2000年9月6日(水)
【蘇る中心市街地 高松丸亀町商店街】

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 おっはー!!(・・・・・・・・。という挨拶は、二十歳までの方がしましょう!)
さて、日本専門店会連合会の高松での2日にわたるセミナーは、中心市街地・商店街を地元とする議員としては、まさに「目からうろこ」でした。
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      ↓ 詳しくは

 中小企業庁の小売商業課長の講演から、丸亀町商店街の理事長以下9時間以上の実践的な話が、私には、あっという間でした。こんなに身近に、全国が注目する再開発事業の計画があることを恥ずかしながら、充分に認識していませんでした。
 同時に、中心市街地活性化法やTMOづくりが、岡山市の行政規模、商圏規模にはやや難しいのかな、と認識を改めました。逆に、もう少し、小規模で地道にやっていくグループが、連携しながら、いくつも存在しないといけないのだと思いました。

 特に、例えば、商工会議所が主導したTMOと実際に活動するまちづくりグループの認識の違いが、大きな街ほど顕著になる気がしました。やはり、まちづくりは、最初は地味でも、地をはって底から湧き上がる時、一番に強いのかもしれない。何より、お互いの顔が、はっきり見えないといけないのだと思います。

( ちなみに、全国で、現在330の基本計画が、提出され、91のTMOが、
  機能しています。

 ※市町村は、「中心市街地」を定め、その活性化のための方針、目標を定
  める「基本計画」を作成、核になる組織としてTMOを作ります。関係13
  省庁が、強力に計画推進の支援をします。
 ※TMO(タウン・マネージメント・オーガニゼーション:中心市街地の商業全
       体をひとつのショッピングモールとして捉え、一体的に運営するた
       めの組織)
 ※高松は、商工会議所が、TMOを作り、丸亀町はそれと連携しています。 )

 そして、全ては、街への「愛情」と「やる気」以外にない、と再認識しました。
 同時に、やっぱり、議員は、市民が本気になった時は、「百害あって一利無し」というのが、基本精神であるべきとも思いました。


 ご案内の通り、高松は、独特の地理的・風土的・制度的条件で、郊外大型店舗を拒んでいたところ、ここ5年で、急変。普通の街の25年分が、一挙に吹き出しました。新規、移転、撤退の目白押しです。さらには、来春には、ウォーターフロントのサンポート高松が、顔を見せ、外には、郊外大型店舗、内にはサンポートに、8つある商店街は囲まれてしまいます。しかも、商店街の体力も急激に落ちています。

 丸亀藩に端を発する470メートルの丸亀町商店街は、400年の歴史があり、言わば商店街のヘソに位置すると同時に、駐車場事業を成功させるなど、振興組合活動が盛んで、高松の商業の中心的存在という、自負と誇りを持っています。
 しかし、業種は衣料品等に著しく偏り、居住人口が減少し、商店主の3割が、不動産業化(老後の年金収入)し、しかも家賃が高く、新規参入が水が、難しいという、衰退する商店街共通の特徴を持っています。

 そこで、ヒューマンなスケールによる市民のための空間というイメージで、大型店に頼らず、自分達が、再開発後も商店街の主体として施設を利用・運営していくという、再開発を計画し、再開発後の床を管理する「町づくり会社」を昨年1月に作りました(後に、市が出資し、第三セクターに)。
 丸亀町商店街のこの新手法とスケールが、全国的に注目されているのです。
 これは、従来のアーケードの改修や、カラー舗装といった規模のものではありません。
 まず、AからGの7街区のうち、A街区、G街区が、動きますが、イメージは、福岡のキャナルシティを、商店街の形にし、つまりホテルや、(うどん)ミュージアム、シネコン、スポーツ施設があり、おまけに、最終的には、7〜800世帯の住居に、もちろん地下駐車場を造るといったものです。さらには、「街中に来る目的を多様化させる」ため、コミュニティ施設や、お祭り広場も作られます。
 都心は、「人が集まり住むところ」のまさに、実践であり、とりわけ、子どもやお年寄りといった「家族」に、目を向けたものです。
 そして、8つの商店街のへそで、起きる再開発の効果が、他の商店街、高松の中心市街地、高松、香川に、波紋のように広がることを期待したものです。
 間違いなく、丸亀町商店街は、高松の中心市街地にある老舗商店街として、ある種の使命感、責任感、そして誇りで動いています。

 いかも、ここに来て、森ビルが、参画してきましたが、実はワークショップから10年積み上げてきたのが、値打ちです。
 また、ある意味で「脱落者」が、出ることに「期待」し、しかも通行人を客にできるかは、結局のところ各店舗の努力次第である、というシビアな面を持っています。
 なお、土地の利用と所有者を分離させるために、地価を顕在化させないために、定期借地方式を採用しましたが、これについては、土地信託制度の採用の可能性が模索されています。

 もっとも、まだこの計画は着工していません。この1年半の勝負だそうですが、失敗すれば、ゆめタウンや、サンポートへの「脱出」が、始まるというところに来ています。5年後には、答が出ているでしょう。


 高松までは、JRで、片道約1500円、僅か1時間です。
 高松は、瀬戸大橋や、X(エックス)ハイウエーの開通をチャンスでなく、ピンチと捉えました。岡山は、交通の結節点と呑気に喧伝しますが、支店都市・高松の商業圏域にも入っていると認識しないと、例えば一番街すら安穏としておられないと思います。
 宇野の対岸で、何が起きているのか、やはり注目せざるをえません。

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