平成13年12月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 中国との共存共栄等について
 (1)中国のWTO加盟による影響    農水協力(商労)[ 知  事 ]
 (2)中国東方航空の増便        商労協力(企振)[ 知  事 ]
 (3)中国との新空路開設            (企振)[ 知  事 ]
   ア 調査
   イ 岡山〜深セン等
 (4)国内他地域を経由した空路開設       (企振)[ 知  事 ]
 (5)人的ネットワーク等の強化         (商労)[ 知  事 ]
 (6)情報ハイウェイの実績と中国        (企振)[ 知  事 ]
 (7)経済交流を目的とした派遣等    総務協力(商労)[ 知  事 ]
2 岡山空港について               (土木)[ 知  事 ]
 (1)一部駐車場有料化
 (2)ビルの改装予定等
3 文化芸術について
 (1)文化芸術振興基本法        生環協力(教育)[ 知  事 ]
 (2)パブリックアート         企振協力(生環)[ 知  事 ]
 (3)デジタルミュージアム等の可能性      (教育)[ 知  事 ]
 (4)後楽園・城下周辺の整備方針等
   ア 出石町再開発              (企振)[企画振興部長]
   イ 旧日銀                 (企振)[企画振興部長]
   ウ 表町地下駐車場の見直し         (土木)[土木部長]
 (5)文化振興の推進体制        教育協力(生環)[ 知  事 ]
4 産学官の連携について
 (1)県の産業クラスター            (商労)[商工労働部長]
 (2)官としての働きかけ等           (商労)[商工労働部長]
 (3)大学における情報ハイウェイの利用状況   (企振)[企画振興部長]
 (4)TLO                  (商労)[商工労働部長]
 (5)起業支援NPOへの支援          (商労)[商工労働部長]
 (6)バイオに関する産学官の連携        (商労)[商工労働部長]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治でございます。まずもって内親王様の御誕生を心よりお喜び申し上げます。
 一般質問戦も半分を過ぎまして,ここからまた陽気に頑張らさせていただきますので,どうぞおつき合いをよろしくお願いいたします。
 さて,先日,もったいなくも,知事と議長が上海便の増便要請に訪中される便にたまたま乗り合わさせていただき,若い経済人たちと計7名で,主に岡山から上海に進出している幾つかの企業の工場を見てまいりました。これは物すごいものでした。経済的に豊かであるかどうかではなく,頑張ればきっと報われる。きっとあしたはきょうよりよくなるだろう,そう無条件に信じられる,要するに夢を描くことができる,そんな中国の青年の姿が私にはうらやましくもありました。爆発的に伸びる中国,人口1,300万人の巨大都市上海の街や人の魅力,可能性に圧倒され,私の中では中国がマイブームになっておりますので,今回は中国にちなんだ質問から始めさせていただきます。
 11月10日に,中国がWTO(世界貿易機関)の加盟申請を承認されたのは,記憶に新しいビッグニュースです。これで中国も国際経済社会のメンバーとして認知され,国際的な通商ルールが通用する国に仲間入りしました。これにより投資や貿易の障壁も減り,世界の企業の投資がますます中国に向かうと思われます。そもそも,世界人口の5分の1,13億人を擁する中国は,比較的良質で安く,豊富な労働力と成長力を秘めた巨大な消費市場であり,企業にとって大きな魅力です。
 中国にとっては,WTO加盟は短期的なデメリットもあるとも言われていますが,同時進行の西部大開発と2008年オリンピック開催という2大プロジェクトによって克服可能であると思われます。途中,経済成長率が鈍化したり,調整する局面に入ったりすることはあっても,政治的なリスク,これはかなりあると思うんですが,政治的なリスクを除けば中国経済の成長は約束されていると見てよいのではないかと思われます。
 一方,我が国の企業は,日本国内はもちろん,ほかのアジア諸国にあった拠点を再編し,中国に集約するような生産体制のシフトが目立っています。このまま対中シフトが加速すれば,日本国内でも地方を中心に雇用機会が奪われかねないという懸念があります。まさに,今日本企業にとっては総合的な対中戦略が不可欠です。日本の産業界は,生産拠点の中国への移転による国内空洞化だけではなく,あるいは対中戦略そのものの空洞化というより深刻な問題を抱えています。
 また,政治的にも,自国内の構造改革が進まないなどと言っているような場合ではなく,中国といかに共存共栄するかの方策を示すことが,21世紀の日本の国の興亡をかけた一大テーマであると私は思います。
 このことは,岡山県にとっても決して例外ではありません。岡山県からは,被服・繊維製品や機械器具の製造業を中心に,海外進出企業の4分の1が上海とその周辺に集中しているわけですが,対中戦略について,この地方分権の時代に,わざわざ中央の意向に沿うこともなければ,いわんや2億8,000万人の人口のアメリカ合衆国にお伺いを立てる理由もありません。中国の規模,国民性,華僑の歴史からしても,いかに岡山県独自のネットワークを築き上げるかが岡山の未来を決すると言っても過言ではないと思います。我々の目と鼻の先に13億人の人間がいるのです。
 そこで,まず知事にお伺いいたします。
 大きな質問になりますが,中国のWTO加盟が岡山県にどのような影響を与えるとお考えでしょうか。
 次に,平成10年開設の中国東方航空の上海への国際定期航空路があること自体,岡山の大変な財産だと思いますが,さらに週3便の増便を目指されることは本当にすばらしいことだと思います。このことが,観光のみならず,経済的にどういう効果,特にフィードバックが岡山にあるか,お知らせください。
 また,さらなる中国への新空路開設に当たって,中国全体を俯瞰するような調査はされているのでしょうか。
 岡山−北京線,あるいは岡山−ハルビン線,岡山−深セン線は考えられないでしょうか。日本−ハルビン線は現在新潟空港しか直行便が就航していませんが,週3便ですが搭乗率もなかなかのものです。北陸,東北,北海道地方の空港がハルビン線の直行便に対し力を入れているそうですが,山形県の庄内空港から来年度に中国北方航空の直行便の就航が実現するようです。日中両国の歴史的な経緯,あるいは日中航空協定の中で,西日本の地域から新規路線開設に向けての話が浮上してこないのはいろいろな問題があるのかもしれませんが,まずはプログラムチャーター便から始め,週2便程度で定期便開設,搭乗率も恐らく上海線以上にいく可能性もあると思います。
 また,中国南方航空を相手に広東方面,とりわけ爆発的に発展する深センへの航路は考えられないでしょうか。
 これに関連しまして,海外への空港の新規路線開拓については,岡山空港から国内の一地域を経由して開設することは考えられないでしょうか。このためには,日本国政府と当該国政府との航空交渉の必要性,あるいは着陸料等の必要経費の増大等はあると思いますが,このことを加味しても集客が見込めると思いますが,いかがでしょうか。
 さらに,平成9年より,ジェトロ上海センター岡山経済交流部,すなわち,これは事実上の岡山県の上海事務所になるわけですが,上海事務所を開設されているわけですが,岡山県の世界への窓口として,まさに汗をかきながら最前線でネットワークを広げられておるその現地での御労苦には本当に頭が下がります。しかしながら,世界レベルで見ると,岡山県という行政単位で,中国,とりわけ上海市を相手にするのにはなかなか難しいのではないかというふうに思います。そのためにも,現地に出されている各県の事務所や日本と現地の企業に注目し,両方の情報ネットワーク,とりわけ人的ネットワークを強化することが重要です。端的には,岡山上海事務所を核とした地方レベルでの対中戦略プランが必要であると考えますが,いかがお考えでしょうか。
 加えて,中国は既にパソコン7,000万台,ネット人口1,900万人の世界最大級のIT市場になっています。お隣の島根県では,既にIT人材交流を始めたと聞きますが,岡山情報ハイウェイの実績を中国と結ぶ方策はないでしょうか。
 また,人事交流という意味では,観光旅行や役員研修ではなく,経済交流を目的として大量に青年,若手企業人を中国に派遣,交流させる施策が必要だと思います。21世紀にどんな連中と我々が国際舞台で戦うのか,あるいは手を組むのか見ておく必要がありますが,そのような施策はお考えでしょうか。
 あわせて,岡山空港に関して幾つか伺います。
 岡山空港は,1,850台の無料駐車場が売りであることを承知の上で,一部駐車場有料化の提言をさせていただきます。
 毎週東京に出張する経営者,会社員の方は大勢おられますが,ぎりぎりで空港へ入った場合,車がとめにくいということがたびたび起こっているように思います。また,車の保護の問題もあるようです。こういう方々にとっては,駐車場が無料であるということは必ずしも大きなメリットであるとは思えません。そこで,特定の最寄りの区間のみを有料にして,無料のエリアも残すことにしてはいかがでしょうか。例えば,最寄りの500台分を有料にし,例えばですが,1日500円として,これだけでも年間数千万円以上の売り上げとなります。お金と時間のどちらを優先させるか,空港の利用者に選択していただく時代であると思いますが,いかがでしょうか。
 さらに,これは昨日の重複質問になりますが,JALの進出もあり,ビルが手狭になり,またレイアウトも改善すべきではないでしょうか。毎年の利用客の増加に伴い,現在の空港カウンター及び待合室等は余りにも手狭だと思います。
 また,店舗の配置も非常に圧迫感があります。レストラン等も滑走路が見えるところへ移動するなど改装の予定等がございましたら,お知らせください。
 次に,文化芸術についてお伺いいたします。
 私は,文化では飯が食えないというのは,これは,アメリカのハリウッドの映画産業の世界戦略一つとってみても大きな間違いであると思います。やりようによれば文化でも飯は食えると,そのように思います。
 岡山県における文化芸術につきましては,まずもって昭和61年から全国各地において開催されている国民文化祭が平成21年度以降の早い時期に岡山県に誘致・開催されること,また,平成12年3月に策定された岡山県文化振興ビジョンの実現,あるいは岡山県芸術祭の県民文化祭への移行,また岡山県文化連盟(仮称)の創設を切望いたします。
 さて,知事は,文化は県民一人一人の自主的,創造的な活動がつくり出していくものであり,行政の役割は県民の文化活動を促進するための支援や環境づくりをすることであるとされますが,これはちょっと午前中の質問と重複いたしますが,先日超党派で文化芸術振興基本法が成立いたしました。とりわけ舞台芸術分野においては,近世以降我が国で置かれてきた偏狭な概念が国家の名において是正され,その環境整備の必要性が公文書,それも法律として明記されたとして,非常に高く評価され,大きな励みとなっています。
 この文化芸術振興基本法ですが,「新世紀おかやま夢づくりプラン(仮称)」の中での位置づけを含めて,今後,この法制化を地域で具体的に実質化させていくための指針や施策をお知らせください。
 次に,新千年紀記念事業として岡山駅前東口広場に「吉備沃野」というパブリックアートができたわけですが,このアートの芸術性は高く評価できると思います。私もすばらしいものだと思いますが,ほかに利用価値のある公共空間に,いわば行政主導の形でパブリックアートがつくられていくような過程に私は若干の疑問を感じております。こういった公共施設におけるアートの作成過程においては,行政主導ではなく,文化施設の運営や芸術文化団体の活動を担う人材や団体を育成するという観点からの取り組みが必要であると考えますが,こういったパブリックアートをつくっていく過程にどういう哲学があるのか,御教示いただければ幸いです。
 さらに,ビジョンの中では文化情報提供機能の充実を掲げられていますが,岡山情報ハイウェイの活用としてネット内博物館,デジタルミュージアムなどの可能性についてどのようにお考えでしょうか。
 また,ビジョンの中では文化施設の利用促進と整備を掲げられていますが,岡山県が誇る文化ゾーンである後楽園,城下周辺につきお伺いいたします。
 出石町再開発,また旧日銀岡山支店の跡地も含めて今後の整備方針について,企画振興部長にお伺いいたします。
 特に,商店街のみならず,文化ゾーンの玄関口である表町地下駐車場の見直しがされるということでありますが,まさにこの地は国の予算の重点7分野の一つである都市再生そのものに関する地域のことでありまして,2万人の居住可能性のある中心市街地において,駐車場をこのように縮小する以外に方策がないのか,土木部長にお伺いいたします。
 さらに,ビジョンの中で文化振興の推進体制の充実を掲げられていますが,文化施策は,まさにさまざまな機会を活用した県民ニーズの把握が必要であり,NPOも深く絡んでくるというまちづくりそのものの話であり,知事のもとにあるのが適切だと私は考えますが,いかがでしょうか。
 次に,産・官・学の連携について通告いたしておりましたが,私の不勉強もありまして,もう一度勉強し直して,改めて次回たっぷりと質問させていただきますので,私の質問は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答えをいたします。
 中国のWTO加盟による影響についてのお尋ねがございましたが,ただいま議員の方からも御指摘がございましたが,本県の産業構造の特色といたしまして,全国的に見ましても対中国への輸出の比率が本県は高うございますし,また中国への進出企業というものも多いということでございます。こういったことから,本県からの輸出が拡大をするということが予想されますし,また同時に原材料調達コストの低減等によりまして,中国に進出をしております企業の価格競争力の強化につながるものと見込んでおります。一方,これも御指摘ございましたが,生産拠点の移転によります産業の空洞化や,あるいはこれに伴う雇用の減少,低価格製品の流入増によります企業,生産者への影響というものも大変懸念されるところであると考えております。
 次に,中国東方航空の増便についてでありますが,増便によります上海線の利便性の向上に伴いまして,観光,ビジネスなどの人々の交流が一段と活発化するとともに,航空貨物につきましても輸送能力の拡大によりまして集積が期待できるなど,中国との経済,文化等の交流に一層の弾みがつくものと考えております。
 中国との新空路開設の調査についてしたことがあるかとのお尋ねがございましたが,平成9年3月,岡山と中国各地との路線開設の可能性について調査を実施をしておりまして,それによりますと,岡山−上海線,岡山−北京線の運航可能性が高いという結果が出ております。県といたしましては,この調査結果や,あるいはプログラムチャーターの成果というものを踏まえまして,上海線の開設を図ったところであります。
 岡山−深セン線等についてでありますが,中国へは今年度岡山空港から北京市に既に7便のチャーター便が運航されておりまして,この実績を踏まえ,関係航空会社に岡山−北京線の開設に向けた働きかけを強めてまいりたいと存じます。
 御質問にございました深セン線,ハルビン線につきましては,当面需要動向等を研究をしてまいりたいと存じます。
 国内他地域を経由した空路の開設についてでございますが,お話がございました手法は,直行便に比べまして集客力にすぐれているということでございまして,今後の新規国際路線開設に向けての有力な手法として,お話にありました手法を活用してまいりたいと存じます。
 人的ネットワーク等の強化でありますが,上海事務所では,ジェトロのネットワークを十分活用をいたしますとともに,中国各地の自治体事務所との連絡会議で定期的に情報交換を行ってきております。また,上海や香港エリアに進出をしております県内企業の協力を得ながら,人と情報のネットワークの形成にも取り組んできております。今後とも,上海事務所を核として,広がりのある人的ネットワークの強化に努めてまいりたいと存じます。
 岡山情報ハイウェイの実績と中国についてでありますが,岡山情報ハイウェイを初めとする高度情報化に積極的に取り組んでまいりました岡山県と,IT社会構築に向けて目覚ましい進展を遂げつつあります中国との間で技術的,人的交流を行うことは大変有意義であると考えられます。さきの「東アジアIT協力会議」等の成果を生かし,具体的な交流方策を検討してまいりたいと存じます。
 経済交流を目的とした派遣等についてでありますが,現在既に相当数の経済団体や企業グループなどが中国を訪問しておりまして,上海事務所が現地での交流というものを支援をいたしております。また,岡山県国際経済交流協会におきましても,ミッションの派遣やあるいは中国語の現地実践研修などを行っておられます。青年や若手企業人等がみずから学んでいただくこと,これが基本ではございますが,県といたしましても,今後ともこのような交流の場づくり,あるいは交流機会の情報提供などの支援を行って,経済交流をもっと活発に展開をするよう努めてまいりたいと存じます。
 次に,岡山空港の問題であります。
 一部駐車場を有料化してはとの御質問でございますが,岡山空港は,開港以来駐車場を無料にしていることが最大のセールスポイントであったわけでございまして,大きな旅客数の着実な増加にこのことが結びついてきているわけであります。岡山空港のこういった優位性というものを確保するために,今年度中に空港の入り口付近に駐車状況を電光式で表示をして,車で来られる方にどこの駐車場が今あいているかということをわかりやすく明示をするなど,引き続き利便性の向上策というものを強力に展開をいたしまして,無料駐車場の利便性といったことで,当面,この無料駐車場という形の運用を継続いたしたいと考えております。
 また,しかし御質問にございましたとおり,駐車場が近くは満杯であるといったようなこともよく私もお聞きをいたしておりますので,より利用しやすい駐車場というものを目指さなければならないと思っておりまして,ターミナルビルの前面にあります駐車場の拡充につきましても検討をいたしたいと考えております。
 ビルの改装予定等についてでありますが,新たな航空会社の進出や旅客数の増加など手狭となる要因がふえておりまして,保安検査機器の増設など可能なものにつきましては早急に対応策を検討したいと考えております。
 なお,現ビル内でのレイアウト改善というものには構造的な制約があるため,ビル全体の増改築につきまして基本計画の策定を急いでおります。旅客の利便性と快適性を抜本的に向上をさせていかなければならないと考えております。
 文化芸術振興基本法でありますが,法では,今後,国が示す基本方針を勘案し,各県で施策の推進を図るように定められておりますが,本県では,御案内のとおり,既に岡山県文化振興ビジョンを昨年策定をし,県芸術祭の充実など文化芸術の振興に取り組んできているところであります。
 先日,骨子案をお示しをいたしました「新世紀おかやま夢づくりプラン」におきましても,文化というものを重要な柱と位置づけておりまして,今後,このプランの具体化に当たりましては,各界各層の御意見,あるいは法の趣旨に沿ったプランにしてまいりたいと考えているところでございます。
 パブリックアートについてのお尋ねがございましたが,パブリックアートの制作過程におきましては,御指摘のような人材育成等の観点からの取り組みというものも有意義であると,このようには考えますが,さらに,パブリックアートでございますから,設置する場所とか,あるいは周囲の景観等も踏まえまして,専門家,地元関係者の意見も聞き,コンセンサスを得ながら進めていくことが大変重要であると考えております。
 新千年紀記念事業は,県民の皆様方からのアイデアの募集に始まりまして,各界を代表する委員から構成される新千年紀記念事業推進会議において,芸術の専門家等を交え,1年間にわたって審議をした結果,岡山駅前に「吉備沃野」を整備することに決定したものでございます。そういった意味で,行政主導で完成をしたものでないことを御理解を賜りたいと存じます。
 デジタルミュージアム等の可能性についてでございますが,本県が全国に先駆けて整備をいたしました情報ハイウェイを活用いたしまして,現在,県立博物館の新たな機能といたしましてデジタルミュージアムシステムの構築に取り組んでいるところであります。現在,約1万4,000件の所蔵資料のデジタル化に着手をいたしておりまして,県内博物館等との連携によるネットワーク化に向けまして検討を始めている段階にございます。
 文化振興の推進体制であります。現在,文化振興に関する施策につきましては,知事部局においては主として地域文化を,また,教育委員会におきましては文化財と芸術文化を所管しておりまして,おのおの機能分担と連携を図りながら推進をいたしているところであります。
 この文化施策を知事部局が所管をしてはどうかとの御提言がございましたけれども,既に各種法律によりまして,例えば博物館,図書館,社会教育等々の関連の法律は,その業務につきましては教育委員会が所掌すると法律で明示されている分野も多々あるわけでございます。また,文化行政の,その地方教育行政の中における中立性といったような議論もあろうかと思っております。
 現在の私の考えといたしましては,例えば国民文化祭の開催等,県を挙げて対応する必要があるようなそういう大きな取り組みにつきましては,これは知事部局が中心となっていかなきゃいけないといったような方針で,文化行政を総合的に,そして効果的に推進をしていくということから体制の整備に努めてまいりたいということで,当面の体制を維持しながら,より私自身が文化行政を強力に先頭に立って推進をしていくということで,この文化行政のこれからの県政の方向づけを図ってまいりたいと考えております。御理解を賜ればと思います。
 以上でございます。


(企画振興部長)  お答えをいたします。
 後楽園,城下周辺の整備方針等のうち出石町再開発についてでありますが,後楽園の玄関口である出石町で計画されておりました後楽園周辺整備事業は,昨年12月,大規模事業の見直しの中で,事業評価委員会の意見を踏まえて白紙とし,先行取得済みの用地につきましては,当該地域の特性が生かされるよう,民間活用を含めた処理方策を検討することといたしたところでございます。
 次に,旧日銀岡山支店の整備についてでございますが,本年3月に,旧日銀岡山支店を活かす会から,歴史的建造物である本館の再生保存や芸術文化の拠点としての活用等について最終報告をいただいたところでございます。これを踏まえ,本年度は建物の耐震診断を実施しているところでありまして,この結果をもとに今後事業化に向けた県としての計画策定に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(土木部長)  お答えします。
 表町の地下駐車場の見直しについてでございますが,この駐車場の利用実績は計画を大きく下回っておりまして,事業終了年度の平成32年度におきましては,累積欠損額が80億円以上になる見通しでございます。県財政に大きな負担となるということでございまして,このため,問題を先送りすることなく,抜本的な対応策といたしまして,道路公社の事業を廃止しまして,県に移管する方向で見直しを進めておるところでございます。
 現在の機械式駐車場は,維持管理する上で多額の経費を要するとともに,入出庫が非常に不便な構造でございまして,低コストで利用しやすい平面自走式駐車場に改良いたしまして管理運営をいたしたいと考えているところでございます。
 なお,市街地の中心部の駐車場対策につきましては,今後,岡山市やそして地元関係者と十分に協議をいたしてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

Copyright (c) 2001 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp