平成26年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治


1 任期の折り返しを迎えることについて  (総務)[ 知  事 ]
(1)感想等
(2)成果
(3)現場主義

2 情報公開の意識について        (総務)[ 知  事 ]

3 県のキャッチフレーズについて     (総務)[ 知  事 ]
(1)費用等
(2)認識
(3)晴れの国岡山のフレーズ使用等

4 県総合グラウンド駐車場の無料利用時間について
                     (土木)[ 知  事 ]

5 楽天イーグルスのキャンプ等について  (土木)[ 知  事 ]

6 社会教育団体等の補助金について
              保福・教育協力(総務)[ 知  事 ]

7 公共工事の現状認識等について 農水協力(土木)[ 知  事 ]

8 防災対策について
(1)消防団等への思い      農水協力(総務)[ 知  事 ]
(2)農業用水路の管埋          (農水)[ 知  事 ]
(3)平成16年の台風による高潮被害場所の現状認識等
                     (土木)[ 知  事 ]
(4)児島湾締切堤防への排水ポンプの設置 (農水)[ 知  事 ]
(5)防災面からのため池活用       (農水)[ 知  事 ]
(6)公共交通機関との連絡調整  県生協力(土木)[ 知  事 ]

9 公的雇用の拡充等について   総務協力(産労)[ 知  事 ]

10 教育格差の是正について
(1)中学校の成績等           (教育)[ 知  事 ]
(2)地域間格差等の認識等保福協力    (教育)[ 知  事 ]

11 イオンモール岡山の進出について
(1)岡山市中心部へのアクセスポイントの渋滞予測等
                     (警察)[ 響察本部長 ]
(2)非行防止対策            (警察)[ 響察本部長 ]
(3)JR岡山駅への路面電車の乗り入れ等県生協力
                     (筈察)[ 警察本部長 ]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。秋の昼下がり,一般質問も4日目,私でもう20番目となると,議場の皆様にもお疲れが出ておると思いますし,また渡辺先生の傍聴にお越しいただいとります方,たくさんいらっしゃるということで,どうか仏様の慈悲の気持ちを持っていただきまして,おつき合いのほどよろしくお願いいたします。
 さて,ほかの議員の皆様はどうかわかりませんが,私,最近いよいよ県民の皆様からというか,特に知事と同窓の先輩方から,「おめえ知事にはっきり物を言え」とお小言をいただくことが大変多くなりまして,「どちらかというと,僕,言ってるほうだと思うんですけど」というと,「もっとびしっと言え」と,さらに怒られるということで,知事の任期も折り返しが近づいてきていて,いつまでも練習試合のようなことを続けるわけにはまいりません。例え話や抽象的な議論はもう結構でございますので,具体的な提言をさせていただきたいというふうに思います。
 我々選挙の洗礼を受ける者の任期は,あくまで4年であり,当選したら皆様の税金で一から勉強させていただきますなどという理屈が通るわけがありませんし,ましてや194万6,000人の信託を受けた特別職の常勤公務員である首長に勉強期間を差し上げるほど主権者,納税者の皆様に余裕などはございません。プロ野球に例えれば,ドラフト指名されたら即エースで4番の働きが期待されておりますし,あるいはみずからがプレーしないのなら,即順位を上げる監督の働きが期待されています。特に二元代表制のもと,我々議会は取締役会という下部組織ではなくて,あくまで全く別の選挙で選ばれた議決機関であり,それと対峙するのが会社経営とは確かに全く異なる議会制民主主義に基づく仕組みであるとは思います。ただ,岡山県においては,たまたま民間出身の知事が初ということでございますが,任期の折り返しを迎えるに当たり,率直な感想をお伺いしたいと思います。
 加えて,自己評価をされるとすると,100点中何点なのか,認識をお伺いいたします。
 加えて,就任直後におっしゃられた企業における行動原則,顧客主義,コスト意識,スピード感を行政組織に取り入れられた具体的な成果をお知らせください。
 また,昨年の9月定例会で,我々が知事に本当に期待していることは,やはり民間の企業の出身であられるということで,現場の声,要は現場主義に立っていただくことだと申し上げましたが,十分に現場に立たれたとの御認識かどうかお伺いいたします。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 任期の折り返しを迎えることについての御質問であります。
 まず,感想等についてでありますが,知事に就任して以来,岡山県を住みやすく元気な県にするために,議会はもとより県民の皆様の御意見をお聞きしながら,誠実に一心に県政に取り組んでまいりました。今後とも,一つ一つ成果を積み上げ,生き活き岡山の実現を目指して全身全霊で努力してまいりたいと存じます。
 また,私の評価は県民の皆様が行うもので,自分で採点すべきではないと考えております。
 次に,成果についてでありますが,昨年策定した行財政経営指針に基本理念として定めた顧客重視,コスト意識,スピード感の3つの視点を職員一人一人に浸透させるため,ひとり1改善運動に取り組んでおります。さらに,具体的な施策への反映としては,例えば企業誘致に係る補助制度の拡充や企業ニーズを踏まえた規制緩和などがあると考えており,今後とも,3つの視点を持って県政を推進してまいりたいと存じます。
 次に,現場主義についてでありますが,私は企業経営者のときから課題解決の答えは常に現場にあると考え,現場重視を旨として行動してまいりました。知事就任後も県民目線に立ち,県民のニーズを的確に把握するために,さまざまな現場に出向き,県民の皆様の生の声を聞き,課題を肌で感じながら県政運営を行ってきたところであり,今後とも,十分に現場に立ちながら県政を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  どうもありがとうございました。もし自己採点されたら,再質問せにゃいけんなあと思うとったんですが,その部分はよろしかったと思います。
 次に,これも余り申し上げたくないんですが,知事御自身の情報公開の意識についてお伺いします。
 民意を受けとめるためにも,まずは情報公開,しかも知事みずからの公的な活動や考え方の情報公開が必要でございますが,県庁ホームページの「ようこそ知事室へ」の記者会見の内容やフォトアルバムや「知事と一緒に生き活きトーク」など,これはもう失礼な言い方ですが,通り一辺倒のもので,恐らく全国でもかなり情報公開度が低いんじゃないかというふうに思います。これにつきましては,お隣の広島県の「ようこそ知事室へ」の内容と比べると,その差が歴然でございまして,広島では時間刻みの知事スケジュールや知事交際費支出状況など,かなり丁寧に公開されています。ブログもついているということなんですが,岡山県においては少なくとも知事のスケジュールが公開されていないわけではないんですけれども,秘書課の中の「知事の主な動き」というところに掲載されて,容易に県民の皆様がたどり着けませんし,例えば終日「庁内にて執務」のような曖昧な表現で,誰と会われたなのかがさっぱりわからない。しかも「休暇」とも書かれるんでなく,何日かが空白になっていて,日程が飛んでいるというようなものもございます。こういった日報は多分営業職では通らないと思うんですが,広島の県知事のように全てとはもちろん申しませんが,例えば国とどういう連携をしているのか,民間のどなたと会ってどんな情報を得ているのか,どういう形で現場に行かれてるのか,時間刻みとまでは申しませんが,こうしたスケジュールが公開されて,一方で休まれるときには,これは堂々と休暇と書いていただければよいわけでありますが,公務についてこれでは知事の具体的な動きがさっぱり見えておりません。改革派知事が出てきて議会改革が一気に進むということは全国で間々ありますが,やはりこうして御自身の情報発信が積極的に公開されていない状況で,どうして庁内の改革や改善が進むのでしょうか,お考えをお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 情報公開の意識についての御質問でありますが,透明性の高い県政を推進することは,重要と考えており,私の公務日程の公表につきましては,今後とも,透明性の確保と円滑な公務遂行とのバランスを考慮しながら適切に行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  失礼します。今回は大変に質問が多いので,流々行かさせていただきたいと思よんですが,さて本当はこの質問,したくない質問なんですが,こうした中,今回あえて言うと,勝手に決められた岡山県のキャッチフレーズ,誇り高き文化の薫りが余りしない「もんげー岡山!」でございますが,はっきり申し上げてその内容も,あるいは決め方も完全な私は岡山県のイメージダウンで,岡山県の歴史や文化,県民の皆様に対する冒涜ではないかなというふうに感じることすらございます。国体にも使用した晴れの国おかやまという誇るべきフレーズがあるのに,あるいは教育再生,産業振興で成果も出ていない状況で,私自身どれだけ多くの方々から,やっちもねえことに税金使うなとお叱りをいただいたか。ESDに関する国際会議にしても,イオンモールにしても,マラソンにしても,頑張る学校応援事業にしても,岡山市との連携が最も必要な時期に,目先のこうしたにぎやかしで何を考えているのかという声もあったり,また今まだロケが行われておりますが,「でーれーガールズ」にまさにでーれーでございますから,水を差すようなタイミングだった。ましてや首都圏在住の知人の評価が極めて低く,都会で瞬間,これは笑われて終わりじゃろうというふうな評価がございます。何よりもうったてから違っとるんじゃないか,最初からある種のマーケティング調査をして,もんげーが1位になることを前提に広告戦略を組んだとしか考えられません。もんげーに決めて準備をしながらアンケートの形をとったこと自体,民主主義のルールや県民の皆様に対する行政手法として問題があると思います。先々週の火曜日にアンケートを開始して,先週火曜日にもうポスターや音楽が発表される,こんなやり方なら都合のよいように民意を聞いたふりだけをして,行政の思惑でやりたい放題じゃないか。まさに確信犯とも言えるようなかなり危険な行政手法で,私は大問題だと思います。逆に言うと,これによって県がこれから行うアンケート調査やパブリックコメント自体の信用性を失わせとるんじゃないかという気がします。恐らく話題性など費用対効果があったとデータは公表されることでしょうが,しかし,愛情や誇りはそうした数字ではかることはできません。むしろ今回は我々は失うもののほうがはるかに大きいと思います。もんげーがはやってる妖怪ウォッチや,あるいは大河ドラマに便乗したと,少なからず岡山県民は全国から笑われることになる。笑われているわけでありますが,それで話題になったと喜べるほど私は岡山県に対する愛情や誇りがないわけではありません。本当に情けない気持ちがいたしております。改めて伺います。この「もんげー岡山!」のためにどれだけの公費が投入されたか,撮影開始時期を含めてもんげーと誰が何人でいつ決めたのか,今後もこうして民意をつくっていくためにアンケート調査やパブリックコメントを活用するのか。
 加えて,単純にこのキャッチフレーズを選ぶこと自体,笑われようが,これが岡山が有名になればよいんだと思うこと自体が,あるいは御自身が何かこれで演じられること自体が恥ずかしく思われないですか。それを恥ずかしいと思う県民の皆様に,もんげーやポスターについて,例えば他県の方々に説明する責任を課す覚悟について,またこういったある種軽い岡山県の全国アピールを県民の皆様が本当に知事に望んでいると思っておられるか,その御認識についてあわせてお聞かせください。
 また,もんげー部という部活動をされるのは御自由でございますが,岡山が誇る晴れの国おかやま,これは我々に定着している誇り高い言葉だと思います。そして,美しい言葉でもある。あるいはこうした晴れの国おかやまという言葉をフリーに使えるようにする,あるいはロゴ自体も活用できるというほうがはるかに多くの県民の皆様に誇りを持って岡山県をアピールする気持ちを強く持っていただき,あるいはビジネス的にもメリットもあると思いますが,御認識をお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 県のキャッチフレーズについての御質問であります。
 まず,費用等についてでありますが,動画の制作や新PRサイトの構築費用など約1,400万円であり,7月に組織として企画を決定し,8月初旬から撮影を開始いたしました。また,今回のアンケートは新たなキャンペーンに関心を集め,本編動画への期待を盛り上げるため,その予告の意味を込めて実施したものであり,本来の行政手法としてのアンケート調査やパブリックコメントについては,今後も適切に実施してまいります。
 次に,認識についてでありますが,もんげーという言葉はインパクトのある愛すべき岡山弁の一つであり,岡山の言葉で岡山を売り込むことは決して恥ずかしいことではないと考えております。
 また,本県の魅力をしっかりと全国に発信することが県民の期待に沿うことであると認識しております。
 次に,晴れの国おかやまのフレーズ使用等についてでありますが,晴れの国という言葉は平成元年の使用開始以来,多くの方々に親しまれており,特にロゴを定めることなく,自由にアレンジしながら,行政,民間を問わず御使用いただいており,今後とも,岡山のよいイメージを伝える言葉として広く御活用いただきたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  この「もんげー岡山!」という言葉,これはもう感覚の違いもあるかもしれませんが,私自身も小学校6年生まで岡山市の野田屋町という岡ビルの遊園地の前で住んでおりました。もんげー,でーれー,ぼっけー,でーれー使うた言葉でございますけれども,ただ私は岡山県人として,もちろん岡山弁に対する誇りも愛情も持っている。ただ,やっぱりこれはPRするときのAIDMAの法則というのがあると思いますけれども,まずアテンションということで注目を集める,これは大切なことだと思います。ただ,今PR戦略として,例えばネット上であえて言うと自虐だとか自滅とか言えば,もうこれがネットで炎上してもええんだと,一か八かで盛り上げるというやり方はあると思います。ただ,最終最後,これは最後にやらにゃいけんことは,アクション,アテンションからアクションということで,最後は岡山県に他県の方にお越しいただかなくっちゃいけない。そして,例えば物産を手にしたら,岡山県の物産はいいなというふうな感じでアクションを起こしていただかにゃいけんということで,アテンションとすれば,自虐的にはこれ成功してると思いませんが,仮にしたとしても,そのことが岡山県の本当にPR戦略に結びつくかどうか,そして何よりも広島県,あるいは香川県,うどん県や,あるいは「おしい!広島県」,これは知事みずからがポスターに出るようなことは余りされておりません。その中で本当に今1月からアニメ放送が始まったもんげーという言葉を使う妖怪ウォッチのそれに便乗してと知事ははっきりおっしゃられておりますけれども,これは本当に来年まで続く言葉なのかどうか,そして決して宇梶さんを批判するわけではありませんが,PRポスターに使われてる方が清水宗治公を演じられた方,しかしもう大河ドラマの中では亡くなっとるぞということで,今後出てこられることはないと思いますが,こうした方が岡山の代表だとしてPRに出ておられる。それを岡山県民が東京に行って,皆さんもんげーって言うんですかと,説明をせにゃいけん。何で宇梶さんなんですか,説明をせにゃいけん。そして,それに対してこれは岡山県民として誇りを持っていて,ぜひ,じゃから岡山県に来てください,岡山の物産を買ってください,そのように言える,そうしたPRになってますか。AIDMAの法則から見てどうでしょうか。その感覚をちょっとお伺いしたいんですが。アテンションはいい。アクションまで行きますか,これで。


(知事)  AIDMAの法則に照らして,これが賢いやり方なのかという質問に対してお答えをいたします。
 AIDMA,私もマーケティングを勉強しましたので,少しずつ皆さんに関心を持ってもらって,最後,行動につなげるということは非常に大切であろうと思っております。どういうPRを展開していくのか,何が正解なのかなかなかわからない中でいろいろ試しているわけでありますけれども,岡山県,これまで予算もなかなか厳しかったということもあったと思いますけれども,愛着度ですとか,認知度が40位台で低迷をしている。今現状がよくないということは,これまでどおりのやり方をさらに数年間続けてもなかなかうまくいかないであろうということが容易に予測されますので,これまでと違うことをしなければいけないと考えております。それが必ず当たるかどうかはわかりません。いろいろなやり方を試すべきであろうと考えております。いろいろ試す中で改善を加えながら,認知度,愛着度を高めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  もちろんいろいろ試されるのは結構なんですが,それは公費でない形で,税金でなければやっていただければいいと思います。あくまでこのPR,特に今回「もんげー岡山!」という言葉が本当に県民の皆様に愛される言葉になるか,そしてこの週末にアンテナショップがオープンしますけれども,そのときに胸を張って,岡山県の出身の首都圏の在住者の方が,これがおれたちの岡山県なんだと胸を張って言えるかどうか,それに対して私は大変に疑問に感じるところがございます。そこまでの積み上げがないままで,挑戦されるのは御自由でありますが,やられるのなら,御自身でやってくださいということで,やはり公費を使ってやる,そして民意を受けて県の代表のことを決めるのでありますから,ぜひこれはもう少し民主的な手続をきっちり踏んでくださいということで,最初から決めて,それはアンケートのやり方も今回やり方が違うんだと,はなからこれ決めましたと,そして後我々が何を言っても,後は知らんぞというやり方は非常によろしくない。少なくとも,この「もんげー岡山!」ということについて,私の周りでは非常に評価が低いということは申し上げたいし,岡山県人として岡山弁に愛情も誇りも持っておりますけれども,そして「もんげー岡山!」にも愛情を持ってます。持ってますけれども,これを全国に打って出るアピールとして使うことについては,甚だ疑問がある。どこかの場面で考え直していただく,少なくとも来年の今ごろに「もんげー岡山!」と誰も言うてねんじゃねえかなという気がしますが,そこのあたり今後は熟考していただきたいと思います。要望です。


(佐藤)  次に,いわゆる先ほど申し上げた顧客主義につきまして,県総合グラウンドのある駐車場の無料利用時間を1時間から30分に短縮したことは,財政危機宣言以後の行財政構造改革でも行われなかった,そうした収入確保対策でございます。特に早朝の利用者の方々の不満の声がもうずっと上がり続けておるんですが,残念ながら2月定例県議会で,これは我々も責任があります。特に議論とならず可決されたのは事実でございますが,特に1時間未満の滞在が多い毎日のジョギングや散歩,家族連れの方々など,連日利用される方々には1年を通じるとかなり大きな負担になっています。特に近隣はもちろん,年金で暮らされている少し郊外からお越しになる高齢者の方々にとっては,毎日の健康確保や楽しみの機会を奪われたという声が大変多くございます。朝ラジオ体操で出会うような長年の利用者の方々がこの値上げで排除されました。そもそも手続に訪れる利用者向けに設けた無料利用時間という説明でありますが,それが朝の午前5時半から午前9時までの時間に当てはまる理屈でもなければ,30分で実際手続が終わらない場合も間々あります。早朝の利用者の方々からは,顧客の声を一切聞いていない施策だと,改悪だという声も多く,機械の調整の難しさもあるかもしれませんが,少なくとも午前9時までは従前どおりの1時間無料に戻すべきではないか。特に午前9時までの駐車場の利用実態と県民の皆様への影響の認識,今後の方向についてお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 県総合グラウンド駐車場の無料利用時間についての御質問でありますが,施設予約や送迎等の来園者のため,30分以内の無料利用時間を設けているものであります。午前9時までの駐車場の利用実態につきましては,時間ごとの台数をカウントしていないため不明ですが,全体としての駐車台数は昨年度と比較して減少しております。ことし3月まで施設予約や送迎等以外の来園者も1時間無料で利用できていたことから負担増となっていますが,受益者負担の観点から,駐車時間に応じた料金をいただくこととしており,今後とも,現行制度により運用してまいりたいと考えておりますので,御理解願いたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  御答弁ありがとうございました。早朝にお散歩されていて,郊外からずっと来られていた,そして6時半にはそこでラジオ体操をやって,きょうも元気じゃなあとお互いに言い合えていた,そうした高齢者の方が1日100円の駐車料金を払う。1年間たったら何ぼならということを考えたときに,そうした方が来れなくなっているから,駐車場の台数が減っているんだということについて,その認識について私は知事の答弁,それをしっかり現場に持って帰りますけども,非常に残念がられると思いますということはお伝えさせていただきたいと思います。
 次に,私はあくまで大洋ホエールズ以来の40年来の横浜ファンでございますが,東北楽天ゴールデンイーグルスの星野監督の辞任は残念でなりません。中日ドラゴンズから阪神タイガース,さらには楽天イーグルスのキャンプはずっと倉敷マスカットスタジアムで行われてきたのも,星野監督のふるさと岡山を愛する強いお気持ちがあったからにほかならないと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
 特に3・11以降,また昨年のV1,東北と岡山が近くなった,岡山県民もセリーグはさることながら,パリーグはこれは何となく楽天イーグルスを応援せにゃいけんじゃねえかという親近感も沸いてきたところでございます。特に山陽新聞さんが中心になって行ってきてくださったおかやまベースボールパークも大変な事業で,ことしの平日を含めた楽天のオープン戦の5試合開催など,これは本当に大変だったと思うのですが,岡山の野球界に多大なる御貢献をいただいてるところだと思います。ことしは楽天,マー君がいなくなりましたけれども,有望なルーキーや若手が多く,その積極的な登用も随分ございます。成績はちょっといまいちですが。ことしも楽天キャンプは行っていただけるのか,また来年20周年を迎える倉敷マスカットスタジアムで引き続き楽天イーグルスが来てくださって,さらににぎやかにおかやまベースボールパークが開催されることを切望しておりますけれども,そのためには行政の手厚い支援も必要だと思いますが,知事の御認識をお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 楽天イーグルスのキャンプ等についての御質問でありますが,星野監督の突然の辞任表明は私も残念であり,とても寂しい思いであります。楽天の秋季キャンプやオープン戦の実施については,機会を捉え,重ねて要望を行っているところであり,引き続きマスカットスタジアムで開催していただけるものと期待しております。
 また行政の支援については,キャンプでの球場使用料などの半額を減免するとともに,おかやまベースボールパークについては,土地使用料の全額を減免するなど,にぎわい創出にも努めてきたところでございます。
 今後とも,県民がマスカットスタジアムでプロ野球を楽しめるよう積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  先ほど来の顧客主義についての流れなんですが,昨年の有識者会議でもこの議場でもいろいろ申し上げたんですが,その答申を受けた結果として,知事みずからが教育再生の中で,学校教育と家庭教育の連携の中で,ますます重要な働きが期待される既存の社会教育団体の補助金を切られたこと,さらには財政危機宣言のときですら行わなかった岡山県老人クラブ連合会に対する補助金まで切られたことについては,いまだに批判の声が大変多くございます。端的にもう一度精査して見直すおつもりは毛頭ないのかお伺いいたします。


(知事)  お答えいたします。
 社会教育団体等の補助金についての御質問でありますが,事業再点検に係る県の対応方針に対し,県議会や関係団体からいただいたさまざまな御意見等を踏まえ,当初廃止としたものを地域の課題解決等のため,社会教育団体が行う活動への新たな支援を行う方針に変更し,現在関係団体と協議しているところであります。
 また,お話の岡山県老人クラブ連合会への補助金を含め,昨年度に方針決定し,予算に反映しているものについては,県議会等に対しても御説明し,議決をいただいており,現時点では見直すことは考えておりません。
 以上でございます。


(佐藤)  それでは次に,スピード感についてお伺いします。
 地方創生本部の議論は議論として,地方分権を叫びたい今,国策の動きの推移を見ながら見ている状況には我々はないというふうに思います。特にプロジェクトチームは立ち上げたものの,本当に人口減に立ち向かっていくんだという気迫が具体的な施策の中に,まだこれからだと思いますけれども,見出すことができない。しかし,まず今やらなくてはいけないこと,はっきりしてることが,景気回復が十分とは言えない状況の中で,少なくとも資材高騰と人手不足はしばらくこれは続くだろうと,今までの予定価格をオーバーするような状況にどう激変緩和措置を図るのか,これは例えば面積を見直すか,構造計画を見直すか,明らかに補正予算措置が今後必要になる状況であると思いますけれども,現状の認識と対策についてお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 公共工事の現状認識等についての御質問でありますが,近年資材や労務単価の上昇が見られるため,例年4月に行う労務単価の見直しを2月に前倒しするなど,適正な予定価格の算定に努めているところです。このため,入札の不調・不落は昨年度よりは若干増加しておりますが,その率は2%程度と,他県と比較し,低い状況となっております。こうした中で,コスト縮減を図りながら,事業執行を行っており,当初の予算の範囲内で計画していた事業を着実に実施しているところであります。
 今後とも,建設業の人材確保に努めるとともに,資材等の市場価格を注視しながら適切に対応してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  この人件費高騰等は,これは人材流出に結びつくということで,これから東京オリンピックもあったり,東日本の復興支援であったり,いわゆる賃金が東京のほうもバイト代も随分高くなってるということで,若い世代がこれからどんどん東京に出ていきます。その中で本当に地方としてやらなくてはいけないことは,補正予算を打ってでも,やはり地元に若者を引きとめることだ,そのための補正予算が必要じゃないかという趣旨でありますけれども,できるだけ早急な対応を,スピード感を持ってお願いしたいと思います。
 また,スピード感が必要ということでは,何といっても防災対策でございます。台風16号は温帯低気圧に変わりましたけれども,8月9日から10日にかけて襲来した台風11号は,その規模からしても,大潮の満潮時に台風が直撃する可能性からしても,甚大な被害が予想されるものでした。ただ,結論を先に言えば,たまたま降水量が少なかったため,沖縄や京都や三重のように特別警報が出ない状況になったというのが一番大きかったと思います。しかし,一方で児島湾締め切り堤防の開放が大変にうまく行われた。特に前日,8日の時点でAP0.6の数値目標をもって0.62まで,そして翌日の昼も0.74まで児島湖の水位を下げることができました。これは現場の土地改良区の方々が早目早目の操作を行ってくださり,備えが十分できていたということであります。また,同じように浦安の東排水機場も除じん機をとめないように,これも夜通しで人海戦術で流れてくるごみや藻を取り除いてくださっていた。消防団,水利土木委員,土地改良区,ポンプ管理の方々,本当に多くの方々の御努力で被害を防ぐことができた。まずはそうした方々に対する知事の思いを伺いたいと思います。
 加えてその後,今議会で大きなテーマになっている土砂災害も含めて早急に行う防災対策というものがあります。まず,気になるのは,農業用水路の管理で,例えばこの時期,農業用水路に金魚鉢に入れてよいような藻が大量に生えていたり,自転車が沈んでいたりする農業用水路はかなり危険な管理状態と言えると思います。
 先般,児島湖流域清掃大作戦のときに,知事には笹ケ瀬新橋会場にお越しいただき,ありがたかったのですけれども,そのとき浦安の体育館の横の相生川をごらんくださいと申し上げました。今も外来種のアカウキクサというのが大量に生えておりますけれども,これが児島湖に流れ込まない努力を一方でしています。しかし,県から市に強く働きかけていただいている大量に生えてる藻が問題なんです。さらに,例えば南輝などの岡南地区の農業用水路については,周辺に農家の方々が少なく,しかもそれを環境の問題として地域の方々に管理してくださいというのはいささか無理があります。しかし,これらの市管理の農業用水路は,県管理の排水機場から児島湖に放流されます。かように周辺に農地がない農業用水路にある藻やごみで排水機がとまってしまう可能性が都市部ではあるのですが,周辺の都市化が進む農業用水路の管理について,市町との連携,早急な対策についてお伺いをいたします。
 また,平成26年度総合防災訓練が津波を想定して岡山港福島地区耐震バースで行われましたが,平成16年の台風16号では,最も海水が上がってきた場所でございまして,実はあそこは津波より高潮対策がまだ気になる場所でございました。台風11号での満潮の台風来襲時に,私も対岸の小串・甲浦地区におったんですが,このときはかさ上げした堤防を海水が越えるというよりも,堤防の老朽化によって堤防から海水がしみ出ている場所が多くありました。加えて,やはり消防団に加えて少なくとも,単位町内会に1つ以上可搬式のポンプを配備する必要も強く感じました。16年台風で高潮被害が出た場所の現状認識と対策についてお知らせください。
 また,機会があるたびに繰り返ししつこく何度も申し上げますが,児島湾締め切り堤防の排水力を高めるために,排水ポンプを設置することについて,知事御自身が具体的にどう動いてくださっているのかお伺いをいたします。
 加えて,今回の広島土砂災害の被害の中で気になったのが,山の中にあるため池と公共交通機関,とりわけJRとの対策です。例えば灘崎の宮川のように,二級河川の源流地域に農業用のため池がある地域が多いのではないか。ただ,中山間地域の農業の状況から,ため池自体も管理が難しくなる中で,改めて砂防ダムではなくて,児島湖の水位調整のように,台風が来る,大きな雨が降る前には,防災施設としてため池の水位を下げられないか。もちろん,場所によってはため池自体のしゅんせつが必要な場所もあるでしょうし,排水ポンプのように予算的な裏づけをもって人の配置も必要になるかもしれません。改めて防災面から既存のため池について大丈夫か,また逆に防災施設としてのため池の活用についてお伺いをいたします。
 また,先ほどの宮川にしても,砂防指定地の前川にしても,JR宇野線の下をくぐる形になります。特にこうした箇所の拡幅については粘り強い交渉と高額の予算が必要になりますが,崩落事故により不通になったこともあるJR津山線を含めて,特に公共交通機関,とりわけJRさんとの連絡調整による防災対策が今こそ必要だと思いますが,どういう調整がとれているのかお伺いいたします。


(知事)  お答えいたします。
 防災対策についての御質問であります。
 まず,消防団等への思いについてでありますが,児島湖の防災対策については,平成23年の浸水被害を受け,関係市町や土地改良区との協議により定めた対応マニュアルに基づき,今回それぞれが早目早目の対策を実施され,被害を防ぐことができて大変よかったと感じているところであります。改めて児島湖の関係者を初め,県下各地で被害防止のため防災活動を実施された消防団等の皆様の御尽力に対し,深く敬意を表する次第であります。
 次に,農業用水路の管理についてでありますが,農業用水路に発生した藻やごみに起因して排水機が停止する可能性もあることから,県は農業用水路を管理する市町に対して藻刈りやごみの除去など適正な管理を行うとともに,除じん機の設置など必要な対策に取り組むよう助言しているところであり,引き続き市町に対し適切な対応を求めてまいりたいと存じます。
 次に,平成16年の台風による高潮被害場所の現状認識等についてでありますが,堤防等の老朽化や高さの不足した箇所が残っております。こうした箇所については,老朽化の度合いや高さ不足の状況,背後地の重要性などを勘案し,優先度の高い箇所から岡山沿岸海岸保全基本計画に基づき,着実に整備を進めております。また,平成16年の台風時に排水不良の原因となった水門等の整備もあわせて実施しております。
 なお,可搬式のポンプを配備することについては,それぞれの市で必要に応じて判断されるべきことと考えております。
 次に,児島湾締め切り堤防への排水ポンプの設置についてでありますが,昨年9月に国の報告を受けた後も,担当部局を通じて追加の検討を要請するなど,強制排水ポンプの必要性について国と議論した結果,ポンプ設置の必要性は極めて低いとの結論に至ったところであります。
 次に,防災面からのため池活用についてでありますが,ため池は毎年管理者である市町等が点検を行っており,漏水が見受けられるなど,緊急性の高いものから順次改修を行い,安全管理に努めているところであります。
 また,ため池の水位を事前に下げることについては,営農に支障が出る時期もあることから,農家の合意が得られにくく,防災施設としての積極的な活用は難しいと考えております。
 次に,公共交通機関との連絡調整についてでありますが,平成18年のJR津山線での崩落事故を受け,道路と鉄道が近接する区間については,JRと災害時の緊急連絡体制を整備し,情報の共有を図っております。
 また,建設工事に伴うJRとの連絡調整につきましては,建設工事公衆災害防止対策要綱等に基づき,毎年連絡調整会議を開催しているところであり,お話の前川などについては,この会議を活用し,早期整備が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  改めて児島湾の排水ポンプについては,国が要らんから県も要らんと思うんじゃというのは一つの考えでありますが,だから県は何をするのか,そのことをぜひ考えていただきたいと思います。
 次に,コスト削減について,またいわゆる企業の進出による雇用創出ということは誰しも願うことでございますが,むしろ実際は工場の流出を防ぐ必要もあり,何よりも行政の一般予算で雇用対策を促すことは限界があると思います。そうした意味で,ある意味で公的な雇用をふやすことが必要ではないか。もちろんNPOの活躍にも期待しますが,若者の生計が成り立つ安定的雇用の確保という意味では,いかに公費を入れていくかも課題になります。今回の農業普及センターの一連の議論でもそうですが,コストと言われるものに幾つもの意味を持たせることも知恵を使うべきだと思いますが,公的雇用の拡充を含めて御所見をお聞かせください。


(知事)  お答えいたします。
 公的雇用の拡充等についての御質問でありますが,県を初め行政機関は最小の経費で最大の効果を上げることが強く求められており,行政需要を的確に捉え,より簡素で効率的な執行体制の整備に常に取り組む必要があると考えております。また,若者の安定的雇用の確保については,労働局とも連携し,おかやま若者就職支援センターによるサポートや就職面接会の開催など,公的支援に努めているところであり,今後とも,その取り組みの充実を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  いわゆる雇用創出で地域を守るためには,フランスではありませんけれども,決してこれは公務員バッシングということではなくて,公務をふやしていく,そして地域雇用を創出するのも一つの考え方ということは強くお願いしたいと思います。
 教育再生に関して,誰の責任かなどという以前に,結局今回の学力テストの結果は,教育再生を掲げて県民の皆様から信託をいただいた知事御自身の公約に対するマイナス評価と残念ながら言わざるを得ません。本来では,これはおわびから始めるような話だと思います。教育格差の是正という観点から,今回の全国学力テストで市町村の中学校と県立及び国立の中学校の成績にどの程度開きがあるのか,また生徒1人当たりにかかっているコストについてお知らせください。
 また,地域間格差や学校間格差についての御認識と対策,さらには義務教育で基礎学力を身につける同じ土俵に立てていない子供たちや家族への支援について,あわせてお伺いします。


(知事)  お答えいたします。
 教育格差の是正についての御質問であります。
 まず,中学校の成績等についてでありますが,全国調査における市町村立と県立との直近2年間の平均正答率の差は,全教科を平均すると約28ポイントであり,活用力を問うB問題のほうにおいて差が大きくなっております。また,生徒1人当たりにかかるコストについては,国が実施している地方教育費調査によると,直近3カ年の平均では,県立中学校が約90万円に対して市町村立の平均が約100万円となっております。
 なお,県内の国立大学附属中学校については,いずれも承知しておりません。
 次に,地域間格差等の認識等についてでありますが,地域間格差や学校間格差などについては,家庭の経済状況等さまざまな要因が考えられるところであります。子供たちの置かれた環境の違いが学力格差に結びつかないようにすることが重要であり,県教委では課題を多く抱える学校に対し,教員を加配するとともに,地域の協力も得ながら放課後等を活用した補充学習を行うなど,学力の底上げに取り組んでおりますが,こうした取り組みが進むよう支援するとともに,現在策定中の子供の貧困対策についての計画の中でも検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  先ほどの県立中学校をあえて出しましたのは,やはりこうして岡山市内において特に県立の中高一貫校に非常に優秀な成績であったり,思いの強い保護者の方が行かれる,そうした状況の中で公立中学校に何かしらの影響が出ておりませんかということで,岡山市教育委員会とそのあたりもしっかりと連携をとっていただきたいというふうに思います。
 最後に,警察本部長に伺います。
 岡山駅前のイオンモールの進出について,社会実験を行いたいという岡山市の要請に対して,結局認められることはございませんでしたが,実はこれは中心市街地の交通渋滞を見るためだけの実験では決してなく,むしろ岡山県の立場からは,いわゆる中心市街地へのアクセスポイントの渋滞状況を見るためにも,非常に重要なものだったと私は思います。特に岡山インターチェンジから旧いずみ町の交番前はもちろん,山陽インターチェンジや早島インターチェンジ,さらには岡山バイパスの各合流点については,土日,祝日など全く影響が出ないものととても思えません。現状でこうした岡山市中心部へのアクセスポイントの渋滞予測,それに対する対応をどのように考えておられるかお伺いをいたします。
 また,3年連続で少年非行率が全国ワーストワンになっておりますが,そのうち半数以上が中学生,半数近くが岡山市の少年です。イオンモールはまさに新たな繁華街の創出により広域から少年が集まることで少年非行の温床にならないように願うばかりでありますけれども,補導体制の強化を含めて非行防止対策についてお伺いをいたします。
 ところで,本部長は2008年8月から2011年3月まで富山県警本部長を務めておられました。その間,2009年12月23日には富山市の路面電車環状化が完成しており,県警本部長として道路への路面電車新設導入,つまり道路空間を減らして路面電車導入を担当していたことになられます。LRT導入については,岡山のほうが早かったのに,コンパクトシティーという考え方からしても,J2では優位に立っているんですけれども,富山と今大きく水をあけられた感がございます。今後,本来イオンモールの進出よりも先立っている必要があった岡山市の進めるJR岡山駅前の路面電車の乗り入れやJR吉備線のLRT化など御指導いただきたいと思いますが,その当時の感想も含めて御所見をお聞かせください。


(警察本部長)  お答えいたします。
 イオンモール岡山の進出についての御質問のうち,まず岡山市中心部へのアクセスポイントの渋滞予測等につきましては,議員御指摘のアクセスポイントから岡山市中心部への流出ルートである国道53号や国道2号バイパス等で昨年同時期の休日におけるピーク時の状況においても,それぞれ渋滞が発生しているところであり,これにイオンモール岡山への来・退店車両が加わることとなるため,現段階で具体的にどこがどの程度渋滞するのかという予測は困難ですが,これらの路線のアクセスポイント付近の交通渋滞はさらに厳しさを増すものと予測いたしております。
 このため,県警察といたしましては,事業者はもとより関係機関等と連携して,交通監視カメラや車両感知器等による交通情報の的確な把握,ラジオや交通情報板等による渋滞・迂回情報の提供,交通誘導員や看板による案内・誘導,交通実態に即したタイムリーな信号制御を行うこととあわせて,公共交通機関の利用や臨時駐車場の活用を促進する広報等の諸施策を総合的に推進し,交通総量抑制対策を進めていくこととしております。
 次に,非行防止対策につきましては,大型商業施設の出店に伴い万引きや自転車盗などの初発型非行,少年の蝟集問題等の発生が懸念されます。このため,県警察といたしましては,商業施設内に設置予定の警察官立寄所を拠点として,開店後の状況を見きわめながら,状況に応じ警察官等によるパトロールを行うとともに,関係機関,ボランティア等と協働して補導活動等を推進するなど,非行や蝟集等の問題を生じさせないよう努めてまいる考えであります。
 また,犯罪の起きにくい環境を整備する観点から,事業者に対し店舗内外への防犯カメラの設置や警備員による警戒強化,商品へのより広範な防犯タグの取りつけ,盗難防止装置つき駐輪場の整備,閉店後におけるオートバイ,自転車等の乗り入れ禁止措置等を働きかけているほか,万引き被害に遭いにくい商品の陳列方法等のアドバイスを行うこととしております。
 また,岡山市に対しても,地下通路等への防犯カメラの設置拡充等について働きかけを行っております。
 県警察としては,今後とも,こうした対策を着実に推進し,非行事案の防止を図ってまいる考えであります。
 最後に,JR岡山駅への路面電車の乗り入れ等についてお答えします。
 JR岡山駅への路面電車の乗り入れやJR吉備線のLRT化につきましては,公共交通機関の利便性の向上につながる施策であり,形態によっては交通の安全や円滑面に支障を及ぼすおそれもありますものの,基本的には自動車から公共交通機関への転換を促進し,自動車交通量の抑制につながる効果も期待できるものと認識しています。
 ちなみに本年8月に岡山市等によって新たに設置された路面電車岡山駅前広場乗り入れ計画案調査検討会や吉備線LRT化基本計画検討協議会において,整備の基本方針等について協議が現在始まったところであり,県警察はオブザーバーとして参加しているところですが,今後とも,関係機関,団体との緊密な連携のもとに,交通管理者として交通の安全と円滑の観点から必要な意見を申し上げ,よりよい交通環境の確立に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  要望にとどめさせていただきますけれども,先ほどイオンモール岡山が進出したときに周辺部どこが渋滞するかわからないというのは,これは大変なことでございまして,我々南のほうにおりましたら,大体どこが渋滞しとるかわかるわけでありますが,せめてその部分を把握していただきたいということが1つと,そして何よりコンパクトシティーの話でありますが,これは決して中心市街地の再開発,活性化とイコールの話ばかりではありません。言うまでもなく,自動車をちょっと外に出しながら,公共交通機関を整備して,例えばLRTであったり,あるいは何よりいつも申し上げる自転車であったり,あるいは歩行者の方であったり,いわゆる自動車に頼らない公共交通機関や自転車や歩行者が歩ける,そうした街をつくっていこうという発想もあると思います。その中で,今回のイオンモール岡山の進出は,若干ちょっと矛盾しているわけでありますが,これからコンパクトシティーをつくっていく中で,やはり警察の方の御指導というのが大変に重要になると思いますし,とりわけ富山で大変今成功している事例があるということで,ぜひとも本部長の温かい御指導を賜りますことをお願い申し上げて,質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

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