2003年1月3日(土) 【ラスト・サムライ】

 ところで、総理の靖国神社初詣。
 なるほど天才だなぁ・・。

 深謀遠慮の末の決断、このタイミングなのでしょうが、この内閣は、出す答えがどうと言うよりも、そこまでの経緯や、事後でも良いから結論への説明、つまり、アカウンタビリティーが圧倒的に欠如しているように思います。

 そのことがいたずらに、答えに対する評価に、混乱を招いているように思います。反対意見は、言いたいように言わせとけ、どうせ、すぐ冷める国民性だから、と、腹では思っているような・・・。

 正面突破で既成事実を重ねることは手段として理解しても、国民を侮らず、叫ばずに、逸らさずに、しっかりと説明をして頂きたいものです。スローガンではなく、大義を聞きたいのです。

 正直に書いて、自民党にせよ、他党にせよ、目先で国民を欺こうとするかのようなパフォーマンス合戦を見る余裕は、誰にもありません。


 真夜中に、ビデオで、『ねじ式(つげ義春)』と一昨年の映画『宣戦布告』を観て、陰鬱な気分になりました。あまり良いマッチングとは言えません。

 特に、 『宣戦布告』は、『福井・敦賀半島の海岸で国籍不明の潜水艦が座礁。やがて、武装した特殊工作員たちが、密かに上陸していることが明らかになる。空前の緊急事態に、迅速に対応できない政府は、ついに自衛隊を出動させるが、事態はさらに深刻化する。』という、もうボロボロになるシュミレーション。

 ひょっとすると総理は、全く荒唐無稽とも言えないような、この映画に感化されたんでしょうか?



 気を取り直して、2つの新年会にお邪魔した後、極めて珍しく夫婦で、遅ればせながら、『ラストサムライ』を観に行きました。夫婦で映画というのは、年一度あるかないかです。
ttp://www.lastsamurai.jp/

 大名・勝元(渡辺謙)の息子、信忠を演じるのは、岡山県出身の小山田真さん(21歳)。面識はありませんが、岡山一宮高校の大後輩になります。

 それにしても、幾つか、おや?と思うところもありますが、外国から、日本が、こう見られているという類のものでは、(日本市場を意識した戦略上のこともあろうと思いますが)、これ以上ないほど、好意的に、「誇り」や「潔さ」や「謙虚さ」を重んじる「武士道」を描いてみせてくれています。

 ただ、現代の日本、日本人と比較において、ある種の優越感をくすぐられる以上に、恥じ入ることがない方が難しい作品です。

 今、日本人が、日本国民をそうは言っても、「勤勉」で、「礼儀正しい」よね、と言えるでしょうか。


 逆に、「武士道」精神が、かように国際的に理解されるのならば、日本が、それだけ倫理的な国家であれば、国際社会において、まさに、尊敬を集めながら「名誉ある地位」を占められるはずなのにな、とも思います。
 「武士道」国家外交というのもあるのでは。

 また、「武士道」が、一番求めらているのは、我々議員ではないか。「餓鬼道」に落ちて、肥え太ってる場合じゃねーぞ、と、なにか、突きつけられるような映画でした。

 それにしても、トム・クルーズよりも、脇を固める日本人俳優陣が素晴らしい!
 まだの方は、是非。

Copyright (c) 2003 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp