2001年4月26日(木) 【JR岡山駅前の再生】

 本日、RACDA(路面電車と都市の未来を考える会)の岡会長にお供して、JR岡山支社にお邪魔しました。6月10日の路面電車の日に向けてのご相談に、隣席させて頂いたのですが、先日来の「中心市街地活性化」に関して大きなヒントを頂戴致しました。

 読者の方の中には、話題の路面電車延伸・環状化の効果そのものに、懐疑的な方もいらっしゃることを十分承知した上でなお、LRTの重要性については、どなたも否定されないと思います。
(この度、逢沢代議士が、中心になられてLRT議連を立ち上げられたことを付言させて頂きます。)

 路面電車を延伸(とりわけ環状化)させること自体を全ての目的のように誤解されて認識されておられる方もおられますが、それは、未来都市交通体系の象徴的な提言のひとつです。
 LRTの考え方の実際は、もっともっと大きく、路面電車や都市近郊鉄道を都市計画の中に位置付け、徒歩、自転車、自動車、あるいはバスや鉄道など他の公共交通機関と有機的に結合させるか、という交通システム全体を問題にしているのです。

 そういった面では、路面電車を議論することは、具体的には、バスや鉄道との連携も問題にすることになりますし、交通の結節点であるJR岡山駅前のあり方も問題になります。


 ちなみに、この春、JR高知駅へ路面電車が乗り入れました。これまで、利用者から批判の多かったJRと路面電車の乗り換えについて、「よさこい高知国体」の開催を契機に、高知駅南口広場に直接乗り入れる工事を昨年10月から行ってきましたが、このほど完成したのです。
 高知駅は、新たな駅前広場の整備計画を策定中で、平成18年度には完成する予定ですが、今回は、暫定的に路面電車の乗り入れを実施するという旧建設省、県、県警、高知市、土佐電鉄の連携した英断によるものです。
 また、このような路面電車と鉄道、路線バス、タクシーなど他の交通機関などとの連絡性を高め、いわゆるユニバーサルデザインの理念に沿った取り組みにも配慮することになっています。
 これで、公共交通機関同士の接続がより便利なものになりました。


 具体的に、JR岡山駅と路面電車の接続について、どう思われますか?駅前バスステーションは、使い勝手が良いですか?
 ところで、JR線と路面電車は、軌道の広さが同じということをご存知の方は、少ないかもしれません。さすれば、フリーゲージトレインを待つまでもなく、あたかも東京都の営団地下鉄と私鉄のように、路面電車が、そのままJR吉備線や津山線に乗り入れていくことが可能なのです。
 JR線高架などクリアすべき問題も多いのですが、こんな点も含めて、少なくとも、JR岡山駅前が、潜在的な可能性を充分に生かしきれていないのは、事実だと思います。

 私は、環境、ユニバーサルデザインのまちづくり、都市再生、中心市街地活性化は、どうしてもLRT、交通の問題を抜きには語れないと思います。
 また、JR岡山駅前の再生なくして、中心市街地の活性化はありえません。それは、岡山市の活性化もないことを意味します。
 そのために、今なすことは、交通体系の抜本的な見直しだと思います。

 次回の「中心市街地活性化セミナー」は、「未来の都市交通を考える」と副題をつけ、例えば循環バスもありましたが、商店街の活性化にとって、岡山市の交通のあり方がどうなのか、通勤、通学者にとってどうなのか、地域コミュニティにとってどうなのか、「交通」をキーワードに、進めていけたらと思います。
 僅かずつですが、セミナーの姿が、見えてきました。

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