平成16年2月定例会 委員長報告◇行政改革・国体等特別
自由民主党 佐藤真治

(佐藤)
 行政改革・国体等特別委員会に付託されております事件について調査の概要を中間報告申し上げます。
 第1は,第3次行財政改革に関する調査についてであります。
 本委員会では,昨年11月に策定された第3次岡山県行財政改革大綱に,委員会の意見を反映していただくため,昨年5月から大綱案が示されるまで,行財政改革の重要課題について集中的な審査を行ってまいりました。その概要は,9月定例会の中間報告のとおりであります。
 その後,県当局におかれては,岡山県新行財政改革推進委員会から出された提言と同様に,本委員会の意見も十分に尊重いただき,第3次行財政改革大綱を策定されたのであります。
 早速,平成16年度当初予算について,第3次行財政改革大綱に沿った編成がなされ,公共事業に係る地方負担の削減,独自の給与カットを含む人件費の削減などにより,行革の歳出削減効果額は,平成15年度当初予算に比べ,78億円が見込まれているのであります。
 しかしながら,「三位一体の改革」の名のもとに,国が突然地方交付税の極端な削減等を決定したことにより,行革による歳出削減効果は薄れ,新年度予算は,財政健全化債を充当してもなお過去最大の346億円もの収支不足が生じる見通しとなりました。また,今回の措置が継続されれば,平成17年度においても313億円という巨額の収支不足が生じ,本県の行財政運営は極めて深刻な影響を受けることになります。
 行革努力だけでは地方の財政再建はままならないといったこうした状況を打開するため,県当局におかれては,国に対して「三位一体の改革」の本来の趣旨を踏まえ,地方が自主的自立的に行財政運営が行える地方税財源の確保について,県議会や全国知事会等とも連携し,あらゆる機会を通じて,強力に働きかけを行っていただきたいのであります。
 また,第3次行革の大きな課題の一つであります地方振興局の見直しについては,平成17年4月の3局または4局への再編を目指して,振興局の果たすべき機能,所管区域,再編後の組織・執行体制のあり方などについて,具体的な検討が進められており,今後,市町村合併の進展を踏まえた再編案が示される予定であります。
 この地方振興局の見直しについては,県議会のみならず,市町村や関係団体,県民も大きな関心を寄せているところであり,来年4月までの期限を逆算した検討スケジュールを作成し,早期にお示しいただきたいのであります。
 また,外郭団体の見直しについては,チボリ・ジャパン社など9団体について,個別審査や現地調査を行いました。その結果については,委員会会議録及び委員会調査結果報告書をごらんいただきたいと思います。
 また,第3次行財政改革大綱には,外郭団体の1割削減と審議会の2割削減が目標として掲げられておりますが,この見直しについても,県の行財政全般に大きな影響を持つものでありますので,早期に見直しスケジュールを作成し,個々の外郭団体や審議会についての具体的な見直しに着手されたいのであります。
 第2は,第60回国民体育大会の開催準備に関する調査についてであります。
 いよいよ来年に迫った「晴れの国おかやま国体」は,夏季大会及び秋季大会の開会式展開案がまとまるなど,開催準備が着々と進められております。
 秋季大会の開会式は,「晴れの国おかやま」ならではの魅力を式典演技の中にふんだんに盛り込み,フィールドとスタンドが感動を共有できるような,すばらしい式典となるよう,御努力いただきたいのであります。
 また,国体の主役は何といっても選手でありますから,この方々にもその感動を共有していただけるよう工夫いただきたいのであります。
 開催機運の盛り上げについては,開催1年前となる平成16年度が一番大切な年となりますので,県民一人一人の参加意識の高揚を図るため,テレビ等マスメディアの活用や県民に身近な場所へのPRのぼりやポスターの掲出など,効果的なPR活動を積極的に展開いただきたいのであります。
 第3は,第5回全国障害者スポーツ大会の開催準備に関する調査についてであります。
 障害者スポーツ大会を成功に導くためには,施設のバリアフリー,心のバリアフリー,情報のバリアフリーなど,さまざまなバリアフリー化を進めることが重要であります。特に,情報先進県を自負する本県としては,ITを活用した情報のバリアフリー化を進め,障害を持つ方々が不便を感じることのない大会にしていただきたいのであります。
 また,全国から来県される聴覚に障害のある方々に対して,正確,迅速な大会情報の提供を行うなど,情報面でのバリアフリー化を図るため,手話,要約筆記等の専門ボランティアの養成を着実に進められたいのであります。
 また,知事は,今定例会の一般質問に対し,新総合福祉・ボランティア・NPO会館の開館前倒しについて前向きな答弁をされておられます。PFI事業者と協議した上で,国体や障害者スポーツ大会に合わせた早期開館が可能であるならば,どのような活用方法があるのかを検討いただき,関係団体等にそれらの情報を早期に発信することにより,当会館を最大限に活用いただきたいのであります。
 第4は,競技力強化向上対策に関する調査についてであります。
 「晴れの国おかやま国体」に向けた競技力の強化については,競技力向上10か年計画に基づき推進されており,その結果,天皇杯順位は,平成13年の宮城国体が24位,平成14年の高知国体が18位,昨年の静岡国体が13位と,順調にその順位を上げております。
 今後とも,各競技団体との緊密な連携を図りながら,来年の「晴れの国おかやま国体」における男女総合優勝及び女子総合優勝を目指し,競技力の強化に取り組んでいただきたいのであります。
 また,第5回全国障害者スポーツ大会に向けた競技力の向上については,開催県として充実した大会となるよう,スポーツ教室や団体競技の強化合宿などを通して,広くスポーツを普及させ,選手の養成が図られております。
 また,全国障害者スポーツ大会に向けた選手の育成は,現在,保健福祉部を中心に行われておりますが,スポーツ振興という観点からすると,健常者も障害者も同じであり,教育委員会ともさらに十分な連携を図りながら進めていただきたいのであります。
 最後に,「晴れの国おかやま国体」及び全国障害者スポーツ大会「輝いて!おかやま大会」は,全国から本県を訪れる方々に,岡山のよさを感じていただく絶好の機会であります。岡山の魅力を精いっぱいアピールするとともに,決して不愉快な思いをさせないよう,宿泊や輸送には万全の対策を講じられたいのであります。
 以上,御報告申し上げます。

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