2003年8月31日(日) 【総合防災訓練】

 本日は、9月1日の「防災の日」の前日に当たり、県、市、県警、消防局、陸上自衛隊、日本赤十字社はじめ168団体、約1700人による総合防災訓練が、岡山リサーチパーク内公園広場で開催されました。

 2時間内に納まるように、まさにタイムスケジュールに沿って、粛々と訓練は続きますが、おそらく実際には、この数倍は、かかるだろうな、という感じがします。

 まず、知事以下行政職員も含めた形で構成する対策本部が、これだけスムーズな統括は、できないだろうと、誰もが思っているのですが、こういった訓練のやり方以外にあるのかと言われれば、それも、なかなか難しいところです。


 毎年来賓として参加させて頂くのですが、毎回思うのは、自衛隊の活用についてです。いつも、迷彩服で参加されるのですが、自衛隊のヘリや装甲車が出てきたら、個人的には、待ってました!という気分になります。

 炭素菌のような化学テロや爆弾テロが問題になった時に、自衛隊の訓練というのを見させて頂きましたが、阪神・淡路大震災の時にも、自衛隊への出動要請が遅れたことが、被害を拡大させたということですが、常日頃から、装備を持ち、組織立った訓練を行っている自衛隊が、直ちに出動してくれれば、非常に心強いものがあります。
 ちなみに、訓練での出動要請は、災害発生から10分後で、日本原駐屯地から、なぜか、15分後には、やってきます。


 要するに、自衛隊というだけでなく、自衛・防災隊とし、大規模災害の際には、迷彩服以外のユニフォームで、防災隊として、出動する、という仕組みがいるのではないか。

 警察、消防はじめ、指揮下に収めるとすれば、まさに戒厳令のようでありますし、なにしろ、武装して出てこられれば、災害に乗じて、クーデターを行うことも可能ですが、現実に、自衛隊の活動の中に、防災活動があるのは事実であり、なにか、もう少しうまい仕組みができないか、非常にもったいなく思います。


 アメリカがどう言うかは別にして、自衛隊は、確かにイラクに物見遊山に行くのではなく、場合によっては、自衛のための交戦も避けられないのでしょうが、なにか、国を守るとことの誇りに対して、感謝や畏敬の念の薄さが、丸腰でも戦場に行くべきだなどと平気で言う感性になってしまうし、こういった防災の際に、しかるべき活躍の場面を与えないことに繋がりかねない、そんな気がします。


 それにしても、本当に整然と市民が、いてくれるのか、場合によっては、機に乗じる暴力団・暴走族等の危険分子を鎮圧しないといけない最悪のケースも出てくるかもしれません。
 さらには、高齢者・障害者の方々の避難誘導を誰がするのか。
 また、情報を一元管理し、市民や企業からの問い合わせ等に、どういう体制で、応じていくのか。
 地下街の被災、JR岡山駅等交通拠点の混乱、交通の寸断の場合に、情報をどこで管理し、どう対応するのか。

 ・・・・パニック映画のように、悪い事態を想定すれば、きりがありません。


 ところで、私は、おそらく、災害の際、一番機動的に動くのは、地域の消防団だと思います。要するに、コミュニティー形成と防災活動は、非常に似ているわけで、逆に言えば、学校等に限らず、なるべくきめの細かい日頃の地域の防災啓蒙活動等が、いざというとき、一番功を奏するように思います。

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