2001年10月7日(日) 【人道援助の準備時期?】

 今回、セミナーの中で、元パキスタン大使のお話を聞く機会がありました。

 多民族国家であるアフガニスタンですが、旧ソ連の侵攻以来、日本は正式な国交がなく、隣のパキスタン大使も、公的にタリバーン政権を認めることになるからと、アフガニスタンに入ったことがなかったとのことです。
 したがって、日本は、アフガニスタンの状況が極めて掴み難いとのことで、全て「・・・ではなかろうか?」、という話です。

 タリバーンとは、なんぞや?という話から伺ったのですが、なんとなく最初は、ちょっと、イスラムの幕末の志士、松下村塾的です。ただ、極めて高い志の彼らが、政権を取ったら、超過激化して、手がつけられなくなった、という感じです。

 今となっては、タリバーンを除いた政権の樹立を他国もパキスタン国民も、つまりは、タリバーン以外は、望んでいる状態のようです。
 かといって、反タリバーンのタジキスタンやウズベキスタンのアフガニスタンへの影響力が強まることをパキスタンは、望んでいないという・・・・。

 イランも、イスラム少数派のシーア派で、アフガニスタンのシーア派であるハザラ系を支援するので、結果として反タリバーンですが、パキスタンは、同じイスラムでもスンニ派なので、あまりイランが出てくるのも、パキスタン的には、愉快でないという・・・。

 聞けば聞くほどわからない、大混乱。お手上げ状態です。やはり、国際情勢、外交は、近隣諸国の勢力地図や多方面への影響の様が、具体的に描けるプロでないとわからない部分が、多々あります(某大臣は、大丈夫?)。もっとも、外務省への信頼は、失墜の極みですが。



 さて、肝心の日本のとるべき態度ですが、この元大使が言われるに、第一次世界大戦は、火事場泥棒的に、いわば、「わざと巻き込まれた」。第二次世界大戦は、かなり積極的に打って出て、巻き込まれたというより、主体的に参加した。しかし、今回は、まさに、「巻き込まれた」状態である、とのことです。

 歴史認識や解釈は様々でしょうが、今回は、アメリカの怒りに任せた行動に、要するに、日本が、どこまで、お付き合いするか、という話で、結論的には、まともに、とことんまでつきあうことはない、というご意見でした。これは、初めて聞くタイプの見解でした。クールです。

 ただ、自衛隊による物資輸送、医療班出動以外に、日本がすべきことがあります。それは、UNCRから緒方さんが、退かれた後も、引き続き、大量に出るであろう避難民に対して、日本が積極的に人道援助を行うことです、とのことでした。

 元大使、外交官が、冷静に見ると、こうらしいのですが、なるほど、そういう見方があるのか、と個人的には、感心している次第です。

 自衛隊の議論を見守る一方で、民間レベルでは、人道援助の準備を始めるべきなのかもしれません。
 さすれば、岡山でも、やれることはあるはずです。



 さて、他県の地方議員と話していると、執行部の事業説明に対して、なんで何万円の事業には質問が飛ぶのに、何億円の事業には、議員は、何も言わないんだろう?という話になりました。かえって額が大きいほど、スイスイ行くのはなぜ?見たこともないお金の話は、結局皆、麻痺しているんだろうなぁ、と。

 スーパーの買物なら、10円が気になるのに、自動車だ家だということになると、気分がでかくなって、非常にアバウトになるようなもんか〜、と、それでは、すまないです。


 それでは、皆様、良い週末と休日をお過ごし下さいませ。

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