平成16年2月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 出資・出捐団体への補助金交付について
                         (総務)[ 知  事 ]
2 観光振興及び文化振興について
 (1)施策の連関            商労協力(生環)[ 知  事 ]
 (2)後楽園
  ア 知事の思い                (土木)[ 知  事 ]
  イ 歩いて頂くための戦略       商労協力(土木)[ 知  事 ]
  ウ 出石町整備計画              (企振)[ 知  事 ]
 (3)「桃太郎情報センター」          (商労)[ 知  事 ]
3 交通政策について
 (1)公共交通への転換と体系的な交通政策
                         (生環)[ 知  事 ]
 (2)交通環境アセスメント           (生環)[ 知  事 ]
 (3)吉備線等のLRT化        土木協力(生環)[ 知  事 ]
 (4)県道岡山吉井線の渋滞対          (土木)[ 土木部長 ]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。
 本日最後の質問でございます。いましばらくのおつき合いをよろしくお願いいたします。
 さて,知事は,県庁舎と議会棟の間の中庭の池に,なぜか数年前から外来魚のブラックバスがすんでいるのを御存じでしょうか。そもそもあの池では,昔アシカが飼われていたといううわさもありますが,このブラックバス,一説によりますと,相生橋のたもとの噴水に数尾放されていたらしいのですが,引っ越しをした後,なぜか今は1匹だけでございます。これがまた,実にナイフのような形をしておりまして,あえて言えば,ヒラメが縦に泳いでいるぐらいにやせ細っております。最近ちょっと血色がよいんですけども。えさをやっている人間がいるとも思えず,多分何かが,お池にはまってさあ大変という状態になるのを待ち続け,この冬も見事に乗り切りました。私は,肥え太った自分の姿を水面に映しながら,このブラックバスをのぞき込むたびに,逼迫する岡山県財政とこの魚の姿がダブって見えて仕方ありません。しかし,その余りに痛々しい姿にかかわらず,いやあえて今回はそれを見ずに,お金と時間がかかる提言をさせていただきます。お金がないのも行革の必要性も,もう十分ようわかっておるんですけれども,どうか「財政的に無理」と,その一言をもって答弁のすべてが終わらないようお願い申し上げます。
 まず,県の出資・出捐団体への補助金交付についてお伺いいたします。
 第3次行財政改革大綱では,見直しの対象を県庁の本庁・出先機関のみならず,61の外郭団体や県出資・出捐法人にも広げていますが,私は,外郭団体以外の出資・出捐団体への補助金については,格別の配慮が必要ではないか,そのように考えます。一般的に補助金の交付を受けている各種団体は,国の施策を含めて専門的に動いている団体もありますが,それでも県の今の財政状況を認識されて,補助事業費の削減については快く協力しよう,そういった意思はお持ちであろうと思います。しかしながら,県の職員の方々の給与削減については,知事は深夜まで交渉されたといいますが,こういった団体に対しては課長名の事務連絡で,時には人員削減を意味する補助金削減が示され,現場が混乱しているケースがございます。
 私は,専門分野であるからこそ,オープンの場で議論され,民主的な手続を経た上で相手の理解を得る必要があると考えます。地方交付税の削減の中で,我が県はもがき苦しんでいるわけですが,岡山県が行う出資・出捐団体への補助金の削減の考え方,さらに,いかに相手方の御理解をいただくかについて,知事のお考えをお知らせください。
 次に,観光振興及び文化振興の観点から知事にお伺いいたします。
 幾つかは平成11年9月定例会でも伺いましたが,来年「晴れの国おかやま国体」が開催され,県外からのお客様に岡山の文化に触れていただく絶好のチャンスであることはもちろん,そのときとかなり前提が変わってきていると思います。今,県都岡山市の中心部は大きく動いています。再開発によるマンション建設計画はメジロ押しで,特にJR岡山駅西口方面は,平成17年のおかやま国体に向けて,まさに大きく生まれ変わろうとしています。そして,2009年に本当に「ザ ハヤシバラ シティ」ができるのであれば,中心市街地の地図が大きく塗りかえられます。
 しかし,私は,あくまで既存のインフラを生かした2つの核があり,それをうまくつなぐこと,それが街づくりの観点から極めて重要であると考えます。そうした中,私は今まで以上に,岡山カルチャーゾーンと称される文化ゾーンの意味が重要になると思います。そして,地域の方々が本当に不安に思っておられるように,もしここで方向を誤れば街が死んでしまう,そんな危機的状況である,県としてもそういう認識が必要なのではないかと思います。
 私は,JR岡山駅から1キロメートルも行けば,すばらしい文化ゾーンが広がることを実感します。文化ゾーンの中心と思われる後楽園周辺には,岡山城,県立美術館,県立総合文化センター,市立オリエント美術館,シンフォニーホール,市民会館,林原美術館,県立博物館,夢二郷土美術館等々があり,さらに今秋からは県立図書館,再来年度からは旧日銀跡地,直径1キロメートル以内に10を超える核になる文化施設が集まっていて,さらにミニシアターや民間のギャラリーを加えれば,全国的にも間違いなくこれだけの文化ゾーンはない,そのように思います。我々がどれだけ歴史と伝統に誇りを持ち,何よりさまざまな資源をうまくつなぐことができるか,こうした文化をルートにする,そのことが肝要だと思います。
 私は,ブームに便乗するのではなく,岡山の高い文化性は常に観光の対象たり得る,すなわち文化立県は観光立県とある意味イコールだと考えますが,文化振興施策と観光施策の連関について,知事の哲学を御教示ください。
 ところで,現在,例えば,後楽園は観光バスで訪ねても,恐らく1時間後に集合する,そんな観光地になっていると思います。私は,これが県外の観光地であれば,後楽園を中心に11時に解散,2時に集合の自由行動になって,その間にしっかりと文化ゾーンを周遊していただいて,しっかりと岡山の名物のサワラとママカリと祭りずしとそれから吉備だんご等々を食べていただき,しっかりとお土産を買っていただく。そして,一日いてもまだ時間が足りない,そんな文化,観光の宝庫であると思います。なぜ,それができていないのでしょうか。
 午前中はチボリ公園に関する質問がございましたが,特に後楽園の問題であります。日本三名園の一つながら,昨年度の入園者は66万人,築庭300年のときに入園者99万9,000人,定着したイベントも多いのですが,わずか3年で3分の2まで入園者が減りました。同じ三名園の兼六園の昨年度の入園者は,後楽園の3倍の193万5,660人,水戸の偕楽園は158万3,390人,何が問題なのでしょうか。私は,まさに後楽園は周辺施設との回遊性に問題がある,そのように考えています。
 入園者が減れば,一般会計からの持ち出しもふえ,ここでそれも削減しなくてはいけないという状況であるわけですが,昨今では,知事の口からも後楽園という言葉が余り聞かれなくなりました。文化・観光資源としての後楽園に,知事は今どのような思いを持っておられるのでしょうか。
 ところで,後楽園を訪れる県内外の観光客は,新鶴見橋から蓬莱橋を渡って,あるいは鶴見橋を渡って駐車場で下車して,園内を見物した後,バスまたはマイカーで次の目的地に向かっています。一方で,後楽園に通じる鶴見橋のたもとにある出石地区は,観光客相手に栄えた時期もありましたが,今は空き家が目立ち,昔の面影は少しなくなってきております。普通の観光地であれば,周辺地域が,地域住民の方が観光で食べている,そんな状況であってもおかしくはないと思います。平成3年9月定例会で当時の長野知事は,「後楽園周辺が廃れた原因の一つというのは,私に言わせますと,はっきり申し上げると,後楽園のわきに駐車場をつくったことにあると思っております」とおっしゃられています。
 私は,こういった財政状況でありますけれども,本格的な岡山県観光物産館と観光バスの集積する場を別に設けて,今度新設される鶴見橋歩道橋を観光客の皆様には歩いていただく,そういった戦略が必要であると考えますが,これについての知事の見解をお知らせください。
 そしてまさに,残念ながら築庭300年の年でありましたが,後楽園の門前町としての出石町を復活させるという整備計画がいきなり白紙撤回されてしまいました。今むしろ私は,白紙撤回の撤回が必要であると思います。知事の御所見をお聞かせください。
 ところで,岡山の文化・観光の象徴は,何といっても桃太郎でございます。ちなみに,桃太郎伝説の発祥の地は,北海道から宮崎まで全国20カ所以上あると言われますが,特に,桃太郎三大生誕地と言われているのが,愛知県犬山市,香川県高松市,岡山県岡山市でございます。木曽川をさかのぼること60キロ,その名を桃太郎のお供をした犬にちなんでいるのが愛知県犬山市,市内には桃太郎神社があって,鬼のミイラも保存されています。また,香川県高松市には,桃太郎神社はもちろん,犬,猿,キジの墓があり,系図を持った桃太郎の36代目の子孫までいらっしゃるということでございます。しかし,桃太郎伝説の本拠地として自他ともに認められているのは,我が岡山でございます。にもかかわらず,他府県に対して我が県は,桃太郎の本拠地としての義務を真摯に果たしているでしょうか。私は,絵本,フィルム,絵画,史料など,全国に散在する桃太郎に関する情報を集積した「桃太郎情報センター」を文化ゾーン内につくり,ある意味これでもかとあきれるほど桃太郎を氾濫させて,観光客に向けて桃太郎グッズを売りまくって,岡山に行ったら夢にまで桃太郎が出てくるといったような,桃太郎伝説発祥の地・岡山を世界に向け発信すべきだと考えますが,知事の御所見をお知らせください。
 さて,ここからがちょっと時間とお金のかかる話でございますが,昨年のこの時期,JR西日本が赤字ローカル線である岡山の吉備線及び富山の富山港線をLRT化する検討を始めたとのニュースは,世間をあっと言わせました。具体的なイメージは,吉備線の線路を軌道にかえて,路面電車を走らせて,数百メートル間隔で駅を設けて,1時間に一,二本の列車本数を15分に1本程度にふやそうというものでございます。
 物理的には,実は路面電車はJRと同一軌道幅ですから,JR線を走ってきて,郊外から市内に直接乗り入れすることができます。停車駅もふやせますから利便性が向上しますし,保守・整備などの面では,鉄道に比べても維持費が2分の1と,コストの抑制ができます。JRが鉄道を路面電車化したという前例はございませんけれども,国土交通省は,ローカル線を活性化する試みとして評価できると,前向きに受けとめているようではあります。特に,吉備線はこの秋に100周年を迎えるわけですが,次の100年を考えたときに,ある意味で転換期に来ている,そのように思います。
 ところで,ここで言うLRT(ライト・レール・トランジット)とは,路面電車を中心とする新しい都市交通システムの総称で,LRT化に当たっては,新型車両,特に低床車のバリアフリーに考慮した車両が導入されることが非常に多く,要は,現在岡山市内を走っておる路面電車「MOMO」が,公共交通機関の基幹となって,都市を,郊外を走り回っている,そういったイメージでございます。
 ちなみに,2月17日には,超党派で国会のLRT推進議員連盟が発足して,LRTを今後20年で全国に3,000キロ建設すると9兆円の投資にもなる,そのような試算も示されています。何より,LRTは時代の趨勢として,1978年以降に世界各地で導入され,昨年末で約70都市,今年末には80都市近くで建設されます。
 しかし,言うまでもなく,LRT化の最大の課題は,コストと実現後の経営主体の問題です。これは,確かになかなか頭が痛い問題で,特に電化がまだ実現されていない吉備線では,今言っているのは2段跳びのような話にもなるわけでございますし,JRにしてみれば,ローカル線切り離しという側面もあるかもしれません。軌道法の事業特許の関係では,第三セクターの設立も必要になってくるかもしれません。それでも,自動車交通から,あるいはパーク・アンド・ライドで公共交通機関へ利用のシフトを考えるLRT化の検討化をすべき時期にも来ているとも考えます。
 まずは,こうした自動車交通からLRTを含めた公共交通全般へのシフトについての知事の御所見をお伺いいたします。
 加えて,公共交通機関,とりわけバスについては,いわゆる自由化の中で,今行政サイドでそれを指導するということにはなってはいないと思いますが,先日ある市民団体が,公共交通機関の乗り継ぎ調査を行ったところ,方面別の再編成や,あるいは公共交通機関間での連携等,さまざまな問題があるとのことでございました。私は,道路の整備のみが交通対策ではなく,自動車交通と公共交通機関を絡めた体系的な交通政策を,行政や業界,何より利用者である市民を交えて考える必要があると思いますが,いかがお考えでしょうか。
 また,交通政策には,社会的な費用や便益評価,端的には制度的,法的に,いわば交通環境アセスメントを位置づける必要もあると考えますが,いかがでしょうか。
 ところで,現在,山陽自動車道をあたかも国道180号バイパスのように利用していただくべく,総社インターチェンジから岡山インターチェンジを200円にする社会実験が予想の倍の利用があって,大好評につき延長して行われているわけでございますが,それだけこの180号バイパスの建設の要望が強いということだと私は認識しております。
 ただ,当面は,沿線の宅地化が進めば進むほど,180号の渋滞は必至でございます。願わくば,吉備線の利便性が上がることで,通行する自動車の総量を減らせないか,そういう要請がございます。加えて,180号と交差する外環状や中環状道路の整備とLRT化がある意味密接に関係しています。こうした中,先ほど申し上げた吉備線のLRT化をどのように評価されるのでしょうか,知事にお伺いいたします。
 さらに,LRT化は,県道岡山吉井線が併行するJR津山線にも当てはまる問題だと考えます。例えば,LRTが牧山,さらに金川まで延びれば,結果として53号バイパスに乗る車が減って,53号の渋滞緩和にもつながります。こうしたJR津山線のLRT化については,いかがお考えでしょうか。
 関連して,県道岡山吉井線の渋滞対策についてお伺いいたします。旭川沿いの拡幅工事が進んでも,宿から南,岡山市内中心部に向かう三野や北方界隈については4車線化が進んでいないため,今以上に渋滞が発生するのではないかと危惧します。だからこそ,私は津山線を生かさなくてはいけないと思うのですが,そのためには,玉柏あたりでパーク・アンド・ライドをすることも重要だと思います。県道岡山吉井線の道路整備の方針を含めて,渋滞対策についてどのようにお考えなのか,土木部長にお伺いいたします。
 最後に,昨年5月,施設管理者に受動喫煙の防止を義務づけて法制化した健康増進法が施行され,県は昨年8月から禁煙・完全分煙実施施設認定事業を開始して,この1月5日に岡山県庁舎本館,西館,南館を完全分煙施設として認定しています。庁舎内を,禁煙ではなく完全分煙化としていることは,私は非常に好ましいことだと思います。ただ,県民の皆様が集まられる1階のロビーも,正面玄関わきまで出ないとたばこが吸えなくなり,庁舎の3階は,渡り廊下バルコニーが喫煙場所で,通行者や他施設から丸見えの中,建設中の県立図書館と烏城を見ながら一服されているということで,県民の皆様から見て,ちょっと格好がよい風景じゃないなあというふうに思います。何より,職員の方々はまだしも,県民の皆様が,何で,特に冬は,庁舎外で喫煙しないといけないのか,これはちょっと失礼じゃないかなというふうに思います。
 岡山県の昨年度の地方たばこ税収入は,約38億円でございます。全面禁煙ではなくて,完全分煙の社会を目指す施策を図っていく上でも,何か喫煙者はもう閉め出してしまうんだと,そういった印象を与えるのは私は好ましくないと思います。嫌煙家の方はもちろんですが,愛煙家の方にとっても利用しやすい,共存共栄型の県庁舎であるべきではないでしょうか。
 これについては,県民すべての方にとっての快適利用の観点からも善処していただくことを,これは強く要望させていただいて,さらには中庭の池のブラックバスの御健勝を祈りながら,質問を終わらせていただきます。まことにありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問に順次お答えいたします。
 幾つか県の財政状況にやはり関連する質問もございましたんですけれども,順次お答え申し上げていきたいと思いますが,まず最初に,出資・出捐団体への補助金交付についてのお尋ねをいただきましたが,第3次行財政改革大綱におきまして,外郭団体以外の出資・出捐法人につきましても,出資等の必要性や県との関係のあり方について見直しを行うことといたしております。
 来年度の予算編成に当たりましては,極めて厳しい県の財政状況を踏まえまして,徹底した歳出の見直しを行ったところでございまして,出資・出捐団体などに対します補助金につきましても,各団体に対し,県の取り組みを御説明いたしますとともに,各団体の御理解をいただきながら見直しを進めてきたところであります。今後とも,県の財政状況や見直しの必要性について関係団体へ十分御説明をし,御理解をいただきながら,補助金の見直しを進めていくことといたしたいと存じます。
 次に,文化振興施策と観光施策の連関でありますが,本県には県下各地に特色ある文化が根づいておりまして,吉備路を初め,後楽園あるいは県立美術館,また備中神楽や倉敷,津山の音楽祭などに,県民を初め多くの方々が訪れているところであります。
 このように,すぐれた文化は最大の観光資源となっているところでありまして,個性豊かな地域の文化を守り育てることは,人々の地域への誇り,あるいは愛着心をはぐくむとともに,観光客を引きつけるものにもなるものと存じます。
 今年度から,知事部局におきまして文化振興施策を所掌することとしているところでありますが,観光施策,地域振興施策等との円滑な連携のもとに,文化を地域のブランドといたしまして,さらに活用してまいりたいと存じます。
 後楽園への思いでありますが,日本三名園の一つであります後楽園は,延養亭などの建物を中心といたしまして,旭川の清らかな水を引き入れた曲水や池,築山や芝生などを優雅に配置をいたしました,江戸時代を代表する大名庭園でありまして,郷土岡山が世界に誇る貴重な歴史的文化遺産と考えております。
 また同時に,都市生活にゆとりと潤いをもたらす緑豊かな空間といたしまして,今日まで多くの県民に親しまれてきたところでございまして,後楽園の文化的な価値の保存,継承を図りながら,また同時に多くの方々に訪れていただきたい,このように思っております。
 このため,後楽園の持つ独自の美しさや価値を再認識していただけるように,伝統的文化的行事を実施いたしますとともに,300年祭で好評を得ました幻想庭園等のイベントを今後とも実施して,後楽園が持っております魅力を,あらゆる機会をとらえながら,広く国内外へ情報発信してまいりたいと,このように存じます。
 歩いていただくための戦略でありますが,本格的な観光物産館等の御提案をいただきましたが,これにつきましては,平成3年にシンフォニービル内に「岡山県観光物産センター」が整備されておりまして,御案内のとおり,観光客への情報提供や県産品の販売促進の拠点といたしまして定着をしているところでございます。現在地におきまして,より一層の利用促進を図ってまいりたいと考えております。
 また,後楽園と出石町周辺を散策する観光客等の安全性を確保するために,現在,鶴見橋の歩道橋を整備しているところでございまして,近々供用開始できる見込みでございます。
 今後は,この歩道橋を有効に活用いたしまして,多くの観光客等に散策をしていただけるように,周遊コースの設定等,カルチャーゾーンの魅力アップに努めてまいりたいと存じます。
 出石町の整備計画でありますが,出石町で計画されておりました後楽園周辺整備事業につきましては,御存じのとおり平成12年末の事業評価委員会におきまして,一定の意義は認めつつも,事業の緊急性や計画の熟度が低く,さらに県事業といたしましての役割分担などに再考を要するとの意見が出されまして,それらを踏まえまして,県が主体となって行う事業といたしましては,白紙撤回としたところでございます。
 現時点におきましても,こういった状況につきましては,大きな変化はないところでございまして,現在のような厳しい財政状況等から勘案いたしますと,この撤回の撤回ということにつきましては困難であるということをぜひ御理解を賜りたいと存じます。
 「桃太郎情報センター」でありますが,伝説上の人物・桃太郎につきましては,これまでも本県観光の魅力を全国に発信するシンボルキャラクターといたしまして,誘客,宣伝に用いてきたところでございまして,桃太郎にちなんだ土産品やキャラクターグッズなども多く開発されているものでございます。そのような土産品やグッズ,桃太郎関連資料等を集めて,桃太郎伝説発祥の地・岡山を国内外に情報発信をするという御提案は,観光振興を図る上でも,これは一定の効果は期待できると存じますが,現下の厳しい諸情勢でございまして,具体的なセンターの問題につきましては,今後の検討課題ということにさせていただければと,このように存じます。
 次に,交通政策であります。
 公共交通への転換と体系的な交通政策でありますが,モータリゼーションの進展に伴いまして,大気汚染や交通混雑等,さまざまな問題が生じておりまして,輸送効率やエネルギー消費効率等の面ですぐれております公共交通への転換を進めていくことが必要であると存じます。
 このため,県では,公共交通の利用促進を図っていくために,ITの活用によりますバスの定時制の確保や優先レーンの設置など,交通混雑の緩和を目指す交通需要マネージメントを,各界,各層の幅広い御意見をお伺いをしながら推進をしているところでございまして,今後とも,これらの取り組みをより一層進めて,総合的な交通政策の推進に努めてまいりたいと存じます。
 交通環境アセスメントについてのお尋ねをいただきましたが,交通政策の分野におきましても,今後渋滞緩和によります時間短縮や二酸化炭素排出削減などの社会的な費用・便益評価の考え方を取り入れることは意義のあることと,このように考えておりますが,実は,まだその評価方法とか目標数値の設定につきまして,一般的に確立をされていないということでございまして,今後の課題というふうに考えているものでございます。
 今後,国の動向とか欧米諸国の先進事例等を参考にしながら,費用・便益評価のあり方というものを研究してまいりたいと存じます。
 最後に,吉備線,津山線のLRT化についてのお尋ねでございます。LRT化そのものは,人と環境に優しい交通機関でありまして,道路混雑や環境負荷の低減等,都市の交通問題を解決する手段といたしまして,近年,欧米を中心に整備が進んでおります。私も,昨年ダイムラー・クライスラー社を訪問した際,その近くにございますカールスルーエー市を訪問させていただきまして,本県のRACDAの方が御視察をされたその後でございましたが,私も実際に路面電車に乗りまして,その快適性,そしてLRTというものが次の時代,間違いなく成熟社会におきましては広まってくるものと,このような確信を得たものでございます。
 ごらんのとおり我が国でも,富山市におきまして検討が進められるなどの動きがございまして,これからの公共交通のあり方に方向性を与えてくれるものとなっていると,このように私も評価しております。
 しかしながら,お話をいただきました,吉備線・津山線での事業化という具体的な問題につきましては,事業費とか事業主体,既存事業との整合性の問題など,いまだ多くの課題が残っていると認識をしているところでございまして,まずは関係機関と協議をして,これらの課題を解決していくということが必要かなと考えているものでございます。
 以上でございます。


(土木部長)  お答えをいたします。
 県道岡山吉井線の渋滞対策についてでございますが,新大原橋から中原橋までの区間につきましては,これまでに用地買収を終え,現在,全線にわたり工事を進めておりまして,平成17年度末には完成する見込みでございます。
 また,中原橋から岡山市街地までの2車線区間につきましては,中原橋以北の事業の完了に引き続き事業化ができますよう努力してまいりたいと考えております。
 これら区間の道路整備によりまして,渋滞は緩和できるものと考えております。
 以上でございます。

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