2001年5月30日(火) 【岡山県産業振興財団】
【岡山リサーチパーク・インキュベートセンター】

 この4月1日より、『(財)岡山県中小企業振興会(岡山市弓之町)』と『(財)岡山県中小企業研修情報センター(OPTIC・岡山市大内田テレポート岡山3階)』と『岡山県新技術振興財団(岡山市芳賀)』の3つが統合し、『岡山県産業振興財団』が、誕生しました。
 実際は、後2団体が、3月31日で、残余財産と業務を岡山県中小企業振興会に引き継ぎ解散、残った団体が名称変更という形をとっています。

 産業支援という共通の目的を持つ団体が、共通経費の削減、経営基盤の強化のために、一元化するというのは全国的にあることです。


 ちなみに、地方自治法の規定で、県が50%以上出資したり、基本金の50%以上の債務負担をしているような財団は、議会に対して、経営状況の説明義務があります。
 商工関係では、他に財団法人岡山総合展示場(コンベックス岡山)が、警察なら財団法人岡山県暴力追放運動推進センターが、これにあたります。
 こういった団体は、ほとんど国・県からの受託事業を執行しており、極めて政策的な財団と言えるでしょう。


 『岡山県産業振興財団』は、地域産業の活性化、とりわけ意欲ある県内企業の振興・育成を図るため、経営基盤の強化、IT革命への対応、技術開発から事業化までを統合的かつ効果的に支援する機関だそうです。

 ご案内の「岡山県産業支援ネットワーク」ttp://ssn.optic.or.jp/の運営機関として、産業支援プラットホームの中核に入ります。

 とりあえず、旧団体は、事業本部に衣更えして、それを総合支援室が束ねます。将来的には、テクノサポート岡山に、事務所が統合される予定です。
 岡山リサーチパークは、ここまでの急速なIT革命を予想していなかったように思いますが、ここに来て、徐々にIT関係が、集積されていくような動きです。

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【岡山リサーチパーク・インキュベートセンター】

 岡山情報ハイウエー等のインフラ整備の優位性や基盤的技術産業の大きな集積がある我が県の特性を生かすために、「IT」および「ものづくり」を対象分野とし、IT関連とものづくり(機械系、化学系)の貸し研究室を1個所に集約するのが、『岡山リサーチパーク・インキュベートセンター』構想です。

 この貸研究室は、高速大容量の情報通信基盤を備えた安価な創業空間で、岡山県産業支援プラットホームの支援機能を付加したインキュベート(孵化)施設です。
 また、入居者の交流を深めることなどで、これらの技術の融合による新事業の創出も目指します。

 建設予定地は、岡山市芳賀の岡山リサーチパーク公共用地内です。同地には、岡山県工業技術センター、大学地域共同研究センター、岡山県産業振興財団等、新事業の創出を目指す機関が、集積しています。

 敷地面積は、約1.2ha。全室に高速LAN環境を整備し、さらに岡山情報ハイウエイに光ファイバーで直結、施設全体で1Gbpsのデータ伝送が可能な研究室52室(機械・化学系30室、IT関連22室)、工場仕様6室。
 創業や新分野進出のための支援施設であり、入居者は起業家の初期段階にあることから、使用料は低廉にし、入居期間は、原則3年、更新2年としたいようです。

 整備事業費は、約16億円。国庫補助金の活用を予定しています。

 この事業の目玉は、PFI手法の導入です。さらに、VFM(Value ForMoney:公共資金の最も効果的な運用)の算定等、詳細について検討中だそうです。
 平成13年度中に、PFI事業者選定、総合評価、一般競争入札。平成14年度PFI事業の実施、実施設計、建設工事。平成15年度供用開始予定です。
 岡山県としては初。施設同様、良い動きと言えるかもしれません。


cf.PFI(Private Finance Initiative)

  民間資本等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年)に基づき、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う事業手法です。
 従来の公共事業との違いは、公共施設等の建設、資金調達、維持管理、運営等につい公共が直接実施していたものを、民間事業者に委ねることにあります。

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