平成15年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1.新産業・雇用創出について               [ 知  事 ]
 (1)数値目標                 (商労)
 (2)建設産業への支援策        土木協力(商労)
 (3)学生ベンチャーへの支援          (商労)
 (4)県営産業団地の早期分譲          (商労)
2.岡山市との関係について
 (1)乳幼児医療費公費負担補助制度       (保福)[ 知  事 ]
 (2)学童地域支援事業             (保福)[保健福祉部長]
 (3)合併処理浄化槽への補助          (生環)[生活環境部長]
 (4)県建設事業費市町村負担金徴収条例     (土木)[ 知  事 ]
   ア 基本理念
   イ 負担率等
 (5)都市再生緊急整備地域           (土木)[ 知  事 ]
3.治安・防災について
 (1)「ハント族」「期待族」対策        (警察)[警察本部長]
 (2)消・警連携体制              (警察)[警察本部長]
 (3)自衛隊との連携              (総務)[ 知  事 ]
 (4)情報管理                 (総務)[ 知  事 ]
 (5)地域防災活動               (総務)[ 知  事 ]




(佐藤)  まずもって,阪神タイガースの優勝,まことにおめでとうございます。陰のMVPと言われる横浜ベイスターズファンの自由民主党の佐藤真治でございます。本日最後になりましたが,今しばらくのおつき合いをよろしくお願いいたします。
 まず,新産業・雇用創出について,県下の7月の有効求人倍率0.91は,全国2番目の水準で,有効求人数も対前年比,同月比で17カ月連続で増加しているものの,建設業は新規求人では再びダウンに転じました。私は,体感としては,本格的な景気回復にはほど遠いのではないか,そのように思います。そうした中,知事が我が党の代表質問に答えられた,産業・雇用戦略会議を立ち上げられることを心から歓迎いたしますが,その立ち上げに際しては,ぜひ御検討願いたいことがございます。
 本年2月,長野県は,財政改革推進プログラムの策定にあわせて,産業活性化・雇用創出プランというものを発表しました。このプランを進める上での考え方は,「産業活性化,雇用創出に関して大胆な目標を設定し,目的達成のために何をすべきかを明確にし,もし障害があればそれを最大限取り除くように努力していきます。できない理由を並べ立てるのではなく,達成するために何をすべきか,どこを変更すべきかといった前向きの取り組みをしていきます」というもので,2万人の常勤雇用と111万2,900日の短期雇用を長野県独自として創出するという非常に積極的なものとなっています。正直に申し上げて,こうした長野県の壮大な実験のような,いわゆる長野モデルについては評価も分かれるところではありますけれども,大阪府でも12万人緊急雇用創出プランを示していますし,マニフェストの策定が叫ばれる今日,こうした全庁的な体系的かつ独立した新産業雇用創出のためのプランを制定する場合には,明確な数値目標を掲げる必要があると考えますが,いかがでしょうか,知事の御所見をお聞かせください。
 さて,このプランの特徴は「既存基幹産業(農業,製造業,観光業)」と,「成長性の高い分野(福祉・医療,環境,教育)」との連携・融合(スリー・バイ・スリー)という言い方をしておりますが,スリー・バイ・スリーによる新産業づくりなどによって産業構造を転換し,自律的で持続可能な長野県の社会経済を構築するということにあります。財政再建のためには,公共事業を削減すればいいんだという考えなのか,2006年までに公共事業を40%,県単独事業を50%一律削減するような長野県においては,逆に言えば建設業はもはや基幹産業でも成長産業でもないとするわけです。そうはいうものの,長野県においても,6月には,とりわけ厳しい経営環境にある建設産業への支援策として,建設産業構造改革支援プログラムが作成されました。要は,産業構造の改革のために,建設業が新たな事業分野への挑戦,技術力や経営基盤の強化などを目指す建設産業の支援のために個別に支援チームを組み,具体的な取り組みに対して担当者を決めて,その実現に向けて応援をするという仕組みですが,本県においてはどのような取り組みがなされているのか,また今後どのように対応されるのか,お伺いいたします。
 また,先日,学生みずからが「起業と地域」をテーマに企画運営した「2003学生連携ビジネスフォーラムinOKAYAMA」が盛大に開催されました。非常に大成功だったと思いますが,この中で,学生ベンチャーの「起業における地域格差」というものが問題になりました。人材流出県と言われる我が県でありますが,行政や大学,地場企業,団体が一体となって,「若者よ,岡山を目指せ」と,そのように言われるぐらい,「金は出すけれどわしらは口は出さん,何でも挑戦せられえ」と,こういったチャレンジできる環境をつくる必要があると思います。こうした資金調達のための地場企業と学生をつなぐシステムづくり,例えばインキュベート施設利用における優遇措置等が必要であると思いますが,具体的な支援策をお知らせください。
 さらに,このたび玉島ハーバーアイランドの一部に,循環型社会形成の観点から,港湾機能を生かした環境産業ゾーンを設定し,県独自施策の地域ミニエコタウン事業として,先駆的な資源循環産業の立地が図られることを歓迎したいと思います。ところで,例えば既存の県営産業団地についても,全く需要,引き合いがないというわけではなくて,法規制や環境アセスメントあるいは地元調整の難しさ等で,結果として弾力的な分譲ができていない場合があるように思います。ある意味で,発想の大転換をもって,未分譲の土地については誘致業種を限定することなく,早期分譲を図る必要があると私は考えますが,御所見をお聞かせください。
 さて,私は,県議会議員というものは全県的な視野から政策提言すべきであるし,特に,複数選挙区である岡山市のことについて,ことさら取り上げるべきではないのではないかとは思うものの,事が我が子のこととなれば,父ちゃんは黙っておられないわけでございます。おかげさまで,私の子供も2歳10カ月になりました。近ごろは,私が出かけるときには「また来てね」,帰ってきたら「いらっしゃいませ」と,しっかり言葉も覚えました。
 ところで,御案内のことと存じますが,いわば乳幼児医療費がただとなる乳幼児医療費公費負担制度の給付方式については,現物給付にしていただき大分楽になりましたが,岡山市においては対象年齢は3歳未満,我が子がこの制度の恩恵を受けるのもあと2カ月でございます。同じ中核市の倉敷市が,この10月から4歳未満から5歳未満に引き上げになりますが,中学卒業までとする7町村には遠く及ばず,岡山市は78市町村の最低ということで,同じ子育て世代の「おやこクラブ」のお母さん方から,何をやっとんのかとしかられているのでございます。子育て支援を言いながら,一番たくさん子供がいて,ひょっとすると一番親が税金を払っているかもしれない,そんな地域で,何でこうなるんと,これは素朴な疑問だと思います。そもそもが,岡山県の行う乳幼児医療費公費負担補助制度について,岡山市は平成8年の中核市移行以来,他市町村に比べて厳しい補助率となっています。これは,中核市倉敷市に対しても同じ傾向がありますが,全国35中核市を比較してみた場合,岡山県の補助率は最も低い水準となっています。調べてみますと,中核市,政令指定都市といった町の規模によって県が補助するのかどうか,さらにそれで幾ら補助するのかというのは,どうも必ずしも論理的な関係はないようであります。それは,対象年齢についても同様だと思います。逆に言えば,もちろん国の補助を前提にした話ではありますが,知事や基礎的自治体の首長の福祉政策の考え方に左右されるものだと思います。つまり,知事次第ということもあるのではないかというふうに私は思うのですが,はっきりしているのは,県同様財政難に苦しむ岡山市にしてみれば,子育て世代支援策としてせめて補助率を従前の2分の1に戻していただければ,対象年齢引き上げが少しでも容易になるという事実です。岡山市民の子育て世代と,そして子供たちを代表して,乳幼児医療費公費負担補助制度の補助率削減の理由を伺うとともに,補助率引き上げについての知事の御所見をお伺いいたします。
 また,学童地域支援事業については,放課後児童クラブの児童数や開設日数が国制度の基準を満たしていない場合,単県の上乗せ事業として運営費や障害児の受け入れ加算時の補助が実施されている事業です。しかし,岡山県の実施要綱では,これは要綱ですけれども実施主体は中核市を除くとされ,岡山市,倉敷市への運用はできない扱いになっています。改正の検討はできないのでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。
 また,下水道事業の見直しの中で,合併処理浄化槽が大幅にふえてくると思われますが,合併処理浄化槽の補助金についても同様の問題があります。今後の方向をお知らせください。生活環境部長にお伺いいたします。
 関連して,産業廃棄物処理税に関しては,中核市にこれが交付されることを歓迎する声はありますが,思い起こせば国体の主会場の問題でも,岡山県建設事業費市町村負担金徴収条例の改正について,これをめぐって岡山市議会では大変な議論もありましたし,最近では城下の駐車場でも議論がありましたが,岡山市に限らず対市町村に対して,原則的に県の事業は県のお金でやり,例外として,地元市町村に利益が生じる場合に生じるであろうというのが地元負担だと思うのですが,そもそもその基本理念がどういったものなのか,どういったときにどういった割合で地元負担が生じるのか,お知らせください。
 特に,たびたび指摘され,また提言もなされていますが,昭和32年公布の岡山県建設事業費市町村負担金徴収条例そのものについて,特に岡山市に対して,また他市町村についても,他県に比べて負担率が非常に高率となっていますが,その理由,また適債事業に係る後年度の交付税措置が考慮されておらず,最終的に税制負担が不均衡になっている事業について,その根拠と今後の方向についてお知らせください。
 また,私は,今後市町村に対してあくまで対等な立場で十分な情報提供と意見交換の場が必要であると考えますが,今後の指針についてお知らせください。
 私がこうした一連の質問の中で申し上げたいこと,その思いでありますが,地方分権一括法施行後は,県と国の関係同様,市町村と県もまた対等協力関係にあるはずではないか,そういった思いであります。財政が逼迫しているのは,各市町村も同じことでありまして,真の地方分権,真の地方主権確立のためには,市町村という基礎的自治体が財政的にも自立していくことが重要であり,市町村の自立のために県は国と闘っていくんだ,あるいは県も市町村の自立を促していくんだ,そういう姿勢が今後ますます重要になってくると思います。
 そこに,大切なのは応分の負担の問題であります。逆に,そういった姿勢があらずして,県が国から自立できるわけはありませんし,もっと言えば,知事がおっしゃられる,県を解消して道州制にしていくという方向にはなり得ないと思います。そういった思いで質問をさせていただいております。
 岡山市との関係の最後に,岡山市,岡山県の連名で,申し出に基づき,内閣官房都市再生本部が,この7月18日に第3次の都市再生緊急整備地域を指定,政令公布し,岡山駅東・表町地域の47ヘクタールが指定されました。岡山市中心市街地のまちづくりにおいては,制度上の前提ができ,これからじわじわ効いてくる非常に重い意味があるものだと私は思います。県,市の連名で提出された意図,またこの地域は御案内のとおり,ザ・ハヤシバラシティ構想あるいは旧出石小学校跡地と現中央南小学校地等を念頭に置いたもので,さらに円滑な交通アクセスを確保するため,バスターミナルの整備を検討するとありますが,考えておられる県都岡山市の中心市街地の具体的なイメージをお知らせください。
 最後に,治安・防災についてお伺いいたします。
 まずもって,この夏も,まさに身を挺して爆音暴走族対策に取り組んでいただいた,警察御各位に心から感謝を申し上げます。今回は,暴走族ではなく,全国的に問題になっていますいわゆる「ハント族」や「期待族」対策についてお尋ねをいたします。週末の深夜,どちらかといえば不純な男女交際を目的に,改造車などで,JR岡山駅周辺などに集まる男性のハント族や,よくしたものでいわゆる引っかけてもらいに来る女性の期待族に対して,地元住民の方々からは騒音,ドライバーの方々からは通行阻害,通行人からは通りを夜女性が一人で歩くのが大変怖いと,そういった苦情の声が上がっております。彼らは,何がうれしいのか音量いっぱいに音楽をかけて町じゅうを周回して,二重駐車もへのかっぱ,さまざまな犯罪行為の端緒になっていると言われております。町はまさに彼らのワンダーランドとなっておるわけでございますが,私ども,落書きに関しては落書き調査隊を結成して落書き一斉消去活動を展開した,そういった地域住民も,この点については有効な対策を見出しておりません。全国的には,駐停車禁止区間を設定し,路線バス,タクシーを除き,通行禁止区間を設け,コンビニエンスストアに少年等が蝟集した場合の通報などの協力依頼,さらには着色フイルム等の不正改造車に対して,駐車違反,信号無視,整備不良など,道交法の違反で摘発しています。今後の取り締まりの一層の強化を望みますが,今後の方針を警察本部長にお伺いいたします。
 ところで,私自身は火事場でまともに走れない消防分団員ではございますけれども,防犯,防災の面で消防署と警察署の連携の必要性を訴えたいと思います。今でこそ,警察は都道府県が,消防は市町村が主体となって担っていますが,戦前は,警察,消防は一体のものとして,国家警察のもとに置かれておりました。例えば,岡山市西大寺署や南署でも,消防,警察連携に向けての大きな動きがございますが,これを制度として,常日ごろからの連絡が必要であると考えます。すなわち,消防と警察というのは所管エリアはやや異なるのですが,まずは地域の安全を図るため,地域消防団,消防局と警察署のトップの連絡会議をつくるなど,平素から情報交換を密にするというものであります。少なくとも,方面隊長や署長,分団長と交番所長とは常に連絡がとれる状態にあれば,地域住民にとってこれほど心強いことはありません。いわば,消防と警察は地域住民の生命,財産を守るという目的では兄弟のようなところがあります。しかも,消防団員は地域住民でもあり,またさまざまな地域のお役を受けておられる方も多く,地域事情に関しては,あるいは警察よりもはるかに詳しい部分もあります。もちろん,組織系統,指示系統が全く異なりますし,ある意味でプライバシーの問題もありますが,時には警察のサイドから消防団に協力をお願いし,知恵をおかりすることも必要ではないか,そのように思うのです。交番・駐在所連絡協議会には必ず消防の関係者にも加わっていただく,まずはそういったところから消防,警察の連携を図って地域の安全を守ることとしてはどうか,提言させていただきますが,警察本部長の御所見をお聞かせください。
 関連して,個人的には,この夏の熊本や宮城の天災を考えると,やはり自衛隊の力は大きいと思います。防衛面では難しいにせよ,防災面で自衛隊各駐屯地にどんな備えがあるのか,理解しておくことも必要だと思います。少なくとも,被災地の現場で自衛隊,消防,警察,病院等々がさまざまな指示系統で動き,マニュアルどおり災害対策本部長があるいは知事になった場合,陣頭指揮を本当に出せるのか,本当に仕切ることができるのか。
 お隣の鳥取県では,県と自衛隊,警察,消防など防災関係機関のトップが意見交換し,日ごろから連携をとり合うための防災関係機関情報交換会が開催されています。これは有事関連3法が施行されたものの,国民保護法制が1年以内に整備されるという,その空白期間にも何かあっちゃいけないということで,地方団体として独自に有事を想定したシミュレーションを行って,住民避難マニュアルを作成したわけでありますけれども,実はこの直下型地震とミサイル被害の状況というのは非常によく似ているそうであります。そういった面では,地方分権の時代においては,私はこうした有事を想定せずとも,防災面でも,こうした自衛隊も含めたような会議が必要であると思いますし,また自衛隊に何がどこまで頼れるのか,装備や人的な面も含めて,県やほかの防災機関はもちろんのこと,県民にも広く周知しておくこと,我々自身も知っておくことが必要であると思いますが,御所見をお聞かせください。
 ところで,さきの防災訓練に参加させていただきまして,そもそもこの山の中で訓練をするという,そのこと自体にかなりの限界を感じたのですが,それにしても本当に市民の皆様方が整然と動いてくださる方ばかりなのか,場合によっては,機に乗じてくる暴力団,暴走族等の危険分子を鎮圧しないといけない,そんな場面も出てくるかもしれません。さらには,高齢者や障害者の方々の避難誘導をだれがするのか,また情報を一元管理し,市民や企業からの問い合わせ等にだれがどういう体制で応じていくのか,地下街が被災した場合,JR岡山駅等交通拠点が混乱した場合,交通の寸断の場合に,情報をどこで管理し,どう対応するのか,こうしたパニック状態,数え上げれば切りがないわけですけども,こういったものにどのように対応していかれるのでしょうか。
 ところで,私は恐らく災害の際,一番機動的に動くのは地域の消防団だと思いますが,要するに地域のこうしたコミュニティーの形成と防災活動というのは,非常に似ていると思います。逆に言えば,学校等に限らず,なるべくきめの細かい日ごろの地域のコミュニティーにおける防災啓発活動等が,いざというときに一番功を奏する,そのように思います。一般企業等を含めた地域防災活動の促進について,今後どのような取り組みをされていくのか,お知らせください。
 私の質問は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えを申し上げます。
 まず,新産業・雇用創出の問題であります。
 数値目標でありますが,本県産業の力強い展開と,そして雇用の創出・確保を図っていくために,「おかやま産業・雇用戦略会議」を立ち上げまして,これから幅広く御議論をいただくこととしているわけでございます。戦略会議からは,年度内に提言をいただく,このように考えておりまして,いただきますその提言を踏まえて,私といたしましては,御質問にございました数値目標も視野に入れた中・長期的な産業・雇用施策を取りまとめていきたいと考えております。
 建設産業への支援策でありますが,建設業者が経営基盤の強化や新たな事業分野へ進出をしていくということに取り組む際におきましては,これまでも補助金とか低利融資などの支援を行いますとともに,関係団体と協力をいたしまして建設業者の技術力の向上のための研修も行ってきているものであります。
 今後の対応でありますが,先ほど申し上げました「おかやま産業・雇用戦略会議」における議論を踏まえまして,この建設産業への支援策につきましても議論があろうかと思います。これを踏まえて,どのような施策が必要であるのかということを具体的に検討してまいりたいと存じます。
 学生ベンチャーへの支援でありますが,起業セミナーの開催や研究開発費の助成,またインキュベーションセンター使用料の減免等を行ってきておりまして,今後さらに金融機関等との出会いの場の提供も行うこととしております。
 資金力・販売力に乏しい学生ベンチャーと地場企業等をつなぐシステムづくりについてでありますが,これは双方にメリットが期待できるということでございまして,今後経済団体などと協議を進めてまいりたいと存じます。
 県営産業団地の早期分譲でありますが,当初は,団地の整備目的に即した企業を誘致をしてきたところでありますが,平成9年度から熊山工業団地等6つの工業団地につきましては流通業を,そしてさらに,本年度から真庭の産業団地には製造業を,そして玉島ハーバーアイランドには環境関連産業が立地できますように努めてきたところであります。
 お話をいただきました業種を限定しない分譲ということでありますが,これは団地整備におきまして,地元との関係等さまざまな経緯があるということでございますので,これを一律に行うということは困難ではございますが,今後とも,今申し上げましたような事例もあるわけでございまして,時代の変化に合わせた対応というものをしていきたいと,このように考えます。
 なお,個々の企業から具体的な立地の話があった場合でございますけれども,その場合におきましては地元市町村等と十分協議をしながら,なお柔軟な弾力的な対応というものもしていきたいと存じます。また,そういうことを行っている事例も幾つかございます。
 次に,乳幼児医療費公費負担補助制度についてのお尋ねでございます。
 これにつきましては,市町村との役割分担の観点から,財政力の強い市につきまして補助率を見直すべきとの行財政改革懇談会の答申を受けまして,平成9年に策定をいたしました行財政改革大綱におきまして,岡山市の補助率を6分の1としたものであります。なお,財政力の弱い町村につきましては,6分の5あるいは6分の4という高い補助率も適用をしておる,これが岡山県の特徴でございます。
 現物給付化に伴います激変緩和措置も講じておりまして,岡山市,倉敷市に対しましては,平成16年度まで補助率を5分の1に引き上げているというところでございます。御質問にもございましたけれども,政令都市に対しまして一切もう補助をしてないという県もありましたり,あるいは中核市につきまして原則の補助率より若干数値を変えているもの等,他県におきましてもさまざまな補助率の適用状況は異なっているようでございますが,岡山県におきましてはそのような経過で現在の補助率としているものでございます。なお,第3次の行革大綱をこれから策定しようという厳しい状況下にあるところでございまして,何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
 県建設事業費市町村負担金徴収条例の基本理念でありますが,これは県が行う建設事業によって特定の市町村に受益がもたらされる場合,受益市町村とその他の市町村との間の不均衡を是正をするために,その受益の範囲内において地元負担を求める,こういう考え方でございます。
 負担率等でありますけれども,本県の場合,総事業費から国庫支出金を控除した額に負担率を乗じて負担金を算出をしておるということでございまして,総事業費に対する市町村の負担率は他県と比べて高くなっているのではないかとの御指摘がございましたけども,そのようになっているとは考えておりません。例えば,広島県と比較をして都市計画国庫補助事業で見ましてもほとんど同じ数値と相なっております。岡山県が特に高いということではないと私は考えております。
 なおまた,交付税措置の違いによります財政負担の不均衡についてのお尋ねもございましたが,県と市町村との実質的な負担が同額となりますように,負担特例措置を講じているということでございます。県の起債に対して措置される交付税の額の,例えば半分だとしますと,その半分に相当する額を市町村の負担額から減額をすると,こういったようなことで,とにかく県と市町村が交付税が出る場合には,それも勘案して均衡するように特例措置を講じていると,こういうことでございまして,御理解を賜りたいと思います。今後とも,市町村の理解を得て事業を進めてまいりたいと,このように考えております。
 都市再生緊急整備地域でありますが,岡山市中心市街地の再生は,県,市双方にとって重要な課題であるということ,また国の意向もございまして,連名で申し出を行ったものであります。今回指定されました岡山駅東地区でございますが,駅前という立地特性を生かしました新規拠点の形成あるいは小学校跡地の活用等によります複合市街地の形成を,また表町地区におきましては,既存の商業集積等を活用しながら,多様な機能を持つ都市拠点の形成,これを目指しているものでございます。
 次に,治安・防災についてであります。
 自衛隊との連携等でありますが,災害現場における連携は市町村長を中心といたしまして,自衛隊や消防,警察など関係機関が連携をいたしまして,各機関の責任と協力によって実施されるものであります。主要な防災機関との情報交換でございますが,随時実施をしております情報連絡会や,本年5月に発足をいたしました県・市町村防災対策研究協議会などの場におきまして,実質的なる協議を行ってきております。私自身,再々自衛隊のトップの方々とお会いをさせていただきまして意見交換を行っているものでございます。自衛隊は,地元だけでは対応が困難な場合におきまして,知事の要請等によって地域防災計画で定められた捜索救助等のために派遣をされるものでありまして,装備,人員等は災害の規模によって判断をされ,また現場では他の機関と協力をして全体として対応がなされることとなっております。災害時には,このような体制となっているということを防災訓練などを通じまして県民の皆様に周知をさせていただいているものでございます。
 情報管理でありますが,災害時の情報の収集や提供,高齢者など災害弱者の避難支援を含む地域における応急対策につきましては,これは災害対策基本法によりまして,一時的には市町村の責務とされているものであります。また,地下街や交通機関につきましては,各施設の管理者が避難誘導等を行いますとともに,問い合わせへの対応とか情報提供は,地域防災計画によってその各機関が行うということになっております。
 県は,こういった情報を取りまとめて,被害が甚大な場合や広域にわたる場合におきまして,マスコミ等を通じまして広報をいたしますとともに,関係機関の総合調整を行った上で市町村等に対しまして必要な支援を行っているものでございます。
 地域防災活動でございますが,地域住民の自主的な防災活動というものは,被害の予防,軽減等に必要不可欠でございまして,災害対策基本法によって,市町村長が消防団やあるいは自主防災組織の充実を図るように求められているものであります。県といたしましても,その応援をしているところでございまして,具体的に申し上げれば,県・市町村防災対策研究協議会で,その育成策を検討をいたしますとともに,リーダーの研修会とか防災講演会等を開催するなどの支援を行ってきているところでございます。今後とも,一般企業等も含めました地域防災活動の促進,これが実際災害が起こったときに非常に大切でございますので,地域の方々のそういう自主的な取り組みの促進支援,これになお一層努めてまいりたいと,このように考えております。
 私からの答弁は以上でございます。


(生活環境部長)  お答えをいたします。
 岡山市との関係の中で,合併処理浄化槽への補助についてでございますけれども,県におきましては,その普及を積極的に推進するということのために,昭和63年度から合併処理浄化槽への補助を行う市町村に対しまして,国の定めた基準額の範囲内で,市町村が補助した額の3分の1を補助してきたところでございます。しかしながら,厳しい県財政のもとで,市町村との役割分担の観点から見直しを行っておりまして,財政力の強い岡山市等につきましては,平成9年度から従来の補助額に調整数0.7を乗じた額を補助してきているところでございます。
 こういう状況でございますので,県の財政状況が引き続き厳しい中にありましては,これを復元することはなかなか難しいことだと考えております。どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 岡山市との関係におきます学童地域支援事業についてでございますが,この事業は,県の事業として国補助制度を取り入れて行っております,放課後児童健全育成事業を補完するものでございます。岡山市,倉敷市の放課後児童健全育成事業は,中核市みずからの権限をもって行っておりまして,もともと県の補助が入っておりませんで,県の事業とは別のものでございます。そういった趣旨から,単県制度の学童地域支援事業におきましては,中核市を補助対象から外しているものでございまして,御理解賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。


(警察本部長)  佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
 まず,岡山駅周辺等におきます,いわゆるハント族や期待族に対する対策についてでありますが,これらの車両の周回を規制する措置といたしまして,夜間,岡山駅前の桃太郎大通りから高島屋方面に通ずる道路につきましては,車両通行禁止にしておりますほか,天満屋バスターミナルビルでは,バリケードにより周回行為ができないようにしておるところでございます。
 また,ハント族等の各種交通違反に対しましては,週末における集中取り締まりを初め,岡山運輸支局との合同取り締まりなどにより,その検挙に努めているところであります。
 ちなみに,岡山市内での着色フイルムの貼付やタイヤの突出など整備不良車両の取り締まり件数は,8月末現在で,昨年に比べまして3.5倍増の約800件となっておるところでございます。
 また,コンビニエンスストア等に蝟集する少年につきましては,深夜営業店防犯協会に蝟集情報等の通報をお願いするなどいたしまして,効果的な少年補導活動を展開しているところであります。
 今後とも,関係機関・団体との連携を一層強化するとともに,警察各部門が一体となりました大型検問を実施するなど,ハント族等に対する集中的な取り締まりや少年補導活動を強力に推進してまいりたいと考えております。
 次に,警察と消防との連携についてであります。議員御指摘のとおり,警察と消防は地域住民の生命,財産を守るという目的も共通していることから,互いに関連する任務も多く,特に消防団とは従前から地域における歳末警戒や祭礼行事等の雑踏警戒,行方不明者等の捜索活動等を共同して行うなど,その連携強化を図っているところであります。
 お話のありました交番・駐在所連絡協議会につきましては,地域の皆さんの要望,意見を踏まえ,お互いに協力して安全で平穏な地域社会の実現を図ろうとするものでありまして,日常,公益的立場で活動されている消防関係の方々にも参加していただいているところであります。
 今後とも,消防関係の方々にはこの連絡協議会に対する積極的な参加をお願いいたしますとともに,それぞれの地域の実情に応じて緊密に情報交換を行うなど,一層の連携強化を図り,地域の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  今議会からテレビ中継も入っておりますし,この場で引くようではやはりまずいと思うんですが,ただきょう私が質問してすぐに政策が変わるとも思えません。
 たくさんの「御理解ください」という答えがありましたけれども,「理解できません」ということだけ,御要望というか,その意思だけ表明させていただいて,ありがとうございました。

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