平成20年2月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 知事の政治姿勢等について
 (1)政治家になった理由等           (総務)[ 知  事 ]
 (2)道州制のイメージ             (総務)[ 知  事 ]
 (3)民の代表として闘う知事の姿        (総務)[ 知  事 ]
 (4)幹部職員の意義等             (総務)[ 知  事 ]
 (5)チボリ・ジャパン社の社員への言葉     (企振)[ 知  事 ]
 (6)職員の処遇等
   ア 職員が抱える課題等           (人委)[ 人事委員 ]
   イ 多様な勤務時間制度の導入        (総務)[ 知  事 ]
   ウ 職員の現状等              (総務)[ 知  事 ]
 (7)行政への民の導入             (総務)[ 知  事 ]
 (8)国のキャリア職員の派遣
   ア 意義                  (総務)[ 知  事 ]
   イ 役割の認識               (総務)[ 山口副知事 ]
                         (総務)[ 総務部長 ]
 (9)対策本部                 (総務)[ 知  事 ]




(佐藤)  それでは,気を取り直していただきまして,通算34回目の一般質問をさせていただきます。
 我が党もうれしいことに,大変層が厚くなって,こうして一般質問をさせていただける喜びを一回一回しっかりと生かさせていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 とはいうものの,今回も提言させていただくネタはあり,準備もしておったんですが,趣向を変えました。ここ数年,短時間に早口でどれだけ具体的な答えが出る提言ができるかをのみ考えていたため,ややもすれば問う方も答える方も聞かれる方もどっと疲れるという状況になっておりました。本日は,深く深く反省いたしまして,少しゆっくりと,しかしやっぱり知事には心底疲れる質問をさせていただきたいと思いますので,しかしこれは私の優しさでございますので,よろしくお願いいたします。
 私は,かねてから執行部の勉強会で練られた予測可能な答弁書,そこから離れた,そんな答弁,つまりはアドリブのある知事御自身の言葉で答弁いただきたかったので,きょうは勉強会も答弁書も要らない質問を幾つかさせていただきます。知事個人にお伺いいたしておりますで,どうお答えになるかは,まさに知事の御自由でございます。文字どおり個人質問をさせていただきます。そして,願わくばこの質問の答弁をいただいた後,だれもが石井知事を大好きだと言えるようになればよいなというのが,私の本音でございます。
 ところで,早いもので私も県議会議員に当選させていただいてこの4月から10年目に入ります。初当選をさせていただいた秋に結婚して翌年にできた子供が,この春から小学校2年生になります。私自身の議員としての成長は,まさにこの子供の成長のスピードのように,実にゆっくりしたものでございますが,今,息子が乳歯が永久歯に生えかわる,みそっ歯なようなことでございまして,子供の中にちょっと大人もあるといった状況でございます。ただ一方で,片山前鳥取県知事が2期目で退陣されたときに,「その人が10年かけてできないことはその人にはできないのだ」と言われた,その言葉もこの9年間,何をやってきたのかなと,自分の頭に重くのしかかっております。自分でなければもっとうまく,あるいは早くやれたかもしれない。今ここに自分が議員としている意味,ここまで何をしてきて,これから何をするのか。私は私なりに10年目の答えを出そうとしておりますが,10年という年月は本当に重いものでございます。
 ところで,厄年を過ぎますと,ああ,わしゃあいつ死んでもおかしゅうねえなあと,人生は確実にUターンしているとも感じます。それでも,子供の寝顔を見ていると,せめてこいつが学校を出て社会人になるまでは,いやいや結婚するまでは,いやいや孫の顔を見るまではと,元気で頑張りたいなあとも思います。しかし,子供が生まれて10カ月のときの平成13年の9月定例会でも申し上げましたが,子供たちに何を残せるのか,子育て世帯は皆苦しんでおります。彼らの時代には,何もよいことがないかもしれない。既に多くの借金を背負って,これからも平気でツケを回されるでしょう。少子・高齢化が進んで,さらに国際的な緊張の中で,ずっと今よりも不安な社会で,エネルギーも食料も枯れていく,そんな状況の中で彼らは生きていかなくてはならないのです。自分たちの受けてきた以上の幸せは,子供たちに与えられないかもしれない。親としてどれだけ情けないか。今をやり過ごしても将来の経済的不安,社会的不安がどんなに大きいか。私たち子育て世代は,子供たちのために,そして老いていく親の世代のために戦う捨て石世代でございます。私たちは,戦いを続けなければなりません。政治は,未来の子供たちのためにあります。今,声が出せる,意見が言える人たちのためだけではありません。しょせん人間は死にます。人類という流れの中ではバトンランナーにすぎない。何を引き渡したか,それがその時代の人類の人間の評価です。岡山県が未来永劫続くとは思いませんけれども,我々の価値は何を後世に手渡したかですぐに判断してもらえると思います。私は,常に私自身にも終わりがあること,そしていかに引き渡していくか,それを強く意識しながらこの時代を生きる役割を果たしていきたい,そのように思っております。
 ところで,来春,岡山市を政令指定都市にしたい,その思いで頑張っているわけでございますけれど,どこかで実は切なさも感じております。岡山市・加賀郡選出の議員として,県議会議員て何なんだろう,あるいは県て何なんだろうと,そのように考えない日は,一日たりとてございません。そして,10年先を漠然と考えるのですが,正直なところぼんやりとかすんでいるような感じがいたします。53歳になるんですけども,自分の姿が想像がつきません。しかし,あしたたとえ死ぬことがあっても,「あしたはきょうよりもすばらしい」と言い続ける,沈み行くタイタニックに乗っていても,「大丈夫です,あの世はすばらしいですよ」と言い続ける,そのために努力する。夢,すなわちあしたへの希望を掲げる。そして闘い続けるのがリーダーたらんとする者の役目だろうと思うきょうこのごろでございます。年齢も全く異なって,地方の大統領である知事と一議員が比較になるとは思っておりませんけれども,こういった私自身の思いのもとに,人間石井正弘知事を掘り下げながら,政治家石井正弘知事の思いを本日は伺ってまいります。
 知事は,我が党の代表質問に答えられて,4選目の出馬表明をされました。そして,この3期12年余りの成果について,これまでの行財政改革などに触れて,「債券発行団体の格付では,他県と比べて遜色ない評価を得るまでになり,本県飛躍の新たなるスタートラインに立てたと認識している」とされました。これはもちろん12年目でやっとスタートラインに立ったという意味ではないと思います。それは遅過ぎます。私もよく人から聞かれるんですが,これ根本論で恐縮なんですけれども,知事はそもそも何で政治家になろうと思われたのでしょうか。この12年は,石井正弘という政治家にとってどんな12年でしたか。かばん1つで岡山駅におり立たれたときから最もつらかったこと,うれしかったことは何でしょうか。そして,やり終えたと思えること,やり残したと思うことは何でしょうか。そして,その中での支えは何だったでしょうか。その支えが内助の功だというのはやめてください。男性には,口に出さないでも皆感謝しておりますし,男は皆そうでございます。また,仮にこんなに財政難に苦しむ県でなければ,知事は本当は何を得られたかったのでしょうか。「負の遺産ばかり引き継いで,石井さんはええ人なのに随分かわいそうな人じゃあ」という声にはや10年過ぎた今,いかように答えられるでしょうか。これで本当にやられたかったことのスタートが切れるのでしょうか。あえて伺いますが,今は政治家石井正弘知事の何合目にある,そのように御認識でしょうか。
 また,「道州制議論に深く関与してきたが,実現への道筋を明らかにしていくことが私に課せられた責務と考えている」ともおっしゃられました。正直なところ,道州制の道のりは私自身も漠然としております。私は,何よりもやはり道州制の議論の根本は,800兆円を超える,要は国民1人当たり600万円もの借金を持つ我が国がこのままでは維持できないからこそ行政機構を組みかえることにある,そのように思っております。政令指定都市もしかりで,つまりそうしないと地域間競争に勝てない,生き残れないから,私は推進の立場に立っております。道州制,政令指定都市論は決してバラ色の話ではなくて,生きるか死ぬかの究極な選択の話ではないか。これをしなければ死ぬからそうするのだ。きれいごとではないと,私は考えております。そして,まごう方なく市町村といった基礎自治体が自立していく中で,県という機構をある意味破壊する,焦点は今後そこに移ってくるのではないでしょうか。言葉は,極めて適切ではないんですけれども,これからどんどん県がやり玉に上がってくる。ある意味自己否定を重ねていくしかない。ますます苦難の時代が待っていると,私は認識しております。はっきり言って,組織としてはもう余りよいことはないかもしれないな,それでもあしたの子供たちのために夢を掲げて闘っていくしかありません。ぜひとも,まずはこうした道州制への道筋を明らかにしていただきたいと思います。
 ところで,そのために大切なのは,当然ながら目標の具体的イメージでございます。例えば,20年後,私は今の知事の年齢になっておりますけれども,そのとき道州制が導入されていたとして,道州制が導入された後の岡山県庁,ここはどのようになっているでしょうか。(「州都」と呼ぶ者あり)はい,そうなればよろしいんですが。耐震構造のこの内山下の建物は何に使われているでしょうか。この議場は,やはりないでしょうか。県民局や支局はどうなっているでしょうか。経済産業局,農政局,地方整備局などの国の出先機関はどうなっているでしょうか。県内の市町村はどうなっているでしょうか。県庁職員の方々はどうなっているでしょうか。岡山県の抱える1兆2,000億円を超える借金は,どうなっているでしょうか。夢でも構いません。道筋を明らかにする,その目標の具体的なイメージを,それで我が国が救われるのか,私たちの子供たちのためになるのかどうかを含めて,そのイメージを教えてください。
 一方で,このところ東国原宮崎県知事や橋下大阪府知事の誕生という,一概にタレント知事とばかりも言えない知事の登場が話題をさらっております。時として,こうした現象に対してマスコミがつくり上げた偶像に有権者が躍らされているんじゃないか,そうした評価もあるわけですが,私は全くそのように思っておりません。彼らに共通しているのは,官ではなく民の人であるということです。感性が市民・県民に近いのです。そして,今よりよくなるかどうかわからんけれども,ともかく今を変える,閉塞感を打破する,強烈な変革を求めているのだと思います。そして,そこにおのれをなげうっている,捨て身の姿が感じられるからこそ共感を呼ぶのではないでしょうか。行政経験の有無が問題なのではなくて,彼らなら旧弊を打ち破ってくれる,あるいは私たちと同じ感性で一緒に笑ってくれる,泣いてくれる,怒ってくれる,ある意味で官と闘ってくれる,そう思うから応援するのだと思います。
 かつて西郷南洲は,「命もいらず,名もいらず,官位も金もいらぬ人は,始末(しまつ)に困るものなり。この始末に困る人ならでは,艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」という遺訓を残されています。いつの間にやらいろんなことが惜しくなる,守りたくなる,逃げたり投げ出したり責任をとるのが怖くなる,だから物事が変えられなくなる。そのことを私自身も自戒いたしますが,知事は民の代表として闘う,そういう他府県の知事の姿をどう感じておられるでしょうか。知事は,官の代表でしょうか,民の代表でしょうか。東国原宮崎県知事や橋下大阪府知事に,その思いにおいて決して負けることはないですよね。
 さて,「人は石垣,人は城」ということを申しますけれども,恐らくこの議場で今まで10年以上も同じ席,そこに座り続けておられるのは,知事だけでございます。我々も4年間の間には何回か席かえがあったり,4年過ぎるともっと席がえがあるんですけども。幹部職員の皆様は,10年前とがらりと変わられております。そういえば,太田房江前大阪府知事もおられたことがありました。知事にとって,こうして御一緒に議場のひな壇に並ばれている幹部職員の方々とは,何でしょうか。ほかのだれのアドバイスを受けるのではなくて,知事が御自身の御判断で選ばれたわけですよね。そして,県庁職員の皆さんは何でしょうか。特に,若い職員の方々に行財政改革が続き,しかもこれから大きく変貌していく県という組織において,どんな夢のある言葉をかけられますか。そして,幹部職員と幹部職員以外の職員のそれぞれに何を期待されておられるでしょうか。
 加えて,あえてひとつお願いしたいことがございます。どういう答えになるにせよ,今,一番苦しんでおられるのは,私は第三セクターであるチボリ・ジャパン社の若い社員の方々である,そのように思っております。先日,ある祝賀会で,1人何芸も持つ若い社員の方が一生懸命パフォーマンスをされて,笑顔で「チボリに来てください」と叫んでいる姿に,私は涙が出ました。坂口社長は,経営者として,未来のある若者たちの夢を守るために闘っておられる,私はそのように認識しております。あるいは私は,知事にはその気はないと思っておりますけれども,知事のお言葉に人生が翻弄されて日々戸惑っている若い社員もおられるかもしれません。ある意味,岡山県を信じて,岡山県と夢を共有している,人生をかけているチボリ・ジャパン社の若い社員に,今どんな言葉をかけられるでしょうか。
 ところで,こうした人に関して,公務員の適正な処遇及び職員の皆さんが,意欲と誇りを持って職務に精勤するために,岡山県人事委員会の役割は極めて大きいと言えます。岡山県人事委員会の岡山県職員の給与等に関する報告及び勧告を読むと,さまざまな気づきがあります。例えば,人材の確保として,公務外の人材の活用が報告されています。また,人材の育成の項については,モチベーションの維持向上という言葉があり,若手職員の方々が大変に気になります。また,総実勤務時間の縮減の項では,管理監督者は時間外勤務の状況を把握し,業務の進行管理を行うことが職責の一部とされていて,過重労働の現状はいかがなものかと思います。さらに,今年度は定年の延長等必要な対応を検討するという,高齢期の雇用問題という項が新たに立てられています。まずもって,こうした勧告はまさに職員の方々にとっては命綱と言えると思いますが,地方分権が叫ばれながら,もちろん現場職員の声を受けつつも,人事院の勧告の影響が多分にあるように思います。人事委員会の役割とは何ぞやを含めて,職員の方々の抱える大きな課題は何と認識されているのか,お伺いいたします。
 また,昨年度の人事委員会の報告では,多様な勤務時間制度の導入に向けた検討を進める必要があるとされていますが,職場の実情等に応じた柔軟な勤務を実現するため,全職員を対象としたフレックスタイムの導入について,知事の御所見をお伺いいたします。
 さらに,職員の方々が意欲を持って働く上でしっかりと職員の方々の声が知事の耳に届く仕組みが必要だと思いますが,どのようになっているかを含めて,今,職員の皆さんの勤務の環境がどういう状態にあると認識されておられるかを含めてお伺いいたします。
 さて,任期付き採用等による外部人材の活用についてでございますが,行政の高度化,多様化,国際化などが進展する中で,部内育成だけでは得られない有為な部外の人材を活用するため,平成12年11月には,任期付職員法が制定されました。外部人材の活用は,現在どのように行われ,今後いかなる部署に活用していくのか,お伺いいたします。
 特に,これは知事の言葉でございますけれども,「民間企業等で専門的知識あるいは経験,幅広い人脈というものを十分に生かしていただきまして,従来の枠にとらわれない,そういう斬新な考え方によりまして,業務を推進していただきたいと考えております」として鳴り物入りで民間公募を行いました。県庁には,ハマちゃんを守るスーさんはおらなんだんかなあと,どこかで思うような,本当に残念な結果になってしまいましたけれども,私はむしろ特定の一個人の特別な事案をもって,コンプライアンスをお題目に,功績のすべてを否定して行政が今後民間という異分子を排除する,そうした言いわけにしたり,挑戦することに萎縮したりすることの方を恐れております。結局,最後は行政が失敗を恐れて何もしなくなるだけじゃないのか,あるいは協働の相手である民を締めつけるだけになるんじゃないのか,行政にとって民とは何なのか。
 そこで,行政内部に外部人材を入れていくことの意味,今後の方針をお知らせください。
 ところで,外部人材といえば,山口副知事を初めとする,いわゆるキャリアの方々が象徴的でございます。ある意味,岡山県の心臓部とも言える県政の極めて重要な部分をこうしたキャリアの方々に担っていただいております。このように,国から自治体に幹部としてキャリアの方々が派遣される場合の,失礼な言い方ですが,自治体のメリットは何なんでしょうか。国に戻られたら我が県と国のパイプになってくださるのでしょうか。あるいは若い幹部がいれば,同世代の自治体職員にとってよい刺激になるんでしょうか。中央官庁で経験されてきた政策的な取り組みを,我が県の同世代の職員に語っていただいているんでしょうか。総じて,私はキャリアの方々は,識見も人格も優秀な方々が多いと,本当に感じております。しかし,地方分権を叫ぶ一方で,こうしたキャリアの方々を幹部職員として招致する意義について,そしてなぜ心臓部に当たるポストに据えられるのか,御自身もキャリアであった知事にお伺いいたします。
 また,キャリアを代表して,「在任中は骨を埋める覚悟でございます」といった美辞麗句は結構でございますんで,地方分権が叫ばれる中,山口副知事と総務部長に,いわゆる外部人材としての御自身の役割の御認識についてお伺いいたします。
 あわせて,何か事があれば知事や副知事を本部長とする対策本部が立ち上がって,非常に周到に用意された各部の施策の突き合わせが行われます。本当にそれが機動的,効果的な総合対策なんでしょうか。特に,防災面で有事に知事や副知事が本部長になって指揮を執られて,本当に県民の生命や財産がしっかり守れるんでしょうか。知事や副知事を本部長とする現在のさまざまな対策本部が具体的に十分な成果を上げているのか,お伺いいたします。
 今,ちょうどアメリカの大統領予備選が行われておりますけれども,御案内のとおり,残った任期を消化しているアメリカの大統領を傷ついたアヒルに例えることがございます。失礼ながら,激戦の予備選挙が話題になる中で,ブッシュ大統領は,今,精彩を欠いているような状態でございますが,知事がアヒルではなくてフェニックスになることをどこかで祈って,あえてこういった失礼な質問をさせていただきました。最初に申し上げたように,だれもが石井知事を大好きだと言えるような,そんな答弁になることをお願いして,質問を終わります。ありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答え申し上げたいと思います。
 今までとちょっと変わったスタイルでの御質問をいただきまして,ただ整理いたしますと,相当多くの数の質問事項がございまして,すべてお答えできるかどうかは御容赦いただきながら,なるべく議員のお気持ちにこたえる,そういう姿勢で答弁をさせていただきたいというふうに思っております。
 私自身12年前を振り返っておりますが,政治家にどうしてなったのか,それはもうまさに青天のへきれきでございまして,ある日突然そのような話が舞い込んでまいりましたが,ちょうど12年前の今ごろだったかなというふうに思い出しております。長野知事の今後につきまして,地元の関係の方々からお話が入ってくるようになりました。そういった中で,私も建設省の中で県人会の会長を務めておりましたので,岡山県のことはよく地元の方々とお話させていただいて情報も私自身も収集する中で,ふるさとへの思いというものは十分あったと,だれにも負けないものはあったというふうに思っておりますが。そういった中で,具体的な知事選出馬ということにつきましては,本当にこれは先ほど申し上げましたとおり大変な大きな,私にとりまして人生の節目でございますので,悩みに悩んだということは,当然ございました。しかし,そのとき私の岡山県出身の大先輩に御相談させていただきましたところ,人生においてはいわゆる清水の舞台から飛びおりると,そういうときが必ず1回はあるんだと,そのときが来たのかどうかは君自身で判断しろと,このようなお話をいただきまして,そういった言葉はやはりある意味で私自身の出馬を促していただいているのかなと,こういう思いを私は受けとめたわけでございます。
 そういったことで,かばん1つで岡山駅に帰ってまいりました。帰ってきてすぐでございましたけども,大変私にとりましては最も強敵といいましょうか,一番強い相手の方が出馬表明されるということになりまして,それが私の人生にとりましては,まさに一番厳しいときであったというふうに,今,振り返っているわけでございます。ことしはねずみ年,そのときもねずみ年でございましたが,私をねずみと例えれば,相手の方はまさに巨人中の巨人ということでございまして,知名度の差というものが大変重い課題でございまして,幸いにして多くの多くの県民の皆さんに,私自身のその支援活動を広げていただきまして,そしてあのような激戦,そしてその結果が本当に五千数百票差というあの接戦を制することができたということでございまして,そういった面におきまして,私自身の政治家活動が始まったという思いであるわけでございます。
 この間今日に至るまで,何ができたか,何ができなかったかということでございますが,まずは就任早々一番驚きましたのは,やはりその起債償還という,いわゆる借金返しの比率,この数字が全国で最も厳しい,しかも第2位の県を圧倒的に離しておるという,本当に本当に厳しい数字でございまして,一方でいわゆる現金,貯金というものはほとんどないというところからスタートしたわけでございますから,まさに今の流行語で言えば,「どげんかせにゃあいかん」と,こういう思いで私も行財政改革,これをまず第一に掲げまして,皆様方に本当に痛みを分かち合っていただきながら改革を進めてまいりました。しかし,そういった面で借金返しのピークは過ぎましたものの,依然としてその収支不足という大きな課題があるわけでございます。しかし,その借金返しという重荷を,これを背負っての県政というものが脱却できたということが,私は新たなスタートに立つことができたという表現を使わさせていただいておるわけでございます。何ができて何ができなかったか,いろんな思いがございます。それは,たくさん財政が豊かであればやりたいことは多々あるわけでございますけども,しかしそれはもう「選択と集中」ということで,集中的にやるべき方向に財政を集約していくと,こういうことに一点に尽きるわけでございまして,この点も本当に県議会の皆さんからいろんな御意見をお伺いし,また,青空知事室等で県民の皆さんの意見も直接お伺いいたしまして,私自身でこの県政の重点方向,そういう方向性を打ち出して今日まで県政を推進してきたと,こういうことであるわけでございます。
 今,初心に立ち返りまして,今後を考えるわけでございますが,やはり岡山県が持っておりますすばらしい陸海空の交通基盤であり,産業基盤であり,あるいは人材と,こういったものを有効に活用いたしまして,本当に21世紀に大きくこれからも飛躍し続けることができるような,そういう岡山県をぜひ目指していきたいと,こういう思いの中で,やはり経済の活性化,これを第一にやっていきたいなというように思います。また,岡山県をどんどん外に売り込んでいくと,こういったことで人と物と情報が行き交う,こういう岡山県をぜひ目指していくという,この骨太の一つの大きな方針を立てまして,そしてその上で,それであれば大事なことは,やはり産業人材,人づくり,あるいは子育て,こういったところに当然のことながら力を入れていかなければ将来の発展がありません。一方で,安全・安心というのは,もう当然のこれは基礎的な生活を,あるいは産業を振興するために大事なテーマであるわけでございまして,こういったようなさまざまな課題をぜひやっていきたい,そのためには必要な行財政改革をしっかりこれからもやっていかなきゃいけない,地方分権改革もやる必要がある,こういう思いを今持っているところでございます。
 山を登って何合目かというお尋ねもございました。私自身もスタートしたときには,まだまだ山へ登るふもとまで来てないような状態でございました。まずは,とにかく財政をしっかり立ち直らせなければいけない思いでございましたので,そこから山道を歩いて登ってきたわけでございます。いろんな登り方があろうかと思いますが,途中で16年のような大幅な交付税ショック,これで私は山がまた一段と高い山になったような感じが,今しております。しかし,こういったことに対しましては,とにかく皆さん方の御協力をいただきながら,さらに一層力強い県政をこれからもしていくために,行財政改革をしっかりやって,足腰の強い財政運営,これをやっぱりやっていかなきゃいけないと,こういう思いを持っておりまして,いずれにいたしましても,県民の皆さんの支え,これがもう一番でございます。県民の皆さんの声をしっかりとこれからも承りながら,夢と希望に満ちた,その山の頂上を目指しまして,これからも歩みを続けてまいらなきゃいけないと,こういう決意であるわけでございます。
 そういった中で,道州制についてのお話をちょうだいいたしました。これはもう今のお話いただきました閉塞感あふれる地方の状態,格差の問題,そしてもっとはっきり言えば東京の一極集中,これをやっぱり変えていかないと,国際社会において日本の将来の発展はないと,こういう思いを私は強く持っております。もうとにかくいろんな企業が東京に集中しております。また,いろんなマスコミもそうでございますし,教育,文化,いろんな面が東京に集中しておりますけれども,やはりこれからの日本の将来ということを考えますと,それぞれの地域が光り輝くような,それぞれの地域が自主的主体的なまちづくりを進めていく,このことによって日本全体が勢いづいてくると,こういう思いであるわけでございまして,だとしますと,もう国は外交,防衛,司法,こういったような国家の基本的な国益の確保とか国家の存立にかかわるような事務に専念していただきまして,もう内政は地方にゆだねてください,道州がその受け皿になるんだと,そしてまた市町村が地方分権型の社会のその中心になるんだと,こういう思いであるわけでございまして,こういったような道州制を描きながら,私も議論に参画してまいりました。
 お話いただきましたような,例えば,この県庁の建物が,議事堂がどうなっていくんだとか,あるいは抱えております負債がどうなるのかと,こういったようなことの具体的なイメージは,残念ながらまだ描ける段階ではございません。だからこそ,逆にまた道州制の意義とかメリット,こういったものをわかりやすく県民の皆さん,国民の皆さんにお示しすることが最も肝要かと思います。間もなく私が参加しております道州制ビジョン懇談会,こちらの方で中間報告が出るわけでございまして,その中で政府としての審議会から一定の方針が出るということは,この議論が大きくこれによって加速してくるものと,このように思います。国の形を変えるような大改革であるわけでございまして,これを実現するためには,もう明治維新に匹敵するような,国民全体の大きなエネルギーが私は必要だと思っておりますけれども,地方分権改革の究極の姿といたしまして,私自身,我々の子やあるいは孫に,豊かで生きがいのある社会,これを残していくためにも,この問題は避けて通ることができない大きな問題であると,私は考えているところでございます。
 そして,それに関連いたしまして,宮崎県,そして大阪府,両知事のお話を引用されましての今後の民の代表としての闘う知事像というお尋ねをいただいたわけでございます。お二人とも本当にそれぞれの県,府内のみならず,もう全国的にも大活躍されておられまして,心から敬意をあらわさせていただきたいと思います。お二人が手がけておられます,いわゆる行財政改革,もうこれはまさに私自身も就任したときに財政再建団体に転落してはいけないという思いでやってまいりましたので,同じような思いで取り組んでいらっしゃるんだなと,このように感もするわけでございます。
 県政をどういう視点で行っているのかというお尋ねでございます。私は,これは明らかにもう県知事というのは,県民の代表であるということでございますから,県の中におけるトップというのではなくて,県民の皆さんの代表として県庁の中に私は送り込まれたんだと,こういう緊張感を持って,県庁の外から見ておかしくないような,特に外からチェックしていただいているんだと,こういう思いで私は県政を推進してまいりました。そういった面で,さまざまな透明性を上げる,あるいは公平性を,あるいはまた情報公開,こういった観点から,諸改革を今まで行ってまいりましたのも,県民の皆さんのための県政を推進していきたい,こういう思いで行ってまいったわけでございます。そういった面で,私は私のスタイルでこれからも県勢を大いに飛躍させていこうと思っているわけでございますが,これからの県政はやはり県民のための県政ということでありますので,県民の皆さんとの協働の県政をしっかりやっていく,県民の皆さんとなお一層の信頼関係を築いていくということが一番大切だと思っております。県政は,県民の幸せと豊かな生活の実現のためにあると,こういう信念のために,私自身も両知事には負けない強い思いを持ってこれから県政により一層力強く粉骨砕身の努力を傾けてまいりたいと考えているところでございます。
 その関係で,幹部職員についてのお尋ねをいただきましたが,職員の皆さんはもう私とともに政策を考えて,そしてそれを実現していくための非常に大切なパートナーであると,このように思っております。とりわけここに並んでおられます幹部職員は,私自身の政策推進のかなめでございまして,最も熱い期待,そして信頼を私は寄せているところでございます。昨今の財政状況は非常に厳しいものがございまして,この行財政改革等にも取り組んでいくと,こういうことでございますから,ますます職員との密接なこのパートナー関係というものが大切であるわけでございまして,そういった意味からも,また,県政に寄せる県民の期待はますます高まっている,そういった観点からいたしましても,ますます職員の皆さんお一人お一人に寄せられる期待というものが大変高まってきております。責任も重い,こう思います。職員の皆さんにおかれましては,そういう立場でよりこれからも一層誇りを持って,また,責任感というものを持ち合わせていただきまして,職務に精励,励んでいただきたいというふうに思います。
 また,とりわけ若い職員です。私は,若い職員にはたびたび話をする機会があるわけでございますけれども,将来を担ってくれる若手職員には,ますますこれからも自分自身自己研さんで,まず磨いていただいて,そして自分自身が勉強した後に,将来を展望していただいて,あしたの岡山県を自分自身が築いていくんだという,そういう強い気概を持って,そしていろんなことにぶつかりますけれども,それにくじけず,前向きにチャレンジ精神を持って,その仕事に当たっていただきたい。このことをたびたび強くお話させていただいているところでございます。
 これに関連いたしまして,チボリ・ジャパン社の社員の皆さんへの言葉ということでございます。私といたしましても,このような重大な局面に立ち至っているということにつきまして,社員の皆さん方が非常に不安に思っておられるのではないかと,このように思っております。本当に憂慮しているところでございますし,私自身,本当に心が痛む,そういう思いであるわけでございます。困難な状況に,今あるわけでございますけれども,その中にありましても,坂口社長のもとに社員の皆さんが一致団結されまして,公園の魅力づくりに日夜懸命に励んでいらっしゃいます。本当に頭が下がる思いであるわけでございまして,心から感謝申し上げますとともに,これからもより一層魅力ある公園づくりのためにこれからも頑張ってください,公園に来られる方々に満足していただけますように,一生懸命これからも取り組んでていただきますように,本当に心からまたエールを送らさせていただきたいと,このように思っているところでございます。
 職員の処遇に関しまして,フレックスタイムの導入でございます。この点につきましては,ちょっと細かくなりますので,詳細を御説明申し上げますと,今,国の制度に準じまして試験研究業務に従事する職員,これを対象といたしまして,平成8年度から導入しております。これに類似する制度でございますが,育児とか介護に従事する職員,これを支援するために早出,それから遅出の勤務制度,これは19年度から導入しているわけでございます。御質問いただきました全職員を対象といたしましたフレックスタイム,これを導入するということにつきましては,これは国の動向も踏まえながらいろいろ考えていかなきゃいけないと考えておりますが,県民サービスをいかに確保していくか,あるいは効率性等々のさまざまな課題もございます。国の動向も踏まえつつ,慎重にこれを検討させていただきたいと思います。
 それから,職員の勤務環境等でございますが,県政を進めていく上で職員の皆さんが生き生きとやりがいを持って働くということは,大変大切であります。今,マイプラン発信制度,あるいは夢づくりチャレンジ県政政策研究会,こういった制度を設けておりまして,若い職員の皆さん方を含めまして,職員の皆さんからの意見とかアイデア,提言,こういったものをいただくこととしております。また,職員と日々接しております管理職の皆さんに対しましても,日々職員の声にしっかりと耳を傾けるように,私自身たびたび指示しているわけでございます。行財政改革に取り組んでいる非常に今厳しい状況の中でございますけれどもも,職員が職務に精励していただいているということは,十分私も認識しているところでございまして,今後とも職員の皆さんの声に耳を傾けまして,その勤務環境の改善等に努めてまいりたいと存じます。
 次に,行政への外部人材を導入することでございます。
 特定の行政分野につきまして,民間企業等で培われました,そういう専門的知識とかあるいは豊かな経験,こういったものを持っておられます人材を生かしていくと,活用していくということは,これはもう県行政を全体を活性化していくという観点からも,私は大変これは大事なことであると,こう思っております。この外部人材を活用する方法でございます。いろいろございます。御指摘ございましたような任期付き採用という制度も今回ございますし,また,諮問機関等の委員であるとか,あるいはアドバイザー的な非常勤職員への委嘱と,こういったことなど,さまざまな方法がございます。時代とともに変化いたします行政課題,これに対しまして的確に対応していくために,私は今後とも外部人材,これを登用していく,外部の方々が持っております知恵とかノウハウとか経験,こういったものを大いにこれから県政に生かしていきたいと,このように考えているところでございます。
 国のキャリア職員の派遣に関しまして,意義についてのお尋ねでございますけれども,国から県へ派遣で来ていただきました職員の方々に対しましては,中央省庁におけるさまざまな経験を持っていらっいますし,また,国ならではの専門知識等を数多く有していらっしゃるわけでございますから,ぜひとも県の立場に立ってそれらを県行政の中で生かしていただきたい。今までの経験をぜひまた生かしていただきますとともに,国の方に帰られましても,県で経験したことを大いにこれから生かしていただきたい。こういう役割を期待しております。
 確かに,地方分権が今進んでおりますから,こういうことをどの程度やっていくのか,どこまでやるのかというお尋ねになるわけでございますけれども,私は地方分権をこれから進めていく上で,やはりこれは中央省庁の皆さんがこれから一番かぎを握っていると思うんです。今現在は,非常に大きな抵抗勢力となっているわけでございますけれども,そのかぎを握っておられる中央省庁のその理解者をどんどんこれからふやしていくためにも,やはり積極的に岡山県なら岡山県に受けとめて,経験していただいて,やはり地方自治の重要性,地方分権というものの意義,これを十分私は認識を深めていただくということは,大変大事かと思っておりますが,国と県,これはお互いに機能と責任というものがあるわけですから,これを分担しながら,時にはお互いに意見というものは闘わせる,対立することもあろうと思います。しかし,今度また相互に理解して協力していくということも,私はあろうかと思っているわけでございまして,ざまざまな経験を持っておられます職員の方々が同じ職場で県民福祉の向上という,この一つの目標に向かって一緒になって努力をしていく,このことは組織の活性化にも大いに私は役立っていくと,こういうふうに思っているところでございます。今後とも,県幹部職員といたしまして,これまでの経験を生かされ,大いに力を発揮していただきまして,県勢の発展に尽くしていただければと,期待しているものでございます。
 最後に,対策本部についてのお尋ねでございますが,これはもちろん全庁挙げて一体的に取り組んでいくべき,そういう重要な課題,例えば,最近における原油価格高騰,あるいは子育て支援,こういったことなどの課題につきまして,対策本部を設置いたしまして,情報を共有しながら機動的効果的な対応しております。特に,災害発生でございますけれども,そういったときには,災害対策基本法に基づく対策本部を設置いたしまして,自衛隊への派遣要請の判断,こういったことは私自身のリーダーシップでやっていかなければいけないということでございまして,県民の皆さんの生命,身体,財産を守っていくという,この使命を達成していきたいと思っております。これからも行政課題は非常に複雑多様化してまいるわけでございますけれども,全庁挙げた総合力をぜひ発揮できますように,適切に体制を整備してまいりたい,このように考えているものでございます。多岐にわたる質問でございましたので,答弁時間がやや長くなって恐縮でございます。
 以上をもちまして,私の答弁にかえさせていただきます。


(副知事)  お答え申し上げます。
 役割の認識についてでありますが,着任以来1年8カ月になりますが,岡山県の発展にいささかでも貢献できればと思いまして,日々の仕事に取り組んでまいりました。その中で,つたないものではありますが,運輸分野における国の仕事の経験やその中で培ってきた人的なつながりを生かすことができればと思って過ごしております。私自身は,大変微力でありますけれども,岡山と東京あるいは岡山とアジアとの多面的な結びつきの強化に意を用いておりまして,日本と韓国の航空当局間の政策対話ですとか,日・ASEANの交通担当次官会合の岡山の開催,あるいは主に東京の企業役員を対象としたリーダーシップセミナーの岡山開催等に努力してまいりました。現在は,5月の中旬に岡山で開催される予定の日本と中国と韓国の3カ国の物流担当大臣会合の成功に向けて取り組んでおります。議員お話のとおり,県庁には中央省庁出身で県に採用された幹部職員が複数おります。多くの皆様と岡山県の発展という目的を共有した上で,それぞれの持つ経験や人的つながりを生かしまして,組織としての足腰の強さ,幅の広さを増し,課題対応能力の向上に貢献できますように,今後とも努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。


(総務部長)  お答えいたします。
 役割の認識についてでありますが,自分自身つたない経験ではありますが,国や他の地方公共団体で学んだことなどをもとに,岡山県の行政運営に少しでも貢献できればと思い,職務に取り組んでまいりました。特に,総務省において財政や人事の仕事に携わってきたことや,岡山県赴任直前まで勤務していた総理大臣官邸において,災害・危機管理対応の仕事などに触れてきたことを踏まえ,持続可能な財政運営の実現,将来の岡山県を担う若手職員の育成,組織の危機管理能力の向上に意を用いております。今後とも,より一層公正で信頼される行政運営となるよう,総務部の仕事に誠実に取り組むとともに,地方自治の発展を目指して公務員を志した初心を忘れず,県庁を長い間支えてこられた多くの県職員の方々と一緒に,岡山県の発展のため,微力ながら全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(人事委員会委員)  お答えいたします。
 まず,職員が抱える課題等についてでございますけれども,昨今の公務員を取り巻く厳しい状況の中で,行政ニーズに適切にこたえていくためには,職員の能力開発が大事だと思います。しかし,また,健康面からは,職業生活と家庭生活との両立の実現が求められていると思います。そのためには,総実勤務時間の縮減等が必要であると考えているわけでございます。とりわけ若手職員におけるモチベーションの維持向上を図るために,そのためには適正な給与水準を確保することだと思いますけれども,加えて働きがいが実感できる機会が与えられることも大切であるというふうに考えております。一方,高齢期の職員におきましては,年金支給開始までの生活に不安を覚えることのないような,そういった環境づくりが大きな課題であると認識しております。
 次に,人事委員会の役割でございますが,職員が意欲と誇りとを持って職務に精励して,その能力を最大限に発揮できるように,人事行政の専門機関として,公正・中立にその役割を果たしてまいりたいと考えておる次第であります。
 以上でございます。

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