平成17年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 行財政改革について
 (1)地方行政委員会に対する認識        (総務)[ 知  事 ]
 (2)地方行政委員会の見直し          (総務)[ 知  事 ]
 (3)教育委員会等の今後の在り方等
                         (教育)[ 教育委員長 ]
                         (警察)[ 公安委員長 ]
 (4)首長補佐体制               (総務)[ 知  事 ]
 (5)県民サービス向上             (総務)[ 知  事 ]
2 指定管理者制度について            (総務)[ 知  事 ]
 (1)決意
 (2)既存施設の改修等
 (3)リスク管理
3 生涯学習センター等について          (教育)[ 教 育 長 ]
 (1)県立図書館の充実
 (2)県立図書館との区別化
 (3)視聴覚ライブラリーへの支援
4 治安対策について               (警察)[警察本部長 ]
 (1)国体期間中の警察力の強化
 (2)夜間における交番等の運用状況
 (3)IPテレビ電話の設置
 (4)交番、駐在所の活用方法
 (5)案内看板の設置
 (6)24時間営業店との連携等




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。
 お昼休みの前ということで,いましばらくのおつき合いをお願い申し上げます。
 まずもって,秋篠宮・同妃両殿下の御臨席のもと,夏季国体で2位に大躍進した我が県が,195万人の大スクラムで必ずや天皇杯・皇后杯の栄冠を勝ち取ることを祈念して,早速通告に従い質問をさせていただきます。
 まず,行財政改革と地方分権についてお伺いいたします。
 国から示された新地方行革指針に基づいて,いわば乾いたぞうきんを絞るような第3次岡山県行財政改革大綱を,さらに火であぶるような大綱の見直しの意見書が示されました。意見書の末尾にある「意見書に盛り込まれていない主な意見」こそ,改革の本丸なんじゃないかと言われるような方もおられますけども,とりあえずそれはさておいて,今回も触れられなかった部分があると考えます。すなわち,地方行政委員会についてであります。正直なところ,私は,この25回に及ぶ質問戦の中で,議会が行政権に及ぼす民主的コントロールという観点からすれば,我々議会の側からは,教育行政に関しては,教育長ではなくて教育委員長に,警察行政については,警察本部長ではなくて公安委員長に質問すべきではないかと,そのように考えておりました。そもそも,首長の権限集中を排除するという趣旨で,戦後アメリカ流の行政委員会制度が画一的に導入されて,委員会は首長から独立した地位と権限を持っています。とりわけ,選挙で選ばれたわけではありませんけれども,行政委員会の長は,地方においてその分野の民意を代表するトップであります。本来は,委員長がかわられれば委員長の明確な方針を示されて,毎議会,行政委員長の提案説明があってもよいぐらいの話ではないか,私はそのように考えています。ただ,地方分権が進んで,首長の権限,裁量の拡大が重視される中で,行政委員会の役割や存在意義も今問われています。まずもって,そういった観点から,知事の地方行政委員会についての認識をお知らせください。
 あわせて,今後,地方分権を進める議論の中で,行政委員会の見直しを首長の側から働きかけるお考えがあるのか,お知らせください。
 また,行財政改革及びこうした地方分権の流れの中で,行政委員会が今後いかように変わり,組織の見直しが行われていくのか,象徴的に教育委員長職務代理者と公安委員長職務代理者にお伺いいたします。
 加えて,電算化が進んでいく中,首長のもとに原則1人置かなくてはいけない出納長,市町村なら助役ですが,こうした首長の補佐体制も今後全国画一的である必要もないと思いますが,知事のお考えをお知らせください。
 また,こうした数字による行財政改革は,一般の県民の方には非常にわかりにくいものがあるのではないかと思います。要は,県庁職員の方々が県民の皆様への接し方を少し工夫されれば,さらに県庁が大胆にこれは改革をやっとんだなと,そういったことが県民の皆様に伝わるのではないかと思います。要するに,それは非常に簡単なことで,電話やあるいは直接面会した際のあいさつや話し方のレベルの話であります。具体的には,この夏,クールビズを民間に先立って推進されましたけれども,意識改革につながる取り組みの一つとして,俗に言うビジネスマナーやあるいは接遇研修について,マナーアップ運動といったものをさらに積極的に推進していただきたいということであります。特に,役職が上になればなるほど率先していただきたいことでありますし,また,そもそも,黒塗りの車が県民の皆様からどういうふうに見えておるのかということは,殊さら意識していただきたいところであります。
 より具体的提案は,要するに,例えば電話に出られる際,「〇〇課の〇〇がお受けいたします」とまず名前を名乗られるということであります。電話交換の方はかなり丁寧に対応してくださいますけれども,そこから電話が回ったら後はいきなりいわゆるお役所対応になってしまうことがございます。また,多くの議員の皆様が経験されていると思いますが,携帯電話にどうも県庁からとおぼしき着信履歴が残っておると,それがメッセージもなく残っていて,折り返しかけてみますと,「お客様のおかけになった電話は,相手の方が御利用されているサービスによりおつなぎすることができません。御了承ください」。これ多分県庁だなあと思うんですが,そして,またしばらくすると着信履歴が残っていて,なぜか違う番号であったりしまして,かけ直すと,また同じメッセージが流れると。別に,これは議員に対してだけでなくて,県民の皆様に対してそうだと思うんですが。要は,こういうときは「〇〇課の〇〇でございます。〇〇の件で連絡しました。また連絡します」と一言入れていただければ,そういうときはこっちから連絡をさせていただくというのが普通のマナーであります。要するに,こういったことが大切だと思うんですが,願わくば,こういった行財政改革の大綱や夢づくりプランという大きな計画もいいんですけども,県庁職員の方々が県民の皆様を「モテナスンジャー」に変身していただき,例えばこうした県民サービスの向上のための指針を各部局でつくっていただいて,費用を一切伴わず,接遇だけで行政改革をする,そんな工夫をしていただきたいものですけれども,知事はいかがお考えでしょうか。
 次に,指定管理者制度についてお伺いいたします。
 今回,改正条例が上程されている指定管理者制度の導入につきましては,知事は,さきの6月定例会におきまして,県が設置する公の施設としての意義,目的等を評価,再検討する機会になるものと考えられ,公募の基準については,総務省の通知において,住民の平等利用の確保や施設の効用の発揮,管理経費の縮減,管理を安定して行う物的・人的能力などを基準として定めることが望ましいとされていることを踏まえて,各施設の形態や提供するサービスの内容等に照らして,客観的かつ公平な基準の設定を個別,具体的に検討して,効率的,効果的な施設運営につながるように努められるとされました。
 ここで問題は,こうした指定管理者制度の導入のスケジュールなんですけれども,今議会後1カ月で指定管理者の選定を行うわけでございますが,各施設において,まずこうした基準の設定を担当部署が行って,そして外部有識者を含む選定委員会で審査して,そして公募に応じる団体と既存の管理受託団体との間に,こういう状況で見ますと,非常にタイムスケジュール的にも,そして集められる資料についても,公正な競争がはなから成立してないんじゃないか,そういう声を非常に多く聞きます。多様化する住民ニーズにより効果的,効率的に対応していくために,公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ,住民サービスの向上を図るとともに,経費の節減等を図るという制度の趣旨に照らしても,まずもって公平な競争がまず必要ですし,そしてまた,採算がとれる施設こそ率先して民間にゆだねてもいいんじゃないか,そのようにも思います。今回のこういった流れの中で,いわゆる外郭団体の手からどれだけ民間に実際に指定管理者制度で移っていくのか,そのことに県民の皆様も注視されておられますけれども,改めて指定管理者制度導入にかける知事の思いについてお知らせください。
 また,民間の提案の中には,当然,現在の施設の改築や改修を伴った方がいいといった提案も出てくるかもしれません。既存施設に手を加えてより公の施設が住民サービスに資するようになるのであれば,来年度,管理運営開始に伴って,あるいはそれ以前に施設に手を加える必要もあるんではないか,そのように思いますが,逆にそれができないから新しい委託先には任せられない,そういうことがあるとすれば,これ自体も制度趣旨に反していると思いますが,いかがお考えでしょうか,総務部長にお伺いいたします。
 さらに,指定管理者制度を導入した施設について,もう今の段階で既に開館時間等基本的な部分に余りにも細部にわたり条例で縛りをかけているために,指定管理者の裁量を制限し過ぎているのではないかという声が既にございます。一方で,指定管理者に事故や個人情報漏えい,倒産等があれば,県全体にも責任がかかってくるわけでありますが,リスク管理はいかようにされているのでしょうか,今後されるのでしょうか。私は,各部局に任せる部分と行政改革推進室が主体的に指導すべき部分は峻別すべきであるとも考えますけれども,こういった点についていかようにお考えでしょうか,総務部長にお伺いいたします。
 次に,さて早いもので,岡山県立図書館開館から1年がたちました。利用者も予想をはるかに超えて,おおむね好評のようで,県立美術館,天神山文化プラザ,ルネスホールとともに,まさに文化ゾーンの核となっていることを心から喜びたいと思います。しかし,県内の図書館のネットワークのかなめとしての機能のみならず,旧来の図書館にない機能として,子育て支援とITを活用したビジネス支援という観点こそがこの図書館の目玉ではなかったかなと認識しておりますけれども,まずは,今後の図書館のさらなる充実の方向についてお聞かせください。
 ところで,この県立図書館を社会教育施設として見た場合に,伊島町にある生涯学習センターとの役割分担,機能分担ということが問題になってくると私は思います。この2施設の機能は,非常に現在重複している部分が多いのではないでしょうか。特にスタジオのたぐいは,残念ながら,どちらも十分に使い切れていないんじゃないかと私は認識していますが,施設として現在のところ非常に似通ってしまっている。しかし,生涯学習センターの生涯学習情報提供システムの「ぱるネット岡山」は,民間まで含めた学習情報を非常に多く集められていて,ポータルサイトとしては,これは出色のものであると評価させていただきたいんですが,箱物として行政の所管が違うこの生涯学習センター,そして烏城高校,県立児童会館があの場所に集合しているメリットが十分に生かされていないのではないか,そのように感じております。そのうち,県立児童会館につきましては,先ほど申し上げた指定管理者制度の導入で大きく生まれ変わることを期待いたしますけれども,生涯学習センターについても思い切った見直しが必要なのではないでしょうか。
 私は,2月定例会で,大学コンソーシアムの支援について提言させていただきましたけれども,あの伊島町の生涯学習センター内に,大学コンソーシアムの拠点を設置すれば,周辺は多くの大学に囲まれている地の利からも,そしてまた,単位互換性という意味では,学生がそばにおるわけですから,さまざまな学生が集う場になって,そして一般の県民が生涯学習の場として訪ねることもできる,また,人文社会科学系での産学官の連携を積極的に進め,県の総合的な大学との連携の窓口の場にも成り得て,何よりも社会教育施設として,県立図書館とこの生涯学習センターの機能分担がはっきりできるように思いますけれども,いかがお考えでしょうか。
 また,生涯学習センターの一つの特長として,視聴覚ライブラリーの拠点であるということも挙げられます。視聴覚ライブラリーの端緒というのは,生涯学習というよりもGHQの政策によるもので,要は,16ミリのフィルムを団体向けに貸し出すという仕組みが時代の流れの中で今はフィルムがビデオになって,それがDVDまでなかなか変わっていない,そういった状況であります。そして,この視聴覚ライブラリーは,むしろ教育現場で使われる資料のような形になっていて,現在,一般への貸し出し,一般団体への貸し出しというのは年々細ってきている,そういった状況であります。特に,インターネットの普及は,著作権の問題をクリアできれば,視聴覚ライブラリーのあり方そのものを変えてしまいます。ただ一方で,市町村合併により幾つかのこうした視聴覚ライブラリーが廃止され,例えばその地域の習俗等を収録したフィルム,あるいはビデオというものがあるわけですが,それがこのまま散逸してしまうおそれがあります。願わくば,一刻も早くデジタル化を進めていく必要があります。しかし,現状は,県のこの視聴覚ライブラリーの連絡の協議会が,市町村に対してフィルムの扱い方等の研修会等を行うのが本当に精いっぱいでありまして,こうした面で早急な支援が必要であると考えます。この点についていかがお考えでしょうか。
 最後に,治安対策の具体的な実務について,公安委員長ではなくて警察本部長にお伺いいたします。
 「晴れの国おかやま国体」秋季大会が迫って,県外から多くのお客様が来られますが,夏季国体においても,非常に多くの選手,大会関係者を岡山市内中心部でお見かけいたしました。田町,中央町,柳町かいわいはもちろん,意外に裏通りまで行かれるもんだなあというふうに思いましたが,もちろん健全な岡山の夜を楽しんではいただきたいのですが,同時に,週末の深夜の岡山駅前周辺の状況を見るにつけて,果たしてベストな成績を出していただけるのか,静かで安心・安全な夜を選手の皆さんに提供できるのか,私は少なからずの不安を感じております。私は,基本的には,岡山市内においては,中心部を流れる西川で東署と西署の所管を分けるのではなくて,むしろ岡山中央警察署の設置を強く望みますし,また,国体期間中は,願わくば暫定的にでも,岡山中央分署を設けたり,岡山駅前周辺を初め県内各地の深夜の警察力を強化すべきと考えますが,まずもって方針をお知らせください。
 さて,議会で何度も取り上げさせていただきましたが,爆音暴走族対策につきましては,懸命の御努力をいただいております。確かに減ってきた,本当にありがたいことでございます。しかし,暴走族でなくて,いわゆるコンビニの前にたむろする周回族については,私は根本的な解決がなされているとは思いません。何か間違いが起きねばよいがと祈らずにおられません。ただ,そういうときに,やはり頼りになるのは私は交番ではないかなというふうに思います。従来は,検挙にまさる防犯なしとされ,検挙率を上げることが治安に対する信用であるとされていましたが,犯罪の検挙率は,もう御案内のとおり,近年悪化の一途をたどっておるわけで,防犯へのアプローチの変更自体が求められ,要は,犯罪をする機会がなければ犯罪はないんだと,検挙中心から予防中心にシフトしていくと思います。そうした中,地域社会と密着して犯罪を抑止してきたのは,やはりこれは世界に誇る日本の交番システムではないかというふうに考えます。「新世紀おかやま夢づくりプラン」に沿って,平成19年4月には,空き交番については解消を目指されているのは承知しておりますし,交番相談員制度として,警察官OBの方々が配置されて,地理案内や遺失物届の受理など,交番勤務員の支援業務にも従事しておられますが,しかし,地域住民にとって,いつ交番に行っても人がいないじゃないかというのは,むしろ昼ではなくて夜が問題であります。このようなことから,まずは夜間における交番等の運用状況についてお伺いいたします。
 また,交番相談員の時差出勤等を導入した交番相談員の複数配置交番を実現させる必要があると思いますが,IT先進県岡山としては,交番緊急対応システムとして,ADSLや光ファイバーでブロードバンド接続したIPテレビ電話を交番に設置してはいかがでしょうか。交番勤務の警官の方が不在のときに,離れた場所の県警職員と来訪者がお互いの顔を見ながら24時間対応ができますし,センサーが来訪者を自動で感知するため,操作不要で,高齢者や幼児でも使えるメリットがあります。
 また,いわゆる民間交番というのがございます。罪刑法定主義をとっている我が国においては,公権力の行使にかかわることは原則としてこれはもちろん警察の仕事であります。しかし,交番の機能は,公権力のこうした行使の拠点にとどまらず,先ほど申し上げたような道案内や防犯活動から地域社会のトラブル相談まで,非常に多岐にわたっている中で,地域コミュニティーと密接に連携した新しい交番システムとして,民間交番というのが今登場しています。警視庁では,空き交番解消策の一環として,民間の防犯団体などに無償貸与して,ボランティアが常駐して道案内するなど,民間交番としての活用のほか,地域住民の防犯活動の拠点パトロールの際の集合場所や待機場所といった一時的な拠点としての利用も可能にする方針を固めました。まさに,空き交番が住民自身による治安のシンボル的存在として,市民との協働と防犯を両立させる仕組みであります。
 また,総務省がまとめた「地域安心安全アクションプラン」では「地域活性化の大前提として,身近な生活空間における安心・安全の確立が不可欠」と明記して,消防団などの自主防災組織や自治会,商店街などが市町村や警察,消防と連携して,地域の安全を守る地域の防犯・防災の拠点を「地域安心安全ステーション」と名づけて,公民館や消防団詰所などに民間交番の役割を持たせて,これを小学校の校区ごとに設置する,このようにしています。今回,交番や駐在所の見直しというのが行われておるわけでございますが,こうして廃止となる交番,駐在所の活用方法として,こうした民間交番の観点を入れての活用ができればいいなと思うんですが,この点についていかがお考えでしょうか。
 加えて,昨今の交番というのは,美観を意識してか,むしろ町の中に溶け込んでしまい,駆け込もうにも交番を探すのに地理案内が必要な状況であります。もちろん,観光地でそういう意味合いはわかるんですけれども,例えばそこに交番があることがわかっている人間にしかあることがわからないような,例を出して恐縮ですが,ビルの中にある柳川交番の形状が果たして観光客の方に認識しやすいでしょうか。昨年の6月定例会でも申しましたが,兵庫県のように,例えば交通標識の横に「右折500メートルに〇〇交番」,「直進300メートルに〇〇交番」と,このように表示しておれば,それだけで治安の確保,さらには犯罪抑止効果があると考えます。交番の数をふやせずとも,案内看板をふやすことで抑止力が高まると私は確信しておりますが,いかがでしょうか。
 関連して,治安面の大きな不安は,真夜中にコンビニエンスストアや24時間営業の大型店の駐車場で,若者たちが集まり,大声を出して騒いでいるというものであります。周回族は,まさにガのように,24時間営業の店の前を周回しているわけですが,地域住民も,注意しようにも多勢に無勢で怖くてできない状況にあります。さらに,24時間営業の店は,子供たちの深夜の外出先であったり,コンビニATMの設置等がふえたにもかかわらず,治安が低下するという非常に危険な時間も営業しているために,非行や犯罪の温床になっているのではないかという声が非常に強くあります。しかし,本部と加盟者によって締結されるフランチャイズ契約において,一定の営業時間が定められて,深夜営業が加盟店に義務づけられている例もあり,また,サービス業の24時間営業に関して,パチンコ店など一部の風俗営業を除いて24時間営業自体を規制する法律や条例はありませんし,また,深夜駐車場等で騒いでいる者を取り締まる具体的法律もありません。現状では,警察もパトロールを強化するとしか言えないのではないかということも十分理解いたします。ただ,コンビニエンスストアの大手には,深夜営業を中止することを検討する動きも出ております。こうした中,24時間営業店と警察との連携強化,さらには,ある種の規制をかけるべき時期に来ていると考えますが,いかがお考えでしょうか。
 以上質問,よろしくお願いいたします。まことにありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えいたします。
 まず,地方行政委員会制度に対します認識等でありますが,地方行政委員会は,それぞれ設置の趣旨等が異なるものでありまして,これを一律に評価するということは困難でありますが,一般的に申し上げますれば,地域における行政の責任をあいまいにするという問題を持っていることから,地方分権の精神からも,特に必置規制をするということには問題があり,それぞれの地域の実情に応じました柔軟な設置・運営を可能にすべきものと考えております。現在,私が全国知事会を代表いたしまして委員を務めております第28次地方制度調査会におきましては,この地方行政委員会制度の問題も議論しているところでありまして,私といたしましては,今後とも,こうした場などにおきまして,地方の立場といたしまして,地方分権をより一層進めていくという見地から,必要な意見を積極的に述べていきたいと存じます。
 次に,首長補佐制度についてでありますが,私といたしましては,地方分権の流れも踏まえますと,首長を補佐する機関といたしましては,それぞれの地域の実情に応じました多様な補助機関の創設が可能となるようより柔軟な仕組みとすることが望ましいと,このように考えております。
 次に,県民サービス向上についてでありますが,電話応対を初めとする県職員の接遇を向上させるということは,これは非常に大切なことであると考えております。そのため,自治研修所におきまして,新規採用職員やあるいは主任級職員などを対象といたしました接遇の研修や県民サービス向上の講座を設けまして,接遇の向上,職員の意識改革に取り組んでいるところでありますが,議員御指摘のようなことが事実であるとするならば,いま一度全体の取り組みを強化していかなければならないと,このように考えております。今後とも,職員一人一人が県民の視点に立って仕事を行うように,研修所や職場での研修を進めますとともに,各部局,各職場で接遇改善の取り組みを図るなど,接遇の向上と県民サービスに対します意識改革に努めてまいりまして,県民の皆様方に「県庁も変わった」と感じていただけるように今後とも努めてまいりたいと存じます。
 指定管理者制度導入の決意でありますが,指定管理者選定につきましては,原則として,民間企業も含め広く応募団体を募った上で,透明性,公平性を確保しながら選定を行うこととしておりまして,このことによって,県施設の管理運営に御指摘の住民サービスの向上,経費の節減といった制度創設の趣旨が十分生かされますように取り組んでまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(総務部長)  お答え申し上げます。
 指定管理者制度についてでございます。
 まず,既存施設の改修等についてでございますが,厳しい財政状況の中で,県といたしましては,真に必要なものに限り計画的に行っているところでございまして,これ以外のものについての改修等は考えていないところでございます。したがいまして,今回の指定管理者制度の導入に当たりましては,現状の施設を前提として,県民サービスの向上や管理運営の効率化を図っていただくことが基本と考えておりまして,そうした観点から,最も適切な団体を選定してまいりたいと考えております。
 次に,リスク管理についてでございますが,まず,条例では,管理運営に当たりまして遵守すべき最低限必要な事項を定めておりまして,指定管理者の裁量で管理の効率化やサービスの向上を図ることが可能であるというふうに考えております。リスク管理に関しまして,御指摘のような事態の責任につきましては,ケース・バイ・ケースではございますが,一般論で申し上げますと,直接の法的責任は指定管理者にありますものの,県といたしましても,設置者としての責任,すなわち,指導監督責任ですとか,県民サービスを安定的に継続していく責任等を有するものと,かように考えております。こうした中で,行政改革推進室は,制度導入に際しまして,各部局に共通する事項,例えば指定手続,方法など全体の基本方針を企画いたしまして,一方,各部局におきましては,具体的な管理者の指定や事業報告,調査等の指導監督を行うこととしておりまして,これにより適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(教育委員会委員長職務代理者)  お答えいたします。
 教育委員会の今後のあり方等についてでありますが,この制度は,教育の地方分権や教育行政への民意の反映を目的に創設されたものでございます。しかしながら,戦後60年を経過し,制度の形骸化や閉鎖性,小規模な教育委員会における施策展開の限界などを指摘する声があることは承知しております。私どもといたしましては,会議の公開を進めるとともに,学校現場へ出て行き,評議員の方々と協議を行ったり,また先般は,子供の安全等について公安委員会と初めて意見交換を行うなど,できるだけさまざまな意見を教育行政に反映させるよう取り組んでいるところでございます。今後とも,教育課題に的確・迅速に対応し,その使命を果たしていく所存でございます。
 また,現在,中央教育審議会において,教育委員会の必置義務や首長との事務分担など制度の見直しが審議されているところであります。その動向にも注視してまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(教育長)  お答えをいたします。
 まず,県立図書館の充実についてでございますが,お話の子育て支援では,子育てに役立つさまざまな育児書や児童図書の充実に努めております。児童図書コーナーでは読み聞かせなども行っており,多くの家族連れに利用をされております。また,ビジネス支援では,ビジネス関連図書や産業・企業情報のデータベースの充実を図りますとともに,経済関係団体等と連携したビジネス支援セミナーや若い人の就業や起業への関心を高めるため,図書館主催で高校生対象の起業家塾も開催をいたしております。今後とも,引き続き子育て支援やビジネス支援の充実を図りますとともに,県民ニーズの把握に努め,これまで以上に広く県民に親しまれる図書館を目指してまいりたいと思います。
 次に,生涯学習センターと県立図書館との機能分担についてでございますが,県立図書館は,御承知のように,図書資料の提供を主とした県内の中核施設であり,一方,生涯学習センターは,県民が生涯にわたって行う学習活動を支援するための拠点施設でございます。生涯学習センターは,県民公開講座であります岡山県生涯学習大学や学習情報提供システム「ぱるネット岡山」を運営いたしており,学習機会を提供する場として,生涯学習の集まりや催しに広く利用をされております。
 また,大学とのかかわりにつきましては,岡山県生涯学習大学の講座を大学に委託したり,大学での講義をインターネットで配信するなどの連携を図ってまいりました。御提案の大学コンソーシアムにつきましては,現在,関係大学間で来年4月の発足に向けて準備が進められており,その動向を見守ってまいりたいと存じます。
 最後に,視聴覚ライブラリーへの支援についてでございますが,一部の市町村のライブラリーでは,お話のように,地域の貴重な郷土資料等を所蔵しており,記録保存のためデジタル化も必要であると考えております。今後,市町村の求めに応じまして,生涯学習センターにおいて,技能習得のための研修会や機材の提供などの支援を行ってまいりたいと存じます。
 さらに,デジタル化した資料のうち,著作権の問題のないものにつきましては,広く県民に御利用いただけるよう,視聴覚ライブラリーの貸出資料として整備したり,県立図書館の「デジタル岡山大百科」への登録を働きかけますとともに,今後,支援のあり方につきまして市町村の関係者とも話し合ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(公安委員会委員長職務代理者)  佐藤議員の御質問にお答えいたします。
 公安委員会のあり方についてでありますが,御案内のとおり,公安委員会制度は,県民を代表する者によって構成される合議制の機関が警察の管理を行うことで,警察の民主的運営と政治的中立性を保つことを目的として設けられたものであります。そのため,毎月3回開催している定例会において,警察運営の推進状況について細かく報告を求めるとともに,警察職員との懇談や警察署の視察を行っているところであります。公安委員会の組織,権限につきましては,警察法で定められているところでありますし,国,地方レベルにおきましても,見直しの論議は行われていないと承知しているところであります。したがいまして,公安委員会の今後のあり方については,お答えを差し控えさせていただきますが,今後とも,先ほど申し上げました活動を通じて,警察行政を取り巻く問題点を把握し,県警察を適切に管理してまいる所存でございます。
 以上でございます。


(警察本部長)  お答えいたします。
 まず,国体期間中における岡山駅前周辺等の深夜の警察力の強化についてでありますが,県警察といたしましても,国体のために県外から来県される方々の安全や宿泊施設周辺の平穏を確保することは極めて重要であると考えております。このため,夏季大会期間中には,毎日,深夜,岡山駅や倉敷駅の周辺等において,暴走族や周回族の特別交通取り締まりや少年補導活動,歓楽街の浄化活動を強化したところであります。今後,秋季大会や障害者スポーツ大会の開催期間中におきましても,岡山駅,倉敷駅周辺等において,連日,夏季大会と同様の特別取り締まり等を実施し,県外から来県される方々の安全や宿泊施設周辺の平穏の確保に努める方針であります。
 なお,岡山市中心市街地の治安対策につきましては,平成14年度以降,警察官増員の多くを岡山東署や岡山西署に重点的に配置するなど,執行力の強化を図ってきたところであります。その結果,岡山市中心市街地におきましても,犯罪の抑止効果があらわれており,議員御提案の岡山中央警察署や岡山中央分署の新設につきましては,現時点では必要ないものと考えております。
 次に,夜間における交番などの運用状況についてであります。
 夜間における交番勤務員は,在所活動,パトロール,休憩を基本勤務形態としておりますが,街頭におけるパトロール活動の強化に重点を置いた運用を行っているほか,事件・事故発生時の現場臨場などで一時的に交番勤務員が不在となっているところもございます。勤務員が不在となる交番を補完するため,隣接交番勤務員やパトカーの立ち寄りなどの措置を講じているところであります。
 次に,IPテレビ電話の設置についてでありますが,現在の交番での不在対策機器といたしましては,交番勤務員が不在の際,地元住民の方々から交番にかかってきた加入電話を警察署に転送する「ボイスワープ」を県下107カ所の全交番に設置するとともに,来訪者をセンサーで感知して警察署で来訪者に呼びかけ等の対応ができる音声不在応答システムを,岡山,倉敷市内の17交番に設置するなど,不在時の対応をしているところであります。議員御指摘のIPテレビ電話システムの導入につきましては,今後検討してまいりたいと存じますが,当面はこうした不在対策機器を有効に活用していきたいと考えているところでございます。
 次に,今回の交番・駐在所等の配置の見直しにより廃止となる交番・駐在所施設の活用についてであります。
 平成18年4月には,京橋,瓦橋の2交番及び鶴田,梶並,神島外,田治部の4駐在所の計6カ所の施設が廃止となる予定であります。このうち,京橋,瓦橋の両交番及び鶴田,梶並の両駐在所につきましては,施設が比較的新しいことなどから,当分の間,パトカーあるいは交番・駐在所勤務員の立寄所として残し,神島外,田治部の両駐在所につきましては,築後かなりの年数が経過していることから,原則として取り壊し,撤去することとしております。しかしながら,これら6カ所の施設は,地域住民の皆様方などから,地域安全パトロールの拠点として使用したいとの申し出がありました場合などには,施設の老朽度,用途,目的等を検討いたしまして,前向きに対応してまいりたいと考えております。
 次に,交番の場所を示す案内板の増設についてであります。案内板設置の犯罪抑止効果は,判然としておりませんが,案内板により場所がわかりやすくなることは,県民の利便向上にもなるものと考えております。このため,県警察といたしましては,従来の案内板をかえて,より大きな,より遠くからでもわかりやすいものにするため,順次整備を行っているところであります。
 最後に,24時間営業店と警察との連携強化と規制の必要性についてであります。
 県警察といたしましては,24時間営業店の駐車場やその周辺における若者の蝟集などの行為に対しましては,指導,警告,少年補導を行うとともに,違法行為に対しては厳正な取り締まりを行っているところであります。
 また,県警察では,岡山県深夜営業店防犯協議会と,本年4月に臨時の連絡会議を開催し,強盗事件の未然防止対策や深夜の少年等の蝟集時における早期通報等を申し合わせるなど,業界団体との連携強化を図ったところであります。
 一方,コンビニエンスストア業界では,本年7月から自主活動として,「セーフティステーション活動」を開始したところであります。この活動は,地域社会への貢献の一環として,女性,子供が助けを求めてきた場合の安全の確保,近隣住民の迷惑となるたまり場の解消等を行うこととしたものでありまして,県下の560店舗が一斉に取り組みを開始したものであります。県警察では,こうした店舗側の取り組みを積極的に支援するとともに,今後の安全・安心まちづくりに向けてさらなる連携の強化を図っているところであります。
 なお,議員御提案のこの種営業の規制の必要性についてでありますが,この問題は営業の自由や個人の利益等にかかわる重大な事柄でありますので,今後の業界団体の自主規制の動向や社会情勢の変化等を慎重に見きわめる必要があると考えております。
 以上でございます。

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