2003年5月2日(金) 【救援物資備蓄センター】

 今年の連休の間隔は、仕事をする上で、なんとも効率が悪い気がしますが、皆様如何でしょうか?

 本日、岡山空港内に、「救援物資備蓄センター」がオープンしました。このセンターは、岡山発の国際貢献を行うため、大規模な自然災害等に伴い国際救援活動を行うNGO等に備蓄物資を提供し、円滑に活動が行えるよう支援するとともに、県内・国内の災害に係る緊急救援活動にも活用するための救援物資を備蓄するもの、だそうです。

 本日は、県自ら購入したものと県民の皆様から寄せられたもの合わせて約2000点の物資が運び込まれたようです。
ttp://www.pref.okayama.jp/kikaku/kokusai/kouken/kouken.htm
 お問い合わせは、企画振興部国際課国際貢献推進班へ。


 ところで、このスペースは、実は、70平方メートルしかありません。そういうこともあり、今回の募集は、あくまで、毛布、テント、寝袋、タオルケットに限っているようで、長く保存できないもの、また、衣服等の募集があるわけではありません。

 私も過去に、何度かAMDAの緊急救援物資の積込みを岡山空港でしたことがありますが、飛行機をチャーターして出動する時の物資の量は半端ではなく、今回のセンターは、国際貢献都市・岡山の象徴的な備蓄であると考えるべきかもしれません。

 もっとも、実際に、寒いカラフトの救援に届いた衣服の中には、厚意とはいえ、使い古しの下着や、常識を逸したような毛布もあり、緊急時に、その整理に追われるのも、また事実です。
 たちまち、動かせる物資があるのは、心強い限りです。


 ところで、私は、8年前に、スリランカの子ども達に、頂いた新品の靴と、集めた古靴を届けたことがありました。結局は、コロンボで、内戦で孤児となった子ども達の施設に、届けることができ、たいへんな歓迎を受けました。(歓迎会代賃も取られましたが・・・。)

 日本のODAの問題も考えさせられましたが、親日的なスリランカは、実に良いところ、という印象が残っています。ちなみに、食器の「ノリタケ」の工場もあります。

 もっとも、実は、届けたかった内陸部では、そもそも子供が靴を履いていない!!という事態に直面し、多いに困ったのです。ひとつには、暑いし、砂地だし、確かに裸足の方が気持ち良かったし、なにより、すぐに、貰った靴を街で売ってしまうので、意味がなかったということがあります。

 なによりも、日本出国時に、輸送賃については、スリランカ政府の力もありましたが、着いた空港で、ひともめした一番の問題が、大量に物資を持ち込む場合の関税の問題でした。
 結局、現地で買った方が、良かったのではないか、という事態に陥りかけましたが、なんとか、先方の厚生大臣の力で、しのぎました。

 しかし、通常のNGOが、先方の民間団体に届けようとすれば、まず、出国までの手間と、この輸送賃と関税の問題で、行き詰まる可能性があります。
 いくら物資があっても、集めても、届けられない、そういうジレンマがあります。


 今回のセンターが、AMDAを意識した緊急救援物資の備蓄であるという意図は、十分に理解した上で、NGOは、緊急救援だけではありません。そもそも、AMDAの活動も、緊急救援は華ではありますが、活動の一部です。

 ある意味、草の根的な息の長いNGOに対する支援としても、恒常的に、集約機能を果たすセンターがあれば、それに越したことはありません。でも、量があればあったで、輸送賃と関税がなぁ・・・。
 たちまち、世界の子ども達には役に立つものがあるのですが、届けられないのが、もどかしいです。

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