2005年2月8日(水)
【JR吉備線のLRT化について】

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 午前中は、県庁内をオリエンテーリングであちこちと回りました。気になる話題は、JR吉備線のLRT(路面電車MOMOのイメージ)化。ボールは、岡山市からJRに渡っており、まさに、その回答を県・市・地元も固唾を飲んで見守っている状況です。
 JR三門駅横を野田の地下道を出て4車線で北上する中環状道路は、おそらく、4〜5年先には、180号と2車線で合流し、180号は、拡幅されることがないまま、万成の峠を越えることになります。
 問題は、この中環状道路が、JR吉備線と、いかに交差するか?これは、LRT導入の可否で大きく変わります。
 発展する石井中学校区の最大の課題のひとつです。
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      ↓ 詳しくは

 県サイドは、当初、富町の高架とふたこぶラクダのように、JR吉備線をJR三門駅前後で800mを高架にする計画で動いていました。この場合、中環状道路は、当然、「踏み切り」無しで、180号と合流できます。

 「踏み切り」による交通渋滞を無くすこと、これが至上命題ですから、分かり易い構想です。

 もっとも、高架をJRに委託すると、なんと90億円もかかるということで、地元の強い要望にもかかわらず、県は、二の足を踏んでいました。

 特に、ふたこぶラクダについては、どうせならずっと高架にして欲しいという他の地域の要望もあります。



 そこに登場した議論が、JR吉備線のLRT化の議論です。言うまでもなく路面電車は、軌道上とはいえ一般道を「踏み切り」無しで走っていることからも、高架にするという必然性自体がありません。

 つまり、吉備線を路面電車が行くなら、イメージとしては、「踏み切り」ではなく、信号で、車は、電車の通過待ちをすることになります。
 もっと言えば、電車も信号で止まるわけですから、「踏み切り」のような長い待ち時間を自動車側に、一方的に強要されることはありません。

 この場合、高架の費用がかかりませんし、本数も増えて利便性が増し、自動車にとっては、今よりも、ややましになると思われます。
 ただ、渋滞緩和策の側面からは、かなり疑問も残るところです。


 市の内々のイメージとしては、いっそのこと高松稲荷ぐらいまでは、LRTを伸ばしたいという思いもあるようです。



 ところで問題は、LRTなら単線ということはないでしょうし、また、いわゆる電化が必要にもなります。

 はっきり言ってLRT化が安上がりかと言えば、現状で吉備線を放置することに比べれば、決して安くもありません。

 特に、問題は、財源で、高架の90億をLRT化に使ったらどうかという意見もあるようやに聞いています。



 最高の理想は、JR吉備線が電化、複線化、全路線高架化し、その後、LRT化し、より利便性が増しました!という話です。
 ただ、この財政状況では、100%近い確率でないように思います。

 敢えて言えば、選択と集中が必要です。そこには、吉備線を今時流行らない第3セクターで運営しても、採算を取ることができます、という、行政サイドの覚悟が必要です。

 もっとも、リーダーシップを行政がとったばかりに、経営を任されても、困りますわなぁ・・・。



 とりあえずボールは、JR側にあります。
 今は待つのみです。



 もっとも本来であれば、こういうことは、本来は、総合的な交通体系のマネージメントで決めることではないか、と思います。

 国道、県道、市道、公共交通機関、自家用車、自転車、歩行者を一体的にどう流して行くのか。あれができたばかりに、なぜかこちらが渋滞しました!というのは、本来かなり恥ずかしい話です。


 矢坂大橋の西で、外環状道路が、JR三門駅横で中環状道路が、2車線の国道180号に合流します。
 県道吉井線が、拡幅したにもかかわらず、三野付近からは、2車線です。
 誰がどう見ても、新しい渋滞ポイントができます。

 また、それらが、総合グラウンド北の国道53号に、どういう影響を与えるか。

 公共交通機関が果たすべき役割は?否、公共交通機関の乱立が、渋滞の原因になっていないか?
 こういったことをトータルでマネージメントする必要があります。

 その時に、LRTをどう活用するのか?
 本来はそういう話です。

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