平成11年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治 | ||
(佐藤) 自由民主党の佐藤真治でございます。本日もまたお忙しい中,大勢の方に傍聴にお越しいただきまして,まことにありがとうございます。 それでは,早速通告に従いまして質問をさせていただきます。 介護保険制度に関しましては,予測される運用上の問題点が幾つもあるわけですが,とりわけ問題になるのは,この制度が保険である以上,要するに事が起こってから,つまり要支援,要介護の状態になって初めて動き出す,いざというときのための制度であるということです。つまり,介護保険を利用するということは逆宝くじに当たるようなもので,願わくば,さようならの直前までお世話にならないで済むにこしたことはありません。 現在岡山県は,65歳以上のいわゆる老年人口比率は全国平均を約3ポイント上回り19.2%を数えるわけでありますが,10月から始まる要介護認定の申請で,実際に申請を上げてこられる方はこのうちの8分の1程度と予測されています。厚生省は,現在39歳の人たちが高齢者の仲間入りをする2025年には2倍近い方が介護サービスを受けるようになると見ていますが,少なくとも現在のお年寄りの8分の7の方は,幸いにして介護保険の恩恵,いわゆるサービスは受けずに済むというわけです。介護保険の財源が,利用者負担分を除いて,公費と40歳以上の人からの保険料で賄われるわけでありますから,要介護認定を受ける方の割合が少なければ少ないほど,介護を受ける側はもちろん,介護する側にも,社会全体にとってもよいことであると思います。したがいまして,重要なことは,介護保険が適用される前段階,日常的な予防を通じて少しでも要介護者をふやさないこと,不幸にして要介護状態になっても,リハビリを通じて要介護度を減らすことであると思います。また,少なくとも,要介護認定を受けない,介護保険のお世話にまでならない8分の7の方々の問題については,介護保険で事後的に解決するのではなく,やはり全般的な老人保健福祉計画をもって前段階でとめておくことこそが重要であると考えます。こういった介護保険に対する認識に対してどのようにお考えでしょうか,知事にお尋ねいたします。 次に,この要支援,要介護の前段階でとめる,あるいは要介護度を進めないための予防といった観点から,幾つか具体的にお願いと質問をさせていただきます。 まず第1に,要介護の認定申請は原則として本人や家族が行いますが,全国的に,例えば独居老人の孤独死のニュースは後を絶たず,本当に支援や介護の必要な方が十分に把握し切れないケースも想定されます。高齢者のいる世帯の17.5%がひとり暮らしであり,その割合は年々急速に増加しているわけでありますが,例えば地域において事前に要介護者や問題を抱えている方を発見し,お世話をいただく方やネットワークといったものが必要であると考えます。具体的にそういった仕組みとして何をお考えですか,さらにそういった仕組みへの支援策として何をお考えですか,保健福祉部長にお尋ねいたします。 第2に,少なくとも歯については十分な治療,予防ができるはずです。聞くところによると,肺炎で亡くなる老人の中には,口の中を不潔にした結果,ばい菌を飲み込んだことが原因ではないかと思われる方がいたり,結局入れ歯が不備であるという理由で窒息死するようなケースもあるようです。また,ある作業療法士によれば,入れ歯のあるなしで,つまり強くかみしめられるかどうかで被介護者の力の入り方が異なり,必要な介助の程度も違ってくるようです。また,言うまでもなく,基本的には我々は口から栄養を摂取するのですから,歯の問題は極めて重要なテーマだと考えます。 介護保険で在宅において受けられる12種類のサービスの中には,歯科医の往診ももちろん含まれているわけでありますが,実際のところ,歯の介護についてはどのような指導あるいは援助が行われているのでしょうか,また,口の動きと脳の働きの関連がわかっておりますが,特に痴呆性老人の歯はどのように診られているのでしょうか,現状と今後の指針についてお聞かせください。 また,施設における介護として,例えば県の施設また民間施設においては,どのように歯科医が配置され,どれだけ定期的に歯が診られているのでしょうか,また今後どのように指導されていきますか,保健福祉部長にお伺いいたします。 第3に,今までデイサービスを楽しみに利用されている方々の中で,介護保険下では「自立」となって施設に行く理由がなくなる方がおられますが,特に中山間部では出歩かないこととなり,かえってわざわざ要介護者をふやしてしまうおそれがあります。このことにどう対応,指導されますか,保健福祉部長にお伺いします。 第4に,施設において先駆的な介護サービスを考えても,介護保険の対象外なら給付はなく,また介護報酬も定額制となっておりますが,これで実際質の高い介護で要介護度を進めない,あるいは自立支援に向けたリハビリをしていくということが可能なのでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。 次に,介護保険に絡んで12種類受けられる在宅サービスということになると,ホームヘルパーはもちろん,看護婦さん,医師,歯科医師,薬剤師,栄養士,リハビリ専門家を初め,かなり多くの方々が家庭を訪問してくださるわけですが,こういった方々は恐らく車で移動されると思います。ところで,駐車場はどうするのでしょうか。厚生省はおむつ交換1分という目安を示しているそうですが,例えば町中において二,三十分の訪問のためにわざわざ駐車場を探して回るのでしょうか。例えば,歯科医師の方には歯科医師会に駐車禁止免除証をまとめてお預けする,あるいは訪問介護の看護婦さんには,事前に警察に届けずとも,はなから駐車禁止除外証を渡しておくなど,思い切った駐車禁止免除策が必要なのではないでしょうか。このことは全国的に早晩問題になると思います。岡山県の先駆的な取り組みに期待したいところでありますが,具体的な方策をお考えでしょうか,警察本部長にお伺いいたします。 さらに,要介護認定は介護認定審査会で行われますが,認定審査会委員の報酬に地域間格差があるとのことであります。保険料の格差が言われておりますが,保健・医療・福祉の学識経験者の方々に対して報酬格差が出る理由と今後の指針について保健福祉部長にお伺いいたします。 続きまして,道路交通についてお伺いいたします。 第1に,そもそも渋滞はなぜ起こるのかについて真剣に考えましたところ,結局,右折と赤信号が重なったとき起きやすいという答えに達しました。右に曲がるということは,言うまでもなく対向車線を横切るわけですから,一応向こうに赤信号でとまってもらわないと,これはぶつかります。ところが,左折は結局合流するということですから,左右確認を怠らなければ普通は当たりません。要するに,わざわざ信号で右折と左折を平等に扱うことはありません。特に交差点では,できるだけ左折車をスムーズに流すことで,少しでも滞留する車を減らすことを考えるのが得策であると思います。もちろん,現在,左折可標識や信号が赤でも下の矢印で左折が可能な信号といったものを多く見かけるわけでありますが,これらの増設はもちろんのこと,いっそのこと都市部においては,2車線以上の道路は信号にかかわらず常時左折可にすることは可能でしょうか。実際にアメリカにおいては,州にもよりますが,交差点で赤信号でも右折可のところがあります。もちろん歩行者の安全を確保するためには,ウインカーを出さないマナー違反の傾向のある岡山のドライバーに対して,停止線で必ず一時停止することを徹底することで安全を確保する必要があると思います。非常に安い渋滞緩和策だと思いますが,警察本部長はいかがお考えでしょうか。 第2に,歩道の点字ブロックについて。 現行で黄色い点字ブロックが多いのは,視覚に障害がある方の中には,黄色については識別できる方がおられるからだそうであります。ところが,このごろどういうわけか,わざわざほかのところと同じ色にしている点字ブロックを多く見かけます。これはどういうお考えによるものでしょうか,土木部長にお伺いいたします。 第3に,このごろ岡山市内中心部の会社経営者の方々から大変よく耳にするのは,どこか岡山の治安が悪くなったのではないかという声であります。夜ともなればどこからともなく集まった周回族がたむろし,真夜中に相変わらず暴走族が駆け回っています。今や,例えば夜の桃太郎大通りや表町商店街は女性の一人歩きが恐ろしいと感じられる通りになっています。こういった大迷惑行為に対して,市民県民の皆さんの多くが非常に不快あるいは不安に思っておられます。警察当局にはあくまで毅然たる対応をしていただきたいと切に願うところでありますが,実態,現在の取り組み状況,また今後の方針について,警察本部長にお伺いいたします。 また,この問題と関連しますが,ここ数年,土日の夜ともなりますと,表町商店街の中に車を乗り入れ,朝まで違法駐車をする自動車を何台も見かけます。また,その周辺に若者が明け方までたむろしています。夜間に商店街を通行する方にとって恐怖の対象となっており,地元商店街の方々も大変迷惑をされておられます。桃太郎大通りにおける検問がそれなりの効果を上げている御努力には敬意を払いますが,別の筋や裏通りにはどのような目配りがなされているのでしょうか,あわせて警察本部長にお伺いいたします。 第4に,現在9月30日までの工期をさらに5カ月延長して,国道2号大雲寺−新京橋間の共同溝工事が行われています。国の直轄事業として車線数を減らさないよう努力はされていますが,かなり複雑な形状で規制されているため徐行を余儀なくされ,時には対向車線に紛れ込む車両まで出てしまう状況になっています。そして,こうして起こる国道2号線の渋滞を避けるがために,並行する県道岡山牛窓線の京橋方向に車が流れ込み,朝の通勤ラッシュ時には,東山方向から市内中心部に向けての右折車がやむなく京橋交番手前から路面電車の軌道内に入り込むという光景が毎朝見受けられます。以前から,東山峠を越えるとひどい交通渋滞が発生していることは岡山県民ならだれでも知っているところでありますが,共同溝工事による現在の渋滞を早く解消するために,共同溝工事の早期完成を図ってもらうことはもちろんですが,大雲寺から新京橋間の慢性的な渋滞緩和を図るためには,さらに,例えば京橋の拡幅とか桜橋下流に計画されている都市計画道路下中野平井線の旭川橋梁の早期事業化が望まれるところでありますが,現状と今後の見通しについて知事にお伺いいたします。 次に,いよいよ来年築庭300年を迎える後楽園についてお伺いいたします。 まず第1に,300年祭実施計画の広報宣伝事業計画によりますと,本年度4月までが周知期間,4月から8月までが関心期間,9月からはいよいよ参加期間であるとのことですが,日本三名園の一つである天下の名園が300年を迎える喜びや期待感といったものがまだまだ伝わってきません。恐らく,岡山県民の多くがもう何年も何十年も後楽園に行っておらず,例えば県外からのお客さんにはチボリ公園と美観地区と瀬戸大橋を案内するのが普通で,吉備路や後楽園という本来なら観光の目玉になるところも,単につまらないという理由でお連れすることは少ないのではないでしょうか。今や後楽園は,残念ながらみやびや風流を楽しむ場であり,日本の伝統行事に和服を着て参加するのが正式な利用方法であり,月や蛍が出たときは,行く人は行きますという感すらあります。ちなみに,観光バス的には後楽園は典型的な1時間コースで,さっとおりて,ちょっと見て,さっと乗って,ほなさようならの観光地になっています。後楽園の観光客はピーク時から3分の1にじり貧となった今,県都岡山市の再生のため,岡山市にある後楽園の築庭300年を起爆剤にしていただきたいと切に切にお願いする次第であります。 ところで,数年前の岡山城築城400年記念事業として岡山市がイベントを連発した結果,祭りの後の寂しさを若干感じさせるものの,これに便乗して文化団体,市民団体がかなり動きましたし,それなりの経済効果を上げたと言われています。当時の安宅岡山市長は,企画の段階から市民参加を基本に取り組み,約15億円のソフト事業費で20の記念イベントが行われ,その経済波及効果は投資額の19倍,290億円に及んだと豪語されておられます。 そこで,知事にお伺いいたします。そもそも後楽園に対してどのような認識をお持ちでありましょうか,なぜこれほどまで観光客が減るとお考えでしょうか,そして築庭300年の記念すべき年に何を後世に残そうと考えておられますか,また,そもそも後楽園を文化財でなくチボリ公園に負けない観光資源として,これで県外から外貨獲得をしてやろう,ちょっともうけてやろうというような意気込みはお持ちなのでしょうか,おかやま後楽園300年祭がどのような効果を上げられるとお考えですか,すべて知事にお伺いいたします。 第2に,岡山城かいわいは岡山市の管轄で,後楽園は県の管轄ですなどということは,市民県民のだれもが知りませんし,市民県民にとってはどうでもいいことです。要は,だれでもいい,岡山城・後楽園ゾーンを一体的に整備してほしい,それだけであります。一言で言えば,観光客に失礼な状況です。例えば,回遊ルートの設置等をとっても,どれだけ岡山市と連携されておられますか,萩原岡山新市政が発足して9カ月たった今,観光面で岡山市との連携がどれだけ進んだのでしょうか。また,後楽園の玄関口となる出石町の面整備がたなざらし状態となっていますが,どう取り組んでいかれるのでしょうか,知事にお伺いいたします。 第3に,岡山県民の皆さんの多くが,岡山駅前で県外の観光客に「後楽園にはどう行ったらよいですか」と聞かれ,桃太郎大通りまではうまく説明できても,そこから後楽園の入り口までがうまく説明できなかった経験があるのではないでしょうか。本年1月からのプレイベントに引き続き,来年の築庭300年の本番に向けさまざまな誘客イベントを計画されておられますが,案内標識すら十分に整備されていなければ,県の温かいもてなしの第一歩が欠けていることになります。JR岡山駅をおりた観光客が,小学生でも,外国の方でも,だれも迷うことなく出石町と後楽園と岡山城までは行けるように案内標識の整備が必要なのではないでしょうか,土木部長にお伺いいたします。 第4に,昭和27年以来,後楽園が文化財保護法で国の特別名勝に指定され,そうそう自由にいじられないことも重々理解した上で,今後の後楽園についての全般的な考え方について,やはり市民県民の皆さんにどれだけ開放していくのか,市民の憩いの場として,チボリ公園同様夜間に開放したり,ロックやジャズのナイトコンサートや周辺でのフリーマーケットなどを開催したりできないか,全国どこでもある土産物売り場が参道に軒を連ねるような形で土産物屋さんが後楽園を中心に広がっていかないか,検討すべきことは幾らもあると思います。要するに,市民県民にとって誇りに思えないもの,楽しく思えないものが観光客に受け入れられるはずもない,そういった認識から後楽園の今後について検討していただきたいと思います。これは要望です。 以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 (知事) 自民党の佐藤議員の質問にお答えをいたします。 介護保険について。介護保険に対する認識でございます。21世紀間近でございますけれども,長寿を喜ぶ社会とするということがもう第一であると,このように考えておりまして,高齢者の方々が元気で,そして生き生きと幸せに過ごしていただける,このようにすることが重要であると考えております。 県といたしましては,現在改訂作業を進めております高齢者保健福祉計画につきまして,関係者の皆様方等の御意見も踏まえながら,介護予防・生活支援サービスの充実とか,あるいは健康や生きがいづくりにつきまして重点を置いたものといたしたいと,このようにまず考えております。 次に,介護が必要となった場合の対応についてでございますけれども,市町村と連携をとりながら,この介護保険という制度を着実に実施をしていかなければならないわけでございます。いずれにいたしましても,今後とも高齢化が進展をしてまいりまして,4人に1人が高齢者になる社会の到来が予想されているわけでございますが,その中で,私といたしましては,地域の皆様方,あるいはボランティアの方々等も御参加をいただきながら,地域全体で高齢者の方を支えていくという,そういう地域社会づくりを目指していかなければならないものと思っております。 次は,道路交通の問題のうち,大雲寺−新京橋間の渋滞緩和策等についてでございます。 共同溝工事についてでございますが,この工事につきましては,文化財の調査とか,あるいは既設の占用物件の移設などによりまして工期が延びたと,このように承知をしているところでございまして,建設省に対しまして一日も早い工事の完了というものを現在お願いをしているところであります。 お尋ねの京橋の拡幅についての問題でございますが,これにつきましては,その旭川の河川計画との整合性をとる問題,それから中島地区ございますけれども,この土地利用を今後どのように考えていくのかという問題,それから橋を上に上げるとなりますと,現在走っております路面電車も上に上がっていくわけですが,その勾配の問題,線形上の制約があるわけでございまして,解決すべき点も非常に多いというところでございまして,今後の検討課題とさせていただきたいと思います。 次に,下中野平井線の旭川橋梁についての問題でございますが,これは岡山市が事業を担当していただくことになっておりまして,現在,橋梁部を含めた十日市から平井間につきまして,市が橋梁取りつけ部とか,あるいは交差点の構造検討を行っておられまして,県といたしましても,早期に事業化ができますように市に対しまして協力をしてまいりたいと考えております。 次に,後楽園についてであります。 この認識でございますけれども,言うまでもなく日本三名園の一つでございまして,300年の歴史を現在に伝える世界に誇れる文化遺産である,また県を代表する観光資源であると,このように認識をいたしております。岡山県の後楽園は,御承知のとおり,明治に入りまして池田家より御寄贈をいただいたということで,現在県が管理をしているものでございます。 観光客の減少についての原因でございますけれども,長引く不況というものも一つございますし,また余暇の過ごし方に対します価値観の多様化と申し上げましょうか,またさまざまな観光の名所スポットも次々に生まれているわけでございまして,そういったところへ観光客の方が行かれる等々,さまざまなそういう変化を受けて減少しているものと考えております。 次に,300年の記念すべき年につきましては,多くの方々に後楽園の歴史的な,そして文化的な価値というものをまず再認識をしていただきたいと考えておりまして,後楽園が持っておりますその魅力というものを末長く継承していただきたい,このように考えております。 後楽園を観光資源としてどう活用するのかということでございますけれども,ただいま申し上げました文化遺産としての価値というものを生かしながら,後楽園の新たな魅力を発見できるイベント,これを展開していきたいと,このように考えております。同時に,私も観光連盟の会長でございますが,観光キャンペーン等幅広く展開をすることによって,国内外から多くの観光客の皆様方に訪れていただけるように今後も努めてまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても,おかやま後楽園300年祭におきましては,全国へ後楽園の知名度を高めるとともに,文化の振興あるいは観光の振興など県内の隅々まで効果が及んでいきますように,私自身が先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。 岡山市との連携についてでございますが,おかやま後楽園300年祭を契機といたしまして,岡山城と後楽園の連携を図るために連絡会議を県と市の間で設置をいたしております。その中で,文化遺産としての情報発信とか,あるいは観光地としての魅力づくり,こういった問題点につきまして一体的に取り組んできております。 お尋ねがございました回遊ルートについてでありますが,おかやま後楽園300年祭にあわせまして,岡山駅から後楽園・岡山城ゾーンを季節感あふれる花で飾るガーデニング回廊というものを岡山市と連携を図りながら進めることといたしております。 また,観光面での岡山市との連携についてでありますけれども,観光施設の割引制度の設定を行う等,これまでも岡山市と十分協議をいたして,また連携をしてきているところでございます。今後とも,後楽園・岡山城周辺の整備,あるいは観光振興策につきまして,市と十分連携,協議を深めてまいりたいと考えております。 最後に,出石町の面的整備でありますけれども,平成5年に後楽園周辺整備基本計画という形で取りまとめまして,構想の具体化に向けて地元の方々との意見調整,あるいは岡山市との調整などを行ってきていたところでございますが,御承知のとおり,平成9年の秋の行革大綱の中におきまして,事業計画を見直すこととし,凍結というふうになっているところでございます。今後は,県の財政状況を初め岡山市あるいは地元の取り組み等も勘案をしながら,県としての対応というものを検討してまいりたいと考えております。 私からの答弁は以上でございます。 (保健福祉部長) お答えいたします。 介護保険についてのお尋ねでございます。 まず,ひとり暮らし老人対策についてでございますが,現在,県下各地域におきまして,老人クラブ会員によるひとり暮らしの方への声かけや,愛育委員,栄養委員によります家庭訪問,あるいは地域交流会の開催などさまざまな活動が行われているところでございます。今後,県といたしましては,こうした活動の充実強化を図るため,市町村社会福祉協議会を核といたしまして,老人クラブやボランティア団体などの参加を得た地域で高齢者を支えるネットワークづくり,そうしたものが進みますよう指導,助言を行ってまいりたいと存じます。 次に,歯の介護の現状についてでございますが,現在,保健事業といたしましては,寝たきりや痴呆の方のそしゃく機能の回復や口腔衛生の徹底などを目的といたしまして,保健婦や歯科衛生士等による訪問指導が実施されているところでございます。 また,地域における日常の歯科診療の中では,痴呆性老人を含めまして要介護者を訪問いたしまして,口腔内の衛生管理や義歯の調整,あるいは家族に対する指導などが行われているところでございます。食物を十分そしゃくしまして,みずからさまざまな食品を摂取できる,そうしたことは生活の質の向上につながることから,痴呆性老人の方への対応も視野に入れました口腔ケアの進め方や注意点などをまとめました口腔保健マニュアルといったものを作成するなど,要介護者への歯科保健対策を積極的に進めてまいりたいと存じます。 次に,施設の歯科医の配置と検診の状況についてでございますが,特別養護老人ホームにつきましては,県下93施設のうち6施設におきまして歯科医師が嘱託医として配置されてございまして,週1回から月1回の頻度で入所者の歯の治療に当たっているところでございます。また,こうした歯科医を配置していない特別養護老人ホームや老人保健施設などにおきましては,協力歯科医療機関の歯科医師の往診あるいは通院により対応されているところでございます。今後とも,施設に対しまして,歯についても入所者の健康管理が適切になされるよう指導してまいりたいと存じます。 次に,自立老人対策についてでございますが,現在国におきまして,介護予防という観点から,ひとり暮らし老人等に対します生活支援,生きがい対策や保健予防対策など市町村の取り組みに対する支援策が検討されているところでございます。今後,市町村におきましては,新たに策定いたします老人保健福祉計画の中で,国の支援策を踏まえ,地域の実情に応じ,自立該当者を含めた高齢者施策の推進を図ることとなるわけでございますけれども,県といたしましては,市町村のこうした取り組みが円滑に行われるよう支援してまいりたいと存じます。 次に,施設介護の質についてのお尋ねでございます。施設の運営は,指定基準におきまして入浴,食事等の介護や機能訓練等を行うことによりまして,入所されている方がその持っていらっしゃる能力に応じ自立した生活を営むことができるようにすること,そうしたことを目指すこととされてございます。このため,こうした運営が確保されますよう,介護報酬の額は,国の審議会による検討を踏まえまして,介護・看護職員等の配置数や入所者の要介護度に応じて設定される予定となってございまして,施設におきましては入所者の能力に応じた適切な介護に取り組むことができると考えております。 次に,認定審査会委員の報酬格差についてでございますが,認定審査会委員の報酬は,各市町村がそれぞれの地域の実情に合わせまして,特別職の報酬に関する規定に基づき定めるものと考えておるところでございまして,この点につきまして御理解賜りたいと存じます。 以上でございます。 (土木部長) お答え申し上げます。 歩道の点字ブロックについてでございますが,点字ブロックの色彩や設置方法等につきましては,視覚障害者誘導用ブロック設置指針に定められておりまして,この指針の中では,色彩は黄色が原則となっております。しかし,観光地や市街地中心部など特に景観に配慮する必要がある箇所については,町並みとの調和などを総合的に判断し,黄色以外の色で実施している箇所もございます。これらの箇所で弱視の方が特に識別しにくい箇所については,視覚障害者の方々の意見を聞きながら,必要な箇所については改善をしているところでございます。今後とも,視覚障害者の方々が安全で快適に通行できる道路づくりに努めていきたいと考えてございます。 次に,後楽園までの案内標識についてでございますが,観光客の案内等をするために国,県,市が連携を図りながら,平成9年度に岡山市歩行者案内標識整備計画を策定し,JR岡山駅前,桃太郎大通り,中心市街地の交差点などを中心に,ローマ字を併記した案内標識を33基設置しており,今年度についても主に後楽園周辺で17基を整備する予定にしてございます。 また,車で訪れる方々のためには,岡山市に向かう主要な幹線道路から後楽園や岡山城へスムーズに行けるよう,各道路管理者が協力して観光地への案内標識の整備を進めているところでございます。来年の築庭300年を迎えるに当たり,観光客の利便性を図るため,案内標識の整備充実に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 (警察本部長) 佐藤議員の御質問にお答えをいたします。 まず,訪問介護等に使用する車両の駐車についてでございます。御案内のとおり,無秩序な路上駐車は交通渋滞や交通事故の原因の一つでございますので,法定の駐車禁止場所に加え,公安委員会によります駐車禁止規制を実施しているところでございます。しかしながら,公益性や緊急性などから路上駐車することがやむを得ない場合には,一定の条件のもとに所轄警察署長の許可等によりこれを認めているところでございます。 訪問介護に使用する車両の駐車につきましては,一般的には緊急性がございませんので,付近に駐車場等がなく駐車禁止場所に駐車することがやむを得ない場合に限り,道路交通法の規定によりまして6カ月を限度として時間や場所を定め,所轄警察署長の許可で対応しているところでございます。 また,医師,歯科医師の緊急往診など,業務の性格上公共性,緊急性を有し,必要やむを得ないと認められる車両につきましては,申請に基づきまして公安委員会が駐車禁止規制から除外する旨の標章を交付しておりまして,これらにつきましては,今後ともこのように運用してまいりたいと考えております。 なお,これらの標章の取り扱いにつきましては,個々具体的に審査する必要がございまして,他の団体等へ一括して運用をゆだねることは困難でございますので,御理解を賜りたいと存じます。 次に,信号交差点における常時左折についてでございます。 現在岡山県内では,岡山市柳川交差点など32交差点の52方向におきまして常時左折を行っております。御案内のとおり,常時左折は交通渋滞緩和対策の一環として実施しているものでございますけれども,どの交差点でも実施できるというものではございません。その要件といたしましては,交差道路側に流入車線が確保されておりますことや,道路を横断する歩行者,自転車の安全が確保されることなどが必要でございます。したがいまして,これらの要件を満たさない信号交差点で実施いたしますと,交差道路の車両や横断歩行者等との衝突事故を招くおそれがありますので,2車線道路の信号交差点すべてに常時左折を実施することは困難であるというふうに考えております。 次に,桃太郎大通り等における暴走族等の実態,現在の取り組み状況及び今後の方針についてでございます。 岡山駅前から城下交差点に至る間の桃太郎大通りにおきましては,主として週末の深夜にマフラー等を改造した自動二輪車など10台くらいによる爆音走行が行われております。また,岡山駅前周辺におきましては,異性との交際を目的として若者が自動車等によりその周辺を周回するという周回族や暴走行為を見学し,あるいはこれをあおっている「ギャラリー」と称する若者100人くらいがたむろしているのが実態でございます。 このような暴走族等に対する取り組み状況でございますけれども,暴走族対策は県警察の重点施策の一つでございまして,毎週末を中心に多数の警察官等を街頭に出しまして,特別取り締まりを実施しているところでございます。特に岡山駅前周辺等につきましては,「岡山駅前クリーン作戦」と名づけまして,岡山西警察署を中心に隣接警察署及び交通機動隊等による約100人体制で暴走族等に対する取り締まりやたむろする少年の補導等を実施しているところでございます。 8月末現在の取り締まり状況でございますけれども,共同危険行為等の禁止違反で9人,無免許運転で11人,通行禁止違反で34人,整備不良車両の運転の禁止違反で25人,その他駐車違反等で499人,合計578人を検挙しておりますほか,たむろしている少年326人を補導しているところでございます。 また,岡山駅前周辺等の周回族対策といたしまして,従来の通行禁止区間をさらに延長する措置を講じまして,取り締まりを強化しているところでございます。今後も,クリーン作戦や週末を中心とした特別取り締まりを継続して実施いたしますほか,学校,職場,地域の方々や関係機関・団体の皆様方と連携しながら,暴走族追放機運を一層盛り上げてまいりますとともに,状況によりましては機動隊の大量投入をも含めまして,取り締まり体制を一段と強化し,暴走族等の封じ込めを図ってまいりたいと考えております。 最後に,表町商店街における違法駐車の取り締まり及び裏通り対策についてでございます。 表町商店街及びその付近一帯での違法駐車取り締まり状況でございますが,本年8月末現在105人を検挙いたしているほか,19台の車両をレッカー移動しているところでございます。今後も,表町商店街及び裏通りにおける違法駐車につきましては,指導取り締まりを強化いたしますとともに,現在実施しております田町等の歓楽街における違法駐車取り締まりにあわせまして,その取り締まりを強化してまいりたいと考えております。 さらに,表町商店街等に朝方までたむろしている若者に対しましては,地域安全推進委員やボランティア団体と連携した警ら警戒活動やパトカー,制服警察官によるきめ細かなパトロールを実施いたしまして,地域住民の不安感の解消に努めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 |
||
Copyright (c) 1999 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp |