平成16年6月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 第5回全国障害者スポーツ大会について
(1)県大会での課題               (国体)[ 知  事 ]
(2)ボランティアの養成方針等      保福協力(国体)[国体・障スポ局長]
(3)リハーサルの必要性             (国体)[国体・障スポ局長]
(4)ハートフルビジネスおかやま等のアピール
                     国体協力(産労)[ 産業労働部 ]
(5)IT活用                  (国体)[国体・障スポ局長]
2 ホームレス対策について
(1)実態認識と感想               (保福)[  知 事  ]
(2)犯罪の実態                 (警察)[警察本部長]
(3)ワンストップの相談窓口           (保福)[ 知  事 ]
                         (警察)[警察本部長]
(4)生活保護の実態               (保福)[保健福祉部長]
(5)通知に対する対応              (保福)[保健福祉部長]
(6)自立支援センター              (保福)[保健福祉部長]
(7)職業訓練等             産労協力(保福)[保健福祉部長]
3 落書きと暴走族対策について
(1)落書き対策                 (生環)[生活環境部長]
(2)割れ窓理論                 (警察)[警察本部長]
(3)改正道交法等                (警察)[警察本部長]
(4)駐車違反取締りの民間委託          (警察)[警察本部長]
(5)シートベルト着用違反の取締り等       (警察)[警察本部長]
(6)交通違反の取締り              (警察)[警察本部長]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。午後唯一の男性でございますけれども,早速通告に従いまして,質問をさせていただきます。
 まず,第5回全国障害者スポーツ大会について伺います。
 第60回国民体育大会「晴れの国おかやま国体」の後には,第5回全国障害者スポーツ大会「輝いて!おかやま大会」が開催されるわけですが,簡素かつ効率的な運営が国体のうたい文句ではありますが,私は,全国障害者スポーツ大会について,これがそのまま当てはまるのか,疑問にも思います。ある意味で,いかなるおもてなしができるのか,国体以上に,岡山の質が問われる大会であると思います。そして同時に,私は,スポーツのすそ野が広がり,195万人のスクラムを組み,県民が威信をかけて燃えることで感動が生まれる国体同様に,この全国障害者スポーツ大会が,岡山県の次のステップにつながるものでないといけないと考えます。
 まず,2年続けて雨となりましたが,5月に開催された第4回岡山県障害者スポーツ大会は,県内の大会ではありましたが,駐車場の混乱等,全国大会への不安を膨らませました。まず,この県大会で,全国大会に向けて浮かび上がった課題についてどう御認識なのか,知事にお伺いいたします。
 以下,当日ボランティアをされていた方の御意見を参考にして,幾つか提言と質問をさせていただきます。
 まず第1に,ボランティアの養成について。
 先日,ユースチャレンジ21会議の提言に基づいて,おかやま国体に向けて,青少年が,まちづくりボランティアに励む,「キラリ☆ボランティア」が発足しましたが,こうした国体に向けたボランティアが,全国障害者スポーツ大会にどれだけ連携されるのか等も含めて,現状でボランティアの確保は十分と認識されておられるのでしょうか。例えば,要約筆記を例に出せば,250人が必要と考えた養成講座の受講生が現在百数十人で,早くも要員不足が予想されております。現在の養成者を核にして,全県17サークル,技能保持者への声かけが必要です。また,こうした要約筆記に限らず,障害者スポーツ競技にかかわるボランティアの方々は,競技内容を熟知しておく必要があり,各競技団体等との連携を図りながら,その養成をすることが急務ですが,今後の養成方針について,国体・障害者スポーツ大会局長にお伺いいたします。
 第2に,私は,全国障害者スポーツ大会に向け,きちんとしたリハーサルが必要であると考えます。来年5月には,半年先の全国障害者スポーツ大会に向けたリハーサル大会が開催されるとのことですが,費用等の関係から,各開催県では簡素化されて行われるのが通例のようです。来年のリハーサル大会では,大型映像装置に要約筆記のパソコン入力文字を表示するなど──今回はそれはされなかったわけですけども,こうした本番により近い形でリハーサルを行い,問題点を浮き彫りにしておく必要があると思います。このことは,開会式そのものを本番並みに行うべきであるということではありませんが,簡素・効率的な運営を目指しながらも,想定できるトラブルはあらかじめ避けて,本番に当たろうということです。この点につき,国体・障害者スポーツ大会局長は,どう御認識でしょうか。
 第3に,私は,主会場までの導線がバリアフリーからユニバーサルデザインの考え方に基づいて整備されるということは重要ですが,例えば,ふれあい広場における障害のある方との交流等,ソフト面がより重要であると思います。例えば,パソコンに吹き込めば言葉が文字になる要約筆記システムなどの先端の機器について,体感ができる機会を提供するなどの方法も考えられると思います。そこで,福祉用具を岡山県の基幹産業にという,ハートフルビジネスおかやま等,県内にはさまざまな福祉用具関連企業や団体がございますが,それらについての活動内容,開発機器等を,この機にアピールしてはいかがでしょうか。産業労働部長にお伺いいたします。
 第4に,岡山らしさとして,IT国体として,ケーブルテレビはもちろん,インターネットで動画配信が行われますが,全国障害者スポーツ大会におけるIT活用について,国体・障害者スポーツ大会局長にお伺いいたします。具体的には,携帯電話を使ったメール配信や,情報ホームページへのアクセス等,競技参加者や来場者への情報提供として,ITを活用することは考えられないでしょうか。特に,前述の要約筆記については,あるいは携帯電話を通じた情報発信により,即時に情報提供ができると考えますが,いかがお考えでしょうか。
 次に,いわゆるホームレス対策についてお伺いいたします。
 先日,私は,ホームレスの方のお話を伺う機会を得ました。この方は,私と同じ,なぜかしんじさんと名乗る方でございまして,知事公舎が見える旭川の河川敷の橋の下に暮らしておられます。これを書いたときには暮らしておられたんですが,今はいらっしゃらなくなりました。ホームレスの定義はよくわかりませんが,あえて言えば,都市公園,河川,道路,駅舎,その他の施設をゆえなく起居の場所として,日常生活を営んでいる者と言えるかもしれません。見て見ぬふりという言葉がありますが,多くの方々がホームレスの問題については,他人事と決め込み,仮に美観を損なうと考えても,町の風景の一つにあえて落とし込んでしまっています。しかし,一方で,一たびおのれの生活圏に入れば,例えば警察に通報,どこかに追いやることで問題は解決としております。
 実は,ホームレスにかかわる一義的な行政の責任が,国なのか,県なのか,市町村なのかもあいまいであります。確かに,ホームレスの方の中には,手を差し伸べるも何も,自暴自棄で,酒におぼれて人生を投げておられるような方もおられます。が,一方で,何かのきっかけで坂道を転がり落ちるようにして,はい上がれなくなってはいるけれども,どうにかして現状を変えたいと思っている方も多いようであります。アルミなら1キロで80円の缶々を拾い集めて,時には賞味期限切れのコンビニ弁当をちょうだいして生きていくことはできないことはないようでありますが,ある意味でプライドを捨てて,冬を耐えて,病気に耐える暮らしが楽なわけがありません。だれもが,こんなはずではなかったと,心の片隅で思っておられることでしょう。さらに,さまざまな障害をお持ちの方も多いのですが,生活の困窮が,時には犯罪の加害者に走らせることもあれば,逆に社会的弱者として,言われなき暴力の被害者になることもあります。どうあれ,昨今の景気状況や社会情勢を考えれば,ホームレスの方は決して減ることはないんじゃないかと,実はだれもが感じてはいます。都市の問題として,とっくの昔に対策を講じていなければおかしかった話ではないか,私はそのように思います。まずは,橋の下から知事公舎を眺めながら暮らしておられる方がおられるわけでございますが,果たして,知事はいかように,こうしたホームレスの実態を認識されておられるのか,感想を含めてお伺いいたします。
 また,ホームレスの方が犯罪の加害者,または被害者になる実態について,どのように把握されておられるのか,警察本部長にお伺いいたします。
 以下,ホームレス支援策について,提言と質問をさせていただきます。ただ,勘違いしていただきたくないのは,私は,都市公園,河川,道路,駅舎,その他の施設をゆえなく生活の場所として日常生活を営んでいる方の,現在の生活そのものを支援すべきだと,そのようなことを言っているわけではございません。そもそもが,そういう生活自体をしていただきたくない,そのための支援策が必要であると申し上げたいのであります。
 そして,もう一つ,住民票がないからホームレスなのだ,そもそも,そうであれば,岡山県民でもないだろうと,したがって岡山県が支援する必要はさらさらないという意見があるとしたら,まず彼らが憲法25条の生存権が保障された日本国民であること,それに加えて,住民票が岡山県にある岡山県民が,別の町を移動しながらホームレスをして,あるいは御厄介になっている可能性も非常に高いんだということを考えていただきたいと思います。
 思うに,まず必要なのは,いわゆるマトリックス組織を背景にしたホームレス対策に対するワンストップの相談窓口です。彼らが,県庁や市町村役場のどこを尋ねられるでしょう。ホームレスの方の中には,例えば自己破産手続を知らないために,いわゆる法定利息を大きく超えた債務から逃げ,結果として住民票も移せない方も多いと聞きます。ホームレスになった事情は各人さまざまでありますが,早い段階で行政に相談できれば,少なからずの方が窮地を脱することができたかもしれません。特に,こういったマトリックス組織には,警察の関与が重要だと思います。住民からの苦情によって,ホームレスを駆逐するだけではなく,正しく自立支援に導くのも,警察の務めであると思います。この点について,いかが御認識でしょうか。知事並びに県警本部長にお伺いいたします。
 こうした状況の中で,一昨年7月31日に,ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立いたしました。そして,平成15年7月31日に改正された,厚生労働省社会・援護局保護課長通知が出されていますが,これに関連して,以下,保健福祉部長にお伺いいたします。
 この通知では,居住地がないことや稼働能力があることをもって,生活保護の要件に欠けるものではないこととしています。これまでは,居住地がないことで,生活保護が受けられないとされていましたが,適用の実態はいかがなものでしょうか。
 また,通知では,保護開始時において,居宅生活が可能と認められた者,並びに居宅生活を送ることが可能であるとして保護施設等を退所とした者,及び必要な治療を終え医療機関から退院した者については,公営住宅等を活用することにより,居宅において保護を行うこととされていますが,対応はいかにされているのでしょうか。
 また,ホームレスの自立の支援等に関する基本方針では,就労の意欲と能力はあるが,失業状態にあると判断される者については,まず自立支援センターへの入所を検討するとされていますが,岡山県としては,こうした整備を進めていくのでしょうか。さらに,働く意思がありながら,就労機会が少ないために仕事につくことができないホームレスには,職業訓練等を提供することも検討する必要がありますが,いかがお考えでしょうか。
 以下,保健福祉部長にお伺いいたします。
 ただ,本当に重要なのは,大変簡単なことでございます。要は,彼らがせめてシャワーを浴びることができればそれでいいということで,そこからがすべてが始まるということでございます。そして,来年のおかやま国体の年には,どこを探しても岡山にはホームレスの方がいない。なぜならば,彼らは自立して,さらにはボランティアとして社会貢献をしているからである,そんな夢を描きたいと思います。
 次に,治安対策として,落書きと暴走族対策について伺います。
 ほかに,光害なども規制しておりますけれども,落書き防止条例であるかのような,岡山県快適な環境の確保に関する条例が施行され,丸2年たちました。条例に合わせるように,我が平和町北部町内会の地域住民を中心に結成した落書き調査隊も3年目に突入いたしました。近ごろでは,町中に落書きがあると,「落書き調査隊は何をやっているんだ」と,なぜか怒られているという,ちょっとそれは違うんではないかということになっております。ただ,本当に多くの方々の手で,確実に落書きは減ってきたと思います。最も落書き消去は,一般のボランティアと異なり,事前の調査,修復許可取りの作業が極めて煩雑で,さらには膨大な資料が必要なため,その分,落書き調査隊は,落書き消去貧乏という状態に陥っております。一方で,NPOの創意工夫もあり,新しい啓発キャラクター「ケセルンジャー」,「森の番人マモルンジャー」に対抗して,「ケセルンジャー」も登場しておりまして,大変盛り上がっております。そもそも,我々がこの落書きをみんなで消そうと思い立ったのは,今は無き近所の寿司屋さんの壁に,大きな男性器の落書きがされたからであります。この状態に辛抱がたまらん状態になったからでございます。そこから,燎原の火のごとく広がった落書き一斉消去活動は,NHK「難問解決!ご近所の底力」で,岡山方式として紹介され,このたび番組の本も出まして,再び紹介されております。ちょっと宣伝のようでございますが。
 この一連の動きの中で我々が学んだのは,小さな犯罪こそが大きな犯罪を引き起こす引き金になる。だからこそ,どんなに小さい犯罪も厳重に対処しなくてはいけないという,文字どおり,ニューヨークのジュリアーノ元市長が思い切った犯罪抑止策を打ち出して,治安が回復した根拠となった,割れ窓理論でした。そして,落書き消去活動は,環境対策ではなくて,むしろ安全な町づくり施策であると認識するに至りました。さらには,子供や若者たちが,「自分たちの町は自分たちで守る」という意識が急速に高まって,また,この問題を通して,町が結束していく,地域が,行政が,警察が,消防が連携していくさまは感動的ですらありました。落書き犯罪対策活動には,地域防犯と自治能力の再構築,青少年の健全育成という,複合的価値が含まれており,総合的まちづくり活動になり得ると位置づけられますが,県下におけるこれまでの落書き消去活動について,知事の御感想をお聞かせください。
 滋賀県は,こうした考えから,緊急雇用創出特別対策事業として,都道府県で初めて,「なくそう犯罪」安全なまちづくり落書き消し隊派遣事業を展開していますが,落書き消去先進県岡山としては,マニュアル作成,補助金制度の見直し,さらには私有物への落書き犯に原状回復義務を課す等,次の施策に移行すべき時期が来ていると考えますが,いかがお考えでしょうか,生活環境部長にお伺いいたします。
 次に,前述の割れ窓理論に関しまして,県警本部長にどのような認識をお持ちなのか,伺います。
 以下,県警本部長にお伺いいたします。
 特に,私は,落書きと並んで,目の前で明らかな違反行為をしている暴走族が,町中を走り回ること自体が,次なる犯罪を助長させて,同時に公正さを欠くのではないかと,警察に対する信頼を失墜させる最たるものであると思います。ゆえに,どうあれ,暴走族は撲滅させる必要があると思います。もちろん,大変な御努力で,暴走族を壊滅させておられることも存じ上げております。地域住民としましては,確かに暴走族は減ってきている,そのことについては本当に感謝申し上げます。ただ,次から次へと新しい世代が出てきて,終わりがないようですらあります。国体の年に,もし暴走族が走り回れば,冗談抜きで,他県から来て宿泊している選手を寝させない作戦なのかと言われかねない,そんな状況ですらあります。
 特に,暴走族対策について,岡山西署の所管と岡山東署の所管の間である桃太郎大通りの西川橋交番の前を,暴走族がUターンして通りを旋回しても,夜に田町交番に皆さん終結されておられますので,交番に行っても警察の方はおられない,110番通報しても,通報してる間に,いろいろ聞かれるわけですけど,その間に暴走族がいなくなってしまう。そして,彼らが高島屋の裏の筋に抜けるのがわかっているのだけれども,そこが防げない。そこに,地域住民のフラストレーションが大変たまってきておるわけであります。
 まずは,せめて交番の所在を示す看板を大通りには幾つも掲げられないでしょうか。警察署の所管にかかわらず,例えば右折500メートルに〇〇交番,直進300メートルに〇〇交番と,このように表示しておれば,それだけで暴走族への威圧,さらには犯罪抑止効果があると考えます。
 また,路上等の公共空間で発生する犯罪の未然防止対策の一環として,岡山西警察署管内に,街頭緊急通報システム,いわゆるスーパー防犯灯12基を設置していますが,通報者や通報場所周辺の映像も送信されるのであれば,桃太郎大通り等の暴走族対策にこれを使うことはできないでしょうか。とりわけ,暴走族の集団暴走が暴走の確認だけで罰則の対象となる改正道交法が,6月3日衆議院本会議で可決,成立いたしましたが,映像が映れば,まさにこれは現行犯にならないのか,この法律の実効ある運用にかける意気込みとあわせて,警察本部長に伺います。
 この改正道路交通法に関連して,駐車違反対応の取り締まり事務が民間委託できる制度が新設されましたが,民間に委託する違法駐車取り締まりの基本となるガイドラインや業者の選定基準づくりはどのようになされていくのでしょうか。特に,私は,日中の駐車違反取り締まり以上に,夜間の繁華街での駐車違反取り締まりの強化,それこそ地域住民は願っているわけでございますが,この部分についてこそ,警察が引き続き行うべきだと考えますが,警察本部長の御所見をお聞かせください。
 また,突拍子もない話かもしれませんが,シートベルト着用違反やスピード違反取り締まりなどについても,必ずしも,もう警察が行う必要はないのではないかと考えますが,警察本部長の御所見をお聞かせください。
 これに関連しまして,非常によく県民の方から御意見をいただくんでございますが,交通違反をすることを前提にした待ち伏せ的な交通取り締まりが,果たして本当に交通安全の役に立っているのか,また,ひょっとしたら警察にも,取り締まり件数に対する何かノルマか何かがあるんじゃないかという極めて素朴な質問を非常によくいただくのでございます。いろんな方が,ほかにもっとやってほしいことがあるというふうな言い方をされるわけでございますが,この機に,警察本部長の御所見をお伺いいたします。
 さらに,暴走車両も含めて,夜間の商店街への駐車が後を絶ちませんが,現行法上ではなかなか取り締まることができないと伺っています。商店街の皆さんや通行人に,大変な不安と不信を与えている状況であり,厳然たる対応が必要であると考えますが,警察本部長の御所見をお聞かせください。警察本部長には大変厳しい質問になっているのかもしれませんが,私,警察を大変信頼申し上げておるからこそ,させていただいとる質問でございますので,その点を含めて,よろしく御答弁をお願いいたします。
 私の質問は以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 第5回全国障害者スポーツ大会についてでございます。
 県大会での課題についてでございますが,施設が備前から桃太郎スタジアムにかわったということで,そのふなれやスタッフ不足によりまして,駐車場の混乱や,また当日はあいにく雨天となったため,その雨天時の対応など,幾つかの課題が浮かび上がったと,このように考えております。私も当日駆けつけましたけれども,その直前でかなり渋滞をしておったということでございまして,私も体験をしたものでございます。
 全国障害者スポーツ大会におきましては,今回のそういった課題というものも十分踏まえた実施体制の構築,あるいは関係者間の緊密な連携を図っていかなければならないと考えております。また,競技役員やボランティアの養成を着実に進めるなど,キラリと輝く大会の実現に向けまして,万全を期することといたしたいと存じます。
 次に,ホームレス対策でございます。
 橋の下から知事公舎を見ている方がおられるとは,私も初めて今承知をしたわけでございますが,ホームレスの実態認識と感想ということでございますが,昨年の国の調査によりますれば,全国で約2万5,000人,本県で65人のホームレスが確認をされたところでございますが,そのうち,岡山市で38人,倉敷市で15人となっておりまして,両市合わせて県内の81.6%を占めている状況にございます。私といたしましては,こうした方々が,みずからの意思で安定した生活を営むことができますようになることが望ましいと思っております。
 ワンストップの相談窓口についてでございますが,マトリックス組織というお話はございましたけれども,ホームレス対策というものは,やはり地域に根差した,きめ細やかな施策というものが必要であると,このように考えておりまして,まずは市町村の取り組みというものを踏まえながら,警察も含めまして,関係機関等が相互に連携をいたしました相談及び支援の体制を確立することが必要であると考えております。
 次に,落書き消去活動に対する感想についてでございますが,平成13年12月,全国に先駆けまして,快適な環境の確保に関する条例を制定し,これを契機に,県内各地で多くの取り組みが進められているところでございまして,大変心強く思っているところであります。私自身も,この消去活動に参加をいたしまして,落書きに対する参加者の熱い思いを感じながら,私みずからも汗を流して取り組んだところでございます。このことは,新聞のリレーエッセイで,私もみずから記したところでございます。それから,議員御指摘の「難問解決!ご近所の底力」につきましても,その放映を拝見させていただきまして,岡山市の事例が報道されているということで,大変誇りに思ったものでございます。
 新たな落書きは,こういったような活動もありまして,減少傾向にあると考えているところでございますが,来年の「晴れの国おかやま国体」,そして「輝いて!おかやま大会」,この開催を控えまして,県内各地で落書きのない快適な環境づくりが,さらに一層展開されることを期待をしているところでございます。私自身も,今後機会がありますれば,落書き消去活動に一緒に参加して,参加者を激励させていただければと,このように願っております。
 以上でございます。


(国体・障害者スポーツ大会局長)  お答えいたします。
 全国障害者スポーツ大会についてのうちの,ボランティアの養成方針等についてでございますが,御指摘の要約筆記ボランティアにつきましては,現在80人余り不足しておりまして,引き続き関係団体を通じて養成を行うとともに,経験のない方へも,講習への参加を呼びかけるなど,必要数の確保に努めてまいります。
 また,競技に携わる専門ボランティアに対しましては,要約筆記などに加え,実施競技に係る専門知識についても,関係団体の協力を得て,十分な講習に努めてまいりたいと考えております。
 なお,近く数千人規模で公募いたします一般ボランティアにつきましては,十分な広報を行うとともに,現在活動している国体ボランティアグループに対しましても積極的に参加を呼びかけ,必要数を確保してまいりたいと考えております。
 次に,リハーサルの必要性についてでございますが,来年5月のリハーサル大会では,選手の招集,誘導から表彰までの競技運営を中心に,ユニバーサルデザインの考え方に基づいて,大型映像装置への要約筆記の表示やボランティアの配置など,本大会を想定した検証を行うこととしております。この検証結果に基づき,先催県の事例も参考としながら,本大会の成功に向けて,必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 最後に,ITの活用についてでございますが,大会参加者や来場者の便宜を図るため,競技記録や公共交通機関の情報などを見ることができるように,大会期間中は,携帯電話でアクセスできる情報ホームページを開設したいと考えております。
 なお,携帯電話による要約筆記につきましては,大型映像装置への文字表示を行うこととしておりまして,また,さらに,手話通訳,要約筆記者を配置することにより,情報保障は十分できると考えております。
 以上でございます。


(生活環境部長)  お答え申し上げます。
 落書き対策の次の施策についてでございますが,快適な環境の確保に関する条例の施行以来,県では,落書き防止活動推進員による地域巡視や民間ボランティア団体等による消去活動への補助等を行っているところでございます。今後とも,落書きのない快適な環境を確保するため,普及・啓発活動の強化を初め,推進員の増員による巡視活動等の充実に努めるとともに,落書き消去マニュアルや補助制度の効果的な運用等についても検討し,落書き対策の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。
 以上であります。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 ホームレスへの生活保護の適用の実態についてでございますが,居住地がない場合や稼働能力がある場合であっても,本人の意思や能力を確認した上で,生活保護を適用しているところでございます。昨年度中に適用を受けましたホームレスの延べ数は,医療機関への入院が42人,保護施設への入所が1人,居宅の確保が13人でございまして,入院された方のうち,14人は退院後,居宅へ移行したと認識しているところでございます。
 居宅における保護につきましては,住宅情報の提供や家賃及び敷金の支給を行いますとともに,再びホームレスとならないよう,自立を総合的に支援しているところでございます。
 次に,自立の支援についてでございますが,お話の自立支援センターに関しましては,現在の国の設置基準の要件や,本県のホームレス数を勘案した上で,現在のところ整備は検討していないところでございます。しかし,就業による自立の意思があるホームレスにつきましては,ハローワークを通じまして,県立高等技術専門校におきまして,職業訓練の提供が可能であり,国や市町村と連携を図りながら,必要な支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。


(産業労働部長)  お答えします。
 全国障害者スポーツ大会におきましての,ハートフルビジネスおかやま等のアピールについてでございますが,全国障害者スポーツ大会の会場に設けられます,ふれあい広場に,県内で開発されました福祉用具を展示し,県内外からの来場者に,実際に試していただいたり,ハートフルビジネスおかやまを初め,関係団体等の活動を広く紹介することにつきましては,本県のすぐれた福祉用具産業などを全国に情報発信する絶好の機会と考えております。このため,御提案の趣旨を踏まえまして,具体的に検討を進めてまいりたいと存じております。
 以上でございます。


(警察本部長)  お答えいたします。
 まず,ホームレスの方が犯罪の加害者,または被害者になる実態についてであります。県警察ではホームレスという用語は使用しておらず,統計上,一定の住居・職業を有しないで諸所を徘徊している者の実態を申し上げますが,加害者として,県下で平成15年中,窃盗や詐欺などで134人,平成16年は5月末までに61人を検挙しております。
 また,被害者としては,平成15年中1人,平成16年中は5月末までに1人を,いずれも傷害の被害で認知しております。
 次に,ワンストップ相談窓口等のホームレス対策についてであります。この問題につきましては,基本的には,関係行政機関等による総合的な対策が講じられなければ解決しない問題であると認識しております。県警察といたしましては,関係機関等との緊密な連携のもとに,地域安全運動,指導・取り締まり,保護活動,警察安全相談等の諸活動を通じて,ホームレスの自立支援等に関する施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に,割れ窓理論についてであります。県警察では,昨年に引き続き,各種の街頭犯罪等抑止対策を推進し,安全・安心まちづくりに取り組んでおるところでございますが,その対策の根底にあるのは,まさに割れ窓理論の考えでありまして,基本的に正しい理論であると認識しております。そこで,最近の暴走行為については,単独あるいは少数での爆音暴走が多くなっておりますが,この状態を放置しておけば,やがて大規模な集団暴走や,犯罪集団化へと発展する可能性があることから,これら単独暴走行為であっても決して看過することなく,徹底した取り締まりや少年補導を推進しているところでございます。
 次に,暴走族対策等,改正道路交通法等についてであります。今月3日に可決成立した改正道路交通法では,集団暴走行為があれば,迷惑を被ったり,危険な目に遭った人がいなくても検挙可能となりますことから,同法施行後は暴走行為の採証方法や捕捉方法等の取り締まり手法に創意工夫を加え,暴走族に対する取り締まりを一層強化し,暴走族の根絶を期してまいりたいと考えております。
 なお,交番の所在を示す案内板の増設につきましては,県民の皆様の利便となるなどの利点はございますが,暴走族対策上の効果としてはどの程度あるのか,判然としない面もありまして,現在のところ案内板の増設は考えてはおりません。
 また,暴走族対策としてのスーパー防犯灯の有効活用につきましては,今後十分検討させていただきたいと考えております。
 次に,駐車違反取り締まりの民間委託についてであります。今国会で可決成立いたしました改正道路交通法によりまして,違法駐車対策として,放置車両の確認事務などについて,民間委託ができることとなりました。御指摘の取り締まりのガイドラインや,業者の選定基準策定につきましては,今後,相当綿密に検討していく必要があると考えております。約2年後の施行に間に合いますよう,今後,地域ごとの実態を踏まえながら,十分時間をかけて諸準備を進めてまいることとしておりますので,御理解を賜りたいと思います。
 また,夜間の繁華街における違法駐車の取り締まりについてでありますが,仮に,民間委託をした場合でありましても,警察官,交通巡視員による指導取り締まりは可能でありますので,今後とも指導取り締まりを継続強化してまいりたいと考えております。
 次に,シートベルト着用違反の取り締まり等の民間委託についてであります。シートベルト着用義務違反や速度違反は,動的な違反形態でありますことから,車両の駐車という,違反の確認が比較的容易な静的違反と異なりまして,採証のための特別の装備資器材を必要とし,同時に,取り締まりに危険を伴うものであります。したがいまして,これらの違反取り締まりの民間委託には,慎重な判断を要すると考えております。いずれにいたしましても,道路交通法の改正が必要でございますので,今後,国会等,国のレベルでの議論を待ちたいと考えております。
 次に,交通違反の取り締まりについてであります。待ち伏せ的な交通指導取り締まりや,ノルマがあるのではないかとのお尋ねでありますが,限られた警察官等ではすべての違反に対応できないことから,ドライバーに常時遵法意識を持ってもらえるような取り締まり手法も必要であると考えております。安全な交通社会を実現するためにも,交通指導取り締まりは,極めて重要かつ効果的な施策であると確信しております。
 また,ノルマについてでありますが,警察官等に取り締まり件数を定め,達成しない場合にはペナルティーを課すというようなものはございません。しかしながら,交通事故が多発する場合に,目標を掲げて取り締まりを強化するなど,交通事故の発生状況に応じた取り締まり管理は,当然必要と考えております。
 最後に,夜間のアーケードのある商店街における駐車についてでありますが,通行禁止違反の取り締まりを強化するとともに,商店街の皆様の要望を踏まえながら,駐車禁止規制を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(佐藤)  要望だけさせていただきます。
 警察本部長の,もうこれは公式見解でございますので,それについて,とやかく申し上げても何も変わらないとは思いますが,しかしながら,県民の皆さんが感じておられる,要は公正であるかどうかという判断というのがあると思いますので,その部分について,県民の皆さんが警察の取り締まりはすべて公正である,そして,それは内部に対してもそうでありますけれども,そういったことを思っていただけるような取り締まりを,ぜひ進めていただきたいと思います。
 いずれにしましても,きょうさせていただいた質問,落書きにしても,ホームレスにしても,暴走族にしても,すべて治安の問題でございます。ホームレスの問題,特にどこが所管かわからないということは,私も申し上げましたけれども,埼玉県では,ホームレスを救うための,というよりも自立させるための基本計画を,こういったマトリックス組織でつくっております。そういった面では,行政と,また市民,県民が一丸となって,警察も一丸となって,公安を守っていくんだという姿勢をつくっていくことが大切だと思いますし,そこにはやはり,警察の公正な姿を見せていただきたい,そのように心からお願いして,要望とさせていただきます。まことにありがとうございます。

Copyright (c) 2004 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp