2002年11月19日(火)
【二元代表制下における地方議会の復権について】

 陳情処理や岡山市の政令指定都市に関する電話連絡をしている間に、なぜか夜になってしまいました。なかなか歩きに出られません。

 さて、先週の全国都道府県議会議長会主催の「第2回都道府県議会議員研究交流大会」では、強烈な刺激があったとお伝えしましたが、その中で、私が、気になった言葉を資料等から抜粋致します。

 12月には復活したい街頭演説の中でも、核にしたいような言葉です。
 敢えて言えば、私が目指すものです。1時間は、これで、講演ができると思います。

 体系的ながら、多岐にわたるため、羅列になるのをお許し下さい。



《二元代表制下における地方議会の復権》


○公選・独任の首長は、一身に代表性を背負い、しかも職員をその補佐機関として使うことが出来る。制度と運用の実態から見れば、執行機関優位の体制である。
 しかも、知事と議会の間には、国会と内閣に見られるような制度上の与野党は存在しないにもかかわらず、それをモデルにした政治運営(与野党意識)が行われてきた。


○整然として混乱のない議会が望ましいなら議場の質問などあまりない方が良く、議案は前もって根回しが行われ、議会が開会するときは、全て結論が決まっていることになる。
 したがって、与党ないし多数派はあまり質問しないし、質問したとしても、当たり障りのない内容に留めてしまう。
 また、その質問の内容も、予め決まっていて、その答えも出来上がっていて、それを議場で読むだけ。答弁に対する再質問も出来上がっていて、不思議なことにに対する再答弁も出来上がっている。


○理事者側は、議案について発言するため、いつでも議場に出席できるわけではないし、議会側は、全く理事者の出席なしで、審議をしても差し支えないが、国会をモデルに、両者とも、理事者側が出席するのが当然と考え、しかも、審議とは、議員が執行部に質問する形を状態にしてきたのは、二元的な代表制に基づく議会の役割に対する不見識である。

      ↓ しかし

○首長は、予算を編成し、条例案を作成するので、政策形成能力と政策決定責任は、自治体の首長にも求められるが、予算や条例などを承認し、決定するのは、最終的には議会である。
 地方分権時代には、これまで以上に、地方議会が重要になる。

      ↓ そこで 例えば



○議会と知事は、住民の代表機関として、独自の役割をもって牽制しあう関係にあることを再認識すべきであり、制度上、首長・執行機関に対し、監視・批判・修正・代案といった審査議決機関の本来の機能をしっかり果たすべきである。


○議会には、執行部に対して質問し、調査する権利がある。その過程を通じて、執行部に情報公開させ、政策や判断について、納得できる説明が可能か、点検できる。
 議会が本来の機能を果たすことが、情報公開と説明責任を確かなものにする原動力である。


○議会は、自らオンブズマンとして、住民に代わって、行政執行の違法や不当な様々な問題を調査し、追求すべきである。そのような行政監査の機能こそ、これからの議会の重要な役割である。

 現在、監査委員は、一部議員から選出されているが、このような中途半端な監査委員制度は、廃止すべきである。財務監査については、全て外部の監査機関に委ね、一方、議会に、十分な監査のためのスタッフを配置し、政策的な見地から、行政運営をチェックするシステムとすべきである。


○行政評価を議会の手で実現すべき。現在の行政評価は大部分内部評価であり、外部機関や第三者機関による行政評価はあまり行われていない。
 行政評価の主体は、本来は住民であるが、執行部に対し、調査権を有する議会が、行政評価を行う責任がある。



      ↓↓ そのためにも



《住民参加》

○住民の参加を基軸とした監視型議会は、政策評価・事業評価の導入により、情報が住民に開示され、そのことで、住民が、議会に対する関係を変更する。
 一般に、選挙の当選を求める議員は、その基盤を掘り崩すことになり、公共サービスを削減しにくいし、逆に、公共サービスを保つための増税を実施することは、困難である。

       ↓  しかし

 財政危機など地方政府の問題が露呈し、政策評価が行われた地方政府では、過剰需要の継続を期待しない住民が登場する。
 情報が公開されることで、住民は陳情型ではない冷静な目で議会の監視機能を見守ることになる。


       ↓  そこで 例えば


○直接住民が選挙で選ぶ、いわば正規の議員のほかに、一定のルールのもとに、広く様々な住民が議会審議に参加する仕組みを工夫する必要がある。
 例えば、議会の議決権は正規の議員が行使するとしても、議会審議に参加できる準議員ともいうべき制度を作って、審議の幅と質を拡充し、これまでの執行部優位の体制を改革していく。


○議会自体を開放にし、住民参加をする場も想定できる。アメリカの市議会の中には、議論の途中に傍聴者が手を挙げて質問したり、意見を述べる時間を設け、逆に、市長や議員も、意見表明を行った者に質問したりする例もある。
 アメリカの市町村の場合、議場自体が、開放型議会とも言える。


○執行部と別のシンクタンクを持たなければ、執行部には対抗できない。
 政策立案の方法として、議員立法より、市民立法に期待。議員は、自前の政策スタッフで、政策立案するよりも、市民団体や、様々なNPOとの連携を図り、それらの政策提言育てる役割を果たすべき。
 市民の提案を議会の場で実現していくのが、これからの議員の大きな役割である。
 執行部に対する住民参加ではなく、参考人制度の活用等、議会に住民を参加させる道を開くこと。



  しかし ↑↑


○地方政治に強い党派性が残っている地域では、市民は、地方行政に関する権限を殆ど有していない。政党が選挙を統制し、直接民主主義的な要素は存在していない。
 政党が候補者を選定するがゆえに、市民参加は困難になり、市民がその他の候補者を選択する上で、障害となっている。
 結果として、市民の関心を代表する新しい政党や自発的グループへの市民参加が促進される。


        ↓↓
        ゆえに

  講演は、ここからが、本番です!!が、その機会に。

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