2004年2月4日(水) 【資源としての魚のアラ】

 本日、ご相談を頂き、中央卸売市場を訪ねて、市場で集まる魚のアラの集積場を見せて頂きました。
 市場は、毎日大量の廃棄物が出ますが、魚のアラというのは、非常に特殊なものです。


 加工があれば、まず、事業系の「産業」廃棄物になると思われますが、多分、市場のものは、事業系の「一般」廃棄物にもなるのだと思いますが、これは、ちょっと微妙なところです。

 いずれにせよ、事業系ですから、ゴミの日に、家庭ゴミと混ぜて出そうというものでもありませんし、焼却には、かなり馴染みません。埋立てというのも、かなり微妙です。


 実際は、日量6tものアラが出て、1tあたり1万円を「支払い」、広島で、鶏の餌に加工するそうですが、そういう意味では、バイオマスと言えば、バイオマス、資源の循環といえば資源の循環になっています。

 ただ、「廃棄物」というには、貝やイカやタコは、分別されていますし、冷蔵庫に保管されてもいますので、単純に「こりゃ、食えそうだ!」というものです。

 現在も捨てているわけではないのですが、非常にもったいない、なにかに使えないかな、という気持ちになります。


 農林水産省や水産庁も、水産資源バイオマスというのは、今年度からの研究課題で、岡山県は、ご案内の通り、バイオマスといえば、「木質」バイオマス。
 あるいは、プラスチックの生成も含めて、「木質」が主で、水産資源の循環は、今後の課題です。

 さらに、家畜の糞尿も、基本的には、肥料になり、あるいは、発酵させてエレルギーという方向もあるわけです、水産資源をイワシの如く肥料にするというのも、何か、もったいない感もあります。


 なんといっても、「お魚天国」。「あたま、あたま、あたま〜、頭を食べると〜、さかな、さかな、さかな〜、さかなが良くなる〜」。
 魚が良いというのは分かっていながらも、岡山でも、産学官の連携で、DHAを取り出したり実証実験をしながら、商品化までは至っていません。

 カニの甲羅同様、カキの殻や、魚のアラも、何がしかになりそうではあります。
 全国でも、市場で大量に出る魚のアラが、産学官の連携で、全く別のものに商品化されたという例はありません。

 何か良い引き合いはないでしょうか?
 山のような魚の頭のことを思うと、立派な資源として買い取って貰えるようなエコの循環ができればという気がします。

Copyright (c) 2004 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp