平成24年6月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治


1 財政危機宣言時の苦悩について     (総務)[ 知   事 ]

2 未来科学棟(仮称)等について
(1)思い        (教育)[ 知   事 ][ 教 育 長 ]
(2)指定管理者制度           (教育)[ 教 育 長 ]
(3)理科の実験             (教育)[ 教 育 長 ]
(4)ESDへの参加等          (教育)[ 教 育 長 ]
(5)科学技術振興指針の見直し  教育協力(産労)[ 知   事 ]

3 岡南飛行場について          (県生)[ 知   事 ]
(1)航空フェア2011
(2)可能性
(3)格納庫の有効活用

4 内尾県有地へのメガソーラー誘致について
(1)認識            総務協力(保福)[ 知   事 ]
(2)候補地選定の経緯等         (産労)[ 知   事 ]
(3)選定理由              (保福)[ 保健福祉部長 ]
(4)誘致活動等             (産労)[ 産業労働部長 ]
(5)環境保健センターの未利用地     (環文)[ 環境文化部長 ]

5 防災対策について
(1)昨年の台風等による被害の復旧状況
                 農水協力(土木)[ 知   事 ]
(2)児島湖の水位調節等         (農水)[ 農林水産部長 ]
(3)児島湾締切堤防の安全性強化     (農水)[ 知   事 ]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。
 一問一答式導入後の最初の議会でトリを務めさせていただきますことを,心から感謝申し上げます。
 今議会中に知事の御勇退の表明があり,これはもうだれもがよい人でいたいわけでございますから,ここはひとつ知事の御功績を褒めたたえて,終始笑顔があふれる和気あいあいの穏やかな質問をと思っておったんですが,それは今までの私自身の質問戦に対する冒涜であると思うに至りました。そもそも議場は,我々議員にとっての戦場であるわけでありますから,今までどおり,いや今まで以上に本気で立ち向かうことこそ,知事に対するエールになる,そう確信して,筋書きのないライブを始めさせていただきたいと思います。
 思えば代議士秘書時代に,「あの次は,い」を合い言葉に,知事の初陣をともに戦わさせていただいて以来,はや16年でございます。私の初当選時は,独身でございましたが,その年,結婚させていただいて4期目の今,子供も小学6年生になりました。それだけの時間が過ぎているわけでございます。この間,45回質問をさせていただいて,これはもう,したほうもしたほうなんですけれども,答えられたほうも答えられたほうだなあと,感心をいたします。特に,忘れられないのが,岡山県最大の危機であった平成20年度でございます。6月2日の財政危機宣言。当時私は総務委員長でございましたが,消防防災ヘリコプターの導入や退職金の問題,これは本当に私もひどい目に遭いました。そして,その年の暮れ,倉敷チボリ公園閉園,翌年4月には岡山市の政令指定都市移行と,頭を抱えながらも大変に充実した年であったというふうに思います。そしてそこから始まった行財政構造改革を次年度以降にどう引き継いでいくか,これは大きな課題であるというふうに思います。
 まずは,今後の岡山県の行革を考えていく参考としても,知事にあえてあの平成20年度の苦悩がいかばかりであったのか,忌憚なく語っていただきたく存じます。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 財政危機宣言時の苦悩ということについてのお尋ねでございますが,16年度の交付税ショックによりまして,本県におきましては,約300億円という巨額の一般財源が一気に失われました。その後も交付税の抑制傾向が続くという中で,臨時的に対策を講じてまいりました歳入対策,これも限界に達してしまったということから,財政危機宣言を発する事態に陥ってしまいました。このことに,本当に心を痛めた次第であります。同時に,国の強い関与のもとで歳出削減等を強いられる財政再生団体への転落というものは,何が何でも回避し,自力で持続可能な財政構造の確立に向けた改革を断行しなければならないと,そうしないと本県の未来はないと,このような覚悟を持ったところであります。
 財政構造改革プラン策定に当たりましては,安全・安心とか,あるいは将来を担う人づくりなどには,配慮させていただきましたものの,各種事業の見直し,あるいは独自の給与カットなど,県民の皆様や県内の市町村や各種団体,そして職員の皆さん方には,新たな負担をお願いすることとなりました。まことに心苦しく思ったところでございます。その中で,説明を尽くして誠実な対応に努めながら,最終的には御理解,御協力をいただきました県議会を初め県民,そして関係の皆様方に対しまして,改めて心から感謝を申し上げる次第でございます。そして,その全体を通じまして,改めてこの改革をやり遂げるということが知事であります私に課せられた使命であると,責任であると,このことを肝に銘じながら,今日まで改革に邁進してまいったと,このようなことでございました。
 以上,まとめてお答えをさせていただきました。


(佐藤)  はい,質問させていただきます。

(佐藤)  知事に再質問をさせていただきます。
 本当にあの年は,もう象徴的な年でありましたが,岡山県にとっては再スタートの年であったというふうに思います。ただ,あのとき財政危機宣言の中で多くの県民の皆様がこのままじゃあ岡山県危ないということで,事業費や補助金の削減,これは大変な御協力をいただいたというふうに思っております。そして,あれはいわゆる緊急事態であったということで,来年度のことを考えると,これはゼロベースで始めるのか,それとも今のベースで始めるのか,スタートをどこに置くのかということは大切なことだと思うんですが,石井知事の次の代への思いとして,これは引き継いでゼロから始めるべきなのか,今あるカット率がスタートなのか,そのことについてどのようにお考えか,お知らせいただきたいと思います。


(知事)  お答えいたします。
 今回の改革は,財政構造改革プランとなっております。今までの改革とは全く異なるわけであります。改革をして396億円を目指して行ってまいりました,この歳出の削減,これを基本的には,この成果というものを維持するということで,この改革の意識というものを持ち続けていくということが基本的なベースだというふうに,私は考えております。と申しますのも,社会保障関係費などの大幅な増というものがありますし,世界的な今の経済の状況から見ますと,非常に不透明感ございます。この先,いろいろ状況の変化というものを考えますと,厳しい状況が続いていくのではないだろうか。それから,国においての,きょうこれから採決があるようでございますが,社会保障,税の一体改革,あるいは公務員の人件費の抑制など,国のほうでも行革を行って,さらに地方側にもこのことをどのように今後働きかけをしようとされているのか,あるいは地方財政対策の全体の動向,こういったことなども注視しながら,こういった状況にも適切に対応していくということを考えますと,やはり先ほど申し上げましたとおり,大規模な改革というものは一区切りついたということではございますけれども,今まで行ってきました構造改革によります,この成果というものを,これを維持できるように改革の意識というものを持ち続ける,このことが重要ではないかというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。

(佐藤)  はい。


(佐藤)  ありがとうございました。
 思えば,落書き調査隊として中心市街地の落書き一斉消去活動をするたびに,知事に御参加いただいたりして,一緒に町じゅうの落書きを消して回ったことは,今となっては何か楽しい思い出でございまして,さらにNPOや国際貢献に関する条例は,一緒につくってきた感もありますし,議会で提言させていただいた「ももっち」の仲間の「いぬっち」,「さるっち」,「きじっち」,さらに「うらっち」,仲間をふやしてくださいました。ある意味,私も議員として知事に育てていただいたことを,心から感謝申し上げたいと思います。
 その中で印象に残る論戦は,何といっても,岡山県立児童会館についてでございます。公の施設の見直しの中で,廃止とされていたものがデジタルプラネタリウムがある未来科学棟(仮称)として生まれ変わることになりました。最初は,耐震診断すらせずに老朽化を理由に取り壊される運命にあったものですが,署名運動まで展開する我々もかなりしつこかったですけれども,最後は知事の御英断で,岡山の子供たちの未来の可能性を広げる施設として残ることになった,これについては心から感謝を申し上げます。乾いたぞうきんを絞るような行財政構造改革でありましたけれども,決して血も涙もなかったわけではない。
 まず,知事に未来科学棟(仮称)への思いをお伺いいたします。
 もちろん児童会館は,生涯学習センターの横にあるのに,教育委員会は何をしとるんならということで,生涯学習センターの一部になりましたが,教育長にも同じことをお伺いいたします。
 また,未来科学棟(仮称)開設に向け,増員された担当課の方も,今,かなり気合いが入っておりまして,勢いを感じておりますが,一方で産学官民の連携という意味では,企業,大学,地域やNPO等との連携が重要でございます。今後,生涯学習センターと未来科学棟(仮称)について,指定管理者制度を導入されるおつもりであるか。される場合は,どういった役割分担で行われるか,お知らせください。教育長にお伺いをいたします。
 加えて,子供たちの理科離れが言われる中で,小学校において理科の実験指導ができない教師がふえている現状がございます。いわゆるでき合いのキットに頼る傾向が見られるんですけれども,知的好奇心から,仮説を立てて立証する実験というのは,極めて重要なものです。現状の認識と対応策について教育長にお伺いをいたします。
 関連して,特に池田動物園,京山ソーラーグリーンパークがある周辺は,世界に誇るESD(持続可能な開発のための教育)のメッカでもございます。そして,2014年には,国連が定めた10年間のESDの取り組みの成果などを取りまとめる最終年会合が岡山市と名古屋市で開催されます。これは,もう大変に意義のある国際会議でございまして,生涯学習センターやスーパーサイエンスハイスクールなど,こぞって参加・協力すべきだと思いますが,御所見をお聞かせください。教育長にお伺いいたします。
 さらに,私は,例えば未来科学棟(仮称)を活用した人材育成を含めて,科学技術の成果を産業や県民生活に結びつけるための科学技術振興指針の見直しの必要性を強く感じております。御所見をお聞かせください。


(知事)  お答えいたします。
 未来科学棟(仮称)についての思いでありますけれども,現在,教育委員会におきまして,25年度春のオープンに向けまして取り組んでいるところでありますが,こうした場で,子供を初め幅広い世代の方々が未来につながる科学の学び,体験,そして交流を通しまして,科学に対する興味,関心を高めていくということは,これは大変意義深いことであると考えております。私自身も県内外のプラネタリウムに出向きまして,そしてさまざまな体験をさせていただきました。映像の美しさ,そして迫力に,これに引き込まれたり,それから宇宙の神秘,こういったことに思いをはせた,こういうことを,今,思い起こしているわけでございます。こうした学習機会を提供いたしまして将来への夢,そして希望を与える施設と,ぜひなってほしいと願っているところでございます。
 次に,科学技術振興指針の見直しであります。
 本県では,競争力のある産業づくりや県民生活の向上に向けまして,科学技術の振興を図るために,9年度に岡山県科学技術振興指針を策定いたしまして,科学技術を担う人づくり,あるいは研究機関の機能強化,産学官連携による研究推進などに取り組んでまいりました。この指針の基本的な目標とか考え方の重要性,これは現在も変わらないところではありますが,昨年度取りまとめられました国の第4期科学技術基本計画とか,あるいは御質問にございました未来科学棟(仮称)の活用等の新たな動きも踏まえながら,県民にもわかりやすい内容となるように,今後見直しを検討してまいりたいと思います。
 以上でございます。


(教育長)  お答えいたします。
 まず,未来科学棟(仮称)等についてのうち,思いについてでありますが,旧県立児童会館が未来につながる科学の学び,体験,交流の発信拠点として,未来科学棟(仮称)に生まれ変わり,県民の皆様が科学に触れる機会が加わるなど,生涯学習センターの機能が強化されますことは,意義あることと考えております。今後,未来科学棟(仮称)が魅力ある施設となりますよう,産学官民の連携・協働を深めますとともに,生涯学習センターの役割である指導者養成・研修,学習情報の提供,学習講座の開設といった機能も充実させ,「生涯学習社会おかやま」の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
 次に,指定管理者制度についてでありますが,現在,生涯学習センターにつきましては,生涯学習の中核拠点としての機能を果たす施設でありますことから,施設維持管理等の業務を指定管理者が行っているところであります。未来科学棟(仮称)につきましては,さらに学校教育と密接に連携する事業を行いますことなどから,総合企画調整や指導者養成等につきましては,県で実施することとし,施設維持管理やプラネタリウム運営等につきましては,民間のノウハウを活用するため,指定管理の対象にしたいと考えているところであります。
 次に,理科の実験についてでありますが,昨年度の県学力調査で,約7割の子供が理科を好きと答えておりますが,教科担任制ではない小学校では,理科の指導を得意としない教員もおりまして,お話のような状況も見られるところであります。このため,教員の理科指導力の向上や校内の研修体制の整備が重要と考え,指導力の向上につきましては,昨年度から岡山大学と共同して,観察・実験の基礎・基本を学ぶ研修会を県内20カ所で実施いたしますとともに,県総合教育センターによる研修講座を年11回行っているところであります。また,校内研修等を推進する体制づくりといたしましては,各地域の理科教育のリーダーを育成するため,教員26人を岡山大学に派遣しているところであります。さらに,教員の実験等に関する指導力を高める場として,未来科学棟(仮称)の特色を生かせるよう検討してまいりたいと存じます。
 最後に,ESDへの参加等についてでありますが,お話の岡山市での最終年会合は,現在,その具体的な内容について,開催を誘致した岡山市が国と協議を行っている段階でありますが,国内外の高校生や教員によるフォーラムが計画され,高校生もその企画・運営に参画すると聞いているところであります。生徒が海外の高校生と英語により交流しながら,地球規模の問題について主体的に考えることは,大変意義深いことでありまして,成功に向けて岡山市に協力してまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(佐藤)  教育長に。

(佐藤)  教育長さんに再質問させていただきます。
 今のESDのことでございますが,持続可能な開発ための教育,岡山の場合は,特に環境問題に非常に特化している部分もあるし,それが先進的ということもあるんですが,同時にまた,この地域,大変に科学の芽もたくさんあるということで,その中で私自身が一宮高校の卒業生だから言うのではないんですが,スーパーサイエンスハイスクール,こうした県立高校や私立高校も,今,科学に対してかなり先進的な動きをされ,さらに海外との交流もされている。その中で,やはり岡山市に協力をするという御答弁でありましたが,岡山県教育委員会のほうから各県立高校,これは今,年度の途中で言うのは難しいと思いますが,来年度当初,こうした形でESDに協力をという働きかけが県教委のほうからはできないんでしょうか,お伺いします。


(教育長)  お答えいたします。
 この問題につきましては,先日岡山市のほうの担当者からもいろいろとお話を聞いておりまして,まずは高等学校長の会のほうへ説明をしてほしいということを申し上げておりまして,我々のほうも,これは相当大規模な高校生の会議でありますので,岡山市だけではなかなか十分に対応できないだろうということで,県教委といたしましても,いろんな機会を通じて校長のほうへ伝えてまいりたいというふうには思っております。
 以上でございます。

(佐藤)  はい。


(佐藤)  ありがとうございました。
 次に,これからの夢として,北の未来科学棟(仮称),南の岡南飛行場と,子供たちの可能性を広げる施設として,私自身かなりこだわっております岡南飛行場についてお伺いをさせていただきます。
 昨年の9月11日,9・11に開催された「第1回航空フェア2011in岡南飛行場」は,2万人以上の方々が来場され,久方ぶりに岡南飛行場にスポットライトが当たり,大成功でございました。知事にもお越しいただいたんですが,ぜひ知事の御感想をお聞かせいただければと思います。
 ただ,そこにある思いは,これはイベントをやりたいというよりも,一人でも多くの子供たちに岡南飛行場でセスナやヘリコプターを身近に感じてもらい,鳥人幸吉の魂を引き継いで,将来,パイロットやキャビンアテンダントや航空整備士になる夢を膨らませてほしい,そしてひいては航空産業推進の種地として生かされるようにという願いでございます。公の施設の役割は,来場者がどれだけあるかとか,どれだけ利益を生んだかだけでは,はかれません。これでははかれない。今,JAXAに通い詰めた兄弟が宇宙飛行士になって月におり立つ「宇宙兄弟」という映画をやっておりますが,公の施設があったらこそ夢が実現できた,そういう子供が一人でも多く生まれれば,私は公の施設,存在意義はあるというふうに思います。特に,ことし開催の第2回の航空フェアは,知事の任期満了の日の11月11日が予定されております。改めて岡南飛行場の可能性について,知事の御所見をお聞かせください。
 また,今回リスク分散で岡山空港に消防防災ヘリコプター「きび」の拠点を移すとのことでございますが,具体的な航空産業誘致のために,例えば,今,岡南飛行場,あいている格納庫の有効活用など,これをどのように考えているのか,お尋ねいたします。


(知事)  お答えいたします。
 岡南飛行場についての御質問であります。
 まず,「航空フェア2011」についてでありますが,岡南飛行場の特色を生かしまして,多彩な小型航空機等を身近に感じることのできる催しといたしまして,航空会社や町内会,県などでつくる実行委員会が昨年初めて開催をしたものでありまして,私自身も会場に出向きましたけれども,大変多くの家族連れでにぎわっておりまして,大変私もうれしく思ったところでございます。ふだんはなかなか見る機会がない,いわゆるセスナ機のアクロバット飛行,これを私も拝見させていただきましたけれども,子供さんたちが大きな歓声を上げておられましたし,また,地元住民の方々が手づくりのおもてなしをしておられまして,そして生き生きと活動しておられました。その姿が今でも心に残っておりますが,岡南飛行場として生まれ変わって以来,一番のにぎわいとなったということを,本当にうれしく思った次第であります。
 次に,岡南飛行場の可能性についてでありますが,岡南飛行場は,岡山空港との機能分担のもと,小型機専用の飛行場といたしまして,航空測量や訓練,公用ヘリコプター基地などに幅広く利用されているところであります。また,セスナ機やヘリコプターを身近に感じられる場所でもありまして,未来を担う子供たちが航空産業のみならず広く科学全般への興味を持つきっかけとなりまして,航空機で訪れる外国に思いをめぐらせるなど,好奇心をはぐくむ可能性を持つ施設であると考えております。県といたしましては,引き続き利用の促進に努めますとともに,学校等からの見学の積極的な受け入れ,さらには地元と一体となりましたフェアの開催等によりまして,にぎわいの創出を図るなど,岡南飛行場のなお一層の活性化に努めてまいりたいと存じます。
 次に,格納庫の有効活用についてでありますが,消防防災ヘリコプター「きび」が岡山空港に移転をした場合に,あくこととなります岡南飛行場の格納庫の活用につきましては,現時点では未定でありますが,他の格納庫用地や航空関連施設用地とともに,航空関係事業者を中心に,あらゆる角度から利用可能性を探りながら,立地の促進に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

(佐藤)  はい。


(佐藤)  どうもありがとうございました。
 それでは次に,内尾県有地,我々はこれを内尾グラウンドという言い方しておりますが,内尾グラウンドへのメガソーラー誘致についてお伺いいたします。
 いわゆる再生可能エネルギー特別措置法の買い取り価格や発電設備の認定基準等が決まっていく中で,県内候補地にメガソーラーの設置を希望される事業者に動きが出ている中で,候補地である岡山市南区の内尾グラウンドについては,改めてその推進に疑問を呈させていただきます。
 昨年6月定例県議会で,知事は,内尾県有地の地元関係者に対しましては,県の新たな事業により使用できなくなる可能性がある旨の説明を行い,御理解いただいたものと考えておりますと答弁されましたが,私は県民の皆様もこの内尾グラウンドがメガソーラーの誘致の場所になっているということを,実はまだ十分に御存じない。それをやられるのであれば,よほど理解いただくために,御努力いただかなくてはいけないと申し上げました。しかし,その後,地元への何の説明もないままに,ここに来ていきなり事業者の申請があり,グラウンドを予約してもメガソーラー誘致により使用不能になる可能性がある旨のお知らせが利用者に配られました。議員のもとには,7月中には事業者を選定する旨のファクスが届きました。昨年の候補地発表からここに至るまで,岡山県は一切地元町内会等に対して説明を行っておりません。あえていえば,子供会等にはこういうことが起きていると,私が報告に回り,説明会の開催を求めても,必要ない,時期ではないと拒んできました。私は,全くをもって理解に苦しみます。今議会でも知事は,実績として,繰り返し繰り返し対話の県政,開かれた県政という言葉を使われました。それは,換言すれば,説明責任を果たすということだと思います。あえていえば,多くのトラブルは,説明責任を果たさなかったことで起きていたわけであります。今までの内尾県有地,内尾グラウンドの経緯についてどのように認識をされているのか。これは,大変皮肉な言い方になりますが,そもそも県有地であれば,地域住民が使っておられようがおられまいが,何の説明もせずに,何に使ってもよいんですか,あわせて知事にお伺いいたします。
 以下,それぞれにお伺いいたします。
 まず,昨年の4月28日,いきなり新聞にメガソーラー誘致候補地が発表されました。我々は,統一地方選挙で改選され,所属委員会さえも決まっていない状態で,全くこのことに議会は関与しておりません。いきなり発表された経緯について,また,今後も議会は関与しないのか,お知らせください。また,20カ所が選ばれた経緯についてお知らせください。
 次に,保健福祉部長に伺います。
 保健福祉部長,利用状況等勘案された上で,あえて候補地にこれを挙げたのでしょうか。
 次に,産業労働部長に伺います。
 挙げられた候補地については,産業労働部はどういう判断で,どのような手段で誘致活動,立地活動を行っておられるのでしょうか。関連して20カ所挙げられた候補地について,第3次おかやま夢づくりプランでは,平成28年度までに20カ所の誘致が目標ですが,あと5年間ですべての候補地に誘致できると考えておられるのか,お知らせをください。
 また,環境文化部長にお伺いします。
 グラウンドの隣接地には,環境保健センターの未利用地部分がありますが,どのようにかかわってこられたのか,お伺いをいたします。
 以上に基づいて,知事はあくまでもメガソーラーを内尾に誘致されるおつもりかどうか,後でお伺いいたします。


(知事)  お答えいたします。
 まず,認識についてのお尋ねでございますが,内尾県有地は公害防止センター基本構想等を実現するために,昭和50年前後にかけて取得したものでありまして,環境保健センターを初めとして各種施設の整備を行ってきたものであります。また,未利用地につきましては,当面の利用計画がなかったことから,地元の要望にこたえ,地方自治法上の目的外使用といたしまして,子供会を初め地元の方々に無償で使用していただいてきたものでありますが,このたびメガソーラーの誘致を県の重点施策として位置づけましたことから,内尾県有地につきましても有効活用を図りたいと考えているところであります。
 なお,利用者の方々に対しましては,機会をとらえ,お知らせしてまいりましたけれども,県には直接御意見等は寄せられていなかったという経緯がございます。また,地元の子供会の方々等に対しましては,先般,私自身お目にかかりまして,御要望も承りながら私からの考え方も御説明を申し上げてきたところでございますが,今後とも,地元の方々には丁寧に御説明をさせていただきたいと考えております。
 次に,候補地選定の経緯等でありますが,昨年2月議会におきまして,「県有地や市町村から提案のあった候補地について,現地調査を行い,広く公表する」との方針を示しまして,これに基づき昨年4月に,これは4月28日でありますが,公表したところであります。
 なお,公表いたしました20カ所の候補地は,昨年1月に庁内の各部局及び市町村からメガソーラーの立地が可能な用地を調査し,その結果を取りまとめたものでありますが,昨年4月は,議員も御指摘をされましたとおり,県議会議員選挙の時期でありまして,議会への報告ができないという中で,再生可能エネルギー特措法案が3月11日に閣議決定をされまして以降,多くの事業者から早急に候補地の実態を把握いたしたいとの強い要望がございまして,これを受け,公表したと,こういう経緯でございます。
 以上でございます。


(環境文化部長)  お答えを申し上げます。
 環境保健センターのかかわりについてでございますが,環境保健センター敷地北東部に約0.5ヘクタールの未利用地があり,行政財産として保有しておりますが,当該土地につきましては,現時点では利用計画はございません。
 以上でございます。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 候補地に挙げた理由についてでありますが,内尾県有地は子供会のソフトボールを初め数多くの方々に御利用いただいているところでございますが,あくまで未利用地について当面利用計画がなかったことから,行政財産の目的外使用として御利用いただいているものでございます。このたび全庁一丸となってメガソーラーの誘致に取り組むこととしたことから,保健福祉部としても内尾県有地について立地可能な候補地としたものであります。
 以上でございます。


(産業労働部長)  お答えします。
 誘致活動等についてでございますが,候補地は県が優先順位をつけるのではなく,事業者が客観的に判断できるよう,各候補地の面積や賃料,土地の形状や用途規制等の情報を提供しまして,補助制度や晴れの国の優位性などもアピールしながら,市町村等と連携して誘致に努めているところでございます。夢づくりプランに掲げる20件の目標につきましては,公表しました候補地の中には事業者が関心を示されないものもあるため,候補地以外への立地も対象に,目標達成に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
 以上です。


(佐藤)  知事にお願いします。

(佐藤)  御答弁ありがとうございました。
 ここからが一問一答式ということで,私も全く原稿がありませんので,もうがちんこでやらさせていただく,まさに一問一答ということでございますが。先ほど知事の御答弁の中で,機会をとらえて説明したと,そしてさらには,意見がないと,地域から意見が出とらんじゃないかということがありましたが,要は説明してないんですから,意見出しようがないんじゃないかというのが普通の考えなんですが。
 まず1つ最初にお伺いするのが,機会をとらえて説明されたとおっしゃられましたが,何の機会を,いつ,どのようにとらえて,どんな説明されたのか教えてください。


(知事)  お答えいたします。
 これは担当のほうがやったので,私もその報告を受けておりますから,それを御説明いたしますと,通年利用しておられます2団体の方々に対しましては,昨年の4月28日付で文書で郵送をさせていただいたと。それから,毎月申し込みをされておられる利用団体の方々には,昨年の9月1日及びことしの6月1日の抽せん会におきまして,具体的にチラシを配布させていただいているということでございます。このチラシを見ますと,内尾広場はメガソーラーの候補地となっています。メガソーラーの誘致が具体化した際には,広場の使用ができなくなりますと,こういうことを大きな字で書きまして,メガソーラー政策のその県として目標設定しているということ等もこの中に記載しておりますけれども,こういったことで今まで使用していらっしゃる方々にはお話し,その中で直接,先ほどお答え申し上げましたとおり,特段の御意見等はなかったという経緯だと,こう承知しております。ただ,このたびぜひ私に面談をというお話をいただきましたものですから,この間,6月6日に地元の子供の会の関係者の皆さん方などお越しいただきましたので,直接私はそこでお会いさせていただき,私からも御説明申し上げたと,こういう経緯,あるいはその後,6月15日には,地元の連合町内会長さん等に対しまして,現地に行きまして現況の説明を申し上げた等々の経緯があると,こういうことでございます。


(佐藤)  大変におもしろい答弁をいただきましてありがとうございました。
 6月1日にそのビラに書いてある,そこで利用者の方に言った。6月15日,議会が始まって連合町内会長さんに説明に行かれた。私が本会議で地元説明が必要だと言ったのは,昨年の6月でございますけれども,この間何をされていたんですか。そして,先ほどの話で,地元説明,これまで一切なかったということで,よろしいんですか。


(知事)  そういう具体の話は,私にちょっと詳細わかりませんので,担当のほうに答弁させてもらってもよろしいですか。

(佐藤)  どうぞ。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 それからの説明のことでございますが,先ほど知事から御答弁させていただきましたが,昨年の9月1日に,まず第1回目のチラシを,これ利用されている方,これは毎回利用されている方,大体同じ方が来ておられますんで,その方々につきましてお配りをしております。
 それから,6月1日というのは,これはことしの6月1日でございますが,これは事業計画が具体化してまいりましたので,再度改めてチラシを配らせていただいております。その9月1日からその6月1日,チラシを追加で配らせていただいておりますが,その今現状の利用団体,それからその他含めまして,県のほうに直接御意見というのはいただいていないというところでございまして,そういう状況でございます。
 なお,地元町内会に対しての説明はどうかというお尋ねもあわせてあったところと思いますが,これは基本的に事業計画,これは具体的にどの範囲を使うとか,どういう内容になるかということが明らかになってこない段階でなかなか説明するのは難しいんじゃないかということもありましたので,その説明ということについては,その事業計画が明らかになった段階ですると考えておったところでございますが,先般地元の子供会の方々が来られまして,知事面談,私も同席させていただきましたが,そういうのもありますし,担当からも地元町内会に説明をさせていただいたところでございます。今後とも,丁寧に御説明をしてまいりたいというふうに考えてます。
 以上でございます。

(佐藤)  はい。


(佐藤)  今後とも,丁寧にという,大変におもしろい答弁をいただきましたが,今まで丁寧にやっておられません。自分で申し上げるのは,何なんですけど,この6月1日のビラについては,こういう説明をしてくださいとお願いしたのは,私です。そして,地元町内会に対して一切説明がない。この内尾グラウンドがある地域の周辺の連合町内会長さん初め,そうした方々への説明は要らないと考えられたんですか。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 この県有地につきましては,先ほど申し上げましたとおり,未利用地の特別な取り扱いということでやらせていただいております。基本的に,利用されている方がこれはもう決まった方が利用されておりまして,その抽せん会というのをしておりますけれども,その際にその地元の子供会の方も含めまして来られておりまして,その方々にはこのチラシをお渡ししております。ですので,その利用されている方については,そういう,もし問題があれば御意見等いただけたのじゃないかというふうに考えておりまして,そうでありますけれども,今後計画が具体化してくるということに伴いまして,メガソーラーのそもそもの説明ということも出てまいりますので,今後,引き続き丁寧に御説明してまいりたいということでございます。
 以上でございます。

(佐藤)  本当に,これはもう認識の違いというか,感覚の違いと申しますか,自分の土地で何かやりましょうというときに,うちの土地だから自由に何かやろうかと,これはそういう考えの方もいらっしゃるでしょう。ただ,御町内の中のおつき合いの中で,今度こういうことをやりたいんですという御説明は,普通はあると思います。そして,内尾グラウンドに関しては,今,利用者の方だけのもののような言い方をされましたけれども,きょうお越しになられていらっしゃる方には,これ子供会の代表の方もいらっしゃれば,老人クラブの代表の方もいらっしゃいます。そして,内尾グラウンドについては,先ほど無償ということを言われましたけれども,30年以上本当にこの地域の方に愛されたなくてはならない土地でありました。その土地について,地域の方がかかわりがないわけがない。あえていえば,興除地域であったり,藤田地域であったり,妹尾地域であったり,近隣の方々,地元の方にとっても大切な施設でした,施設です,今もそうです。その方々への説明は,要らないのかということをお伺いしておるんです。要らなかったのかということをお伺いしております。6月15日に言ったからいいということではなくて,この1年間,地元に説明が必要なかったんですかということをお伺いしております。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 今,いろいろと議員指摘いただいておりますけれども,私どもの理解としては,地元の方というのは,まずは一番関心のある方,ここを利用されている方だと思っております。ですので,利用者の方については,繰り返しになりますが,チラシをお配りし,説明をさせていただいているというふうに考えております。ただし,これも繰り返しになりますが,メガソーラーというものは具体化してまいっておりますので,その内容については,例えばどの範囲を使うとか,どういうような例えば工事をやるとか,いろんなことで,これは地元の方々に対しての御説明が要るということだと思っておりますんで,これはうちの部の所管を超える話でございますけれども,そういうような状況でございますので,今後につきましては,少なくともさらに丁寧に御説明をしてまいりたいと,こういうことでございます。
 以上でございます。


(佐藤)  こういうやりとりは,本当に無駄な時間だと,私は思うんですけども,聞かれている方もこれはおかしいんじゃないかと。要は,メガソーラーの候補地になる時点,なる前の時点で,そもそも地域の方にこういうことになりますよと,場合によってはメガソーラーが立地される可能性があるということは,候補地に挙げる前に説明すべきものだと思います。そして,我々議員についても,4月28日の昨年の新聞発表を見て,ここに内尾とあるけど,これは一体どこのことですか,内尾グラウンドです,だれが決めたんですか,こういうやりとりがあったわけであります。我々も説明ができない。そして,説明されたとおっしゃいますけど,これがどこが開かれた県政で,対話の県政なんですか。地域の土地は,だれのもんですかねえ。地域の土地というか,内尾グラウンドをだれの土地というふうな認識のもとで,今これ県政推進されようとしておるんでしょうか。県有地というのは,県だけの土地なんですか。


(保健福祉部長)  若干私の所管を超えるようなことも含まれておりますが,代表してお答えさせていただきます。
 長年にわたりまして,未利用地であったということでございまして,これは大変いろいろとうちの部が所管しておりまして,さまざまな計画を当初あっていろいろ使っていこうと思っておりました。それで,その間,経緯もありましたが,未利用地の利用ということでしていただいていたところでございますけれども,県政推進のために土地は使うものであるというふうに理解をしておりまして,このたびメガソーラーの誘致を県政の重要施策と位置づけたということで,その候補地としたところでございます。地元の方々には,今後,計画具体化してまいりましたら,さらに説明させてまいりたいと思っておりますので,御理解をいただきたいと思ってます。
 以上でございます。


(佐藤)  この議論は,本当に最初のボタンのかけ違いです。きっちりと何をやるにしても,地元への説明が,まずない,このことが大変大きな問題ということで,しかも30年間内尾グラウンドを使われているわけでありますから,今,地元という言い方,それから利用者という言い方をされましたが,地元にいらっしゃる方は,もともと利用者です。ずっとこの内尾グラウンドで使ってきた子供たちが大人になって,あるいは子供のころそこで育ってきた子供たちが大人になってそこに住んでいる,地元の方は利用者でもあったわけです。そうした方々の歴史があって,今,内尾グラウンドがあるということで,そもそも未利用地とおっしゃられましたけれども,これは使っていたわけでありますね,ずっと。そのことに対する認識というのは,全然なかったんでしょうか。私は,本当に思うんですけど,この議論は,県のほうは県の土地だからうちが自由に使おうと,何言おうと,やろうと勝手じゃないかというスタンスが見え隠れするんですけれども,うったての段階で地元にまず説明がなかった,このことが大きな問題。そして,先ほど知事の答弁の中にもありましたけれども,議会に報告,説明する時間がありませんでした。3月11日に特措法が通ったので,これは事業者の要望も大変多いので,すぐにやらにゃあいけんから出しましたと,これが本当に民主的な手続ですか。これは,私はやり方に瑕疵があるんじゃないかと思うんですけれども,このことについて私も県政の重要施策であるメガソーラーの誘致,立地,このことについて真っ向から反対する気はさらさらありません。こういった状況の中で,太陽光発電,メガソーラー誘致すべきだと思います。ただ,何でそれが内尾グラウンドなのか,そのことについて,だれが,どう説明できるんですか,これについて。何で内尾グラウンドにしなくちゃいけないんだ。これ以外に土地がないのか。そうした説明ができて,ここが選ばれているんでしょうか。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 長年の間,地元の子供会の方々等が使用しておられたということは,事実,これは間違いないんでございます。これも繰り返しになって恐縮でございますが,あくまでも土地の有効な活用が決定するまでの間,行政財産の目的外使用として無償で利用されてきたものでございます。このたび全庁一丸となったメガソーラーの誘致に取り組む中で,土地の有効活用を図るということで,候補地としたものでございます。たびたびの御指摘いただいておりますんで,地元の方には,今後とも,引き続ききちんと丁寧に御説明したいと思っております。御理解をお願いいたします。


(佐藤)  だれが御理解,主語と目的語がはっきりしませんけども,だれが何に対して何を御理解するのか,私はわかりませんが。先ほど保健福祉部長の中で,無償という言葉がありました。ただ,この無償という言葉については,確かにお金のやりとりはありません,そういう面では,ないんですが。ただ,なぜ今,内尾グラウンドにメガソーラーが誘致できるか,要は更地,平地になっているのか。その理由というのは,言うまてもなく,地域の特に保護者の方々,我々と同じ世代の方々ですけれども,大変な思いでグラウンドを守ってくださっています。子供たちがあしたソフトボール大会がある,そうしたときには,雨が降る日には朝早うから来て土を入れてずっとならしておられる。そして,草抜きもずっとやられております。これが本当にスポーツ広場であれば,むしろそれは使用料を払えば,もうきちんと整備されている,そうしたグラウンドが使えたでしょう。ても,それができない。無償で借りている。そうした状況の中で,保護者の方々は大変な思いでグラウンドを守ってくださっています。だからこそ,今,内尾グラウンドに行かれれば,本当に美しい土地が広がっている,平らな土地が広がっています。事業者の方から見れば,本当にこれはメガソーラー置くのにちょうどええなあというふうな状態になっているんですけれども,30年間そんな土地があるわけないでしょ。それは,30年間,地域の方,保護者の方々がそれを守ってくださっていたということで,無償で貸してきた,だからいいじゃないか,これは私は地域の保護者に対する冒涜だというふうに思います。必ずしもお金だけではない,労力の使い方,心の使い方というのがある。決して,これは地域の方が無理強いで何か行政にお願いして,何か貸してくれというようなことで,今ずっと無理を言ってきたわけではありません。
 そして,この施策をやっていく中で,最初に申し上げましたけど,欠けているのが説明責任だと申しました。開かれた県政,対話の県政,説明責任がここが欠けていたんじゃないか。だからこそ,今ここに来てこじれております。今度,私が一番ここで大きな問題は,このことはメガソーラーの事業者の方にとっても大変失礼な話だと思います。岡山県が候補地として挙げた20カ所の土地について,こうした地元のほうからそこは聞いてねえよと,反対だという声が出ること自体,どういう土地を岡山県はメガソーラーの候補地に挙げてきておるのか,こうしたこと自体が岡山県の信用問題である。だからこそ,最初に,地域にきっちりとこういうことは相談しておかにゃいけんことであります。少なくとも,先ほど来,相談あるいは報告という言い方でしか,私はないと思うんですよね。説明という言葉は何なのか。説明というのは,やることを決めた,それについての報告に行くのが皆さんの使っておられる,これが説明です。説明というのは,その前の段階,もっとお互いに何をやりましょうか,何に使いましょうか,そうした協議の段階を私は説明というと思いますし,何よりも開かれた県政,対話の県政,それはそういうことをいうんじゃないかというように思います。
 そして,石井知事が本当にここで勇退表明をされた,そのことは本当に私は残念です。残念でたまりません。ただ,その中で,石井県政の中で,特に内尾グラウンドを使っている子供たちが,石井知事が残されたものがメガソーラーである,このことで例えば内尾グラウンドが使えなくなる,本当に私はこれは残念なことだというように思っております。今,この議論の中で登場していないのは,子供たちです。内尾グラウンドを使っているのは子供たち,そしてお年寄りの方というか,老人クラブの方も,今,ゲートボール,グラウンドゴルフ,頻繁に使っておられます。多くの方が使っておられる。しかし,何も言えない子供たち,子供たちに私はどういうふうに説明すればいいんですか。利用者とおっしゃられましたけど,使っているのは子供たちですよ。子供たちに説明の仕方を教えてください。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 まず,冒頭で地元の方々がグラウンドの整備等大変草刈りとか清掃を,これは長きにわたってやってきていただいた,これは事実でございまして,これまでのそういったきちんとした御利用に対しまして,また,用地の整備に努めていただいたということに関しましては,感謝を申し上げたいというふうに,まず思っております。
 また,いろんな利用者の方々については,私なりには御説明といいますか,情報提供させていただいたつもりではありますけれども,また,大規模に使われている,2団体ございますが,こちらのほうは毎年確認書というのを交わしておりまして,その中では,県で有効利用があった場合には途中で使えなくなるということもありますということで,契約も交わさせていただいております。それ以外の方々につきましても,大変それは子供会の活動ということで,どうしたらいいんだろうかということもあるかもしれませんが,やはりスポーツグラウンドということの利用ということを考えますと,そういうものの確保と,子供会活動の支援ということになりますと,地元の自治体との検討も必要な課題だと思っておりますし,県有地に関しましては,今回の方針といたしまして,メガソーラーを全庁的にということでございますから,地元の方々には今後まず丁寧に御説明させていただきたいということでございます。
 以上でございます。


(佐藤)  知事に伺います。
 あくまでメガソーラーつくられたいですか。

(佐藤)  あっ,ごめんなさい。知事に伺います。
 あくまでこれメガソーラーは,県政の施策として,石井知事の施策としてやられたい,やりますということ,そういうことで御理解してよろしいんでしょうか。(「この土地ですか」と呼ぶ者あり)この土地で。


(知事)  お答えいたします。
 先ほど来,議員のほうから数々御質問をいただいているところでございます。県有地ということになるわけですが,これはやはり県全体の土地ですから,オール岡山県全体の中でその土地のこれからの使い方というものは,有効利用ということも含めて考えていかなければいけないんではないかというように思います。十分な説明ができなかったということについて,いろいろ厳しく御指摘もいただいたわけでございますが,御案内のとおり,東日本大震災があって,そしてあのような自然エネルギーの拡大ということが大きな世論となってまいりました。ちょうどそのときに,私どもこの発表の時期になってきたということでございまして,県会議員の選挙があったということは重々承知していたわけでございますが,事業者のほうが早く検討して,晴れの国おかやまに立地したいと,こういう強い御要請があって,こういう経緯になったということは,御理解を賜りたいというふうに思っているところでございます。
 最小限の地元の皆さんといいましょうか,利用していらっしゃる方には十分情報提供はさせていただいたと思います。もちろん町内会の皆さん初めもっと幅広く御説明をすべきではなかったかということにつきましては,その御指摘というものはしっかりと受けとめていかなければいけないと思っておりますが。私自身も先般直接お会いさせていただきました。その際には,今,事業計画が進んでおります。そして,事業者から出てまいりましたので,これを受けて来月中には事業者決定ということになろうかという手続でございますけども,この中で代替地という形でお示しするということは,なかなか難しいわけですが,ただいずれにいたしましても,事業内容が確定して,いわゆる残地,残る土地ですね。残地というものが生じた場合には,残地の利用について検討したい,そして当日,私はその場合は最大限の配慮ということを皆様方に検討させていただくというお約束もさせていただいたという経緯がございます。県政の一番大きな課題ということで,全国が注目していただいております岡山県の晴れの国を生かしたメガソーラーの立地戦略でございまして,私といたしましては,今申し上げましたスケジュールによってメガソーラーの立地をこれからも進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。


(佐藤)  ありがとうございます。
 知事のほうから,残地が出た場合はそこが利用できるというような話でありましたけれども,ただ,今までやってきた内尾グラウンドの利用方法というは,大きな大会のときに10面ないしは12面ソフトボールのグラウンドを使ってきたということであります。それがあるからこそ,岡山市内唯一のいわゆる子供会のソフトボールの聖地であった,あり続けるべきだと思うわけでございますが。先ほど環境文化部長さんの御答弁にもありました,遊休地はまだ内尾グラウンドの中に,横にはあるということでございますが,その中でこうした遊休地の活用,要はメガソーラーが来た場合でも,子供たちが今の形でソフトボール大会が開ける,そうした状況をつくることは可能でありましょうか。


(知事)  お答えいたします。
 隣の環境保健センターのところにも一部遊休の土地がございますし,また,岡山南特別支援学校におきましても,これは教育委員会とも協議しなければいけませんが,可能性がある土地があろうかというふうに思っております。ただ,全体の規模といたしましては,今までどおりの規模になるかどうかということにつきましては,事業者の皆さんが出てきたものを見て審査して,そしてこれによって決定した,その状況に応じまして残地というものがどういう形で出るかということにかかわっておりますので,現時点におきまして,それらを含めて全体として従前と同じ規模の大会等が開催できるかどうかにつきましては,これは私どもでここの場で具体的にまだお示しできる段階ではございませんが,そういったことも含めて,これからも町内会の皆さん,子供会の皆さんには,丁寧に御説明を申し上げまして,そしてどういうような形で大会をこれから行っていくのかといったことにも相談にこれから乗らさせていただきたいと,こう考えております。
 以上でございます。

(佐藤)  はい。


(佐藤)  御答弁ありがとうございました。
 これは,感想めいたことが言えませんが,7月1日に内尾グラウンドで大きな大会の予選大会があります。そのときに多くの子供たちが集まってくるということで,ぜひ知事にはその場にお越しいただいて,来賓としてこの大会でお子さんの前でごあいさつをいただければありがたいと思います。そのとき多くの子供会の方,関係者の方々に御理解と御協力をいただける場としては,直近で7月1日がありますので,それをお知らせさせていただきたいと思います。
 最後に,防災対策について伺います。
 先週8年ぶりということで,6月としては異例なことに,台風第4号が上陸しました。また,熱帯低気圧に変わった台風第5号も,多くの雨を降らせました。昨年9月の台風第12号の被害の記憶が生々しいだけに,多く雨が降るだけで緊張を覚えますが,昨年の台風等による被害の復旧については,市町村と協力しながら進んでいると認識してよいのでしょうか。また,今回の台風第4号,第5号に際して,児島湾締め切り堤防の樋門の操作により,児島湖の水位を下げるなどの今年度からの対策,さらに市町村,地域への連絡等がうまく機能したでしょうか。加えて,締め切り堤防の樋門の状態,児島湖,児島湾の水位について,ウエブ上での公開はいつから始まるのでしょうか,あわせて農林水産部長にお伺いします。
 そして,この場で何度も申し上げてまいりましたが,締め切り堤防の安全性強化などの対策を国へ提案しておりますが,その成果が出ているのか,お知らせください。


(知事)  お答えいたします。
 昨年の台風等によります被害の復旧状況についてでありますが,県が管理しております土木及び農林施設では,被害を受けました315カ所のうち,これまでに170カ所が復旧を完了しております。残る箇所につきましても,本年度内に復旧を完了する見込みでありまして,引き続き市町村とも協力しながら,被災箇所の早期復旧に努めてまいりたいと存じます。
 次に,児島湾締め切り堤防の安全性強化についてでありますが,県では昨年,台風等の洪水時における防災機能を高める方策の検討と,大規模地震に対する安全性の確保につきまして,国へ提案をしたところであります。これを受け,国では,昨年度末に台風第12号時の児島湖の水位や流入量等をもとに解析モデルを構築し,今年度は引き続きこのモデルを活用して,締め切り堤防樋門からの排水能力や周辺地域への影響について検証を進め,その結果を踏まえ,防災機能を高める方策の検討がなされると聞いております。また,大規模地震への安全対策につきましては,中央防災会議の動向を注視しつつ,国において今年度から耐震診断等に着手し,来年度末を目途に安全性の確認等が行われるものと,このように聞いております。今後とも,児島湾締め切り堤防の安全性強化のための取り組みを国に対し引き続き求めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(農林水産部長)  お答えいたします。
 防災対策についてのうち,児島湖の水位調節等についてでございますが,県では昨年度に関係市町等と協議の上,決定いたしました対応マニュアルに基づき,台風接近の1日前に関係市町に連絡を入れ,児島湖の水位を下げますとともに,水位上昇時における基準水位に達するなど,定められたタイミングで児島湖の水位情報等を関係市町に連絡し,適切に対応したところであります。お話の地域への連絡につきましては,各市町の御判断によって連絡していただく,かようになっておりますが,今回は水位が昨年のような異常水位には達せず,地域への連絡は特に行われなかったと聞いております。また,児島湖の水位情報等のウエブ上での公開につきましては,本年9月には県総合防災情報システムを通じ,運用が開始できますよう,現在,開発を急いでいるところでございます。
 以上でございます。


(佐藤)  知事に。

(佐藤)  知事におかれましては,今後,本当に今までの岡山県政での行政経験を生かしていただいて,さらなる御支援を県にいただきたいということを本当に強く願うところでありますが,その前にぜひ内尾グラウンドについては,地域の子供たち,地域が納得できる,そうした答えを出していただきたい,この御要望をさせていただき,なおかつ児島湾締め切り堤防については,国のほうから別の形で何とかお力添えが賜りますようなことができればいいなあと,これは夢に描かさせていただきたいと思います。
 質問でございますけれども,特に今,災害復旧のための施策が行われているんですけれども,例えば藤田にある丙川という川の護岸の工事が行われた。このとき,岡山市がここまでやった,岡山県がここまでやった。確かにやってくださっとんですけども,間にすき間ができて,今ビニールシートがかぶっているような場所があります。あるいは急傾斜地域で砂防地地域に指定されると,これは岡山市の河川なんだけれども,県の管理も入ってくるということで,こうした市と県の連携というのが本当にうまくいっているのかどうか。現場において,例えば市はこれは農林の仕事だ,土木の仕事だ,あるいはこれは県だ,市だ,国だと,こういうやりとりが必要なのではなくて,やはりこれは防災対策については,市じゃろうと,県じゃろうと,国じゃろうと,何課じゃろうと,命にかかわることじゃからやってくれということでございまして,その中でやはり必要なことは,例えば市と県が何か防災対策をやるときには,例えば同時発注をする,これは入札の仕方が難しいと思いますけれども,一緒にそうした形で防災対策を一挙にやってみる。それから地域の方への説明も,そういうふうな形でいけば,一遍に済みますので,ぜひそうした仕組み,特に現場で私も何度か立ち会いをさせていただく中で,この点で大変現場は苦労しております。市と県と国がうまく連絡できる,そうした体制づくりについてどのようにお感じか,お尋ねしたいと思います。


(知事)  お答えいたします。
 議員御指摘のとおり,県管理,それから市管理,場合によっては国の管理というものも中には出てくるわけだと思いますけども,こういったもののお互いの連携というものは極めて重要だというよう思います。特に事業を行っていこうという際には,その事業間の調整という問題もありますし,また,途中が今の御指摘のように,穴が,間があいてしまうというようなことがあってはならんわけでございますし,地元の説明とかいろんなこともお互いに事業が関係しておりますから,そういった一緒に説明するといったこともできればやるべきではないかというふうに,私も思います。特に,防災対策におきましては,緊急性が高いわけですから,御指摘の点はごもっともというふうに考えております。なお一層県と市の連携強化をしっかりと行っていくように,担当のほうには指示しておきたいと,また,市のほうにもその点をお願いするようにいたしたいと思います。
 以上でございます。

(佐藤)  はい。

(佐藤)  はい。

(佐藤)  どうもありがとうございました。

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