平成19年12月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 トップチームの支援について
 (1)支援策              土木協力(生環)[ 知  事 ]
 (2)総合グランドの駐車場           (土木)[ 知  事 ]
2 岡南飛行場について
 (1)現在の認識                (企振)[ 知  事 ]
 (2)航空産業の拠点          産労協力(企振)[ 知  事 ]
 (3)航空防災拠点               (総務)[ 知  事 ]
 (4)ヘリコプターの発着場           (総務)[ 知  事 ]
 (5)協議会等の設置              (企振)[ 知  事 ]
 (6)瀬戸内の景色               (総務)[ 知  事 ]
 (7)海と空の結節点等         産労協力(総務)[ 知  事 ]
 (8)名称変更                 (企振)[ 知  事 ]
3 岡山空港について               (企振)[ 知  事 ]
4 児童生徒の携帯電話について
 (1)所有割合等                (教育)[ 教 育 長 ]
 (2)フィルタリングソフトの説明等       (教育)[ 教育委員長 ]
 (3)啓発等の在り方              (教育)[ 教 育 長 ]
5 登下校の安全安心について           (生環)[ 知  事 ]
6 県庁等の近所づきあいについて         (総務)[ 知  事 ]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。
 ついに本日の最後の質問でございます。おつき合いをよろしくお願いいたします。
 まず,久方ぶりの明るい話題として,先日,埼玉県で行われた全国地域リーグ決勝大会で,我らがファジアーノ岡山は初優勝を決め,日本フットボールリーグ(JFL)昇格を果たしました。おめでとうございます。ことし8月には,地域リーグ所属チームとして初めてJリーグ入りの必要条件となる準加盟を承認され,JFLで上位に食い込み,入会審査をパスすれば,最短なら来年末には念願のJリーグ入りが実現して,「岡山からJリーグを」の夢がついに現実のものとなります。ただ,ここから先は,まさに市民,地域,企業,行政が一体となって全力で夢を築き上げていく,そんな力が我々も試されているのだと思います。
 ところで,岡山には,サッカーではファジアーノ岡山のほかに,岡山湯郷Belle,三菱自動車水島,バレーでは岡山シーガルズ,さらには四国・九州アイランドリーグへの加盟を目指す野球チーム結成の動きもございます。この議場でもたびたび申し上げておりますが,こうしたトップチームの悩みはどこも同じで,資金と練習場,試合場の確保でございます。とりわけ,JFL加盟チームが2チームある,来年からは岡山ダービーと言われておりますけれども,岡山県内でファジアーノ岡山は,恐らく17試合のホームゲームを桃太郎スタジアムを中心に行わなくてはいけません。行政が税金の中から資金援助をするのが難しいにしても,お金を取らないような支援,例えば有料の試合でも,競技場使用料を加算しなかったり,広告板の保管場所等を設置するなど,県独自の支援は考えられると思います。加えて,こうしたトップチームの財政的支援を,個々の企業が個々のチームに行う以外にも,トップチームすべてを支援する基金のようなものの設立も考えられます。こうした支援策についての御所見をお知らせください。
 加えて,昨年の6月定例会でも申し上げましたが,桃太郎スタジアム,桃太郎アリーナを含む総合グラウンドの駐車場は,もう既に限界が来ているのはだれの目にも明らかでございます。この際,何らかの対応をすべき時期に来ていると思いますが,その後の対応についてお知らせください。
 次に,岡南飛行場についてお伺いいたします。
 私は,岡南飛行場について,この議場で提言させていただいたのは平成13年の2月定例会ですが,実は会議録を読み返しますと,驚くべきことに,平成13年以来この議場で岡南飛行場という言葉すら発せられておりません。昭和63年,岡山空港が開港し,そちらの方は20周年のお祝いが言われますが,実は岡南飛行場も同じ20周年で,これからの施策次第では,岡山の誇りになり得るんだということを本日は申し上げたいと思います。
 岡南飛行場は,平成4年に国から小型航空機の拠点飛行場の第1号として認定され,エプロンの拡張整備もなされ,定期旅客便はございませんけれども,小型航空機の基地として,貨物輸送,遊覧飛行,撮影宣伝飛行などが行われており,近年は小型ビジネスジェット機の運航整備基地として注目を集めております。ある意味,全国でもこれだけの潜在能力があって自由度が高い飛行場はそうそうなく,他県の航空関係者からすれば,まさに岡山は宝の持ち腐れになるのではないかといった状況に見えるようです。
 また,この地で操業されて株式公開を目指すまで成長された整備会社の社長さんの思いで,少しでも飛行機やヘリコプターを身近に感じてほしいと,随時整備場の見学もできるため,土曜,日曜には家族連れやカップルの人気スポットにもなっています。私も,地域の方とここで青空市をやりたいもんだなという構想を持っておりますけれども,多くの野鳥が飛来する阿部池や,先日,森先生からありましたように,DOWAホールディングスさんを中心にした児島湖花回廊プロジェクトもあって,今後,桜や自然観賞の拠点になっていくかもしれません。もともとはスカイパーク岡山構想という夢があって,日応寺の岡山空港ができた後も,あえて浦安の旧岡山空港を残して岡南飛行場としたわけでございますが,笠岡ふれあい空港も加えて,こうした空港が3つもある岡山県の優位性をいかに生かしていくかは,岡山の夢そのものだと私は思います。もちろん,来年のサミットを控えて,テロ対策の強化も必要ですし,岡南飛行場は住宅街が広がる地域との兼ね合いで,午後6時30分までしか使えない,そういった制限もあり,ヘリコプターの低空飛行やタッチ・アンド・ゴーの過度の繰り返し,これは避けなくてはいけませんけれども,一方で,旧広島空港である広島西飛行場もコミューター定期便に動きがあって,小型機専用飛行場にシフトしていくとすれば,わずか十数分の距離など,直接のライバルとこれをみなすべきで,うかうかしておれません。あえて言えば,岡山空港は広島空港を,岡南飛行場は広島西飛行場をライバルとみなして競争していく必要がありますが,まずもって知事の現在の岡南飛行場への認識をお知らせください。
 私は,岡山空港よりもはるか近くに飛行機やヘリコプターに接することができる岡南飛行場は,子供たちに大空への夢を描くきっかけになるには抜群の環境と言えると思います。高校生や大学生が航空機の整備について体験ができて,例えば小学校1年生の私の息子が──鉄ちゃんでございますが──鉄道マニアとして新幹線の運転手になりたい,そのように言うように,世界をまたにかけるパイロットや整備士になりたいと願う子供がたくさん出てくればよいと思います。加えて,岡山に集積する航空産業の拠点にもなり得ます。こうした航空産業学習,航空産業拠点としての岡南飛行場の可能性について,御所見をお聞かせください。
 また,地域との連携による青空市の開催や飛行場でのレストラン経営など,活性化に向けたさまざまな可能性について,今総合的に考える協議会,研究会の設置も必要だと考えますが,いかがでしょうか。
 加えて,今後導入が予定される消防防災ヘリコプターについては,県警ヘリコプターの「わしゅう」や岡山市消防ヘリコプター「ももたろう」──現在岡南飛行場におりますが──この兼ね合いから,リスク分散という考えもあるのかもしれませんが,山の中で霧が発生しやすい岡山空港よりも,平地から直ちに飛び立てる岡南飛行場の方がこうした航空防災拠点に向くと私は思いますが,今後の方向も含めてお知らせください。
 これに関連しまして,今後整備される警察署等の公共施設や,また県民局や支局,さらには民間ビルの屋上等には,防災・救援拠点として消防防災ヘリコプターの離着陸が可能なようにするのが,私はこれはもう時代の趨勢だと考えますが,離着陸場の整備状況と今後の方向について,総務部長にお尋ねいたします。
 ところで,先般,この質問のためもありまして,岡南飛行場から私は自家用のヘリコプターに乗せていただきまして,瀬戸内海の島々の上を旋回いたしました。とりわけ,アートプロジェクトが進む直島や犬島の上空を旋回するにつけて,これが世界標準なんだというものを思い知らされた気がします。私たちのふるさとの景色,ふるさとの海が,日本初の国立公園に指定されたのもむべなるかなという,世界有数の景色であることを実感いたしました。
 一方で,この岡南飛行場も,この海にも通じているはずなのに,いわゆる海洋レジャー等と連携できる潜在能力があるのに,それを十分に生かし切れてもいないなあというふうにも感じました。例えば,一流のプロ野球選手やサッカー選手が物事を真横に見ながら,脳の中でそれを置きかえて,鳥のように俯瞰する能力があるからこそ,的確に動けるのではないかと私は考えるのですが,それはこうした俯瞰する目というのは,一流の経営者や政治家にも絶対に必要な能力なのかもしれません。
 知事は,瀬戸内海をクルージングされたり,空からゆっくりと瀬戸内の景色を眺められたことがおありでしょうか。そのとき何を感じられたでしょうか,お伺いいたします。
 特に,知事の提唱される中四国州を考えながら,今は中国と四国の境になっている瀬戸内海を見たとき,この海を,空をどう考えるのか思いをめぐらせると,交通の結節点という中に,岡山をいかに中四国州における海と空の結節点にするかということが重要であると私は思います。陸だけではなくて,海,空についても中四国州の拠点となるよう,県内の港湾,空港の機能強化や,中四国地域との連携のあり方についてお伺いいたします。
 あわせて,中四国海・空の連絡会議のようなものの設置を考えたらいかがでしょうか,お考えをお知らせください。
 加えて,かような可能性がある岡南飛行場について,我々はこれを「こうなん」と読めるわけですけれども,残念ながら県外の方には「こうなん」となかなか読むことができません。この飛行場という言い方は,空港と運用形態が異なるので,これはもう理解できるにしても,いかにもこれでは自己完結のスケールの飛行場になってしまいます。コウノトリ但馬空港,たんちょう釧路空港,高知龍馬空港といった愛称もございますし,ここで思い切って20周年で公募をかけて,例えばスカイパーク瀬戸内といったような夢のある愛称をつくるか,あるいはネーミングライツによる名称変更を考えたらいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。
 関連して,岡山空港についてもお伺いいたします。
 このたびの将来の定期路線化の夢につながる香港への定期チャーター便の就航を心から歓迎するものでありますが,岡山空港では,平成16年からビジネスジェット基地化構想が推進されており,格納庫の民間企業への貸し付けがことしの5月からもう既に始まっております。ビジネスジェット機の飛来は,着陸料,停留料,収入の増大のみならず,地元企業への経済波及効果を及ぼすことになり,私は,先ほどの岡南飛行場のあり方とも相まって,岡山空港の活用策として,また地場航空産業の振興のためにも,まことに時宜を得た施策であるというふうに思います。
 しかし,格納庫が小さくて,2機目の大型ビジネス機が岡山空港に飛来した場合,格納庫には1機しか入らないため,1機は必ずスポットに駐機しなくてはならない,そういった状況になっております。しかしながら,現状のこのスポットの運用では十分に対応し切れず,先ほど申し上げた岡山県の施策の信用問題にもなりかねない状況になっております。抜本的な対応策が必要になっておりますが,知事の御所見をお聞かせください。
 続きまして,先ほど遠藤議員からもお話がございましたが,児童生徒の携帯電話についてお伺いいたします。
 過日,地域の懇談会で,携帯電話についての話し合いがありました。私たちの子供に,一体,いついかなる条件で親は携帯電話を買い与えるべきなのか。このように考えるのは,というのも,保護者のだれもが自分の子供時代には携帯電話は持っていなかったものですから,経験則に基づいて判断することができない課題であります。逆に言えば,本当に子供に携帯電話が必要なんだろうかという疑問もわいております。恐らく,登下校や塾の送迎の際の防犯上の観点から,公衆電話も減ってきていることもあって,緊急連絡用には持たせておきたいという親の思いと,しかし携帯電話に付随する犯罪への心配が,まさにせめぎ合っている状況でございます。
 一方で,ほとんどの学校が携帯電話の持ち込みについては恐らく何らかの制限をしているというふうに思いますが,実際は高校生にもなれば,生徒の半数以上が携帯電話を持っているようにも思え,黙認をしないまでも,一たび学校を離れれば,学校の管理は困難ではないかと思います。子供の携帯電話を親の名義で契約している場合も多いため,恐らく携帯電話会社が,小学校から高校生までの携帯電話の普及率を把握するのは実際は難しいと思われますが,県内の小中高生は携帯電話をどの程度所持しているのでしょうか。
 また,携帯電話の学校への持ち込みを原則禁止とする小中高等学校の割合はどの程度なのか,あるべき制限の形も含めて,教育長にお伺いいたします。
 私は携帯電話そのものがいけないというわけではなくて,通話ができる携帯電話そのものよりも,むしろ問題は,相手の時間やタイミング等を全く気にすることがなくて,こちらの意思を一方的に伝えられる,そしてまた,いじめの温床にもなっているというメール機能,そして24時間子供でも簡単に,いわゆる非合法の世界に簡単にアクセスできる,そうしたインターネットに接続し得る状況が問題だというふうに思っております。
 ところで,昨日の読売新聞によりますと,携帯電話やPHSの大手4社は,来年1月から18歳未満の未成年者に対して,新規加入時にフィルタリング機能を原則加入とすることを決定したと報じられています。これは一歩前進のようにも思いますが,このことで,いじめや心ない大人の毒牙等から子供たちを守れるものではないと私は思います。先ほど遠藤議員のお話もあったように,携帯電話だけではなくて,パソコンからもインターネット経由でいろいろなサイトにアクセスできるからでございます。子供たちをいじめ等の毒牙から守るためには,さまざまな危険が子供たちのすぐ近くにあることを,企業や学校現場と協力して保護者に啓発することがまず重要です。このことについて,教育委員長の御所見をお伺いいたします。
 また,親が子供に携帯電話を与える場合──インターネットを含めてなんですけど──その使用について,いつ,どういった約束のもとにこれを子供に与えるべきなのかという考えも,あわせてお伺いいたします。
 また,保護者や子供たちへの啓発については,統一された学校の指導方針に基づいて,家庭と学校が一体となった取り組みを進められるよう,各地域において小中高等学校間の連携を一層推進することが重要だと考えますが,例えば群馬県では,群馬県子どもセーフネットインストラクター養成講座を立ち上げて,PTA役員が中心となって市民インストラクターとなり,ほかの保護者や教職員,子供たちにインターネットの正しい知識を広めているといいます。
 今後の保護者や子供たちへの啓発のあり方について,教育長にお伺いいたします。
 ところで,登下校時の安全・安心に絡んで,地域の方々の御努力によって,まさに防犯パトロールの活躍もあって,劇的に今子供たちの犯罪被害や事故が減っていることは本当にすばらしいことだと思います。
 ところで,こうした地域の方が街頭に立たれるようになると,地域との協議を経た後に,学校で指定されているいわゆる通学路が,ある意味でこの地域のメーンストリートである,そのような理解がなされてきます。例えば,この指定の通学路以外で事故に遭えば,保険についても大きな違いがあるというのは皆さんも御存じだと思いますけれども,しかし,必ずしもこの通学路がメーンストリートとして整備がきちんとなされているわけでもありません。
 一方では,交通安全対策を意図したスクールゾーンというものがございます。スクールゾーンは,昭和48年に学校から500メートル以内に設置して,平成10年には,当時の各振興局に看板設置や補修を行うよう通達も出ております。しかしどうも,このスクールゾーン自体はふえていないように感じられます。地元の協議で決まっている通学路とこのスクールゾーンが混在しており,交通安全対策と安全・安心まちづくりの観点からは,この通学路,スクールゾーンはいずれについても,これは地域のメーンストリートとして,標示や舗装,そして水ぶたや道路補修や防犯灯,照明設置を優先的に行うハード整備の実施や支援が必要ではないかと思いますが,御所見をお聞かせください。
 次に,県庁等の御近所づき合いについてお伺いいたします。
 御近所づき合いと言いながら,聞きたいことは,本質は一つなんですけれども,9月定例会で加藤議員からも質問がございましたが,職員の皆様の昼休みの休憩時間が45分になった件でございます。
 昼一の行事やアポイントが大概1時30分開始だったのが1時になった,このことは評価できるとしても,全体としては,私はすこぶる評判が悪いのではないかというふうに感じております。12時45分から,私が最近はまっているNHKの朝の連続ドラマ「ちりとてちん」の再放送を皆さんで見てくださいとは申しませんけれども,少なくともこの15分では,近隣の飲食店や共済物資部の物販等に多大な影響が出ているということを,知事は御存じでしょうか。せめて昼休みぐらいゆっくりと食事をされて,コミュニケーションも図って,午後からもみんなで頑張ろうと,これでなぜいけないのでしょうか。ともかく,お店の方は早く食事が出せるように頑張っておられますが,余裕がなくなったと。外に出られない,そうした職員の方も大勢おられます。もちろん,これは交渉の末というのは理解いたしますが,実は本当はだれも喜んでいないのではないかなという気がいたしております。
 ところで,県庁職員の皆様は御近所づき合いというものをいかようにお考えでしょうか。例えば,冠婚葬祭があれば,御近所のお店で物を買い,困ったときはお互い様で義理を欠かさないというのが御町内というものでございますが,県庁は御近所の皆様といかほどのおつき合いをされているのでしょうか。これだけ大きなのれんを掲げた大店だと考えたならば,それだけ御近所にお世話になっているわけでございます。庁内で火事があれば,この地域なら真っ先に来てくださるのが内山下分団の方々でございます。皆さん,それぞれにお仕事があっても,恐らくすぐ駆けつけてくださるはずです。では逆に,近所に火事があって,県庁職員の方が助けに行ってくださるでしょうか。そもそも県民にはボランティアを推奨しながら,勤務地に近いこの地域の消防団にだれか加入されておりますでしょうか。
 御近所の方は,お店や御自宅の前の清掃をされていますが,アダプトを進める県庁が,こぞって御町内の清掃奉仕に出られるでしょうか。例えば,御近所のことを思えば,行革の一環として,庁内にコンビニエンスストアをつくるという発想は出るわけもないと思いますが,今回の昼休み15分短縮が本庁,県民局,支局の御近隣に与えている影響及び御近所づき合いの考え方についてお伺いいたします。
 この際,県庁職員の皆様で,公舎,寮にお住まいの皆様方,御近所の一斉清掃,祭りの準備等々,積極的に御参加いただきますよう心からお願いを申し上げます。
 最後に,第26回全国都市緑化おかやまフェアについてお伺いいたします。
 我が党の,岡山らしさをどのように表現するのかという代表質問に対して,知事の,メーン会場においては桃の花で来場者を迎え,地域の特色を生かした花壇の展示や市町村の日を設け,郷土芸能や特産品の紹介を行うというお答えには,失礼ながら本当にがっかりいたしました。
 そもそも,この緑化フェアについては,民間の団体から県議会に対して招聘の陳情が提出されたのが契機でございます。そして,その中の一つの提言としては,旧賀陽町出身の日本を代表する作庭家であり,庭園史研究家である重森三玲氏の業績,これを生かしてほしいという声もあったわけでございますが,それがどう生かされているでしょうか。また,後楽園や津田永忠の文化や遺産を取り上げることもできるでしょう。一方で,一年がかりで生産をしなくてはいけない花卉や造園の関係者との十分な連絡ができていないようにも仄聞いたしております。
 緑化フェアは,見本市か一過性のイベントをされるのですか。そんなわけではないと思います。あるいは,どこかよそで計画されたことに,地域の業者の方々を協力させるだけの催しでもないと思います。私は,18年6月定例会で,基本構想に示された開催理念の中に,CO2の吸収量を高めるといった,環境施策の視点をもっともっと強く打ち出すべきではなかったのか。また,森づくり県民税の活用実態や森林保全の大切さを都市においてこそ啓発するといった,岡山独自の視点を加味すべきであり,協働をうたうのならば,国体の花いっぱい運動のように,会場や周辺のみならず,ビルの屋上緑化やビオトープの設置はもちろん,街路や商店街や住宅地を含めて,一人一花,一会社一鉢運動といった市民・県民運動を展開するなど,一過性のイベントやお祭りといったものではなくて,30年後に評価されるような,継続性永続性のある都市緑化運動をあわせて推進すべきであると申し上げました。御所見も含めて,改めてこの全国都市緑化おかやまフェアにおいて,いかように岡山らしさを表現されるのか伺います。
 私の質問は以上でございます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 まず,トップチームの支援についてでございます。
 ファジアーノ岡山や岡山シーガルズ等に対しましては,県施設における仮設広告物料金の免除のほか,テレビ・ラジオ等,県の広報媒体を通じまして広く県民に応援を呼びかけをしているところであります。
 お話の基金による支援ということにつきましては,多額の資金が必要となりまして困難であると,このように考えておりますが,有料試合での競技場使用料や広告板保管場所等につきましては,指定管理者との協議やスペースの問題もありますが,今後検討してまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても,県を挙げて地元チームを応援することは,チームの大きな力となり,その活躍は県民に夢と希望を与え,全国への情報発信につながると考えておりまして,引き続き幅広く支援策を検討してまいりたいと存じます。
 総合グラウンドの駐車場でありますが,昨年6月以降,大規模な大会が開催される休日等には,園路の活用による臨時駐車スペースの拡大を図るとともに,指定管理者による警備員の配置によって,車の誘導や周辺の有料駐車場への案内など,円滑な対応に努めてきているところであります。今後とも,混雑時における駐車スペースの拡大が図られるよう検討してまいりたいと思います。
 次に,岡南飛行場についてであります。
 まず,現在の認識でありますが,岡山空港の開港にあわせまして,岡山空港は大型機を中心とした定期便等に,岡南飛行場は小型機による不定期の航空輸送や訓練等に使用するという機能分担を行ったところであります。現在,岡南飛行場には,小型機エプロンを67スポット整備をしておりまして,県警察本部や岡山市消防局を含め,航空事業者など9者が立地いたしますとともに,年間着陸回数も6,000回を超えるなど,西日本では有数の小型機専用飛行場になっているところであります。今後とも,格納庫用地への航空事業者の誘致などに積極的に取り組み,岡南飛行場の一層の活性化に努めてまいりたいと思います。
 航空産業の拠点等の可能性でありますが,小型機の専用飛行場として利用促進に努めてまいりました結果,現在39機が常駐しておりまして,これに伴い,航空機の整備等の事業も拡大してきているところであります。また,県内では,航空機部品を製造する企業も育ってきております。こうしたことから,航空学習や航空産業の拠点としての岡南飛行場の可能性につきましては,これは一つの御提案と考えておりますので,今後,研究をさせていただきたいと存じます。
 また,活性化に向けたさまざまな可能性の検討でありますが,現在,岡南飛行場の運営に関しまして,航空事業者を初めとした関係の皆様との連絡会議を定期的に開催しているところでありまして,こうした場も活用しながら検討してまいりたいと思います。
 航空防災拠点についてでありますが,現在,消防防災ヘリを早期に導入する方向で,鋭意検討しているところであります。消防防災ヘリの運航基地となる航空防災拠点につきましては,既存施設の活用や航空法上の手続等から,岡山空港と岡南飛行場が考えられるところでありますが,全県的な防災力の強化を図るという基本的な視点に立って,災害時のリスク管理や経済性並びに気象条件や地理的条件など,さまざまな観点から,最も適切な場所の検討を現在進めているところであります。
 瀬戸内の景色でありますが,私も飛行機あるいはヘリコプターで上空から見たことがございますが,眼下に広がる大パノラマの両側に横たわる本州と四国,そして,その間できらめく瀬戸内海の中に,瀬戸大橋と多数の島々が見え,その美しい環境を維持していくということの必要性を感じますとともに,一衣帯水の関係とも言えます中四国の連携の意義につきましても思いをいたしたところでございます。
 いずれにいたしましても,全体像を俯瞰し状況を把握するということは,的確な判断のために必要であり,また視点を変えて考えるということは,新たな発想を得るためには大切なことであると考えております。
 海と空の結節点等でありますが,中四国州を見据えたとき,世界に誇り得る共有の財産である瀬戸内海を活用するということは大きなテーマであり,その中で本県といたしましては,陸上交通の優位性を生かしながら,瀬戸内海から中四国,さらには海外に広がる陸・海・空の総合的な結節点となるということを目指し,県内の港湾,空港の拠点性を高めていくということが重要と考えております。
 このため,水島港を初めとする港湾施設の基盤整備や岡山空港の利便性の向上を進めるなど,広域的な人・物の流れやニーズに対応いたしました施設面での機能強化と,航路・空路の拡充,近県からの利用促進に努めますとともに,関係県と連携いたしました海外からの観光客の誘致等にも取り組んでいるところであります。
 御提案いただきました中四国海・空連絡会議の設置ということにつきましては,先ほど申し上げました観光客の誘致等の取り組みの強化,あるいは中四国サミットの場の活用等によって対応してまいりたいと存じます。
 愛称等についてでありますが,お話のように,愛称を持つ地方空港があることは承知いたしておりますが,岡南飛行場の名称は,昭和63年の岡山空港開港に伴い変更して以来,利用者に定着してきているとともに,飛行場周辺の通称である岡南というこの名は,橋や公民館などの公共施設や民間商業施設等の名称に幅広く使われているなど,地域になじんだものとなっていると思います。このため,ネーミングライツを含めまして,岡南飛行場の名称を変更することは考えておりません。
 岡山空港についてでありますが,遊休施設でありました格納庫を活用するため,ビジネスジェットを誘致し,本年5月から利用が始まっております。岡山空港のスポットにつきましては,北京−大連線や香港へのチャーター便など,利用航空機が増加する中で,定期便を優先した運用を行っているところでありまして,お話のビジネスジェットの格納庫外での駐機に関しましては,空港の管理運営上一定の制限があるのはやむを得ないものと考えております。
 いずれにいたしましても,岡山空港の利用は,このビジネスジェットを含めまして,引き続き増大すると見込まれているということから,今後の空港施設整備につきまして,現在,関係者で委員会を設けて協議中でありまして,スポットの増設等につきましても,この委員会の中で検討してまいりたいと存じます。
 次に,登下校の交通安全対策等でありますが,これまでも県管理道路においては,通学路の歩道整備を重点的に進めますとともに,市町村道につきましても,補助事業の優先採択などによって,側溝へのふたかけや路肩のカラー舗装等,地域の実情に応じました通学路の交通安全対策が促進されますよう支援をしてきたところであります。児童生徒の登下校の安全確保は極めて重要であると考えておりまして,今後とも,地元や警察などとも連携しながら,通学路やスクールゾーンの安全な通行環境の整備を重点的に進めてまいりたいと思います。
 県庁等の近所づき合いでありますが,職員の昼の休憩時間は,休息時間の廃止に当たり,職員団体との交渉結果も踏まえまして,就業時刻はこれまでと変わらないようなことといたしまして,45分と定めたものであります。もとより,県行政の運営は,県民の皆様の理解と協力があってこそ成り立つというものでありまして,御指摘のように,近隣の方々への配慮は大切であると考えております。現行の休憩時間を見直すということにつきましては,職員の勤務労働条件の変更に当たると同時に,県民サービスへの影響も考えられるということから,御指摘の点も踏まえ,今後十分に研究してまいりたいと思います。
 なお,国においては,公務員の勤務時間見直しの議論も行われているということでありますので,その動向も注視してまいりたいと思います。
 また,お話の近所づき合いにつきましては,今後とも職員に対し,地域貢献活動への参加を奨励してまいりたいと存じます。
 最後に,全国都市緑化おかやまフェアについてでございます。
 私の代表質問の答弁にがっかりしたとのお話をいただきましたが,代表質問の答弁は時間的な制約がございます。今議員御指摘の御提案等は,基本的には今念頭に置いているということで,お聞き取りをいただきたいと思いますけれども,お話の岡山らしさの表現といたしまして,今議員の御指摘いただきました,本県出身の著名な作庭家でございます重森三玲や,後楽園の造営を行った津田永忠の業績を紹介するなど,岡山の誇る歴史や文化の情報発信を検討しております。
 さらに,森づくり県民税,これも御指摘のとおり活用していきたいと思っておりまして,間伐材でつくったプランターやベンチなどを,フェア会場や町中に備えつけていこうと思っておりますし,また,環境に優しい暮らしをコンセプトといたしまして,地元の企業の御協力も得ながら,緑化技術の紹介,あるいはリサイクル材を使った庭園の整備,こういったものを行おうと思っております。
 また,県民運動ということでございますが,本年度から始めました5月4日のみどりの日に町を花や緑で飾るキャンペーン,これの全県展開や,全市町村での協賛事業の実施など,岡山ならではの取り組みも行って,フェアの開催を契機に継続性のある都市緑化運動を推進してまいりたいと,このように考えております。
 以上でございます。


(総務部長)  お答えいたします。
 ヘリコプターの離発着場についてでありますが,大規模災害時等において,空からの救出・救助活動は大変有効と考えており,ヘリの離発着場の確保は重要と認識いたしております。現在,県内で大規模災害時等に離発着できる常設及び緊急離着陸場は,建物の屋上8カ所も含め,433カ所となっておりますが,今後とも,県内消防本部等と連携し,屋上施設を含めて,できる限り多くの離着陸場の確保に努めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(教育委員会委員長)  自由民主党佐藤議員の御質問にお答え申し上げます。
 児童生徒の携帯電話等の使用における保護者への啓発等についてでありますが,お話のように,携帯電話やパソコン等は,便利な反面,子供が有害情報に触れたり,犯罪に巻き込まれる危険性もあります。県の教育委員会会議でも,こうした問題への対応について協議しているところであり,携帯電話等の企業が,来年1月から未成年者への販売の際に原則としてフィルタリングをかけるということは評価できますが,まだ十分とは言えません。今後,企業等の協力を得ながら,保護者への啓発に力を入れていく必要があると考えております。
 また,子供に携帯電話を与える際は,子供が使用したいと言ってきたとき,その必要性について親子で十分に話し合い,納得した上で決定することが大切であります。使用に際しては,メールやインターネットの使い方や危険性について理解させるとともに,使用場所や使用時間などの約束を明確にしておくことが重要であると考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。


(教育長)  お答えいたします。
 まず,児童生徒の携帯電話の所有割合等についてでありますが,本年度の全国学力調査の質問紙によりますと,本県の小学6年生の26%,中学3年生の56%が,高校生は昨年度の県の調査では90%の者が所有しております。
 学校への持ち込みにつきましては,小中学校のほとんどが,また県立高校の28%が原則的に禁止しており,許可した場合でも,授業中は電源を切るなどの規制をしているところであります。携帯電話の校内への持ち込みにつきましては,少なくとも小中学校では必要ないものと考えますが,許可する場合は,地域や家庭の事情,登下校時の安全面,子供の発達段階等の観点から,その必要性を検討し,保護者の意見も踏まえながら決定すべきであると考えております。
 次に,保護者や子供たちへの啓発等のあり方についてでありますが,お話の群馬県の取り組みは,市民が携帯電話の危険性や対応の仕方を学び,地域で子供や保護者に啓発するもので,正しい知識が確実に広がることが期待されるところであります。
 本県では,これまで情報モラルに関する小中高校教師用指導資料や,小中学生たちがみずから学ぶコンテンツを作成し,その活用を図っております。家庭に対しましては,情報モラルについて学ぶリーフレットに加えまして,本年度新たにネットいじめを扱ったリーフレットを配布しますとともに,高等学校PTA研修会で,ネット犯罪の現状や対応に関する講演を行ったところであります。
 しかしながら,最近の子供たちの利用状況から,これまでの取り組みを見直す必要もあると考えておりまして,他県の例も参考にしながら,知事部局や警察,NPOとも連携し,効果的な啓発のあり方について研究してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

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