分権が進展していく中で意義あることと受けとめており,今後とも合併に向けた諸準備が円滑に進めれるよう,引き続き助言や支援を行ってまいります。」とされました。これは従来にない非常に踏み込んだ内容であって,岡山市選出の議員の一人として,まずは歓迎したいと思います。
 岡山市の政令指定都市移行についての議論がにわかに進み出したのは,平成13年8月の国の市町村合併支援プランにより政令指定都市の指定要件が緩和されてから数カ月後,平成14年2月のことでありました。地理的一体性,歴史的経緯,産業経済圏域などの市町村の結びつきに関する客観的なデータを活用して岡山県が示した合併パターンにおいてもそうであったように,県庁所在地の中核市岡山市については,市町村合併云々の議論は直接的には関係がないのではないかという漠然とした印象が持たれておりました。しかし,文字どおりの急展開で,そこから今日までの4年半,思い返せば私自身も泣きたいぐらいに本当にいろんなことがございましたけれども,結論からいえば,岡山県南政令市構想に基づく岡山市,建部町,瀬戸町の合併を控えた今日,この岡山市の政令指定都市移行は絶対になし遂げなくてはいけません。
 御案内のとおり,岡山県議会においては,平成14年12月に,22人の超党派の関係議員有志でつくられた岡山市及び周辺市町合併問題議員研究会が報告書を知事に提出させていただきました。私は,個人的には終始一貫,岡山市の政令指定都市移行には反対ではないという立場をとっておりましたけれども,報告書の結びは,「今回の当研究会の限られた調査研究をもって市町村合併,政令指定都市問題の是非を論じられるものではないが,当研究会としては,県南政令市構想について,関係市町が本年7月以降の短期間の検討によって結論を導き出すことはいささか時期尚早と考えざるを得ない」,というものでございました。当時,県議会がこうして時期尚早と言うこと自体が,時期尚早であるということで多くの批判をちょうだいいたしました。
 しかし,紆余曲折はございましたが,建部町,瀬戸町との合併で人口は69万6,172人,もはや私は機は熟したと考えます。まずは,現行地方自治制度上最も自立した都市とされる政令指定都市移行を目指す過去,現在の一連の動きについて,さらに9月13日の岡山市議会で高谷市長が,平成21年に政令指定都市移行を目指すことを明言されたことへの知事の率直な御感想をお知らせください。
 また,意義あることとされますが,どんな意義とお考えなのか,あわせてお伺いいたします。特に県南の政令指定都市岡山市,中核市倉敷市で県の人口の約6割を占めることが県にどういう意味があるものなのか。さらに,中四国市を目指す中で,岡山市の政令指定都市移行がいかなる意味があるとお考えなのかもお伺いいたします。
 さらに,私はよく,岡山市が政令指定都市になったらどんなメリット,デメリットがありますかという質問をちょうだいしますが,平成14年2月定例会での私の質問に対して知事は,岡山市が政令指定都市になりますと,国道,県道の新・改築等の管理権限,あるいは都市計画決定の権限,さらには児童相談所の設置等の事務処理権限が大幅に県から移譲されることになりまして,県民に身近な行政主体での行政サービスの提供等が可能になると答えてられますが,岡山県サイドからの岡山市の政令指定都市移行に伴うメリット,適切な言葉でないですけどデメリットについて,いかようにお考えがお知らせください。
 ところで私は,最近特に,政令指定都市を目指す岡山市に,国道,県道の新・改築等の管理権限が移譲されることを早くも前提にして,県の道路行政が進んでいるのではないかという危惧の念を持っております。例えば,数年後,この県道の新設,管理はどうせ岡山市に移譲されるのだから,ここはひとつ将来の岡山市にゆだねて,今は難しい調整や事業の着手を県がすることもないのではないかという発想,あるいはそういったムードが生まれるとしたら,あるいはそういううわさが飛ぶこと自体,県民市民にとってゆゆしき事態であります。知事は,合併に向けた諸準備が円滑に進められるよう引き続き助言や支援を行うとされましたが,それはいわゆる机上の書類上,手続上の業務の話だけではなく,例えば道路事業は県が少しでも先に進めて,円滑に事業が継承される形で行われるべきものです。岡山市に関連する道路事業に関する知事の御認識をお聞かせください。
 関連して,いわゆる市町村合併に伴い県の事業が移譲されるならば,移譲される業務にあわせて,自治体を超えて人材の異動も行われるべきだと思います。特に岡山市が政令指定都市に移行するということになれば,県から移譲された事業に合わせて新たに岡山市の方が職員をふやすということは,行財政改革の流れに反することではないかと思います。具体的に今そういった要請があるということは,私自身も承知いたしておりませんけれども,市町村合併及び権限移譲の中で,県から市町村への人的支援の実績と今後の方針についてお知らせください。
 いずれにせよ,知事が助言や支援を行ってまいりますとおっしゃられるからには,個別ではなく総合的に考える,特に国に対しては岡山市と共同して働きかけを行う,そうした体制やシステムが必要なように思います。岡山市の政令指定都市移行を推進するために,具体的な窓口や機関,組織等を設置すべきと考えますが,いかがでしょうか。
 関連して,昨今の国の医療制度改革の流れを見るにつけても,都道府県単位の保険料率の導入,僻地・小児科,産科での医師確保対策,医療情報の提供など,むしろ従来以上に県の役割が重要になる面もありますが,こういった医療制度などが,道州制の導入と政令指定都市移行によってどのように影響を受けるのかについてもお知らせください。
 ところで,岡山市の政令指定都市移行に伴う最大のメリットは,やはり町の風格が上がるということだと思います。前回の議会で申し上げた,例えばJR吉備線のLRT化などは,非常に象徴的な町の風格になり得るものだと思います。加えて,やはりスポーツ文化の象徴としてプロスポーツチームは,政令指定都市にはやはりあってしかるべきものだと思います。
 先日,8月20日に岡山県営球場で,岡山商工会議所青年部さんの主管で招致された四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズ対高知ファイティングドッグスは,2,200人もの観客が集まり,岡山にもこうしたチームが欲しいという声が上がりましたし,この9月24日日曜日には,前回の議会で申し上げたように,本当にこれは駐車場のことが気になるんですけれども,桃太郎スタジアムで湯郷ベルと,そして「晴れの国おかやまからJリーグを」を合い言葉に現在中国リーグの首位を爆走しているファジアーノ岡山FCのダブルヘッダーが行われて,恐らくかなりのサポーターが集まってくださると思います。中四国州を目指す中でも交通の結節点をうたいながら,しかも地方分権時代の地域間競争の象徴としてクラブチームを育てていこう,そういった流れの中で,例えばJリーグのチームすらつくることができないというのは,岡山に文化的土壌がないと言われても私は仕方がないと思います。
 ところで,こうしたトップチームの悩みはどこも同じで,資金と練習場,試合場の確保であります。特に全国のあちこちで30チームがJリーグを目指しているサッカーでは,行政が税金の中から資金援助をするのが難しいにしても,お金を取らないような支援,例えばJ2に昇格した愛媛FCのメーンスタジアムである愛媛県総合運動公園は,試合日のスポンサーの広告看板の設置代を取っていないように,さまざまな形での県独自の支援は考えられると思います。そうしたトップスポーツチーム支援の行政の姿勢が,企業や市民,県民の皆さんを盛り上げていく起爆剤になると思いますが,知事の御所見をお聞かせください。
 次に,子育て支援についてお伺いいたします。
 平成12年の12月定例会で,少子化対策として私も子供ができましたと申し上げてから,早いもので来年は私の子供も小学生になります。2番目がなかなかできませんが。ことしは,私も幼稚園のPTA会長などをしている関係で子育て世代の心配事を実感することも多く,今回はそうした世代を代表して,教育問題と絡めて質問させていただきます。
 まずは,今議会に認定基準にかかわる条例が上程されている認定こども園についてですが,子供を幼稚園か保育園か,しかも公立か私立か,あるいは無認可か,どこに通わせるかは,子供たちの意思というよりも保護者の側の経済事情やライフスタイルによるところが非常に大きいと思います。保護者側にしてみれば,保育園における待機児童の解消,幼稚園における3歳児未満児の保育に対する要請が強いわけでありますが,その要請に,幼稚園と保育園の機能をあわせ持った施設である認定こども園がこたえるものなのかどうか。幼保の連携強化との関係も含めてお知らせください。
 また,都道府県による認定ということで,特に地方裁量型はまさに県の裁量によるもので,県の考え方にも大きく左右されます。そこで,どういう認定方針で臨まれるのか,あわせてお聞かせください。
 また,就学前に子供たちにはこうしたさまざまな形態があるわけですが,小学校に入りますと,子供たちは皆一緒になります。しかし,小学校に行ったら,子育てへの思い,あるいはPTAに対する考え方など,子供以上に実は保護者同士がとまどっているような現状がございます。さらに,行政においても,子育て支援課,教育委員会生涯学習課,総務学事課と所管がばらばらであります。特に就学前に関しては,子育て支援のために連携して対応する行政組織,さらにはPTA,幼稚園,保育園,各施設との連携組織,例えば子供課の設置などが必要なように思いますが,知事の御所見をお聞かせください。
 次に,先ほどの小倉議員の質問とかぶってしまいますけれども,文部科学省と厚生労働省は,来年度から,すべての小学校区で,放課後も児童を預かる放課後子どもプランの創設を決め,総事業費として約1,000億円を見込んでいます。この事業は,大量退職される教員の活動の場を提供する,経済的な理由で塾に通えない子供に学びの機会をふやすというねらいもあるようですが,いわば厚生労働省が進めてきた児童福祉法に定められた事業である学童保育と,文部科学省が進める地域子ども教室を一体的に連携させようという施策で,児童が放課後を学校で過ごす環境を整え,共稼ぎの子供にはさらに時間を延長するとのことであります。
 大変気になるのは,大規模学童保育や,あるいは学童保育の待機児童解消にはつながるにせよ,PTAやあるいは地域の方々がつくり上げ,そして指導員による専門的な指導を行ってきた従来の学童保育との関係であります。また,地域事情がさまざまにある中で公立小学校に一斉に導入となって,実際にこれは対応できるものなのかどうなのか,地域格差は出ないのか。ある意味非常に唐突とも言える国の大きな施策転換でございますが,その対応と課題についてお知らせください。
 ところで,子供たちをめぐるさまざまな事件の中で,我が子を加害者にも被害者にも,そして何よりも傍観者にもさせたくないと,親ならだれもが思います。しかし,学校と地域と家庭が協力して少年非行を防止するには,思いやりの心を育て,規範意識を身につけさせることが重要だというのはわかるんでありますけれども,これはまさに問いを問いで答えるようなもので,意外に有効な具体策にはなっていないように思います。
 そこで,私自身が考える幾つかの提言をさせていただきます。
 提言その1,「岡山っこ宣言」であります。
 やはり,教育基本法の改正という大きな問題もさることながら,まずは会津の地にあるようなあいづっこ宣言のようなものを岡山もつくるべきであると私は考えます。西南の役に走らせた鹿児島の郷中教育もそうでありますが,いわば日本の歴史を動かす原動力になったほど,地域の子供たちの魂の根っこに入っている教えというものが会津若松にはございます。会津若松の町中には,会津藩校である日新館の什の掟をアレンジしたあいづっこ宣言を書いた看板が町の至るところに立っていて,子供たちは毎日それを見ております。その内容は,「1,人をいたわります。2,ありがとう,ごめんなさいを言います。3,がまんをします。4,卑怯なふるまいをしません。5,会津を誇り年上を敬います。6,夢に向かってがんばります。やってはならぬ,やらねばならぬ,ならぬことはならぬものです」,というものでございます。
 例えばホリエモンは,最後の夢に向かって頑張ります以外は全滅だと思いますけれども,最後のならぬことはならぬものですというのが,非常に私は大切だと思います。例えば,目上の方にため口をきくのが恥ずかしいとも思わない,また逆にそれを諭せない,そういう人間もふえておりますけれども,大人のそう言い切るだけの威厳を持つためには,身をただす実践の必要がございます。あるいは,大人を変える宣言でもあると思います。岡山弁で言えば,「やったらおえん,やらにゃあおえん,おえんもんはおえんのんじゃ」と岡山の子供たちなら,いや岡山の人間ならだれでもそらんじて言うことができる,岡山っこはかくあらんという魂の根幹にしみ込むようなこうした「岡山っこ宣言」を,例えば就学前から子供たちが毎日唱和していたら,幾つかの事件は起きていなかったと思います。逆に,日本一古い藩校がある教育県岡山県において,なぜこうした基本となるような教育理念が伝わっていないのか,私はむしろ疑問に思います。
 今後,青少年が健やかに成長していくために,「岡山っこ宣言」の制定を提言させていただきますが,知事の御所見をお聞かせください。
 提言その2でございます。「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」であります。
 早寝,早起き,朝御飯,その重要性は,もはやだれもが知っておりますけれども,それができないのはむしろ保護者の方に責任があって,子供だけを責めても仕方がない部分があります。では,なぜ保護者がそれができないのか。それは,非常に安直に言えば,社会が悪いからだということになります。
 思うに,一体日本人はいつから,例えば午後7時には家族が皆うちに帰って家族で食卓を囲まなくなったのでしょうか。それが可能なのは公務員の方だけでありましょうか。いや,公務員の方も多分できてないと思います。特に子育て世代の親は残業,子供は塾で家族はばらばら,午後7時に子育て世代の家族が顔を合わせてともに食事をして,会社や学校や地域であったことをお互いに話をする,それで解消される問題が,実は非常に多いのではないかと思います。しかも,家族が皆早く寝れば,不思議なことになぜか家族もふえるのではないか。ともあれ,こうした家族で晩御飯がなければ,早寝,早起き,朝御飯もできないのではないかと思います。
 要は,おてんとうさまが沈んで暗うなったら皆家へ帰ろうや,という当たり前のことができない社会が実は問題なのだと思います。そこからさまざまな無理が生じ,持続不可能な社会になると,かように私は考えているわけでございますが,こういう社会観,家族観,「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」について,知事はどう思われるでしょうか。知事は毎晩,美しい奥様の温かい手料理で,御自宅で夕食をとられていると思いますけれども,子育て世代の県民の皆様がせめて家族で週3日でもよい,家で晩御飯を食べるというのが当たり前の世の中になるように啓発できないものでしょうか,あわせて御所見をお聞かせください。
 最後,提言その3でございます。「14歳のあなたへ」であります。
 約10年前,岡山市内の,当時はやや荒れていた中学校で,親の気持ち,思いを子供たちに伝えれば,きっと子供たちは理解して成長してくれると担任の先生が考えられ,2年生の保護者全員に,「14歳のあなたへ」という我が子へのメッセージを書くことが,冬休みの保護者への宿題として出されました。恐らく「5歳のあなたへ」なら,きっと我々も簡単に伝えることができると思いますけれども,思春期の真っただ中,「14歳のあなた」へ親が伝え,そしてまた子供たちがそれを受けとめることが,いつの間にやらいかに難しくなっていることか。もちろん,いろんな保護者がおられ,内容もさまざまでありますけれども,親の気持ち,思いが1冊の本にまとめられ,子供が生まれたときのこと,少しずつ親から離れていくうれしさと寂しさ,気持ちが通わなくなっていく寂しさ,それでもしかし,いかに子供たちを親が愛しているのか,正直に申し上げて,私はこの「14歳のあなたへ」という文集を涙なしに読むことはできませんでした。恐らく,子供たちはなおさらだったと思います。この学校では,毎年,14歳の子供を持つ保護者に子供にメッセージを書く宿題が出され,3学期の参観日の授業の題材にそれをまとめた文集を使って子供たちの感想を聞く中で,親と子のお互いの思いがしっかりと伝わってか,それ以来,この学校は落ちついて,「14歳のあなたへ」はこの学校の今は誇りになっております。これ私は本当によい話だと思います。教育長の御所見をお聞かせください。
 以上,「岡山っこ宣言」,「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」,そして「14歳のあなたへ」の3点セットで大人も子供も変わると信じて質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 岡山市の政令指定都市移行についての幾つかの御質問であります。
 一連の動き等に対する感想でありますが,岡山市は政令市移行を視野に入れまして,17年3月に御津町,灘崎町と合併をし,さらに来年1月22日を期日として,建部町,瀬戸町との合併の諸準備を進めているところでありまして,関係の皆様方のこれまでの取り組みに対しまして敬意をあらわしますとともに,合併後の新しいまちづくりに対し,大いに期待をしているところであります。
 また,21年に政令市移行を目指すということにつきましては,市において,将来の都市像や今後の取り組み等につきまして,市議会も含め,議論を重ねていただきたいと考えておりまして,県といたしまては,こうした市の取り組みに対し,引き続き助言や情報提供等に努めてまいりたいと存じます。
 合併の意義でありますが,岡山市,建部町,瀬戸町の合併は,行財政の効率化や広域的なまちづくり等を通じまして住民福祉の向上が図られるということになり,さらに政令市に移行することになれば,国道,県道の管理権限の移譲による道路網の一体的な整備や,児童相談所の設置等による質の高い行政サービスの提供が可能となりまして,都市機能の向上にもつながるということから意義あるものと,このようにお答えをしているところであります。
 人口の意味でありますけれども,岡山市や倉敷市は,多くの人口と,それに応じた一定の行財政規模や機能を持ち,自立的な運営を進められておられまして,地方分権の観点から望ましいことと,このように認識をしておりますが,私といたしましては,大都市であるかどうかにかかわらず県内すべての市町村が,それぞれの地域の特性等を生かしたまちづくりを進めていくということが重要であると考えております。
 今後とも市町村の規模や実態等に応じまして適切な助言,支援を行いますとともに,県民一人一人が快適に生き生きと生活することができる地域社会の実現に努めてまいりたいと存じます。
 中四国州を目指す中での意味でありますが,県都である岡山市の政令市を目指した取り組みは,今後道州制の議論を展開し,中四国州の実現に向けて本県がその中心的な役割を担ってく上で意義あることと受けとめております。
 県のメリット,デメリットについでありますが,政令市に移行した場合には,県内での一層の集中が起こり,周辺市町村との格差が広がるのではないかとの指摘もありますが,一方,移行によって県から市へ多くの事務・権限が移ることによって,主体的,総合的なまちづくりが一層可能となり,岡山市においても県都にふさわしい都市形成が進むものと期待をしているところであります。
 道路事業でありますが,おかやま夢づくり道路プランに基づき,岡山市内における渋滞対策のための環状道路や交流拠点へのアクセス強化を図るための道路,都市の骨格を形成するための道路などにつきまして,現在,鋭意整備に取り組んでおります。さらに,今年度から新たな事業に着手をするなど,必要な道路の整備を重点的,計画的に岡山市内において進めておりまして,御指摘のような危惧は当たらないものと考えております。
 県から市町村への人的支援でありますが,これまで市町村からの要請に応じまして,市町村合併に伴い18人,事務・権限の移譲に伴い5人の職員を派遣しております。このほかにも,県・市町村間の相互理解と連携強化を図るために,毎年度,人事交流を行っております。今後とも市町村から職員派遣等の具体的な要請がありますれば,県及び市町村の業務が円滑に遂行されますように,適切に対応してまいりたいと思います。
 窓口等の設置でありますが,他県における先行事例を見ておりますと,県と市の間における情報交換や連絡調整を初め,移譲事務の取り扱いの協議等を行うための県市連絡会議,及び県庁内において検討,調整を行うための支援本部等の設置が行われているところでありまして,今後岡山市の政令市に向けた取り組みの状況等を踏まえた上で,これらにつきましても検討をすることになろうと考えております。
 医療制度等への影響でありますが,今般の医療制度改革には都道府県という地理的区域を単位といたしました保険料率の導入のほか,県医療対策協議会を通じました地域や診療科による医師不足問題への対応や,県による医療情報公表制度の創設などが盛り込まれております。今回の改革は,将来の道州制を考慮したものとはなっておらず,また政令指定都市移行がこうした改革の実施過程において特に影響を与えるものとはなっていないところであります。
 トップスポーツクラブの支援についてでありますが,クラブチームが安定的に運営を続けていくためには,資金や練習場,試合場の確保が必要でありまして,県民や企業,関係団体等の多くの方々の幅広い支援体制が不可欠であります。県内には,岡山シーガルズや岡山湯郷ベルなど,トップチームが地域に密着して活動しておりまして,こうしたチームの活躍は,本県のスポーツ振興のみならず地域の活性化にもつながるものとなっております。
 今後ともトップチームの支援体制構築への協力など,支援のあり方や方法につきまして検討してまいりたいと存じます。
 次に,子育て支援にかかわる幾つかの御質問であります。
 まず,認定こども園でありますが,認定こども園は,従来の幼稚園,保育所に加えまして,幼保が連携をし,小学校就学前の子供の教育,保育ニーズにこたえる新たな選択肢になるものと考えておりまして,待機児童の減少や3歳未満児の保育の要請にもこたえることができるものと考えております。
 また,地方裁量型につきましては,現在の幼稚園,保育所の教育及び保育の水準を満たすものについて認定する方針としております。
 子供課の設置でありますが,子供に関する施策は,福祉,保健,医療や教育,労働など,あらゆる分野が連携して取り組むことが重要であると考えております。このため,岡山県子どもを健やかに生み育てる環境づくり総合対策本部を設置いたしまして,私が本部長となって,全庁を挙げて子育て支援対策を総合的かつ計画的に推進をいたしております。
 今後とも子供の幸せの視点に立って,関係部局がより一層連携を密にし,子育て支援に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 放課後子どもプランでありますが,これは国が来年度の概算要求で総合的な放課後対策として打ち出したものであります。このプランには,放課後児童クラブと放課後子ども教室の2つの事業がありますが,両事業の実施を考えますと,保護者負担の有無,新たな地方負担,対象児童の重複,市町村の取り組み状況による地域間格差など,さまざまな課題があろうと思われます。
 いずれにいたしましても,情報収集に努めまして,県教委とも連携をしながら,その対応につき検討してまいりたいと存じます。
 幾つかの御提言をいただきました。
 まず,岡山っこ宣言の制定でありますが,私も青少年の健全な成長のためには,子供たち,そして親が規範意識を持つことが重要であると,このように考えておりまして,お話のように,わかりやすく覚えやすい言葉で社会生活を営む上での大切なメッセージを伝えるということは,これは大変有意義なことであると存じます。しかしながら,このメッセージはそれぞれの地域のアイデンティティーや歴史,風土を踏まえつつ,一方的な押しつけにならないように配慮をし,そして言葉の意味に対する県民の深い理解や幅広い賛同などが必要であると考えているところであります。
 今後,議員御提案のこの宣言の問題につきましては,青少年対策を幅広く検討していく中で,御提案の趣旨につきましても研究をしてまいりたいと存じます。
 最後に,家族観等についてお話の「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」の御提言でありますが,このことが当たり前となって,家族での団らんなどの機会がふえて,家族のきずなが深まるということは私も大変望ましいことと考えております。この点につきましては,先般,国において,家族の日や家族の週間の制定などが盛り込まれました新しい少子化対策が発表されたということでありまして,国の動向も踏まえまして,家族や生命の継承の重要性,結婚,出産の意義等の啓発などを行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(教育長)  お答えいたします。
 保護者からの我が子へのメッセージ,「14歳のあなたへ」についてでありますが,我が子が生まれたときの感動や期待,成長する姿を見守る思いなどをメッセージとして言葉で伝えるこの取り組みは,思春期を迎えました子供たちの心を動かし,改めて親の思いに気づき,自分自身をかけがえのない存在として意識し,目標を持って励んだり,自分の行動を振り返ったりすることにも役立っていると思われます。私といたしましては,精神的にも身体的にも急激な成長を遂げている不安定な時期の子供に,大人がきちんと向き合い,互いの思いや考えに気づくよう努力をすることが,子供たちの健やかな成長にとって大変重要であると思っております。こうした取り組みや努力が学校や家庭,地域で一層広がっていくことを期待しているところでございます。
 以上でございます。

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