平成15年2月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 創業支援について               (商労)[商工労働部長]
(1) e-プラザ岡山入居企業の成果
(2) 第二創業への支援
(3) 参入への障壁
2 夢づくりプランの快適生活指標について     (企振)[ 知  事 ]
3 行政評価制度について             (企振)[ 知  事 ]
4 ニュー・パブリック・マネジメントについて   (総務)[ 知  事 ]
5 おかやま国体等について
 (1)ボランティア有給休暇           (総務)[ 知  事 ]
 (2)学生ボランティア             (国体)[ 知  事 ]
 (3)学生ボランティア組織           (生環)[ 知  事 ]
 (4)リサイクルを考えた整備          (国体)[ 知  事 ]
 (5)開会式の準備状況             (国体)[ 知  事 ]
6 若い地方議員への期待について         (総務)[知   事]
7 地域の歴史教育等について           (教育)[教 育 長]
8 親への支援について
 (1)小さな子供を持つ親への支援        (保福)[保健福祉部長]
 (2)親業セミナー               (教育)[教 育 長]




(佐藤)  おはようございます。自由民主党の佐藤真治でございます。
 まずもって,本当に偉大な先輩であり,県政の雄として大きな目標でもあった故小林毅先生に感謝の誠をささげ,心から御冥福をお祈り申し上げさせていただきます。
 さて,いよいよ今期最後の議会となりましたが,今回も格別の御厚情を賜り,当選後16回,毎議会連続になる一般質問のチャンスをちょうだいしましたことを心より感謝,御礼を申し上げます。
 また,毎回欠かさず傍聴にお越しいただきました皆様に,心から感謝申し上げます。
 思えば,本会議は,岡山県株式会社の株主総会の場であるとして,株主である県民の皆様の声を速やかにお届けすべく,くちばしの黄色い若い議員が,毎回毎回ああでもない,こうでもないと申し上げてまいりました。時には,量が多過ぎる,細か過ぎる,片仮名が多過ぎる,早口過ぎると,何度言われようとも,それでも知事の提案理由の中に,少しでも提案させていただいたことが反映されることを励みに,実にわがままな質問をさせていただいてまいりました。まことに申しわけありませんでした。
 しかし,これもすべて岡山県を思うがゆえの若げの至りでございます。などと,今回は最初にこうしてしおらしく心からおわびと感謝を申し上げつつも,それでも性懲りもなくイタチの何とかのようなことを伺いたいと存じます。
 私は,主にIT関連を中心にマスカットバレー研究会という内部勉強会を通して,岡山情報ハイウェイの基盤を活用したIPv6への早期対応の必要性を認識して,昨年の6月定例会で取り上げさせていただきました。岡山情報ハイウェイがIPv6に対応することが来年度の新施策として実現しそうなことを,まずは歓迎させていただきます。さらに,この勉強会で取り上げられたことを幾つかお伺いいたします。
 まずは,創業支援について。
 県によるベンチャー企業育成へ向けた取り組みの岡山シンフォニーのITインキュベートセンター,e−プラザ岡山の入居募集が始まって2年近くが経過しますが,入居企業がその後どのような成果を上げているのか,お伺いいたします。
 また,いわゆる第2創業と言われる既存企業による新製品開発,新規事業分野進出の取り組みは,企業収益の向上や業績拡大による新規雇用創出や地域の活性化,周辺産業への波及効果の面で,今後極めて重要な役割を担うと考えられますが,これらの取り組みのための研究開発,市場調査活動等への支援状況はどうなっているのでしょうか。特に,試作品等の実現段階以前に,初期構想段階から知的財産権として保護した上で製品化し,市場に流通させるための支援策も必要であると考えられますが,それらへのバックアップの取り組みはどのようになされているのでしょうか。
 さらに,新規創業や新しいビジネスモデル,新製品開発に対しては確実なマーケティングというものは困難であり,逆にさまざまな規制や先入観が障害物として立ちはだかり,結果としてビジネスシーズを摘む結果となる場合があります。
 また,行政が補助金等の審査機関として,一種壁のように立ちはだかるだけでなく,障壁を乗り越えるための具体的な支援こそが重要だと思いますが,この点いかがお考えでしょうか。
 以上,商工労働部長にお伺いいたします。
 次に,あえて今までは一般質問で触れてきませんでしたが,今回は県政の基本計画の中期計画,「新世紀おかやま夢づくりプラン」に絡めて忌憚のない質問をさせていただきます。
 夢づくりプランは,県政推進の基本であると認識いたしておりますが,まずは夢づくりプランにおいて設定している快適生活指標について伺います。
 この指標は,自治体の政策評価のベンチマーク指標に該当すると考えられますが,例えば青森県ではどのような指標にするか,また目標値を幾らかにするかについては広く県民による懇話会や県内の多種多様な専門家等による委員会の意見をもとに策定しています。なぜならば,そもそもベンチマーク指標というものは単に行政だけの目標ではなく,企業や県民,当然議会を含んだ全体で共有し,まちづくりの共通の目標として作成するものだからです。
 しかし,岡山県の場合,この指標が県民の共通の目標として認識されているでしょうか。私は疑問に思います。改めて知事に伺いますが,そもそもこの快適生活指標自体はどのようなプロセスで,だれが作成されたのか,目標値は何を基準に設定し,計画期間内に達成した場合,その目標値はどうするのか。平成14年度の目標が公表されていますが,その達成度はいつ,どのような形で公表され,目標が達成されなかった場合,その指標の担当部局にはどのようなペナルティーが科せられるのか。まずは,快適生活指標はノルマでこそあれ,よもやただの努力目標ではないですよねということを確認させていただきたいと存じます。
 次に,行政評価制度について伺います。
 こういった一見新しげで,かつ難解な言葉は思わずもろ手を挙げて賛成しがちですが,こういった用語の中にこそ多くの根本的な問題が潜んでいると私は思います。こういった用語をわざわざ導入された知事御自身はもちろんよくおわかりなんでしょうが,私は理解するのが極めて困難でありました。というわけで,以後ちょっとわかりにくい質問になります。
 本県では,行政評価制度として公共事業再評価システム,大規模施設建設事業評価システム,一般行政施策評価システム,公共事業事前評価システムの4つのシステムを導入しています。一般に地方自治体の行政評価は,政策評価,施策評価,事務事業評価の3段階に分類されますが,岡山県においては一般行政施策評価システムが事務事業評価,快適生活指標が政策レベル,または施策レベルの評価に該当すると考えられます。私は,政策評価はベンチマーク指標や住民満足度調査をもとに,今後の施策の優先順位づけを行うもの,施策評価は施策目標の達成度の評価と施策への貢献度という視点から,事務事業の優先順位づけを行うもの,事務事業評価は個々の事務事業について必要性や行政が関与すべき妥当性等,さまざまな視点から評価することで今後の方向性,継続するか,廃止するか等を判定するものと理解しています。そして,成果志向という点では事務事業の評価よりも施策レベルの評価の方が,より望ましいと言われています。
 そこで,知事に伺います。
 施策評価という視点からすれば,個々の事務事業の評価と施策評価をリンクさせて,施策の視点から事務事業の優先順位づけを判断すべきと考えますが,現在,県が行っている一般行政施策評価システムは施策の評価ではなく,事務事業の評価であり,その評価にも施策への貢献度という視点が見られないように感じます。今後,施策の観点から事務事業を評価することは考えておられないのでしょうか。
 また,内容は,事務事業評価である一般行政施策評価システムと一般の政策評価と言える快適生活指標のリンクはどのように考えておられるのでしょうか。
 最後に,快適生活指標は達成度が低かったプログラムに対しては予算を多くつけるとか,次年度以降の政策の優先順位づけ等にどのような方法で反映させるのでしょうか。
 次に,新しい公共管理,ニュー・パブリック・マネジメントについて伺います。
 夢づくりプランにおいて,英米で見られる新しい公共管理,ニュー・パブリック・マネジメントの考え方を積極的に導入すると書かれておられますが,このニュー・パブリック・マネジメントとは単なる削減型の行財政改革ではなく,成果志向,顧客志向,分権,市場の活用という4つの大きな柱があると言われています。しかし,現在の県のシステムを見ると,行政評価にしても,事業の整理や削減ばかりが目立ち,それ自体がまるで成果のように言われますが,県政を成果志向,顧客志向にするための仕組みが見えてこないように思います。ニュー・パブリック・マネジメントを導入するというのであれば,現在の県政の課題を把握し,それをどのようにして解決していくのか,行政経営改革の最終的なビジョンを明確にして取り組むべきだと思いますが,いかがお考えでしょうか。
 次に,あと2年に迫ってきました「晴れの国おかやま国体」「輝いて!おかやま大会」について伺います。
 県民運動キャッチフレーズの「195万人のスクラム」として,多くの県民が何らかの格好で参加する大きな県民運動に発展させていくためには,やはり県民みずからのボランティアによる積極的な国体参加が望まれると思います。しかし,景気の低迷の中で社会人や勤労青年が国体大会開催中にボランティアで参加するには,以前にも申し上げましたが,やはりボランティア休暇制度の活用が望ましいのではないかと思われます。私は,改めてこのボランティア休暇制度について提案させていただきます。
 ところで,知事はILOの有給教育休暇140号を御存じでしょうか。この条約は,国連のILO,国際労働機関が1974年に開催した第59回の総会で採択した国際条約です。有給教育休暇制度とは,たとえ労働時間中であっても教育上の目的のために一定時間労働者に与えられる休暇のことで,その際の賃金も保障されるという制度です。ここでいう教育上の目的とは,あらゆる段階での訓練教育,社会教育及び市民教育等を指します。実は,この条約には日本政府も採択では賛成しましたが,いまだ国会での批准がなされておりません。
 私が思いますに,現在実施していますボランティア休暇制度は,さきの阪神・淡路大震災によりつくられた意味合いが強いボランティア制度のため,災害発生時の被害者支援や障害者施設等での介護活動などが主となって,ボランティア休暇の取得が認められている傾向にあります。しかし,このたびの岡山国体へのボランティアは,現在のボランティア休暇制度では限定されてしまうのではないかと考えます。
 そこで,さきのILOの有給教育休暇制度をもとに,あくまで民間が導入する呼び水として,まず県がみずから県職員に対して,有給休暇の使用欄にボランティアと書いて,堂々と有給休暇を使ってボランティアに参加することを支援する制度をつくってはどうでしょうか。官民挙げて岡山国体開催の記念として,全国に先駆けて岡山県独自のボランティア有給休暇制度をつくることを提案させていただきます。
 ところで,岡山国体の開会式が開催されます岡山市の桃太郎スタジアム周辺の町内の方々には,ボランティアの参加要請が岡山市から来ており,民泊や花いっぱい運動,テント村での接待等に活躍されるものと期待されています。この桃太郎スタジアム周辺には,多くの大学があり,また同町内には多くの大学生が住まいし,生活しています。開会式を含めて,多くの学生ボランティアにも参加していただく取り組みはいかように進んでいるのでしょうか。
 また,岡山市の成人式では,その年の成人者が実行委員会をつくり,成人式の企画運営を実施しており,9割が岡山市内の大学生ですが,彼らが中心となって岡山学生ボランティアネットワークが立ち上がっています。国体で活躍した学生ボランティアと,こうした岡山学生ボランティアネットワークが連携しながら,学生自身の運営による学生ボランティア組織をつくり,岡山国体終了後も福祉だけでなく,地域づくりや子供の健全育成等のさまざまな面で,岡山県の発展に協力していただくネットワークづくりの支援をしてはいかがでしょうか。
 また,国体に関連して,ITやバリアフリーという観点から語られることの多いように思いますが,環境の面ではいかがでしょうか。特に,言ってみれば主会場そのものがリユースなわけですから,花いっぱい運動に使うポット1つとっても,装飾1つとってもリサイクルの観点から整備されてはと考えますが,いかがでしょうか。
 さらに,開会式,閉会式の総合的なアドバイザーはスタジオジブリの高畑勲さんということですが,せめて岡山ならではの桃太郎の観点から,あるいはうらじゃ踊りを取り入れるなど,岡山らしさがあふれる開会式になることを要望しますが,その進捗ぐあいをお知らせください。
 それにしても,議員にならさせていただいた4年前から,個人的には結婚もし,子供もでき,その子も何事かしゃべっていることに,月日のたつことの物すごさというのをしみじみと感じるのですが,ただ政治にかかわるものとして十分な働きができないままに,日本も,日本人もよくなっている感じがしない。本当に,これから先この国は大丈夫なんかという思いばかりが募ってまいります。
 例えば,30年後,日本は,岡山はどんなことになっているのか,日本は,岡山は大丈夫なのか,そこでいつもわがままな質問をさせていただいておるんですけども,まずは,これからの時代を担うであろう,我々若い地方議員に知事が期待されることがあるとすれば何でしょうか。今後の励みにしとうございますので,ぜひ一言お願い申し上げます。
 さて,デビュー作には作者のエッセンスのすべてが出ると言いますが,平成11年6月定例会の私自身の初質問を読み返しますと,私は「中心」という言葉をキーワードに質問を進めておりました。当時は,君が代,日の丸論争の時期でもありましたが,「21世紀の日本人が寄って立つべきものは何か」という問いに対する私の答えは極めて簡単です。「日本人は日本人に返れ,そのことに尽きます」と申しております。北朝鮮に拉致された方の帰国もあって,昨年の漢字1字は「帰」でしたが,グローバリゼーションをいう一方で,日本人が本来持っていたはずの謙虚さ,潔さ,思いやりや優しさ,高い倫理観を取り戻すこと,日本は日本に返ることで,あるいは偏狭なナショナリズムではなく,日本人が日本人であるという誇り,自信を取り戻すことで政治経済のみならず,環境問題,福祉の問題も解決できることもあるはずだと,やはり私は思います。
 そして,すべては教育,すなわち人育てに尽きると思います。そのために,まずできることから始めなくてはいけません。国会で議論されている教育基本法の改正を待つ前に,まずは地方は地方で地域社会をしっかりと愛する心を養うためにも,学校の授業で地域の歴史,岡山の歴史だけを取り上げた体系的な指導が必要であると思いますが,いかがでしょうか。加えて,特に和服を着たり,つくったりするなどの日本の伝統文化の理解も,国際理解同様に重要だと考えますが,どのように考えられておられるでしょうか,教育長にお伺いいたします。
 また,私は,やはり古い家の制度ではありませんが,家庭に立ち返ることが何より重要だと思います。特に,我が子は2歳4カ月,三つ子の魂百までという言葉が身にしみるわけでございますが,幼少期の教育はその後の子供の成長に多大な影響を与えます。しかし,核家族化,少子化,都市化が進むにつれ,コミュニティーも希薄になり,最初の教育者ともいえる親が親として何をすべきかが伝承できなくなっています。ひいては,子供の自殺や家庭内暴力,親の子殺しといった現象もある中で,残念ながら親の幼少期における教育は体系化されたものとは言えず,親は親としてだれの助けもないままに自信を喪失しています。そういった状況の中で,地域の愛育委員や母親クラブの支援などが極めて重要だと思いますが,その取り組みについて保健福祉部長にお伺いいたします。
 また,他自治体のように親業のセミナーを開催するお考えはないか,教育長にお伺いいたします。
 お伺いしたいことは以上でございますが,いずれにしましても4年間の議員生活ではやり残したこと,これからやりたいことが余りにもたくさんございます。大変生意気を申し上げますが,アイ・シャル・リターンと申し残して,今期最後の質問を終わらさせていただきます。まことにありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えを申し上げます。
 夢づくりプランの快適生活指標についてでありますが,指標の原案というものは,県が作成をいたしまして,県下9カ所で開催をいたしました夢づくり懇談会やあるいは県のホームページ等多様な機会を通じまして,県議会を初め県民の皆様方へお示しをし,幅広く御意見というものをお伺いをしながら,採用したところでありまして,その目標数値につきましては,これまでの実績や国の政策の動向等を総合的に勘案をして設定をしたものでございます。このことは,県議会でたびたび御答弁を申し上げてきておるところでございます。
 なお,御質問の計画期間内に目標を達成した場合においてでありますが,直ちに見直しをするということは考えておりませんが,指標の性格や達成度合い等を踏まえまして,ケース・バイ・ケースでこれは対応してまいりたいと考えております。
 平成14年度の快適生活指標の達成状況でありますが,6月ごろを目途に夢づくりプランの施策・事業の成果等とあわせてお示しをいたしたいと考えております。
 また,この指標を活用いたしまして,事業の改善,見直し等を不断に行うということにしておりまして,目標が達成できなかった場合におきましてもペナルティー云々ということではなくて,その原因等を十分に調査検討をして,目標達成に向けた新たな事業化等の取り組みというものをさらに強化していかなければいけないと,このように考えているところであります。
 行政評価制度についてでありますが,御指摘のように現行の一般行政施策評価制度は個々の事務事業を効率性等の観点から評価をするものでありまして,御質問にありました施策の観点からの評価につきましては,新年度から導入いたします夢づくりプランを着実に推進をしていくための新たな政策評価システム,その中で取り組むこととしております。
 また,現行の一般行政施策評価につきましても,位置づけやそのあり方を検討した上で,これにつきましては引き続き実施をする予定でありまして,その結果を施策レベルの評価であります夢づくりプログラムごとの主要施策事業の評価に反映をさせるという形で快適生活指標とリンクをさせていきたいと考えております。
 また,72の快適生活指標につきましては,56のプログラムごとの施策評価におきまして,指標の達成状況を把握して,その原因や施策事業の有効性等を分析をする中で,次年度における施策の重点化やあるいは予算の重点配分,こういったことに努めてまいりたいと,このように考えております。
 次に,ニュー・パブリック・マネジメントについてでありますが,社会経済情勢の変化に的確に対応しながら,県民が真に豊かさを実感できる岡山県づくりを進めるためには,民間の経営理念,手法というものを行政運営に取り入れるニュー・パブリック・マネジメントの考え方を積極的に導入することが必要であると考えております。これまでも,各種の行政評価制度を導入をするなど,積極的に改革に取り組みまして,県民本位の効率的で質の高い県政運営に努めてきたところでありますが,今後,第3次行財政改革大綱の策定に当たりましても,県民の視点に立った成果重視の行政運営の推進方策を重点的に検討するなど,岡山県という地域を経営するという発想に立って,効率的で質の高い行政運営の推進に努めてまいりたいと,このように考えております。
 次に,岡山国体等についてであります。
 ボランティア有給休暇でありますが,本県のボランティア休暇制度は御指摘にございましたとおり,災害発生時の被災者支援とか,障害者施設等での介護活動など,国に準じた内容と現在なっております。岡山国体につきましては,全国障害者スポーツ大会とともに,全庁挙げて取り組んでいくべき一大イベントでありまして,開催に当たりましては公務として従事すべき業務が多いと考えておりますが,それ以外に,ボランティアとしてどのようなニーズがあるのかということをこれから検討をしてまいりまして,その必要性が出てまいりました場合におきましては,対応をすることといたしたいと存じます。
 学生ボランティアということでありますが,大学,短大が多いという本県の特性を生かしまして,学生パワーによる岡山らしさあふれた国体とするために,県内の学生にボランティアとしての参加というものを働きかけをしてまいりましたところ,このたびすべての大学,短大の学生や学校側の理解,協力というものが得られまして,現在,学生が主体となってボランティアネットワークの構築が進められております。本年6月には設立の予定であります。この組織は,今後,広報活動や開会式会場での案内あるいは美化活動など,さまざまな活動を予定しておりまして,その活動に今後大いに期待を寄せているところであります。
 学生ボランティア組織についてでありますが,国体が終了した後も学生の新鮮な発想や行動力というものを夢と希望あふれる岡山県づくりに生かしていくということは,議員御指摘のとおり重要なことと考えております。このため,県といたしましても県社会福祉協議会等とも連携をいたしまして,学生組織の自主性というものを尊重しながら,活動やネットワーク化に役立つ情報の提供,人材研修の実施によりますリーダーの養成,さらには活動や交流の場の提供等を通じまして,学生ボランティア組織の活性化,ネットワーク化の支援に努めてまいりたいと,このように考えております。
 リサイクルを考えた整備ということでありますが,岡山国体は,自然と環境に優しい国体というものを目指しております。これまでも桃太郎スタジアムでは,ソーラーシステムや雨水を雑用水に利用するシステムを設置しておりまして,またユニフォームなどにはエコ製品を活用するなど,積極的に取り組んできているところでございます。御指摘にございましたとおり,国体の運営面ではリサイクル製品を活用する分野というものが数多くあるところでございまして,今後とも,会場地市町村と一体となって,廃プラスチック製品を活用するなど,自然と環境に優しい国体というものを目指してまいりたいと存じます。
 開会式の準備状況でありますが,現在先催県の実績や類似の大規模イベント等についての調査検討を進めておりまして,来年度からはこれらの結果を踏まえて,式典の構成やアトラクション,式典音楽の制作など,具体的な作業に取り組むこととしております。その際には,開・閉会式の総合的なアドバイザーであります高畑勲氏の御意見もいただきながら,岡山らしさをふんだんに盛り込んだ感動と魅力あふれる開会式を目指していきたいと考えているところでございます。
 最後に,若い地方議員への期待ということのお尋ねがございましたけれども,もう当然のことでございますが,地域を愛して,地域のさらなる発展と住民の皆さんの幸せを願うと,そういう意味におきましての郷土愛を持っていただくことはもう当然のことでございますし,そして積極的に政策提言をしていただきたいと思います。そのためには,日ごろより研さんを積まれ,いろんなことも学習をしていただければと願っておりますが,このことは議員,自分は当然やっていると,このように思ってらっしゃる。私もそのように評価をさせていただいているわけでございますが,特に,若いということで御質問ございましたので,何事にもチャレンジ精神でという意味での「挑戦する」そういう姿勢を持っていただければと,既存のシステムとか,従来からの慣例とかについても,そのチャレンジ精神を持って取り組んでいただくと,積極果敢に改革にも取り組んでいただくと,このようなことを期待をしておりまして,郷土愛,政策提言,そして挑戦ということを申し上げたいと存じます。こういったことを期待をいたしますとともに,地方から日本を変えていくと,岡山から日本を変えていくんだと,こういう思いを若い議員の皆様を初めすべての議員の皆様と共有をいたしまして,力を合わせて県政を推進していきたいものだと,このように願っているところでございます。佐藤議員のますますの御活躍を心から期待をしているところでございます。
 以上でございます。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 小さな子供を持つ親への支援についてでございますが,現在,保健所や市町村,保育所などによる相談支援等を行っているところでございますが,子育て経験のあるボランティアによる支援や同じような立場にある母親等の集まりを通じた支援も重要であると考えているところであります。このような観点から,愛育委員活動,母親クラブ活動,地域子育て支援センター,つどいの広場等の事業を重点的に推進しているところでございます。
 さらに,来年度は新たに愛育委員と栄養委員による地域のお母さんがすすめる健康支援事業を創設するなどして,子育て中の親への一層の支援に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(商工労働部長)  お答えいたします。
 e−プラザ岡山入居企業の成果についてでございますが,現下の厳しい経済状況の中で,必ずしも当初計画どおりの成果を出せないまま,1年で退室したケースもございます。しかしながら,入居2年目となる4社につきましては,着実に売り上げが増加し利益も出るなど,一定の成果を得ておりまして,入居後新たに会社を設立している者もおります。特に,学生ベンチャーである1社は,新たに東京,名古屋に営業拠点を設けるなど,積極的な事業拡大を図っているところでございます。
 次に,第2創業への支援についてでありますが,いわゆる第2創業に限ったものではございませんが,経営革新や新分野進出を目指す既存企業に対しまして研究開発費の助成,マーケティング支援のほか,販路開拓のサポートや創業用資金の融資なども行っておりまして,売上増や雇用増などの成果もあらわれているところでございます。
 また,特許を早期に権利化するための支援や事業計画の初期段階での市場調査のサポートなども行いながら,競争力の高い売れ筋商品の開発促進に努めているところでございます。今後は,弁理士による特許取得相談会の開催や東京,大阪で新技術,新商品の発表を行う事業にも取り組むこととしておりまして,事業の企画から技術開発,販路開拓までの一貫した支援体制をさらに強化してまいりたいと考えております。
 次に,参入への障壁についてでありますが,創業を活発化するためには,新規参入を阻害する規制を見直したり,実績重視の慣行を改め,チャレンジャーの技術や商品を適正に評価することが重要でありまして,県の補助金等の選考に当たっても,技術面やビジネス面の目利きができる外部人材にも審査をお願いいたしまして,真に優秀な事業計画の採択に努めているところでございます。
 また,新規参入に向けたさまざまな課題解決のため,創業ノウハウの指導,技術面でのサポート,販路開拓の支援,創業資金の融資など,多様な施策展開を進めているところでございます。今後は,ベンチャーの製品を自治体や企業等に紹介する事業や創業間もないベンチャーへの投資なども含め,一層きめ細かな取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(教育長)  お答えをいたします。
 まず,地域の歴史教育等についてでございますが,学校での歴史教育は主として小学校で先人の業績など人物中心の歴史を,中学校では日本の歴史を,高等学校では世界の歴史をと,発達段階に応じて体系的に学習することになっております。そうした中で,御指摘の身近な地域の歴史につきましても折に触れて学習し,歴史への興味や地域への関心を高める工夫をしております。例えば,先人の業績として吉備真備や池田光政を取り上げたり,ある歴史上の事件をオペレッタにして発表したり,郷土の歴史をCD−ROMに収録し教材として活用するなど,身近な歴史をさまざまな形で学習をしております。高等学校では,学校独自に科目を設定できますので,例えば吉備の国風土記などの科目を開設し,体系的に学習している学校もございます。
 また,伝統文化につきましては,お茶やお花などの生活文化や和楽器に親しむことなどを通しまして理解を深めているところでございます。
 次に,親業セミナーについてでございますが,本県では教育の原点は家庭にあり,すべての親が参加する機会をとらえ,節目,節目で講座を実施することが最も効果的であると考えてまして,妊娠期,3歳児,就学時の健康診断等の機会を活用した講座や思春期の子供を持つ親を対象に,子供の心理や親のかかわり方についての講座を市町村主催で実施し,県や国がこれを支援しているところであります。お話のセミナーを開催しておりますのは,親子の好ましい人間関係づくりを支援するための有料講座を開いている民間団体の一つでありまして,その団体のインストラクターの方が県内の子育て講座の講師の一人として招かれている例がございます。県教育委員会といたしましては,よりきめ細かな支援ができる,住民に身近な市町村主催という形での子育て講座が好ましいと考えておりまして,今後とも,その充実が図られますよう実践事例集を作成するなど,市町村の支援に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  失礼いたします。アイ・シャル・リターン言うて,すぐ返ってきちゃいけんのですけれども,ちょっと要望させていただきます。
 本当に知事からありがたいお言葉をいただきまして,それだけでもう16回質問させていただいたことが報われたなと大変うれしいんですけども,ただそこでくじけてはいけないわけでございまして,ちょっと一言申し上げたいんですけども,快適生活指標に関しまして,ペナルティー云々ではなく,原因は調査し新たに事業化するというふうにおっしゃられましたんですけども,要するにこの繰り返しだったのではないかと私は思うんですけども,行政評価制度,屋上屋を重ねているとは申しませんけれども,幾つかの評価制度がたくさんあって,原因を調査し,結局は新たな事業化だということで,3月のこの時期といいますと,いわゆる決算期でありますから,私の友人たちも,営業マンはノルマを課せられて,明かりがついとるまでは帰ってくるなというふうに言われて,時には自分の自腹を切ってまでノルマの達成をする,数字を上げるために頑張っておられて,そういった方々が払われている税金で成り立っている県政でありますから,そこで県の方がつくった快適生活指標,数字が達成できなくてもそれはペナルティー云々ではなく,原因を調査し新たに事業化するんだと,この繰り返しがやっぱり僕は問題だというふうに思います。もう本当にイタチの何とかみたいで恐縮なんですけども,やはりこういったところを変えていくためにも,再びアイ・シャル・リターンと申し上げて,要望とさせていただきます。ありがとうございました。

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