2002年5月27日(月) 【道路整備について】

 本日は、一般国道180号整備や県道岡山水島線建設、主要地方道岡山賀陽線(吉備新線)整備、岡山ー美作間道路改修、百間川改修、笹が瀬川改修等々の12の期成会の合同総会が、開催されました。

 バラバラに総会を行っていたものの、道路や河川の建設整備促進が目的で、趣旨が似通った期成会の総会を3年前から、一度に行っているものです。
 ただし、このうち、事業目的を達したJR宇野線大元駅付近高架事業促進期成会は、事業目的を達したため、解散しました。



 こうした期成会の総会は、要するに、県、国土交通省中国地方整備局岡山国道工事事務所・河川工事事務所、国土交通省中国地方整備局(広島)、国土交通省本省(東京)、財務省(東京)、さらには、岡山県選出衆参国会議員に合同要望を上げて行く、年中行事のスタートです。

 本日の場合は、県議会議員が来賓ということになったわけですが、夏と秋の2回に渡り、いわばピラミッド(?)の上に上げて行くことになります。

 最後は、国土交通省に上がるわけですが、そこまで、こうして、膨大な時間と手間と費用をかけていくわけです。

 幾分簡素化しましたが、要望は、道路だけではありませんから、時期になると、首長や議長以下、様々な名刺を差し込んだ美しいパンフのような要望書の束を抱えて、東京にお百度参りすることになります。



 換言すれば、こうして手順を踏みながら、妙なピラミッドを積み上げていくわけで、地方分権とは名ばかりという現実があります。

 そして、実際には、全て財源の話になりますから、公共工事、一律15%ダウンの現在、官々接待がなくなり、鈴木議員の問題もある中で、あの手この手で、どれだけ引っ張ってくるか、非常に難しいところです。

 仕組みそのものの是非の議論になるわけですが、最後は、政治力が総べてと言えなくもありません。橋や道路を言うな、と言われても、関与せざるを得ないシステムなのです。

 現実問題、国会議員は、国防と外交と大きな経済政策だけを論じるべきである、などということにはなっていないのです。

 また、逆に言えば、この仕組みは、最後は、国からでないと変えられないとも言えます。



 一方で、道路整備財源としての道路特定財源の話があります。個人的には、都合のいい時だけ、道路を人質に、国土交通省の思惑で、地方から声を出させるように仕向けているようにも感じられて、この議論に感情的に乗っかるのは、好きではありません。

 それを地方に言わせる前に、行政としてやるべきリストラ、第三セクター、外郭団体の整理等々を示して欲しいものです。

 はっきり言えば、大義名分のある目的税ゆえに、我々は、高い税金をなんとなく払わされている、と言えなくもありません。

 例えば、2年車検で、2200cc、1.5t車の場合、本則の自動車重量税は、15000円ですが、22800円嵩上げされて、37800円。揮発油税は、本則が24.3円が暫定税率で48.6円(Lあたり)自動車重量税は、本則は、2500円が暫定税率6300円(0.5t年あたり)。

 ちなみに、自動車重量税は、第6次道路整備5ヵ年計画の財源不足の際、損傷者負担の考え方で、自動車利用者に道路整備のための特別の負担を求めたものです。

 一般的には、受益者負担の考え方に基づいて、道路の整備費を自動車利用者が負担するのが、道路特定財源であり、一般会計に負担をかけずに必要な道路事業の伸びを賄うため、負担が増大してきたとされます。
 かなり余計に払っているんだ、という認識を我々が持つことは、肝要だと思います。



 ところで、道路の整備が、必要であるというのは、歴然とした事実であり、他の公共事業とは、やはり一律には論じられません。
 例えば、自家用車保有数0.62台は、全国12位、また全国有数の道路総延長を誇る岡山県の道路改良率は、全国42位の44.3%。

 15kmの岡山ー倉敷間の平均速度は、約20km毎時で、約40分かかります。県総合グラウンド付近では、平均速度約5km毎時で、歩行者並み。
 こういった渋滞による経済損失は、毎年、全県下で、約2620億円、岡山市で、約1300億円と言われています。
 物流拠点を目指す岡山としては、高い瀬戸大橋通行料金と相俟って、大きなネックになっています。


 いずれにせよ、パーク・アンド・バスライド等のいわばソフト的な戦略と絡めながら、環境問題、新エネルギーにも配慮しながら、さらには、十分な情報公開(事業評価を含めて)をしながらも、一刻も早い道路整備(とりわけ180号、岡山ー倉敷間、岡山ー美作間)が、望まれます。

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