2001年6月21日(木)
【続岡山リサーチパーク・インキュベートセンター】

 本日の山陽新聞朝刊にも掲載されていますが、岡山リサーチパーク・インキュベートセンターの整備基本計画が、発表されました。


 施設整備の目的は、IT関連も含めた基盤的技術産業の育成及びそれを支える新技術開発を促進するため、高速大容量の情報通信基盤を備えた安価な創業空間(貸研究室)に、岡山県産業プラットホームの支援機能を付加したインキュベート施設を岡山リサーチパークに整備し、新規創業の促進を通じて、地域産業の振興を図る、としています。

 岡山情報ハイウエイ等のインフラ整備の優位性や基盤技術に基づく、もの作り分野での大きな集積等、岡山県の特性を活かすため、「IT」および「ものづくり」を対象分野とし、IT関連とものづくり(機械系、化学系)の貸研究室を1個所に集約して入居者の交流を深めること等で、これらの技術の融合による新たな事業の創出を目指します。


 県内の貸研究室等(33室)は、全室入居の状況にあり、しかも、民間ビジネスとしては、インキュベート施設は、地方では、採算が見込めず、民間に任せては、施設整備が進まないこと。
 また、県内の中核的産業支援機関の権能強化が、急速に発展するITを背景とする新事業には必要である、という状況の中で、やはり必要な施設ではあると思います。


 岡山市芳賀の岡山リサーチパークは、テクノポリス法および頭脳立地法に基づいて県が整備し、新事業創出促進法に基づく「岡山県新事業創出基本構想」においても、高度研究機能集積地区に位置付けられており、県工業技術センター、知的所有権センター、岡山大学地域共同研究センター、産業振興財団など、新事業の創出を支援する機関が、集積しています。

 岡山情報ハイウエイの高速大容量の情報通信基盤が、県工業技術センターに接続。空港、高速道路へも近接、と最高の立地条件と言えると思います。


 入居は、原則3年。更新2年。
 起業家の初期段階の入居が、イメージされているため、入居後3年間は、2分の1に、使用料は、減免。24時間365日利用可能な、極めて廉価な施設になる予定です。


 今回の目玉は、お伝えした通り、PFI手法の導入が検討されていることです。

 県が事業主体となって整備する場合の総事業費は、建設時、約16億3000万円。運営時(3年目まで)、約1億7000万円(収入は、約7100万円)。
 この施設整備、運営管理を、国庫補助金(地域産業集積活性化対策施設費補助金)を活用するとともに、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」に基づく、PFIの手法で行こう、というのです。

 現時点では、PFI手法を導入して、施設の設計・建設から、建設後の施設の保守管理等の施設運営を一括して、民間事業者にBTO方式で、15年間事業として請け負わせることにより、県が従来型で実施する場合に比べ、財政の平準化を図りながら、概算で、現在価値に換算すると、県負担総額は、約1億円程度削減が見込まれる、とのことです。

 今月末には、大規模事業評価委員会にかかり、本年度中に、PFI事業者選定。来年度には、実施設計、建設工事。平成15年度には、供用開始と、動き出すと非常に早く進みます。
 問題は、リスクもあるPFI事業者が、さっと出てきて、しかも、うまくやれるのか、という点にあります。

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