2011年7月6日(水) 【高齢者運転について】

 雨です。いろいろと考えることもありますが、たいがいのことは、考えても仕方ないです。
 馬場俊英=『夏の午後の長い坂道の途中で』
  http://www.youtube.com/watch?v=RBT7sb49BQI



 先日の事故の一件があったからですが、ちょっとデータを調べており、報告させて頂きます。

 いわゆる高齢者(65歳以上をそう呼ぶのが正しいのかな?とは思いますが)の方々の運転免許保有状況について。
 全保有者128万9505人に対して、高齢者は、24万768人と、約18.7%を占めています。(以下全て、平成23年5月末現在)

 男女割合は、男性が、65.9%、女性が、34.1%。これを75歳以上の方に絞ると、男性が、6万人を越え、女性も、約1万7000人おられます。
 ちなみに、免許保有者の最高齢は、和気町の男性100歳、玉野市の女性95歳。実際に運転されているかどうかは、分かりませんが・・・・・。


 一方で、運転免許の返納状況ですが、平成22年中には、23万4722人の高齢者免許保有者に対して、約1.58%の3700人の方が返納。今年は、5月末現在で、1443人、約0.6%が、返納されています。

 返納された中でも、割合が高いのは、男性では、75〜79歳の方が、23.1%、80〜84歳の方が、31.5%。女性では、65〜69歳の方が、23.3%。70〜74歳の方が、40.8%。 印象的には、男性は、70歳、女性は、65歳ぐらいで、返納を考える方がおられるようですが、それも僅かの方であるという感じです。


 また、22年の市町村別高齢者運転免許返納状況で、一番高かったのは、高梁市の1.96%。さらに、笠岡市1.94%、岡山市1.92%、玉野市1.78%、井原市1.65%、津山市1.58%、倉敷市1.54%と続きます。

 逆に、低かったのは、新庄村0%。奈義町0.28%、里庄町0.33%、和気町0.65%、備前市0.79%、真庭市0.89%、鏡野町・吉備中央町1.03%と続きます。

 これも全くの推測ですが、高梁のようなコンパクトにまとまる城下町や、都市部のように、ある程度は公共交通機関がある方が返納しやすいのかな?という印象はあります。


 気になるのは、高齢者の人身事故発生率ですが、高齢運転者第一当事者割合が高いのは、美咲町34.7%。さらに、鏡野町34.6%、真庭市28.1%、久米南町25.0%と続きます。(ちなみに、西粟倉村や新庄村は、0%)

 逆に、低いのは、早島町6.0%。さらに、岡山市11.7%。矢掛町12.7%、里庄町13.5%、勝央町14.5%、倉敷市14.6%と続きます。

 これも全くの推測ですが、交通道路網が整備されている方が、高齢者事故は起き難いのかな、やむにやまれる事情で、運転されて事故に合うケースも多いのかな、と感じます。


 いずれにせよ、高齢運転者の方について、公安委員会としても、免許更新時における高齢者研修、75歳以上の方を対象にした講習予備検査(認知機能検査)、運転適性検査の受検勧奨や、高齢者運転者等専用駐車区間の拡充、返納されやすいように、平成21年11月から「おかやま愛カード」の普及や、なにより、基礎自治体や交通事業者に対する代替交通手段の確保についての働きかけも、行っています。

 高齢運転者の方々への課題は、つきつめれば、いわゆる買い物難民や深刻な医師不足等、中山間地域や過疎地域の課題そのものだということを痛感します。


 一方で、高齢運転者標識の表示位置については、道交法の規定では、地上0.4m以上1.2m以下の位置に、前方または後方から見えやすいように表示することが決められていますが、側部への表示は、禁止はしていないということです。

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