2001年11月17日(土) 【DVシェルター】

 我が県では、この3月に、男女共同参画社会の関する基本計画である「ウィズプラン21」が発表され、6月には、「岡山県男女共同参画の促進に関する条例」が制定(施行は10月1日)され、この10月13日に「配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律(DV防止法)」が施行されています。

 DV(ドメステック・バイオレンス)に関しては、県条例は、DV法よりも厳しく(対象が広く)、特に全国に先駆けて、裁判所から、被害者の保護命令が出されたこともあり、先駆的な県という評価を受けていると思われます。


 自分で言っては、仕方ないのですが、13年2月議会での私のDVに関する一般質問は、現場調査して、わりとよくまとまっているので、是非、議事録ホームページご覧ください。
ttp://giji.pref.okayama.jp/cgi-bin/isgate.exe/ISgetattr/Gikai/Gikai_F2?oid_string=000001C04CA90000&version=0110

 680でお伝えしたように、現在は、ウイズウイークということで、本日も、ウィズフェスティバル2001分科会「なくそうよ家庭内の暴力〜DV防止法を知っていますか〜」が、「ウィズセンター」で、開催されました。


 本日は、午後から「学校づくりについて考えてみる会」で、岡山市施設の「さんかく岡山」も訪ねたのですが、超苦手な岡山県施設の「ウィズセンター」。個人的には、市の「さんかく」の方が、敷居が低い気がしますが、県の「ウィズ」は、クレドビルの17階。ちょっとふらっと行こうかしら、という気分になりません。


 とりわけ、先日の遙(はるか)洋子さんの講演で、苦い思いをしているため、恐怖が先に立ちつつ、勇気をふり絞り、男一人で、行きました。
 特に、本日は、DV体験者の方が、パネリストで出られ、片手にさえ余る男性参加者には、非常に厳しいものがありました。いろいろ重ねました。

 私の小中高時代の我が家も、さして変わらなかったように思います。そして、やはり、子ども達が、一番の被害者であると痛感します。
 ただ、逆に、苦しむ子ども達には、それを越えて欲しい、絶対に越えろ!!と、心からエールを送ります。絶対に克服しないといけない、どんなことがあっても、あらゆる努力をして、「連鎖」を自らが、断たないといけないのです。
 そういう宿命でも、運命は、変えられる、それが、使命です。努力しかない。信じるしかない。


 それはさておき、2月議会の質問時以降も、DV法施行後も、やはり、改善すべき点が多々あります。特に、最前線の現場、女性相談所の現状は非常に厳しく、全ての根本と言われる「ジェンダーフリー」という言葉では、結局何一つ解決しない、要するに、今日どう生きるのか、という問題があります。


 ・ DV防止法では、保護命令として、加害者に2週間住居からの退去命令を
  出すことができますが、いわば命の危険がないと適用できないということで、
  精神的なDVに苦しむ方をどう保護するのか。

 ・ 女性相談所の一時保護された方が、住居を探す場合に、それを援助する
  ために、(病気にでもならない限り)生活保護は使えない。貸付けでも良い
  から援助できないか。あるいは、公営住宅も、必要な時に利用できるよう
  に制度の見直しを。

 ・ 来年度から、女性相談所の一時保護施設に、心理療法士が配置される
  が、大切なのは心のケア。子ども達の心のケアをどうするか。被害者の気
  持ちは被害者しかわからない。自助グループが必要なのではないか。とり
  わけ、高齢者は、独りでは生きられない。

 ・ 一時保護施設に関して、岡山県では、長期間、DV被害者が、身を寄せる
  施設がない。民間のシェルターも、まだ岡山県にはない。半年、数年単位
  で、支援できる場所を作られないか。全国的なシェルターのネットワーク、
  安心できる場所を。

 ・ 今回のDV法で抜け落ちているのが、肝心の加害男性の更生プログラム。
  どのようにプログラムを整備していくのか。

 ・ 大切なのは、社会全体の啓発。被害者・加害者それぞれに、DVの自覚
  がない。特に、男性は、知ろうとしない。そもそもDVとはなんぞや、から、
  どう啓発していくのか。

 等々です。特に、DVシェルター整備は、喫緊の課題です。



 さて、本日は、岡山こども「平和の声」の準備会が、開催されました。当初の大人主導のイメージから、高校生が主体的に動く催しに発展していく流れになり、素晴らしいことになってきました。
 これは、ひょっとして、ひょっとする継続的な非常に良い催しが生まれるかもしれませんよ!!

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