平成14年12月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1.地方分権について                   [ 知  事 ]
 (1)地方分権への感想             (総務)
 (2)県と市町村                (企振)
2.構造改革特区について             (企振)[ 知  事 ]
 (1)特区の認識
 (2)提案内容等への感想
 (3)今後の方針
 (4)カジノ
3.岡山市の中心市街地について          (土木)[ 知  事 ]
 (1)中心市街地
 (2)ザ ハヤシバラ シティ構想
 (3)岡山駅の機能強化
4.大学コンソーシアム岡山について        (総務)[総務部長]
 (1)社会人向け大学院講座
 (2)ネットワーク大学
 (3)インターンシッププログラム
 (4)大学図書館のコンソーシアム   教育協力
5.爆音暴走族対策について
 (1)広島県警の取組              (警察)[警察本部長]
 (2)「面倒見」への罰則            (警察)[警察本部長]
 (3)犯罪予備軍                (警察)[警察本部長]
 (4)努力義務の効果              (警察)[警察本部長]
 (5)年末年始対策               (警察)[警察本部長]
 (6)違法駐車取締               (警察)[警察本部長]
 (7)青少年問題                (生環)[ 知  事 ]
   ア 爆音暴走族等の存在
   イ 100人委員会の取組




(佐藤)  2人続きますと,ちょっとわかりにくうございますが,自由民主党の佐藤真治の方でございます。
 それでは,早速通告に従いまして,質問させていただきます。
 平成12年4月の地方分権一括法施行から2年半以上たって,国と地方は対等・協力関係にあるてなことを言いながら,結局はお互いの超財政難の中で,もはやある意味では行政同士の生き残りをかけたぶつかり合い,責任のなすり合いのようでもあり,県からすれば,今さら薄皮だけであんこの入っていないまんじゅうを国からもらっても,ちょっとうれしくないのうということでございますが,県民の皆様から見るとどうでしょうか。県民は,国民でもあり,市町村民でもあり,国,県,市町村と,どの行政がどう負担しようが,まんじゅうを買うのは自分たちの税金によるわけで,財布の出どころは同じじゃあねえんかと,非常に白けて見ておられる。そういう認識は必要かと思います。そして,つまりは税金を支払う側からすれば,国,県,市町村のトータルのむだを排して,トータルとしての税金や公共料金を少しでも下げてほしい,そういうことであります。
 それでも,少なくとも,岡山県民のトータルの負担を減らすためにも,対等・協力関係であればなおさら,国に向かって「実は,わしゃあ言うときは言うんで,いわれなきものは払わん」,あるいは「ないものは払えん」と,岡山県民のために堂々と闘われる知事の姿勢には心から敬意を表させていただき,拍手を送らさせていただくものであります。
 ところで,正直なところ,知事は,地方分権一括法なるものの施行から3年たとうとする現在,ああ国と県は対等・協力関係になったものだなあとしみじみと実感されておられるのでしょうか。県知事にとって,国とはどういう存在であり,また,今後どうあるべきだとお考えでしょうか。特に,機関委任事務が廃止され,自治事務,法定受託事務を生かした成果と呼べるものは何でしょうか。さらに,逆に県が県内78市町村から,対等・協力関係にあると,そのように認識されているとお感じでしょうか。
 さて,こうした地方と国との関係において,小泉構造改革の根幹をなすものの一つとして鳴り物入りで登場したのが,9月定例会でも取り上げられた構造改革特区です。国のサイドからいえば,「骨太の方針」第2弾で示された個性ある地域の発展,知恵と工夫の競争による活性化という観点から,地域の自発性を最大限尊重する形で進め,特定地域における構造改革の成功事例を示すことにより,全国的な規制改革と波及させて,日本経済の活性化を実現するために設けられたものです。地方サイドからいえば,こうした地域限定の構造改革を行うことで,地域の特性が顕在化したり,特定地域に新たな産業を集積させるなどにより,地域の活性化にもつながるということで,構造改革特区制度を推進することによって地域の活性化を実現することにもなります。ある意味,市場競争を抑制し,特定の産業分野のみを保護した規制を廃し,護送船団方式で規制によって恩恵をこうむってきた業界や,関連する許認可権で影響力を維持している中央官庁,族議員といった既得権益を擁護しようとする構造そのものを改革するということですから,地方分権の時代の象徴として本来渡りに船の施策のはずです。しかし,本県からの提案は4件で,岡山市,倉敷市がそれぞれ1件,おまけに規制緩和を求める声に対して,各省庁の回答は肩透かしのものも多く,興ざめした感は否めません。
 そこで,知事の構造改革特区に対する御認識,さらには規制改革特区ができたとしても,実際に企業の参入に結びつかなければ意味がないと考えますが,今回の提案内容,国からの回答についての御感想をお知らせください。
 加えて,財政措置や税制優遇といった旧来型の手法を用いない仕組みでどれだけの成果が上がるかは,特区の計画を提案する地方自治体の手腕にもかかっていると言えると思いますが,特区の担い手となる民間企業などの提案,さらには今回認められた株式会社の農業分野のほか,医療や教育分野への参画等,第2次提案募集に向け,今後の提案の方針をお知らせください。
 ところで,構造改革特区のうち,話題を集めたカジノ特区は,刑法に関する特区は対象外との規定に基づき事実上門前払いにされました。カジノと言えば,東京歌舞伎町で,非合法のかけゲームマージャン店を火元にした火災で死者44人が出る大惨事が起きたばかりの5月,石原慎太郎都知事は,「先進国の中で100万人以上の大都市にカジノがないのは日本だけ」と,知事就任以来の公約であるカジノ計画の推進を国に働きかけていく意向を明らかにしました。カジノが開設される場合,自治体が施設周辺のインフラを整備し,良好な環境を維持していかなければならず,その財源確保に税を位置づけていく必要があると判断した東京都は,実現に向けて,カジノ税創設を含めて法的整備を国に要請する検討を始めたとのことです。
 カジノ誘致には,太田房江知事の大阪府,静岡県熱海市なども積極的な姿勢を示していて,「イーストベガス構想」として市民運動的な盛り上がりを見せる秋田や石川,また宮崎に沖縄など,全国の7カ所が動きを見せている状況で,合法化を求める請願を採択した県議会も幾つかあります。東京都は,こうした複数自治体に共通する事情のため,現時点では,刑法改正などカジノ合法化の法整備の際,地方税として導入するよう国に求めていくことを想定し,国で税制が準備されなかった場合は法定外税で各自治体で共同実施する道もあり得るということです。
 同様の地方税としては,パチンコ,ゴルフ場,ボウリング場などに課税する娯楽施設利用税が1954年から実施されましたが,消費税導入に伴い89年に廃止,しかし,ゴルフ場利用税だけはぜいたくな娯楽とみなされ,1日最高で1,200円が現在も課税されていて,カジノの利用も同じ扱いをするのが可能だという考えが背景にあるようです。要するに,トトカルチョのサッカーくじをスポーツ振興くじなどと称して文部科学省が売り出す我が国は,競馬が3兆8,000億円,競艇が1兆3,000億円,競輪が1兆2,000億円,宝くじが1兆円,オートレースは2,000億円,そして公営ギャンブルではありませんが,パチンコが28兆円と,非合法カジノやマージャン賭博などをも入れると35兆5,000億円の市場を持つギャンブル王国です。これは,よくも悪くも日本文化でもあるとも言えると思いますが,これを税財源として法的に捕捉できるならば,非常に魅力的ではあります。
 そして,この動きは岡山県とも無縁ではなく,お隣香川県で,本年7月2日,政府が検討中の構造改革特区の指定を受けるため,早急にカジノ構想を表明するとともに,官民一体となった瀬戸内海カジノ委員会を設立するよう求めて,香川経済同友会の観光・交通委員会が「瀬戸内海カジノ構想について」と題する緊急アピールを行いました。緊急アピールでは,他地域の状況や地域的に規制を緩和する構造改革特区などを踏まえ,政府に対する早急なカジノ構想の表明,官民一体となった委員会の設立,県民の盛り上がりを醸成する啓発活動の3項目を要望したのです。カジノ構想が実現すれば,本四架橋の利用客が大幅にアップするほか,離島振興や地域経済の活性化につながり,香川の抱える問題がすべて解決すると指摘し,特区指定に乗りおくれないために早急な対策を促しています。
 香川経済同友会によると,国立公園の指定が外れている橋台の島与島あたりに,米国ラスベガスのような娯楽施設が集合したエンターテインメント型カジノを想定し,カジノホテル10棟の宿泊客は年間500万人,関連産業も含めた経済波及効果は約1兆円と見込んでいるようです。ちなみに,広島県の藤田雄山知事は,10月21日の定例記者会見で,カジノに関し,「公営企業のように公明正大にできるのであれば,競輪や競馬と同じように許容されてもいいのではないか」とおっしゃっておられます。
 前置きが大変長くなりまして恐縮でございますが,中四国州を目指される石井知事におかれましては,カジノ及びお隣香川県の経済同友会が示された,この瀬戸内海に世界のエンターテナーが集い,豪華なディナーの客船が浮かび,マリンライナーが与島カジノ駅でとまるような,この瀬戸内海カジノ構想についていかがお感じでしょうか。
 次に,中心市街地についてお伺いいたします。
 私は,中四国州の州都岡山市という大きな夢は描きたいものの,現在の岡山市の合併・政令指定都市化問題,特にその進め方についてはやや思うところがあります。が,それはさておいても,この数年で県都岡山市の中心市街地は大変な変貌を遂げ,あるいは遂げようとしています。その象徴のように,全国で3番目になる超低床路面電車「MOMO」が走り,岡山駅西口地区の再開発事業においては,駅東口地区と一体的な整備が進みます。しかも,岡山駅周辺の中心部の補完機能を持つ西部新拠点を目指して,岡山市の長年の懸案であった操車場跡地及びその周辺の整備が進み,平成15年春の完成を目指し多目的ドームの工事も進んでおり,新駅の設置に向けた動きも出ています。さらに,先日,「ザ ハヤシバラ シティ構想」も発表され,まるでバブル崩壊前のような大構想がメジロ押しの状況であります。
 ところで,私は,平成11年6月定例会で,「中心市街地の活性化のためには,まず第1に,恐らくこれ以上都市が郊外へ拡張していくことを抑制し,また都市にある既存のストックを活用して整備を進めていく必要があると思います」と申し上げました。街は西へ西へと広がっていく,そういった世界の定説がございますが,あえて申し上げれば,少子・高齢化の時代にこれ以上に街の拡大を続けて持続可能な街足り得るのか,インフラ整備が既になされている既存の中心市街地に再投下する方が,より効率的・効果的ではないのかという疑問を持つに至っております。
 そこで,知事に伺います。
 県都としての岡山市の中心市街地はどこであると考えられ,また,「ザ ハヤシバラ シティ構想」に対して今後どのような支援をなされるのでしょうか。
 また,駅元町地区市街地再開発事業などの西口周辺整備と連動して,市が計画しているJR岡山駅の機能強化について,県はどのようなスタンスをとられるのでしょうか。
 次に,市街地の活性化というわけでもありませんが,大学コンソーシアム京都の岡山版,大学コンソーシアム岡山の創設を提言させていただきます。
 大学が多数集積しており,歴史的にも大学都市として発展し,学術研究,文化芸術活動等を通じて,大学と地域社会及び産業界のつながりや大学相互の結びつきがはぐくまれている京都では,大学と地域社会及び産業界の連携を強めるとともに,大学相互の結びつきを深め,教育研究のさらなる向上と,その成果の地域社会,産業界への還元を図る大学コンソーシアム京都がつくられています。これはもう京都駅のすぐ横にございますけれども,特に大学コンソーシアム京都では,1997年より京都市と連携して,社会人の学習ニーズの高度化にこたえるものとして,京都の各大学,短期大学から提供された科目を正規の学生と同様に受講することができ,単位の修得が可能な制度であるシティーカレッジ事業を行っていますが,このことで,教養や自己啓発,職業能力の再開発等,個人の関心に対応し,サラリーマン,OL,主婦,高齢者の方々の広いニーズにこたえています。
 とりわけ,岡山県立大学がやや交通の便が悪い環境にあるため,例えば社会人向けの大学院講座をJR岡山駅周辺で開校する等,本県でも導入してみてはいかがでしょうか。
 さらに,岡山情報ハイウェイを駆使し,各大学の講座を一般社会人向けに開いてはいかがでしょうか。
 さらに,国内や海外の大学などとの連携により,単位や学位が取得できるバーチャル大学である岐阜県の「国際ネットワーク大学構想」のように,世界の大学と結ぶことはできないでしょうか。また,企業や行政機関及びNPO・NGO団体などにおいて,2週間から1カ月程度の就業体験を行う教育プログラムである「インターンシップ・プログラム」を学生向けに開設できないでしょうか。
 関連して,和歌山地域コンソーシアム図書館のように,公共図書館と大学の図書館とのコンソーシアムを形成することはできないでしょうか。
 以上,総務部長に質問いたします。
 次に,爆音暴走族対策について伺います。
 岡山県暴走族の追放に関する条例が,9月28日に施行され,幾分爆音暴走が減ったようにも感じますが,県警の皆様の涙ぐましい努力にもかかわらず,岡山市の目抜き通りの警察と爆音暴走族のイタチごっこはいまだ続いており,爆音暴走族の被害に苦しむ人間は彼らに殺意すら覚えると言っても過言ではありません。特に,これは本当に現地の方はというか,我々地域の者は大変に苦しんでおります。特に桃太郎大通りは,暴力団,爆音暴走族,周回族の車両が,県警の御努力をあざ笑うかのように出没しています。
 ところで,先日,NHKの「クローズアップ現代」で紹介された暴力団対策法をつくられた広島県警本部長の御判断で,暴走車両にパトカーを体当たりさせる広島県警の取り組みは,これは一歩間違えれば大惨事で,警察の方の命も危ないという命がけの作戦でありましたが,私は,その県警本部長の本気さに大変な衝撃を受けたのですが,本県では,暴走族に対してどのような姿勢で取り組まれるのか,県警本部長にお伺いいたします。
 また,広島の暴走族の特徴は,「面倒見」と称して暴力団員が暴走族同士の抗争の仲介に入るかわりに,暴走族がさまざまな名目で暴力団に上納金を納める仕組みがあるとのことですが,今,広島県議会では「面倒見」の罰則の条例改正案が上程されています。岡山の実態はどうであり,どう対策をされているのでしょうか。
 また,広島では,暴走族は青少年非行の先鋭化したものであり,ひったくりや窃盗の8割が少年で,うち8割が暴走族と,要は暴走族は犯罪予備軍であると言わざるを得ない状況ですが,岡山においてはどうであり,またどのような対策をされていかれるのでしょうか。
 また,岡山県の条例は,家庭・学校・地域・業者に努力義務を課したものですが,どのような具体的な効果があったのか,お知らせください。
 さらに,最近やや小康状態にある岡山の爆音暴走族ですが,クリスマス,年末年始,爆音暴走の可能性は高いと思われ,ここで緩めるわけにはいきません。対策の意気込みをお知らせください。
 関連して,交通巡視員による大通りや繁華街の深夜の違法駐車取り締まりが,昼に比べて十分になされていないのではないかという声が多いのですが,その理由をお知らせください。
 さて,私は,政令指定都市でもある広島の広島市役所に,本年4月1日に施行された広島市暴走族追放条例について伺いに行きました。この条例について伺いに行ったのが,広島県警ではなく広島市市民局が担当であるというのが,広島市の取り組みを象徴的にあらわしています。つまり,広島市の取り組み,また条例を読むとわかるのですが,広島市は暴走族対策を青少年の健全育成にかかわる問題ととらえているのです。もっと言えば,対処療法として警察が出動しますが,根本的な問題,抜本的な解決は,青少年問題としてあるいは教育の話であるととらえない限り,この問題は終わらないという経験則に基づいた取り組みであるということです。
 そこで,あえて知事にお伺いいたします。
 爆音暴走族や深夜徘回,周回族の存在は,やはり岡山のゆゆしき青少年問題であることには変わりありませんが,そういう青少年の状況をどのようにお考えになっておられるのでしょうか。特に,「青少年問題を考え,行動する100人委員会」で,青少年問題としての暴走族問題は格好のテーマだと思いますが,これまで話し合われてきたのか,今後話し合いが行われる予定があるのか,お知らせください。
 そしてまた,こういったことを行政の皆さんにお願いするだけでなく,地域的に,例えば相当数の人数をもって深夜にパトロールをする活動を地域の有志により行う,そういった団体の創設も必要だと考えますが,そういった団体ができた際には御支援をいただきますよう要望させていただきながら,質問を終わらせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えを申し上げます。
 地方分権への感想についてでありますが,地方分権一括法が施行されまして,国と地方公共団体は対等・協力の関係となったわけでございますけれども,しかしそのことを実感しているかと言われますと,まだまだ実感するにはほど遠いという認識でございます。真に実効ある地方分権というものを実現をしていくためには,地方税財源の充実など多くの課題がまだまだ残されていると,このように感じております。
 国は,国家としての存立にかかわる事務など,本来果たすべき役割というものを重点的に担っていただきまして,住民に身近な行政というものは,これはできる限り地方公共団体にゆだね,積極的に地方分権を進めるべきであります。そのことによりまして,国と地方を通じました簡素でそして効率的な行政システムというものの構築に資することができるものと,このように考えております。
 また,分権の成果といたしまして,機関委任事務が廃止されたことによりまして,国の関与が縮減をして,地域の実情に応じた自主的な行政運営というものが推進できるようになったわけでございますが,これとともに,岡山県快適な環境の確保に関する条例を初めとするいわゆる環境3条例や,法定外目的税としての産業廃棄物処理税の導入など,本県独自の個性あふれる施策の積極的な推進が図られていると,このように考えております。
 県と市町村との関係についてでございますが,私自身,従来より地域サミット等の場におきまして,地方分権一括法の施行によって,県と市町村は21世紀の地方自治をともに担うパートナーとしてこれからも対等・協力の関係で協力をし合っていこうといったようなことを市町村長の皆様にお話をしてきているところであります。これまでの国,都道府県,市町村という中央集権型の行政システムが長期にわたってきたということで,意識の中に根強くしみついたものもございまして,市町村において県に対する従来からの意識というものが完全には払拭されていない,こういう認識もございます。私といたしましては,さらなる地方分権改革への取り組みがこれからも進められるといった中で,県との対等・協力への認識というものが市町村の間におきまして次第に高まってくるのではないかと,このように考えているところであります。
 次に,構造改革特区であります。
 この認識についてでありますが,特区制度は,地方の知恵と工夫の競争によりまして個性ある地域の発展を図ろうとするものであります。地域経済の活性化や,あるいは全国的な規制改革につなげていく意義のある制度であると考えております。一方,現在,国の方で審議をされております特区法案を見る限りにおいて,関係省庁から各種の規制緩和に当たりましての条件が付与されるなど,地方の提案に十分に沿ったものとは言いがたい側面もありまして,今後とも,より一層の制度の充実が図られていく必要があると,このように考えております。
 本県の提案内容等への感想についてでありますが,本県からは,提出期限までの期間が約1カ月と短かったにもかかわらず,4件を提案しているところでありまして,内容的にも,IT特区や水島港国際物流・産業特区など,岡山県の地域特性やあるいは企業参入の動向等を踏まえて提案をしたものでありまして,地域の活性化に資するものであると考えております。
 こうした提案に対します国の回答でございますが,本県が提案いたしました特区4件29項目の規制に対しまして,特区として対応可能とされました9項目を含む20項目が何らかの形で実施可能とされるなど,全体的にはある程度評価できると考えておりますが,しかし特区としての対応を先送りされた項目もございまして,必ずしも満足できる内容ではないと,このように感じております。
 今後の方針についてでありますが,国の第2次提案募集に向けまして,引き続き民間からの意見というものも聞きながら,福祉や教育等幅広い分野におきましての提案について現在検討を進めております。また,既に提案しております特区につきましても,実現に向けた構想を固めていく中で,新たな規制緩和措置の導入などにつきまして積極的に追加提案をしてまいりたいと考えております。
 カジノについてであります。
 低迷をしております地域経済の活性化やあるいは財源対策のため,東京都を初め幾つかの府県でカジノの実現に向けた取り組みが行われているわけでございます。しかし,我が国において,射幸心を助長するかけごとを中心とした拠点開発によって本当に健全な形での経済活性化が図れるのか,また,カジノを容認をすることに対しまして国民のコンセンサスが得られるのかといったこと等につき,私は大きな疑問を感じておりますし,また青少年の健全育成といった面からも,これは大変問題があると認識をいたしております。
 お話がございました瀬戸内海カジノ構想は,香川県の経済同友会が提案をされているものであります。他の県が提案され,議論をこれから進められるという中でございますので,私といたしましては,今後のその論議の動向を見守ってまいりたいと考えております。
 次に,岡山市の中心市街地についてのお尋ねでございます。
 中心市街地はどこかというお尋ねがございましたが,これは岡山市が御答弁されるべき内容であろうかと,このように思います。したがって,岡山市がまとめられました中心市街地活性化基本計画を読ませていただきますと,その中では,岡山駅や表町を中心とした商業・業務機能や文化施設が集積した区域を中心市街地として位置づけていると,このように聞いております。
 「ザ ハヤシバラ シティ構想」についてでありますが,この構想は,岡山駅前という県の玄関口に当たる大変重要な地域を,21世紀にふさわしいにぎわいのある魅力的なまちに創造しようというものでありまして,この開発が,岡山市のみならず,県下全域に大きな波及効果をもたらすということを期待をしております。支援につきましては,今後,この構想が実現化する中にありまして,まちづくりに関して一義的な権限と責任を有し,中核市でもあります岡山市の御意見というものを十分踏まえながら,適切に対応してまいりたいと考えております。
 岡山駅の機能強化についてでありますが,駅の交通結節点としての機能強化や利便性向上のために,岡山市が西口駅前広場の拡張や駅の東西を連絡する自由通路の整備を計画をしておられます。県といたしましても,これらの事業が円滑に推進されますように必要な支援を行ってまいりたいと存じます。
 爆音暴走族等についてでありますが,暴走行為等を初めとする青少年の問題行動の背景には,地域における教育力の低下,社会全体の規範意識やモラルの低下等があると考えております。暴走族への加入防止や離脱促進を図っていくためには,「暴走族の追放の促進に関する基本方針」を踏まえまして,家庭・学校・地域が一体となった取り組みなど,青少年健全育成の観点からの対応を行っていくことが重要であると考えております。
 100人委員会の取り組みについてでありますが,「青少年問題を考え,行動する100人委員会」は,青少年健全育成にかかわるさまざまな問題について幅広く議論をしていく場であることから,特に暴走族問題にテーマを絞って議論をしたということはございませんが,しかしこれまでの議論の過程の中にありまして,暴走族に入ることを防ぐための教育の重要性とか,あるいは暴走族と暴力団との関係などについて意見交換がなされてきております。今後,暴走族の実態や警察との連携などにつきましてもさらに議論を深めて,青少年の健全育成というものを推進をしてまいりたいと,このように考えております。
 以上でございます。


(総務部長)  大学コンソーシアム岡山についての質問にお答えいたします。
 まず,社会人向け大学院講座についてでございますが,県立大学におきましては,産・学・官による共同研究の推進や公開講座の拡充など,地域や社会に開かれた大学として積極的に取り組んでいるところでございます。
 岡山駅周辺での大学院講座の開校についての御提案がございましたが,社会人の学習機会の拡大や産・学・官の連携の促進が期待できますことから,岡山駅周辺の利便性のよい場所におきまして,現在受け入れております社会人大学院生の指導や一般県民向け公開講座の開設ができないか,検討してまいりたいと考えております。
 次に,ネットワーク大学についてのお尋ねでございますが,先般,県立大学で,井原市内の県立高校と岡山情報ハイウェイを活用して実験的な遠隔授業を実施したところでございます。御提案のございましたインターネットを活用した一般社会人向けの講座の開設や他大学との連携につきましては,この遠隔授業における成果や問題点等を踏まえまして,今後研究してまいりたいと考えております。
 次に,「インターンシップ・プログラム」についてでございますが,現在,中国5県の大学等が加盟いたしました中国地域インターンシップ推進会議や岡山経済同友会などにおきまして取り組まれているところでございます。この制度は,学生の職業意識の醸成や自主性,柔軟性のある人材の育成に極めて有益であり,本年度から県立大学におきましても,情報工学部3年次生の単位取得可能な選択科目として取り入れております。今後,企業等と連携しながらさらにその拡充に努めてまいりたいと考えております。
 最後に,大学図書館のコンソーシアムについてのお尋ねでございますが,本県では,岡山情報ハイウェイを活用して,県内公共図書館の横断検索システムが稼働しているところでございます。このシステムに県内の大学図書館が参加することにつきましては,県民の多様なニーズにこたえる上で意義があると考えられますので,県立大学や教育委員会を通じまして県内の大学図書館で組織されます岡山県大学図書館協議会において検討していただきますよう働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(警察本部長)  佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 まず,暴走族に対する取り締まり姿勢でございますが,暴走族は,県民の平穏な生活や交通に著しい危険や迷惑を及ぼす団体でありますから,今後とも,暴走行為等不法行為は絶対許さないとの強い姿勢で臨んでまいりたいと考えております。
 次に,暴走族と暴力団との関係でございますが,暴力団組員やその周辺者が,暴走行為をあおったりそそのかしたりした事案等が発生をしており,暴力団とのかかわりがうかがえるところでありますが,当該行為等につきましては,岡山県青少年保護育成条例の非行助長行為の禁止規定等を適用いたしまして,検挙をしておるところでございまして,今後とも,現行法令等を効果的に適用いたしまして対応してまいりたいと考えております。
 次に,暴走族は犯罪予備軍であるとの御指摘でございますが,当県におきましても,暴走族は,暴走行為のほか窃盗や傷害,恐喝事件等を敢行しており,非行集団という実態もございます。警察といたしましては,取り締まりや補導を強化いたしまして,グループの解体や脱会の促進に努めておりますけれども,次々と世代交代を繰り返しておりますことから,今後とも引き続き離脱の促進や加入阻止活動を強化していくことといたしておるところでございます。
 次に,条例で努力義務が課せられております県民,保護者,学校関係者等の状況でございますが,警察と連携いたしまして,暴走族に関する討論会,地域における対策会議,それから中高校生を対象といたしました暴走族への加入阻止教室などが開催されておりまして,暴走族追放機運が高まってきていると認識をいたしておるところでございます。
 次に,年末年始に向けた暴走族取り締まりでございますが,例年,クリスマスや年末年始を中心に暴走行為が敢行されておりますことから,本年も特別取り締まり体制をしきまして,強力な取り締まりを実施してまいりたいと考えているところでございます。
 最後に,岡山市内の歓楽街における違法駐車の取り締まりでございますが,11月末現在,田町,中央町,柳町におけます検挙件数の約45%は夜間に検挙したものでございます。違法駐車は,迷惑,危険性が高いことから,今後とも,昼夜間を問わず強力な取り締まりを推進していくことといたしております。
 以上でございます。

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