2008年7月5日(土)
【分割で残るか?チボリ市民公園?】

 今朝は早朝に、息子とクワガタ採りに行こうとしていましたが雷。
 写真を撮りながら、5周年を迎えた表町栄町の空中美術館や、MOMOに乗って、午前中は、父子で遊びました。

 今週末は何か妙にしんどいのですが、理由は、多分、水曜日の「うらじゃ」の練習。寄る年並みと地頭には勝てません。ここ数日の高湿度の暑さも、たまりませんね・・・。


 昨夜、当局から、倉敷チボリ公園事業について不思議なFAXが、入りました。今朝の新聞各紙にも一斉に出ていますが、クラボウが、土地の分割貸与を容認という記事です。
 これは、ちょっと分かり難いと思いますが、たいへん大きな動きです。

 2日に、知事がクラボウ社長と面談した内容は、
 要するに、クラボウに土地を返還後は、新たな開発の中で、できるだけ公園を残し活用するといった市民公園的なものは困難である。
 しかし、返還後、県や市が公園として、一部利用するというなら、開発全体との整合性をとり、公園部分を分離して貸すことはやぶさかではない。その場合は、県や市が主体的に取り組むべきである。
 と、いうことです。


 チボリという名称は、今年末で使えなくなりますし、地代負担も、12月末までしか議決していませんので、事実上、倉敷チボリ公園事業は、今年末までではあります。

 しかし、県税を500億円以上突っ込んできた事業について、何もございませんでしたと、本当に更地にしてしまって良いのか?また、累積赤字はあっても、無借金経営が続いている約161億円の資本金のチボリジャパン社をいかにするか?そこに、大きな悩みがあり、知事は、完全撤退、自分では言い出せないが、会社を解散したいというのが、本音で動いています。

 議会の中には、温度差があり、党内でも、更地派から存続派までまちまちで、私は、一部存続派とも言え、県の完全撤退は、責任上も、まちづくりの観点からも、当面はできない、という考えです。


 知事は、更地にするかどうかは、クラボウに委ねるという趣旨の発言をしていましたが、今回のものは、土地返還すれば、公園は残らないということが明確になったとも言えます。

 逆に言えば、全部返還か一部返還かは、まさに知事の政治判断です。結局は、最後は、県が始めた事業なのですから、県に、知事に戻る話です。既に亡くなった知事ではなく、今の知事の責任として。


 ところで、知事以外に、取締役の中で、なんとか、倉敷チボリ公園を事業として、あるいは、別の形になっても残そうと動かれている方々がおられます。また、今回の倉敷市長選挙についても、それが隠れた争点でありました。

 ただ、完全民営化案は、チボリジャパン社ではなく、まずは、県がクラボウから土地を借りることが前提としてあり、もはや、県が土地を借りて、それをチボリジャパン社に転貸する意思がないため、困難とされています。


 また、完全民営化案をベースにしたチボリジャパン社坂口社長案は、現在の公園用地約12ヘクタールのうち、約8ヘクタールを三井不動産が地代を負担して、アウトレットモールを建設して、残り約4ヘクタールを市民公園化するというものです。

 伊東倉敷新市長は、市民公園化については、県の支援継続が前提としていますが、それよりも、これも、チボリジャパン社ではなく、まずは、県がクラボウから土地を借りることが前提としてあり、もはや、県が土地を借りて、それをチボリジャパン社に転貸する意思がないため、知事は、困難と言っていました。

 一部存続派の私個人としては、この案の実現のために、倉敷市と県の応分の負担は避けられない、という判断になります。


 ともあれ、知事は、県として、土地を転貸する意思がないのに、転借先の店子にどうするんですか?と迫っていたわけで、己はなんの提案もせず、他の提案を論って、潰してきた、というのはそういうことです。
 いずれにせよ、詰め将棋で言えば、完全撤退に誘導して、駒を打っていたいたように思えます。


 しかし、これらは、「一部だけ残して、あとは返すということができないだろう」という、知事の臆測に基づくものであり、これが、分割貸借できるなら、話は、大きく変わります。
 と言うよりも、そもそも、それができるなら、何のお話を今までしてきたんだ?ということです。

 いや正確には、この一部公園案は、市民公園化案として、突然に昨年の9月に、知事自らが、倉敷市に投げかけ、不調に終わると、あたかも倉敷市のせいにして、道が閉ざされたような発言をしていました。
 それを言うには、分離で、貸借が可能だというのは分かっていたはずで、実は、知らなかったわけがありません。

 もっと言えば、あの時期の知事は、いわば一部存続派だったように思います。どうして、思いをもっと強くもって、倉敷市と交渉しなかったのでしょうか・・・。今から思うと、あそこがポイントでした。

 しかも、昨年の9月には、倉敷市は、県と市とチボリジャパン社とクラボウの4者協議をしようと提案したのに、知事が、まずは、県市の2者でないといけないと、それを拒否していたのです。そこで、4者で協議をしていたら、ここまでの時間を要した内容だったのでしょうか?約1年かけて、話が1周しただけです。

 我々は、私自身も、昨年から、行財政改革・道州制等特別委員会委員長として、振り回されてきました。
 非常に残念です。



 問題はむしろ、ここまで、知事が、まともにクラボウと話をしていなかったのではないか?あるいは、情報を隠していたのではないか?ということが、明らかになったことです。

 もっと言えば、知事は、端から逃げる気で、つまりは、チボリ事業完全撤退、更地で変換、チボリジャパン社精算を株主代表訴訟をいかに受けずに行うかを模索して、生き残る可能性を真剣に模索していなかったのではないか?という疑念が、湧きます。


 来週月曜日の臨時招集の総務委員会では、このあたりも議論になると思います。
 それにしても・・・岡山県政大混乱です。私も、まともに、関わっている気がします。

Copyright (c) 2008 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp