2001年7月30日(月)
【岡山県立総合社会福祉センター】

 本日は、個人で、岡山市平田の岡山県立総合社会福祉センターを訪ねました。
 その550で、国立吉備高原職業リハビリテーションセンターに伺った時に、中途障害者の方の職業リハビリテーションについて、同施設では、必ずしも力点が置かれていなかったことから、県の施策が気になっていました。

 実は、このセンターは、過去に2度、DVの関係で、相談部の女性相談部、児童虐待の関係で、施設内にある岡山県中央児童相談所に、いずれも個人で調査に来ています。


 さて、この岡山県立総合社会福祉センターは、いずれ岐路に立たされると思います。

 平成11年8月19日の石井知事の諮問に答えて、本年3月27日、岡山県社会福祉審議会、岡山県児童福祉審議会が、「21世紀を展望した社会福祉サービスのあり方と県の果たすべき役割について」というという答申を出しています。

 答申によれば、「総合社会福祉センターは、身体障害者及び知的障害児者の施設を統合し、さらに、身体障害者更生相談所及び知的障害者更生相談所などの相談機関を併設した施設として、昭和48年に設置され、県下の身体障害及び知的障害児者の福祉の向上に大きく寄与してきた。
 しかし、民間において施設整備やサービスの充実が図られており、県立施設が果たす役割も、その設立当時とは、大きく変化してきている。また、建物・設備の老朽化が進んでいる。」とのことです。


 地盤が緩いこともあり、特にひびが目立ち、築30年にしては確かに老朽化していますが、昭和52年には、皇太子殿下、皇太子妃殿下、浩宮殿下が、ご視察になられるほどの、全国に自慢できる豪奢な施設だったことが、今でも伺えます。

 敷地面積は、約5万7954uに、建物延べ面積が、1万4929u。真横を外環状(岡山西バイパス)が通過することになり、この規模の建物は、2度と再び、行政が造ることは出来ないと思います。


 総合社会福祉センター内には、身体障害者福祉法に基づく身体障害者更生相談所を窓口に、身体障害者更生援護施設が2施設に加えて、補装具制作施設。
 知的障害者福祉法に基づく知的障害者更生相談所を窓口に、知的障害児施設が1、知的障害者更生施設が1施設。
 売春防止法に基づく女性相談所を窓口に、「婦人」保護施設があります。


 このうち、肢体不自由者更生施設(職業課)の入所者は、定員の3分の1で、他の職業訓練施設が増えてきており、さらに減少傾向にあります。
 また、本来、中軽度の障害者の職業的自立を目的としたものですが、入所者の重度化・高年齢化により職業的自立になかなか繋がらず、入所期間が長期化していると言われています。
 さらに、入所の長期化に関しては、障害そのものの問題よりも、家庭での受入体制や地域の支援体制の問題に負うところも大きく、ケアマネジメント機能が、必要であるとも言われています。

 また、重度身体障害者更生援護施設(訓練課)の入所者も、定員の半数強で、近年、医療機関等におけるリハビリテーション機能の充実などにより、入所者は、減少傾向にあります。
 また、入所者の高齢化、障害の重度化、重複化が進んでいます。

 一方で、もとはといえば分離した向かいの西養護学校が手狭であること、さらに、女性相談所の一時保護機能や児童相談所の機能充実の要請もあります。


 知的障害児者部門を含めて、今回の答申では、施設の統合及び運営の民間委託を具体的に進めることが、提言されています。



 非常に崇高な理念を掲げられ、日夜激務に励まれる職員の皆様に、心からの敬意を払いつつも、やはり、ちょっと現行では、かなり厳しいものがあると判断せざるを得ませんでした。

 隣接した外郭団体の「健康づくり財団」の豪奢な施設が適切かどうかは、わかりませんが、やはり、委ねられるなら民間に委託をすべきではないか。
 老朽化したあれだけの施設、維持管理には、莫大な費用がかかります。
 施設そのものが、不要であるとは言いませんが、岡山県が、現状で維持管理するは、時代の趨勢からしても、もはや無理だと思います。

 間違いなく、今後の岡山の郊外の一等地になる地域であり、福祉拠点としては、良い場所だと思いますが、民間が手を挙げないでしょうか?


 なかなか、「福祉」という言葉が先に来ると、見直しが難しいのですが、入所者に皆さんのためにも、なにより、それを支える岡山県民のためにも、抜本的に岡山県立総合社会福祉センターを見直す時期に来ていると私は、思います。
 願わくば、岡山県立総合社会福祉センターをお尋ね頂き、皆様のご意見をお聞かせ下さい。


 なお、昨年度より、この地域挙げての素晴らしい夏祭がスタートしていることも付言させて頂きます。
 もっと開放されれば、この施設内に、かなりの美しい緑があるのがわかります。

Copyright (c) 2001 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp