2002年4月18日(木) 【有事法制について】

 16日に有事法制関連三法案(武力攻撃事態法案・自衛隊法改正法案・安保会議設置法改正案)が、閣議決定され、国会に提出されました。

”政治とカネ”にまつわる疑惑問題の追及などで、与野党が、足の引っ張り合いをしている中、景気対策や雇用対策の議論もそこそこに、実は、すったもんだでも、国民的には、あれ?と、非常にあっさりと提出されました。

 私の大学時代は、ロン=ヤスの中曽根政権。当時の愛すべき社民連、「朝日ジャーナル」的には、「有事法制」は、完全にアウト。今の大学生は、燃えているか?昨今の状況は、まさに隔世の感があります。


 小泉総理「らいおんはーと」によれば、
 「日本に緊急事態が発生したとき、日本と日本国民を守るために、政府や自衛隊がどういう行動をとるのか、都道府県や市町村はどう対応すべきか、国民にはどのような協力を求めればよいのか。

 ところが、そのための基本的な仕組みは、これまで十分には整備されていませんでした。備えあれば憂いなし。緊急事態に遭遇したときどのように対処するのか。日頃から準備ができていれば、かえって緊急事態の発生を防ぐことにもつながります。

 国の緊急事態は、武力攻撃を受ける事態、武装不審船やテロ、さらには大規模自然災害など様々なものが考えられます。いかなる事態にも対応できる安全な国づくりが必要です。

 今回の対策では、安全保障会議を強化して緊急事態への対処機能を向上させるとともに、武装不審船やテロにしっかり対処できるよう様々な施策を講じます。とりわけ、これまで課題とされていた武力攻撃を受けるような事態に対処するための法制について、整備に着手します。」とのことです。
 小泉首相は、この法案の早期成立に意欲的で、国会の会期延長もやむなしという強い姿勢です。


 日本共産党はこの法案を「戦争国家法案」と呼び、民主党では、「必要だ」という党内合意が、なされています。

 個人的に気になるのは、憲法問題であるという、社民党側の指摘。「今回の有事法制で、憲法体系とは違う有事立法体系がバーンとでき上がり、人々の権利を制限していくのだ。」
「周辺事態法でも「協力要請」にとどまっている自治体に対し、関連で、首相に自治体指揮権という強制力を与えていることは、憲法の地方自治の本旨から逸脱し、分権の考え方にも逆行する。」

 憲法体系を逸脱する事態だから「有事」なのかもしれませんが、まずは、日本の根本である「不磨の大典」について、平時に徹底的に議論して欲しいのですが、私は、9・11以来の「なし崩し」を憂います。
 国防、国のあり方、といった国家の基本問題です。国家の基本法である憲法の話は、避けて通られるものではありません。


 国民の生命・自由・財産を守るのが、国会議員の仕事ならば、直接、国民の命に関わるこういった問題を分かり易く真摯に説明して頂きたいものです。
 中傷合戦ではなくまさに、これこそが、例えば、有事法制にまつわる議論こそが、国会議員の根本の仕事です。加治隆介なら、どう言うか?

 国益と私益をごちゃ混ぜにした足の引っ張り合いではなく、権謀術数や権力闘争ではなく、まさに、国益とはなにか、国とはなにか、という議論を真摯にして頂くことを心の底から期待します。

 私は、議員として、いや日本国民として、有事法制にまつわる国会議員の発言を注視したいと思います。
 本当に失礼を申し上げますが、国民の一人として前半国会は、ほとほと呆れました。後半国会に期待させて頂きます。


 また、「自治体」指揮権と言うからには、我々地方議員も、県議会で議論していくべき話です。自治体指揮権とはなにか?私も勉強させて頂きます。
 6月議会を意識しつつ。

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