過去の岡山県議会一般質問集 <教育問題(教育再生)>篇

<平成26年9月定例会>(2014年9月25日)

(佐藤)  先ほど来の顧客主義についての流れなんですが,昨年の有識者会議でもこの議場でもいろいろ申し上げたんですが,その答申を受けた結果として,知事みずからが教育再生の中で,学校教育と家庭教育の連携の中で,ますます重要な働きが期待される既存の社会教育団体の補助金を切られたこと,さらには財政危機宣言のときですら行わなかった岡山県老人クラブ連合会に対する補助金まで切られたことについては,いまだに批判の声が大変多くございます。端的にもう一度精査して見直すおつもりは毛頭ないのかお伺いいたします。

(知事)  お答えいたします。
 社会教育団体等の補助金についての御質問でありますが,事業再点検に係る県の対応方針に対し,県議会や関係団体からいただいたさまざまな御意見等を踏まえ,当初廃止としたものを地域の課題解決等のため,社会教育団体が行う活動への新たな支援を行う方針に変更し,現在関係団体と協議しているところであります。
 また,お話の岡山県老人クラブ連合会への補助金を含め,昨年度に方針決定し,予算に反映しているものについては,県議会等に対しても御説明し,議決をいただいており,現時点では見直すことは考えておりません。
 以上でございます。

(佐藤)  教育再生に関して,誰の責任かなどという以前に,結局今回の学力テストの結果は,教育再生を掲げて県民の皆様から信託をいただいた知事御自身の公約に対するマイナス評価と残念ながら言わざるを得ません。本来では,これはおわびから始めるような話だと思います。教育格差の是正という観点から,今回の全国学力テストで市町村の中学校と県立及び国立の中学校の成績にどの程度開きがあるのか,また生徒1人当たりにかかっているコストについてお知らせください。
 また,地域間格差や学校間格差についての御認識と対策,さらには義務教育で基礎学力を身につける同じ土俵に立てていない子供たちや家族への支援について,あわせてお伺いします。

(知事)  お答えいたします。
 教育格差の是正についての御質問であります。
 まず,中学校の成績等についてでありますが,全国調査における市町村立と県立との直近2年間の平均正答率の差は,全教科を平均すると約28ポイントであり,活用力を問うB問題のほうにおいて差が大きくなっております。また,生徒1人当たりにかかるコストについては,国が実施している地方教育費調査によると,直近3カ年の平均では,県立中学校が約90万円に対して市町村立の平均が約100万円となっております。
 なお,県内の国立大学附属中学校については,いずれも承知しておりません。
 次に,地域間格差等の認識等についてでありますが,地域間格差や学校間格差などについては,家庭の経済状況等さまざまな要因が考えられるところであります。子供たちの置かれた環境の違いが学力格差に結びつかないようにすることが重要であり,県教委では課題を多く抱える学校に対し,教員を加配するとともに,地域の協力も得ながら放課後等を活用した補充学習を行うなど,学力の底上げに取り組んでおりますが,こうした取り組みが進むよう支援するとともに,現在策定中の子供の貧困対策についての計画の中でも検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  先ほどの県立中学校をあえて出しましたのは,やはりこうして岡山市内において特に県立の中高一貫校に非常に優秀な成績であったり,思いの強い保護者の方が行かれる,そうした状況の中で公立中学校に何かしらの影響が出ておりませんかということで,岡山市教育委員会とそのあたりもしっかりと連携をとっていただきたいというふうに思います。



<平成26年6月定例会>(2014年6月24日)

(佐藤)  最後に,教育再生についてお伺いします。
 私は昨年度,文教委員会に所属しておりましたが,残念ながら悲しいぐらい議論がかみ合っておりませんでした。全てが対症療法的な感じがして,これで本当に岡山の教育再生ができるのかと,何か根本に切り込めていない気がいたしておりました。個人的にはむしろ,頑張る学校応援事業のような県と市町村,首長と教育委員会,県教委と市町村教委という縦割り行政の弊害を突破するというよりも,やや功を急ぐ感もある事業は,話題づくり以上の大きな課題を残したようにも思います。そもそも,もとはといえば,頻繁に使われる学校力という言葉の定義すら不十分なままに,何をもって,誰をもって,何の比較において頑張っていると評価するかも難しいものがあります。何より,何か効果が出た,成績が上がったとしても,前年度と今年度は全く別の子供たちです。大切なことは,たちまち目の前の状況にどう対応するかでございます。
 そもそも,何が問題なのか。特に,全国学力テストの結果からわかる一番大きな問題は,岡山県の子供たちの成績が悪いということもさることながら,基礎学力が十分に身についていない子供が大変にふえているということで,その背景には子育て支援の強化が必要なほど家庭環境に課題があるのではないか。ゆえにまず,必要なのは,子育て支援,家庭教育への支援ではないのか。義務教育で同じスタートラインに立てていない家庭や子供たちをどう支援するのかということ。また,2年連続の全国ワーストワンの少年非行数に象徴されるように,いじめ,不登校,ニート,ひきこもり,自殺など,子供たちの生活状況に学力以前に大きな課題があり,その遠因ともなりかねない就学前から就労に至るまでの発達障害の支援体制の強化が緒についたばかりであるということ。これらについては,教育委員会や学校の先生方のお尻をたたいて成績が上がればそれで教育再生ができたんだと言えるような単純な問題ではなく,経済,医療・保健・福祉,労政,雇用,警察を含めたオール岡山で当たらなければ,真の教育再生はあり得ないということを意味すると思います。少なくとも,結果の平等を求めるべくもありませんが,義務教育の段階で機会の平等を保障されていない子供たちがいるのならば,まずそれを是正せねばなりません。そして,今の子供たちがまさに10年先,20年先の岡山の社会の姿そのものでありますから,これでよいのかということ。だからこそ,今,教育に根本的に手を入れていかなくてはいけないと思います。
 一方で,家庭教育を支援するためには社会教育が重要であるのに,社会教育関係団体への補助が削減されたり,ESDの会議を含めてでありますが,県の社会教育のセンター機能を果たすべき県生涯学習センターの機能強化が十分に図れていないんじゃないか。特に,家庭教育が痛んでいる,学校教育も今やいっぱいいっぱいだ。だからこそ,社会教育の力が必要なんだ。しかし,それを補完できる社会教育関係団体への補助を切るという方向は,私にはさっぱり理解不能でございます。さらに,基礎学力を身につける小中の義務教育については,頑張る学校応援事業のように評価をするのに,地域社会に生徒を輩出する高校について,進学率もさることながら,就職率について十分な評価が行えていないこと,何よりも県立高校の入試の採点ミスやたび重なる県立学校での不祥事。まず,県教委のすべき足元をきっちり固める必要があります。改めて,教育再生を言う大前提として,根本的に何が問題とお考えなのか,何をもって教育再生というのかをお伺いいたします。
 具体的に,まずは基礎学力を身につける機会を奪われている子供たちの支援は最重要課題だと思います。経済格差,家庭環境が義務教育の段階で子供たちの学力格差に結びつくこと,それが連鎖することは何としても避けねばなりません。先生方はもはや手いっぱいであるという大前提で,しかし学校は好きだが,基礎学力が身についていないために教室の中に入れない子供たちも多くいます。しかし,例えば中学生でも九九ができない,小数点や分数でつまずいた,あるいは漢字が書けない,学校の勉強についていけない,塾にも行けない,そうした子供たちが基礎学力を身につける機会を義務教育の義務の主体である保護者ももはや確保できないかもしれません。子供たちは,いわば権利を奪われたままであります。そうした子供たちに対して,家庭に対してどう支援を行うのか,お考えをお知らせください。
 次に,子育て世代への支援,社会教育の支援の強化がどうしても必要でございます。例えば,土日や長い休みの期間に地域や大学,ボランティアの方々の協力をいただいて,アフタースクールという形で基礎学力を身につけることも社会教育の範疇かもしれません。また,岡山市内のある公民館も,福田公民館さんでありますが,地域のカルチャースクールということに加えて,地域の小中学校,さらにはPTAと連携して,地域の企業や警察,消防などにも御協力をいただいて,小学生の職業体験,大学や文化施設などと連携して子供向けの大学講座を開講し,さらには公民館のそうした活動についてポイントのつく形で中学生のボランティア活動まで行われています。学校教育でも家庭教育でも行えない部分を社会教育の最前線の施設としての公民館が担い,具体的には学校,地域,公共機関,企業やNPOの連携をコーディネートする機能を公民館が持つというのは,まさに私は全国に誇り得るこれはすばらしい取り組みだというふうに思います。改めて,社会教育関係団体との連携及び支援についてのお考えをお知らせください。
 さらには,公民館の機能強化について教育長の御所見をお聞かせください。
 最後に,今年度動き始めた発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトについて。
 2月定例会でも申し上げたように,キーパーソン,共通支援シートがいかようなものであるかについては,まだまだこれは協議が必要だとは思いますが,願わくば就労まで結びつくような一貫した支援であることを強く期待するところでございます。ただ,やはり問題は,早期発見,早期対応と,これは簡単には言うものの,それがどうしたら可能なのか。特に,保護者をフォローできる,たちまち相談ができる場所,人材の確保,学校の先生が発達障害のある子供たちのそれぞれの特性を理解するための研修,医療から検査を受けられる場所への連携,成育医療において情緒安定の投薬医療を受けることができるような医療体制の充実,さらには試験的にいろいろな投薬を行うことができるような医療費免除など,考えられる課題や対策は本当に多くございます。こうした中で,発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトについて,今後の方向性を保健福祉部長にお伺いいたします。

(知事)  お答えいたします。
 教育再生についての御質問であります。
 まず,根本的な問題についてでありますが,お話のように家庭環境に課題のある子供もふえており,本来,家庭や地域で育まれるべき規範意識や社会性の欠如,また基礎学力が十分身についていないといったことなどがあると考えております。教育再生については,教育熱心な県民の気風を生かし,家庭や地域の協力のもと,落ちついた学習環境の中で子供たちが将来の夢や目標を持ち,勉学や部活動などに意欲的に取り組んでいる学校,またさまざまな場所で子供たちが生き生きと活躍できる取り組みがなされている地域にしていくことであると考えております。
 次に,子供たちに対する支援等についてでありますが,経済格差等が子供たちの学力格差に結びつかないようにすることは重要なことであり,生き活きプランにおいて,落ちついた学習環境の中で基礎学力の確実な定着を図る指導の充実とともに,地域の協力も得ながら放課後や土曜日,長期休業中などの補充学習を推進することとしております。課題を抱える家庭に対しては,県教委はスクールソーシャルワーカーを派遣するなど福祉等の関係機関と連携して支援するとともに,さらに1歳半健診等の機会を活用し,乳幼児期から保護者が自信を持って子育てできるよう,参加体験型の学習プログラム等も進めていると聞いており,こうした取り組みが着実に行われるよう支援してまいりたいと存じます。
 次に,社会教育関係団体との連携等についてでありますが,各団体では学校外での子供たちの体験活動や子育て相談等の家庭支援などに取り組むなど,地域の教育力の向上やきずなづくりのために尽力されており,これまでも県として連携を図ってきたところであります。今後とも,私が掲げる教育再生に向けて連携を図っていくことが重要と考えております。支援については,現在,県教委において各団体から聴取したテーマや事業規模等に関する意見をもとに,来年度以降の事業計画を検討していると聞いており,本県の抱える教育課題の解決に向け,各団体の専門性を生かした活動が充実するよう支援してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(教育長)  お答えいたします。
 公民館の機能強化についてでありますが,公民館は地域住民にとって身近な学習拠点であり,子供にとっては通学合宿や昔遊びなど,学校や家庭では得がたい体験学習や世代を超えた交流等の場でもあります。お話の公民館は,大学や企業,関係諸団体との緊密な連携による小学生の職場体験等,学校教育や家庭教育を補完するすぐれた取り組みを行っており,こうしたコーディネート機能を生かした公民館活動を広めていく必要があると考えております。そのためには,公民館職員の資質向上が不可欠であり,県生涯学習センターにおいてコーディネート機能の充実を視野に入れた職員の養成やすぐれた実践事例の普及に努めるなど,公民館活動の活性化に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(保健福祉部長)  お答えいたします。
 発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトについての御質問でありますが,豊富な経験や専門的知識を有する方をキーパーソンとして登録し,各ライフステージに応じた相談支援などを担う幅広い人材群を創出することとしております。また,共通支援シートを活用することにより,就学前の早期からの支援情報を就学後に円滑に引き継ぐことで,就学前後での切れ目ない一貫した支援に努めることとしております。このプロジェクトに加え,乳幼児健診に携わる医師の研修などほかの事業にも取り組むことにより,早期発見,早期対応に努めるとともに,就学前から就労までの一貫した支援体制の構築を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  どうもありがとうございました。
 教育長の公民館の支援をぜひ人材育成までよろしくお願いしたいと思います。
 今,教育再生の話の中で,実は私の子供も中学2年生でございまして,全国学力テストの成績がうちの子供が小学校6年生のとき,すこぶるこの学年が悪かった。中3と小6が42位,45位,昨年が32位と38位でしたですか。今年度,仮に結果が出て,ほんで少し去年よりようなったぞというのが出たとして,出ることをもちろん期待しておるんですが,そのことをもって岡山の教育再生ができたというふうなことは,私は間違っても言ってほしくないというふうに思います。もちろん,全国学力テストの成績が上がることは重要なことではありますが,少なくともあと2問解ければ岡山の子供たちは一遍にトップクラスに躍り出る,あるいは47都道府県,基本的にはこれだんご状態でありまして,その中で1点,2点ということはもちろん重要なんですけれども,その順位,知事も一喜一憂されないというふうに言われておられますが,その順位の中に隠れてしまうもの。特に,きょうずっと申し上げたかったことは,教育再生を言うためには,どうしても学校教育に加えて家庭教育と社会教育,これが三位一体で動かなければ,とても教育再生できないんじゃないですかということを申し上げたかったわけであります。学校教育,本当に先生方は私は現場で一生懸命頑張ってくださっていると思います。ただ,今,現状,手いっぱい,いっぱいいっぱいの状況の中で,本当に家庭教育,しかもそれは家庭教育の前の段階かもしれません。本当に生活が苦しいぞ,子供に学費を出すことも厳しいぞ,そういった状況の中の家庭をどのように支援ができるか。そして,社会教育については,ある種,遊軍的に学校教育と家庭教育を結べる大変に重要なところだと思います。そうした意味では申し上げたいことは,家庭教育,学校教育,社会教育が三位一体でないといけない。今後,全国学力テストの成績が出たとしても,それに対してそれぞれ特に成績の悪いお子さんが多く出るとすれば,そこで何をすべきかということは,改めて学校教育だけではなくて社会教育,家庭教育に対しても何をすべきかということも真剣に見ていただきたいというようなことを思うわけではございますが,特に社会教育と家庭教育についての思いをお知らせください。

(知事)  学校教育だけでなく家庭教育,社会教育についてもどう思ってるかという質問に対してお答えをいたします。
 議員がおっしゃられることは本当にそのとおりでございまして,社会の現状があり,その社会の現状を踏まえて大きく影響を受けてそれぞれの家庭があり,それぞれの家庭で就学前の教育を受けた子供たちが小学校に入学し,学校教育を受けていくと。その学校教育の結果が我々,学力テストでわかるということでありますので,議員おっしゃられるとおり,学力テストの点がよくなったからといって,自動的にその下にある,土台にあるものがよくなっているというふうに考えるのは勘違いをする可能性が非常に高いと考えております。今起きている問題は1年,2年で起きたことではなく,10年,20年,もしくはそれ以上かかって起きた問題でありますので,それぞれの段階において我々は努力をしなければいけない,もしくはいろいろな方に協力をしていただかなければいけないと考えております。当然,この一番下のところから始めて,それが学力テストまで到達することを黙って見ているということは余りにも時間をかけ過ぎるわけですから,それぞれの段階においてできることをしていくわけでございます。ぜひ私自身も学力だけではなくって,体力,それから体育,それから徳育もしっかりやって全人格的な教育をしていく,子供たちが単に勉強ができるだけではなくて,意欲を持っていろいろなものに取り組む,また困難にぶち当たることがあっても,それを周りの協力も得ながら自分で乗り越えていく,そういう子供たちを育てたいと思っておりまして,ぜひ議員がおっしゃられるような方向でしっかりみんなで頑張っていきたいと存じます。
 以上でございます。



<平成26年2月定例会>(2014年3月6日)

(佐藤)  最後に,頑張る学校応援事業について,実は発達障害のある子供たちの保護者の方々からは,こうした事業で一番最初に切り捨てられたり邪魔者扱いされるのは発達障害のある子供たちではないかという不安の声が既に上がっております。まずは,その不安の声を払拭するための言葉を知事から頂戴したいと思います。
 一方,来年度の重点事業として,発達障害のある人のトータルライフ支援プロジェクトにより,支援のためのキーパーソンの養成と関係機関の連携が強化されることについては歓迎をいたします。ただ,トータルライフの支援ということですが,そもそも岡山県内の発達障害のある方のトータルの人数は,成人を含めてどれだけおられるのですか。また,医療そのものはかなり進んでいると思うのですが,検査になぜこんなに時間がかかるのか,診断がついた後に療育機関との連携がいかようになされているのか,また児童発達支援や放課後等デイサービスなどへの加算を含めて,支援組織への応援がいかようになされているか,またそれぞれにいる人材がキーパーソンになり小学校,幼稚園などの関係機関と連携していく流れになっていくのか,あわせて保健福祉部長にお伺いをいたします。
 加えて,いずれにしても,保護者の方々にとって重要なことは,手厚い支援が受けられる学校生活もさることながら,御自身が年をとっていく中で,子供たちが就労して生活していけるかどうかということです。共通支援シート開発・活用モデル事業についても,その取り組みは評価するものの,そもそも保護者が閲覧できるのか,就労とどう結びついていくものか,これから作成されるモデルのイメージを保健福祉部長にお伺いをいたします。
 これに関連して,平成24年4月の障害者自立支援法,児童福祉法の一部改正により,障害福祉サービス,障害児通所支援を利用する全ての利用者に,サービス等利用計画を作成することになりました。このサービス等利用計画ですが,各市町村間で隔たりなく円滑につくられているでしょうか。計画を策定して特定相談支援事業者,指定障害児相談支援事業者の数は各地域において足りているのか,また障害者本人,家族,支援者が計画を作成することができるセルフプランという仕組みが本当に十分に機能しているものなのか,あわせて保健福祉部長にお伺いいたします。
 最後に,発達障害が指摘され,小学校から特別支援学級への通学を望む場合でも,これらは全て保護者みずからが調べて訪ねて行わなくてはいけないという現状の中で,ワンストップで発達障害をお持ちの方へのトータルライフの支援がわかる一元的な窓口が必要だと思います。また,インターネット上で発達障害支援についての関係機関や地域の情報が集約されたプラットホーム型のサイトを立ち上げるべきだと思いますが,あわせて御所見をお伺いいたします。

(知事)  お答えいたします。
 発達障害のある子供たち等への支援についての御質問であります。
 まず,頑張る学校応援事業についてでありますが,学校は本来子供たち一人一人の健やかな成長のため,日々よりよい教育活動を目指して創意工夫しており,この事業はこうした学校の取り組みを後押しし,全ての子供たちが生き活きと活動できる好循環を生み出すことを目指すものであります。こうしたことから,御心配のようなことは決して起こらないと考えており,教育委員会に対し,学校へしっかり説明するよう伝えてまいりたいと存じます。
 次に,ワンストップ支援についてでありますが,発達障害者支援センターで支援ニーズ等に応じた相談機関の紹介等を行うほか,市町村への財政支援を通じ,地域の総合的な相談窓口の整備を進めております。また,支援センターのホームページには,センターでの支援内容や関係機関等の情報を掲載しており,今後,キーパーソンや市町村等の情報を追加するなど,その充実に努めてまいります。
 以上でございます。

(保健福祉部長)  トータルライフ支援プロジェクトのうち,人数等についてでありますが,発達障害に特化した障害者手帳がないことなどから,確実な人数の把握は困難ですが,発達障害者支援センターでの相談件数の増加等からも,そのニーズ等は高まっていると考えております。また,行動特性等の経過観察に一定の期間が必要なため,診断に時間を要する場合もありますが,発達障害と診断された場合,身近な地域で支援が受けられるよう,県では市町村における療育機関など関係機関相互の連携強化の促進に努めております。さらに,お話の事業所への加算は行っておりませんが,専門的な助言やペアレントメンターの派遣など,各種団体等への支援に取り組んでおります。今後は,各分野で活躍されている方々をキーパーソンとして登録し,関係機関の連携強化でも中心的な役割を担っていただきたいと考えております。
 次に,共通支援シート開発・活用モデル事業についてでありますが,県下共通の支援シートを開発し,モデル市町村で活用した上で,その成果等を各市町村へ提供しようとするものであり,シートに記載する個別の情報は,保護者に確認していただき,閲覧も可能としております。また,このシートでは就学前後の支援情報が中心となりますが,就学以降においても各ステージに応じた情報を適宜追加しながら引き継いでいくことで,就学前から就労段階までの一貫した支援につながるものと考えております。
 次に,サービス等利用計画についてでありますが,相談支援事業所の不足等から,本年1月末での計画策定は約11%にとどまり,各市町村の進捗状況等の違いも生じております。このため,県では,各市町村において計画策定の促進が図られるよう,先進的取り組みや事業所情報の提供等に努めるとともに,事業所の新規開発の働きかけや従事者の養成などにも取り組んでいるところです。なお,お話のセルフプランについては,障害のある方々の意向等を踏まえながら,その活用を検討するよう市町村へ助言してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  今、発達障害の方の総数がなかなかわからない,確かにそうだとは思うんですが,ただニーズが多いからふえておるんだろうなみたいなアバウトな感じでは,やはりこれは政策を立てようがないんじゃないでしょうか。特に県が今示していただいている1歳児健診,3歳児健診で13%という数字,確かに示していただいておりますが,例えば就学前,5歳のとき,あるいは学校に入って初めてわかる場合,そして大体10歳ぐらいになってわかる場合,そして一番我々が頭を抱えているのは中学校になって初めて認識される場合,保護者も御本人も初めて気づく場合が結構大変だなということがあるんですが,そして何よりも成人になってなかなか会社でうもういかんなと思ったら発達障害と認定されたということが起きる,いずれにしてもこれは人数を把握しないと政策の立てようがないと思うんですが,前の議会でも私学での実態を知事は,これは調査されないというふうにおっしゃられたんですが,やはり実態は見にゃいけんと思うんですけれども,実態の調査について,少なくとも数の把握,これについてはどうやるかということはあるにしても,やるべきだと思!
いますが,やられるかどうか,部長にお伺いいたします。

(保健福祉部長)  発達障害の正確な人数の把握を県として調査すべきではないかという御質問でございます。
 議員のほうから既にお話がございましたが,乳幼児健診では1歳半で平成24年度のデータで13%,3歳児健診で15%ということで,3歳児は若干上がってきているという状況でございます。答弁でもちょっと申し上げましたが,正確な人数の把握,恐らく先生がおっしゃられているのは診断された方の数かと思いますが,今申し上げたのは広く疑いがある方のその世代のパーセントでございますが,診断された方の数ということになりますと,1つは国の患者調査というのがございます。ただ,これは発達障害という区分が今時点,現時点ではございませんので,そこから把握してくるというのが難しい状況になっております。もう一つは,障害者という観点から,手帳というところから見てくるということは可能性としてはあるんですが,現在精神障害のほうに区分されておりますので,そこからどうやって把握していくかというところはなかなかいろんな課題がございます。ただ,いずれにしましても,今後,今よりより具体的な状況把握ができる方法がどんな方法があるのかということについては研究してまいりたいというふうに思っております。
 以上です。

(佐藤)  最後は要望にとどめさせていただきますけれども,やはり総数がわからなくてどうやって対策を打つんだと,逆に言うと今年度予算どういう数字の根拠で要求されとるんですかと聞きたいぐらいでありますが,その検査をする,認定をする,その人数を確保するためにも,あるいはセンター機能を充実させるためにも,ある程度の人数というのは把握するのが必要ではないかということ,それがあって初めて政策が立てれるんじゃないですか,あるいは学校の教育再生もこの部分がわかってないとなかなか根本的な再生にならないと思いますので,ぜひきっちりと調査していただける方法を検討していただくことをお願いして,質問とさせていただきます。ありがとうございます。

(佐藤)  どうもありがとうございました。
 教育長の公民館の支援をぜひ人材育成までよろしくお願いしたいと思います。
 今,教育再生の話の中で,実は私の子供も中学2年生でございまして,全国学力テストの成績がうちの子供が小学校6年生のとき,すこぶるこの学年が悪かった。中3と小6が42位,45位,昨年が32位と38位でしたですか。今年度,仮に結果が出て,ほんで少し去年よりようなったぞというのが出たとして,出ることをもちろん期待しておるんですが,そのことをもって岡山の教育再生ができたというふうなことは,私は間違っても言ってほしくないというふうに思います。もちろん,全国学力テストの成績が上がることは重要なことではありますが,少なくともあと2問解ければ岡山の子供たちは一遍にトップクラスに躍り出る,あるいは47都道府県,基本的にはこれだんご状態でありまして,その中で1点,2点ということはもちろん重要なんですけれども,その順位,知事も一喜一憂されないというふうに言われておられますが,その順位の中に隠れてしまうもの。特に,きょうずっと申し上げたかったことは,教育再生を言うためには,どうしても学校教育に加えて家庭教育と社会教育,これが三位一体で動かなければ,とても教育再生できないんじゃないですかということを申し上げたかったわけであります。学校教育,本当に先生方は私は現場で一生懸命頑張ってくださっていると思います。ただ,今,現状,手いっぱい,いっぱいいっぱいの状況の中で,本当に家庭教育,しかもそれは家庭教育の前の段階かもしれません。本当に生活が苦しいぞ,子供に学費を出すことも厳しいぞ,そういった状況の中の家庭をどのように支援ができるか。そして,社会教育については,ある種,遊軍的に学校教育と家庭教育を結べる大変に重要なところだと思います。そうした意味では申し上げたいことは,家庭教育,学校教育,社会教育が三位一体でないといけない。今後,全国学力テストの成績が出たとしても,それに対してそれぞれ特に成績の悪いお子さんが多く出るとすれば,そこで何をすべきかということは,改めて学校教育だけではなくて社会教育,家庭教育に対しても何をすべきかということも真剣に見ていただきたいというようなことを思うわけではございますが,特に社会教育と家庭教育についての思いをお知らせください。



<平成25年11月定例会>(2013年12月10日)

(佐藤)  まさに,予算編成期真っただ中ということで,1月15日ごろに来年度予算がもう内示されてしまうと,なかなかそこから議会として動かすのは難しいぞということになるわけでございますが,ぜひとも特に削減されるような関係の団体の方には十分な伝達というか,こういう方向がありますとかということは事前に,あるいは予算発表同時に示していただきたいなということは要望させていただきたいと思います。
 そして,それに関連して今議会で,これは所属委員会にかかわることでございますので教育長にはお伺いいたしません。有識者会議の報告書を受けて,非常に厳しい補助金カット案が当局から示されたことから,岡山県の教育再生の一翼を担う社会教育関係団体,県子供会連合会,県婦人協議会,県PTA連合会,日本ボーイスカウト岡山連盟,ガールスカウト日本連盟岡山県支部,県青年団協議会の方々から,知事,教育長,渡辺議長宛てにその見直しの要望書等が提出をされました。今回の削減理由は,そもそも少額である,そして各団体の自立を促して,加えてNPO等他団体との差別化ができないというものなんですけれども,私はちょっと不思議だなあというふうに思いました。それぞれが県と極めて良好な関係にあって,社会教育法に基づく団体であったり,世界組織,全国組織であったり,数十年以上の誇るべき歴史があって,むしろ国体や国民文化祭のときには県事業を補完すべく県のほうが協力をお願いしてきたこともあります。差別化ができないほどむしろNPOが育ってきているのであれば,むしろそのほうの支援を強化すりゃあいいじゃないかというふうに思うわけであります。何よりも,民間の発想として,こうして今,教育再生が言われてる中で,むしろNPO等を含めた社会教育関係団体との連携強化のほうを私は考えます。私の発想はむしろ真逆なんですけれども,例えば本会議でもたびたび指摘させていただいておりますが,県生涯学習センター,これは人件費でいうと教育庁から20人で約1億円,指定管理者は17人で3,000万円。せっかく指定管理者制度を導入しているのに,二重行政の感は否めないところがあるんですが,今春オープンの人と科学の未来館サイピアも本当に頑張ってはくれているんですが,残念ながら県生涯学習センター全体として見たときに,先ほど来出ている社会教育や生涯学習拠点としてのセンター機能を十分に生かせてないんじゃないかという気がいたします。特に来年,これは岡山市との中でも協議になっている,開催されるユネスコの世界会議は,岡山ではまさに公民館活動が大きなテーマになるにもかかわらず,県の生涯学習センターが県内の公民館の十分なセンター機能が果たせていないんじゃないか,そのことから全県的な広がりを欠いてるような気がしてなりません。
 むしろ,ここからは提案なんですが,私は先ほど申し上げた社会教育関係団体やNPO等にはこれを削減する方向にかかるんではなくて,その県の事務局を県の生涯学習センターに設置していただく,それを集結していく。特に,岡山県のNPOが元気なのは,総合福祉・ボランティア・NPO会館,きらめきプラザ内のゆうあいセンターにNPOが集結できる場所があるのも私は大きな理由だというふうに思うんですが,県生涯学習センターにむしろこうした社会教育関係団体を集結して,岡山県の社会教育の充実のために県や県教育委員会といつでもスクラムが組める状態にすべきじゃないかと,そのことを強く思うところであります。ましてや,国際連合教育科学文化機関,ユネスコの国際会議が来年,来るわけでありますから,世界的な社会教育関係団体であるユネスコの日本の事務局,あえて言えば日本支部でありますが,ユネスコの日本支部を県生涯学習センター内に置くぐらい,そのぐらいの勢いがあってもいいんじゃないですかと思います。具体的に,県生涯学習センターに対する現在の評価と先ほど述べた社会教育関係団体のメッカにすることについての感想について,お考えをお知らせください。
 ところで,岡山県生涯学習センター同様,岡山県男女共同参画推進センター,岡山県動物愛護センター,岡山県環境保健センターなど,センターと名のつく施設が岡山市内には幾つかあります。時に,政令指定都市になった岡山市においては一部同様の施設があって,これはもう二重行政じゃないかというそしりを受けることもあるんですが,およそセンターと名がつく限りはそこが岡山県のセンターであり,27市町村の人材や情報が集結し,発信される場でないといけないと思います。まずは,政令指定都市かつ県都岡山市にあって,こうした県のセンター施設があることの意義について御認識をお知らせください。
 その中で気になるのは,これもいつも申し上げるんですが,岡山国際交流センターでございます。確かに,地の利もあって,企業研修等の場所としては本当に重宝されて,貸し館業務としてこれを見るならば稼働率は極めて高く,財政的にも及第点ということにはなるとは思います。ただ,県の国際交流のセンターとしてはどうなのか,本当に世界に向かうかけ橋として,多文化共生社会の中核施設として機能しているかどうか,まずは岡山国際交流センターのミッションは何かについてお伺いをいたします。
 また,現在,公立の小中高で雇われている,雇用されている外国語指導助手,いわゆるALTは,語学指導等を行う外国青年招致事業,これはJETプログラムで来日し,雇用されているケースが多いんですが,今後,小学校教育における英語の義務教育化も相まって,こうした全県に標準的な指導力というのも当然問われてきます。そうしたことが指導されるセンターであってもほしいとも思いますし,また同時に経済状況もありますけれども,今,海外に打って出ない日本の若者に対して,やはり幼児期からいつでも外国の子供たちと触れ合える場所がある,これは御高齢の方の生涯学習ということもあるかもしれませんが,大学や企業等とも連携しながらそうしたサロンが日本人,外国人の双方にあってもよいんじゃないかというふうに思います。残念ながら,今,万国旗一つ掲揚されているわけではない岡山国際交流センターの今後について,現在の形態ならもうこれは貸し館として民間譲渡も考えられる運用のされ方だと思いますが,今後の方向についてお知らせください。
 ところで,全国の都道府県や大学にも国際交流センターと称するものは多くあるんですが,行政においては必ずしも岡山県のように県民生活部関係の所管ではなくて,むしろ産業労働部関係の施設であるところも多くございます。国際交流という場合には,当然,経済交流や貿易,さらには観光の観点も含まれますから,国際化そのものを商工関係に所管を変えるのも一つの戦略ではないかというふうに思います。今後,岡山国際交流センターの強化も含め,国際戦略をより発展的にどう強化するか。お考えをお伺いいたします。
 関連して,この岡山国際交流センターと県生涯学習センターについて伺います。
 平成22年に指定管理者制度に関する局長通知があって,時の片山総務大臣の会見がありました。要するに,コストカットのツールを全く否定するわけではないけれども,この指定管理者制度というのは民間事業者等が有するノウハウを活用することにより,行政サービスの質の向上により,施設設置の目的,言ってみればミッションを効果的に達成するためのものであるという大前提の中での注意喚起でありました。その部分が十分に理解されて運用されているかどうか,御所見をお伺いいたします。

(知事)  お答えいたします。
 センター施設についての御質問であります。
 県生涯学習センターについてでありますが,県の生涯学習拠点として指導者養成や県民への生涯学習に関する情報提供等の役割を果たすとともに,指定管理者が管理運営を行っているサイピアについても目標を上回る入館者数となっておりますが,生涯学習の需要性の高まりを踏まえ,さらなる拠点機能の充実に努める必要があると認識しております。お話の関係団体が集結できる場所を設けることについては,今後,研究してまいりたいと存じます。
 次に,岡山市にあることの意義についてでありますが,県のセンター施設の設置に際しては,サービス利用者の交通アクセスや情報の受発信の利便性等を勘案し,全県的な視点からその機能を最大限に発揮できるようにする必要があります。こうしたことから,立地条件に制約がある施設や他の施設と一体的に運営することが適当なものなどを除き,岡山市に県のセンター施設が多く所在する結果となったものと考えております。
 次に,岡山国際交流センター等のうち,ミッションについてでありますが,同センターは県民と外国人との相互理解を深め,交流を推進し,地域の国際化を図るため,平成7年6月に設置したものであります。
 次に,今後の方向についてでありますが,同センターはAMDAや岡山県国際団体協議会を初めとする国際関係NGO,NPOが行う国際会議はもとより,スポーツや料理の文化交流などの国際関連行事に国際化の推進を担う施設として活用されているほか,企業研修等の場としても利用されております。同センターは,新おかやま国際化戦略プランを推進する中で唯一の中核的な施設であることから,お話の日本と外国の子供同士の触れ合いにも留意しながら十分に活用していきたいと存じます。
 次に,発展的な強化についてでありますが,県では新おかやま国際化戦略プランに基づき,経済国際化,多文化共生,多様な地域との交流,国際貢献,地球市民育成を推進しており,県民生活との関連が深いという観点から,県民生活部の所管としております。世界の観光需要を取り込み,地域経済の活性化等を目的とする国の成長戦略やプラン改訂案の観光振興プログラムに積極的に取り組むなど,国際化戦略の強化を図りながら同センターの活用,効果的な執行体制も今後,検討すべき課題であると考えております。
 次に,指定管理者制度についてでありますが,国際交流,生涯学習センターとも国通知の趣旨を踏まえ指定管理者を選定し,適正な運用に努め,設置目的の効果的な達成に取り組んでいるところであります。国際交流センターでは,指定管理者が企画した国際理解ワークショップや子供交流会などの事業を実施しております。生涯学習センターでは,教育委員会と指定管理者の役割分担のもと,教育委員会は生涯学習指導者の養成等を,指定管理者は全体の施設管理及びサイピアの運営を担っており,県の生涯学習の拠点機能を果たしております。今後とも,利用者アンケートや指定管理者による業務点検も踏まえ,設置目的にかなう公の施設としての管理運営に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  それでは最後に,発達障害についてお伺いいたします。
 岡山県の教育再生の前提として,学力テストの成績を上げる前提として,あるいはいじめや不登校,校内暴力,ニート,ひきこもり,さらには子供たちの自殺に対して,まずは経済格差が教育格差に結びついているんじゃないか,そういう意味では子育て世代をさらに支援しなくっちゃいけないんじゃないか,また就学前から就労に至るまで一貫した発達障害の支援体制が必要なんじゃないか,私はずっと繰り返し何度も何度も何度も申し上げてまいりました。改めて,発達障害について早期発見,早期対応の難しさというのを感じております。対応がおくれればおくれるほど課題が大きくなっていくように感じるのですが,発達障害傾向があるのにもかかわらず,就学前などに早期に確認されなかった場合,それでも保護者の方が気がつくのが10歳ごろまでが多いというふうに言われてるんですが,ここがスルーされてしまって,そのまま中学校に進んだ場合には保護者も本人もそこからの対応に非常に苦慮する,こうした事態が散見されています。かといって,ある程度の年齢になりますと,第三者から指摘されて発達障害支援センターや児童相談所に相談に行くというのは,保護者も本人にとっても大変に勇気が要ることで,非常にこれはもう動きがとりにくくなっております。やはり3歳児健診はもちろん,特定の子供だけではなく,一斉に自然な形で健診のようなものを受けられる場面が,しかもグレーゾーンということで就学前に確認できないことも多いので,これが複数回要るんじゃないかと思います。また,親子手帳に明確に記載するなど,妊娠や出産の段階から発達障害というのは通常起こり得る課題としての意識づけが行われるべきだと思いますし,しかもそのことへの対応は保護者の方のみならず,地域や一般の方々にも周知される必要があると思います。現状の認識と今後の対応について御所見をお聞かせください。
 加えて,ソーシャルワーカーの増員もさることながら,特別支援学級の充実ということもあるんですが,むしろ特別支援教育支援員の増員,確保が重要なようにも思います。専門性やプライバシー等の問題もあって,この部分を地域の方に委ねてしまうというわけにはなかなかいかず,やはりきっちりと制度として,ある意味,先生方を支援することも急務だと思います。さらに,人権教育といった場合に,発達障害についてはごく身近に起きている一つの考えるべき課題にもなると思います。そして,特に発達障害傾向のある子供たちが私学に進学しているケースも多々あり,今後もその増加が予想されます。私学において,財政措置をもって特別支援教育の研修,支援員の確保などもやはり制度として行っていく時期が来ていると思います。御所見をお聞かせください。
 加えて,気になるのはやはり就労ということなんですが,これはちょっと表現が適切じゃないかもしれませんが,機動戦士ガンダムのニュータイプに例えられるほど希有な才能を持ってる方も大変多くいらっしゃる。グループホームという形が適切かはわかりませんが,個性を生かし合える先駆的な場をつくることも重要だと思います。先般,ちなみにスーザン・ボイルさんもアスペルガー症候群だということを言われておられます。この御所見をお聞かせください。

(知事)  お答えいたします。
 発達障害についての御質問であります。
 まず,現状認識等についてでありますが,現在,1歳半と3歳児健診において発達障害のスクリーニングを行うとともに,発達障害は集団生活の場で顕在化することが多いことから,保育士等を対象に研修を行い,早期発見に努めております。また,市町村において親子手帳配布の際に,年齢に応じた発達についての情報提供を行っているほか,県ではさまざまな機会を通じて住民への発達障害の理解促進に努めております。今後とも,こうした取り組みを通じて発達障害の早期発見と正しい理解の促進に努めてまいりたいと存じます。
 次に,私学における特別支援教育についてでありますが,児童生徒等への特別な支援が必要と判断された場合には,教員の配置等に対する財政支援を行っております。また,教育委員会等が実施する研修会への積極的な参加を促すなど,研修機会の拡大にも努めております。お話の支援員確保への財政措置までは考えておりませんが,今後とも,こうした取り組みを通じ,私立学校が行う特別支援教育の充実を支援してまいりたいと存じます。
 次に,個性を生かし合える先駆的な場についてでありますが,発達障害のある人の多くは周囲がその障害の特性等を理解し,適切な支援を行うことで,一般企業での安定した就労も可能であるとされております。このため,県では関係機関と連携し,企業に障害への理解を深めていただく取り組み等により雇用機会の拡大を図るとともに,その能力等が生かせるようきめ細かい相談支援や職業訓練等の実施に努めており,引き続きこうした取り組みを通じ,発達障害のある人の自立と社会参加を進めてまいります。
 以上でございます。

(佐藤)  ありがとうございます。
 要望と質問になるんですけれども,発達障害の特に私学における現状というのは,なかなかこれは把握ができてないんじゃないかなというふうに思います。今後,この私学における発達障害の状況について検証,あるいは分析される,そうしたおつもりがあられるかどうかということについてお伺いしたいと思います。
 いずれにしても,今,就労ということでいいますと,子供たち,発達障害になった成人の方々が一般の企業に入ることだけが就労の形ではない,グループホームという形でより先駆的なというのは,言ってみればパラダイスとは申しませんけれども,多様な才能の方が集まれる場をつくっていくのも先駆的な取り組みとしてやっていただきたいということでありますが,まず私学について検証されるおつもりがあるかどうかだけ最後,確認させていただきます。

(知事)  私学における発達障害傾向のある子供たちの状況を把握するべきではないのかと,そういうつもりはないかという質問に対してお答えをいたします。
 私立学校は,公立学校と違いまして独自の教育方針に基づき,それぞれ教育活動を行っていることから,一律に調査を行う必要までは考えておりません。
 以上でございます。



<平成25年9月定例会>(2013年9月18日)

(佐藤)  最後に,産業の振興について伺います。
 本当に行政経営をされるのは大変だと思いますが,そろそろ民間出身,経済人である知事だからこそ打ち出せる施策があるのだろうと,岡山県民の皆様は待ち望んでおられます。あえていえば,当然やらなくてはいけない行革や教育再生もさることながら,今までの経験や豊かな人脈の中から,あっと驚くような,岡山県経済の発展,本格的な景気回復の起爆剤が出てくるだろうという期待,私もしております。もちろんフィルムコミッションを再活性化させて御当地映画撮影を行うというようなこともあるでしょうけれども,岡山県を元気にする,知事ならではの動きや施策について,何かございましたら,お知らせください。
 特に,アメリカへの留学経験もあられる知事でございますから,日中,日韓関係にかかわらず,アメリカとの経済関係,国際交流をより強固にする,姉妹縁組をする,旅行客をふやす,そうした具体的な取り組みを私は大いに期待させていただいておりますが,御所見をお知らせください。
 ところで,我が党の雇用対策の質問,新規学卒者の県内企業への就職支援について,経済団体に正規雇用枠の拡大の要請をしたり,合同就職面接会の開催に取り組む,あるいは中小企業の人材育成確保,技術や技能の伝承について,高校生のものづくり技能取得支援事業やものづくりマイスター制度の取り組みについて御答弁いただきましたが,この受験手数料の減免や専門校指導員等の派遣,練習用材料費の補助を行う高校生のものづくり技能取得支援事業は,今年度で終了予定となっております。しかし,技能検定が技能習得の目標として教育現場の柱になっており,就職に対しても大きな効果を発揮しており,また,ものづくり技能者の育成確保という3業界からの要請にも応えるため,ぜひ存続させ,推進させるべきだと思います。さらに,可能であれば,現行のような3年という時限制度ではなく,もう少し長い期間にし,受験手数料の減免同様,専門校指導員等の派遣,練習用材料費の補助についても,事業対象職種を6分野に限らず,ほかのものづくり分野に拡大すべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。
 また,県内企業に他県から優秀な技能を持った高校生が多く就職し始めたことは,周知の事実でありますが,広島県では若年技能者の育成指導事業を展開しており,高校生の技能検定合格率3位まで引き上げることを目標としています。かねてから,教育再生の象徴として,直接は市町村教委の所管である義務教育段階の全国学力テストの順位を10位以内にすると,知事が積極的な発言をされておられることが,私は必ずしも教育現場や子供たちによい影響を与えているばかりではないんじゃないかと感じておりますが,一方で社会でよりよく生きていくための教育のはずが,今回の生き活きプランでも驚くほど高校,まして専門科の記述がございません。私立を含めて高校生の技能検定合格率を引き上げることを目標として掲げるべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。

(知事)  お答えいたします。
 産業の振興についての御質問であります。
 まず,岡山を元気にする動き等についてでありますが,民間の経済人としての経験から申しますと,「顧客重視」,「コスト意識」,「スピード感」が何よりも重要であると考えております。産業の振興につきましても,プラン改訂素案にもお示ししているように,企業のニーズを的確に把握し,本県のすぐれた操業環境や交通アクセスなどの強みを生かした企業誘致の推進を初め,中小企業支援,観光振興等を地道に進め,いわば一つ一つのスモールサクセスを積み上げることにより,本県に人・モノ・金を呼び込み,生き活きとした元気な岡山をつくってまいりたいと考えております。
 次に,アメリカとの関係についてでありますが,本県においても,従来からアリゾナ州などへの県訪問団の派遣,県内企業の進出,岡山市など6市の友好協定締結など,地域レベルでのアメリカとの関係を深めてまいりました。アメリカは,日本にとって身近な国であることから,観光やビジネス交流など,さまざまな分野でアメリカとの新たなつながりを持つことも,今後検討してまいりたいと考えております。
 次に,高校生のものづくり技能取得支援事業についてでありますが,県内工業高校などの積極的な取り組みもあり,高校生の技能検定合格者数は,事業開始前の平成22年度の181人から,平成24年度には546人と,3倍に増加するなど,大きな成果を上げております。生徒にとっては就職率のアップ,企業にとっては優秀な人材確保が図られ,県内産業の振興につながる有益な事業と考えておりますが,今後,事業成果の検証を行った上で,来年度以降の方針を検討してまいりたいと考えております。
 次に,高校生の技能検定合格率引き上げ目標についてでありますが,現プランの数値目標は,平成28年度までに1.7%から5.1%と,3倍の合格率となるよう設定しておりますが,平成24年度時点で6.0%と,既に達成したところであります。このため,プラン改訂素案では,指標については設定しないものの,雇用拡大プログラムの重点施策の中で,高校生のものづくり技能の習得支援を掲げており,その中で合格率のさらなる引き上げについても取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。



<平成25年2月定例会>(2013年3月6日)

(佐藤)   この先ほどの運輸支局の移転につきましても,これは本当に県として応援をぜひしていただきたいというふうに思います。民間の会社も決して今,楽な経済状況でない中で,こうした移転話がある,言やあ,会社の命運を背負ってという話でありますから,できる限りの協力,先ほど中小企業の支援というお話もありましたけれども,これがまさに私は縦割り行政の中で国がやるか,県がやるか,市がやるか,どこがやるかようわからんよという話の中で,どこが音頭をとるかというのはあるんですけれども,ぜひ協力をいただければと思います。
 それでは次に,「ESDに関するユネスコ世界会議」についてお伺いいたします。
 昨年の8月21日,国連教育科学文化機関(ユネスコ)と日本政府は「国連持続可能な開発のための教育の10年」最終年となる2014年に我が国で開催される「持続発展教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」の目的,日程等を決定し,会場地に愛知と我が岡山が選ばれました。愛知県・名古屋市では,閣僚級会合及び全体の取りまとめ会合が開催されますが,岡山市で開催される各種ステークホルダーの主たる会合としては3つ,1つは「ユネスコスクール世界大会」,2つ目「青年フォーラム(ユースカンファレンス)」,3つ目「持続可能な開発のための教育に関する拠点の会議(グローバルRCE会議)」,この3つに加えて「公民館・CLC(コミュニティーランニングセンター)会議」が主にアジアのCLCや日本の公民館関係者などが参加し,社会教育におけるESDに関する議論を岡山では行うことになります。
 ところで,端的に言えばこれは本当に失礼なことなんですが,本当に岡山のESDが「ESDに関するユネスコ世界会議」に向けて現時点で市民レベル,県民レベルで大いに盛り上がっておるかどうか,このあたり正直なところかなり疑問に感じております。もちろん岡山市も,ESDに関して来年度予算ここで大きくつけておるんですけれども,ここから先私は岡山県の協力は不可欠だというふうに思います。特に「愛・地球博」など国際会議の経験が非常に豊かな愛知県と名古屋市では,既に「ESDユネスコ世界会議あいち・なごや支援実行委員会」が活発に動き始めておりますし,愛知県が大きく関与しております。この会議の国際的意義に鑑みて,世界に岡山を発信する絶好のチャンスであり,そしてレセプションやエクスカーションや全体的な盛り上がりについては,これは岡山市のみならず国際交流,観光戦略の観点からも県が積極的に支援していくことが私は必要だと思います。とりわけ過去10年間も続いた「国際貢献NGOサミット」というのがあったのですが,これは県が十分支援していただいたんですが,民間団体へのこうした県の支援の実績,人脈,ノウハウ,これ県は今十分に持っているというふうに私は思います。「ESDに関するユネスコ世界会議」の大成功に向けた支援について,知事の思いをお知らせください。

(知事)  お答えいたします。
 「ESDに関するユネスコ世界会議」についての質問でありますが,お話のとおり岡山での開催は本県を世界に向けて情報発信する上でも絶好の機会であると考えており,県としましてもその成功に向け岡山市の取り組みにしっかり協力していきたいと考えております。「ユネスコスクール世界大会」など各種会合の運営については,既に実行委員会等に県教育委員会も参画して準備を進めており,去る1月には関係機関,団体等とともに本県もメンバーとなった支援実行委員会が立ち上がったところであります。世界会議全体についてのPRや参加者へのおもてなし,エクスカーションの実施等,県民・市民とも協働したさまざまな取り組みを通じて会議を盛り上げていく方策について,今後この実行委員会で策定される実施計画等を踏まえ,県として必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます

(佐藤)  次に,岡山県の最大の課題である教育再生に対して,昨年の9月定例県議会では経済格差が教育格差を生んでいるのではないか,したがって教育再生のためにはまず子育て支援が重要ではないかと申し上げ,そして11月定例県議会では就学前,就労前の発達障害に対する支援体制が必ずしも十分ではないのではないかと指摘させていただいたわけでありますが,この発達障害の問題について今回の予算要求の中でもスクールソーシャルワーカーの増員以外に真正面から発達障害の問題を捉まえた施策,これが新規として少ないことを残念に思いますので,さらにお伺いいたします。
 これは障害全般について,いつも申し上げることなんですが,就学前支援から就労に至るまで一貫した支援体制,特に縦割り行政を越えて節目,節目で十分な連絡が必要であり,願わくばやはりこれはもう時系列に沿ってどんな支援体制があって,それがどう連絡しているのかという子育ての支援のフローチャートが必要だと思います。それぞれの部署がそれぞれに頑張ってはいただいておるんですが,それが連携していないというのが一番の問題であります。
 まず,就学前支援は充実しつつありますが,現実問題,保護者にとって例えばお子さんが発達障害を持つと認識することは,これはもうなかなかに厳しいことであって,また幼稚園,保育園の先生や保護者の方々への研修の充実が必要なこと,これについては現実問題,加算等の現場への支援も必要になってきます。また,障害全般に言えることでありますが,やはり放課後や休日,休暇などの学童保育あるいはデイサービス等に対する支援も必要です。また,成人して初めてみずからが発達障害を持っているんだという認識を持つ方も多く,さらに成人で実際に相談に来られる方は一部であって,実は発達障害を起因としていわゆるひきこもりの状態の方が実際にどれだけおられるか,これも把握しがたい現状もあります。さらには,成人の方はまずは自己理解から地域活動支援センターでプログラムに沿って就労訓練をするものの,職業センターやハローワークとの連携が極めて重要であること,またむしろ大学に進学される高学歴の方も大変多く,ただ就労の場面で大学のキャリアサポートセンターとの連携,こうしたものも非常に重要になっておるということで,やらにゃいけんことは,ほんまにぎょうさんあるわけなんですが,本来はこれらについて全て質問あるいは提案として問いたいわけでありますが,問題の指摘だけをさせていただいて,発達障害についての就学前支援から就労に至るまでの一貫した支援体制の確立への課題と今後の方針,さらに子育て支援のフローチャート,これの必要性についての御認識をお知らせください。
 一方で,知的障害がある場合には特別支援学校,これが軽度であれば高等支援学校という進路もあるんですが,中学まである特別支援学級のような仕組みが高校になったらなくなってしまう,高校生の相談が増加傾向にあるという実態があります。私は本来,県立中高一貫教育校は進学校を目指すこともさることながら,こうした特別支援学級との連絡をモデル的に行うべきであるということを強く感じております。岡山県でも高校での中退率が高いということがありますが,その理由と公立高校での特別支援学級の設置について,教育長の御所見をお聞かせください。
 さらに,岡山市や倉敷市はおかやま発達障害者支援センターと同様のセンター機能を持ってはおるんですが,市町村の発達障害支援の体制についてはそもそも直接支援できるかどうかすら差があるのですが,コーディネーターが設置されているかどうかからして格差があります。県としては,県北支所も津山教育事務所内に設置されてはおりますが,委託事業とはいえ財政的な支援がそもそも十分でなく,発達障害者支援センター機能の充実,そして何よりも地域間格差の是正は極めて重要な問題であるというふうに思います。保健福祉部長の御所見をお聞かせください。
 さらに,発達障害に関しての保健,福祉,医療,教育,労働の連携した会議である発達障害者支援体制検討委員会については,現場レベルで十分な意思決定まで行えるような機能強化が必要だと思いますし,自立支援協議会等においても,そもそも発達障害は3障害のうち精神福祉手帳を持つことなどからも精神障害の中に含めて考えられるわけなんですが,事実上これはもはや4障害と考えるような時期になっとるんじゃないかというふうに思います。保健福祉部長の御所見をお聞かせください。

(知事)  お答えいたします。
 発達障害に対する支援についての御質問であります。
 一貫した支援体制の確立等についてでありますが,発達障害のある方に対してはライフステージに応じ一貫した支援を行うことが重要であり,特に就学・就労の前後などステージの移行期における関係機関での支援情報のつなぎが課題であると考えています。このため,県発達障害者支援センターを中心に福祉・教育・労働等の各分野が連携しながら切れ目のない支援に取り組んでおり,特にお話の子育て支援チャートは関係機関がその役割等を相互に確認し,障害のある方へのわかりやすい支援情報の提供に資するものと考えており,市町村に対し,その作成を働きかけているところでございます。今後とも,関係機関の連携をより一層強化し,乳幼児期から成人期までの一貫した支援に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(教育長)  お答えいたします。
 高校中退率の高い原因等についてでありますが,本県の中退率は全国平均よりはやや高いものの年々減少傾向にあります。中退の理由としては,高校生活に熱意がないことや人間関係がうまく保てないこと,別の高校への入学や就職を希望することなどが多い状況であります。また,公立高校での特別支援学級の設置については,高校標準法に特別支援学級に関する学級編制基準や教員定数の措置等の定めがないため,現段階では特別支援学級の設置は困難でありますが,他県の先進事例もさらに収集しながら,どのような方策が考えられるのか,研究してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(保健福祉部長)  お答えいたします。
 発達障害者支援センターの機能充実等についてでありますが,発達障害者支援センターでは各種相談活動や普及啓発など総合的な支援に取り組んでおり,来年度からはペアレントメンター事業の事務局機能を担うなど,本県の発達障害者支援の拠点施設として機能強化に努めているところでございます。
 また,県ではセンターの県北支所を設置するとともに,全市町村での支援体制の整備を目指し,コーディネーターの配置等への財政的支援を行うなど身近な地域で適切な支援が受けることができるよう,全県的な支援体制の整備に努めているところでございます。
 次に,検討委員会の機能強化等についてでありますが,発達障害は法律上精神障害に分類されているものの,その症状は多様であり,それぞれの特性に応じた支援を幅広い観点から検討する必要があると考えております。このため,県では関係機関に加え障害者団体代表や学識経験者で構成する「県発達障害者支援体制検討委員会」を設置し,情報共有や連携方策のあり方等について検討しております。また,委員会では現場の第一線で就労支援に従事する職業カウンセラーからの活動報告なども行っており,今後とも,こうした取り組みを通じて委員会の議論に現場担当者の意見や障害のある方のニーズを反映させ,より実践的,効果的な施策が実施できるよう努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  どうもありがとうございました。
 岡山県の教育再生を言うときに,勉強ができる子,家庭的に恵まれている子,こうした子がどんどん勉強できるのは,これは当たり前でありまして,その支援は十分にやれるだろう。ただ,経済格差が教育格差にならないように,そしていじめ,不登校,ニート,ひきこもり,あるいは校内暴力等々の影に発達障害があるとすれば,これ医療・保健・福祉,労政,雇用,全部かかわってくる問題でありますので,オール岡山でこの教育再生のために経済的な支援と発達障害の支援をお願いしたいと思います。



<平成24年11月定例会>(2012年12月7日)

(佐藤)  今回の知事選挙の中で最も県民の皆様から多く声を頂戴したのが岡山県の教育改革についてでございました。9月定例県議会では,本当に失礼ながら教育長祭りというふうな,教育問題について重点的に取り上げさせていただいたんですが,あえて申し上げなかった論点について,改めて知事と教育長にもお伺いをいたします。
 まずは,9月議会の最後に,みんなが心を一つに岡山県の教育を立て直していくために教育危機宣言の発令をと提言させていただきましたが,教育県岡山の復活に挑戦される知事の意気込みをあらわす意味でも,ここは大前提として教育危機並びに教育復活宣言を発していただきたいと存じますが,御所見はいかがでしょうか。
 もっとも9月議会では,経済格差が教育格差を生んでいるのではないか,これをテーマに質問させていただいたんですが,9月議会であえて申し上げなかった論点に,発達障害の問題がございます。これにつきましては,平成18年12月定例会で申し上げたことを再度申し上げたいというふうに思います。
 この発達障害の問題を考える際に非常に重要なことは,こうした議論が新たな偏見につながることがないように慎重な配慮が必要であり,同時にこうした障害が顕在化していることには,何か時代の背景や理由があって,いわゆるノーマライゼーション,インクルージョンの流れの中で,それをいかに受け入れていくか,これが社会あるいは我々一人一人に問われているのではないかという視点が重要だというふうに思います。また,いじめ,不登校,自殺,児童虐待,ニート,ひきこもりなどの根底にこうした発達障害の問題が横たわっているのではないかと指摘されますが,これを障害として捉えることで,対症療法的な稚拙な根性論だとかしつけ論から,当事者や家族を解放する,そういった必要もあると,私は思っております。また,一方で,学級崩壊等によって教員の方が指導力不足と言われる遠因の一つに,この発達障害の問題があるんじゃないか,これも理解する必要があるんじゃないかと思います。いずれにしても,御本人や家族の方の苦しみを思うとき,真正面から議論すべき時期が来ておりますと,このように申し上げてはや6年,事態はどれだけ改善をしたでしょうか。当時発達障害について申し上げた実態調査が実施されているか。また,県内の現状をいかように把握され,そしていじめ,不登校,自殺,児童虐待,ニート,ひきこもり,さらには今回の学力低下などの関係をどのように感じておられるのでしょうか。これは非常に難しい問題でございますが,まずは発達障害について,知事の御認識も含めてお伺いをいたします。
 さらに,学力低下,さらには学級崩壊や教員の指導力不足をどのように認識されているか。特別支援教育の発達障害に関する研修の状況,発達障害のある児童生徒の地域のセンター的機能を担う特別支援学校の役割についての御認識も含めて,教育長にお伺いいたします。
 また,自分のお子さんが発達障害であると宣告されることのショックや戸惑いということもあろうと思うんですが,御本人や御家族だけではなくて,児童生徒,PTAはもちろんその周りの保護者も含めて,発達障害の特徴,また教育や対応について広く社会に認知させていただくことが必要だというふうに思います。発達障害の早期発見,早期対応を行うほか,特に学校卒業後,医療・保健・福祉・労働の各部局が連携した就労にかかわるきめ細やかな支援を行うなど,発達障害のある人に対しての幼児期から成人期に至るまでの一貫した支援が必要であるというふうに思いますが,知事の御所見,御認識をお伺いいたします。
 加えて,学校時代の成績と人間的な魅力であたったり,さらには社会に適応できるかどうかというのが残念ながら必ずしも一致していないというのが,何となく我々も経験的には感じておるんですが,こうした即効性のある対症療法的な教育改革もさることながら,人間社会の中でよりよく生きるためには,教育の中でも生涯学習,社会教育は極めて重要だと思います。つまりは,学校の教育だけが全てじゃない。公民館活動などの社会教育の重要性についての知事の御認識,さらには生涯学習センター機能の充実など,県の支援策についてお知らせください。
 そして最後に,突き詰めれば教育再生のために必要なのはマンパワーだというふうに思います。学校現場や市町村教育委員会に行くにしても,社会教育を行うにしても,教育行政担当職員の方々のさらなるパワーアップ,端的に言うと体制強化,これがどうしても必要だと思いますが,知事の御所見をお聞かせください。

(知事事)  お答えいたします。
 教育県岡山の復活等についての御質問であります。
 まず,教育危機・教育復活宣言についてでありますが,本県教育が深刻な状況であることは十分認識しており,教育県岡山の復活に向けオール岡山で取り組むために宣言を発することは,一つの手段であると考えております。まずは,現状をしっかり把握し,教育県岡山の復活に向け,どういった方策が有効なのか,その方向性等を教育委員会ともしっかり議論し,判断してまいりたいと考えております。
 次に,発達障害のうち,実態調査等についてでありますが,1歳半と3歳児を対象とする健康診査で約13%の児童が発達障害の可能性があるとされているほか,県発達障害者支援センターでの延べ相談件数も2,000件を超えるなど,発達障害のある方への支援は重要な課題であると考えております。また,お尋ねの実態調査等については,県において,発達障害のある方を対象とした生活実態等に関するアンケート調査を行っており,各種支援策を検討する際の参考としているところでございます。いじめ等と発達障害との関係については,その障害特性から,人間関係がうまく構築できないことなどにより,結果として不登校やひきこもり等につながることが懸念されます。こうした現状等も踏まえ,今後とも,発達障害のある方への支援を推進してまいりたいと存じます。
 次に,一貫した支援についてでありますが,お話のとおり,発達障害のある方々に対しては,ライフステージに応じ一貫した支援を行うことが重要であると考えております。このため,県では,コーディネーターの配置等による市町村の支援体制の整備を促進するとともに,県発達障害者支援センターを中心に,福祉,教育,労働等の各分野が連携しながら,普及啓発や相談体制の整備,さらには就労支援など,総合的な支援に取り組んでおります。今後とも,関係部局の連携のもと,乳幼児期から成人期までの一貫した支援に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に,社会教育の重要性等についてでありますが,社会教育は学校や家庭では得がたい学習や世代を超えた交流等を提供するものであり,子供たちはそれらの活動の中で優しさやたくましさ,規範意識等を育んでいくものと考えております。さらに,これらの活動を通じて,豊かな地域づくりの役割を担っているものと認識いたしております。公民館は,こうした社会教育の拠点施設としてその取り組みの充実が期待されているところであり,平成26年に「ESDに関するユネスコ世界会議」の一環として開催される「公民館・CLC会議」には,県としても積極的に協力してまいりたいと考えております。また,生涯学習センターは,公民館活動の中核拠点として,引き続き指導者養成やさまざまな学習情報の提供等を行うとともに,来春オープンする「人と科学の未来館サイピア」により,子供と大人がともに学べる学習の場が充実されるよう支援してまいります。
 次に,教育行政の体制強化についてでありますが,現在,本県では,行革大綱2008により大変厳しい職員数削減に取り組んでいるところであり,平成27年度の目標達成に向け,何としてもやり遂げたいと考えているところでございます。こうした中にあって,本県教育の現状は非常に厳しいものがあると認識しており,教育再生に向けた教育行政の体制強化については,教育委員会の意見を踏まえながら総合的に判断してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(教育長)  お答えいたします。
 発達障害のうち,学力低下等との関係等についてでありますが,発達障害のある児童生徒の中には,特定の学習や対人関係における困難さにより学力低下や不登校などにつながることもあり,また,校内の協力体制が十分でない場合には,経験豊かな教員でも学級崩壊になることもあると考えております。こうしたことから,県総合教育センターにおきまして,幼児期も含め,支援のあり方についての研修を実施いたしますとともに,学校へ指導主事を派遣し,指導・支援の充実を図っております。また,特別支援学校では,小中学校等へ出向き,学習面や生活面での指導助言や保護者等からの相談にも応じるなど,センター的機能の充実に努めているところであります。今後も,教員の研修を充実させるとともに,関係機関との連携を図りながら,発達障害のある児童生徒が安心して学校生活を送れるよう,支援体制づくりに努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  済みません。いや,前回の9月定例県議会のときもそうだったんですが,教育改革,要は何で我々は勉強するのか,基本的には学校時代の成績を上げるためでは,私はないと思います。学校を卒業した後のほうがはるかに人生長いわけでありますから,要はこの社会でよりよく生きるために勉強しとるということでありまして,逆に言うと,この発達障害の問題に関しましては,学校のとき,在学中のフォローだけではなくて,就学前,なるべく早期に発見して,早期に対応する。そして,何よりも,特に県立高校は若干不十分なところがありますが,就労の場面,こうした場面できっちりとそうした方々が生涯生活できるような,そうした手当ても必要だというふうに思います。私は,今回,岡山県の教育危機宣言を言うべきだと申し上げているのは,学校の教育現場で先生方にもっと研修を受けるべきだとか,あるいは保護者のしつけどねんなっとんならと,こうしたことを言い合おうというために言おうと言っているのではございません。オール岡山でというのは,この教育問題の背景には,9月に申し上げたような経済格差が,チャンスの不平等,教育格差を生んでしまっているんじゃないか。一つはこれは経済問題ですよと,そしてもう一つは今回の発達障害の問題のように,これは保健福祉の問題なんだと,医療や保健福祉全部絡んでいる問題であって,教育現場だけじゃあこの問題解決しませんよということを私は申し上げたいわけであります。また,逆に言うと,学校の成績がどれだけ上がろうが,その方が社会でうまく適応して生きていけにゃあ意味がないんだということも申し上げたいわけであります。そうした意味では,特に知事に,先般公立中学校へ行っていただいた,ここは大変に落ちついた学校で,昔は荒れていたけれども,今はよくなっていますよというふうに言っていただいたんですが,今,私は知事に行っていただきたいのは,むしろ発達障害の子供たちの現場を見ていただきたい。就学前にどのような支援がなされているだろう,そして学校,例えば放課後児童クラブ,そうしたところで発達障害の子供たちどんな状況だろうか,そしてまた,高校でそうした子供たちはどうなっているか,そして何よりも就労の場面で本当に発達障害の子供たちを支援する仕組みがあるだろうか,そこを見ていただきたいと思います。そこを変えていくことによって,私は教育改革ができるんじゃないかというふうに思うんですけれども,学校に行けばそれで終わりだということではないと思うんですけれども,知事の御認識をお聞かせください。

(知事)  再質問にお答えいたします。
 発達障害の現場も含めてよく現状を把握するべきとの佐藤議員の御質問ですが,私も全くそのように思っております。発達障害の問題,先ほど比率を申し上げましたけれども,約13%の児童が発達障害の可能性があるわけでございます。教育において非常に大きな問題でございますので,発達障害の子供たちに対応している現場も含めて広く現場を把握し,実態をきちんと把握した上で教育委員会ともしっかり議論して,岡山県の教育を向上させていきたい,立て直していきたいと,このように考えている次第でございます。

(教育長)  私も学校訪問しておりまして,実際に学校現場で発達障害あるいはそれに近いんではないかといったような子供たちへの対応ということについていろいろお聞かせいただいております。この問題につきましては,本当に幼少期といいましょうか,乳児期の辺から早い検診で早期発見して早期対応していけば,割と対応ができるというふうにお聞きしております。ただ,中学校や高校になりますと,もうなかなか厳しいというような,そういう現状もあるというふうに思っております。我々もしっかり現場に出向いて,どういった支援がさらに必要なのかと,そういったようなことも把握をしながら,保健福祉部局とか,あるいは労働部局,そういったところで連携をとりながら,将来社会人として生きていくだけの力をしっかり支えていけるような,そういう取り組みを充実させてまいりたいというふうには思っております。
 以上でございます。

(佐藤)  最後に,要望だけさせていただきます。
 初めての議会で知事に対しては大変失礼な質問になってしまったことを,おわび申し上げます。
 ただ,やはり同じ世代ということで,また,同じ子育て世代である,現状を取り巻く状況,子供たちを取り巻いている状況の中で,やっぱり私たち親が動いてやらんと,本当に子供たちにとってこれはとんでもない状態になっとるよということでございます。誰かを責めるんではなくて,我々ができる最大限のことをやってまいりたいというふうに思いますし,そして知事が,今後,やはり先ほど申し上げた大胆な県政ということで,やはり車の両輪として,言ってみれば我々も連帯保証の判こをついておるわけですから,ぜひ大胆に頑張っていただきたいというエールを送らさせていただいて,終わらせていただきます。どうもありがとうございました。



<平成24年9月定例会>(2012年9月20日)

(佐藤)  それでは,県政の緊急性の高い最重要課題は教育問題であると思います。以後,教育問題に特化してお伺いをいたします。
 まずは,ゆとり教育から転換した学習指導要領について,以下,教育長にお伺いをいたします。
 ゆとり教育は,知識重視の詰め込み教育がいわゆる落ちこぼれを生んだという批判に対して,具体的にはみずから考えみずから学ぶという自己教育力という考え方を理念にして,教育内容の3割削減,学校に授業の中身を委ねる総合的な学習の時間の創設,学校完全週5日制の実施,薄い教科書の配布という流れでございました。改めて,このゆとり教育の総括,特に学習意欲の低下,塾に通う子とそうでない子の学力格差,理数離れ,現場の緩みを生んでしまったというような評価もありますが,御所見をお聞かせください。
 加えて,現在,脱ゆとりというこの流れについてどのように認識をされているかもあわせてお伺いをいたします。
 さらに,文部科学省では専門家会議を設けて,小学4年生以下にも外国語活動の必修を検討するとのことでございますが,新しい教科等がふえて3連休がふえ,学校の行事も大変に多い中で,例えばきのうまで幼稚園児,保育園児であった小学1年生でも今は5時間目の授業がある,そんな状況で,むしろ学期中に単元が終了できないほど授業時間が極めてタイトになっている。そうした状況をどのように認識されておられるでしょうか,土曜日の活用の仕方も含めてお知らせをください。
 一方で,こうなると夏休みについても考え直す必要があると思います。夏休みは温帯に属する国々を中心に広く実施されておりますが,基本的には夏季の暑熱の回避や,やぶ入りやお盆という夏季の伝統的な慣習によるものであります。日本の教育機関の場合,正式名称は夏季休業といい,校舎などに冷房設備がない場合が多く,太平洋高気圧支配下での授業が暑熱によって困難なので,その間を休業とするためとされています。そして,その期間に期待される教育効果の主たるものは,ふだん学校では体験することのできないことへの児童生徒の挑戦とされています。しかし,現実問題,校舎の冷房設置も進んでいるところは進んできたことや学校週5日制施行により授業時間が減ったことによる学力維持対策で夏休みを約1週間短くしたり,進学校を中心に授業時間の確保を目的に,夏休みを短縮して8月中に始業式を行う学校が増加をしております。もちろん,教職員の方々にとっては通常どおり勤務され,部活動の各種大会や合宿などの行事,教員の校務分掌に関連した会議や研修など,かえってお忙しくされておると認識をさせていただいております。しかし,ことしのように40日以上も夏休みが続く場合,共稼ぎ世帯が圧倒的に多くなってる現状で,子供が一日中クーラーががんがんきいた部屋で親がおらんときに過ごしたり,あるいは子供を塾や各種体験スクールにやれる家庭ばかりではなく,一挙にこの夏休みで生活習慣が乱れてしまう,そうした場合があるように思います。
 あくまで任意でございますが,夏休みの間,仮にこれは午前中だけでもいいんですけれども,学校に行って自主勉強する,要はチャイムがある規則正しい生活を子供たちが送ってくれれば,どれだけ子供も保護者も助かるか。仮に,冷房設備がないからそれができんのだというのであれば,その出費をあるいは保護者は惜しむものでもないかもしれません。また,公費による教育実習の場,あるいは塾との連携で子供たちも1学期の基礎からやり直すことができるかもしれません。特に教室においては,29度を超えると扇風機が,31度を超えるとクーラーが必要だというデータもあって,扇風機,クーラー,あるいはグリーンカーテン等の設置状況についてお伺いをしたいと思います。
 加えて,こうした空調等が整備された上での夏休み中の教室の活用についてお伺いいたします。
 加えて,個人が学びの主体になって一生をかけて学習を続けていく生涯学習というのは,これは実はゆとり教育とは非なるものでありまして,老若男女が相集う公民館で行われる社会教育が象徴的であります。それは,芸術,文化,環境,防災,国際交流など多種多様で,考えようによれば首長部局を含めた教育委員会の所管を外れるような概念だというふうにも思います。そうであるならば,むしろ岡山県生涯学習センターは地域の公民館などの社会教育センター機能を果たすべきものだというふうに思うんですけれども,今,未来科学棟の仕様書等を拝見させていただくにつけても,いつの間にやらこれは何か理数系についての学校教育の補完のような,そんな理念が見え隠れしてるように感じております。改めて,生涯学習センターの役割,特に地域の公民館活動に対する認識をお伺いいたします。

(教育長)  お答えいたします。
 まず,学習指導要領等についてのうち,ゆとり教育の総括等についてでありますが,ゆとり教育はゆとりある教育活動の中で生きる力を育むことを狙いとしたものでありまして,この理念は大切なものと考えておりますが,教科書の内容や授業時数が削減される中で,国際的な学力調査結果から学習意欲の低下や理数離れなどの学力低下を示す状況があらわれたこと,また学習指導要領の理念が十分に実現しなかったことはまことに残念に思っているところであります。こうした状況を踏まえ,新学習指導要領では,生きる力を育むという理念を踏襲しながら,学力向上に向けて教育内容や授業時数の増加等が図られておりまして,理念の実現に向けてしっかり取り組んでいきたいと考えているところであります。
 次に,授業時間の確保についてでありますが,このたびの学習指導要領では学習内容の増加に伴い授業時間も増加し,小学校1年生は毎日5時間,4年生以上はほぼ毎日6時間の授業を行っており,さらに授業時間をふやす余裕はほとんどない状況であります。そのため,各学校や市町村教育委員会では,学校行事の精選,長期休業日の削減,2学期制の実施等を行っておりますが,土曜日の活用も授業時間確保に有効と考えておりまして,県といたしまして規定の整備を図るなど,その取り組みを支援してまいりたいと存じます。
 次に,扇風機等の設置状況についてでありますが,扇風機の普通教室への設置は県立高校で3.6%,市町村立小中学校で92.6%,クーラーの普通教室への設置がそれぞれ94.5%と3.5%,校舎のどこかにグリーンカーテンを設置しているのがそれぞれ40.0%と32.8%であります。夏休み中の教室の活用につきましては,子供たちの登下校時の安全の確保に留意する必要はありますが,学習に取り組みやすい環境を整えることになり,さらに空調等が整備されれば学習の能率が上がることが期待できるところであります。現在,希望者への補充的な学習として実施している小中学校もあり,また県教育委員会といたしましても学力向上の面からも推進しており,一層各校で工夫して取り組むよう働きかけてまいりたいと存じます。
 最後に,生涯学習センターの役割についてでありますが,お話の未来科学棟は幅広い世代の科学の学習機能を強化する施設であり,これらも含め,センターは県民の生涯学習の振興のため,社会教育担当者や地域の方々を対象とした指導者養成やさまざまな学習情報の提供等を行う施設であります。公民館につきましては,地域のきずなの必要性が指摘されている中,人づくりや地域づくりの拠点として重要な役割を担うものとして認識しておりまして,今後も生涯学習センターの機能を高めながら公民館の振興に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  ありがとうございます。
 特にこれ一つは要望で,生涯学習センターにつきましては,やはりこれは平日の利用というのはもちろんあるんですが,土日にどれだけ科学実験ができて,老若男女が集まって実験ができるかというのが一つの視点だと思いますが,逆に平日,この例えば遠足で来た子供たちに朝から晩まで生涯学習センターおって科学の勉強せえよというのを,これをずっとやるのはちょっと難しいぞというふうなことは指摘をさせていただきたいなあと思います。
 質問でありますが,これは教育長さんの御認識をお伺いしたいんですけれども,特に高校生の教室のほうには今,大変クーラーが設置されている。これは大昔,いわゆる高校生会議というのがありまして,10年以上前でありますが,最後には高校生が表町商店街で署名活動までする,そうした事態にまでなってしまいましたが,高校の教室はクーラーがあるんですが,小学校の教室はなかなかこれはクーラーを設置するのは難しいとは思うんですけれども,現実問題,教育環境としてクーラーがええか扇風機がええかと考えたときに,私ちょっともう扇風機に限界が来とるような気がしておりまして,子供は風の子という言い方はあるんですが,何ぼにも教室が暑いということで,一度小学校の教室に行っていただいたり体育館に行っていただければ,扇風機が回っとったら余計熱い風をかき回してむしろ暑いんじゃという状況があるんですけども,教室の扇風機とクーラーについての御認識をどのようにお持ちかしらとお伺いしたいと思います。

(教育長)  お答えいたします。
 私,個人的には,若いときにはしっかり体を鍛えていく,心も鍛えていくということで,少々の暑さには負けないと,心でそこは乗り切っていくというのが基本的な考え方でありますけれども,昨今のこの教室の中の暑さというのは異常でありまして,熱中症といったような問題もありますので,そういったようなことには配慮していかなければいけないので,室温に応じてはやはり扇風機でなくてクーラーにしていく必要があるのかなというふうには思っております。そういった面もあって日本では夏休みという期間を設定してるわけですけれども,諸般のいろんな状況からそういうエアコンの必要性も出てきているんかなというふうには思っております。
 以上でございます。

(佐藤)  先ほど教育長,御答弁ありがとうございました。
 実は,教室にクーラーを設置して夏休みや長期休暇のときに,あ,いや,質問ではありません。圧縮しますけれども,ごちゃごちゃして済みません。そういう中で,やはりクーラーの設置は必要になってくるというのがつながってきます。
 それでは次に,脱ゆとりの象徴とも言われる平成24年度の全国及び岡山県学力・学習状況調査結果について,以下,教育長にお伺いをいたします。
 これは小学6年生と中学3年生の国語,算数,数学,理科の全般的な学習習熟度と応用力を見るテストでございますが,確かに岡山の順位は低い。これは低過ぎます。一方で,何で秋田県や福井県や富山県はいつも学力が上位になるのか。しかし,学校質問紙調査からすると,教科の指導内容や指導方法について,岡山県では近隣の小中学校の連携割合は実は全国平均よりもはるかに高い。何よりも,児童生徒質問紙調査からすると,例年,岡山県の児童生徒の自尊感情,いわば自己肯定感というのは実は全国よりも高いというデータがあります。一方で,秋田県は,大学進学率となると実は全国35位でありまして,自殺率は全国1位という大変に厳しいデータもあります。つまりは,いわゆる全国学力テストというのが一体何を見ているのか,あるいはどうやればこのテスト成績が上がるのか,これは冷静に見ておく必要があるんじゃないかと思います。そもそも,全国学力テストとは何なのか,特に下位と上位の違い,岡山県と秋田県の結果の違いは何から生じているのか,教育施策なのか教育予算なのか,特に岡山県の教育支出の割合が全国何位程度に位置するものかを含めて教育長の御認識をお伺いします。
 次に,こういった全国学力テストが必ずしも岡山県の子供たちの学力の実態を的確に把握できていないとすれば,学習指導要領をベースにしつつ,入試合格を目標にした塾の模試や学力テストにおける成績上位者の出現率,さらに塾に通う通塾率,中学受験率,大学進学率が具体的に岡山県が全国何位にあるのか,その推移を含めて現状認識をお伺いいたします。
 そして,その数値と今回の全国学力テストの関係が意味するものは,結局のところ子供の学力が上位,中位,下位の三極化が進んでしまっておるんじゃないか,認識をあわせてお伺いをいたします。
 加えて,教育格差ということが言われて久しいんですが,あえて伺いますが,現在,実態として所得の少ない家庭では易しい内容の教育しか受けられず,所得の多い家庭ではいわゆる難度の高い教育を受けられて,さらに高いレベルの高等教育も受けられるんじゃないか。すなわち,学力の三極化が進んでいると思われる中,実は所得の格差によって子供の学力に影響が出てしまっているんじゃないかという印象は,我々子育て世代が誰しも持っているものでありますが,どのような認識をお持ちでしょうか,またこれに対してはどう対応すべきとお考えでしょうか。
 特に,小中学校の義務教育というのは,これはあくまで保護者にとって教育を受けさせる義務であるわけですが,この教育費の負担というものが子育ての経済的な負担の重きを占めるならば,何よりも結果の平等ではなくて,機会の平等がそもそも確保できてないんじゃないかということであれば,自由に競争できる社会の前提すら欠くことになるんじゃないか,そのように私は思います。さらに,大都市や周辺部に居住して小学校の早期から受験塾に通学することが可能な経済力と文化的環境がある者が有利になる地域間格差も生じてしまっていないか,またそれに対してどんな対応すべきか,認識をお伺いします。
 加えて,全国学力テスト,これは実は学校ごとの数値はもちろん公表されておりませんから顕著になっておりませんが,学校間の学力格差というものが存在するのか,その原因や対応についてもお知らせください。
 そして,これは残念ながら,岡山県が進めてきた中高一貫教育,これは一つの評価でありますけれども,積極的に特別支援学級を設置するならばまだしも,いわゆる小学生のお受験の前倒しを生んで,先ほど申し上げた経済格差を背景にした学力格差を助長し,なおかつ地域コミュニティーにおいて極めて重要な公立小中学校の運営にも影響を与えてきてしまってるんじゃないか,そうした評価もあります。改めて,県教委が県立中学校をつくる意義について,特にこれは市教育委員会との関係も含めて認識をお知らせください。
 また,あえて公教育と少子化対策との関係について保健福祉部長にお伺いをいたします。
 特に,幼稚園就園奨励費の充実や研修,給与を含めた補助,就学前の私立,公立幼稚園,保育園の格差是正,さらには国が目指す幼・保の総合施設の認識について,これは就学前の教育,少子化対策としてお伺いをいたします。

(教育長)  お答えいたします。
 まず,全国学力テストの意義等についてでありますが,本調査は国語,算数,数学の学力と学習状況の両面から把握できた結果に基づいてこれまでの教育施策の成果と課題を検証し,その改善を図るものであります。質問紙調査等で本県と比べて秋田県がすぐれていると思われるところは,授業改善や授業中の子供たちの学習態度,家庭での学習時間などであり,こうした背景には学校と保護者,地域住民との緊密な協力関係やこれまでの取り組みの歴史や徹底度等に違いがあるのではないかと考えているところであります。
 なお,教育支出の割合につきましては,平成22年度分の地方教育費調査によりますと,小中学校に係る人件費や活動費等では本県は34位であり,学力上位県におきましても同様のところもございます。こうしたことを踏まえ,これまでの学力向上施策について第三者の視点も取り入れ早期に分析し,実効性のある取り組みへと改善してまいりたいと存じます。
 次に,現状認識等についてでありますが,塾の模試等の成績上位者の出現率,中学受験率につきましては把握していないところでありますが,24年度の通塾率は,小学校19位,中学校21位,大学進学率は22位で,ここ数年,横ばいで推移しておりまして,全国的にも平均的な位置にあります。県の学力調査結果からは,通塾の有無による学力に大きな差は見られず,また正答数の分布からは全国に比べ中,下位層がやや多い状況がありますものの,お話の三極化は認められないところであります。
 次に,所得による格差についてでありますが,国の委託で行われました全国学力調査の結果分析によりますと,保護者の子供への接し方や教育に対する意識,保護者のふだんの行動などが子供の学力に影響を与えているとの指摘もございますが,お話のように所得の格差によって学力に差が生じている状況も見られるところであります。こうしたことを踏まえ,市町村教育委員会に対し放課後の学習サポートや土曜日,長期休業中等における学習の場の提供等について強く働きかけているところでございます。
 次に,地域間格差についてでありますが,これまでの学力調査結果からも地域間に学力面での差が見られるところであります。こうした地域の状況にかかわらず子供たちが学力を確実に身につけられるよう,県教育委員会では土曜日等に地域の協力を得て行うホリデーわくわく学習支援事業等によりまして市町村や中学校区単位での補充学習等を支援しておりますが,各市町村においても独自に地域の教育力を高める取り組みが進むよう働きかけてまいりたいと存じます。
 次に,学校間格差についてでありますが,学校により学力や学習状況に差があることは認識しておりまして,その原因としては落ちついた学習環境や教員の指導力,家庭での生活や学習習慣の違いなどがあると考えているところであります。しかしながら,厳しい状況の中でも授業改善や放課後の学習支援等,教員による熱意ある取り組みにより成果を上げている学校もございます。県教育委員会といたしましては,こうした効果的な取り組みを県下に積極的に広め,また課題のある学校に対しましては授業改善に向けた指導主事の派遣や放課後等の補充学習の働きかけを行いますとともに,重点的な教員の配置に努めるなど,子供たちの確かな学力の向上に取り組んでまいりたいと存じます。
 最後に,県立中学校についてでありますが,中高一貫教育は学校の選択幅の拡大を図り,6年間を見通した教育指導等により生徒の個性や才能の伸長を図る上で意義あるものと考えているところであります。また,市教育委員会とも十分協議しながら,県立と公立中学校間の人事交流や地元中学校への授業公開を積極的に行うことによりまして,各校の授業改善や教員の指導力の向上を目指してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(保健福祉部長)  お答えいたします。
 就学前の格差是正等についてでございますが,教育機関である幼稚園と児童福祉施設である保育所はそれぞれ別の法令で制度化されておりますが,保育所は児童福祉法に規定された保育指針等に基づき保育の内容等が定められているため,保育所間でサービスの格差は生じていないと考えております。近年の保育,教育ニーズの多様化を踏まえ,保育所,幼稚園それぞれのよさをあわせ持つ施設について国において議論されてきましたが,お話の幼・保の総合施設である幼・保連携型認定こども園は,幼児期の学校教育,保育の総合的な提供が可能となるとともに,家庭,地域の子育て支援に資することが期待されていると承知しております。
 以上でございます。

(佐藤)  先ほど大学進学率とか通塾率が全国大体20位平均前後と,にもかかわらず全国学力テストが低位になるというのは,これはよっぽど問題の根がむしろ私は深いなというように思いました。
 その中で1つまずお伺いするのが,特に秋田県との比較において,秋田がやってること,例えば県レベルの学力テストであったり授業法の改善研修であったり,特に家庭教育については家庭教育学びの十か条というふうなことで大変力が入っておるわけでありますが,それ以外にも学習状況調査なども独自にやられてるということで,言ってみればトップの県のこの教育のあり方について,岡山県がたちまちこれは入れるべきだなあというふうな検討をされているのかどうか,どれならやれるぞということをお考えか,1つお伺いしたいと思います。
 それから,2つ目のこの全国学力テスト,実はうちの子供も小学6年生でございましてことし受けとるということで,レベル下げとるかもしれませんが,このときにうちの子供にちょっと聞いてみましたら,「テストあった」と言うたら「あったよ」と言うて,「何のテストじゃったかようわからなんだ」と。ほんで,「先生最後までやれえ言うたか」と言うたら,「いや,全然そんなこと言わなんだ」と言うてということで,それはある意味きっちりやられたんだと思いますが,恐らく秋田県がやるときには本気で気合いを入れて,全国学力テスト予備テストとか,あるいは何があっても白紙で出すなというふうなことはやってたように思うんですけども,あくまでテストごとですから点を上げようと思やあ上げれるんじゃないかと思うんですが,その全国学力テストの点の上げ方について何かお考えではないですかということをまずお伺いしたいと思います。
 それから3つ目に,先ほどの中高一貫校でありますが,私は中高一貫校の県立高校の理念そのものを否定するわけでもなければ,今行ってる学校や生徒さんを否定するわけではもちろんありません。ただ,この学校があることによって,今の公立や小学校や中学校にどのような,ある意味デメリット,弊害の部分が出ているかどうか,特に地域コミュニティーでいいますと中学生や保護者の方もおられなくわけでありますから,それについての御認識を改めてお伺いしたいと思います。

(教育長)  3点ということで,まず秋田県の取り組みでありますけれども,平成19年度にこの全国学力テストが実施されまして,秋田県が上位であったと,トップであったということでありまして,早速,我々のほうも職員を秋田県に派遣いたしまして,どういった取り組みがあるのか確認をしてまいりました。現在,我々のほうでやっております単元別の到達度確認テスト,こういったようなものはそれを取り入れていったということでありますし,子供たちが自主的に学習できるような教材も開発して配布をしたと。これは期間限定ということで現在は行っておりませんけれども,そういう意味で秋田県のいいところ,例えば指導主事が学校を回って授業改善を指導していくとか,そういうふうなものはどんどん取り入れていっております。学びの十か条というのもありましたけれども,我々のほうも学びのすすめ10カ条といったようなものをつくって学校のほうへ伝えておるわけでありますけれども,要は徹底度がなかなか秋田県のような割と小ぢんまりとした地域,県とその辺がちょっと違っているのかなあというふうに思っております。
 それから,2番目の子供への働きかけということで,本気でテストに取り組んでいくという,こういう姿勢は私は当然それは必要だろうというふうに思いますし,学校であしたはテストがあるからしっかり今までの復習をしてきなさいよという働きかけやら,途中でやめて寝てるような子供がおったら起こして,頑張ってみいということは当然やってほしいなというふうに思っております。テストに当たる点の上げ方というよりもテストに対する姿勢というのは,やはりこの学力テストというのはどれだけの力がついてるかということですので,各学校におきまして年度末には,基本的には単元別が一番いいわけですけれども,そういう過程を経ながら,年度末にはどこまで到達しているのかということをこういう学力テストも活用しながら確認していただいて,不十分なところは春休みに宿題を出してそれをチェックしていくといったような,そういう地道な取り組みが必要だろうというふうに思っております。
 3点目ですけれども,中高一貫の地元に与える弊害がということでありますけれども,弊害という言葉ではどうかなというふうに思いますけれども,やはり一般的に我々が聞いておりますのは,地域の中でリーダー性のある子供が集まってきているんだという状況がありまして,なかなか地元の公立の中学校がリーダーが育たないというようなお話も聞いております。そういった面で,我々はやっぱり県立中がきちっと授業のいい授業モデルをつくって中学校の先生に示していく,そういう面での授業公開をしていくとか,それから生徒間の交流といったようなものもやっぱり積極的に進めていって,その地元の中学校をひっくるめてそういう交流をしていくことが必要ではないかなというふうに思ってるところであります。
 以上でございます。

(佐藤)  済みません,教育長祭りの状態になっとりまして,申しわけありません。
 それでは次に,いじめや不登校の問題について,以下,教育長にお伺いをします。
 いじめ,不登校の問題は,子供たちの学力をめぐる問題と私は根っこは同じだというふうに思います。誰かの責任追及をするんではなくて,平成18年の9月定例会で申し上げた提言について,改めてお伺いをさせていただきます。
 当時は黙殺をされましたけれども,提言その1の岡山っこ宣言につきましては,告知は十分とは言えませんが,先ほど教育長おっしゃられたこの7月に発表されたおかやまの子どもの生活信条,子どもの健全育成に向けた大人の生活心得に反映されたものだと思います。問題は,こうした標語を毎日唱和させたり掲示したり,いかに子供たちの心にしみ込むほど浸透させるかでありますが,教育現場における具体的な活用方法についてお伺いをいたします。
 関連して,特に新学習指導要領に対応した道徳は,副読本はあるものの教科書そのものはなく,極めて指導が難しい学習,特に高校においてはそうだと思いますが,道徳教育の現状と課題についてお伺いいたします。
 そして,提言のその2は「早寝早起き朝御飯,家族で一緒に晩御飯」でありましたけれども,これ私自身がますますできなくなったので,これはもうやめておきますが,提言その3は,14歳のあなたへという親から子へのメッセージでありました。岡山市内の当時はやや荒れていた中学校で親の気持ち,思いを子供たちに伝えれば,きっと子供たちは理解して成長してくれると担任の先生が考えられて,2年生の保護者全員に14歳のあなたへという我が子へのメッセージを書くことが冬休みの保護者への宿題として出されました。恐らく5歳のあなたへならきっと我々も簡単に伝えることができると思いますけれども,思春期の真っただ中,14歳のあなたへ親が伝え,そしてまた子供たちがそれを受けとめることがいつの間にやらいかに難しくなっているか。もちろんいろんな保護者がおられ,内容もさまざまでありますけれども,親の気持ち,思いが一冊の本にまとめられて,子供が生まれたときのこと,少しずつ親から離れていくうれしさと寂しさ,気持ちが通わなくなっていく寂しさ,それでもしかし表現方法はさまざまですが,いかに子供たちを親が愛しているか。正直に申し上げて,私はこの14歳のあなたへという文集を涙なしに読むことはできませんでした。恐らく,子供たちはなおさらだったと思います。この学校は,毎年14歳の子供を持つ保護者に子供にメッセージを書く宿題が親に出されて,3学期の参観日の授業の題材にそれをまとめた文集を使って子供たちの感想を聞く中で,親と子のお互いの思いがしっかりと伝わってか,それ以来,学校が落ちついてきたということで,この14歳のあなたへはこの学校の今,誇りになっております。
 どこの親が自分の子供がいじめられることやいじめることや暴力を振るうことや,ましてや自殺することを望んでいるでしょうか。自分の子供が苦しむのを喜ぶ親はいません。本当はどこまでも子供と本気で向き合うのは,私は学校の先生でも行政でも専門家でもなく,親でないといけないというふうに思います。5歳のあなたへ,あるいは10歳のあなたへ,あるいは14歳のあなたへという親から子へのメッセージを親の宿題にすることについて,教育長の御所見をお聞かせください。

(教育長)  お答えいたします。
 まず,いじめ問題等についてのうち,おかやまの子どもの生活信条等についてでありますが,本年2月の県民フォーラムでの提案を受けまして,県民の御意見などをもとに作成し,全ての学校・園や家庭等に配布したところであります。学校・園に対しましては,教室や廊下等さまざまな場所への掲示,幼稚園や保育所での毎朝の唱和,道徳の授業での活用のほか,児童会や生徒会による学校全体の生活目標としての取り組みなど,積極的に活用するよう働きかけているところであります。また,幼いころから遊びの中で身につけられるよう,かるた等の作成についても検討してまいりたいと存じます。
 次に,道徳教育の現状等についてでありますが,豊かな人間性を育み社会の中で活躍する人材を育てる上で,道徳教育の果たす役割は非常に重要でありますが,教材や指導方法等の工夫が十分でなく,子供たちに道徳性が身についていない状況も見られるところであります。現在,郷土の先人や文化遺産等に学ぶことや自然体験,社会体験等の活動を工夫していることに加え,新たにこのたび作成した子どもの生活信条を活用することも考えておりますが,何よりも指導に携わる全ての教員の指導力の向上や子供たちの心に響く教材の開発が課題であると考えているところであります。
 最後に,親から子へのメッセージについてでありますが,お話の14歳のあなたへといった親の思いや願いを子供に伝える取り組みは,10歳での2分の1成人式や14歳での立志式等の場を活用して取り組んでいる学校もありまして,親がきちんと子供に向き合い,子供も親のぬくもりを感じたり,自分を振り返り,将来を見詰めることにつながっていると聞いているところであります。子へのメッセージを親の宿題とすることにつきましては,複雑な家庭環境にある子供たちにも配慮する必要がありますが,親の意識を高める方法と考えておりまして,こうした取り組みを学校やPTAに紹介してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  最後に,教育委員会そのものについてお伺いいたします。
 今議会の答弁でも教育長から市町村教育委員会に指導,助言という言葉が頻繁に使われておりますが,この上下関係というのが私は理解しかねるのですが,市町村教育委員会の独自性という観点からしても,そもそも小中学校と高校が市町村と県の別々の教育委員会に委ねられている意味は何なのでしょうか。特に,小中学校の教育現場との忌憚のない意見交換をどのように行われているのか,教育長にお伺いをいたします。
 また,教育委員会も独立の行政委員会ではありますが,民主的なコントロールを及ぼすという意味では,あくまで民間から議会の同意を得て任命された教育委員の方の役割は極めて大きいものがございます。教育委員が民意をいかに教育行政に反映させているのか,またそのためにどの程度,教育現場を回られたり公聴会等の開催をされているのかお伺いをいたします。
 また,知事と教育委員の定期的な意見交換がどの程度行われているのか,教育委員長職務代理者にお伺いをいたします。

(教育長)  お答えいたします。
 教育委員会についてのうち,市町村教育委員会との関係等についてでありますが,小中学校は児童生徒の通学距離や通学時間等の観点から身近な市町村に設置が義務づけられ,市町村教育委員会が義務教育の実施主体として責任を負うこととなっており,県は市町村教育委員会の自主性を尊重しつつ,必要に応じて指導,助言を行い,県下の義務教育の水準確保の責務を担っているところであります。高等学校は,多様な学科の設置や学校規模の適正化など全県的な教育の機会均等を図るため,主に県が実施主体となっているところであります。
 また,意見交換につきましては,これまでも本庁や教育事務所等の職員が日常的に学校を訪問し,行ってきたところでありますが,今回の学力や問題行動調査の結果を受けまして,先般から教育庁幹部職員が県内の小中学校を訪問し,直接,管理職や教職員から忌憚のない意見を聞き,共通理解を図り,一丸となって教育課題の解決に取り組むよう働きかけているところであります。

(教育委員会委員長職務代理者)  お答えいたします。
 民意の反映等についてでありますが,教育委員は年齢,性別等に偏りが生じないようにするとともに,必ず保護者を含む構成としており,それぞれの知識と経験をもとに教育委員会会議で議論し,教育行政に関する重要事項や基本方針を決定しております。また,教育委員が学校や市町村教育委員会はもとより,地域の方々や公安委員など幅広い分野の関係者と年10回程度,意見交換を行ってるほか,外部有識者の知見を活用した自己評価も実施するなど,教育行政に関するさまざまな意見の把握に努め,教育施策に反映させております。さらに,年に1回,定期的に知事との意見交換会を実施しており,昨年度末にはグローバル人材の育成や落ちついた学習環境づくりなどについて議論したところであります。また,教育委員の一人でもあります教育長は,日ごろから十分に知事と協議を行いながら,本県教育の諸課題に対応しております。

(佐藤)  今回は本当に教育長に質問を絞らさせていただきましたが,それだけ今,事態が深刻だということで,特に私の子供も6年生ということがありますが,本当に今,子供たち,いじめ,不登校,これがあるから例えば地元の中学校に行かせるのが怖いから県立の中高一貫校に行かせたい,そういう保護者も実はいるんです。それだけ今,学校が荒れてる状況になっている,もう事態はかなり深刻と言わざるを得ない。そして,今,多くのこの答弁の中でこれだけ皆さん頑張っているのに,にもかかわらずこの全国の統一のテストでやると岡山が下位になる。これは大変な事態だと言わざるを得ません。
 原因がわかっているけどわからない,この状態の中でも今やるべきことは,石井知事がこの任期,特に今,ことしラストイヤーになりますが,財政危機宣言を発令されて4年間で行財政構造改革を行われたように,これは全国で本当に恥ずかしいことでありますけれども,私は今,岡山県は教育危機宣言を発令して,本当に岡山県挙げてみんなでやろうと,これを解決しようと。そうしたこれは特に教育の日が11月1日にありますけれども,誰のせいではない,自分が悪いんだと,自分が頑張れば子供たちようなるよということで力を合わせるようなそうした宣言,全国に初めてのとても恥ずかしい宣言でありますが,ただ3年,5年たったら,あの教育危機宣言をした岡山県が何と秋田県を抜いて全国1番になっとるぞと,そうしたら夢をやっぱり描いていきたいと思いますが,ぜひ教育危機宣言を,恥ずかしい宣言をしていただけないでしょうか,教育長にお伺いいたします。

(教育長)  教育危機宣言の発布をということでございますが,実は私も今回,学力向上アクションプラン5年目のその総決算の結果,四十五,六位という順位だけではなくて,平均正答率が全国からまた離れてしまったと。そういう状況に加え,不登校,それから暴力につきましては,これは600件ほど件数は減っておるわけですけれども,全国的にまた厳しいということで,実は同様の思いを持っているわけでありますけれども,一方で確かにどうなのかなというそういう部分もありまして,現在どうするかということ,やるんなら市町村の教育委員会あるいはPTAともどもやっていく必要があるんだろうなということで,今後もそういう思いは持ちながら調整をして,そしてみんなが心を一つに岡山県の教育を立て直していくんだというそういうことになるんなら,思い切って頑張っていくのも手かなというふうには考えているところでございます。
 以上でございます。

(佐藤)  今回の議会で石井知事が退陣されますけれども,本当に行革を頑張ってくださった,そして成果も出ているということで,まさにこの石井知事の思いも教育行政の中で引き継いでいって,全国でとても恥ずかしいことかもしれませんが,しかしそれを乗り切る岡山県ということで,ぜひこれは要望でありますが,恥ずかしいけれども,全国初の教育危機宣言を発令して,岡山の子供たちを全国一にするために頑張っていただきたいというか,私も頑張りますので,ぜひよろしく御検討をお願いいたします。ありがとうございました。



<平成24年6月定例会>(2012年6月26日)

(佐藤)  思えば,落書き調査隊として中心市街地の落書き一斉消去活動をするたびに,知事に御参加いただいたりして,一緒に町じゅうの落書きを消して回ったことは,今となっては何か楽しい思い出でございまして,さらにNPOや国際貢献に関する条例は,一緒につくってきた感もありますし,議会で提言させていただいた「ももっち」の仲間の「いぬっち」,「さるっち」,「きじっち」,さらに「うらっち」,仲間をふやしてくださいました。ある意味,私も議員として知事に育てていただいたことを,心から感謝申し上げたいと思います。
 その中で印象に残る論戦は,何といっても,岡山県立児童会館についてでございます。公の施設の見直しの中で,廃止とされていたものがデジタルプラネタリウムがある未来科学棟(仮称)として生まれ変わることになりました。最初は,耐震診断すらせずに老朽化を理由に取り壊される運命にあったものですが,署名運動まで展開する我々もかなりしつこかったですけれども,最後は知事の御英断で,岡山の子供たちの未来の可能性を広げる施設として残ることになった,これについては心から感謝を申し上げます。乾いたぞうきんを絞るような行財政構造改革でありましたけれども,決して血も涙もなかったわけではない。
 まず,知事に未来科学棟(仮称)への思いをお伺いいたします。
 もちろん児童会館は,生涯学習センターの横にあるのに,教育委員会は何をしとるんならということで,生涯学習センターの一部になりましたが,教育長にも同じことをお伺いいたします。
 また,未来科学棟(仮称)開設に向け,増員された担当課の方も,今,かなり気合いが入っておりまして,勢いを感じておりますが,一方で産学官民の連携という意味では,企業,大学,地域やNPO等との連携が重要でございます。今後,生涯学習センターと未来科学棟(仮称)について,指定管理者制度を導入されるおつもりであるか。される場合は,どういった役割分担で行われるか,お知らせください。教育長にお伺いをいたします。
 加えて,子供たちの理科離れが言われる中で,小学校において理科の実験指導ができない教師がふえている現状がございます。いわゆるでき合いのキットに頼る傾向が見られるんですけれども,知的好奇心から,仮説を立てて立証する実験というのは,極めて重要なものです。現状の認識と対応策について教育長にお伺いをいたします。
 関連して,特に池田動物園,京山ソーラーグリーンパークがある周辺は,世界に誇るESD(持続可能な開発のための教育)のメッカでもございます。そして,2014年には,国連が定めた10年間のESDの取り組みの成果などを取りまとめる最終年会合が岡山市と名古屋市で開催されます。これは,もう大変に意義のある国際会議でございまして,生涯学習センターやスーパーサイエンスハイスクールなど,こぞって参加・協力すべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。教育長にお伺いいたします。
 さらに,私は,例えば未来科学棟(仮称)を活用した人材育成を含めて,科学技術の成果を産業や県民生活に結びつけるための科学技術振興指針の見直しの必要性を強く感じております。御所見をお聞かせください。

(知事)  お答えいたします。
 未来科学棟(仮称)についての思いでありますけれども,現在,教育委員会におきまして,25年度春のオープンに向けまして取り組んでいるところでありますが,こうした場で,子供を初め幅広い世代の方々が未来につながる科学の学び,体験,そして交流を通しまして,科学に対する興味,関心を高めていくということは,これは大変意義深いことであると考えております。私自身も県内外のプラネタリウムに出向きまして,そしてさまざまな体験をさせていただきました。映像の美しさ,そして迫力に,これに引き込まれたり,それから宇宙の神秘,こういったことに思いをはせた,こういうことを,今,思い起こしているわけでございます。こうした学習機会を提供いたしまして将来への夢,そして希望を与える施設と,ぜひなってほしいと願っているところでございます。
 次に,科学技術振興指針の見直しであります。
 本県では,競争力のある産業づくりや県民生活の向上に向けまして,科学技術の振興を図るために,9年度に岡山県科学技術振興指針を策定いたしまして,科学技術を担う人づくり,あるいは研究機関の機能強化,産学官連携による研究推進などに取り組んでまいりました。この指針の基本的な目標とか考え方の重要性,これは現在も変わらないところではありますが,昨年度取りまとめられました国の第4期科学技術基本計画とか,あるいは御質問にございました未来科学棟(仮称)の活用等の新たな動きも踏まえながら,県民にもわかりやすい内容となるように,今後見直しを検討してまいりたいと思います。

(教育長)  お答えいたします。
 まず,未来科学棟(仮称)等についてのうち,思いについてでありますが,旧県立児童会館が未来につながる科学の学び,体験,交流の発信拠点として,未来科学棟(仮称)に生まれ変わり,県民の皆様が科学に触れる機会が加わるなど,生涯学習センターの機能が強化されますことは,意義あることと考えております。今後,未来科学棟(仮称)が魅力ある施設となりますよう,産学官民の連携・協働を深めますとともに,生涯学習センターの役割である指導者養成・研修,学習情報の提供,学習講座の開設といった機能も充実させ,「生涯学習社会おかやま」の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
 次に,指定管理者制度についてでありますが,現在,生涯学習センターにつきましては,生涯学習の中核拠点としての機能を果たす施設でありますことから,施設維持管理等の業務を指定管理者が行っているところであります。未来科学棟(仮称)につきましては,さらに学校教育と密接に連携する事業を行いますことなどから,総合企画調整や指導者養成等につきましては,県で実施することとし,施設維持管理やプラネタリウム運営等につきましては,民間のノウハウを活用するため,指定管理の対象にしたいと考えているところであります。
 次に,理科の実験についてでありますが,昨年度の県学力調査で,約7割の子供が理科を好きと答えておりますが,教科担任制ではない小学校では,理科の指導を得意としない教員もおりまして,お話のような状況も見られるところであります。このため,教員の理科指導力の向上や校内の研修体制の整備が重要と考え,指導力の向上につきましては,昨年度から岡山大学と共同して,観察・実験の基礎・基本を学ぶ研修会を県内20カ所で実施いたしますとともに,県総合教育センターによる研修講座を年11回行っているところであります。また,校内研修等を推進する体制づくりといたしましては,各地域の理科教育のリーダーを育成するため,教員26人を岡山大学に派遣しているところであります。さらに,教員の実験等に関する指導力を高める場として,未来科学棟(仮称)の特色を生かせるよう検討してまいりたいと存じます。
 最後に,ESDへの参加等についてでありますが,お話の岡山市での最終年会合は,現在,その具体的な内容について,開催を誘致した岡山市が国と協議を行っている段階でありますが,国内外の高校生や教員によるフォーラムが計画され,高校生もその企画・運営に参画すると聞いているところであります。生徒が海外の高校生と英語により交流しながら,地球規模の問題について主体的に考えることは,大変意義深いことでありまして,成功に向けて岡山市に協力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  教育長さんに再質問させていただきます。
 今のESDのことでございますが,持続可能な開発ための教育,岡山の場合は,特に環境問題に非常に特化している部分もあるし,それが先進的ということもあるんですが,同時にまた,この地域,大変に科学の芽もたくさんあるということで,その中で私自身が一宮高校の卒業生だから言うのではないんですが,スーパーサイエンスハイスクール,こうした県立高校や私立高校も,今,科学に対してかなり先進的な動きをされ,さらに海外との交流もされている。その中で,やはり岡山市に協力をするという御答弁でありましたが,岡山県教育委員会のほうから各県立高校,これは今,年度の途中で言うのは難しいと思いますが,来年度当初,こうした形でESDに協力をという働きかけが県教委のほうからはできないんでしょうか,お伺いします。

(教育長)  お答えいたします。
 この問題につきましては,先日岡山市のほうの担当者からもいろいろとお話を聞いておりまして,まずは高等学校長の会のほうへ説明をしてほしいということを申し上げておりまして,我々のほうも,これは相当大規模な高校生の会議でありますので,岡山市だけではなかなか十分に対応できないだろうということで,県教委といたしましても,いろんな機会を通じて校長のほうへ伝えてまいりたいというふうには思っております。



<平成22年11月定例会>(2010年12月7日)

(佐藤)  これに関連して,もうこれはくどいとわかりつつも,どこまでも岡山県立児童会館についてお伺いいたします。
 知事は,提案説明で,県立児童会館について「耐震診断を行ったところ,修繕工事を実施することにより使用が可能であることが判明しました。このため建物の利活用について,県議会を初め県民の皆様からいただいた御意見等をもとに,現在隣接する生涯学習センターとの一体的な活用などについて検討を進めているところであり,早期に方針を決定したいと考えております」とおっしゃられました。隣接する生涯学習センターとの一体的な活用は,2月定例会で私自身が教育長に向けた質問の流れでございますから,本来は歓迎すべきところでありますが,正直なところ,この説明を聞いて,私は大変に怖くなりました。児童会館については,2年間の延長をしましたけれども,そもそも耐震診断もせず老朽化を理由にはなから児童会館を取り壊してもよいと考えておられたわけでございますから,今さら判明というのが何なのか,本当に危なかったというふうに思いました。特に,民間に経営譲渡されたハウステンボスが黒字に転じ,8年ぶりに社員にボーナスが支給されるという報道を聞くと,財政を理由に本当に壊してしまってよかったのかと思うものが幾つもあります。
 そこで,改めてお伺いします。失礼ながら,生涯学習センターが十分な生涯学習センターとしての機能を果たせているとは思えない状況で,よもや児童会館を会議室等に使われよう,そのようなことは思っていられないでしょうね。まずは,生涯学習センターの存在意義と稼働状況について,教育長にお尋ねいたします。
 何よりも知事も御夫妻で小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」の映画をごらんいただいた県立児童会館のプラネタリウムについてはどのようにお考えでしょうか。ちなみに,私の小学4年生の子供は,このプラネタリウムで「HAYABUSA」を見て以来,「HAYABUSA」のポスターを部屋に張って宇宙関連の記事やニュースに関心を持って本を読むようになりました。きょうの「あかつき」の金星軌道突入は,全国の子供たちが注目しています。スポーツで才能を伸ばす子供たちもいますが,文化芸術や研究の分野で未来の可能性を切り開いていく子供たちのためにさまざまなチャンスを提供するのも,また,私は大人の役目だというふうに思います。その中でプラネタリウムの果たす役割は,今後も大きいと考えます。特に,岡山市のシンボル京山に,独立行政法人産業技術総合研究所の高性能集光型太陽光発電システムが設置され,その電力利用として,両備ホールディングスさんの共同研究が行われるようになって,さらに多くの大学が集積している地域でプラネタリウムがある児童会館には,例えば,理科や科学に特化したような学習体験施設があったり,電気自動車のエンジンや最先端の物づくりの成果物の展示等があれば,子供たちは限りない可能性を広げることができるでしょう。
 ところで,判明する前に結論を先に申し上げますけれども,このプラネタリウムは老朽化していますが,確実に今後も使用できます。1980年にMS−15手動機として納入された児童会館のプラネタリウム機器は,十分な保守保全と新型,各種補助投映機器等の導入もあって,確かに30年以上たってますけれども,無事稼働しており,老朽化が目立つ箇所もあるものの,定期的な保守,一部部品交換を継続的に進めれば十分に使えます。特にコンソール,制御装置でございますが,これがコンピューターを搭載した自動機ではなくて手動機であるがゆえ,かえって故障時の修理対応は十分可能です。一方で,特殊効果投映機を含めた補助投映機関連については,デジタル機器に世代交代の時期,これはもうどこもそうなんですけど,そこに来ており,それに順次対応していけば問題はございません。一方で,渋谷駅前の渋谷東急文化会館にあった天文博物館五島プラネタリウムが惜しまれつつ閉館して9年,復活を熱望する声に押されてこの11月21日より,新たなプラネタリウム「コスモプラネタリウム渋谷」としてオープンしました。特に文化総合センター大和田に移しての投映機の再組み立てや展示台の製作などは,寄附を集めて行われたと言いますが,空前の天文ブームと言われ,子供たちが宇宙への夢を膨らませているこの時期に,新設が難しいプラネタリウムを仮に壊してしまうならば,これはもう正気のさたとは思えません。
 改めて,知事に伺います。岡山県立児童会館プラネタリウムについて,今後どのようにお考えでしょうか。

(知事)  プラネタリウムについての御質問をいただきましたが,未来を担う子供たちが宇宙や科学技術に関心を持つ機会を提供するということは,県といたしましても大変有意義であると認識しておりまして,新しいニーズや技術的な進歩などを総合的に勘案しながら,現在,部局横断で全庁的に検討しているところでありまして,早期に方針を決定したいと,このように考えております。

(教育長)  生涯学習センターの存在意義等についてでありますが,生涯学習センターは県民の生涯学習を支援するための拠点施設として,市町村,大学,関係団体等との連携を図りながら,県内外の学習情報の提供や生涯学習の指導者やボランティア等の人材育成,学習講座等の開設などを行うことによりまして,全県的な生涯学習推進を図る役割を果たしているところであります。また,施設の稼働状況につきましては,大研修室やミーティング室等は積極的な利用がある一方,特別な使用に供する編集室等は十分に利用されているとは言えない状況でありますが,センター全体では年間約3,400件の団体,個人等が学習,交流の場や学習成果の発表の場などとして活用しているところであります。今後一層の施設利用の促進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。

(佐藤)  私もいつになく大変に厳しい口調で質問させていただきましたけれども,それだけ今,岡山県の地域経済が痛んできているということでございまして,青少年の皆さんも将来に夢が持てない,そうした状況の中で,しかし我々が頑張っていこうと思うのは,誇りがあって将来の希望があるからでありますけれども,例えば行財政構造改革についても,午前中の住吉議員の答弁に対して,収税率を上げていきましょう,そして行政サービスを減らします,そして歳入確保対策で駐車場代金等の県民の負担をふやします,その状況の中で,しかし,4年の構造改革が終われば明るい未来が待っておるんだと,そういう希望があるからこそ県民の皆様も御協力をいただいている。あるいは県庁職員さんもそうだと思いますけれども。
 先ほどの確認でございますが,業界団体が行っている補助金カットについては,25年度以降は当然にもとに戻るものではないということは,基本的にはもとに戻らない,要は持続していくということで。これは県庁職員さんのことについて私は聞いておりませんから。業界団体の補助金等についてでございますが,これは要するに持続されて24年度の状況で戻らないというふうに理解しとけばいいのかどうか,確認させていただきたいと思います。
 それから,児童会館のことにつきましては,そのようにこれから早期に方針を決定していただくということでございますが,しかし,だれが決定するのかが一番問題でございます。今回も,児童会館,基本的には公の施設の見直しで廃止してもいいという,そういう施設にまでなっていた。それを2年間延長して,そして建物を残していきましょう,あと有効活用していきましょう。これは,県民の皆様の思いでありまして,あくまで県民の皆様の声をしっかり聞いていただかなくっちゃいけない。その中で,児童会館について,今までどおり行政の職員さんと教育委員会だけで今後の方向を決めるんだと。それでどんな方向が決定づけされて,それに何の根拠があるんでしょうか。そうした意味では,早期に決定するにしても,やはりしっかりと民間の意見を聞いていただきたいと思いますが,そのことについてもお伺いしたいと思います。
 そして,最後のアダプト事業についてでございますが,急傾斜地は危ないからアダプト事業を入れないと。それは急傾斜地域は確かに危ないんですけれども,私が言っている本旨は,アダプトを入れてくださいということではなくて,この急傾斜地域を,地域の方が,高齢者の方が,自分でお金を払ってこの急傾斜地域を守らにゃいけんのかという話をしているだけでございます。要は,行政が一円たりとも岡山県有地である急傾斜地についてお金を払わない,そして地域に負担がかかっても,ある意味けがが生じても,それは地元で負担してくれ,県が出ていくのは,木が生えて大変に危険な状態になったときに始めて出ていくんだ,これが県有地を守る県の姿勢なのかどうか。私は,草刈りをどんどんやってくれということを,だだをこねるようにお願いしているわけではありません。それがわずか数万円でもいい。要は,年間,地域のほうにお金がきっちり行って,これで守ってくださいというのが,これが本来の行政の姿ではないかという意味で申し上げました。急傾斜地域のアダプト事業というのは必要であるということは,これは私の思いとして,これは質問ではありません。必ず要るものだということを訴えさせていただきたいと思います。
 最初に申し上げた25年度以降,業界団体の補助金は基本的に戻らないと理解していいのか,児童会館の今後の方針はだれが決めるのか,そのことについてお知らせください。

(知事)  再質問にお答えいたします。
 御案内のとおり,長期的な収支不足の見通しにつきまして,財政構造改革プランをお示しするときに同時にこのことも御説明申し上げておりますが,あの将来の推計というものは,この4年間で行う財政の構造改革,この構造改革のその成果を前提として推移を見ているということでございますので,これをもとに戻しますと,収支不足額ははるかに県財政を直撃いたしまして,県財政は大変なことになります。もとに戻ってしまいます。ただ,そのときの社会経済情勢とか財政状況とかいろんなことを考えて必要なものは当然出てくるということも考えられますので,そういう施策につきましては,当然その時点で総合的にさまざまなことを勘案しながら,改革をしてきたものについて再検討していくということが物によってはあるということは,当然かと思います。原則は4年間の構造改革です,通常の改革ではなくて。これを維持していくという,この一次のみの改革ではなくて,それを前提としてずっと将来継続していくという,こういう趣旨での改革であるということを改めて御理解いただきたいと思います。
 プラネタリウムでございますけれども,もちろん今現在,教育長のほうにお話し,検討していただき,もちろん私たち知事部局と連携して議論を進めているところでありまして,今,議論の最中でございますから,まだ具体的な方向性は申し上げる段階ではございませんけども,その中で,責任持って私自身が,教育委員会の意向を十分踏まえて方向性をお示しさせていただきたいと思っておりまして,その間,民間の皆さんの意見,要望等もたくさんいただいております。こういったことも反映させながらしっかりとした方向性を打ち出していきたいと,このように考えております。



<平成22年9月定例会>(2010年9月14日)

(佐藤)  最後に,特別支援教育について伺います。
 多くの県立特別支援学校は,生徒数が激増しておりますけれども,給食室や教室にも限界があって,多目的教室の利用や複式学級的指導で,少なからず支障も出ている状況で,これ以上の受け入れは厳しく,加えて,交通アクセスにやや難があり,狭いバスでの長時間通学など,課題も多くあります。特に,政令指定都市でありながら,自前の特別支援学校は持たない岡山市との関連においては,私は県市の連携が極めて重要であると感じておりますが,たちまち施設の増設,これが難しいにしても,障害のある児童生徒数の激増に対して,いかに適正就学を図っていくのか,その考え方について,教育長からお聞かせください。
 特に,発達障害児者の支援体制の強化がうたわれ,ライフステージに対応した一貫した支援体制の整備を図るとともに,身近な地域での支援が行われるよう,市町村の取り組みを促進するという方向は首肯できるものですが,問題はその具体策であります。特に,夏休みあるいは放課後に,県立特別支援学校に通う子供たち,あるいは保護者にどのような支援がなされているのか,あるいは,なされるべきか,これは保健福祉部長にお伺いいたします。
 私は,将来的には,新生児,乳幼児の段階で,あるいは遅くとも就学前に,発達障害に関して生活支援シートがつくられ,だれにでも該当するマニュアルというのはなかなかできないにしても,個別具体的に配慮すべき点が成長に応じた機関に引き継ぎがなされて,支援がなされる必要があると思いますが,どのようにお感じでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。
 また,スクールサポーターのような形で,幼稚園,保育園も含めて,小中高等学校に発達障害への対応が指導できる人材の派遣,あるいは養成が必要だと思いますが,教育長のお考えをお聞かせください。
 さらには,財政的には公的な支援がないフリースクールについても,実態や役割分担が把握された上で,十分な連携を図っていく必要があると思いますけれども,行政が具体的に認識し,動く必要があると思いますが,教育長の御所見をお聞かせください。
 そして,これはなかなか難しい提言になると思いますけれども,特に,特別支援学校の高等部について,現実問題,年金が支給される20歳まで待って,これは5年制であってはいけないんでしょうか。また,職業教育に重点を置く学校であるならば,高等支援学校の年齢制限,これにはどういう意味があるのかについて,教育長にお伺いいたします。

(保健福祉部長)  発達障害児者支援体制のうち,夏休み等の支援についてでありますが,発達障害を含め,障害のある子供等に対して,学校行事以外では市町村が実施主体となって,児童デイサービスや日中一時支援などの福祉サービスを提供しております。障害のある子供等に対しては,教育機関を含む関係機関が連携し,成長過程に応じて,一貫した支援を行う必要があると考えており,県としては,市町村を核とした連携体制づくりを今後とも進めてまいりたいと存じます。
 次に,生活支援シートについてでありますが,20年度に,就学後の子供の成長の様子を書き込むことができる健康の記録を作成し,全市町村に配布したところであります。これを契機として,地域では,教育,保健,福祉が連携して,発達障害児に係る乳幼児期からの情報の共有を進めるなど取り組みが広がっており,今後とも,成長過程に応じ一貫した支援が行えるよう,助言等に努めてまいりたいと存じます。

(教育長)  まず,特別支援学校の適正就学についてでありますが,県立特別支援学校の小中学部への就学は,国で定められている障害の程度を就学基準として,就学指導委員会の専門的見地からの意見等を参考として,県教育委員会で決定しているところであります。また,高等部につきましては,入学者選抜を行い,各学校長が入学者を決定しているところであります。なお,お話のように,特別支援学校では,知的障害のある児童生徒が急増しておりまして,岡山瀬戸,倉敷琴浦高等支援学校などの設置に続き,このたび,倉敷市真備町箭田地内に,特別支援学校を新設することとしたところであります。この新設を機会に,県南部における特別支援学校の通学区域につきましても見直しを図ることにしておりまして,今後,市町村教育委員会と一層連携しながら,適正就学に努めてまいりたいと考えております。
 次に,発達障害への対応ができる指導者の派遣等についてでありますが,県教育委員会では,県巡回相談事業により,幼稚園や保育所を含め,各学校等の要請に応じて,特別支援学校教員等から任命した巡回相談員や,医師,大学教員などの専門家を派遣しているところであります。今後,こうした支援体制の一層の充実を図るとともに,特別な支援の必要な幼児,児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導,支援ができるよう,教員のさらなる専門性向上はもとより,幼稚園や小中学校に配置されている特別支援教育支援員の資質を高めるための研修等にも取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,フリースクールについてでありますが,いわゆるフリースクールの規模や活動内容等はさまざまでありますが,不登校の児童生徒等の居場所づくりなどの一翼を担っていると認識しております。不登校の児童生徒の中には,発達障害が背景にある場合もあると言われておりまして,フリースクールにおいて,発達障害についての理解が進むよう,啓発リーフレットや各種の情報提供などに努めてまいりたいと考えております。
 最後に,特別支援学校高等部の5年制化等についてでありますが,法律で,全日制の高等学校の修業年限は3年とされ,特別支援学校高等部はこの規程を準用すると定められているところでありまして,御理解を賜りたいと思います。なお,高等支援学校の入学に際しての年齢制限につきましては,出願の条件としていないところであります。



<平成22年2月定例会>(2010年3月2日)

(佐藤)  加えて,学校現場において,例えば県立高校でも,県庁と全く同じような考え方で,駐車場を有料化し,生徒,職員の福利厚生のために設置され,時にはPTAや部活の財源にもなっている購買部や,あるいは自動販売機についても,県の歳入確保対策を実施していくおつもりなのか,教育長にお伺いいたします。

(教育長)  まず,公の施設の見直しにかかわる県教育委員会の努力についてでありますが,児童会館の今後のあり方については,全庁的な議論等を踏まえ,財政構造改革プラン及び行財政構造改革大綱2008の中で示されたものでありまして,県教育委員会としましても,それを踏まえて対応すべきものと考えております。建物の存続につきましては,公の施設としての役割をおおむね終えたことに加え,施設・設備の老朽化等の課題もありまして,現時点では困難な状況だと承知しております。県教育委員会としましては,建物の存廃にかかわらず,必要な生涯学習施策が行えるよう,全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に,歳入確保に関する学校現場の考え方についてでありますが,このたびの歳入確保対策は,行財政構造改革大綱2008等に基づき,県有財産の有効活用,県有施設の使用料の適正化等の観点から,全庁的な取り組みとして進めているものでありまして,県立学校におきましても取り組む必要があると考えております。現在,職員駐車場の有料化や自動販売機設置への納付金制度の導入について検討しているところでありますが,実施に当たりましては,お話のような学校独自の課題もありまして,生徒や職員の利便性等にもできるだけ配慮するとともに,学校現場に混乱が生じないよう,現場の意見を十分聞きながら進めてまいりたいと考えております。



<平成21年6月定例会>(2009年6月17日)

(佐藤)  次に,教育問題についてお伺いいたします。
 2001年の大阪教育大附属池田小学校校内児童殺傷事件から8年がたちました。また,中国四川省地震では,多くの子供たちが学校で亡くなるなど,学校内の子供たちの安全・安心については,いまだ多くの不安がございます。先般,県立学校の耐震化率が60.3%であるということが報告され,今回の経済対策でも,学校校舎の耐震化は喫緊の課題になっております。ところで,校舎の耐震化が強調される余り,かえってたちまち行える机や本棚やピアノ等の固定化の議論が見落とされているような気がしてなりません。このことは,例えば,家庭内で家具の固定化が進まないように,耐震構造の建物の中にいさえすれば大丈夫だという誤解を生みかねません。仮に校舎の耐震化を行う予算がたちまちなくても,危機意識の啓発を含めて固定化を進めることはできるはずですが,その御認識を教育長にお伺いいたします。
 さて,改正教育基本法は,教育振興基本計画の策定を自治体の努力義務とし,既に20都道県が策定済みですが,本県においても目指すべき教育の姿や施策のあり方を議論し,今後5年間の教育行政の指針づくりの教育振興基本計画を作成することになりました。御案内のとおり,改正教育基本法は,「我が国と郷土を愛する」という教育目標を掲げており,この教育振興基本計画についても,改正案に沿って,国や郷土を愛する気持ちの醸成や道徳教育の充実ということが重視されるものなのか。教育長は,子供の規範意識や道徳性の低下が深刻化している,このような認識をお持ちのようでございますが,岡山県の子供たちのあるべき姿と教育振興基本計画の方向について,教育委員のお考えをお知らせください。

 ところで,今,学校内で深い影を落としている問題がございます。いわゆるモンスターペアレントの問題です。私自身,この言葉が好きではありませんし,具体例を挙げることはいたしませんけれども,消費者意識,権利意識が高まっているからか,あるいは地域社会が緩衝材となっていた個々の親の不満が直接これが学校に持ち込まれるようになったかはわかりませんが,こうした学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者によって,一部の学校では頭を抱え込んでいる事態が発生しております。保護者同士で助け合いましょう,そうしたレベルを超えて,こうした保護者が出現すると,教員はその対応に膨大な時間を奪われ,その結果,児童生徒のために使う時間がなくなり,クラスはもちろん,場合によっては学校全体に悪影響が広まります。対応が一人の教員に押しつけられた場合などでは,逆に被害が拡大したり,指導力不足とレッテルを張られたり,担当教員が体や精神を病んでしまう事例が珍しくなく,特に経験が浅い新任教員は適切な対応ができず,問題を抱え込んでしまうというふうに言われております。子供たちを守るために,この状況から,まずは教員を救わなくてはいけません。あえて言えば,スクールカウンセラー,スクールサポーター,スクールソーシャルワーカーが置かれ,子供のメンタルケアの観点から,心の専門家が配置されておりますけれども,むしろ今,対象とすべきは,子供たちもさることながら,ある意味はけ口を求めるこうした保護者とその対応に疲れ果てた教員かもしれません。いずれにせよ,こうしたモンスターペアレントの対応は,個々の教員や学校ではもう不可能でございます。学校現場で対応できる限界を超えていて,できれば人間関係のトラブルについてよほどのスキルがある専門家が中立的な立場でアドバイスを行う第三者機関を設ける必要がある,そのように私は思います。私は,教育委員会内にモンスターぺアレント対応専門チームを設置して,保護者の苦情対応マニュアルの作成や第三者機関の設置を検討すべきと考えますが,いわゆるモンスターペアレントについての現状の認識と教育委員会として現場任せにせず,果たすべき責務について,教育長にお伺いいたします。

 次に,中高一貫教育について伺います。
 学校教育法の改正によって,平成11年4月から,中高一貫教育校の設置が可能になって,現在,県立では併設型中高一貫教育を,岡山操山,倉敷天城両校に導入しておりますが,知識と体験を融合したたくましい人間力を持った生徒の育成を目指すため,岡山大安寺高等学校を改編し,一つの学校として,中学校と高等学校に相当する6年間の教育を行う,岡山県初の県立中等教育学校の来年度開校の準備が進んでおります。戦後長らく6・3・3制のみであった中等教育の多様化複線化を図って,子供たちの選択の幅を広げるという意味では,全国的にこれは増加傾向にあると思いますが,県内の今後の設置についての方向を教育長にお伺いします。
 ところで,中高一貫教育校の設置を認めた改正学校教育法では,受験エリート校化による受験競争低年齢化を招かないように,国会の附帯決議がなされていますし,同法の施行規則でも,入学者の決定に当たっては,公立においては学力検査を行わないと規定していますが,実際は適性検査という名のもとに,実質的な学力検査が行われているのではないかという声がございます。また,私学でも,中高一貫型の併設中学校設置の動きがありますが,義務教育ですから公立中学校が無償で,有償の私立中学校に比べてそもそも対等な競争になっていないんじゃないか,そうした声があります。学力検査と適性検査との違いを含めて,公立学校の使命とは何か。中高一貫教育校を公立で,しかも県立で設置する意義を改めてお知らせください。
 最後に,ところで昨今の経済不況によって豊かで安定した層とそうでない層との間で,子供の学力差が広がったり,進学機会の格差が埋まらなかったら,これは長期的にある意味で階層の固定化が生まれ,さまざまな問題が生じるのではないか,そうした危惧する声があります。公的負担も奨学金も十分とは言えない状況で授業料が上がり,家計負担がさらに重くなっているそのしわ寄せは,むしろ低所得層に集中します。教育費の公的支出と奨学金制度の拡充をもって,学歴格差を生じさせないようにする施策を緊急に講じるべきだと思います。それでもさらに,本来であれば学校で足りるべきはずが,当たり前に進学塾や学習塾が存在しているわけでございますが,さらに塾に通えるか否かで学力格差,ひいては地域間格差まで生じている可能性がございます。こうした進学塾や学習塾の必要性についてどのように認識されているのか。また,子供たちがどの程度通っているのか把握されているか。さらには,教育の機会均等まで考えれば,非常に難しいことだと思いますが,塾通いに対する公的支援まで考えられるのか,教育長にお伺いいたします。
 以上,例によって多くの質問をさせていただきましたが,そもそも理解できないのでお伺いしているものには御理解くださいという答えでは,やっぱり理解できないので,そのあたりどうぞよろしくお願いいたします。

(教育委員会委員)  ただいまの佐藤先生の御質問の中に,教育委員の考えを聞きたいということがございました。この場に出席いたしております同僚教育委員でございます門野教育長とも協議をいたしましたが,私,大原が代表してお答え申し上げるのをお許しいただきたいと思います。
 例によりまして,説明者として召還されている民間人の範囲を逸脱しないように,私見あるいは私情を交えずに状況を御説明申し上げたいと思います。
 子供たちのあるべき姿勢と申しましょうか,どういうふうな姿を念頭に置いて教育システムを構築すべきなのかということにつきましては,教育委員会の中でも何度も議論を重ねております。その中で,こういうふうなことが大体集約されとったところかなということを御説明申し上げたいと思いますが,まず基本的には先生の御指摘のとおり,子供たちが自立して生きていく上で基本となります道徳性あるいは規範意識というものは,非常に重要でございまして,これを身につけることが基本である,そのとおりの姿勢を教育委員一同本当に強く感じております。それと同時に,学習活動でございますとか,あるいはさまざまなより広い文化活動というものに対して主体的に取り組んでいく子供たちであってほしい。そして,その中で,先ほどの御指摘もございましたが,知・徳・体の調和がとれた子供たちであってほしい。これは議論が若干ございまして,知・徳・体の調和というのは,そうなんだけれども,その中で一人一人の子供たちの個性がありますから,その中で特に体がすぐれている子,あるいは知がずっとすぐれている子,徳がざっとすぐれている子というのはどういう子かちょっとわかりませんけれども,例えば,リーダーシップの非常に強い子,そういう突出したものを刈り込むのではなくて,そういうものはしっかり個々には認めながら,教育システム全体の設計としては,そういう形でバランスのとれた設計をしたいというのがほぼ共通した認識だと思います。
 それからもう一つは,先ほどの郷土を愛する心ということにつきましては,教育委員は大体こういう申し上げ方がいいかどうかですが,かなり世界を舞台に活躍している方が多うございますので,それならばそうなるほど日本人としてのアイデンティティー,あるいは岡山人,倉敷人,高梁人,津山人としてのアイデンティティーというのを非常に強く持たなければならないという気持ちは,全員強く持ってございます。そういう意味で,本当の意味で郷土を愛する気持ちというのをみんなと共有したいという気持ちは強うございます。と同時に,そういう人たちでございますから,郷土を愛する心というのは,これが世界に対する広がった心と結びついてほしいという議論もよくいたしておりまして,そういう形で郷土岡山を大切にする,そういうふうな思いはぜひ込めてまいりたい。そういう形で次代を力強く担う人材を育てるということを念頭に置いて教育システムを構築と申しましょうか,設計してまいりたいというのがほぼ教育委員一致した思いであると認識いたしております。
 なお,教育振興基本計画にも言及されましたが,これの策定に当たりましても,子供たちの健やかな成長を見据えながら今後の本県教育の目指す,ただいま申し上げましたような理念,あるいは今後5年間に取り組む施策の方向性などについても十分に議論してまいりたいというのが教育委員の共通した姿勢でございますので,御理解賜りたいと思います。
 なお,ただいま申し上げましたことは,同僚教育委員である門野委員とほぼ,全くですね,多分,共通した認識でございますので,念のため申し添えます。

(教育長)  まず,地震に備えた学校備品の固定化等についてでありますが,御指摘のとおり,本棚等固定することは,児童生徒の安全を確保する上で大切な視点であると考えておりまして,県内全校に配布しております安全に関する手引きにおきまして,固定の方法等を具体的に示しますとともに,毎年開催している学校安全の研修講座等におきまして,地震への備えや発生時の対応などについて指導しているところであります。しかし,実態としましては,多くの学校でまだ本棚等の固定ができていない状況がありまして,引き続き転倒防止策等について徹底するよう指導してまいりたいと考えております。こうした取り組みとあわせまして,今後教職員の危機管理意識を一層高め,児童生徒の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に,モンスターペアレントの現状等についてでありますが,お話のように,理不尽な要求を繰り返す保護者により,学校が苦慮する事案が少なくないところであります。これらは,教員にかなりの時間的精神的な負担になることが多く,学校は組織として対応するとともに,関係機関や地域の方と連携を図ることが重要だと考えております。県教育委員会では,昨年度こうした要求等に対し,学校がより適切に対応することができるよう,こうした対応マニュアルを作成いたしまして(対応マニュアルを示す),各学校に配布させていただいているところでございまして,それを活用しまして,対応のあり方について現在研修を深めているところでございます。また,県教育委員会に解決が困難な事案について相談を受けます学校問題相談窓口を指導課に設置いたしまして,児童相談所や校長経験者から成る支援員が第三者的な立場で問題解決に向けた支援を行っているところであります。今後,さらに相談窓口の周知徹底に努め,機能を一層充実させるとともに,法律問題を含む複雑な問題につきましては,弁護士に相談するなど,県教育委員会として学校を支援しながら,こうした問題の円滑な解決に努めてまいりたいと考えております。
 次に,中高一貫教育の今後の方向についてでありますが,県教育委員会では,高等学校教育研究協議会答申に基づき,中高一貫教育校を計画的に設置してきておりまして,来年度の県立新設中等教育学校の開校をもって,今回の計画は完了することとなります。今後の中高一貫教育校の設置につきましては,これからの県下の高校教育のあり方について審議する次の高等学校教育研究協議会を来年度以降に設置したいと考えておりまして,その中で有識者等の意見を幅広く伺いながら検討してまいりたいと考えております。
 次に,中高一貫教育校の意義についてでありますが,公立学校は県や市町村等が住民に対し教育の機会を確保するため設置し,教育水準の維持向上を図る役割を担っているところでありまして,県立中高一貫教育校は,国の中等教育の制度改善を踏まえて,県民の学校選択幅の拡大を図り,個性重視の教育の機会を提供しようとするものであります。これまで県立中学校の入学に当たりましては,適性検査を実施するなどして選抜を行ってきておりますが,適性検査は小学校で身につけたことを総合的に活用しながら身近な素材をもとに課題を発見し,解決する力等を見るものでありまして,教科別に知識,理解の程度や思考力等を見る学力検査とは異なるものであります。中高一貫教育は,県民の期待も大きく,6年間の計画的継続的な教育を行うことによりまして,生徒の個性や創造性を一層伸長することができるなど,意義あるものと考えております。
 最後に,塾の必要性等についてでありますが,平成20年度の全国学力・学習状況調査によりますと,本県の学習塾に通っている児童生徒は,小学校6年生で約48%,中学校3年生で約66%で,全国平均とほぼ同じ傾向であり,学習塾は学校外での学習環境の一つとして一定の役割を果たしていると認識しております。本県では,各学校におきまして,授業改善により,わかる授業に努めますとともに,学習意欲を高める工夫に取り組んでおります。また,放課後や長期休業中に補充的な学習に取り組むなど,児童生徒の学力向上に努めているところであります。学習塾へ通うことは,家庭の判断により行われているものでありまして,公的支援を行うことには多くの課題があると考えているところでございます。

(佐藤)  そして,大原委員には大変に誠意ある御答弁をありがとうございました。
 そして,モンスターペアレントのことですけれども,先ほど教育長の御発言の中で,私はそんなもんじゃあないんじゃないかなというふうに思います。既存の相談の場があってということでございますが,そんな状態では現場はないと思います。現場の先生に任せる,校長先生に任せる,教頭先生に任せる,それで学校が今どれだけ大変な状況になっているか。もう少しちょっと現場を見ていただきたいと思います。少なからずこれはPTAの問題等を超えて,私は例えば精神科医の先生方,あるいは弁護士の先生方,そうした方が必要な出番というのがある。むしろ教育委員会に電話があるというのは,相当の状態でございますけれども,その前の段階からしっかりと教育委員会が現場に入っていってフォローしてあげないと,本当に,まずクラスがめげて,学校がめげて,その間に先生がめげて,そしてその間に多くの子供たちがめげてしまう,保護者がめげてしまう,それがひいては岡山県の教育全体に影響があるんだと,大変な問題なんだということを重々御認識いただきたいと思います。要望でございますけど,先ほどの御認識では,この問題は解決しないというふうに思います。



<平成19年12月定例会>(2007年12月12日)

(佐藤)   児童生徒の携帯電話についてお伺いいたします。
 過日,地域の懇談会で,携帯電話についての話し合いがありました。私たちの子供に,一体,いついかなる条件で親は携帯電話を買い与えるべきなのか。このように考えるのは,というのも,保護者のだれもが自分の子供時代には携帯電話は持っていなかったものですから,経験則に基づいて判断することができない課題であります。逆に言えば,本当に子供に携帯電話が必要なんだろうかという疑問もわいております。恐らく,登下校や塾の送迎の際の防犯上の観点から,公衆電話も減ってきていることもあって,緊急連絡用には持たせておきたいという親の思いと,しかし携帯電話に付随する犯罪への心配が,まさにせめぎ合っている状況でございます。
 一方で,ほとんどの学校が携帯電話の持ち込みについては恐らく何らかの制限をしているというふうに思いますが,実際は高校生にもなれば,生徒の半数以上が携帯電話を持っているようにも思え,黙認をしないまでも,一たび学校を離れれば,学校の管理は困難ではないかと思います。子供の携帯電話を親の名義で契約している場合も多いため,恐らく携帯電話会社が,小学校から高校生までの携帯電話の普及率を把握するのは実際は難しいと思われますが,県内の小中高生は携帯電話をどの程度所持しているのでしょうか。
 また,携帯電話の学校への持ち込みを原則禁止とする小中高等学校の割合はどの程度なのか,あるべき制限の形も含めて,教育長にお伺いいたします。
 私は携帯電話そのものがいけないというわけではなくて,通話ができる携帯電話そのものよりも,むしろ問題は,相手の時間やタイミング等を全く気にすることがなくて,こちらの意思を一方的に伝えられる,そしてまた,いじめの温床にもなっているというメール機能,そして24時間子供でも簡単に,いわゆる非合法の世界に簡単にアクセスできる,そうしたインターネットに接続し得る状況が問題だというふうに思っております。
 ところで,昨日の読売新聞によりますと,携帯電話やPHSの大手4社は,来年1月から18歳未満の未成年者に対して,新規加入時にフィルタリング機能を原則加入とすることを決定したと報じられています。これは一歩前進のようにも思いますが,このことで,いじめや心ない大人の毒牙等から子供たちを守れるものではないと私は思います。先ほど遠藤議員のお話もあったように,携帯電話だけではなくて,パソコンからもインターネット経由でいろいろなサイトにアクセスできるからでございます。子供たちをいじめ等の毒牙から守るためには,さまざまな危険が子供たちのすぐ近くにあることを,企業や学校現場と協力して保護者に啓発することがまず重要です。このことについて,教育委員長の御所見をお伺いいたします。
 また,親が子供に携帯電話を与える場合──インターネットを含めてなんですけど──その使用について,いつ,どういった約束のもとにこれを子供に与えるべきなのかという考えも,あわせてお伺いいたします。
 また,保護者や子供たちへの啓発については,統一された学校の指導方針に基づいて,家庭と学校が一体となった取り組みを進められるよう,各地域において小中高等学校間の連携を一層推進することが重要だと考えますが,例えば群馬県では,群馬県子どもセーフネットインストラクター養成講座を立ち上げて,PTA役員が中心となって市民インストラクターとなり,ほかの保護者や教職員,子供たちにインターネットの正しい知識を広めているといいます。
 今後の保護者や子供たちへの啓発のあり方について,教育長にお伺いいたします。
 ところで,登下校時の安全・安心に絡んで,地域の方々の御努力によって,まさに防犯パトロールの活躍もあって,劇的に今子供たちの犯罪被害や事故が減っていることは本当にすばらしいことだと思います。
 ところで,こうした地域の方が街頭に立たれるようになると,地域との協議を経た後に,学校で指定されているいわゆる通学路が,ある意味でこの地域のメーンストリートである,そのような理解がなされてきます。例えば,この指定の通学路以外で事故に遭えば,保険についても大きな違いがあるというのは皆さんも御存じだと思いますけれども,しかし,必ずしもこの通学路がメーンストリートとして整備がきちんとなされているわけでもありません。
 一方では,交通安全対策を意図したスクールゾーンというものがございます。スクールゾーンは,昭和48年に学校から500メートル以内に設置して,平成10年には,当時の各振興局に看板設置や補修を行うよう通達も出ております。しかしどうも,このスクールゾーン自体はふえていないように感じられます。地元の協議で決まっている通学路とこのスクールゾーンが混在しており,交通安全対策と安全・安心まちづくりの観点からは,この通学路,スクールゾーンはいずれについても,これは地域のメーンストリートとして,標示や舗装,そして水ぶたや道路補修や防犯灯,照明設置を優先的に行うハード整備の実施や支援が必要ではないかと思いますが,御所見をお聞かせください。

(知事)  次に,登下校の交通安全対策等でありますが,これまでも県管理道路においては,通学路の歩道整備を重点的に進めますとともに,市町村道につきましても,補助事業の優先採択などによって,側溝へのふたかけや路肩のカラー舗装等,地域の実情に応じました通学路の交通安全対策が促進されますよう支援をしてきたところであります。児童生徒の登下校の安全確保は極めて重要であると考えておりまして,今後とも,地元や警察などとも連携しながら,通学路やスクールゾーンの安全な通行環境の整備を重点的に進めてまいりたいと思います。

(教育委員会委員長)  児童生徒の携帯電話等の使用における保護者への啓発等についてでありますが,お話のように,携帯電話やパソコン等は,便利な反面,子供が有害情報に触れたり,犯罪に巻き込まれる危険性もあります。県の教育委員会会議でも,こうした問題への対応について協議しているところであり,携帯電話等の企業が,来年1月から未成年者への販売の際に原則としてフィルタリングをかけるということは評価できますが,まだ十分とは言えません。今後,企業等の協力を得ながら,保護者への啓発に力を入れていく必要があると考えております。
 また,子供に携帯電話を与える際は,子供が使用したいと言ってきたとき,その必要性について親子で十分に話し合い,納得した上で決定することが大切であります。使用に際しては,メールやインターネットの使い方や危険性について理解させるとともに,使用場所や使用時間などの約束を明確にしておくことが重要であると考えております。

(教育長)  まず,児童生徒の携帯電話の所有割合等についてでありますが,本年度の全国学力調査の質問紙によりますと,本県の小学6年生の26%,中学3年生の56%が,高校生は昨年度の県の調査では90%の者が所有しております。
 学校への持ち込みにつきましては,小中学校のほとんどが,また県立高校の28%が原則的に禁止しており,許可した場合でも,授業中は電源を切るなどの規制をしているところであります。携帯電話の校内への持ち込みにつきましては,少なくとも小中学校では必要ないものと考えますが,許可する場合は,地域や家庭の事情,登下校時の安全面,子供の発達段階等の観点から,その必要性を検討し,保護者の意見も踏まえながら決定すべきであると考えております。
 次に,保護者や子供たちへの啓発等のあり方についてでありますが,お話の群馬県の取り組みは,市民が携帯電話の危険性や対応の仕方を学び,地域で子供や保護者に啓発するもので,正しい知識が確実に広がることが期待されるところであります。
 本県では,これまで情報モラルに関する小中高校教師用指導資料や,小中学生たちがみずから学ぶコンテンツを作成し,その活用を図っております。家庭に対しましては,情報モラルについて学ぶリーフレットに加えまして,本年度新たにネットいじめを扱ったリーフレットを配布しますとともに,高等学校PTA研修会で,ネット犯罪の現状や対応に関する講演を行ったところであります。
 しかしながら,最近の子供たちの利用状況から,これまでの取り組みを見直す必要もあると考えておりまして,他県の例も参考にしながら,知事部局や警察,NPOとも連携し,効果的な啓発のあり方について研究してまいりたいと考えております。



<平成19年6月定例会>(2007年6月22日)

(佐藤)  世界最大級の淡水魚の水族館がつくられています。なかなかこういったものをつくるのは難しいとは思いますけれども,こういった淡水魚生息三大河川がある全国への岡山のアピール,さらには淡水魚を通じての体験型の環境学習施設の整備についていかようにお考えでしょうか。
 次に,環境教育等についてお伺いいたします。
 この3月に,国立教育政策研究所教育課程研究センターが,環境教育指導資料を示しました。これは,文部科学省から発行されたこれまでの資料で示された基本的な方針や考え方を踏まえつつ,新しい環境の世紀に対応した形で大幅な改定を加えたものです。そして,この資料には,しばしば持続可能な開発のための教育(ESD)という言葉が出てまいります。平成14年にヨハネスブルグサミットで我が国が提案し,第57回国連総会において満場一致で採択された「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」が平成17年から開始されました。国際的な環境教育の取り組みは,この大きな枠組みに沿って展開されていますが,それに先立つ平成15年7月には,我が国では環境の保全のための意欲の増進及び環境教育に関する法律が制定され,また,昨年改正された教育基本法においても,「生命を尊び,自然を大切にし,環境の保全に寄与する態度を養うこと」とする規定が盛り込まれ,我が国の環境教育は大きく進んでまいりました。まずもって,こうした国際的な環境教育の枠組みに沿う形で我が県の環境教育の指針を打ち立てるべきだと私は考えますが,知事並びに教育長の御所見をお知らせください。
 ところで,岡山市においては,この持続可能な開発のための教育(ESD)について,環境を中心に先進的な活動が行われております。特に,平成17年6月には,国連大学から岡山地域はこれまでの市民活動が認められ,ESDに関する地域の拠点(RCE)の一つに認定されております。これは,大変な国際的な評価なんですけれども,こうした国際的な評価が必ずしもこの岡山県で認知されていない,そのことを私は非常に残念に思います。この認定は,平成11年に,第55回日本ユネスコ運動全国大会in岡山を開催し,地球環境問題を活動の軸に据えている岡山ユネスコ協会,さらには岡山市京山地区──京山学区というのがあるんですが──京山地区ESD環境プロジェクト──岡山KEEPと言います──,岡山KEEPの活動の成果であると思います。ちなみに,この岡山KEEPでございますが,京山学区の皆さん,小中高生や企業,行政,NGOなどが参加して,地域全体でESDの取り組みを推進しています。例えば,水辺の調査活動をする場合でも,中学生を中心としてさまざまな世代の混成チームで行って,調査結果をもとにした水質の分析にも全世代がかかわってコンピューターで情報の整理を行うときなどは,パソコンに詳しい大学生やITサポーターにも協力を得ています。これらの取り組みの成果については,みんなの前で発表して,情報と認識を共有し,さらに公民館や中学校などでの成果発表会や結果をまとめたマップの配布などにより,地域への周知も図っています。
 これらの取り組みは,環境問題への直接の成果という意味ではもちろんのこと,多世代間の交流,地域コミュニティーでの触れ合いを生み出しています。まさに地球規模で考え地域で行動(シンク・グローバリー,アクト・ローカリー)の実践活動と言えると思いますし,新岡山県環境基本計画でうたう環境教育の理想型がもう既にあるのではないかと,私は思います。こうした環境教育活動については,環境省はもちろん文部科学省,経済産業省,国土交通省,さらには国連大学や地元大学,国際交流団体,もちろん行政機関,教育機関等が連携しなくては決して行えるものではありませんし,また,広がっていくものではございません。しかし,残念ながらこのESDのネットワークに私は岡山県の動きがなかなか見えてこないように感じております。この秋の全国生涯学習フェスティバルでは,このESDの取り組みを紹介いただけるようですが,昨年の茨城では,この生涯学習フェスティバル「まなびピア」を第9回の全国環境学習フェアと同時期に開催しております。何よりも,岡山県の行政内部のESDの窓口というのがまだ明確ではございません。ESDに関しての今後の取り組みについて,知事と教育長にそれぞれお伺いいたします。

(知事)  次に,環境教育等についてであります。
 まず,環境教育の指針でありますが,県では,現行の環境基本計画に盛り込まれました環境教育の分野を環境教育推進法第8条の方針と位置づけまして,その推進に取り組んでいるところであります。しかし,温暖化を初めとする地球環境問題が深刻化する中で,その解決を図っていくためには,個々人が地球的視野に立った環境保全意識を持つということが極めて重要であると考えております。このため,現在策定中の新たな環境基本計画では,環境教育を重要な柱の一つとして,ESDの考え方を踏まえ,充実していくことといたしておりまして,この計画を県の新しい方針といたしたいと考えております。
 ESDの取り組みについてでありますが,ESDは環境を初め開発,貧困,資源,人口など地球の持続可能性にかかわる幅広い分野の問題に身近なところから取り組み,持続可能な社会づくりの担い手となる個々人を育成する大変意義深いものであると認識いたしております。お話いただきました岡山市における取り組みは,まさにその実践でありまして,県といたしましては,こうした地域でのESDの活動が県内全体に広まっていくように,普及啓発に努めてまいりたいと存じます。
 環境産業の海外展開でありますが,急速に工業化が進み,環境ビジネスに対する潜在的な市場が広がっている中国等へ,国際競争力の高い我が国の省エネルギー,環境技術を展開するということは,地球規模の環境保全といった国際貢献を進めながら,一方我が国の経済,産業の成長力を高める絶好の機会であると考えております。本県におきましても,新産業,新技術の創出,育成に取り組むものづくり重点分野といたしまして,環境やバイオを掲げ,廃棄物の資源化促進やリサイクル技術の開発支援,バイオマスプラスチックやバイオマスエタノールの製品化に向けました産学官共同研究等を支援しているところでありまして,今後,県内企業が技術力や商品力をさらに高め,海外市場へ事業展開していくということを期待しているものでございます。

(教育長)  まず,環境教育の指針についてでありますが,学校では,教育基本法や学習指導要領に基づくとともに,学校や地域の実情等を踏まえ,さらにESD等の新しい動きも取り入れながら,子供たちが環境問題を身近な問題として主体的に考え,取り組み,実践的な態度を身につけるよう,環境教育に取り組んでおります。県教育委員会としましては,県が新たに策定いたします環境基本計画を岡山県における環境教育の指針と考えておりまして,その策定に協力してまいりたいと考えております。
 次に,ESDの取り組みについてでありますが,お話の岡山市京山地区では,公民館を核にした企業や市民団体等との連携のもとで,小中高校生や地域の人々がともに環境学習を進めております。こうした地域を挙げた取り組みがESDの趣旨に沿ったものとして評価されていると考えております。県教育委員会としましては,本年11月に岡山で開催いたします全国生涯学習フェスティバルや全国環境学習フェアで,こうした先進的な取り組みを広く紹介いたしますとともに,ESDの活動を市町村教育委員会等に周知し,県内に広がるよう取り組んでまいりたいと考えております。



<平成18年12月定例会>(2006年12月12日)

(佐藤)  次に,発達障害についてお伺いいたします。
 この問題を考える際に非常に重要なことは,こうした議論が新たな偏見につながることがないように慎重な配慮が必要であり,同時に,こうした障害が顕在化していることには,何か時代の背景や理由があって,いわゆるノーマライゼーション,インクルージョンの流れの中で,それをいかに受け入れていくかが社会にあるいは我々一人一人に問われているのではないか,そういう視点が重要だと思います。また,いじめ,不登校,自殺,児童虐待,ニート,引きこもりなどの根底に,こうした問題が横たわっているのではないかと指摘されますが,これを障害としてとらえることで,対症療法的な稚拙な根性論やしつけ論から当事者や家族を解放する,そういった必要もあります。また,学級崩壊等によって教員が指導力不足と言われる遠因の一つではないかということも理解する必要がございます。いずれにせよ,本人や家族の方の苦しみを思うとき,真正面から議論すべき時期が来ております。
 発達障害には,学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD),自閉症,アスペルガー症候群などがあり,うまく意思疎通ができない,関心に激しい偏りがあることなどが特徴で,先天性の脳の機能障害とも言われ,こうした障害そのものを取り除くことは困難な場合が多いのですが,早期発見と適切な診断を行い,適切な療育や教育と環境調整を行うことによって,社会的機能を高めて改善することが期待できます。
 なお,小児期の交通外傷とか,後遺症はかなり改善はしますが,学齢期に学習面で問題を残すような高次脳機能障害もあわせて考える必要があると思います。
 これまで,障害と認められず,教育,医療サービスの対象にならなかった制度の谷間にあった発達障害児・者に対する支援を行うことが目的とする理念法として,超党派の議員立法によって,発達障害者支援法が2005年4月から施行されているのは御案内のとおりであります。今までの法体制では,福祉は福祉,教育は教育と,人の一生に対する支援策を分断して,必要なときに必要な支援が間に合わないということが起こっていましたが,この法律は,乳幼児期の早期発見から成人して就労確保まで支援を一貫させています。同法第3条において,国や地方公共団体の責務として,早期発見,また早期支援の重要性がうたわれており,幾つか質問させていただきます。
 まず第1に,文部科学省が2002年に行った調査では,知的発達におくれはないものの,学習面や行動面で著しい困難を持っていると担任教師が回答した児童生徒の割合は全体で6.3%とされていますが,私は,直感的に県内にもかなりの数の発達障害児・者がおられ,しかも増加傾向にあるんではないか,そのように感じております。全日制あるいは定時制,通信制の高等学校などへの進学,さらには発達障害者を含めて,これはあくまでプライバシーを侵害してはいけないわけでございますけれども,実態調査が必要だと思いますが,実施されておられるのでしょうか。また,県内の現状をいかように把握され,いじめ,不登校,自殺,児童虐待,ニート,引きこもりなどとの関係をどのように感じておられるのでしょうか。非常に難しい問題でございますが,これらをあわせて知事にお伺いいたします。
 あわせて,いじめ,不登校,学級崩壊や教員の指導力不足との関係をどのように認識されているか,教育長にお伺いいたします。
 また,自分の子供が発達障害であると宣告されることのショックと戸惑いというようなこともあろうかと思いますが,本人や家族だけではなくて,児童生徒,PTAはもちろん,その周りの保護者を含めて,発達障害の特徴,また,教育や対応について広く社会に認知させていく必要性を感じますが,いかがお考えでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。
 また,子供の発達障害を疑う親たちがふえることが予想されますが,現実には対応できるこの分野の専門家である小児精神科医が非常に少なく,また,こうした専門的な治療に応じた診療報酬が支払われないため,障害児教育に関するNPOの皆様や地域のボランティアとの連携協力を含めて対策が必要になります。特に,学校が終わった後の放課後の発達障害児の支援も大切だと考えますが,既にこれは民間で行われている例もあるようです。県としても,放課後の発達障害児に対する施策も必要だと思いますが,こうした一連のことについていかがお考えでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。
 さらに,すべての都道府県に特別支援教育体制推進事業が委嘱され,実施されていますが,発達障害児の特別支援教育では,教員研修の充実が特に重要です。また,特別支援教育コーディネーターや校内支援の充実,さらにその方たちの発達障害の特別支援教育に関する研修の受講も必要になりますし,幼稚園や保育所も対象に含めて,発達障害児に対する乳幼児期からの支援体制の整備も必要になります。しかし,各市町村の教育委員会の判断に基づくため,自治体により差があるとも思われます。発達障害児の特別支援教育体制をいかに推進していくのか,その方向について,教育長にお伺いいたします。
 また,法改正に基づき,児童生徒の障害の重複化に適切に対応することができるように,盲・聾・養護学校を障害種別を超えた特別支援学校に転換することになっていますが,障害のある子供が通常の学級で学ぶか,通常の学級に在籍し,通級による指導を受けるか,特別支援学級で学ぶか,特別支援学校で学ぶか,一人一人の教育的ニーズに対応する必要があると思います。特に発達障害児は分散するのではないかと思われます。そうした中,特別支援学校は,発達障害児の地域の特別支援教育センター的機能を担う必要があると思いますが,今後の整備の方向について,教育長にお伺いいたします。
 一方,国においては,発達障害等の要因によりコミュニケーション能力に困難を抱えている求職者について,インターネットにホームページを開設するなど,きめ細かな就職支援を実施する方針であると聞いており,さらに,医療・保健・福祉・労働の各部局が連携して関連施策に取り組む発達障害対策戦略推進本部が立ち上がっています。県においても,発達障害者支援センターや民間と連携した対策組織が必要だと考えますがいかがでしょうか,保健福祉部長にお伺いいたします。

(知事)  次に,発達障害に関し,実態調査等でありますが,県では,おかやま発達障害者支援センターを設置いたしまして,発達障害について総合的な相談支援を行っており,昨年度は138人,延べ195件の相談を受けますとともに,児童相談所においても随時相談を受けておりまして,専門医による診断や医療と連携した早期療育,就労に向けた指導等の支援を実施しているところであります。発達障害につきましては,社会での認知が十分ではなく,また,専門的な医療機関が少ないなどの課題もありますが,今後,教育庁等関係機関とも連携いたしまして,お話いただきましたいじめ等の関係も含め,発達障害児の状況の把握と対策につきまして研究してまいりたいと存じます。

(保健福祉部長)  発達障害についてでございます。
 社会への認知についてでございますけれども,県では,発達障害に関する理解を促進するため,発達障害の特徴や発見のポイントなどをまとめたガイドブックを広く配布するとともに,県民の方を対象とした発達障害に関するセミナーも開催しているところであります。今後とも,発達障害につきまして啓発活動を行い,社会への認知が広がるように努めてまいりたいと考えております。
 発達障害の放課後の支援についてでございますけれども,県におきましては,発達障害児も含めた障害児を受け入れ,放課後に育成,指導,遊びの場を提供している市町村や,障害児に日中の活動の場を提供し,社会に適応するための日常的な訓練を実施している市町村に対しまして助成を行っているところでございます。県といたしましては,今後とも市町村への助成を行うとともに,発達障害児の状況の把握と対策につきまして研究してまいりたいと考えております。
 最後に,対策組織についてでありますけれども,県では,発達障害者の乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応する一貫した支援体制の整備を図るため,医療・保健・福祉・教育・労働等の関係部局のほか,おかやま発達障害者支援センターや社団法人日本自閉症協会岡山県支部など,民間関係者から成る岡山県発達障害者支援体制整備検討委員会を設置しているところでありまして,今後とも関係者の連携をさらに深めながら,発達障害者の支援に取り組んでまいりたいと考えております。

(教育長)  まず,発達障害と不登校等との関係についてでありますが,発達障害児は,集団行動,対人関係,特定の学習などに困難性が見られることもありまして,友達にからかわれたり閉じこもりがちになり,いじめや不登校につながる場合があります。また,教員や友達とのコミュニケーションがうまくとれず,不安定になることもありまして,校内の協力体制が十分でない場合には,経験豊かな教員でも学級がうまく機能しない状況になることがあります。発達障害児に対する適切な支援を行いますためには,教員の指導力を高める研修はもちろんでありますが,発達障害児を周囲の子供たちが理解し受け入れる学級づくりや,学校全体で支援していく体制づくりが重要であると考えているところでございます。
 次に,特別支援教育体制の推進についてでありますが,小中学校では,児童生徒の実態把握や支援のあり方を検討する校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名,個別の支援計画の作成など,校内体制の整備を進めているところであります。また,市町村では,就学指導委員会における就学相談の充実や関係機関とのネットワークの構築に努めているところであります。県教育委員会では,発達障害児の理解や支援のあり方についての各種研修を実施しますとともに,小中学校に専門家チームや巡回相談員を派遣しているところであります。今後,新設の総合教育センターにおきまして,発達障害児の幼児期からの教育相談や学校に対する指導,支援機能の充実を図りますとともに,保健・福祉・労働等関係機関との連携を図りながら,発達障害児の支援体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 最後に,特別支援学校のセンター的機能についてでありますが,現在,盲・聾・養護学校では,地域の小中学校等からの要請に応じまして,専門性の高い教員を派遣し,発達障害児の指導に関する助言や相談,校内研修への協力などを行いますとともに,地域の保護者からの相談にも応じているところであります。今後,盲・聾・養護学校におきましては,幼稚園や高等学校へも支援を拡大しますとともに,児童相談所や保健所等,地域の関係機関との連携を深めるなど,発達障害を含めた特別支援教育のセンター的機能の充実を図ってまいりたいと考えております。



<平成18年9月定例会>(2006年9月21日)

(佐藤)  次に,子育て支援についてお伺いいたします。
 平成12年の12月定例会で,少子化対策として私も子供ができましたと申し上げてから,早いもので来年は私の子供も小学生になります。2番目がなかなかできませんが。ことしは,私も幼稚園のPTA会長などをしている関係で子育て世代の心配事を実感することも多く,今回はそうした世代を代表して,教育問題と絡めて質問させていただきます。
 まずは,今議会に認定基準にかかわる条例が上程されている認定こども園についてですが,子供を幼稚園か保育園か,しかも公立か私立か,あるいは無認可か,どこに通わせるかは,子供たちの意思というよりも保護者の側の経済事情やライフスタイルによるところが非常に大きいと思います。保護者側にしてみれば,保育園における待機児童の解消,幼稚園における3歳児未満児の保育に対する要請が強いわけでありますが,その要請に,幼稚園と保育園の機能をあわせ持った施設である認定こども園がこたえるものなのかどうか。幼保の連携強化との関係も含めてお知らせください。
 また,都道府県による認定ということで,特に地方裁量型はまさに県の裁量によるもので,県の考え方にも大きく左右されます。そこで,どういう認定方針で臨まれるのか,あわせてお聞かせください。
 また,就学前に子供たちにはこうしたさまざまな形態があるわけですが,小学校に入りますと,子供たちは皆一緒になります。しかし,小学校に行ったら,子育てへの思い,あるいはPTAに対する考え方など,子供以上に実は保護者同士がとまどっているような現状がございます。さらに,行政においても,子育て支援課,教育委員会生涯学習課,総務学事課と所管がばらばらであります。特に就学前に関しては,子育て支援のために連携して対応する行政組織,さらにはPTA,幼稚園,保育園,各施設との連携組織,例えば子供課の設置などが必要なように思いますが,知事の御所見をお聞かせください。
 次に,先ほどの小倉議員の質問とかぶってしまいますけれども,文部科学省と厚生労働省は,来年度から,すべての小学校区で,放課後も児童を預かる放課後子どもプランの創設を決め,総事業費として約1,000億円を見込んでいます。この事業は,大量退職される教員の活動の場を提供する,経済的な理由で塾に通えない子供に学びの機会をふやすというねらいもあるようですが,いわば厚生労働省が進めてきた児童福祉法に定められた事業である学童保育と,文部科学省が進める地域子ども教室を一体的に連携させようという施策で,児童が放課後を学校で過ごす環境を整え,共稼ぎの子供にはさらに時間を延長するとのことであります。
 大変気になるのは,大規模学童保育や,あるいは学童保育の待機児童解消にはつながるにせよ,PTAやあるいは地域の方々がつくり上げ,そして指導員による専門的な指導を行ってきた従来の学童保育との関係であります。また,地域事情がさまざまにある中で公立小学校に一斉に導入となって,実際にこれは対応できるものなのかどうなのか,地域格差は出ないのか。ある意味非常に唐突とも言える国の大きな施策転換でございますが,その対応と課題についてお知らせください。
 ところで,子供たちをめぐるさまざまな事件の中で,我が子を加害者にも被害者にも,そして何よりも傍観者にもさせたくないと,親ならだれもが思います。しかし,学校と地域と家庭が協力して少年非行を防止するには,思いやりの心を育て,規範意識を身につけさせることが重要だというのはわかるんでありますけれども,これはまさに問いを問いで答えるようなもので,意外に有効な具体策にはなっていないように思います。
 そこで,私自身が考える幾つかの提言をさせていただきます。

 提言その1,「岡山っこ宣言」であります。
 やはり,教育基本法の改正という大きな問題もさることながら,まずは会津の地にあるようなあいづっこ宣言のようなものを岡山もつくるべきであると私は考えます。西南の役に走らせた鹿児島の郷中教育もそうでありますが,いわば日本の歴史を動かす原動力になったほど,地域の子供たちの魂の根っこに入っている教えというものが会津若松にはございます。会津若松の町中には,会津藩校である日新館の什の掟をアレンジしたあいづっこ宣言を書いた看板が町の至るところに立っていて,子供たちは毎日それを見ております。その内容は,「1,人をいたわります。2,ありがとう,ごめんなさいを言います。3,がまんをします。4,卑怯なふるまいをしません。5,会津を誇り年上を敬います。6,夢に向かってがんばります。やってはならぬ,やらねばならぬ,ならぬことはならぬものです」,というものでございます。
 例えばホリエモンは,最後の夢に向かって頑張ります以外は全滅だと思いますけれども,最後のならぬことはならぬものですというのが,非常に私は大切だと思います。例えば,目上の方にため口をきくのが恥ずかしいとも思わない,また逆にそれを諭せない,そういう人間もふえておりますけれども,大人のそう言い切るだけの威厳を持つためには,身をただす実践の必要がございます。あるいは,大人を変える宣言でもあると思います。岡山弁で言えば,「やったらおえん,やらにゃあおえん,おえんもんはおえんのんじゃ」と岡山の子供たちなら,いや岡山の人間ならだれでもそらんじて言うことができる,岡山っこはかくあらんという魂の根幹にしみ込むようなこうした「岡山っこ宣言」を,例えば就学前から子供たちが毎日唱和していたら,幾つかの事件は起きていなかったと思います。逆に,日本一古い藩校がある教育県岡山県において,なぜこうした基本となるような教育理念が伝わっていないのか,私はむしろ疑問に思います。
 今後,青少年が健やかに成長していくために,「岡山っこ宣言」の制定を提言させていただきますが,知事の御所見をお聞かせください。

 提言その2でございます。「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」であります。
 早寝,早起き,朝御飯,その重要性は,もはやだれもが知っておりますけれども,それができないのはむしろ保護者の方に責任があって,子供だけを責めても仕方がない部分があります。では,なぜ保護者がそれができないのか。それは,非常に安直に言えば,社会が悪いからだということになります。
 思うに,一体日本人はいつから,例えば午後7時には家族が皆うちに帰って家族で食卓を囲まなくなったのでしょうか。それが可能なのは公務員の方だけでありましょうか。いや,公務員の方も多分できてないと思います。特に子育て世代の親は残業,子供は塾で家族はばらばら,午後7時に子育て世代の家族が顔を合わせてともに食事をして,会社や学校や地域であったことをお互いに話をする,それで解消される問題が,実は非常に多いのではないかと思います。しかも,家族が皆早く寝れば,不思議なことになぜか家族もふえるのではないか。ともあれ,こうした家族で晩御飯がなければ,早寝,早起き,朝御飯もできないのではないかと思います。
 要は,おてんとうさまが沈んで暗うなったら皆家へ帰ろうや,という当たり前のことができない社会が実は問題なのだと思います。そこからさまざまな無理が生じ,持続不可能な社会になると,かように私は考えているわけでございますが,こういう社会観,家族観,「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」について,知事はどう思われるでしょうか。知事は毎晩,美しい奥様の温かい手料理で,御自宅で夕食をとられていると思いますけれども,子育て世代の県民の皆様がせめて家族で週3日でもよい,家で晩御飯を食べるというのが当たり前の世の中になるように啓発できないものでしょうか,あわせて御所見をお聞かせください。

 最後,提言その3でございます。「14歳のあなたへ」であります。
 約10年前,岡山市内の,当時はやや荒れていた中学校で,親の気持ち,思いを子供たちに伝えれば,きっと子供たちは理解して成長してくれると担任の先生が考えられ,2年生の保護者全員に,「14歳のあなたへ」という我が子へのメッセージを書くことが,冬休みの保護者への宿題として出されました。恐らく「5歳のあなたへ」なら,きっと我々も簡単に伝えることができると思いますけれども,思春期の真っただ中,「14歳のあなた」へ親が伝え,そしてまた子供たちがそれを受けとめることが,いつの間にやらいかに難しくなっていることか。もちろん,いろんな保護者がおられ,内容もさまざまでありますけれども,親の気持ち,思いが1冊の本にまとめられ,子供が生まれたときのこと,少しずつ親から離れていくうれしさと寂しさ,気持ちが通わなくなっていく寂しさ,それでもしかし,いかに子供たちを親が愛しているのか,正直に申し上げて,私はこの「14歳のあなたへ」という文集を涙なしに読むことはできませんでした。恐らく,子供たちはなおさらだったと思います。この学校では,毎年,14歳の子供を持つ保護者に子供にメッセージを書く宿題が出され,3学期の参観日の授業の題材にそれをまとめた文集を使って子供たちの感想を聞く中で,親と子のお互いの思いがしっかりと伝わってか,それ以来,この学校は落ちついて,「14歳のあなたへ」はこの学校の今は誇りになっております。これ私は本当によい話だと思います。教育長の御所見をお聞かせください。
 以上,「岡山っこ宣言」,「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」,そして「14歳のあなたへ」の3点セットで大人も子供も変わると信じて質問を終わらせていただきます。

(知事)  次に,子育て支援にかかわる幾つかの御質問であります。
 まず,認定こども園でありますが,認定こども園は,従来の幼稚園,保育所に加えまして,幼保が連携をし,小学校就学前の子供の教育,保育ニーズにこたえる新たな選択肢になるものと考えておりまして,待機児童の減少や3歳未満児の保育の要請にもこたえることができるものと考えております。
 また,地方裁量型につきましては,現在の幼稚園,保育所の教育及び保育の水準を満たすものについて認定する方針としております。
 子供課の設置でありますが,子供に関する施策は,福祉,保健,医療や教育,労働など,あらゆる分野が連携して取り組むことが重要であると考えております。このため,岡山県子どもを健やかに生み育てる環境づくり総合対策本部を設置いたしまして,私が本部長となって,全庁を挙げて子育て支援対策を総合的かつ計画的に推進をいたしております。
 今後とも子供の幸せの視点に立って,関係部局がより一層連携を密にし,子育て支援に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 放課後子どもプランでありますが,これは国が来年度の概算要求で総合的な放課後対策として打ち出したものであります。このプランには,放課後児童クラブと放課後子ども教室の2つの事業がありますが,両事業の実施を考えますと,保護者負担の有無,新たな地方負担,対象児童の重複,市町村の取り組み状況による地域間格差など,さまざまな課題があろうと思われます。
 いずれにいたしましても,情報収集に努めまして,県教委とも連携をしながら,その対応につき検討してまいりたいと存じます。
 幾つかの御提言をいただきました。
 まず,岡山っこ宣言の制定でありますが,私も青少年の健全な成長のためには,子供たち,そして親が規範意識を持つことが重要であると,このように考えておりまして,お話のように,わかりやすく覚えやすい言葉で社会生活を営む上での大切なメッセージを伝えるということは,これは大変有意義なことであると存じます。しかしながら,このメッセージはそれぞれの地域のアイデンティティーや歴史,風土を踏まえつつ,一方的な押しつけにならないように配慮をし,そして言葉の意味に対する県民の深い理解や幅広い賛同などが必要であると考えているところであります。
 今後,議員御提案のこの宣言の問題につきましては,青少年対策を幅広く検討していく中で,御提案の趣旨につきましても研究をしてまいりたいと存じます。
 最後に,家族観等についてお話の「早寝,早起き,朝御飯,家族で一緒に晩御飯」の御提言でありますが,このことが当たり前となって,家族での団らんなどの機会がふえて,家族のきずなが深まるということは私も大変望ましいことと考えております。この点につきましては,先般,国において,家族の日や家族の週間の制定などが盛り込まれました新しい少子化対策が発表されたということでありまして,国の動向も踏まえまして,家族や生命の継承の重要性,結婚,出産の意義等の啓発などを行ってまいりたいと考えております。

(教育長)  保護者からの我が子へのメッセージ,「14歳のあなたへ」についてでありますが,我が子が生まれたときの感動や期待,成長する姿を見守る思いなどをメッセージとして言葉で伝えるこの取り組みは,思春期を迎えました子供たちの心を動かし,改めて親の思いに気づき,自分自身をかけがえのない存在として意識し,目標を持って励んだり,自分の行動を振り返ったりすることにも役立っていると思われます。私といたしましては,精神的にも身体的にも急激な成長を遂げている不安定な時期の子供に,大人がきちんと向き合い,互いの思いや考えに気づくよう努力をすることが,子供たちの健やかな成長にとって大変重要であると思っております。こうした取り組みや努力が学校や家庭,地域で一層広がっていくことを期待しているところでございます。



<平成17年9月定例会>(2005年9月27日)

(佐藤)  次に,さて早いもので,岡山県立図書館開館から1年がたちました。利用者も予想をはるかに超えて,おおむね好評のようで,県立美術館,天神山文化プラザ,ルネスホールとともに,まさに文化ゾーンの核となっていることを心から喜びたいと思います。しかし,県内の図書館のネットワークのかなめとしての機能のみならず,旧来の図書館にない機能として,子育て支援とITを活用したビジネス支援という観点こそがこの図書館の目玉ではなかったかなと認識しておりますけれども,まずは,今後の図書館のさらなる充実の方向についてお聞かせください。
 ところで,この県立図書館を社会教育施設として見た場合に,伊島町にある生涯学習センターとの役割分担,機能分担ということが問題になってくると私は思います。この2施設の機能は,非常に現在重複している部分が多いのではないでしょうか。特にスタジオのたぐいは,残念ながら,どちらも十分に使い切れていないんじゃないかと私は認識していますが,施設として現在のところ非常に似通ってしまっている。しかし,生涯学習センターの生涯学習情報提供システムの「ぱるネット岡山」は,民間まで含めた学習情報を非常に多く集められていて,ポータルサイトとしては,これは出色のものであると評価させていただきたいんですが,箱物として行政の所管が違うこの生涯学習センター,そして烏城高校,県立児童会館があの場所に集合しているメリットが十分に生かされていないのではないか,そのように感じております。そのうち,県立児童会館につきましては,先ほど申し上げた指定管理者制度の導入で大きく生まれ変わることを期待いたしますけれども,生涯学習センターについても思い切った見直しが必要なのではないでしょうか。
 私は,2月定例会で,大学コンソーシアムの支援について提言させていただきましたけれども,あの伊島町の生涯学習センター内に,大学コンソーシアムの拠点を設置すれば,周辺は多くの大学に囲まれている地の利からも,そしてまた,単位互換性という意味では,学生がそばにおるわけですから,さまざまな学生が集う場になって,そして一般の県民が生涯学習の場として訪ねることもできる,また,人文社会科学系での産学官の連携を積極的に進め,県の総合的な大学との連携の窓口の場にも成り得て,何よりも社会教育施設として,県立図書館とこの生涯学習センターの機能分担がはっきりできるように思いますけれども,いかがお考えでしょうか。
 また,生涯学習センターの一つの特長として,視聴覚ライブラリーの拠点であるということも挙げられます。視聴覚ライブラリーの端緒というのは,生涯学習というよりもGHQの政策によるもので,要は,16ミリのフィルムを団体向けに貸し出すという仕組みが時代の流れの中で今はフィルムがビデオになって,それがDVDまでなかなか変わっていない,そういった状況であります。そして,この視聴覚ライブラリーは,むしろ教育現場で使われる資料のような形になっていて,現在,一般への貸し出し,一般団体への貸し出しというのは年々細ってきている,そういった状況であります。特に,インターネットの普及は,著作権の問題をクリアできれば,視聴覚ライブラリーのあり方そのものを変えてしまいます。ただ一方で,市町村合併により幾つかのこうした視聴覚ライブラリーが廃止され,例えばその地域の習俗等を収録したフィルム,あるいはビデオというものがあるわけですが,それがこのまま散逸してしまうおそれがあります。願わくば,一刻も早くデジタル化を進めていく必要があります。しかし,現状は,県のこの視聴覚ライブラリーの連絡の協議会が,市町村に対してフィルムの扱い方等の研修会等を行うのが本当に精いっぱいでありまして,こうした面で早急な支援が必要であると考えます。この点についていかがお考えでしょうか。

(教育長)  まず,県立図書館の充実についてでございますが,お話の子育て支援では,子育てに役立つさまざまな育児書や児童図書の充実に努めております。児童図書コーナーでは読み聞かせなども行っており,多くの家族連れに利用をされております。また,ビジネス支援では,ビジネス関連図書や産業・企業情報のデータベースの充実を図りますとともに,経済関係団体等と連携したビジネス支援セミナーや若い人の就業や起業への関心を高めるため,図書館主催で高校生対象の起業家塾も開催をいたしております。今後とも,引き続き子育て支援やビジネス支援の充実を図りますとともに,県民ニーズの把握に努め,これまで以上に広く県民に親しまれる図書館を目指してまいりたいと思います。
 次に,生涯学習センターと県立図書館との機能分担についてでございますが,県立図書館は,御承知のように,図書資料の提供を主とした県内の中核施設であり,一方,生涯学習センターは,県民が生涯にわたって行う学習活動を支援するための拠点施設でございます。生涯学習センターは,県民公開講座であります岡山県生涯学習大学や学習情報提供システム「ぱるネット岡山」を運営いたしており,学習機会を提供する場として,生涯学習の集まりや催しに広く利用をされております。
 また,大学とのかかわりにつきましては,岡山県生涯学習大学の講座を大学に委託したり,大学での講義をインターネットで配信するなどの連携を図ってまいりました。御提案の大学コンソーシアムにつきましては,現在,関係大学間で来年4月の発足に向けて準備が進められており,その動向を見守ってまいりたいと存じます。
 最後に,視聴覚ライブラリーへの支援についてでございますが,一部の市町村のライブラリーでは,お話のように,地域の貴重な郷土資料等を所蔵しており,記録保存のためデジタル化も必要であると考えております。今後,市町村の求めに応じまして,生涯学習センターにおいて,技能習得のための研修会や機材の提供などの支援を行ってまいりたいと存じます。
 さらに,デジタル化した資料のうち,著作権の問題のないものにつきましては,広く県民に御利用いただけるよう,視聴覚ライブラリーの貸出資料として整備したり,県立図書館の「デジタル岡山大百科」への登録を働きかけますとともに,今後,支援のあり方につきまして市町村の関係者とも話し合ってまいりたいと存じます。



<平成17年6月定例会>(2005年6月17日)

(佐藤)  最後に,15年の6月定例会でも取り上げさせていただいた吉備高原都市についてお伺いいたします。私は,吉備新線を吉備高原に上がるときには,この緑豊かな自然環境と広域高速交通網のアクセスに恵まれた立地条件の中,保健・福祉・教育・文化・産業・レクリエーションなど,各領域にわたる高度な機能を備えた魅力ある人間中心の21世紀を志向したコミュニティー都市を建設しよう,そんな吉備高原都市の夢を強く感じます。政治に携わる者ならだれでもあるような夢,そしてロマンの話ができていたころがうらやましくもあります。結果としては,今は実っていないかもしれませんが,その夢を少しでも実らせたい。さもないと,我々の子供たちに大きな荷を背負わせることになってしまう,そのようにいつも考えております。
 この吉備高原都市には,先生方がまさに全身全霊を込めて生徒にぶつかっておられる2つの学校があります。学校ができた生い立ちも,経営体制も,理念も,また通う生徒や保護者の方々の考え方も異なりますけれども,生徒を思う先生の思いと先生と生徒の間にある強固な信頼関係,また非常に経営が厳しいというのも共通であります。
 その1つは,学校法人吉備高原学園の吉備高原学園高等学校であり,いま一つは,学校法人希望学園の吉備高原のびのび小学校,吉備高原希望中学校であります。1991年開校の吉備高原学園高等学校は,学校法人でありますが,理事長は県知事がつかれておられます。全国にも類のない公私協力方式の1学年が百数十名という少人数教育の全寮制普通科の共学校であります。不登校傾向のあった生徒,高校を中途で退学した生徒も積極的に受け入れておられるため,県内的には不登校生徒が集っている,そんなイメージが走っておりますが,同校の掲げる全人教育の理想に沿って明確な教育理念のもと,社会に対応する教育を行っておられます。全国からの視察も絶えませんが,充実した設備と先生の熱心さに,他県の追随を許さないと私は思います。とりわけ先生方も,皆,吉備高原都市に暮らされ,先生と生徒がまさに生活をともにしておられます。先生方は,1日のすべての時間を教育に注いでおられます。
 一方,昨年創立10周年を迎えられました吉備高原のびのび小学校,吉備高原希望中学校は,入学を希望する子供の入学は原則として拒まないということで,全寮制で多くの不登校を経験した生徒や学習障害等で既存の学校に適応しづらい子供たちが,文字どおり豊かな自然環境の中,伸び伸びと暮らしています。そして,ここでも先生方は,1日のすべての時間を教育に注いでおられます。公立,私立通して日本唯一の小中一貫の全寮制の学園であって,10年間の実績が認められ,文部科学省より,平成16年度文部科学省教育改革推進モデル事業(不登校児支援)に指定され,さらに,同省より今年度,研究開発学校(不登校全寮制)の指定を受けました。不登校対策に文科省も活路を見出そうとする中,まさに希望学園は一つの希望を見出していると言えると思います。義務教育と高等学校教育の違いもありますし,小中高一貫校というのは,あるいは現実的ではないかもしれませんが,2つの学校がある意味でたまたま吉備高原にあって,そして県外の児童生徒も多いのですが,彼らがあの吉備高原都市からたくましく巣立っていくことに,私は確かな意味があると思います。吉備高原にできる教育センターと日本に2つとないこの2つの学校をうまく結ぶことで,全国でも例のない不登校対策のセンター機能ができ,岡山県として全国に発信できるのではないか,不登校に陥る子供たちも,保護者も,また教師も,吉備高原に来れば新たなエネルギーをもらうことができる,あるいは国の教育研究機関の誘致に名乗りを上げることができるのではないでしょうか。それは,吉備高原都市のロマンにもかなうことだと思いますがいかがお考えでしょうか,廃校になる吉備北陵高校の活用策とあわせて教育長にお伺いいたします。
 そうした中,定員増を見越して吉備高原学園高等学校には寮の拡大,またそもそもが廃校の校舎を改装された希望学園は,老朽化が進んで,体育館すらない状態であります。全国に誇る両校の施設面の整備の支援が必要なように思いますが,いかがお考えでしょうか。
 ところで,しかしこれですべての生徒に対応できるわけではありません。いずれ学校の適応指導教室になっていく方向なのかもしれませんが,いわゆるフリースクールについて明確な調査が必要な時期に来ているのではないでしょうか,また,いじめや不登校から引きこもりに至るような実態についていかように調査がなされ,体系的に支援されていくのか,方向をお知らせください。

(知事)  最後に,吉備高原学園高校等の施設整備の支援についてでありますが,現下の急速な少子化の進展や志願者数の減少傾向等から,当面,吉備高原学園高校における定員増を見越した寮の拡大は予定されていないところであります。
 また,希望学園につきましては,学校法人の施設の整備は,本来設置者みずからが行うべきものとされておりまして,こういったことから,施設設置に対します県の助成は困難であると考えておりますが,設置者の意向等をお聞きしながら,県としてどういった対応が今後可能なのか,周辺の関係施設の利活用ということも含めまして,今後,研究をしてまいりたいと存じます。

(教育長)  まず,交通安全教育についてでございますが,学校におきましては,自他の生命を尊重するという基本理念に基づきまして,発達段階に応じて保健の授業や学級活動,生徒会活動等で,交通安全についての関心と理解を深める取り組みを行っているところであります。小中学校では自転車を,高校ではオートバイを主に交通マナーや法規,運転技術などについて指導がなされております。高等学校の中には,日本自動車工業会の資料自転車と道交法をもとに学習しているところもございますが,県下の高校生約61%が自転車通学をしているという現状を考えますと,さらなる指導の充実が必要であると考えております。今後も,警察や関係機関・団体の協力を得て,子供たちの交通安全に対する認識が深まるよう取り組んでまいりたいと思っております。
 次に,アンケート調査についてでございますが,高校生に対しまして,交通ルールやマナー等について調査をすることは,交通安全に関する現在の自分自身の心と行動を見つめ直すことができ,交通安全意識の高揚に有効であると考えております。今後は,県下の高校,警察,交通安全協会等で組織いたします県高等学校交通安全教育推進連絡協議会の場で検討してまいりたいと思います。
 次に,不登校対策のセンター機能についてでございますが,県教育センターは,教員の研修機関でありますことから,教育相談部門も教員研修と教育相談員の研修を主としておりますが,県の不登校対策の中核的な機能もあわせ持っております。不登校の子供も受け入れている吉備高原のびのび小学校,希望中学校との連携につきましては,現在,国の指定を受けて両校が取り組んでいる研究に,県教育委員会からも運営指導委員会の委員として参加するなどの支援を行っております。お話の新教育センターとの今後の連携につきましては,どのようなことが可能なのか,研究してまいりたいと思います。
 なお,国の教育研究機関を地方に置くという話は聞いておりませんが,吉備北陵高校の跡地につきましては,教育施設として活用してもらいたいとの地元の声が生かせるよう研究をいたしておるところでございます。
 次に,フリースクールについてでございますが,いわゆるフリースクールにつきましては,開所日や開所時間,活動内容がまちまちでございまして,確たる定義はございませんが,施設があってそこに指導者が常駐し,定期的に子供が活動しているものとして,市町村教育委員会が把握しているものが6カ所県内にございます。現在,国においては,不登校児童生徒及び保護者に対して指導支援を行っている実績のあるNPO,民間施設等と連携した取り組みを研究することとしておりまして,県内では,岡山市が国の指定を受けて連携や活動のあり方について研究を始めたところでございます。今後,岡山市の研究成果や中央教育審議会義務教育部会の審議の動向などを見定めながら,連携のあり方や把握の方法等について研究してまいりたいと思います。
 最後に,引きこもりの実態等でございますが,小中学生の不登校につきましては,毎年調査を実施し,そのきっかけや不登校が継続している理由等について把握をしてまいりましたが,国では,今年度新たに高校生の長期欠席の実態把握を始めたところでございます。この背景の一つとして,平成15年の厚生労働省の調査で,引きこもりのうち約3割が高校生のとき不登校を経験していたという結果が明らかになったこともあるのではと思っておるところであります。このため,学校では,卒業後または中途退学後も引き続き児童相談所や青少年保健福祉センター等の専門機関の支援が得られますよう,在学中から家庭と連携して取り組んでいく必要があると考えております。



<平成14年2月定例会>(2002年3月5日)

(佐藤)  次に,総合的な学習の時間についてお伺いいたします。
 遠山文部科学相は,昨年11月末,中央教育審議会に対して教育基本法の見直しを諮問しました。明治以来の教育勅語に入れかわるように昭和22年に制定されて以来,本格的に議論されるのは初めてということで,大いに注目したいところであります。それに先立つように,いよいよ本年4月から全国の小中学校で新しい学習指導要領が全面実施されます。
 新しい学習指導要領は,生きる力を育成することを基本的なねらいとしていますが,文部科学省としては,「心の教育」の充実と「確かな学力」の向上とが教育改革の特に重要なポイントであるとしています。「総合的な学習の時間」は,「確かな学力」の向上のための施策のその3,「学ぶことの楽しさを体験させ,学習意欲を高める」に当たります。
 ところで,この「総合的な学習の時間」については,たびたび指摘させていただいておりますように,各校の裁量にゆだねられ,教員もPTA等も大変な不安を抱えての本格実施ということになります。
 また,かなりの小・中・高校で前倒しで実施されたと思われる「総合的な学習の時間」ですが,現在のところ,学校,地域,PTAからどういう声が上がっているのでしょうか。当初の目的を達するために,予算面を含めて無理のない本格実施ができるのでしょうか。現場の教員に対して指導・相談等人的,制度的なバックアップ体制は十分整っているのでしょうか,現在の状況をお知らせください。
 特に,小学校の国際理解教育の一環としての英語については,子供たちは楽しい英語活動を心待ちにしていますが,その活動ができる環境の小学校もあれば,そうでもないところもあります。そのカリキュラム,実践方法,学校体制についての不安や問題を抱えた状態であり,さらに外国人を招くに当たっての諸費用や外国人との協力体制,外国人の指導力についても不安を抱えている状態ですが,民間のノウハウの活用等を含めて今後どのようにサポートされていかれるのでしょうか。
 あわせて,「小学校英語活動実践の手引」が今年度文部科学省から発行されましたが,小学生が学習すべき英語のあり方についてどのようにお考えなのか,お知らせください。
 さらに,既に多くのNPOやNGOが,「総合的な学習の時間」には積極的にかかわってくださっていますが,ボランティア派遣講師の人材バンクのようなものを設立してはいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。
 若干これは重複になりますが,これに関連して,「総合的な学習の時間」の本格実施もあり,さらに現場の教員の負担が増すと思いますが,昨年12月に,文部科学省が「教職員関係調査統計資料」を発表しましたが,その中の病気休職者数等の推移を見ると,病気休職者のうち精神性疾患による休職者数がここ数年増加傾向にあります。県教委の本年1月の調査発表によれば,先生の中で疾病等が最も大きな要因で,特別な対策が必要な教員が41名おられたということですが,こういった心の健康が原因で適切な対応ができないということは,子供たちにも大きな影響を与えます。本県における精神性疾患による教職員の休職者の状況及び疾病等により特別な対策が必要と考えられる教員の実態はどのようになっているのでしょうか。また,この問題をどのように認識され,どのように対応されようと考えておられるのでしょうか。
 最後に,教育に関連して,IT先進県である我が県の特殊性は教育現場にどう生かされていくのか,具体的にお伺いいたします。
 まず,社会教育,生涯学習については,岡山県エル・ネット「オープンカレッジ」モデル事業の成果を含めて,エル・ネットが岡山情報ハイウェイとどうリンクされながら各市町村の生涯学習施設,例えば公民館等で生かされていくのか,お知らせください。
 関連して,特にビデオや16ミリフィルムを基本とした視聴覚ライブラリー,これは割と郡部の方にありますけれども,各公民館等にビデオだとか16ミリフィルムが置いてあってだれでもごらんになれるというものですが,こういったものがIT化の流れの中でどのように変容していくのか,その方向性についてもお伺いいたします。
 加えて,現在,不登校の児童生徒に対して,インターネットを活用した学習保障がハード的には実現できる状況になりつつあると思いますが,実際民間企業の厚意によってインターネットの講座を持つ動きがあるとも聞いております。こういったインターネットを活用して不登校の児童生徒を支援することをお考えでしょうか。
 以上,教育長にお伺いいたします。

(教育長)  まず,「総合的な学習の時間」の本格実施の支援などについてでございますが,保護者や地域からは,子供たちが活動に生き生きと取り組んでいるとか,地域のよさが見直される中で家庭での話題がふえたという声がある一方で,教科の学力低下を心配する声もございます。
 また,学校からは,子供たちが教科の時間に比べより興味,関心を持って学習に取り組んでいるとか,発表する力が身についてきているという声がありますが,一方では,学習成果が短期間にあらわれにくく,評価がしにくいという声もございます。
 予算につきましては,ほとんどの市町村で何らかの措置がなされておりまして,さらにその努力が続けられております。県教育委員会では,地域の方を講師として依頼する特別非常勤講師制度,各種の教員研修,実践事例集や指導資料の配布などによりまして,円滑な実施に向け支援を行っているところでございます。
 次に,小学校での英語活動についてでございますが,教員の指導力の向上を図ることがまず大切であります。県教育センターの研修の中で,先進校の事例を紹介したり,民間の指導方法や教材づくりのノウハウも取り入れていきたいと考えております。
 また,人的支援といたしましては,市町村が海外生活経験豊かな民間の方などに指導をお願いする際に,県教育委員会の特別非常勤講師制度が活用をされております。
 小学校の英語学習のあり方につきましては,歌,ゲーム,あいさつなどの体験的な活動を通しまして,簡単な英語を使ったり,外国人と触れ合うなどして,子供たちが自然に英語に親しむように工夫することが大切であると考えております。
 次に,講師の人材バンクについてでございますが,現在,人材バンクは,学校や市町村教育委員会ごとのものや,ライオンズクラブなどの民間団体のものなどさまざまなものがございます。今後,これらの人材バンクが学校で一層活用されますよう,民間団体等とも連携しながら情報提供の充実に努めてまいりたいと存じます。
 次に,精神性疾患による休職教員などについてでございますが,昨年12月に国が発表した調査によりますと,精神性疾患による休職者の本県の発生率は0.3%で,全国平均の0.24%を上回っているのが現状であります。
 また,本年1月の県教育委員会の指導力実態調査では,疾病の内容についてまで報告を求めておりませんが,さきの調査から類推いたしまして心の健康に課題のある者が多いのではないかと考えております。
 近年このような憂慮すべき状態が続いておりますことから,今年度,専門医などによるメンタルヘルス対策委員会を設置し,その提言をもとに学校としての対応策をまとめた冊子を作成しております。来年度は,ストレスチェック事業の拡充や専門医による相談窓口の開設,さらに円滑に職場復帰するための方策も検討していただくことにしております。
 次に,エル・ネットについてでございますが,これは,全国の大学のさまざまな公開講座などを身近な公民館などで受講できるシステムとして有効であると思います。しかし,まだ受信設備が未設置の公民館なども多く,今後,設置を働きかけますとともに,著作権上の問題のないエル・ネットの番組につきましては,岡山情報ハイウェイを活用し,インターネット上でいつでも見ることができるビデオ・オン・デマンドによる提供について検討してまいりたいと思います。
 次に,視聴覚ライブラリーについてでございますが,急速なIT化の進展の中で,ライブラリーの今後のあり方については検討すべき課題であると認識しております。県の視聴覚ライブラリーの今後の一つの方向性といたしまして,郷土資料などの著作権上の問題のない資料につきましては,先ほどのビデオ・オン・デマンドによる提供を拡充することも考えられるところであります。
 現在,国において著作権のあり方について検討が進められておりまして,解決すべき課題も残されているところであります。さらに今現在,ビデオ教材が貸し出し希望の大半を占めておるわけでありますけれども,今後は,DVD教材など新しい多様な教育メディアの整備にも努めてまいりたいと存じます。
 最後に,インターネットによる学習保障についてでございますが,現在,不登校の児童生徒のための適応指導教室におけるマルチメディアを活用した指導につきまして,岡山市に委嘱し,研究をしております。それによりますと,学習に取り組むようになるまでにかなりの時間がかかっておりまして,現段階では学習ソフトの活用程度にとどまっておるところであります。
 県教育委員会といたしましては,この委嘱の成果も踏まえながら,インターネットの持つ双方向性といったものを有効に活用いたしまして,さらにどのような学習支援ができるかを研究してまいりたいと存じます。



<平成13年6月定例会>(2001年6月14日)

(佐藤)  最後に,教育改革と,総合的な学習の時間と,高校生会議についてお伺いいたします。
 小渕政権以来の懸案事項である教育改革について,昨年の暮れに,いわば総理の諮問機関である教育改革国民会議の報告が時の森総理に出されました。この「教育を変える17の提案」を受け,ことし1月,21世紀教育新生プランを文部科学省がつくり,7つの重点戦略(通称レインボープラン)が示されました。教育の日の制定を初め,岡山県の教育改革プログラムが示す県の施策も,国の21世紀教育新生プランに乗ったものが非常に多いわけですが,そもそも,いじめ,不登校,校内暴力,学級崩壊,青少年犯罪など教育問題が深刻化する中で,行き過ぎた平等主義や公を軽視する風潮に歯どめをかけるべきではないかという問題意識からの抜本的な教育改革は時宜にかなったものであり,高く評価できるものと思います。
 さて,その中で,ゆとり教育とは,教育内容を精選し,選択の幅を拡大させることを指し,例えば,進んでいる子供にはより高度な内容を扱うことも可能で,要するに,学習指導要領はあくまで最低基準であり,間違っても到達目標や上限基準ではない,すなわち,「ゆとり」は「緩み」ではないということが言われておりますが,ゆとり教育とは何ぞや,教育長の御意見,御見解をお聞かせください。
 さらに,来年度から本格実施される総合的な学習の時間については,学年の段階に応じて教科で学んだことを実践で体得するためのもので,それぞれの教科と結びついたものであるとも言われていますが,総合的な学習の時間のあり方,目指すものについて,教育長の見解をお知らせください。
 さて,その総合的な学習の時間を前倒しで実施する小学校の中で,国際理解の一環として英会話学習が取り上げられています。英語嫌いを助長するのではないかという声もある一方で,リズムを取り入れた楽しい実践的取り組みもなされています。中学校では,必修教科になる英語について,小学校段階でどのように扱うべきでしょうか,教育長にお伺いします。
 また,岡山県立児童会館は非常に老朽化していますが,三木知事以来の由緒あるプラネタリウムを備えており,いま一度,環境学習,科学学習の拠点として再生できないか,保健福祉部長にお尋ねします。
 加えて,総合的な学習の時間に,地域の方が学校支援のためのボランティアとしてどれだけかかわっておられるのか,教育長にお尋ねします。
 また,昨年来,積極的に展開されている高校生会議ですが,この会議の成果が各学校でどのように生かされているのでしょうか。会議録をネット上に流し,広く意見を募ったり,大人社会に向かって彼らが思いを発信するためにどんな支援がなされているのでしょうか,教育長にお伺いいたします。

(保健福祉部長)  県立児童会館についてでございますが,プラネタリウムの上映あるいは科学模型の展示のほか,県内の児童館の指導ですとかボランティアの育成などの役割も担っており,併設された児童遊園は休日には児童の利用も多くなっております。当面は,貴重な財産として現存施設の活用促進を図ってまいりたいと考えております。

(教育長)  まず,ゆとり教育についてでございますが,教育内容が厳選されたことによりまして生まれた時間的精神的なゆとりを,繰り返しの指導や個別指導を十分行い,基礎的基本的な内容の確実な定着を図りますとともに,習熟度別学習などにより,個に応じた指導の充実を図るものであります。また,観察,実験など,まとまった時間の要する学習に,今まで以上に積極的に取り組ませることによりまして,みずから学ぶ意欲や思考力,判断力などを育成しようというものでございます。
 次に,総合的な学習の時間のあり方,目指すものについてでございますが,この時間は,みずから課題を見つけ,みずから学び,考える力などの生きる力を育成することを目指しております。この総合的学習の時間は,各学校が具体的な目標や内容を独自に設定して実施するものでありますが,その際,ただ単に何らかの体験をしたということで終わらせるのではなく,目標の達成度をきちっと評価したり,各教科等との密接な関係を図ったりする必要があると思います。
 次に,小学校での英会話学習についてでございますが,発達段階を踏まえまして,歌,ゲーム,簡単なあいさつなどの体験的な活動を通して学習することが大切であると思います。その際,中学校での英語教育を前倒しするというのではなく,身近な英語を扱うこと,音声を中心とする活動を行うこと,中でも,無理に覚えさせないことなど,子供たちが楽しみながら自然に英語に親しむと,このように配慮することが大切だと思います。
 次に,学校支援ボランティアについてでございますが,総合的な学習の時間に絞った調査をいたしておりませんが,学校の教育活動全般についての昨年度行った調査では,小学校ではほとんどの学校におきまして,中学校では約6割の学校におきまして,例えば昔のおもちゃづくりでありますとか農作業体験の指導などに地域の方々の御協力をいただいているところであります。
 最後に,高校生会議についてでございますが,昨年度,県下各地区で,高校生や教員,PTAの代表者の方がいじめ問題などについて語り合い,仲間づくりや学校の枠を超えた自主的な活動の大切さが確認をされました。参加した生徒たちは,それぞれの学校に戻りまして,協議内容でありますとか,そうした活動の内容を全校生徒に伝えたり,募金活動やクリーン作戦等への参加を呼びかけるなど,各学校での生徒会活動の中心となって活躍をしております。
 また,高校生の思いなどを発信するため,高校生フォーラムの開催とか高校生新聞,ホームページの作成などが考えられますが,今後,こうした自主的な活動を支援してまいろうと思っております。
 なお,吉井川クリーン作戦や夏祭りなどの後片づけなど,さまざまな活動が計画をされております。どうかこうした高校生の活動を,報道関係の皆様からも彼らのそうした思いを広く県民に紹介していただけば幸いでございます。



<平成12年12月定例会>(2000年12月12日)

(佐藤)  次に,去る11月6日,障害のある子供に対する教育のあり方を検討していた文部省の調査研究協力者会議が,障害児がどのような学校で学ぶかを決定する基準を緩和し,盲,聾,養護学校に進まずに地域の小学校の普通学級に就学する道を広げるように求める中間報告を出しました。これを受けて文部省は,障害の程度に応じて厳格に子供の就学先を振り分ける現行の「就学指導基準」を38年ぶりに緩和する方針と言われています。もっとも,都市部では既に市町村の教育委員会が希望に応じて普通学級への就学を認めており,文部省が現状を追認した形と言えるかもしれません。
 そこで,私は,岡山市内の幾つかの学校現場を実際に訪ねてみました。たとえ障害があっても,盲,聾,養護学校でなく普通学級に我が子を通わせたい,そんな保護者の切なる願いを肌で感じ,障害のある子供たち,障害のない子供たち双方に非常によい教育効果があることは理解できました。しかし,同時に,それを推進していくだけの施設設備や人材が確保できるのか,自治体や学校,教師の力量の差がはっきり出てしまう非常な不安も感じました。さまざまな障害のある子供たちが一つの教室で集団生活を送るとき,子供たちのために果たして現状の配置,設備のままで教師が耐え得るのか,大変な危機感を覚えたのです。
 教育長は,この中間報告に対して率直にどんな感想を持っておられますか,教育現場の現状と今後の方向性を含めてお知らせください。
 また,障害児が在籍している普通学級に民間のボランティアが入り,さまざまな形で子供たちを支えることができないか,あわせてお尋ねします。
 加えて,その中で私は難聴の子供たちに出会いました。難聴児については,乳幼児期にできるだけ早く発見して,早くから訓練等を開始すれば,通常の言語能力を獲得できる可能性が高くなるとお聞きしています。また国も,新生児を対象に難聴の早期発見のための新たな検査事業に取り組むと聞いておりますが,本県としても積極的に対応すべきではないでしょうか。現状もあわせお伺いします。
 さらに,難聴であると診断された場合,どのような支援対策があるのか,お伺いします。
 さらに,私は,聞こえの不自由な方々を支える要約筆記ボランティアの方々にお会いしました。要約筆記とは,聞こえの不自由な方の耳がわりとして,相手の話すことを文字で書いて伝える手段です。岡山県下には,聴覚障害者の方で身体障害者手帳の交付を受けている方が約7,000人おられますが,このうち手話でコミュニケーションできる方は約1,500人と言われています。中高度の難聴,途中失聴の方々には書いて伝える要約筆記が必要です。特に,高齢化が進み,身体障害者手帳を持たない難聴の方も増加しています。
 要約筆記ボランティアの活動は,福祉大会などでOHPを使い三,四人で手話と一緒に行われることも多いのですが,実は難聴の方が病院や役所に行かれるのに同行していくのも大きな仕事です。県内には,一部の地域を除き多くの要約筆記ボランティアクラブがありますが,とりわけ高価な器械を使用されることもあり,財政的にも,保管面でも大変なようです。
 知事は,手話でごあいさつされると伺ってはおりますが,要約筆記についてはどのような認識をお持ちでしょうか。あわせて,高齢者の方を対象にされた県の主催行事にはぜひ要約筆記をつけていただきますようお願い申し上げます。
 さらに,聴覚に障害のある方やボランティアの情報基地として,現在は岡山県視聴覚障害者福祉センターがありますが,むしろ視覚障害の方に重点のある施設のように感じます。全国的に,視覚障害者の施設と聴覚障害者の施設は分離していく方向にありますが,聴覚障害者情報提供施設の設置はお考えでないか,あわせて知事にお尋ねします。

(知事)  次に,障害児教育であります。
 難聴児への支援メニューでございますが,現在,保健婦等が乳幼児健診やあるいは健康相談,訪問指導の場におきまして,難聴児の早期発見に努めているところであります。
 また,御質問にもございましたが,より早い時期に発見をして療育指導をすることが大変重要であり,また効果的であることから,国が新規に行います事業であります新生児聴覚検査事業の実施について検討してまいりたいと思います。
 次に,支援対策でありますが,医師,言語聴覚士などが相談や指導を行います巡回相談事業とか,あるいは難聴幼児通園施設におきまして必要な訓練等を行いますとともに,補聴器の交付あるいは育成医療の給付などの支援措置というものを講じているところでございます。
 次に,要約筆記でございますが,中途で聴覚障害者になった方や,あるいは難聴の方等のコミュニケーション確保のためには,これは極めて重要な手段であると考えております。現在,県下各地で多くの要約筆記ボランティアの方々が活躍をされていると,このように承知をいたしているところでございます。県といたしましては,今後も,要約筆記奉仕員の養成に努めたいと考えておりますし,同時に,高齢者や障害者の方々を対象とした行事に要約筆記奉仕員の方を派遣するなど,その積極的な活用を図ってまいりたいと存じます。
 聴覚障害者情報提供施設についてでございますが,県は,全国に先駆けまして昭和60年に視覚障害者と聴覚障害者のための複合施設といたしまして,岡山県視聴覚障害者福祉センターというものを設置いたしまして,障害者の方々の社会参加に必要な情報提供サービスを行っているところでございます。しかし,お話のように現在の施設は,聴覚障害者情報提供施設といたしましては,機能面で充実を要する部分があるために,今後,聴覚障害者の方が利用しやすい施設となるように,他の場所での整備というものも視野に入れながら検討をしてまいりたいと存じます。

(教育長)  障害児教育のあり方についてのお尋ねでございますが,国の調査研究協力者会議の中間報告では,盲,聾,養護学校に就学すべき子供であっても,障害の種類,程度,小中学校の施設設備の状況等を総合的な観点から判断して,適切な教育ができる合理的な理由がある特別な場合には,小中学校に就学させることができるという,こういう旨の提言がなされております。基本的には,障害のある子供には,現在の養護学校等での専門的な教育が必要であるとの認識は変わっていないものと考えております。
 小中学校に受け入れる場合には,御指摘のような心配がございますので,受け入れの基準や人的,物的な条件整備について国の方策が示されることが必要であると,このように考えております。
 今後,今年度末の最終報告を受けた国の具体的な検討結果を踏まえまして,適切に対処してまいりたいと存じます。
 また,ボランティアの受け入れにつきましては,学校の教育活動に沿って支援していただけることはありがたいことと考えております。



<平成12年2月定例会>(2000年3月8日)

(佐藤)  岡山情報ハイウェイにも絡んで,それを発展的に使いこなしていく人づくりのための教育の側面から質問させていただきます。
 まず,教育長にお伺いいたします。平成10年12月に告示された小中学校の新学習指導要領並びに平成11年3月に告示された高等学校と盲学校,聾学校及び養護学校の新学習指導要領は,平成14年度から実施される完全学校週5日制を念頭に置き,ゆとりの中で生きる力をはぐくむことを基本としていますが,授業時間の縮減,教育内容の厳選が図られている中,情報教育については例外的にその充実が図られています。この中で,情報教育及び情報化の推進は,21世紀に向けて生きる力を育成する重要な柱となっています。そこで,順次お尋ねします。
 まず県立学校では,平成10年度岡山情報ハイウェイに接続され,既に授業や特別活動等での活用が始まっているようですが,特に,小学校につきましては,コンピューターの設置,またインターネットへの接続がややおくれているように伺っています。昨年,文部省は,郵政省や通産省などと連携して,情報化による教育立国を目指し,公立の小中高校に校内情報通信網(LAN)の整備をするとともに,公立学校教員90万人全員がコンピューターを操作できるようにする計画をまとめましたが,県内の小中高校でのコンピューターの設置状況,インターネットへの接続状況,また,コンピューターを操作指導できる教員の割合の現状と対策についてお知らせください。
 また,小中学校では,各教科や総合的な学習の時間などの中で,コンピューター等の活用を図ることなど情報教育を推進していくとのことでありますが,いわゆる教科書のない総合的な学習の時間の中で,どのように児童生徒に情報教育を進めていくのでしょうか。加えて,総合的な学習の時間について,各学校の裁量にゆだねられたり,地域社会との交流が進んだりと,学校のあり方が変わってくると思われますが,今後の取り組みについてお伺いいたします。
 また特に高校においては,平成15年度から実施される高校の新学習指導要領で,新たにコンピューターなどを学ぶ教科「情報」が必修となり,さらに専門教科「福祉」が新設されます。文部省の計画は,向こう3年間で全国に情報の先生を9,000人,福祉の先生を1,200人を養成するという大計画であり,高校にほぼ2人の割合で,コンピューターを専門で教える情報の先生が必要になりますが,本県ではどのように養成していくのでしょうか,お教えください。
 加えて,文部省の方針は,電子メールによるカウンセリングなど,コンピューターを生徒指導に活用する考えのようですが,これが,不登校や校内暴力,いじめ,学級崩壊の解決策足り得るのか,また,学校における情報化の推進は,家庭,地域との連携や学校運営のあり方に変化をもたらすものなのか,教育長の見解をお教えください。
 次に,職業教育としての情報教育について,いわゆる専修学校,各種学校についてお伺いいたします。
 専修学校,各種学校は,職業や実際生活に必要な能力の育成,教養の向上を図るための教育機関として,工業,医療看護,衛生,商業実務,家政芸術,文化教養,教育,社会福祉等,多様な分野にわたる組織的な教育が行われており,教育内容が多様かつ実際的であり,また,実践的な専門技術,技能の習得を重視した指導方法がとられており,社会・経済情勢の急激な変化に伴い多様化複雑化する教育上の要請に即応できる教育を行っています。昨春からは,大学への編入学が認められる等,社会的な評価が高まってきており,生涯学習の推進の担い手にもなっています。就職難,戦後最悪の失業率の中で,まさに社会人としての即戦力を養成する教育機関であると思います。伝統的な雇用形態,終身雇用制度が崩れつつある中,新卒者を企業が何年もかけて育成する余裕もなく,スペシャリストを即採用したい,そういうニーズに最もこたえているのが専修学校,各種学校と言えると思います。在校生の中には,大学を卒業後,また,一度社会人を経験して技能・資格習得のため入学されている方も非常に多く,企業が社員教育の一環として提携しているようなケースもあるようです。また!
,特筆すべきは,県下79校の専修学校,各種学校の学生約1万人の多くが県内在住者で,岡山県内に就職する人が多いということであり,こういった専修学校,各種学校の力が岡山県の底力にもなるということです。特に岡山情報ハイウェイを有効に利用するような情報教育は,一歩も二歩も先に進んでいます。そこでまず,知事に,こういった専修学校,各種学校への認識,評価をお伺いいたします。
 次に,情報産業の市場は,慢性的に人手不足であり,その要請にこたえるべく,商業実務関係の専修学校が頑張っても,日進月歩でコンピューターは進歩しており,パソコンは設備投資というよりも消耗品という様相を呈している中,情報の最先端を行こうとすればするほどみずからの首を絞めてしまうという状況があります。また,介護保険の導入とも相まって,ますます多くの学生が医療看護関係の専修学校に進んでいきますが,こういった学校のパソコンを含めた設備投資もしかり,また,今は理美容もCGを使う時代です。その社会的な要請に比べて,中国5県の中でもまだまだ岡山県の専修学校,各種学校への助成は少なく,パソコンに関してはもちろん,一般的にもさらなる支援が必要だと考えます。特に,一般運営費については,国からの直接の助成制度がないため,県の支援が殊さら重要であると考えますがいかがでしょうか,総務部長にお尋ねいたします。
 さらに,平成10年から,雇用保険の教育訓練給付制度がスタートしています。働く人の主体的な取り組みを支援し,雇用の安定と再就職の促進を図るというこの制度は,条件を満たせば労働大臣指定の教育訓練に対して上限20万円,受講料の80%が給付されるわけですが,まだ県民の皆さんに十分に認識されていないように思います。特に,情報技術革命による起業に際して,技術者や専門家を中途採用するケースもふえており,情報教育としても極めて有用な制度であると考えます。そこで,岡山県下の実績,今後の取り組みについて,商工労働部長にお尋ねいたします。
 加えて,いわゆる人材派遣を含めて,特に女性の就職,再就職のためには,最低限パソコンの操作はできるというのが常識になりつつあります。特に,女性に対して,情報教育を初めどのような教育支援がなされているのでしょうか,生活環境部長にお伺いいたします。
 次に,知事は,本年4月から施行の福祉のまちづくり条例に絡んで,「心」「物」に加えて「情報」のバリアフリーを言われておりますが,岡山情報ハイウェイとどう連関していくのでしょうか。就労という意味でも,障害を持たれている方が情報教育を受けられることは極めて重要だと考えますが,障害をお持ちの方に,どういった形でパソコンを普及し,またどんな情報を供給できるのでしょうか。具体的に保健福祉部長にお伺いいたします。
 最後に,だれでも自由にネットに参加できる岡山情報ハイウェイはすばらしいと思いますが,むしろそのメリットが最大限に生かせるのは,都市部というよりもいわゆる過疎地域であると思います。また,在宅という面では,高齢者の方にも有用です。ところで,幾らパソコンが各戸に普及しつつあるといっても,あんなものはきょうあしたに使えるようになるものではありません。だからこそ教育が必要なわけですが,過疎地の方,高齢者の方に,一体どうやって利用していただくのでしょうか。つないだのはよいけれど,しょっちゅうフリーズして,そうでなくてもわけのわからない代物に慌ててしまう事態が容易に想像できますが,情報ハイウェイのネットを広げれば広げるだけ,地域のコンピューターのトラブルのお助け人が必要であると思います。少なくとも,各市町村あるいは各地方振興局ごとに対応が必要であると考えますが,そういった対策は今後講じられていくのでしょうか,知事にお伺いいたします。

(知事)  情報教育についての種々のお尋ねがございましたが,まず私に対しましては,専修学校,各種学校についてのお尋ねをいただいたわけでございます。本県におきましても,職業教育とかあるいは専門技術教育,こういった分野におきまして大変重要な役割を果たしていただいているわけでございまして,商工業とか,医療とか,あるいは衛生など,幅広い分野において卒業生を送り出して,本県の経済あるいは社会の発展に大きく貢献をしてきていただいたと認識をいたしております。特に,今日では,社会あるいは経済の急激な変化というものがございまして,これに機敏にかつ弾力的に対応する,そういう教育が必要であります。いわゆる実際的な教育というものが必要でございまして,こういった点から考えますと,今後さらにその重要性というものが高まっていくのではないかと,このように期待をしているところでございます。
 次に,高齢者等への情報教育についてのお尋ねでございましたが,パソコンについて,最近における動きを見ておりますと,メーカーとかあるいは販売店が,接続サービスとかパソコンの教室などを行うようになってきていると,このように承知をいたしております。また,各地におきましても,生涯教育の施設であるとかあるいは高等学校の開放講座で実施しておりますけれども,こういった分野に多くの高齢者の方々が参加をされているわけでございまして,NPOとまではいかないですけれども,町内会活動の中にありまして,パソコン教室あるいはインターネット塾などを開催している地域も見受けられるようになってきております。地域コミュニティーの中にありまして,そういった高齢者の情報教育に対しますその支援の輪というものが徐々に広がってきているものと思っております。御提案の趣旨も踏まえまして,地域においてこれからどのような対応が可能なのか,御存じのとおり振興局単位に地域情報化推進委員会というものを設けておりますので,その中にありまして検討をしてまいりたいと存じます。

(総務部長)  専修学校,各種学校に対する県の支援についてでございますが,設備整備等に対する助成を実施しているところでございまして,平成12年度予算におきましては,情報教育などを一層推進するため,前年度に比べて増額することとしているところでございます。
 専修学校,各種学校の運営費に対する助成でございますけれども,その規模や教育内容が多様でございまして,一律の助成になじみにくい事情があることでございますとか,現下の大変厳しい財政状況から行っていないところでございまして,今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。

(生活環境部長)  情報教育についてのお尋ねの中の,女性に対する教育支援についてでありますが,県では,主に再就職を希望する女性を対象に,技術講習会や女性就職準備講座などを開催いたしておりまして,特に,お尋ねの情報教育につきましては,ウィズセンターを中心に,パソコン,ワープロの技術講習を,平成11年度においては14講座開催いたしまして,358人の参加を得たところでございます。

(保健福祉部長)  情報のバリアフリーについてでございますが,県内どこからでも,低料金でインターネットの利用ができます岡山情報ハイウェイは,情報のバリアフリーを推進する上での一つの重要な基盤になるものと考えてございます。
 次に,障害者のパソコン利用についてでございますが,岡山障害者職業センターでのOA講習あるいは市町村障害者社会参加促進事業などでのパソコン訓練が実施されているところでございまして,こうした活動が各種の機関であるとかあるいは市町村におきまして積極的に取り組まれるよう努めてまいりたいと存じます。
 また,供給する情報についてでございますが,県におきましては,ホームページでの福祉サービスに関する情報提供に加えまして,今後,バリアフリーガイドの掲載を行うなど,障害者の方に向けての情報の充実に努めてまいりたいと存じます。

(商工労働部長)  情報教育についての中の教育訓練制度についてでございますけれども,平成10年12月制度創設以来の本県におきます受講修了者は,1月末現在で,男性941人,女性615人の1,556人でありまして,男性では技術系,女性では事務処理系が多くなっております。この制度は,働く人が自主的に多様な能力開発に取り組むことに対しまして支援しようとする雇用保険の給付制度でございまして,これまで,国が作成をいたしました広報資料に加えまして県独自のパンフレットを作成いたしまして,雇用保険の適用事業所とか離職者に配布するほか,関係団体の機関誌への掲載など,きめ細やかな制度の周知に努めてきたところでございます。
 本制度は,新年度からは国の直接事務として新たに設置されます労働局で取り扱うことになりますが,県といたしましても,労働局との緊密な連携のもと,今後とも,制度の積極的な周知に努めてまいりたく存じます。

(教育長)  まず,コンピューターの設置状況等についてでございますが,平成11年3月末現在,小中高等学校1校当たりのコンピューターの平均設置台数は,それぞれ,約12台,31台,79台でございます。インターネットへの接続状況は,それぞれ,約19%,52%,95%でございます。また,小中高等学校で,コンピューターを操作できる教員は,それぞれ,約57%,61%,76%でありました。指導できる教員は,それぞれ,約30%,23%,30%でございます。今後,来年度改編いたします県の情報教育センターや,市町村教育委員会が実施いたします研修におきまして,平成13年度末までにすべての教員が操作できて,半数の教員が指導できるようになるよう,計画的に教員研修を行うことにしております。
 次に,総合的な学習の時間における情報教育についてでございますが,今後ますます高度情報通信社会が進展していく中で,児童生徒がコンピューターを活用して,必要な情報を主体的に収集,選択,活用する能力を育成することが重要になってきております。来年度から実施することができる総合的な学習の時間では,例えば,環境をテーマとした学習の中で,インターネットを活用して各地の川や湖の汚れなどを調べてホームページで発表したり,国際理解をテーマとして外国の学校と電子メールの交換をするなど,コンピューターを活用したさまざまな取り組みが推進できると考えております。総合的な学習の時間の取り組みを通して,児童生徒の主体的体験的な学習活動や,地域の人材や施設を活用した特色ある学校づくりなどを一層促進することが大切でありまして,今後とも,総合的な学習の時間の趣旨の徹底に努めますとともに,積極的に取り組むよう指導してまいりたいと存じます。
 次に,先生の養成についてでございますが,本県では,平成15年度から高等学校において教科「情報」の免許状を所有する教員が約190名必要であると見込んでおります。このため,県教育委員会では,平成12年度から3年間で,情報教育センターにおいて,現職教員を対象に講習会を実施いたしまして,「情報」の免許を計画的に取得させることにしております。
 最後に,学校における情報化の推進についてでございますが,いじめや不登校等の問題に関しましては,これまでスクールカウンセラーの配置など教育相談体制の充実に取り組んできているところでございますが,こうした取り組みに加えまして,電子メールを活用した相談は時間や場所の制約を受けずに気軽に相談できるなど有効な方法の一つであると考えております。また,学校におけるホームページや電子メールの活用などの情報化の推進は,学校の情報を積極的に家庭や地域に発信いたしますとともに,いつでも地域の方々から意見がいただけるなど,家庭,地域社会との連携やこれからの学校運営に有効な手段であると考えております。



<11年6月定例会>(1999年6月24日)

(佐藤)  さて,今我々若い世代はもとより,多くの日本人が価値観が多様化し混沌とした時代の中で,自分自身を見失い,よって立つべきものを探しているように感じられます。日本人の一人一人が,岡山県民の一人一人が自分探しをしている,そんな時代であります。政治のなすべき役割はさまざまあるのでしょうが,こういった時代に,これからよって立つべきものを指し示すことは極めて重要であると思います。一体,我々はどこへ向かうのか,日本人は,岡山県民は,どこへ向かっていくべきなのか,少なくとも21世紀の政治家は恐れずにそれを語れなくてはいけない,国の姿,国のあり方がタブー視されることなく議論されないといけない,地方分権,地方主権の時代は,日本という国を明確にしないとやってこない,地方に暮らす我々が地方を語るために,まず国を語らないといけない,私はそう思います。
 21世紀の日本人が,よって立つべきものは何かという問いに対する私の答えは,極めて簡単です。日本人は日本人に返れ,そのことに尽きます。このことは,何も武器を抱えて戦争をおっ始めなさいということではありません。日本人が本来持っていたはずの謙虚さ,潔さ,思いやりや優しさを取り戻そうと言いたいのです。政治経済のみならず,環境問題,福祉の問題も,昔の日本人ならどうしていたろうと考えることで解決できることもあるはずです。そして,この国際化された時代だからこそ,日本人が日本人であることが重要であると思います。
 我々が外国に行って恥ずかしいのは,英語がしゃべれないからだけではない,我々が誇りや愛情を持って自分の国を語れないことが何よりも恥ずかしい。およそ自分自身を愛せずして,本当に他人を愛せるでしょうか。自分の住む地域を知らずして,愛せずして,よその地域のことを,そこに暮らす人々のことを本当に愛したり理解したりできるでしょうか。日本人が,はたから見て気色悪いのは,要するにおのれのことも,自分の国のことも,地域のことも知らずとも,愛さずとも平気でいられるところです。自分自身を理解していない者を相手に,相互理解はあり得ないと思います。
 思うに,21世紀の日本人が根幹に据えるべきものは,中心に来るべきものは,日本人が日本人であるという誇り,自信ではないでしょうか。そして,日本人が日本人であるためには,もっともっと我々日本人が日本を知らなくてはいけない。日本人よ,日本人たれ。そのことは,今後も,私は強く訴えていきたいと思います。
 ところで,御案内のとおり,現在,国会でいわゆる国旗・国歌法案が議論されています。まさに,これは日本の根幹についての話であります。お隣広島県では,国旗掲揚,国歌斉唱をめぐり高等学校校長が自殺するという大変痛ましい事件があったわけですが,あるマスコミの世論調査では,国民の約7割が,国旗・国歌の法制化を望むという結果が出ているようです。
 そこで,端的に知事にお伺いさせていただきます。
 法律がなくとも,いわゆる日の丸(日章旗)は国旗でしょうか。君が代は国歌ですか。

 また,国旗・国歌法が通過した場合,県としては何がどう変わりますか,お教えください。
 また,21世紀の日本人がよって立つべきものは何だとお考えですか,ぜひ国家観を交えてお答えください。
 また,教育長にお伺いいたします。
 端的に,入学式,卒業式といった学校行事に際し,小中学校を含めた公立学校で日の丸の掲揚,君が代の斉唱がどの程度行われているのか,また今後どのように指導されていく御予定ですか,お教えください。
 あわせて,私立学校についても,総務部長にお伺いいたします。
 さらに,私は,世界史,日本史という授業科目があって,岡山地方史がないことを甚だ疑問に思います。教育の目的の中に,地域社会に役立つ人材を育てることがあるとするならば,岡山県民が岡山地方史を学ぶのは当然ではないか。我々は,長い歴史の中では,しょせんは過去から未来へつなぐバトンランナーの一人にすぎません。未来の子供たちへしっかりとバトンを手渡す前に,預かったバトンの意味を過去から教えてもらわないといけない。バトンはどう受け継がれてきて,どう手渡すべきなのかを考えることは極めて重要だと思います。そして,岡山県民が岡山を知ることで,地域を,国を愛する心や誇りが生まれ,そのことこそが岡山の個性になると思います。

(知事)  日の丸・君が代につきましては,長年の慣行によりまして,日の丸が国旗,そして君が代が国歌であるとの認識が広く国民の間に定着をしていると考えられておりますが,私もそのように認識を持っております。
 また,法案が通過,成立をした場合でございますが,法案に義務づけ規定等が置かれておりませんで,直ちに国旗・国歌にかかわる運用が変わるものではないと承知をいたしておりますけれども,国旗・国歌の意義に対する県民の理解がさらに深まる契機になるのではないだろうかと,このように考えているところでございます。
 次に,日本人のよって立つべきものについてでございますが,21世紀に向けまして,我が国は人と人がお互いに支え合って,そして快適で豊かな地域社会を形成をしていく,そしてその上で,世界の平和と繁栄に貢献をしていくということを通じまして,世界から信頼される国家,それを目指していかなければならないと私は考えております。そして,こうした社会を築く中心というものは,あくまでも我々自身でございまして,日本人一人一人が,地域づくりあるいは国づくりというものに積極的に参加をして,努力をしていくということ,これが何よりも大切なことではないかと,このように考えているところでございます。

(総務部長)  国旗・国歌についての御質問でございますが,直近の全国調査でございます平成6年度卒業式及び平成7年度入学式におきます私立学校の実施状況でございますが,国旗掲揚率が94.1%,国歌斉唱率が82.4%となっております。
 国旗掲揚,国歌斉唱につきましては,今後とも,学習指導要領に基づき,適切に実施されるよう指導してまいりたいと考えております。

(教育長)  お答えいたします。
 まず,公立学校の入学式,卒業式での国旗・国歌についてでございますが,国旗の掲揚につきましては,すべての学校で実施されております。国歌の斉唱につきましては,この春の卒業式では,小学校99.8%,中学校98.2%,また,入学式では,小学校99.3%,中学校98.2%,これらの学校で実施されておりまして,高等学校,特殊教育小学校におきましては,いずれもすべての学校で実施しております。
 これまで,学習指導要領に沿いまして,入学式や卒業式などにおいて国旗を掲揚し,国歌を斉唱するよう指導してきたところでございまして,今後とも,学習指導要領にのっとり,適切に実施されるよう指導してまいりたいと存じます。
 次に,岡山地方史についてでございますが,学校の授業で,岡山の歴史だけを取り上げた体系的な指導はしておりませんが,小中学校では,県教育委員会の作成いたしました郷土資料集や,教師みずからが研究,作成した教材などを活用いたしまして,地域の文化や開発に尽くした津田永忠やあるいは大原孫三郎などの先人について調べたり,地域の文化財や博物館,郷土資料館などを見学,調査したりするなどの学習活動を行っております。
 また,高校におきましては,平成8年度から,地理歴史科の選択科目といたしまして,「岡山の歴史と文化」を県独自に設けております。一部の高校におきまして,岡山の人物や政治,産業などの地方史を学習しております。
 お話のように,児童生徒が岡山の歴史に接して,先人の努力を知るとともに,郷土を愛する心を培うことは,人間形成の上でも大変有意義なことであります。今後とも,発達段階に応じて,地域に根差した歴史の学習が一層充実するように指導してまいりたいと存じます。

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