2002年6月21日(金)【デジタル・デモクラシー】

 本日は、広域交通・物流対策特別委員会。
 美作岡山道路について、事業着手後10年を経て未完成のため、「機械的」に、岡山県事業評価監視委員会で審議を行う再評価対象事業になることが報告されました。

 要するに、事業期間が、10年を越える大規模事業は、途中で、事業の進め方等が、十分検討されるということですが、それは良いとして、今回は、事業計画自体の見直し案(事業手法、道路規格、整備スケジュール等)も、審議されるということで、どうも、ダムの一件も重なって、心配の声が上がりました。
 通じているから道路であって、途中区間だけ止めるわけにはいかないでしょうから、中止にはならないと思いますが。

 そもそも、事業評価委員会自体、第三者機関とはいえ、その判断が、議会に優越するのか、どう民主的コントロールが及んでいるのか、という、疑問の声は、議員の側からは、かねがね出ているところではあります。



 さて、本日は、総務省中国総合通信局・岡山県他主催の「ブロードバンド講演会」に出席しました。
 総務省の方の「百年の転換とIT戦略」という話の中では語られなかったのですが、同氏の著作の中に、「デジタル・デモクラシー」という文言を見つけ、首肯できるものでした。

 いわく、『細かい諸手続きのオンライン化が電子政府・電子自治体であることは間違いないが、全てではない。最広義の電子政府・電子自治体とは、ITを用いて、行政・議会と住民との間のコミュニケーションを極めて密にすることであり、「デジタル・デモクラシー」と呼ぶことができるように思われる。行政サービスのオンライン化は最初の目標であって、デジタル・デモクラシーこそが、電子政府・電子自治体が目指すべき究極のゴールといえるかもしれない」
 ということで、我が意を得たりという感じでです。

 換言すれば、直接民主制的な手法が現実問題可能になるわけですが、その際、議員や議会の役目、行政へのチェック、民意の醸成、例えば、パブリックコメントどころか住民投票も、物理的には、容易になるわけです。
 民主主義のあり方が否応なく大きく変わるわけです。

 ITは、民主主義のあり方を抜本的に変えてしまう、ゆえに、IT革命なのです。
当然、議会も議員も(あるいは、選挙も)、この流れに沿って、変わって行くべきであり、あるいは、議員自らが、変革させる担い手になるべきです。

 議員という職業がどうと言うより、民主主義がいかに変容するか、いかにうまく機能させるか、大変な責務があります。
 それが、これからの議員の務めでしょう。


 私自身、技術的なことは門外漢ですし、十分に理解できていないことも多いわけですが、大枠や制度を作って行く議員の責務として、ITに、食らいついていこうと思います。

 少なくとも、サーバの用語の約83%が、英語だそうですが、基本用語が理解できません、などと恥ずかしいことを言わないためにも、精進して参ります。


 なお、施策を進めたい担当課からは、知事が、IPv6に対して、非常に前向きなんですよ、と、たいへんに、「感謝」して頂いたことを付言致します。

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