2003年7月11日(金)【木質循環型産業クラスター】

 本日は、生活環境保健福祉委員会の県内調査の一部に、紛れ込み、真庭のある著名な製材工場の木質バイオマス・エコ発電所を訪ねました。

 他の委員会の調査には参加できるのですが、普通は、地元だけで(私なら岡山地方振興局管内)、興味があるからという理由で、一部参加させて頂くのは、極めて異例です。

 「質問のネタ探しか?」と言われつつ、最近、食糧とエネルギーの自給自足に関心があるため、特に、全国的にも著名なこの施設を見てみたかったのです。


 結論から言えば、エコロジーと言うより、まずは、工場としてのエネルギー需要の採算性の問題があったのだと思います。
 なにしろ、住宅用木材の製造過程で出る鉋(かんな)クズを使い、ボイラー、タービンで発電し始めたのは、本格的には6年前。正確には、30年以上前から、木くずボイラーで、乾燥作業は行っていたそうです。
 補助金なしで全額自己負担の10億円の総工費。

 14年度には、8000〜9000万円の電気料金相当分を発電し、本年4月からのBRS法施行後は、売電まで始めています。そういう意味では、投資額は、いずれ回収できるということです。

 これも、一日大型トラック5台分の木材が削られ、歩留まりを減らしても、16〜7%が、鉋くずになってしまい、一日75tが燃料になっているという、全国5指に入るスケールの大きさが背景にあります。

 ただ、実は、この工場は、全て外材(輸入材)を扱っているということで、将来的には、国内産材の桧の皮の部分であるとか、さらには、真庭地域の他の木材業者の端材をいかに受け入れていくかが、大きな課題だそうです。


 実は、今、木材加工業を核とした「木質循環型産業クラスター」の創出や木質バイオマス等々に関する資料集めをしています。
 真庭地域は、市町村合併のみならず、かなり大きな動きが、できつつあるということがわかります。

 製材所や原木市場が集積する地域特性を武器に昨年、県内外の企業や大学を交え、木材を使った新エネルギー開発の事業化や企業立地を視野に入れた協議会が、久世町では、立ち上がっています。


 帰りには、今春30haの分譲が始まった真庭産業団地に立ち寄りました。正直に書いて、造成された広大な敷地に夏草が茂る様を見て涙が出そうになりました。

 高速道路を挟んで、真庭郡久世町中原地区・大内原地区、落合町西谷地区は、中国自動車道と岡山・米子自動車道による高速交通網のクロスポイントに位置し、物流コストが下がることが目玉ですttp://www.optic.or.jp/maniwa-sd/index.htmlが、分譲は、順調とは、お世辞にも言えません。

 今議会では、吉備高原都市を取上げましたが、実は、この真庭産業団地も、当面かなり厳しい状態が予測されています。

 しかし、必ずや、木質循環型産業クラスターが、この地に、大輪の花を咲かせるものと信じたいし、また、県南からしっかりと応援させて頂きたいと存じます。


 それにしても、笠岡湾開拓地、玉島ハーバーアイランド、吉備高原都市、真庭産業団地、また、リサーチパークを含めた産業団地や工業団地、公団の住宅分譲地をどうするのか。どうやって埋めていくのか。

 さらには商店街の空き店舗やオフィスビルの空きスペースが、なかなか埋められない状況で、心のどこかで、さらなるバブルを待つということでは、埒があきません。
 ともかく、しぼれるだけ知恵をしぼらないといけません。

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