平成17年2月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 「ももっち」について             (総務)[ 知  事 ]
2 落石事故について
 (1)県道復旧の見通し             (土木)[ 土木部長 ]
 (2)牧山地区等の県道整備           (土木)[ 土木部長 ]
 (3)JRの安全点検              (生環)[生活環境部長]
 (4)落石危険箇所の見直し           (土木)[ 土木部長 ]
3 規制緩和に対応した公共交通の支援策について
                         (生環)[ 知  事 ]
4 サッカーについて
 (1)所感                   (教育)[ 知  事 ]
 (2)競技場等の整備          土木協力(教育)[ 知  事 ]
 (3)Jリーグ入りを目指すチームの支援
                         (教育)[ 知  事 ]
5 攻めの農業について
 (1)国内での販路拡大             (農水)[ 知  事 ]
 (2)ピオーネ                 (農水)[農林水産部長]
     ア 高値安定の担保
     イ 逆輸入の危険
 (3)マスカット                (農水)[ 知  事 ]
 (4)輸出体制整備と産地支援          (農水)[農林水産部長]
 (5)国際協力による影響        企振協力(農水)[農林水産部長]
6 産学官連携について
 (1)地方の時代の地域における大学の役割
                     企振協力(総務)[ 知  事 ]
 (2)岡山TLO                (産労)[ 知  事 ]
 (3)人文・社会科学系での連携     教育協力(総務)[ 知  事 ]
 (4)総合的な大学との連携室          (総務)[ 知  事 ]




(佐藤)  皆様,おはようございます。
 自由民主党の佐藤真治でございます。
 まずもって,1月4日に御逝去された門木和郎先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。今現在,私がこうしてこの壇上に立つことができますのも,逢沢外務副大臣に育てていただき,門木和郎先生が受けてくださったからであります。私の父も昨年の春に亡くなりましたが,40歳の私からすると,まさに門木先生は父のような存在でありました。どのタイミングでどんな発言をされるのか,そのスケールの大きさ,人間の懐の深さ,政治家の姿を,本当にわくわくしながら見ておりました。背中を見ておりました。満開の桜を背に,「散る桜,残る桜も散る桜」とおっしゃられた姿,そのときのお言葉は,若い者なりに胸にしみております。百花繚乱の岡山県議会において,いずれは必ず散っていく花なれど,どうせならば岡山県のために大輪の花を咲かせよう,そう誓いながら,何よりも門木先生に感謝の誠をささげながら,トップバッターで質問をさせていただきます。
 さて,気の早い話ですが,既に国体後については,方々で語られるようになりました。私が気になるのは,平成19年に生涯学習フェスティバル,21年に全国緑化フェア,22年に国民文化祭と,大型の行事が続く中で,これだけ全県に顔を売り,これからさらに一汗も二汗もかく国体のキャラクター「ももっち」を差しおいて,新たなキャラクターが岡山県の顔として登場するのだろうかということであります。来年になって,「ももっちはどうしたの」と子供に聞かれたときに,「あれはもう用がないんじゃ」と言うのは,教育上も大変よろしくありません。私は,国体局のスタッフの方が,「ももっち」のぬいぐるみの貸し出しの際に,「行ってらっしゃい」といつまでも手を振っておられたという話を聞き,涙が出ましたけれども,ともに天皇杯,皇后杯を目指す我々の仲間「ももっち」への御礼は,岡山県のキャラクターとして末永く愛していくというお約束だと思いますが,慈悲深い知事のお考えをお知らせください。
 次に,先月26日,JR津山線沿いの宗谷山の斜面が,長さ30メートル幅約20メートルにわたって崩れ,土砂が線路を覆い,列車が乗り上げ,下を行く県道玉柏野々口線を走行中の乗用車に,崩れ落ちた石が直撃する事故がございました。回送中の列車運転手の方が軽いけがをされましたが,それで済んだのが奇跡で,少し時間がずれていたら,まさに大惨事でありました。その後,JR津山線自体は,現場を挟んだ折り返し運転で動いてはいますけれども,JR金川駅からJR岡山駅西口までは代行バスが走り,県道は依然通行どめが続いております。
 気の毒なのは,牧山地区の方々です。以前の水害でも交通が遮断され,今回は生活に不可欠なJR津山線どころか県道まで,直接岡山市内に通じないという事態になりました。しかし,何よりも困るのは子供たちで,昨春,牧山分校が廃止されて,牧石小学校まではJR津山線で通っていましたが,現在は,通称潜水橋を対岸に渡り,これまた狭隘な箇所が多い,県道東岡山御津線をチャーターバスで通っています。
 まずもって,道路管理者の県としては,現在でも落石の可能性が非常に強くある道路を,さあお通りくださいと言えるはずもなく,ましてや,これから発破ということになれば,とにかくJRが安全ですと言わない限り,県も安全ですとは言えないことは理解いたしますけれども,端的に復旧の見通しはいかがでしょうか,土木部長にお伺いいたします。
 なお,この発破作業に伴って発生する砕石等の集積場所として河川敷を活用できれば,復旧も早くなるのではとのアイデアもありますので,参考にしていただければと存じます。
 そもそもが,いわゆる牧山地区では,旭川も極端に蛇行しており,浸水の被害もしばしば発生し,新岡山市となる岡山−御津間では,最も未整備の主要道と言える県道玉柏野々口線については,かねてから道路拡幅の要請があります。また,現場に近い管掛トンネルは,大型車両同士の対面通行が不能なため,撤去を望む声もあります。こういうことがあると,さらに整備を急がなくてはいけないと思いますが,いかがでしょうか。
 あわせて,対岸の県道東岡山御津線の大久保地区についても,その整備方針はいかがでしょうか。財政厳しき折であることは理解した上で,また個別の質問で恐縮でございますが,ぜひ御検討いただきたく,あえて土木部長にお伺いいたします。
 加えて,JR津山線において,列車が落石を警戒して減速していたのは,実は今回の場所ではないとも聞きます。今回の場所は,落石覆いはあったわけですが,この際,徹底的な安全チェックも必要です。とりわけ,2年に1度の目視点検をJRは基本とされているようでありますが,昨年の台風で,JRの県下全域の線路沿線にどういう影響があったのか,どういう調査をされて,どういう対策をとられているのかを,行政側が把握することも必要だと思いますが,県としてはどのようにお考えでしょうか,生活環境部長にお伺いいたします。
 また,県でも,落石危険箇所で定期点検は行われているとは思いますけれども,今回の箇所は指定箇所ではなかったと聞きます。見直しも含めて,今後の対策を土木部長にお伺いいたします。
 この件に関して,要望でありますけれども,前述の潜水橋については,これはあくまで仮設の橋でありまして,将来的に自動車が通行可能なものにしてもらいたいとの声もあります。こちらは岡山市の管理下にございますので,市において検討していただくとして,新大原橋,葛城橋の間に,きちんとした橋をかけてほしいと地元の方は強く望んでおられますので,この場をかりてお伝えさせていただきます。
 いずれにいたしましても,一刻も早く,安全性の担保がある上で,このJR津山線と県道玉柏野々口線の全面復旧されることを祈ります。
 ところで,今回強く感じましたのは,地域における公共交通の切り捨て状況をいかに行政がフォローしていくかの重要性であります。まさに,陸の孤島になりかねない地域が幾らもございます。乗り合いバスの規制緩和が,一方で過当競争と,一方で切り捨てを生むのではないかという懸念は,かねてからあったわけでありますが,特に影響があるのは,交通弱者とも言える高齢者や子供たちに対してであります。まさに,規制緩和に対応した支援策を考えないといけない状況だと考えますが,今後の方針をお知らせください。
 次に,いよいよプロ野球もオープン戦が始まりました。私がファンである横浜ベイスターズが,ことしこそ最下位を脱出してほしいなと切に祈るものでありますが,その点で,また逆に,阪神タイガースのマスカットスタジアムでの秋季キャンプが中止になったという知らせは,本当に残念であります。私は,サッカーか野球かというと,明らかに野球の世代でありますが,しかしプロ野球がチーム名に企業名を冠している限り,結局はなかなか市民のものになり切らぬのではないかなという印象を,最近強く持つようになりました。
 一方でJリーグは,ワールドカップという頂点に向けて,サッカー界がアマチュアまで含めて非常に体系的に組織化されていて,地域におけるまちづくりにも資すると思いますし,今,「岡山からJリーグを!」という話に,強いロマンを感じるようになりました。岡山には,かってJFLの前身,JSLで活躍した川鉄サッカー部がありましたが,その後川鉄は,95年に神戸市に移転してヴィッセル神戸となり,兵庫のヴィッセル神戸,広島のサンフレッチェ広島の間の岡山県はJリーグの空白県になっています。ちなみに,Jリーグは,93年に10チームでスタートいたしましたが,99年から2部制を導入,今期からJ1は2チーム増の18チームで,最大20チーム,J2も14チームが最大目標,将来はこれにJ3を3地域ごとのリーグにして各20チーム,合計約100のJクラブ設立を目指しているそうであります。御案内のとおり,J2にJFLから,徳島ヴォルティス──大塚製薬でありますが──とザスパ草津が新規加盟し,近県では米子にあるJFLのSC鳥取が上をねらっております。
 もちろん私は野球ファンでありますので,マスカットスタジアムで一試合でも多くプロ野球の公式戦を見たいのでありますが,将来的に桃太郎スタジアムをホームグラウンドにして,年間にJ1の公式戦が38試合も行われることはむちゃな話ではありません。実は,今それだけの土壌ができつつあります。昨年は,岡山のサッカー界にとって歴史的な年となりました。Jリーグの公式戦開催もありましたが,何といっても岡山からは川崎製鉄水島以来10年ぶりの水島FC──三菱自動車水島製作所サッカー部でございますが──の国内のアマチュアサッカーリーグ最高峰のJFL昇格,そして知事も大好きと伺っております湯郷ベルのL1昇格,そしてファジアーノ岡山FC設立及び中国リーグ入りと,ここに来ていよいよ将来的にJリーグ入りがねらえる水島FCと,ファジアーノ岡山の活躍が光ったわけであります。もちろん,まずは連合軍によって,岡山国体成年男子サッカーで優勝していただきたいという強烈な思いがあるわけでありますが,最短ならば数年内にJリーグチームが生まれる可能性があります。特に,ファジアーノ岡山は,地域に根差したサッカークラブをつくろうと,岡山から全国へ,「岡山からJリーグを!」を合い言葉に,NPO法人岡山ヒューマンスポーツクラブが運営主体になって立ち上げたチームであります。
 Jリーグに上がるためには,もちろんこの2チームが今後どうなるのかなという点も含めて,幾つか関門がございます。まずは,ホームタウンと専用スタジアムと指導者資格等でありますが,J1リーグの公式ゲームの開催要件であるスタジアムの1万5,000席は,改装なった桃太郎スタジアムは1万5,589席,さらに芝生席に改良の余地もあって,これはクリアできると思います。問題は,やはりお金であります。県リーグ,地域リーグ,JFL,Jリーグ──これはJ2からJ1になりますけれども──こういった形で上がっていくわけですが,中国リーグで年間300万円,JFL入りには1,000万円の年会費のほか,年間に約3,000万円の費用が必要と言われています。そして,Jリーグは,もちろんプロでありますから,5億円,10億円,20億円と経費ははね上がっていくそうであります。要は,クラブチーム方式で,どこまでこの経費が賄えるのかということで,独立採算制をとるJリーグとしては,プロ野球とはまた違った経営が必要になるわけであります。まずは,いわゆるサポーターとして,金銭的な面も含めて,岡山にJリーグ入りするチームをつくろう,こういった機運をつくっていくことが何より大切であると思います。繰り返しますが,可能性は大いにあります。Jリーグ,Lリーグを含め,サッカーという競技について,競技場等のハード面の整備状況について,また岡山からJリーグ入りを目指すチームの支援について,知事はいかようにお考えでしょうか。
 次に,攻めの農業についてお伺いいたします。
 知事は,提案説明の中で,「岡山国体等を契機とした,県産農林水産物の販売宣伝活動や,首都圏に向けた情報発信,マスカットなど県産ブランド農産物等の東アジアへの輸出を目指す海外市場開拓など,攻めの農業を展開する」とおっしゃられました。2005年度以降の農政全般の指標となる食料・農業・農村基本計画の原案が2月24日にまとまりましたが,国内農業は世界的にも珍しい大規模な集団化で生き残りを目指していますが,さらにこうした守りから攻めの農業への転換は,まさに国策と言えると思います。海外の安い農産物に押されることの多い日本の農業の競争力を育てて,安心・安全で高品質な我が国の農産物の輸出拡大も図っていこうと,農水省やジェトロ,全国の自治体は先を競って支援している状況であります。しかも,こぞって,ターゲットは中国,上海,大連,台湾等で,すべて東アジアであります。国内農産物については,消費者に選択をされるように,意欲と能力のある担い手の育成など,農業の構造改革を含めて,農産物の品質の向上,また低コスト化を図っていく必要があるわけでありますけれども,つまりはこの国内における競争の舞台が,日本から世界に変わるわけであります。日本ですら不安に思う生産農家が,今後は世界が舞台だと言われて,不安がないわけがありません。要は,日本で勝てないと世界でも勝てないわけで,まずは国内の販路拡大について,首都圏等大消費地を中心に,どのような成果が上がっているのかをお伺いいたします。
 そして,問題は,県産ブランド農産物と言われる高品質な農産物の種目であります。岡山県の場合,当面はマスカットやピオーネなど,岡山ブランドの高級ブドウの輸出が有望と考えておられるようでありますが,まずは夢づくりプランで,作付面積1,000ヘクタールと,早急かつ集中的な産地の拡大を図るピオーネでありますけれども,実際のところ国内において,生産拡大による価格の高値安定の担保というものはあるのでしょうか。見通しを農林水産部長にお伺いいたします。
 とりわけ,ピオーネの輸出により,それだけ高く売れるんならばということで,輸出先が国内生産を始めて,日本への逆輸入による価格下落は起こり得ないのか,既に先方は,1,000ヘクタールの農地を確保しているという話も聞きますが,攻めの農業に倍返しの危険はないのか,長期的な勝算に基づくものであるのか,農林水産部長にお伺いいたします。
 また,昨年12月定例会で,小林議員が「県はピオーネは勧められますけれども,例えばネオマスカットにはちょっと冷たくないですか」というニュアンスの質問をされましたが,ネオマス以上にマスカット・オブ・アレキサンドリアについて冷たいのではないかという生産農家の声がございます。まずもって,知事はアレキについて,どのように思っておられるのでしょうか。私は,この陸の真珠,ブドウの女王と称される最高級果物の輸出に関しては,あれだけの手間をかける高品質な農産物を,輸出先がやすやすと生産できるわけはないと確信もいたしますけれども,輸出を誘導されるのであれば,生産者団体と一体となって,輸出体制整備をしていくための説明と理解が必要であって,何よりもそれ以前に,後継者不足の解消や若木への更新等による品質の向上や,施設整備のためのさらなる支援を,まずは積極的に行うべきと考えますが,いかがでしょうか,農林水産部長にお伺いいたします。
 ところで,農林水産物を通じた国際協力について,国際協力自体はすばらしいことでありますけれども,農林水産分野での本県の進んだ技術を習得していただくために,アジア諸国を中心に研修生を受け入れたり,専門技術員の海外派遣を通じた技術移転を進めているわけですが,結果的に,生産農家の首を絞めることにならないか,農林水産部長にお伺いいたします。
 最後に,産学官連携についてお伺いいたします。
 私は,地方の時代の多様な主体には,市民はもちろん,行政,企業,NPOに加えて,大学というものがあると思います。学生まで含めれば,総合大学なら行政と同じぐらいは,さまざまな分野にさまざまな人材がいて,NPO以上に行政と拮抗できる人材と知恵,あるいは現状を打破できる潜在能力があるはずであります。これから先,特に独立行政法人化された国立大法人を中心に,地方における大学の役割がますます重要になると思います。もっと言えば,地方の時代において,地方の大学の質が,その地方の命運を決めることにもなり,産業界のみならず,行政も政治も,もはや大学と無関係ではいられません。むしろ,県も市も大いに大学と連携し,関係を深める必要があると考えます。まずは,地方の時代に,地域における大学の役割について,知事の御認識をお知らせください。
 岡山県では,昨年,岡山県の肝いりで,岡山県産業振興財団が動いて岡山TLOが設立されていますが,現在の産学官連携の流れを見ますと,ある意味,経済産業省あるいは産業界からの要請というか,何か画期的な技術のシーズが大学に隠れていないだろうかというニーズからスタートした側面が強かったように思います。そのこと自体,否定するわけではもちろんございませんけれども。ですから知的財産云々という場合には,乱暴に言えば,理系の話であって,特に医学,薬学系からすれば,むしろ遅過ぎるような流れではないかと言えなくもありません。岡山TLOにしても,参加大学は理系あるいは高等専門学校が主であります。ちなみに,四国TLOは,四国4県の21大学,高専と連携しており,中四国州を標榜する岡山県の技術移転活動が,岡山TLOを基軸にするのなら,やや視野が狭いのではないかと言わざるを得ません。この点についての御認識もお伺いいたします。
 ところで,大学のシーズは,私は何もこうした技術面だけではないと思います。少なくとも,地方の時代に優秀な人材を地方に輩出する,その教育のノウハウそのものが大学のシーズであります。あるいは,特許になじむものではなくても,知的財産といったものはあると思います。もっと言えば,自然科学系ではない,人文科学系はもとより,社会科学系の産学官連携もあると考えます。特に,大学コンソーシアムという言葉は,そうした,いわゆる文系の連携の要素も強く含むものであり,大学コンソーシアムに産や官が絡んでくるとすれば,これは岡山型と言えると思います。そして,そこに生涯学習的な人文科学系,さらに実学として経済界とリンクしたような,社会科学系のものまで組み込めば,これは新しい動きと言えるのではないでしょうか。また,岡山県行政の推進の上で,人材交流も含めて,さらに大学と連携していくことも必要であると,私は思います。かような観点から,知事は,人文科学系,社会科学系と産学官の連携,とりわけ大学との協働について,いかようにお考えでしょうか。
 また,総合的な大学との連携室といったものが行政機関には必要ではないかと私は考えますが,いかがお考えでしょうか。
 以上で私の質問を終わります。まことにありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 まず最初に,「ももっち」でありますけれども,「晴れの国おかやま国体」と「輝いて!おかやま大会」を盛り上げるマスコットといたしまして,約7万件の応募の中から,この愛称とデザインというものを決定したものでありまして,各地のイベントなどで大変好評を博しているところでございます。先日の倉敷の青年会議所50周年大会でも,理事長みずからがこのマスコットであります「ももっち」に扮して登場し,主催者あいさつをされるといったようなことで,非常に会場も国体ムード一色で盛り上がったところでございます。
 両大会終了後におきましては,そのデザインがスポーツ色の濃いというものではございますけれども,大変多くの方々に愛されているということから,今後これを活用するという方向で,国体関係者,県民の方々との意見なども参考にしながら,その活用分野,活用方法などにつきまして検討することといたしたいと存じます。
 次に,規制緩和に対応した公共交通の支援策でありますが,規制の撤廃を機に,県独自の補助制度を創設いたしまして,国,市町村とともに,バス路線の維持に努めてきているところであります。地域の生活交通の確保につきましては,市町村の主体的な取り組みが基本と考えておりまして,現に岡山市や高梁市などの路線バスの撤退地域におきまして,交通弱者に配慮した過疎地有償運送や乗り合いタクシーなど,新たな交通手段導入の取り組みが始まっております。県といたしましては,今後,地域に適した,このような交通手段の導入が円滑に進むよう,研修会や講演会の開催,先進事例集の作成などを通じまして,市町村等の取り組みを支援してまいりたいと存じます。
 次に,サッカーへの所感でありますが,世界で最も多くの人々に親しまれているスポーツでありまして,我が国でもJリーグ創設以来,競技力の向上は目覚ましく,世界で活躍する選手もあらわれてきているなど,数々のすばらしいプレーが多くの人々に,興奮そして感動を与えてくれているものであります。本県では,昨年,特に,御質問にもございましたがサッカーチームの活躍が目立ちまして,埼玉国体における好成績,そして湯郷ベル,三菱自動車水島FC,ファジアーノ岡山が,一度にそれぞれ上位リーグに昇格するという快挙がありました。機運は大いに盛り上がってきていると存じます。今後,それぞれのチームが各リーグで大いに活躍していただき,県民に夢と希望を与えていただくことを期待しているものであります。
 競技場等の整備でありますが,Jリーグ等の試合を開催するためには,お話にございましたとおり,施設の収容基準が定められているところであります。本県では,桃太郎スタジアムはすべてに適応しているところでありますが,美作ラグビー・サッカー場や,4月1日にオープンの笠岡陸上競技場は,JFLに対応可能な施設となっているところであります。また,天然芝のグラウンドといたしましては,県有施設の津山陸上競技場や総合グラウンド補助陸上競技場のほか,市町村でも整備が進んでいるところであります。
 Jリーグ入りを目指すチームの支援でありますが,Jリーグ入りのためには,まずチームの競技力アップが求められるということでございまして,県といたしましても,その練習環境の整備に努めてきているところであります。先ほど申し上げました4月1日オープンの笠岡陸上競技場は,水島FCのホームゲームの会場として活用することとなっております。さらに,来年度は,美作ラグビー・サッカー場に,人工芝グラウンドを1面整備することとしております。今後,地域と一体となったクラブづくりに向けまして,関係者とともに,一層の支援の輪が広がるように努めてまいりたいと存じます。
 次に,攻めの農業についてであります。
 国内での販路拡大でありますが,県産ブランド農産物につきましては,これまでに首都圏等でのトップセールスを初めといたしまして,各種販売促進フェアの開催とか,あるいは白桃,マスカット等を描いたラッピングバスの運行など,市場開拓やPRを強力に展開してきたところであります。この結果,例えばピオーネについて申し上げますと,東京市場への16年の出荷は,13年と比べまして7トンから136トンへと,シェアが0.8%から10%へと大幅に拡大いたしますとともに,他県産より約1.5倍の高値で取り引きされるなど,市場でも高い評価を得ているところであります。
 また,マスカットは,本県を代表する果物といたしまして,全国シェアの93%を占めておりまして,千両ナスも東京,大阪市場で,他県産より約1.5倍の高い価格で販売されるなど,首都圏等への販路拡大は着実に成果が上がってきているものと受けとめております。
 マスカットでありますが,一世紀を超える長い歴史と,全国シェア9割以上を誇る,まさに名実ともに本県を代表する特産果物といたしまして,「くだもの王国おかやま」をリードしてきたと私は認識しております。とりわけ,今日のマスカットがありますのも,瀬戸内の温暖な気候を生かして,他に追随を許さない先人の方々の高い技術と経験に加えまして,生産者の方々のたゆまぬ努力のたまものと,このように思っております。昨年のマスカットの初売りに際しましては,私自身,東京市場に出向きまして,トップセールスを行ったところでありまして,今後とも,県内外に向け,積極的にマスカットのPRを行いますとともに,後継者の確保,あるいはハウスの整備,若木への更新等による省力化や品質向上対策等を積極的に進めて,マスカット産地を支援してまいりたいと存じます。
 次に,産学官連携であります。
 地方の時代の地域における大学の役割でありますが,今,地方は分権の時代を迎え,個性ある地域づくりに取り組んでいるところでありまして,すぐれた知的資源を有する大学との連携は,本県の経済や地域社会の発展にとって,極めて重要であると考えております。これまでも,新たな時代に対応した産業振興を図るため,岡山産学官連携推進会議を核として,岡山TLO,ミクロものづくり岡山等による大学との連携を進めてきたところであります。今後とも,より一層連携を強化いたしまして,地域経済の発展に努めてまいりたいと考えております。
 岡山TLOでありますが,岡山TLOは,岡山大学を初め,県内9つの大学や高専の参加を得るなど,地域一体型の技術移転を目指しているところであります。今後,さらに県内産業の振興を図るためには,TLO活動の広域化を進めるということが議員御指摘のとおり,重要であると考えております。このため,香川・岡山ブリッジシティ構想によります四国TLOとの連携など,近隣TLOとの技術シーズの共有化等の連携策について協議を進めておりまして,さらに,全国展開も図りながら,県内企業への活発な技術移転につなげてまいりたいと思います。
 人文社会科学系での連携でありますが,次代を担う人材育成,まちづくりあるいは文化振興など,人文社会科学分野におきまして,専門的な知識あるいは優秀な人材を有する大学との連携を深め,その成果を地域社会の発展や産業振興に生かしていくということが必要であると考えております。現在,県内の大学が中心となりまして,大学コンソーシアム岡山(仮称)の設立への取り組みが進められているところでありますが,県といたしましても,このコンソーシアムへの協力を初め,人文社会科学系での連携を積極的に進めてまいりたいと存じます。
 なお,総合的な大学との連携室の設置について,特に新たにそういうものを設けることは考えておりませんが,県の総合窓口を企画振興部といたしまして,担当部局間の連携をより一層密にすることにより,適切に対応してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(生活環境部長)  お答え申し上げます。
 JRの安全点検についてでありますが,昨年の台風後の運行再開に当たりましては,全線を徒歩巡回して,斜面や線路の目視検査を実施し,またその後におきましても,土木構造物検査や線路巡回検査等によりまして,落石,流水の状況を調査し,必要に応じ,山林への立入調査を行い,安全性を確認していると聞いております。
 なお,今回の津山線落石事故に際しては,県としまして,直ちにJR西日本に対し,危険箇所の総点検を申し入れたところでありまして,今後とも安全の確保を働きかけてまいりたいと存じます。
 以上であります。


(農林水産部長)  お答えいたします。
 攻めの農業についてという中で,まずピオーネの高値安定の担保についてでございますが,日本一の栽培面積を誇ります県産ピオーネは,ここ10年で出荷量が約1.5倍と大幅に拡大しております。そういう中で,市場販売価格は1キログラム当たり平均836円と,高値で安定的に推移しておりまして,品質の高さが反映されているものと考えております。本県産ピオーネは,大粒,種なし,甘いと三拍子そろっており,おいしくて食べやすいと,大人から子供まで消費者の人気が高く,そしてまた首都圏等の大消費地の市場からは,大幅な出荷量の拡大の要望が強いということから,今後とも農業団体と一体となりまして,高品質なピオーネの生産出荷を努めることによりまして,引き続き高い評価を持続できるものと考えております。
 次に,ピオーネの逆輸入の危険についてでございます。本県では,長年の努力と研究によりまして,大粒,種なし化,房づくりなど,本県独自の高度な栽培技術が構築されますとともに,技術レベルの高い生産者による産地体制が形成されており,日本一の高品質なピオーネの生産とブランド化が進んでいるところでございます。こうしたことから,仮に将来,海外で生産され,我が国に輸入されたとしても,本県産ピオーネがこれまでに築いてきました信用と品質で,十分対抗できるものと考えております。
 マスカットの輸出体制の整備と産地支援についてでございます。マスカット等の輸出には,これまでも生産者の代表者の方々との意見交換を行い,そして先月,農業団体等とともに,おかやま農産物輸出促進協議会を設置したところでございます。今後の輸出につきましては,産地の意向も十分に踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。
 また,産地支援につきましては,月給制による実務研修を活用して,後継者を育成いたしますとともに,低コストハウスや自動換気装置の整備,また若木への更新,非破壊糖度計の導入などによりまして,省力化や品質向上に向けた取り組みに対して支援しているところでございます。今後とも,生産基盤の整備や後継者の確保を支援いたしますとともに,共進会の開催など,農業団体と一体となりまして,マスカットの生産振興に努めてまいりたいと存じます。
 国際協力による影響についてでございますが,本県の農業技術者の派遣や研修生の受け入れは,アジア諸国を中心に,農林水産業の振興による自立的発展を支援するという国際貢献の視点から,土づくりや病害虫防除,あるいは栽培管理等の基礎的な技術指導を行っているものでございまして,交流相手国の気候風土や,現在の技術レベルを考えますと,直ちに農林水産物の輸入の増加につながっているとは考えておりません。
 以上でございます。


(土木部長)  落石事故に関しまして,県道復旧の見通しについてでありますが,現在,JRが県道玉柏野々口線を全面通行どめにしまして,土砂等の除去作業を進めておりまして,この作業の終了までに約1カ月を要すると聞いております。お尋ねの県道は,沿線地区住民の日常生活にとりまして重要な路線であることから,県としましては,早期の交通開放を願っておりまして,JRに対し,一日も早く作業を終え,安全が確保されるよう,強く申し入れているところであります。
 次に,牧山地区等の県道整備についてでありますが,県道玉柏野々口線の岡山市中牧地内の延長2.3キロメートル区間につきまして,10年度から河川改修事業とあわせました道路改築事業に着手し,現在,用地買収を進めているところであります。また,管掛トンネルを含む,他の未改良区間の整備につきましては,現在進めている事業の進捗状況や優先度などを勘案しながら,総合的に検討してまいりたいと考えております。
 県道東岡山御津線につきましては,岡山市大久保地内の延長1.3キロメートルの区間の整備計画を策定中でありまして,今後,地元関係者の御協力をいただきながら,早期に事業化できるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に,落石危険箇所の見直し等についてでありますが,県が定めました道路の管理要領に基づきまして,パトロールによる定期点検を実施し,異常箇所の早期発見に努めているところであります。今回の落石が発生した斜面は,JRが管理している箇所でありますが,このように県管理道路に被害が及ぶおそれのある箇所につきましては,管理やパトロールの強化を,強くJRに申し入れているところであります。
 また,道路の危険箇所につきましては,点検結果を踏まえ,必要に応じて見直しを実施しておりまして,今後ともパトロールの充実に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

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