平成25年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治


1 県内スポーツの振興について
 (1)全国高校総体準備の進捗状況等   (教育)[ 知   事 ]
 (2)障害者スポーツの所管   環文協力(保福)[ 知   事 ]
 (3)新スタジアム建設の認識  土木協力(環文)[ 知   事 ]

2 有識者による事業再点検について
 (1)会議運営             (総務)[ 知   事 ]
 (2)結果報告書
   ア 提言の最終責任者等       (総務)[ 知   事 ]
   イ 単県医療費補助         (保福)[ 知   事 ]
   ウ 未耐震施設           (総務)[ 知   事 ]
 (3)真意               (総務)[ 知   事 ]
 (4)事業仕分けの手法等        (総務)[ 知   事 ]

3 子育て支援について          (保福)[ 知   事 ]
 (1)子ども・子育て支援事業支援計画
   ア 策定等のイメージ
   イ さらなる子育て世代の支援等
 (2)幼児教育等の課題等
 (3)学童保育
   ア 認識
   イ 県の役割

4 藤田パイプラインについて
 (1)認識               (農水)[ 知   事 ]
 (2)国への要望            (農水)[農林水産部長]

5 産業の振興について          (産労)[ 知   事 ]
 (1)岡山を元気にする動き等
 (2)アメリカとの関係
 (3)高校生のものづくり技能取得支援事業
 (4)高校生の技能検定合格率引き上げ目標




(佐藤)  皆様,おはようございます。
 なれないもので申しわけございません。自由民主党の佐藤真治でございます。
 今回もトップバッターということで,申しわけございません。春季キャンプ中盤の紅白戦の勢いを出していこうと思うておりますけれども,まずもって2020年(平成32年)の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定,まことにおめでとうございます。実は,私,前の東京オリンピックが開催された1964年の生まれでございまして,議場では蓮岡議員,そして太田議員が同級生ということになります。高度成長期の恩恵を受けて,何か身体的に著しい特徴が出ているような気がしないでもございませんが,7年先の東京オリンピックに関して,知事からも,岡山ゆかりのアスリートが一人でも多く活躍や事前キャンプ誘致の期待などのお言葉がありましたが,まずは平成28年度,岡山県内を主会場にして開催される全国高校総体,インターハイは,国民文化祭以来の久方ぶりの大事業で,オリンピックを目指す高校生には一つの試金石,励みになることでしょう。ここまでの全国高校総体準備の進捗状況とオリンピックまでを見越した意気込みについてお知らせください。
 次に,今回のブエノスアイレスでの最終プレゼンテーションでひときわ感動を呼んだのが,パラリンピックの佐藤真海選手のスピーチでございました。「私にとって大切なのは,私が持っているものであって,私が失ったものではない」という言葉と,パラリンピックが厚生労働省,オリンピックが文部科学省と分かれている選手強化事業の所管を来年度から一本化することへの喜びの言葉が印象に残りました。実は,2005年の晴れの国おかやま国体と第5回全国障害者スポーツ大会「輝いて!おかやま大会」のときにも申し上げたのですけれども,いわゆる障害者の方のスポーツを保健福祉部の障害福祉課の所管から,一生涯行うスポーツとして,現在では環境文化部スポーツ振興課が所管になっておりますが,ここで所管を一本化すべきような時期が来ておるのではないかというふうに思うのですが,御所見をお聞かせください。
 ところで,ここからは夢の話でございますが,東京オリンピックまで7年ということになりますと,そこまでにまず間違いなくファジアーノ岡山はJ1入りしているんじゃないかというふうに思います。ファジアーノ岡山について,最初に私が支援をすべきだと申し上げのは,平成17年の2月定例会で,「岡山からJリーグを」を合い言葉に,当時NPO法人岡山ヒューマンスポーツクラブが運営主体となって立ち上げたファジアーノ岡山が,まだ中国リーグ入りしたばかりのときでございます。それが順調にJ2に上がって,ことしの8月4日,ガンバ大阪戦において,クラブ初のチケット完売,クラブ史上最高となる1万8,269名の観客を集めるチームになりました。閑古鳥が鳴いたような時期もあったんですが,今はスタジアムが狭過ぎて,見たくても見られないという状況になったわけであります。ただ,クラブでは,安全で快適な観戦環境を用意するため検討を重ねて,適正な設定満席数を見直して,今のカンコースタジアムでありましたら,大体1万6,000人程度ということで,チケット販売数の上限を縮小することになりました。しかし,これからJ1入りして,例えば浦和や鹿島と対戦することになれば,岡山の潜在能力からいって2万5,000人以上の集客も見込めて,一方で,J1所属のチームとして安定的な経営をこれからするとなれば,これ以上入場料が延びない現状には問題があるということになります。どうあれ,ファジアーノ岡山は,J1入りが近づくほど新スタジアムの必要性が増してくるのでありますけれども,そして今,補助金も非常にうまく使って,そして寄附を集めて,ガンバ大阪,サンフレッチェ広島,京都サンガ,ギラヴァンツ北九州,さらにはJ2のモンテディオ山形を含めて,全国各地で新スタジアム建設の構想が続々と持ち上がってきております。いずれ再び東京オリンピックムードに乗じて,これはもう今度は日本単独でのワールドカップサッカーの誘致の機運が盛り上がってくると思いますが,例えば4万人収容のサッカー場があれば,ワールドカップサッカーの試合が岡山で開催されることも夢ではございません。いずれにせよ,陸上競技場と共有の施設にはもはや限界があって,新スタジアムが必ず必要になってくる話でございまして,行政の主体的な動きも当然期待されますが,ファジアーノ岡山を初めとする岡山のサッカーチームや新スタジアムの経済波及効果を含めて,今後への知事の御認識をお知らせください。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 県内スポーツの振興についての御質問であります。
 まず,全国高校総体準備の進捗状況等についてでありますが,ことし5月に県準備委員会を設置し,県内会場地の選定や中国5県の中高校生対象にスローガン等の募集を行うとともに,選手強化に取り組んでおります。全国高校総体の開催は,岡山県のよさを全国に発信する絶好の機会であり,また,県民の一体感や活力を生み出し,生き活き岡山を実現する機会でもあると考えており,大会が盛り上がり,成功するよう万全の準備を進めてまいりたいと存じます。選手の皆さんには,オリンピックへの出場を夢に,一層の精進を重ね,一人でも多くオリンピックで活躍できるよう願っております。
 次に,障害者スポーツの所管についてでありますが,障害者スポーツは,障害の種類や程度に応じた配慮を行い,安全性を確保した上で,障害のある方がスポーツに親しむ機会を提供する必要があることから,各障害者団体などとの連携が重要であり,本県では,障害者施策を担当する保健福祉部において,環境文化部との連携のもと,各種取り組みを進めているところです。お話の所管の一本化については,競技力の向上が期待できる一方で,スポーツを通じた社会参加や障害への県民理解の促進といった障害者スポーツ推進の多様な目的を踏まえ,慎重に検討する必要があるものと考えておりますが,今後のスポーツ行政に関する国の動向等も注視しながら,適切に対応してまいりたいと存じます。
 次に,新スタジアム建設の認識についてでありますが,J1の施設基準である収容人数1万5,000人に対し,カンコースタジアムの設計上の収容人員は約2万人であることや,整備から10年しか経過していないこと,新スタジアムの建設費用が巨額となること等から,県が主体となって建設することは困難であると認識しております。ただし,民間の寄附により建設を計画しているガンバ大阪のような取り組みがあれば,県としても岡山市と連携して協力を検討したいと考えております。
 また,サッカーチームや新スタジアムの経済波及効果については,現時点ではどの程度の効果となるかは把握しておりませんが,ファジアーノ岡山などのサッカーチームの活躍は,県民に対して夢や勇気,感動を与え,また,子供たちのスポーツのきっかけづくりになるとともに,地域の活性化にも貢献しているものと認識しております。
 以上でございます。


(佐藤)  今の件に関する要望でありますが,今まではファジアーノ岡山,「岡山からJリーグを」という夢があったんですが,今後は,「岡山にワールドカップサッカーを」と,そうした夢を,また,描いていきたいなあというふうに思います。
 そして次に,知事の行政手法について申しわけないんですが,苦言を申し上げさせていただきます。
 今回の有識者による事業再点検の手法でございますが,正直に申し上げて,本当にがっかりいたしました。こういう行政手法には,民間出身の知事にはなれていただきたくないというふうに思います。そもそも設置要綱によって事業再点検に関する有識者会議が開催されましたが,要綱や要領は,いずれも職員の方が事務処理を進めていく上での指針,基準を定める行政機関の内部規律でございまして,いわば事務の執行手続の適正化を図ることを目的としたものでございます。また,本来ならば,こうした再点検をする個別の事業について設置要綱について検討委員会や外部評価委員会をつくるようなことがあっても,5月23日に施行された要綱で設置された有識者会議が事業再点検を全部行って,9月に報告書を出す,これは余りにも膨大な量ではないでしょうか。しかも,2条には,委員10名以内で構成すると書いてありますが,委員でもない事務局の方がしばしば提案,委員からの質問に回答,5条を見れば,庶務は総務部人事課行政改革室において処理するとなっておりますが,庶務というには大変な御活躍ぶりだったと思います。具体的には,当初予算一般会計の2,400もの事業のうち,事務局が事業抽出の視点を作成して,1回目の会議でそれの承認を得て295事業を抽出,さらに個別事業の対象となるものを事務局が9事業に絞って提案して,合わせて29事業を委員が選定しました。個別議論の対象外とされた事業は,事務局が有識者会議に報告,第三回有識者会議では,ほとんどは委員から事務局への質問と答弁,時間の関係で十分議論ができなかったので,気づいた点があればメールで送っていただきたいとして,議論は終了。あえていえば,事務局サイドが事業再点検したかった視点も事業も答えも,はなから決まっていたんじゃないですか。そして,結果として,7月19日,8月5日,8月23日の3回の会議で,倉敷駅周辺の鉄道高架事業の規模縮小や医療費補助の見直しにも言及された見事な結果報告書ができ上がり,9月11日に知事がそれを受け取られ,報道されました。知事は,大変重い意見をいただいたと語られて,提言を施策に反映させていく,こうした考えを示されました。ただ,この一連の作業は,二元代表制のもと,議会制民主主義の手続において,いかような民主的コントロールが及んで,法的にどういう根拠と意味があるやりとりなのか,議会に対していかような拘束力があるのかをぜひ教えてください。
 ましてや,特定の者に継続交付されている補助交付金の中に,私学助成費や軽油引取税報奨金などを入れ込んで,これはもう有識者会議で全く議論もされていないのに,事業再点検をすべき項目であるかのように装っておられるように感じられます。この提言の最終責任者は,つまりは誰で,これはいかなる責任を負われるんでしょうか。
 さらに,再点検結果報告書の中身について具体的に伺いますが,単県医療費補助について,特に現在臨時的に実施している低所得者への自己負担限度額軽減措置については,県内企業が全体として持ち直していることから,再延長は行わず,予定どおり終了すべきとなっていますが,これは委員の一方の御意見にすぎず,会議として意見集約された形跡がございません。景気がよくなれば,内部疾患があって働く意思があっても働くことができない,そうした方々の所得が上がるんですか。そうしたことも含めて,単県医療費補助の低所得者の方々への自己負担限度額軽減措置についてのお考えをお伺いしたいと思います。
 一方で,中には未耐震化の県施設で,将来改修予定のない1,000平方メートル以上の特定建築物の自治研修所や,それ以下も含めて,津島県公社のA,B,C,D,F棟や知事公舎など,まずこれは一般県民の方が使われない施設についてまで検討対象に挙げておられますが,集約や廃止等について,外部の有識者の方や第三者の方に意見を聞かないと判断ができないことでしょうか。今後どうされたいのか,知事のお考えをお知らせください。
 こういう手法が許されるのであれば,事業再点検結果報告書の趣旨に沿えば,これから先,人件費削減も含めて,これが民意なんだと称して,昨年度前までの行財政構造改革大綱を改訂する形をとることすらできる,そういう前段階の動きとすら考えられますが,真意をお聞かせください。
 もちろんそもそもこれは削減しようという方向ですから,お手盛りとまでは言いませんけれども,いかにも何か民意が反映されたかのようで,実は官のほうの主導の提言を錦の御旗のように掲げられて,それに対して議会の意見もお聞きしながらまとめていきたいなどというのは,申しわけないですが,これは議会軽視も甚だしいというふうに,私は感じております。しかも,これは情報公開をしながら民主的手続に沿って行政運営が行われているとの評価は,私はできないと思います。情報公開の時代に,知事,こういうのはもうはやっていません。どうかこういう旧来型の行政手法に,知事にはなれていただきたくない。大体こういうことを,私のようなばかな議員に言わせること自体が,お忙しい中,時間を割いてくださった委員の方々に,本当に私は失礼なことだというふうに言いながら,そのように思っております。しかし,これがいわゆる事業仕分けの手法で,仮に公開されていれば,私は状況は違っていたんじゃないかというふうに思います。もちろん,事業仕分けもあくまでこれは判定であって,評価者に予算削減を行う権限・強制力はなく,予算編成権を行政の側の判断と我々の議決によって決まるということになるのは言うまでもありません。しかし,なぜ今回,事業仕分けの手法をとらなかったのか,今回どうして公開されなかったのか,そして今後もこういう行政手法をとっていかれるのか,お伺いいたします。


(知事)  お答えいたします。
 有識者による事業再点検についての御質問であります。
 まず,会議運営についてでありますが,有識者会議の委員の方々には,地方自治法に基づく専門委員として御就任いただき,事業抽出の視点などについてそれぞれのお考えを伺いながら事務局案をお示しした上で,さまざまな御提言をいただいたものであり,重く受けとめているところであります。この御提言は,直接県議会に対して拘束力があるものではなく,今後,これを踏まえ,執行機関としての対応方針を決定し,県議会等からの御意見を伺ってまいりたいと存じます。
 次に,結果報告書のうち,提言の最終責任者等についてでありますが,委員の方々には幅広い知識と高い見識に基づき御提言をいただいたことにより,責任を果たしていただいたものと考えております。
 なお,いただいた御提言は,事業のあり方等を検討する際の判断材料の一つであり,最終的には私が責任を持って対応方針を決定すべきものであります。
 次に,単県医療費補助についてでありますが,低所得者への自己負担限度額軽減措置は,厳しい経済雇用情勢を踏まえた生活支援策として時限的に実施しているものであり,今後の取り扱いについては,事業再点検結果報告書のほか,各種経済指標などを踏まえ,慎重に検討してまいりたいと考えております。また,お話の就労が困難な方々については,その世帯状況や収入構成等はさまざまであることから,景気回復と所得の関係について,断定的にお答えすることはできませんが,いずれにしても,これらの方々に対しては,他の福祉施策の利用を初め,それぞれの状況に応じた適切な支援が行われることが重要であると考えております。
 次に,未耐震施設についてでありますが,お話の自治研修所や津島県公社なども貴重な県有財産であり,処分により得られる財政的効果も大きい一方で,地域への影響も考えられることなどから,県の方針を決定する前に,有識者からさまざまな観点で幅広い御意見をいただいたところであります。今後とも,御指摘のような県有資産も含め,必要に応じ,外部の意見をお伺いすることは重要と考えております。
 次に,真意についてでありますが,有識者会議は県が事業再点検を実施するに当たり,事業のあり方や再点検を実施する上での視点などについて,外部の方から幅広く御意見をいただくため,開催したものであります。今後は,これらの御意見も踏まえた上で,現在策定中の行財政経営指針に基づき,これまでの取り組みの成果を維持しつつ,不断の改革・改善に取り組むこととしており,お話の行財政改革大綱の改訂は考えていないところであります。
 次に,事業仕分けの手法等についてでありますが,事業仕分けは事業の存廃を中心に議論されているところでありますが,今回の有識者会議は事業のあり方についてさまざまな観点から幅広い御意見をいただき,改善につなげるため実施したものであります。また,非公開については,各委員が忌憚のない意見を積極的に発言できるよう,有識者会議において決定されたものと承知しておりますが,会議録や資料については,終了後,速やかに公開しているところであります。必要に応じて外部有識者から率直な御意見等を伺うことは有意義だと考えておりますが,その手法については今回の例も踏まえながら,今後検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  御答弁ありがとうございました。
 特に低所得者に関するこの支援につきましては,経済指標を見てというふうな御答弁がありましたけれども,そうした客観的な数字ではなくて,私が今回この質問の中で申し上げたいのは,やはり民意,民主的コントロールがどれだけ及んでいるか,民意がどれだけ入っているかということが大切だということが申し上げたいわけであります。特に,当該関係者の方の御意見がどれだけ入っているか。有識者の方を私は批判するわけではもちろんありません。大変にお忙しい中,時間を割いてくださって,有益なそうした議論をしていただいたと信じておりますが,ただ問題は,これが当事者の方の意見が入っていないんじゃないですかと。我々議会は,議員としては当事者の意見をお伝えするようにしておりますけれども,行政の側でもこれを積極的に聞くことは必要じゃないか。特に,前の知事の時代には,対話の県政,開かれた県政という言葉がありました。その努力はされていたというふうに思います。その中で,今回,こうしたことが進んでいけば,本当に当事者の声が伝わらない県政になってしまうような危惧を感じております。知事のおっしゃられるスピード感であったり,あるいは顧客重視であったり,コスト,このことは私は本当に大切なことだと思います。ただ,我々が知事に本当に期待していることは,やはり民間の企業の出身であるということで,現場の声,要は現場主義,現場の声が行政に反映される,しかもそれが早くコストが削減されて反映される,そのことを望んでいます。最初に冒頭で大変に失礼なことを申し上げたんですが,行政の手法になれないでくださいというのは,やはり知事がトップリーダーとして,現場に回っていただいて,そして何よりも現場の声を直接受けとめていただいて,それを行政に生かしていただきたい。そうした思いで申し上げておりますが,それに関して,特に身障者の方への補助につきまして,私はこれは現場の声,当事者の声,聞けてないと思うんですけれども,知事のお考えをお知らせください。


(知事)  現場の声を聞くことの大事さということについての御質問にお答えをいたします。
 当事者を含めていろいろな立場の方の意見を伺うことは,行政にとっても,それ以外の例えば民間企業の経営にとっても大変大事なことだと考えております。各部局の担当者が日々それぞれの担当者の意見を聞いていると,私は信じておりますし,これからもそのようにしていかなければいけないと感じております。
 以上でございます。


(佐藤)  感想めいたことでありますが,職員の方が聞いておられる,確かに現場で,職員の方の現場で努力はしていただいておると,私も信じておりますが,私は知事に現場の声を聞いてほしいと申し上げたんだということは,つけ加えさせていただきたいし,この議場にいる我々も,言ってみれば本当に現場の声を聞いている,現場主義に立つ,議員,議会でありますから,こうした議会の声もしっかりと受けとめていただくことをお願いしたいと思います。
 次に,子育て支援について伺います。
 昨年8月10日に,幼児期の学童教育,保育,地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するために,子ども・子育て関連3法が可決成立して,この3法に基づいて幼児期の学校教育,保育,地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するための子ども・子育て支援新制度が平成27年度からスタートする予定でございます。新制度では,住民に最も身近な市町村が幼児期の学校教育,保育,地域の子ども・子育て支援のニーズを把握し,認定こども園,幼稚園,保育園などの整備を計画的に進めることとしています。また,社会保障と税の一体改革の中で,来年4月から8%,平成27年10月からの消費税率を10%にされるということかもしれませんが,その引き上げによる増収分のうち,約7,000億円の財源が充てられることとされています。このうち4,000億円は,待機児童解消等に向けた保育等の量を拡充するために要する費用に充てられ,300億円については,保育士等の職員配置基準の改善を初めとする保育等の質の改善に充てられる予定でございます。この法律の中では,国が子ども・子育て会議を設置し,努力義務とはいえ,都道府県と市町村にも同じような地方版子ども・子育て会議の設置を求められており,既に会議が設置され,会合が開かれて具体的に動き始めている県が複数ございます。子育て同盟サミットを開催されるのは,これはもちろん結構なことなんですが,我が県では,今議会でやっと岡山県子ども・子育て会議の設置条例案が提案され,スピード感がないのは否めません。しかも,今回の設置条例は,極めて抽象的なものでございまして,内容が皆目わかりません。公募委員を募集している県も複数ございますが,かように広く意見を伺いながら,子ども・子育て支援事業支援計画をいかように策定し,推進していくのか,イメージをお知らせください。
 また,教育再生の前提として,しつけをして成績を上げる前に,まずは経済格差が教育格差に結びついている現状で,さらなる子育て世代を支援,また,就学前から就労に至るまで一貫した発達障害の支援体制が必要だと,私は何度も申し上げてまいりましたが,そうした観点も加わるのか,御所見を聞かせください。
 ところで,新制度の主な内容は,1,複雑だった設置手続の簡素化や財政支援の充実強化などにより,幼児教育と保育を一体的に提供する認定こども園制度の改善を目指す,2,待機児童解消を目指し,保育園などの施設の設置を容易にしたり,小規模保育,家庭的保育,いわゆる保育ママなど,保育の量的拡大・確保し,質も確保するため,職員の処遇や配置に関する改善などを図る,3,地域の子ども・子育て支援の充実に向けて放課後児童クラブ,学童保育,一時預かり,延長保育,地域子育て支援拠点事業,妊婦健診などの事業の拡充を図るというものでございます。ただ,保育環境や保育士の労働条件の悪化や来年度以降の保育所整備の国庫補助制度も,今,不透明でございまして,保育基準の違いが広がって,幼稚園,保育所,4種類の認定こども園,そのほか保育ママや認可外保育,事業所内保育など,これがもう複雑化して,混乱と格差を招くと危惧する声もあるにはございます。幼児教育や保育機関,また,養成機関の今後の課題や対応についての認識をお知らせください。
 これに関連して,この6月に,日本で初めて学童保育指導者に固有な資格がつくられた本岡山県で,子ども・子育て関連3法成立後最初の日本学童保育学会第4回研究大会が開催をされました。また,10月5日と6日の2日間にわたって,第48回全国学童保育研究集会が岡山で開催をされます。平成27年4月からは,学童保育は市町村が行う地域子ども・子育て支援事業,これは市町村事業として位置づけられ,学童保育への補助金は市町村の地域子ども・子育て支援事業計画に基づいた支出が交付金として,国から市町村へ交付され,都道府県のほうは,予算の範囲内で補助するという形になります。今後は,岡山県の特徴である市民協働とも言える地域運営委員会のよさも生かしつつ,学童保育に経営感覚のあるNPO,企業も含めた民間も参入して,場合によっては一つの学区に複数の適正規模の学童保育ができて,保育内容も切磋琢磨する中で,選択肢がふえていく,こうした形になっていくかもしれませんが,同時に,少人数クラブを実現して,自己肯定感を高める人間関係や直接的な体験から,子供たちの生活や気持ちの安定を図るという意味で,学童保育は今後ますます重要になってくるというふうに思います。
 まずは,今回の研究集会の意義も含めて,知事の学童保育に対する認識をお知らせください。
 そして,こうした新制度が動き出すにしても,交付金の3分の1の都道府県の負担を確実に確保し,障害児受け入れ加算等の,県のこれはいい事業があるんですが,県の単独事業を後退させてはなりませんし,ある意味,岡山発と言える形で,ある程度のハードルを設置して,一定の給与保障が合意できる指導員の資格制度が,今,実現しようとしております。しかし一方で,無資格で頑張ってこられた指導員さんたちも大変多くいらっしゃる。こうした方々を,言葉は適切かわかりませんが,救済する,こうした研修が県の役割になってくるんじゃないかなと。民間団体と連携しながら,質の高い研修機会を設ける必要も出てくると考えますが,お考えをお知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 子育て支援についての御質問であります。
 まず,子ども・子育て支援事業支援計画のうち,策定等のイメージについてでありますが,子ども・子育て会議は,県における幼児教育や保育に係る需要量の見込みや提供体制の確保方法等を定める子ども・子育て支援事業支援計画の策定に当たって意見を聴取するとともに,子育て支援施策の実施状況を継続的に点検,評価,見直していくなど,大変重要な役割を果たすものと考えております。このため,構成員として,幼児教育,保育の両分野の関係者を初め,子育て当事者に参画いただくなど,幅広い関係者の意見をバランスよく聞ける仕組みを構築し,市町村と緊密な連携を図りながら,少子化対策は待ったなしとの認識のもと,常にスピード感を持って計画を策定・推進してまいりたいと存じます。
 次に,さらなる子育て世代の支援等についてでありますが,国において策定が進められている子ども・子育て支援法に基づく基本指針案には,「障害児,貧困状態にある子ども等が円滑に教育,保育等を利用できるよう必要な支援を行うことが求められる」とされております。県の計画は,この基本指針に即して策定することとされており,こうした観点についても盛り込んでまいりたいと考えております。
 次に,幼児教育等の課題等についてでありますが,幼稚園及び保育所は,新年度施行後も現行の法令に基づいて運用されることから,大きな変化は生じないものと考えておりますが,幼・保連携型認定こども園については,これまで別々であった保育と教育を一体的に提供する必要が生じることから,新たな保育,教育の提供方法のあり方について,現在,国において検討されているところであります。また,幼・保連携型認定こども園は,幼稚園教諭免許と保育士資格を有する保育教諭を配置する必要があることから,養成施設では幼児教育と保育の知識をあわせ持った学生の育成を進める必要があると認識しております。いずれにしても,県としては,新制度が円滑にスタートできるよう,市町村や関係機関等の支援に努めてまいりたいと考えております。
 次に,学童保育のうち,認識についてでありますが,放課後児童クラブ,いわゆる学童保育は,女性の就労の増加や核家族化が進展する中,仕事と子育ての両立支援,児童の健全育成対策として重要な役割を担っていると認識しております。お話の全国学童保育研究集会は,県内外から多くの関係者が一堂に集まり,学習,交流する全国最大規模の集会と聞いており,放課後児童クラブの質の向上に資する大変有意義な取り組みであると考えております。
 次に,県の役割についてでありますが,県では,国の制度に基づく放課後児童クラブの運営費等の補助に加え,障害児受け入れに伴う人件費の補助など,県独自の支援策を講じているほか,指導員の資質向上のための研修を行っておりますが,引き続きその支援に努めてまいります。
 また,県内のNPOが独自の指導員資格取得認定事業を実施しており,広がりを見せていると聞いておりますが,新制度における放課後児童クラブに係る指導員の資格や研修のあり方等については,現在,国において検討されているところであり,今後,その動向も注視しながら,県内の放課後児童クラブの質の向上に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  次に,岡山県有数の穀倉地帯である岡山市南区藤田地区のかんがい排水事業,いわゆる藤田パイプラインについてお伺いいたします。
 この地区では,全国的な米価の下落,農家の高齢化,後継者不足という課題もありますが,児島湾干拓のもとで大規模圃場整備や水利環境もなされており,特に米麦では先進経営体の大規模農家が多く,また,園芸作物として,タマネギ,レタスが導入されて,水田転作作物として,施設ナス,レンコン等の野菜の産地化が進められてきました。ここで約30年の歳月をかけて完成の国営かんがい排水事業に続いて,支線となる県営かんがい排水事業を整備しているのは,地域の独自性がある三堪四落という言葉に象徴されるように,大区画の水田地帯において,かんがい排水施設の再編整備を行って,用排水分離を行って,営農能力,労力の節減を図るとともに,いわゆるこの水田の汎用化によって,農業経営の安定を目指しているからでございます。言ってみれば,水道の蛇口をひねるように自由に農業用水を使うことで,水田の汎用化,転作を図るというのがポイントになりますが,TPP交渉もある中で,日本の,あるいは岡山の農業の未来を担う,私は極めて重要な地域であると思いますし,また,極めて重要な施策であると考えますが,知事の御認識をお知らせください。
 一方で,岡山外環状道路南線の計画があり,工事延伸もされましたが,生活道に埋没するパイプライン工事については,地域の皆様の大変な御協力をちょうだいして,コスト削減と通行どめ期間の短縮等についても,県も努力はされてきました。そして,都・大曲地域において,この5月13日から待ちに待った来年の本格通水に向けて通水試験が始まりました。ブロック別給水による代かきや保給水の給水が行われて,そこまでもごみが多く給水栓の詰まりはありましたが,実は土用干しや給水栓の清掃のための送水停止期間が終わって送水を再開したときに問題が発生しました。思った以上に水が出なかったということであります。一つには,代かき機のようなブロックローテーションによる給水をせずに一斉に給水を開始して,急激な水圧低下を来たし,時間を要したというのは,これは間違いないと思います。送水再開前に県が十分な説明をされなかった,この点については大いに反省していただく必要があるというように思いますが,ただこれに加えて,国の施設,取水口のネットスクリーンや大曲の用排水機場の構造そのものに問題があるんじゃないかという声がございます。
 まずは,最初の計画からもう数十年の月日が流れており,大規模農業に変わってきている状況もある,改めて用水計画・運用方法について,国から地元へ説明がなされることを強く求めたい。また,同時に,今回発生した事象の原因とその対応について,国に具体的にどう要望するかについて,農林水産部長にお伺いいたします。


(知事)  お答えいたします。
 藤田パイプラインについての御質問であります。
 認識についてでありますが,藤田地域は古くから干拓により造成された岡山県有数の広大な穀倉地帯であり,昭和初期から大型機械化農村として農業をリードしてきた地域であります。また,現在は大規模経営体による土地利用型農業や千両ナス等の施設園芸も行われている地域と認識しております。藤田パイプラインは,お話のとおり,用排水分離により水田の汎用化を図り,生産性の高い土地利用型農業の実現を目的として実施しているところであり,今後とも,藤田地域が先進的な農業地域となるよう努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(農林水産部長)  お答えいたします。
 藤田パイプラインのうち,国への要望についてでございますが,土用干し後の給水不足については,お話のように,地域において一斉に取水したことに加え,取水口へのごみの混入やポンプの回転数が不安定であるといった施設面の問題も影響しているものと考えております。県では,このような事態を受け,国に対し,土用干し後の最初の給水に係るブロックローテーションを検討し,その運用方法等について地元へ説明するとともに,施設面の問題に対する原因究明と対応策を検討するよう要請してきており,国からは,問題点を認識し,早急に調査に着手すると聞いております。県としましても,来年度からの本格通水を控え,喫緊の課題であると考えており,安定的な用水供給が図られるよう,岡山市等と連携しながら,引き続き国に早急な対応を求めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  御答弁いただきましてありがとうございました。
 お願いしたいこととして,来年度は本格通水ということで,まず大丈夫ですねという確約というのは,ちょっと議場で言うのはあるかもしれませんが,それは確約をいただきたいというのと。
 何よりも,この藤田のパイプラインについては,市と県と国が一体となってやらなくちゃいけない,役割分担の連携も非常に必要だということで,早急に地域において,国,県と市と並んだ形での説明会,この開催が必要だと思います。今回は,都・大曲地域でありましたけれども,これからまだ錦の地域にこれは大展開される,まさに岡山県が全国に誇るべき施策でありますから,これがもう間違いがないように,しかしもう何十年もたっているということでありまして,改めて国に対して,そして県もそれに加わって,市も加わって,説明会をやるお考えがおありかどうか,部長にお伺いいたします。


(農林水産部長)  佐藤議員の再質問にお答えいたします。
 県といたしましても,来年度の本格通水には同じ事態が起こらないように早急に対応が求められるというものでございますから,順次対応するように国に強く要請するとともに,必要に応じまして,県としても協力してまいりたいと考えております。
 また,国,県,市,三者によります説明会につきましては,お話をいただきましたけれども,今後まだあと2地区残っております。来年の仮つけもございますし,その次,29年,31年と予定している部分もございますので,適時適切に対応してまいりたいと思いますし,国につきましても,また,岡山市につきましても,その説明会への臨席を求めていきたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  申し上げたいのは,その対症療法的なことではなくて,全体計画の中で,例えば都,大曲,錦,全体が動き出したらどうなるのかという,全体計画を示していただきたいということで,年度ごとに説明会をやるというのではなくて,全体でこうなんだという,そうした説明会をしていただけますかというお話でございます。それは,今やらなくてはいけないことだと思うんで,今年度の説明をするということではありません。全体にこれから全部の地域が動き出したときに,本当にこれだけで容量足りるのか,あるいは防災の面であったり環境の面であったり,パイプライン,あるいは農業用水の果たしている役割は非常に大きいわけでありますが,これから外環状道路を通したり,地域の方の御協力もいただかなくちゃいけない,その中で全体計画がどうなのか。それに対して県と市が何をやるのか,その説明会を開催してくださいというふうに申し上げているんです。


(農林水産部長)  藤田地区のかんがい排水につきましては,全体で,1,600ヘクタール弱の受益面積を持っておりまして,全ての供用開始になるのが31年を予定しておりますが,今,佐藤議員からお話しございましたように,既に18年から始まっている藤田都六区,それから来年度から始まります藤田都大曲,また,29年度から藤田錦六区,それと31年度からの藤田錦,そういう全体の計画の中で現在設置しております藤田用排水機場並びに大曲用排水機場の国営施設,それと県がつくっておりますいろいろな施設,そういう施設を活用しながら全体の1,600ヘクタールの用水の供給を十分行えるように,全体計画を見ながら説明会を行ってまいりたいと思います。
 以上でございます。


(佐藤)  最後に,産業の振興について伺います。
 本当に行政経営をされるのは大変だと思いますが,そろそろ民間出身,経済人である知事だからこそ打ち出せる施策があるのだろうと,岡山県民の皆様は待ち望んでおられます。あえていえば,当然やらなくてはいけない行革や教育再生もさることながら,今までの経験や豊かな人脈の中から,あっと驚くような,岡山県経済の発展,本格的な景気回復の起爆剤が出てくるだろうという期待,私もしております。もちろんフィルムコミッションを再活性化させて御当地映画撮影を行うというようなこともあるでしょうけれども,岡山県を元気にする,知事ならではの動きや施策について,何かございましたら,お知らせください。
 特に,アメリカへの留学経験もあられる知事でございますから,日中,日韓関係にかかわらず,アメリカとの経済関係,国際交流をより強固にする,姉妹縁組をする,旅行客をふやす,そうした具体的な取り組みを私は大いに期待させていただいておりますが,御所見をお知らせください。
 ところで,我が党の雇用対策の質問,新規学卒者の県内企業への就職支援について,経済団体に正規雇用枠の拡大の要請をしたり,合同就職面接会の開催に取り組む,あるいは中小企業の人材育成確保,技術や技能の伝承について,高校生のものづくり技能取得支援事業やものづくりマイスター制度の取り組みについて御答弁いただきましたが,この受験手数料の減免や専門校指導員等の派遣,練習用材料費の補助を行う高校生のものづくり技能取得支援事業は,今年度で終了予定となっております。しかし,技能検定が技能習得の目標として教育現場の柱になっており,就職に対しても大きな効果を発揮しており,また,ものづくり技能者の育成確保という3業界からの要請にも応えるため,ぜひ存続させ,推進させるべきだと思います。さらに,可能であれば,現行のような3年という時限制度ではなく,もう少し長い期間にし,受験手数料の減免同様,専門校指導員等の派遣,練習用材料費の補助についても,事業対象職種を6分野に限らず,ほかのものづくり分野に拡大すべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。
 また,県内企業に他県から優秀な技能を持った高校生が多く就職し始めたことは,周知の事実でありますが,広島県では若年技能者の育成指導事業を展開しており,高校生の技能検定合格率3位まで引き上げることを目標としています。かねてから,教育再生の象徴として,直接は市町村教委の所管である義務教育段階の全国学力テストの順位を10位以内にすると,知事が積極的な発言をされておられることが,私は必ずしも教育現場や子供たちによい影響を与えているばかりではないんじゃないかと感じておりますが,一方で社会でよりよく生きていくための教育のはずが,今回の生き活きプランでも驚くほど高校,まして専門科の記述がございません。私立を含めて高校生の技能検定合格率を引き上げることを目標として掲げるべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。


(知事)  お答えいたします。
 産業の振興についての御質問であります。
 まず,岡山を元気にする動き等についてでありますが,民間の経済人としての経験から申しますと,「顧客重視」,「コスト意識」,「スピード感」が何よりも重要であると考えております。産業の振興につきましても,プラン改訂素案にもお示ししているように,企業のニーズを的確に把握し,本県のすぐれた操業環境や交通アクセスなどの強みを生かした企業誘致の推進を初め,中小企業支援,観光振興等を地道に進め,いわば一つ一つのスモールサクセスを積み上げることにより,本県に人・モノ・金を呼び込み,生き活きとした元気な岡山をつくってまいりたいと考えております。
 次に,アメリカとの関係についてでありますが,本県においても,従来からアリゾナ州などへの県訪問団の派遣,県内企業の進出,岡山市など6市の友好協定締結など,地域レベルでのアメリカとの関係を深めてまいりました。アメリカは,日本にとって身近な国であることから,観光やビジネス交流など,さまざまな分野でアメリカとの新たなつながりを持つことも,今後検討してまいりたいと考えております。
 次に,高校生のものづくり技能取得支援事業についてでありますが,県内工業高校などの積極的な取り組みもあり,高校生の技能検定合格者数は,事業開始前の平成22年度の181人から,平成24年度には546人と,3倍に増加するなど,大きな成果を上げております。生徒にとっては就職率のアップ,企業にとっては優秀な人材確保が図られ,県内産業の振興につながる有益な事業と考えておりますが,今後,事業成果の検証を行った上で,来年度以降の方針を検討してまいりたいと考えております。
 次に,高校生の技能検定合格率引き上げ目標についてでありますが,現プランの数値目標は,平成28年度までに1.7%から5.1%と,3倍の合格率となるよう設定しておりますが,平成24年度時点で6.0%と,既に達成したところであります。このため,プラン改訂素案では,指標については設定しないものの,雇用拡大プログラムの重点施策の中で,高校生のものづくり技能の習得支援を掲げており,その中で合格率のさらなる引き上げについても取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。

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