2001年9月30日(日) 【日本原駐屯地】

 本日は、生憎の雨で、学校関係の運動会が中止になる中、日本原駐屯地創設36周年記念式典に出席しました。個人的には、夏の呉と江田島でお世話になった御礼という面もありました。

 全国で、約160ある駐(分)屯地のうち、勝田郡奈義町滝本にある日本原駐屯地は、正確に言うと、陸上自衛隊中部方面隊第13旅団(司令部は、広島県安芸郡海田町)管内のうち、第13特科隊、第13高射特科隊、第13戦車中隊が、駐屯しています。
 ちなみに、岡山市宿の三軒屋は、関西補給処三軒屋支処であり、第394施設中隊が、駐屯しています。
 cf.防衛庁自衛隊ttp://www.jda.go.jp/

 98年に、この第13旅団は、師団から改組されたので、日本原も、1700名の定員が700名と、人員が大幅に減り、車両などの新しい装備が一気に入り、量を質で補う「戦略機動旅団」として全体の力は以前と変わらないとされるものの、 購買力低下や生徒数の減少など、地域経済に影響が出ています。


 本日の式典では、いわゆる観閲式があり、戦車、装甲車の走行、実践演習なども披露され、空砲ですが、ヘリや74式戦車などの砲撃訓練、実戦演習も行われ、迫力に圧倒されました。
 実は、学生時代に朝霞の観閲式の予行演習に行ったことがあるのですが、この時は、戦闘機も飛んできて、それは、物凄いものでした。

 個人的には、こういった観閲式などでさえ、見ると見ないとでは、自衛隊に対する認識や、国防に対する意識が、全く異なってくるとは思います。
 少なくとも、目の前の戦車が、日本に対して攻撃を仕掛けてくるものである、こういった物は、世界中の国が持っている、と仮定した時に、単純に、「武力」は保持すべきではない、という議論ができるかは、微妙ではないかな、と思います。

 駐屯地を開放日に訪ねることは、「平和」を非常にリアルなものとして、実感できると思いますが、そこからの判断をすべきではないかと思います。それが、誰によって守られているのか。
 ともあれ、答がどうあれ、自衛隊を「理解」しようとする努力は必要だと思います。また、評価すべき点は、評価することも必要だと思います。


 一方、本日の式典中、毎年恒例であるとのことですが、いわゆる「平和憲法」を守る立場から、駐屯地外(側道)から、「アフガニスタンに派兵するな」「家族の皆さん、お父さんを戦場に送らないで下さい」「反戦自衛隊員の皆さん、アメリカの報復に反対しましょう」と、式典の声が聞こえなくなるまで、えんえんと拡声器でのアジ。

 言われんとすることも、一定の理解はできるし、それを言われる権利は、絶対的に守りたいとも思うのですが、雨の中、ずっと立ち続ける隊員や、総社市長の崩落事故の際の自衛隊の活躍への御礼をはじめ、挨拶をされる来賓、準備されてきた関係者、来客(家族や恋人への晴れ姿でもある)に対して、礼儀を欠いた行動であるのは、事実であると思います。

 主張よりも、手法の部分で、賛同を得られないのではないか、と、逆に心配します。誰にとっても、非常に辛い光景でした。



 帰りには、奈義現代美術館に立ち寄りました。
 駐屯地の轟音と対照的に、「大地」の上にひたひたと落ちていく雨音が、なんともかえって物静かで、悠久の時間に身を任せながら、少し穏やかな気持ちに浸りました。


 やはり、平和が良いですね。
 どうなるのかなぁ、日本は。

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