2004年6月18日(金) 【児島湖の浚渫って・・・】

 午後からは、「児島湖をきれいにする議員懇談会」総会。私は、事務局長として司会。

 それにしても、一応事業が終了した児島湖浚渫ですが、数字だけ見ると、全く効果がなかったように思えます。ただ、浚渫がなかったら、さらに悪化していただろうと言われれば、そうかもしれません。


 そもそも児島湖は、農業用水の確保、塩害の防止及び排水改良を目的として、国営児島湾沿岸農業水利事業(昭和25年〜36年度)により造成された農業用施設であり、世界第2位の人造湖の出現により、周辺農地は、県下最大の農業地帯として、我が国の水田農業近代化のための先導的な役割を果たしてきました。

 しかし、同事業が昭和36年度に完了して以来、40年余りが経過し、流域の都市化の進展などにつれて、生活雑排水等により、児島湖の水質悪化が進行しました。
 その水質は、環境基準のおよそ2倍で推移しています。

 農林水産省は、平成4年度、農業用水源としての児島湖の水質改善を図るため、国営総合農地防災事業に着手。
 誠に異例の農水省の環境対策とも言え、平成7年度から、本格的な湖の底泥浚渫を開始し、平成15年度に必要な底泥全量の浚渫を完了、残工事として覆砂等を残すのみとなっています。

 全体計画は、事業費356億円。この10年、毎年約30億円を使ってきました。問題にならないのは、国直轄だからで、児島湖流域下水道事業(全体計画1900億円)に充てたらどうなっていたかななどとは、考えないことが重要です。

 正直なところ、締め切り堤防を開いたらどうかという声がないでもありません。
 いずれにせよ、結果としてカブトガニをせん滅した笠岡湾干拓事業と並んで、今後、農業のために、これだけの大事業は、まずできないということです。

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