2005年5月21日(土) 【議員厚遇問題】

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 本日は、南野育成園こどもまつり。園長先生みずから、厨房でラーメンを作られ陣頭指揮。多くのボランティアに地域の子ども達もたくさん集っていました。夏には、聖園こどもの家でも夏祭りがありますが、やはり、児童養護施設あるいは児童福祉施設は、子ども達の健やかな成長を祈る心ある多くの方の手で支えられています。
 午後からは、名古屋市に飛びとんぼ返り。議会改革に関する非常に刺激的なシンポジウムに出席して参りました。
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 ここのところ、名古屋市議会は、自民党前市議団長による政務調査費架空請求問題で大騒ぎです。また、大阪市の市職員厚遇問題は、大阪市議会も巻き込み、「税金食い倒れ」状態に。
 早晩、こういった政令指定都市の議員厚遇問題は、全国に飛び火して行くことは間違いありません。


 本日のシンポジウムは、ネット上ではかなり有名な全国の地方議員が、一堂に会し、第2の報酬と言われる「政務調査費」と「費用弁償」に関しての取組みについて激論が交わされました。

 しばしば監査請求が入り、全国でも訴訟が相次ぐ「政務調査費」もさることながら、つまりは、「議員出席手当て」と言える「費用弁償」に関しては、全国的に問題になる日は近いでしょう。
 私自身、これはかなり問題であり、議会改革を標榜するなら、この問題は避けて通ることができないと認識しています。


 早い話が、本会議や委員会に出席すると一律に交通費(?)が支給される(岡山県は、距離によって違いますが)ということで、正直、いつもどうなのかな?と思いつつ、私も受け取っていました。いや、過去形ではありません。

 何しろ、私にとって、県庁や議会は、近所ですから、こういうものを頂戴して、果たして、職員に何が言えるのか?と思ってもおります。

 特に、議会開会中の休会日は、議会棟に行くと、名前を書いて「出席」になり、費用弁償があるため、私は、むしろ、いかに休会日に議会に行かないか(電話やメールで連絡する)を自分の良心にしています。
 そりゃ、近所ですから毎日でも行けるのですが。

 ただ、あぁ今月はこれで助かったな〜という場面が、しばしばあるため、これは要りません!と、言い切る根性がありません。これはもう情けないと言うしかありません。



 もちろん、条例で定められ、法的には問題は全く無いわけですが、人によっては、1万円近い支給になると思われ、納税者感情からして果たしてどうなのかな?私は、とても、許されるようには思えません。
 法的に問題なければ、道義的に問題ないとも言えません。

 ただ、当初は凄いな〜、と思っていたことが、そういうものなんかな、と慣れてしまう、ということがあるかもしれません。改革派と称する方からも、なぜか聞かれない話でもあります。

 しまいにゃ、うしろめたさが無くなるというのが恐ろしいです。思うだけで、何もしていないのですから、言うてみただけです。



 岡山市議会議員の中には、こうしたものを「供託」されている方もいるように聞いていますが、岡山県議会では、そういう話を今のところ聞いていません。

 ひとつには、返還すれば、議員による寄附行為と見なされ、起訴されるかどうかはわかりませんが、公職選挙法違反になるからです。
 したがって、「供託」するという手を使う方がいるわけですが、ただ、それでは将来は国庫に入ってしまうので、実は、地方自治体には戻りません。
 とりあえずは受け取って、議員を退職した後に、寄附をするというのが一番現実的なように思います。
 年間で、30万円以上にはなるのではないかなと思います。


 もっとも、こうした行為は、議員内では、多分、「ええかっこし〜」になります。全国でもこういう行為に及ぶ地方議員は、赤信号を皆で渡らない無所属か草の根市民運動系というのが相場だと思います。議会内で、スタンドプレーと揶揄されることほど、しんどいことはありません。
 保守系で、これをするのは、よほど勇気が要ることです。



 ただ、これは、間違いなく、政党政派イデオロギーは、関係ありません。もう時代が、動いています。

 真の地方分権を言うのなら、議会側の疑わしきものは、払拭して行かないと、行政と勝負ができません。議会が、職員より厚遇だから、チェックが効かないのではないでしょうか。ある意味、お手盛りで懐柔されているのではないか。

 高杉晋作的な単騎出兵がなければ、世の中は動かないのもまた事実で、100人の1歩よりも、1人の100歩です。

 もっとも、今日の話を聞けば、引くに引けなくなって突っ走っている方もいるようです。
 ただ、勝負は勝たなくてはいけません。



 私も十分に理解していなかったのですが、大都市では、地方議員にも公共交通の「無料パス」が支給されている(なんと、大阪市議は、公共施設、さらに、USJにまで無料で入れたそうな)ことから、まさに二重取りではないかという批判も出ているのです。
 こんな話が、今時通用するわけがありません。

 岡山県内で、そこまでの厚遇は聞いてはいないですし、まだ名古屋や大阪のような旋風は、吹き荒れてはいませんが、個人的には、台風来襲近しと思っています。



 願わくば、台風にも帆を張り、むしろ、その大波で沈没するどころか、大風で、ばく進する船でありたいものです。
 県全体に対して、報酬に見合っただけの働きができなければ、辞する以外ありませんし、逆ならば、胸を張れば良いのだし。
 要は、「公権力を私的利益に利用してはいけない」それが本質です。



 それにしても、今日は、パネリストに立つ10人以上の戦う地方議員の姿を見ました。多くは、無所属を名乗っていますが、若くても腹が据わっている姿には、感動すら覚えました。
 そして正直、己が恥ずかしくもありました。

 どうにもこうにも、コップの中の争いのようなチマチマした話が多い今日この頃、何か少し分かったような気分になった頃が、一番危ないと肝に銘じ、もっと大きな動き、もっと大きな「思い」に触れ、己の魂を揺さ振って、常に初心に立ち返り、戦います。

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